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記者会見

外務大臣会見記録(平成13年4月)


INDEX


・ 外務大臣会見記録(4月27日付)
  ・ 閣議
  ・ 外務省報償費、プレスとの関係等
  ・ OECD閣僚理事会、WTO、京都議定書、外交日程等


・ 外務大臣会見記録(4月27日付)
  ・ 所信表明
  ・ 機密費問題
  ・ 日中、日韓関係
  ・ 日米安全保障問題
  ・ 外相就任における抱負


・ 外務大臣会見記録(4月26日付)
  ・ 臨時閣議
  ・ 所感
  ・ 近隣諸国との外交
  ・ 普天間基地問題
  ・ 機密費
  ・ 対露外交
  ・ 核軍縮
  ・ 機能改革会議
  ・ 靖国神社公式参拝


・ 外務大臣会見記録(4月24日付)
  ・ 閣議案件
  ・ 「えひめ丸」事故
  ・ 李登輝前台湾総統の日本訪問
  ・ 日・シンガポールFTA
  ・ 自民党総裁選
  ・ 外務省機能改革会議


・ 外務大臣会見記録(4月20日付)
  ・ 閣議内容
  ・ 神環保
  ・ 李登輝氏来日問題


・ 外務大臣会見記録(4月17日付)
  ・ 閣議内容
  ・ 京都議定書を巡る交渉
  ・ 李登輝氏来日問題


・ 外務大臣会見記録(4月13日付)
  ・ 閣議
  ・ 日本・イスラム世界文明対話
  ・ 報償費問題
  ・ 李登輝元総統訪日問題
  ・ 教科書問題


・ 外務大臣会見記録(4月10日付)
  ・冒頭発言
  ・ 元在豪州大使館員に係る疑惑
  ・ 李登輝元台湾総統の訪日
  ・ 麻生議員の自民党総裁選出馬表明
  ・ セーフガード
  ・ 駐日韓国大使の一時帰国


・ 外務大臣会見記録(4月6日付)
  ・ 冒頭
  ・ 閣議の模様
  ・ 森総理の退陣表明
  ・ セーフガード
  ・ 緊急経済対策
  ・ 京都議定書
  ・ 機密費関連
  ・ 李登輝元総統の訪日
  ・ ロシア課長人事
  ・ 米原潜シカゴの佐世保港入港


・ 外務大臣会見記録(4月3日付)
  ・ 京都議定書
  ・ 北方領土問題
  ・ 米国原潜の佐世保無通報入港




外務大臣会見記録 (平成13年4月27日(金)9:20~ 於:本省会見室)

・ 閣議

(外務大臣)本日の閣議は実質的な初閣議であったが、二、三、即具体的に厚生労働省関係の話も出て、真剣に国民の皆様の実態というか、具体的には失業率、消費支出の問題であるが、右について、二、三意見の交換があった。即実務的に動き出している、問題意識が出てきているとの印象を受けた。

(問)今朝の閣議・閣僚懇では、失業率等について二、三の意見交換があったということであるが、大臣から何か発言はされたのか。 (外務大臣)発言していない。テークノートしただけである。

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・ 外務省報償費、プレスとの関係等

(問)昨夜の初会見で機密費の問題について(大臣は)積極的に発言されていたが、機密費を巡っては、官房報償費と外交報償費の上納の問題が出ていると思うが、右に対する大臣のお考えを伺いたい。また、上納については、これまで外務省は「(上納は)無い」という立場であるが、この点について改めて調査するというお考えはあるのか。

(外務大臣)機密費の問題にお答えする前に、自分(大臣)からはっきり申し上げたいことは、個別の問題、外務省に関すること、或いは内閣に関することであるが、それにお答えするには、昨日(外務大臣に)就任したばかりで、これは弁解ではないが、間違いを起こしたり、誤解を生じる、齟齬を生じるということがあれば、これを取り戻すのに大変時間がかかるので、先ず政策の幹となるような問題について、過去の経緯も、自分(大臣)の一番の直近は、これは約2週間、選挙運動も全国走り回ってやっていたので、その間、殊に経済もそうであり、前内閣もそうであるが、外務省関係で全てを知悉している訳ではない。特にこの過去2週間位の間は、殆どメディアのことが解っていない、メディアを通じて情報が正しく入っていないとご理解頂きたい。
 従って、連休明けて或いは一ヶ月位経っていて、レクも聞きながら、それから皆様の意見等も伺いながら、自分なりに整理をさせて頂きたい。そういう時間を是非頂きたいと思う。そのことによって、自分(大臣)は政治家であり、役所は事務方である。従って、幹になる部分については、それは政治がしっかりと決めていかなければいけない。そのためには、十二分な情報、正しい客観的な情報、偏らない情報が必要であると思う。初めから違った部分のことだけが入ってくると、 やはり「木を見て森を見ざる」というようなことになると思うので、是非そういう時間、ゆとりを頂きたいと思う。
 また、これに関連して、メディアの方々との関係であるが、外務省だけなら良いが、勿論官邸もあるし、それから自宅や議員会館とか膨大なマスコミの方が朝から晩まで、各社とも沢山の方を動員してやってくるが、受け手は自分(大臣)一人であり、もう潰されてしまいそうである。特に、選挙戦中のこともあるし、そうそう人間、緊張感に常時耐えていることはできない。殊に健康状態もあるが、頭の面でミスを犯したりするのはよくないので、少し何か(メディアとの間で)取り決めをさせて頂けるとありがたいと思う。例えば、閣議後の定例会見はこうした形である訳であるが、その他にも、例えば、「ぶら下がり」の問題であるが、これは森前総理も気にされていて、よく「・・・・」、「・・・・」と記事にされていたが、あれはやはり間違いを起こしやすいと思うので、どういう形がいいか、皆様からも是非意見を伺いたいと思う。これはこの場にいらっしゃる方々だけではなくて、他の場所では他の場所、自分(大臣)の自宅の玄関、議員会館の前、あらゆるところで(ぶら下がり)が行われているので、お互いルールを作っていかないと皆さんの休む時間、食事の時間も必要であろうし、いい状態で、くつろいでいるけれども真剣勝負ができて、そして、自分(大臣)が一番責任を持っていなければいけないことは何か、これはメディアを通じて、その後ろにいる国民の皆様である。その原点は忘れない。 従って、自分(大臣)は、役所の省益であるとか、或いは国民のために何か派手なことをやろう、パフォーマンスをやろうなどということは全然考えていない。事実は何か、過去の経緯は何なのか、どういうことか、その事実をしっかり勉強する時間、これは必要である。そのためには、頭も体もエネルギーが充実していなければいけないので、今は走り回っているだけであるので、そこのところを、皆さんにもルール作りを考えて頂きたいと思う。今すぐというわけではないが、代表者を通じてでもご提案頂けるようお願いしたい。
 更に、機密費についても、今朝の朝刊を見ると、自分(大臣)が何か外務省をバッシングするのではないかという期待があるのかどうか知らないが、どこまでが官邸のものであり、どこまでが外務省のものであるか、どういうふうな状態で進捗しているのかということを正確に承知していない。従って、その事実を承知してから、しっかりと分析をして、方向性を示すということになるであろう。

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・ OECD閣僚理事会、WTO、京都議定書、外交日程等

(問)経済と環境に関する話であるが、5月の中旬にパリでOECDの閣僚理事会が開かれることとなっており、今のところ想定される議題としては、WTOの新ラウンドの立ち上げの問題と京都議定書の取り扱いの問題、おそらくこの2つになると思われるが、先ず大臣がこの会議に出席されるのかどうかということと、この2つの問題に対する大臣の所見を伺いたい。

(外務大臣)先ず所見の方から申し上げる。ご指摘のように環境問題と経済発展の問題は極めて大きいと思うし、お気付きの方もたぶんいらっしゃると思うけれどもあえて申し上げるが、今週のワシントン・ポストに超党派、具体的には民主党と自民党であるが、自分(大臣)が発議して、京都議定書の問題について、ブッシュ大統領に、先週の何日付かは忘れたがホワイト・ハウス宛に抗議のメールを送った。そしてワシントン・ポストに広告を出した。全員で12人の議員である。(環境問題については)問題意識を持っているということを右にて理解していただきたい。
 また、WTOの問題についても、これもやはり色々な関係国と良く協力しながら話をしていきたい。今の進捗状況がどうだったか、過去の経緯も含めてまずしっかりと勉強するということにつきる。そこからメッセージを発信するなり、行動を起こしたい、というふうに思っている。
 更に、(当該会議への出席を含む)外交日程等であるが、秘書官に昨日申し上げたのだが、外務大臣というのは世界中を走り回るのが常識だと思って、(外遊)記録を作る方が、かつてかなり過去におられたが、既に時代は変わっており、情報通信も発達しているので、できるだけバイによる電話とか、お話をするなり、メールなり、FAXなりそういうものをおおいに使わせていただいて、これもまた誤解がないようにしたいのだが、どこの国だから、或いはどういう案件だからということではなくて、日本の国益と緊急性、それから勿論先方の国の事情等、世界全体のために、どれだけ重要かと、重要の基準もあるけれども、いわゆる常識で考えた基準であるが、それを最優先するということは事務方に指示をした次第である。しょっちゅう走り回るというような、例えば今日財務大臣がお出かけになるそうだが、これはハードだなとある閣僚は「大丈夫ですか。お気をつけて」とおっしゃっていたが、やはり頭がクリアでなければいけないので、正しい判断をするということが極めて大事だと思うので、できるだけ走り回るのではなくて、今申し上げたような方法を取りたいと思っている。できるだけ外国に行かなくても済めば済むように、スケジュールを組んでもらうようにした。個人的な、プライベートなそれは楽しいからいいのだが、楽しくないからという意味ではないが。全部こなして、外務大臣というのはいつも飛行機に乗っている、その時間の方が長いというようなことがいいかどうかというと、自分(大臣)は今の時代そんなことをしなくてもいいのではないかと思う面もある。逆に言うと日本にいらっしゃる外交団、首脳の方たちについてもこれからは副大臣も任命されるわけで、5月1日の午後には政務官もお見えになるので、できるだけ分担をして意志疎通を図りながら、どなたがお見えになるかわからないが、そのようにしていきたいと思っている。

(問)大臣として、当面、直接お会いになってお顔を拝見したい、お話を直接したいという海外の首脳の方は今のところ想定していないのか。

(外務大臣)特にいないが、トップの方や外務大臣等個人的に存じ上げる方が何人かおられる。それは仕事の中での巡り合わせ、ローテーションのルーティーンの中でお会いする機会があればけっこうであるが、別に個人的にそういうことでもって(お会い)しようとかは思っていない。それは役所にしっかりと、事務方にお任せをして判断は自分(大臣)がする。ただ勿論、独走ではないので、皆さん独走と書きたいかもしれないが、役所から過去の経緯も聞きながら判断をしたいということである。バタバタ走り回ると、自分の頭に竹とんぼつけて走り回っていくような、自分がヘリコプターになってしまう、というようなそういうことではないと、したくないと、(今の時代は)しなくても済むのではないかと思っている。但し、必要な時はすぐ行く。外交上危機管理という意味である。その場合は即自分(大臣)が飛んでいくし、今すぐでも行く。何でもかんでも飛んで歩きませんよ、ということである。

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外務大臣会見記録 (平成13年4月27日(金)0:25~ 於:本省会見室)

・ 所信表明

(外務大臣)この度、外務省に嫁いで参った田中眞紀子である。宜しくお願い致したい。いろいろ戸惑っているが、皆様のご指導をいただきたいと思っている。本日皇居で認証式の後、小泉総理が大変よい談話をお出しになられた。要するに、この内閣がどのような内閣であるか、今後官房長官からも話があると思うが、「信頼の政治」「改革断行内閣」である。自分(大臣)はちょっと堅いなと思っているが、それだけの意欲を非常に強く示され、その中身についてもつぶさにおっしゃっておられている。これについては皆様も官房長官を通じて後日お聞きになると思うし、総理の話でもあり、また、明日朝早いので、ここで復唱はしない。外交というものは極めて重要なものだと思っている。その理由は官邸でも申し上げたが、外交の要諦は国益。最優先は国家や国民の皆様の生命、財産をどのようにして守っていくかということと、それに併せて世界の平和と安定にどのように貢献していくかと言うことであると思う。第一の部分は当然であり、どこの国にとっても同じだと思うが、第二の部分については世界がまさしく日本に期待をしているときであろうと思うので、できるだけ明確なメッセージの発信を日本はして、出しっぱなしではなく、それを確実に実行するという外交をとっていきたいと思う。但し、皆さんご存じの通りたくさんの問題がある。例えば、中国、台湾の問題についてもセーフガードの問題であったり、李登輝氏の問題でもあったり、同時発生的にあるので、これらについて即判断しなければならないこともあり、また、ロング・スパンで見ていかなければならない問題もあるので、記者会見の際に即答できることばかりではない。ましてや今はかなり疲れており、皆様のフラッシュばかりで先程も右のコンタクトが落ちてしまい見えなくなった書類もあり、今は見えるが、できるだけ今日は簡単にしていただきたいと思う。以後もっと率直に胸襟を開いて話ができるように努力させていただきたいと思う。

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・ 機密費問題

(問)外務省は、今年1月に機密費の詐欺事件で、国民の信頼を失墜している。国会でも質問されているが、捜査が今後どうなるかにもよるが、この信頼をどうやって回復していくのか。特に、先日河野前大臣の最後の段階で外部の有識者による機能改革会議の提言が出ているが、それを踏まえ実行するようにという河野前大臣の指示もあったが、これをどう実行していくのか。機密費の減額を打ち出しているが、これも含めて今後この問題についてどう処理をしていくのか。

(外務大臣)予算委員会の委員として、この問題は非常に関心を持っていた。犯罪であるのでよいわけではないが、その中で一人の人間にだけで話を終わりにして、これで良しという問題であるはずがないと思っており、当時の外務省の対応は幹部も含めて奥歯に物の挟まったような言い方をしているし、これで全て良しとするものではないと思っている。要は日本の外交に対する信頼をしっかり取り戻すということが最終目的であると思う。三党連立の中で減額をするというような考えの政党もあると思うが、新しくそういうことをおっしゃってる方に検討会をやっているそうであるので、先程官邸でも申し上げたように作っていくプロセス中でもコミットしながら、最終的にできあがったものを見て、「そうですか」という形ではなく、率先してコミットしながら、今後どうあるべきかというポジティブな方向にもっていけるように努力させていただきたいと思う。

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・ 日中、日韓関係

(問)中学校の歴史教科書問題や、李登輝前総統の来日問題で、中国、韓国との関係が非常に緊張した状態が続いている。外務省としても待ったなしの課題だと思うが、どう対処されるのか。

(外務大臣)この二国間の問題、信頼関係を築いて、これを壊すことなく、お互いの国民が納得いくような形で、今後も上手に維持していくために最善の努力をしていきたいと思う。それが基本であると思う。性格上離れられない、そして歴史上も濃密な関係にある両国であるので、なおのことだと思う。

(問)森政権が最後に李登輝前総統へのビザ発給を決めたが、実際にその後の対応するのはこの内閣、特に外相と総理であると思うが、ビザが発給されたこと自体、大臣は妥当だと思われているのか。

(外務大臣)これも弁解ではなく、現実に選挙戦がかなり厳しく、全国飛び歩いていてほとんど新聞を見ていなかったので、どういう原因で李登輝前総統が岡山県に行かれるのかもわかっていなかった。だから率直なところ、色々見方はあると思うが、人道的な面で入国を認めたということである。ただ中国・台湾問題というのは、きわめてデリケートな問題で、日本にとっては大変重要な問題ではあるが、やはり日中平和条約の原点というものはあるわけだから、もう少しグローバルに、今の時点では選挙直後でミスリードしてはいけないので、もう少し時間を頂いて頭がクリアな時に話したほうが良いと思う。

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・ 日米安全保障問題

(問)アメリカのブッシュ政権は、同盟のパートナーとして日本に安全保障面を中心に様々な要求がこれからあるのではないかと予想されるが、集団的自衛権の行使問題、あるいはPKO業務の拡大といった問題についてどう対応するお考えか。

(外務大臣)自分(大臣)は日米同盟というものはこれは大変強化していかなければいけないし、一番重要なものであり、最優先であると言っても構わない位重要であると認識している。そして安全保障の面で、色々問題があるわけで集団的自衛権問題、周辺有事問題等たくさんあるが、従来の政府見解である程度良いのではないかと思うが、ただ研究の余地がまだあるのではないかと思っている。そして政策の強調を緊密に行っていく。これは基本であるが、集団的自衛権は解釈の変更ということを一時総理がおっしゃったり、選挙戦の後だったので正確にメディアを見ていないし、誤解があってはいけないので、今日はあまり触れたくないと思うが、総理から直に確認する時間もなかったので、色々な角度から今後研究していくということは肝要だろうと思っている。

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・ 外相就任における抱負

(問)政策ではなく大変恐縮ですが、外相は大臣ご自身が希望されてなられたのか。

(外務大臣)それは直接お答えできないが、外相が内閣の外傷にならないように一生懸命やらなければならないと思っている。大変重責だということは良く分かっている。特にメディアの発達で世界中の方が自分(大臣)がこのポストに就く前、この選挙の前も本当に取材に来てもらい、そのことによって大変勉強にもなったが、そのことによって一番感じたことは世界中の方達が雑誌であれ、新聞であれ、テレビであれ、直に取材に来られる。それだけ地球が一緒になって回っている。いわゆるグローバリゼーションということを大変実感しているので、地球上に住んでいる我々全体が幸せになる方法で努めさせていただかなくてはいけない。きわめて重要な意味であるが、また逆にいうとこの地球の上に生きている人間同士が出来るだけ誤解がなく、そしてポジティブなエネルギーを出して幸せに暮らせるようにということを自分(大臣)は外交の基本におきたいと思っている。きわめて単純なことではあるが、それは地球上に4、5千の人種、61億の方達が一緒に暮らしているわけであるから、今目の前にいる方だけではなく、その反対側にいる方達、宗教や色々なものが違ってもみんなが人生を大切にして、幸せだと思えるようなそういう視点で政策を決めていきたい。目の前の政策だけではなく、トータルな自分(大臣)の主張しているものがあるので、それに寄せていけるような政策判断をしていきたいと思っている。

(問)外相に就任されて、米国、ロシア、中国のような地域、或いは沖縄問題とか分野は何でも結構であるが、今大臣自身がこれに力をまず注ぎたいと思うことがあればお聞かせいただきたい。

(外務大臣)今は特別にない。外交というものは色々問題があるのでよく寝てから考えたいと思う。

(問)以前から温めているものはあるのか。

(外務大臣)頭の整理が出来ていないので、今は申し上げる段階にはない。

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外務大臣会見記録 (平成13年4月26日(木)09:30~ 於:会見室)

・ 臨時閣議

(外務大臣)本日の閣議で森内閣の総辞職について決定した。各閣僚の辞表が取りまとめられた。私(大臣)自身は1年7ヶ月であるが、森内閣としてはおよそ1年の政権であった。外交面について申し上げれば、特筆すべきは、やはり九州・沖縄サミットだと思う。 この九州・沖縄サミットにおける議長国としての日本がリードしてとりまとめたいくつかの問題は、これから先進国の一つの方向性に影響を与えるものと思う。さらに、日本外交・森外交としては、日米、日露、いずれも新政権との間で首脳会談が行われ、今後の2国間関係について、従来通りの良き信頼関係を継続しようということの意向ができたことは大変良かった。また、南西アジア、さらに特筆すべきはサブサハラへの森総理の訪問であり、これは日本の総理大臣として初めての画期的な訪問であった。そこでの総理のアフリカに対するメッセージは、これから先、日本とアフリカの間に大きな信頼関係と協力関係というものを築き上げる非常に重要なものとなった。私(大臣)からも今日の閣僚懇でこれらの点について、総理の外交面におけるご努力に心から敬意を表した。さらに、外務省内で起きた不詳事件についても、総理の御指導のもとで、事件の真相解明については、現在、捜査・司法当局で解明されることになると思うが、外務省の新生というか、新しい外務省というものは、外部有識者による提言、さらには内部の調査委員会における調査結果報告等を受け、外務省の改革の道筋が明らかとなり、この道筋は、必ずやそう遠からず実現し、外交に対する信頼を取り戻すことが出来ると確信をした。これについても総理の御指導に感謝を申し上げた次第である。宮澤財務相からも森総理に対し、御努力に敬意を表し、今後も引き続きご活躍を祈る旨発言があった。環境相から閣議の席で訪米報告、ホイットマン環境保護庁長官さらには上院議員との間のやりとりについて、若干ご披露があった。

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・ 所感

(外務大臣)1年7ヶ月の外務大臣としての役割を本日終えることについて、皆様にお礼を申し上げたい。外務大臣の仕事を行うについては、省内の協力も重要だが、同様にマスメディアの皆様の理解と協力も極めて重要である。それだけに、皆様のご理解・御協力にまずは心からお礼申し上げたい。
 若干の所感を申し上げれば、外相として重要だと考え、これだけはやらなければならないと思った柱がいくつかある。これは、外交演説でも述べているし、皆様にも累次にわたって申し上げた点であるが、ひとつは近隣諸国との関係を良好に維持・発展させるという点である。日本の外交、ある意味で安全保障にも大きな関係を持ち、さらには経済的な発展という点でも大きな影響を持つものであるが、我が国として近隣諸国との間により深い信頼関係を構築していくことの重要性について、私(大臣)は出来る限りの意を用いてまいったつもりである。日中関係には時として様々な問題があったが、例えば海洋調査船の問題を初めとして、いくつかの具体的な問題があったが、これらについても中国側と主張すべきは主張し、話し合い、そして合意すべきは合意して、問題を解決してきたと思っている。朱鎔基首相の訪日でも、日中両国はそれぞれ意味のある訪日であったという評価をする事が出来ているし、それ以外にも、願わくば両国のハイレベルの交流が盛んに行われて欲しいという気持ちは今でも私(大臣)は持っている。日中と同様、日韓もそうであるが、いずれも歴史認識にかかわる教科書問題について厳しい問題提起、あるいは問題の指摘があった。文部科学省が検定制度の上に、教科書検定について作業を行い、教科書が決められたわけだが、依然として先方には意見があり、これらの意見に対して日本側としてきちんとした説明をするという努力が必要であろうと思っている。日韓関係は、金大中大統領の訪日、大統領演説により劇的に変化を遂げて、日韓の信頼関係・友好関係は前進し、来年のW杯共催という大きな目標に向かって一歩一歩前進をしているわけで、草の根レベルをはじめとし、あらゆるレベルで日韓両国が理解し合う、あるいは助け合う、協力し合うことが大切であると考えている。
 自分(大臣)は、それ以外に二つの点について、昨年、今年とテーマを置いて発言してきた。一つは昨年の欧州における日・EU間の関係強化についてである。これは、昨年1月パリで行ったパリ演説において、欧州側に対して、日欧の今後の10年というものをより良い関係にこれまた進めていくという呼びかけを行った。それに対して、欧州側からは、自分自身予想していた以上の反応があり、一緒にやろうということで、今、今年の日・EU首脳協議で今後の10年についての新しい文書の作成に取り掛かっているが、これらについて、自分(大臣)は、日欧関係というものを更に強化していく必要があると思う。
 自分(大臣)は、事務当局に、この日欧関係について、これは西欧第一課がフォローしているわけであるが、西欧第一課のフォローに加えて、有馬政府代表にこの日欧協力の問題については、担当をお願いするということで、これはどういうポジションでどういう肩書きにするかは後ほど事務当局から説明させるが、担当の責任者というものをきちんと置いて、日欧関係についての協力関係を更に進めたいと思っている。
 本年は、これまた1月であるが、GCCのカタールにおいて、イスラム文明との間で「文明間対話」を呼びかけたわけである。これは自分(大臣)が申し上げるまでもなく、霞クラブの方々は良くご承知のことであると思うが、今年は国連における文明間の対話の年という規定もあり、特に自分(大臣)としては、イスラム文明との対話に対して積極的に呼びかけ、この文明間対話を進めたいと考えた。これについては、日本国内で、イスラム文明に関する有識者・専門家の方々の積極的な協力を頂き、例えば、東大の木村名誉教授などこうした方々のご協力を頂いて、言ってみれば、ユーラシア大陸の一番東端にあるこの日本、韓国、中国という世界で最も古い文明の一つであるこの文明とイスラム文明との間でいわゆる文明間の対話を行うということについての提言を行った。
 これについても、GCC各国から強い賛同の意志表示があり、これも是非日本外交として進めていってもらいたいと考えている次第である。
 米国ブッシュ新政権がスタートし、アジア政策についての見直しが行われている訳であるが、このブッシュ新政権との間でも、森総理が首脳会談において十分な信頼関係の継続というものを確認して頂いた。自分(大臣)もパウエル国務長官との間で、政策対話を引き続き行うということで合意しているので、これについても、我が国外交の基軸である日米関係については、意欲的、積極的に更に取り組んで、日米が協力して、アジア太平洋地域の平和と安定或いは繁栄のために努力していかなければならないと思っている。
 もう一点申し上げれば、自分(大臣)が外交演説でも申し上げた軍縮・不拡散の問題である。これが自分(大臣)のライフワークであるが、前回外務大臣を引き受けた時に、究極的核廃絶の決議を国連で提案し、今回また究極的核廃絶から更に一歩進めた決議案を国連に提案することができたことは、自分(大臣)として大変感慨深いものがある。我が国の外交の一つの機軸として、軍縮・不拡散の問題は決して軽視してはならない、我が国に課せられた重要な課題であると考えている。引き続きこの問題に外務省が真摯に取り組まれることを期待したい。
 最後に、心からのお詫びを申し上げなければならない。外務省職員による不祥事により、国民の皆様に大変な御迷惑、具体的に言えば納税者の方々の税金が目的外に私的に使われるという不祥事を看過しており、大変御迷惑をかけたことを心からお詫び申し上げる。この点については、先程閣僚懇で発言した通りであるが、衛藤副大臣には、外部の有識者の方々の提言とりまとめの世話役をお願いし、荒木副大臣には、省内の調査委員会のヘッドをやって頂いた。更に、それらの結果を提出して頂き、外務省の改革のための道筋を早急に決めるべく、昨日の省議を以て、幹部に自分(大臣)から伝えた。何としても、外務省がその信頼を取り戻して、立派な日本外交を進められるようにしていかなければならないと考えている。
 また、3人の政務官の方々、櫻田政務官及び望月政務官には、えひめ丸問題について、本当に急遽、取るものもとりあえず出先から飛行場にかけつけて頂いて、大変長期間にわたって現地に滞在して頂き、日本からの関係者の方々への対応、また、米国側に対する連絡、或いは米国側に対する日本側の主張の伝達をするということで、大変な難しい立場を長期間敢えてとって頂き、立派にその役割を果たされたということを自分(大臣)からこの席でお礼を申し上げたい。
 更に丸谷政務官におかれては、ジュネーブ・フォーラム、これまた欧州に出張をお願いし、非常に短期間の厳しい日程の中で、人権の問題或いはポーランドにおいては、日・ポーランドの間の民主化をはじめとする様々な話し合いについて、日本側の考え方を伝える役割を立派に果たして頂いた。自分(大臣)は3人の政務官にお礼を申し上げたいと思う。
 バッジを付けた6人の人間が外務省に入り、それぞれの立場で情報を収集し、意見を提案して頂き、自分(大臣)としても、その分、例えば党内における様々な動きであるとか、或いは一般国民の中にある世論の中の様々な主張であるとか、そういうことを知らせて頂くということで、極めて重要な役割を果たして頂いた。日本外交の舵取りとして、自分(大臣)は常に、最終責任は外務大臣にある、外務大臣は全ての責任を担い、全ての責任は自分(大臣)がとると申し上げて、5人の議員の方々にご協力頂き、更に役所の皆様方にも、随分無理なことも言った、厳しいことも大分言わせてもらったけれども、そうしたことに非常に積極的に応えてくれた。自分(大臣)としては、1年7ヶ月の任期を非常に気持ちよく終えることができる。
 外務省で、冒頭申し上げた通り、メディアの皆様方にも見て頂く中で、仕事は、自分自身は嬉しく誇りにも思って外務大臣の職を終わらして頂きたいと思っている次第である。
 1年7ヶ月について喋ろうと思うと少し長くなってしまったが、お許し頂きたいと思う。本当に皆さんお世話になった。感謝申し上げる。

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・ 近隣諸国との外交

(問)大臣の今のお話の中で、近隣諸国との関係の改善を外交の一番の柱に挙げていたが、日中、日韓、日朝、どれをとっても森政権がスタートした1年前に比べて決して良い状態ではないと思う。とりわけ日中関係は、大臣の退任間際になって冷え込んでいる訳であるが、この状況をどう受け止めて次の政権に何を期待されるのかお聞かせ願いたい。

(外務大臣)近隣諸国との関係というものは非常に難しいものである。遠くの国との関係は問題がある時だけ話し合えばいい、或いは(関係が)良い時だけ集まればいい。しかし、お隣さんとの話となると、365日、朝に晩に顔を接し言葉を交わしている訳であるので、いい時もあればなかなか厳しい時もある。自分(大臣)は、お世辞を言い合って、ああいいな、ああいいなと言って365日過ごしても時には厳しい時もある、時には理解し難いような状況もあるということは、これはもう避けられないことであるので、そういう中で外交というものは、やはりやっていかなければならない訳である。
 自分(大臣)は、このごろ良く言うのだが、人間は一人では生きていけないのと同じように、国も一国だけでは生きていけない、必ず周辺と理解し、協力関係無しに一国だけで生きていくなんてことはできない訳であり、色々な問題があった時にこそ、外務省が、その外交的なセンス・手腕というものを発揮して、意見が合わないところはこれは合わない、しかし合うところは合う、そして中長期的に見れば、これが我々にとっての目標であるということをお互いに確認しあいながら、問題をできるだけ円満に処理をしていくという努力を外務省はしていかなければならないと思っている。対立だけを穿り出して、角を突き合わすということは、外交にとって決して良いことではない。勿論、今申し上げた通り、国と国との関係では意見の相違があることもある。そういう時には、意見の違いは違いとして、その原因がどこにあるのか、それを埋めるためにはどういう努力が必要か、そういういことをやはりやっていくのが外務省の仕事であると思う。
 自分(大臣)の後任の方が、おそらく色々な努力をされ、上手に処理されるに違いない。そしてまた、国内にあるこの問題に対する様々な意見も、努力して理解を求めることが行われて行くに違いないと思っている。

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・ 普天間基地問題

(問)普天間の15年の問題について特に発言されなかったが、大臣はこの問題についてどのように決着を図るべきとお考えか。

(外務大臣)沖縄の基地問題は、自分(大臣)の在任中に一番、自分にとって大事にしなければならない問題であると思った。これは沖縄県民の皆様の担っている重いご負担というものを我々はやはり考えなければならない。自分のやっていないことをやって頂いている方の重荷というものは、どのくらい重いかというのは、自分で想像している以上にきっと重いに違いない、自分(大臣)は沖縄に行く度にそう思って帰ってきた。
 従って、基地の整理、統合縮小、これらのことについては、SACOの合意を踏まえて進めなければならないし、今ご指摘のあった普天間の移転に関する様々な知事、市長のご提案についても、本当に我々は重く受け止めなければならない。一方で、日本の安全というものについてどう考えるか、よく言うように国際情勢等についての認識というものもまた重要であるので、こうしたことをきちんと協議していかなければならない。何より大事なことは、外交的に、そうした問題が平和的に解決される、つまり肯定的な国際情勢を作り出す、そのための外交努力というものを更に一層進めなければならないと自分(大臣)は思っている。

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・ 機密費関連

(問)機密費の問題について、あの事件が無ければということが良く語られているようであるが、大臣ご自身はどうお考えか。

(外務大臣)自分(大臣)は、今、あの事件が無ければなどという気持ちは全くない。当然こういった問題はもっと早く気が付いて、もっと早く未然にこうした問題が防げれば良かったという意味での思いはある。それ以外はない。

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・ 対露外交

(問)今日の総括の中に、ロシアの話が無かったが、何か一言お話していただきたい。

(外務大臣)ロシアについては、総理が大変努力された。自分(大臣)としてもできる限りの努力はしたが、クラスノヤルスク合意その他、ご期待に応えられずこれは誠に申し訳ないという思いである。2001年という今年、新たな仕切直しといっては、言葉は少し適切ではないかもしれないが、クラスノヤルスク合意ができなかったという意味で、新たな日露関係というものを構築するための努力のスタートを切らないと行けない訳であり、そういう意味では、イルクーツクの合意というものは、スタートの合図と聞くべきだと思っている。
 しかし、この問題については、これは良くご承知の通り大変難しい問題であるので、粘り強く是非問題を解決してもらいたいと思っている。

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・ 核軍縮

(問)核軍縮では、日本政府の提案が国連にされているが、ブッシュ政権はCTBTの批准もその方向にはないし、逆に手詰まり感もあると思うが、その点につき日本として今後どういう努力が出来ると考えているか。

(外務大臣)様々な努力を考えなければならないと思う。CTBTについては、米の対応が原因となって、米もやらないのだから、自分の国も米の行動を見ているという国がいくつかある。さらに南西アジアにもCTBTを巡る問題がある。従ってこの問題をどうすればいいのかについては、よほどしっかり考えなければならないと思っている。しかし、大多数の国がCTBTを作り上げる時に大変な喜んで下さったということを考えると、私どもはさらに努力をしなければならないと思う。初めてパウエル長官とお会いした時にも一番最初に指摘した問題であって、この問題については米と更に詰めていく必要があると思う。

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・ 機能改革会議

(問)機能改革会議が、報償費について減額すべきは減額し、身を切る覚悟でという内容が含まれているが、大臣が先にお出しになった基本的な考え方の中でそこまで踏み込んでおっしゃっていないが、どういうふうに理解すればいいか。

(外務大臣)機能改革会議の提案が重要だと思っている。この提案を確実に実行することが大事だと思っている。

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・ 靖国神社公式参拝

(問)今日、新総理に選出される小泉総裁が靖国神社の公式参拝を行うことに意欲を示しておられるが、大臣はどうお考えか。

(外務大臣)これはもう少し、小泉総裁の考えをきちんと伺わないとならない。今はまだコメントをすべきでないと思う。

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外務大臣会見記録 (平成13年4月24日(金)09:25~ 於:会見室)

・ 閣議案件

(外務大臣)本日の閣議では、平成12年度の草の根無償資金協力と草の根文化無償協力の実施状況について報告した。草の根無償資金協力は、106の開発途上国及び2地域における計1523件の開発プロジェクトに対し、総額85億円が実施された。また草の根文化無償協力は、13の開発途上国における13件の文化・教育プロジェクトに対し、総額7300万円が実施された。また、中東和平プロセス支援として、パレスチナ人に対する緊急援助としてUNDPに対して2億9960万円の拠出を決定した。

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・ 「えひめ丸」事故

(外務大臣)日本時間の本日9時、ファーゴ司令官がワドル前艦長に対して「司令官による処罰」を、その他の者に対して行政処分の決定を下した旨報告を受けた。本件については、米国は責任を既に明らかにしており、今回の決定でこれらの責任が明確になったこととなる。我が方としては、この事故は遺憾であり、二度と繰り返されてはならないと考え、米海軍による審問委員会が原因を解明することを期待していた。今回の報告で、事故原因が明確になったと考えている。いずれにせよ、我が方としては、再発防止に期待したいと考えている。今後は、えひめ丸の引き上げや補償といった問題が出てくることになろう。我が方としては、米側が誠実に取り組むことを改めて求めたい。

(問)ワドル前艦長の処分については、刑事処罰をするか否かについて意見対立があったが、大臣はどう考えているか。

(外務大臣)本件については、米側が有罪を認め、その責任が明確になったと考えている。その場所が軍法会議か否かということであろうが、これについては、米側が審問委の委員長から有罪との報告を受け、これに基づいて米側のルールでアドミラル・マストを下す旨報告をしたものである。この良し悪しについて我が方としてあれこれと言う立場にはない。繰り返しになるが、これで責任が明確になり、有罪であることが明確になったと考えている。

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・ 李登輝前台湾総統の日本訪問

(問)李登輝前総統は入国後マスコミに対して慎重な対応をしているが、これについて大臣はどう考えているか。

(外務大臣)我々としては、人道的な側面に着目しビザを発給した。政治的な行動は取られないということを我々は聞いているところであり、これを想定していない。現時点ではそういう状況である。

(問)昨日、李登輝氏の訪日を実現する超党派議員連盟の会合で、横井中国課長が、ビザ発給の経緯を説明された中で、形式要件を欠いていたと述べられた由であるが、大臣も同じ認識か。

(外務大臣)申請を受理したか否かといった内容については、李登輝氏だからという訳ではなく、どなたについても申し上げないことになっていると承知している。

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・ 日・シンガポールFTA

(問)本日より日・シンガポールFTA第2回交渉が開催されるが、大臣の見解を伺いたい。

(外務大臣)日・シンガポールFTAについては、基本的にその方向であると承知している。政治レベルでは既に了解ができているが、事務的に色々と問題があるので、きちんと詰めなければならない。我々としては、FTAのWTOとの整合性をいかに取るかということについて、慎重に考えなければならず、この点については更にきちんと確認し、議論してもらいたいと考えている。首脳レベルでは今年中に合意に達するよう大枠で確認されており、それに基づいて議論が進められると承知している。

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・ 自民党総裁選

(問)自民党の総裁に小泉氏が選出される見込みとなったが、元総裁として大臣の見解を伺いたい。

(外務大臣)まだ選出されることが決まったわけではないが、地方党員の意見も反映して、きちんとした総裁選が行われたと考えており、立派に森総裁の後任が選出されることを期待している。

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・ 外務省機能改革会議

(問)外務省機能改革会議の提言が本日取りまとめられる。機密費の問題が出てから4ヶ月近く経つが、大臣としての見解を伺いたい。

(外務大臣)我が方としては、外部の有識者にお願いして、外務省の中からではなく外から見た改革についての議論をしていただきたいと考えていた。これは難しい問題であり、長く時間をかけることもできず、かといって拙速になっても駄目である。また、議論をしていただく方の中にも色々な立場がある。いずれにせよ、お願いした方々は意欲的に、計10回程度の会合を毎週行われ、精力的に取り組まれていると承知している。提言の内容については、受け取ってみないと分からない。自分(大臣)としては、お願いして提言を受け取るまではきちんとやり、その提言を受けて、外務省としてできる限り活かして改革していかなければならないと考えている。

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外務大臣会見記録 (平成13年4月20日(金)10:05~ 於:会見室)

・ 閣議内容

(外務大臣)閣議で神環保問題の処理が決められた。だいぶ長い時間がかかったが、政府側で解決処理をすることについて閣議で了解した。このために予備費を使用することになった。閣議での我が省関係の話は大体以上である。

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・ 神環保

(問)神環保の問題については、色々な構想が浮上したり、長期化したが、その経過と今回の決着の所感があれば伺いたい。

(外務大臣)だいぶ以前になるが、小渕・クリントン会談で米側からこの問題の解決について問題提起があった。日本側としては、早急に解決をすることを約束している。以来、例えば、コーエン国務長官が現地に出向かれたり、その他、様々なレベルでの会談、国防長官と防衛庁長官との会談、あるいは国務長官と外務大臣との会談、様々なチャンネルで米側から早期の解決にむけての要請が出ている。一方、基地周辺には米海軍の住宅があるわけだが、日本市民の住宅もあり、隣接して工業団地があり、相当な人たちが働いているという状況もあるから、この問題の解決は双方にとって益があるというふうにも当然考えられていたわけである。しかし、この解決策はなかなか難しく、努力をし、何度か様々な解決プランが提案されたが、解決まで行かずに今日まできたわけである。もし、必要なら詳細を事務当局から説明させるが、今般あの一帯の施設全体を買い取ることで問題解決となった。

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・ 李登輝氏来日問題

(問)李登輝氏の査証発給問題で、政府の方針はどうか。

(外務大臣)閣議後に、総理、官房長官と3人で話をした。官邸から、この問題に早急に結論を出すようにという指示があった。私(大臣)としては、18日の総理記者会見で述べられた通り、人道的側面と同時に国際環境等を慎重に考えて、早急に結論を出すべく最大限の努力をしているところである。

(問)外務省としては、今週はじめに最終的に大臣が今の時期の発給は適当ではないということで、いったん結論を出されたと思うが、それからあらためて再検討して、まだ結論は出てないという段階か。

(外務大臣)私(大臣)は、国際環境その他、様々な分野についての情勢分析をして、外務大臣として報告はした。

(問)つまり、それでも官邸側からもう一度再検討せよということか。

(外務大臣)もう一度というか、報告はしたが、まだ、内閣としての最終的な方針は決まっていない。

(問)早急にということだが、これはいつまでに結論を出すように努力されるのか。李登輝氏は22日の訪日を希望しているが。

(外務大臣)色々な方が色々なことを考えていると思うが、私(大臣)としては、官邸からの指示もあり、出来るだけ早急に結論を出したい思っている。

(問)最大限の努力の中身だが、例えば、李登輝氏に医療目的に限るだとか、政治活動をしないとかいうことに了承を求めるとか、あるいは中国政府に日本政府の判断の理解を求めるだとかも含まれるか。

(外務大臣)この努力は、今ここで申し上げることは控える。外務省としては、国際環境その他も当然勘案しなければならないし、また一方で、人道問題というこれまた重要な問題もあるわけで、それらをどういうふうに最終判断し、合理性を求めるかというための努力をしているということである。

(問)一部で、外相は総理に辞意を漏らされたという報道もあるが、仮にどのような結論にせよ、外相としては最後まで自分の責任で処理をして、任期を全うするつもりか。

(外務大臣)いつまで任期というのかわからないが、この問題の決着を責任を持ってつけるべく努力するつもりである。

(問)いつになるかわからないが、最後決着させる時は、外相自身が総理に会うのか。

(外務大臣)パターンを申し上げるのは、総理側にも公式日程があるし、いつどういう時点でどうするかは、相手のあることだから、今ここで申し上げられない。どういう形になるかわからないが、いずれにせよ何らかの形で官邸に御報告をする事になると思う。

(問)その場合、政府の方針は外相自身がお話になるのか、それとも官邸の方からか。

(外務大臣)どっちかであろう。

(問)つめの協議をやっているというとは、正式な申請は既に行われたのか。

(外務大臣)まだ、そういうことを議論している状況ではない。

(問)李登輝氏は昨夜、条件付発給であれば、もしかしたら訪日しないかもしれないと述べているが。

(外務大臣)中身についてはまだ申し上げられる段階ではないので、お答えできないが、人道的側面を重視する必要があるのではないかという国内世論も十分注意深く聞く必要があると思っている。一方で、国際環境も考えねばならないとということも考えている。

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外務大臣会見記録 (平成13年4月17日(火)09:45~ 於:院内控室)

・ 閣議内容

(外務大臣)閣議は予定通りの案件を処理した。

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・ 京都議定書を巡る交渉

(外務大臣)閣議終了後、環境問題いわゆる京都議定書にからむ関係閣僚、橋本大臣、川口大臣、谷津大臣、平沼大臣の5閣僚にお集まり頂き、19日からニューヨークにて行われる種々の会議に出席をされる川口大臣に対して関係閣僚としての意見を述べ、5閣僚は一致して川口大臣をサポートするという合意が出来た。このことは、ニューヨークにて開催される非公式閣僚会合や第6回締約国会議の再会会合について、2002年までの京都議定書の発効について、我が国としてしっかりと主張する。それから我が国にとって合意可能、かつ実施可能な京都議定書のルールの策定、それに米国が参加した京都議定書発効のため、あらゆるチャンネルを活用して米国に対しても京都議定書発効に向けた交渉への参加を働きかけることを今後も継続するということについて話し合いを行った。その方向で川口大臣は会議に於いて主張されるし、我々(関係閣僚)もまたそれをサポートするということであった。報告は以上である。

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・ 李登輝氏来日問題

(問)李登輝前総統の問題についてであるが、現時点での政府の立場は如何か。

(外務大臣)環境問題の関係閣僚会議の終了後、色々な問題があったが総理と話し合った。その中で今質問のあった問題については、今日までの状況について自分(大臣)から報告をした。これは、我々が収集し分析した様々な関係する問題につき報告をしたということであり、結論は出していない。

(問)日曜日に行われた李登輝前総統の日本政府を批判する会見についてどのようにお考 えか。

(外務大臣)会見でのご発言についてはコメントするつもりはない。色々とお気持ちを述べられた部分もあるし、我々からすれば正確でないではないかと思う部分もあるが、こうした会見に対するコメントを今いちいち述べるつもりはない。

(問)李登輝前総統の問題で、人道的な立場というものがあるわけだが、また本人がご病気と言うこともあり、結論に関するタイムリミットはどのあたりを想定されているか。

(外務大臣)これは、我々で判断を下すべく議論をしており、分析、議論が終われば結論ということになる。

(問)先程の総理との話し合いの中で、総理からはこの問題に対してどのような話がされ たか。

(外務大臣)総理からは、「少し調査しないさい」というご指示が幾つか出ていたので、それに対する報告を行った。

(問)それに対して総理からは特に何かあったか。

(外務大臣)聞いておられた。

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外務大臣会見記録 (平成13年4月13日(金)10:00~10:25 於:院内控え室)

・ 閣議

(外務大臣)今朝の閣議はそんなに沢山の案件はなかった。例えば、林業白書といったものである。外務省関係では前回も申し上げたが、日本とヨーロッパとの相互承認制度(MRA)が正式に本日の閣議で了解された。これは、日欧関係を一生懸命やってきた者として非常に象徴的なものであるので、これが閣議でいよいよ正式にご了承いただいたということは非常にうれしいことである。

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・ 日本・イスラム世界文明対話

(外務大臣)本日は2点申し上げたいことがある。ひとつは、昨年は日欧関係に努力をしてきたつもりでいるが、今年は日本とイスラム世界との文明対話を一つのテーマとして取り組んでいる。ご承知のとおり1月にGCC湾岸4カ国を訪問したわけであるが、1月の湾岸諸国訪問の時、「湾岸諸国との重層的関係に向けた新しい構想」というものを提唱した。その際に3点ほど提唱したが、その時の最初の柱である「イスラム世界との文明対話」について主要な枠組みを作り上げたので申し上げたい。「イスラム世界との文明対話」の中で重視している一つは「知識人ネットワーク」である。「知識人のネットワーク」を作るということを考えており、日本側の有識者のリストを作成した。それをイスラム諸国の有識者のリストと共に今年の夏までにすりあわせて確定し、発表を行い、そういったネットワークを動かしたいと思っている。そして、有識者の相互交流と外務省が有する招聘事業を一緒に活用し、活性化させる。例えば、その中身はセミナーを開催するということを考えている。それ以外に5月には東大名誉教授の板垣先生にモロッコ、チュニジア、エジプトに赴いていただき、知識人との意見交換を行っていただく予定を作っている。現時点では各国の有識者を集めて1週間程度にわたる「イスラム世界との文明対話」に関する集中セミナーを本年中に開催し、今後年1回程度のペースで継続的にこれを実施しようというものである。また、外務省のホームページを利用して「イスラム世界との文明対話」に関する情報を発信する。将来的には、そのような情報発信や関連情報の集積、イスラムに関する研究との強化のために将来は単独のホームページの開設もできればと考えている。昨年から始めてちょうど1年になる「イスラム研究会」であるが、この「イスラム研究会」も引き続き行っていきたいと思っている。「イスラム研究会」はこれまで外務省の中に立ち上げ、外務省内でやってきたわけであるが、出来ることなら他省庁、民間にも広げ参加してもらうという方向でやっていきたい。「イスラム世界の文明対話」の具体化については後ほど事務方から資料を配らせることとしたい。

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・ 報償費問題

(外務大臣)国会でもしばしば述べてきたが、平成13年度予算における報償費使用に関する基本的な考え方について述べたい。これも後ほど資料を配布させていただく(【参考資料】平成13年度予算報償費使用に関する考え方)。3月10日の松尾元室長の逮捕に際して、自分(大臣)から述べた談話の中で、今後は年度初めに外務大臣自身が国際情勢を踏まえ、当該年度の報償費の基本的な考え方を定めるということを決め、その方向・目的を達成するために報償費を使っていく。以前にも申し上げたが、報償費というのは1年こっきりで、今年(のテーマ)はこれだから、これだけやろうと言って出来るものではない。継続的に人間関係を作っていって初めて信頼できる情報が入手できたりすることがあるので、1年づつ、今年はこれだけしかやらないというものではない。ベースになるものは当然あるわけだが、それにプラスしてテーマというか、今年の重要事項というものを外務大臣から省内関係者に伝えるということである。これは先般の政務会議でも申し上げ、意見も聞き、基本的考え方を取りまとめた。まず、基本的考え方の中に書かれていることは、報償費執行にあたっての基本的考え方、これは国会での議論の中でも述べたように3つの問題がある。「情報収集」、「外交関係の円滑化」、「国際会議の場での働きかけ」であり、こういったことが重要である。そして、報償費は使途を公表できないだけに厳しい自己規制が求められるのは当然のことである。今回報償費の効率的な活用に向け、使用目的であるとか、その効率性、成果といった観点から審査をしなければならない。事後には関係者を交えて使用の効果についても評価をしていく必要があると指摘した。また、報償費執行にあたっては政策面での重点事項を踏まえて、その方向性についてふれたが、今回は通常国会冒頭の外交演説、これが、毎年、その年の外交の考え方を述べるということになるわけである。今年の外交演説では「近隣諸国の関係について」、「軍縮不拡散を中心とするグローバルな平和への取り組みについて」、「世界の繁栄に向けた取り組み」、「文明間の対話」の4つを外交演説で述べているが、この4つの柱の中で外務省内、あるいは在外公館における共通の重点事項にし、これに沿っての情報収集活動を行ってもらうということを考えている。更に外務省として国民のための政策を一層向上させるという観点から、海外における卲n企業活動のための環境整備や邦人保護にも更に力を入れるということは指示したいと思う。4月の末には機能改革会議による提言が出される予定であるので、提言を踏まえて願わくば5月半ばに報償費運用の仕方についての方向性を打ち出すべく努力をしなければならないと思っている。今回の国会での厳しい議論や世論の強い批判ということを厳粛に受け止め、その執行にあたっては厳正の上にも厳正を期する必要があるということで締めくくっている。これについても後ほど事務方からご連絡する。

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・ 李登輝元総統訪日問題

(問)閣議終了後、森総理と会談されていたようだが、何を話されていたのか。

(外務大臣)総理には最近の外務省で考えている問題について、情勢分析を説明した。

(問)それは、李登輝元台湾総統訪日問題についてか。

(外務大臣)もちろん、それも含まれている。

(問)それ以外には何を話されたのか。

(外務大臣)それ以外にはいろいろな話があった。

(問)閣議前に町村文部科学大臣と会われたという話があるが。

(外務大臣)閣議前には会っていない。

(問)李登輝元総統の訪日については総理にはどのように報告されたのか。

(外務大臣)ここ1週間マスコミでも色々と報道されているので、情勢を申し上げなければいけないと思い、自分(大臣)が承知している、あるいは分析したものを説明した。内容について、今申し上げることは差し控えさせていただきたい。

(問)李登輝元総統訪日問題については、政府の今の方針は堅持するということは確認されたのか。

(外務大臣)自分(大臣)の考えを申し上げた。

(問)今まで大臣は李登輝元総統の問題については、仮定の問題には答えられないとおっしゃっていたが、昨日衛藤副大臣が自ら確認したことだとして会見で、李登輝元総統の代理人から台湾事務所長に対して申請書が出ている旨述べていたが、これは既に仮定の話ではなくなっていると思うが。

(外務大臣)自分(大臣)は、これを正式な申請だと思っていないし、正式に受理したという報告も聞いていない。従って、これまでお答えしてきたお答えをするしかない。

(問)書類が出ていることは事実関係としては。

(外務大臣)書類がでているというのはどういう状況を言うのかよく分からないが。

(問)衛藤副大臣は一式書類と言っていたが。

(外務大臣)出ているというのは、どこに出ているのか自分(大臣)はよく分からないので、それが正式に申請したという状況なのか、正式に受理したのかと言われれば正式に受理したという報告は聞いていないし、そうではないと。

(問)衛藤副大臣も受理をしたとは言っていないが。

(外務大臣)申請についても正式な申請がなされたとは聞いていない。

(問)総理からの指示はどのようなものであったか。

(外務大臣)なお、もう少し情報をよく集めてほしいとのことであった。

(問)大臣ご自身は衛藤副大臣の李登輝元総統の訪日問題について、今報道されている範疇ではあるが、あのような発言をされていることを大臣はどのようにお考えか。

(外務大臣)どの発言をさしておっしゃっているのか分からないが、外務省としての判断は様々な情報を聞きながら最終的には外務大臣が決めるということ以外にないと思う。

(問)副大臣というしかるべき地位にある人物が軽々にあの手の発言をするということに関し、大臣はどうお考えか。

(外務大臣)軽々にしたとは思わないが、いろいろな情報を集めて、それを大臣にも報告をする。そして大臣としては様々な方のご意見を伺って最終的な判断をするということである。

(問)副大臣からは大臣ご自身にそういった申請があったという報告はなかったのか。

(外務大臣)(報告は)あった。それは衛藤副大臣から聞いている。時間がどういうクロノロジーになっているか分からないが、衛藤副大臣から自分(大臣)には話があった。

(問)それは衛藤副大臣が(昨日午後3時の)会見でおっしゃる前に(報告が)あったのか。

(外務大臣)前にあった。

(問)会見と同じような認識を示されたのか。

(外務大臣)認識というよりは事実関係である。事実関係というか衛藤副大臣が自分(副大臣)はこういったことを承知している旨述べたので、自分(大臣)は先程述べたように山下事務所長も正式に受理していないと言っているし、正式な申請だと判断していないと報告を受けている。

(問)(衛藤副大臣発言は)外務省の意思にある程度反していると思うが。

(外務大臣)意思に反していない。自分(大臣)が最終的な意思を決めるまでには色々な人の意見を聞くわけで、最初から一つしか意思がないわけではない。いろいろな立場の方がいろいろ情報を持ってこられて、自分(大臣)ところに全部情報が集まってきて、最終的に自分(大臣)が決めて、そこで最終的な外務省の意思が出てくるわけである。従って、そこはあまり深刻にとる必要はないと思う。

(問)今の状況を考えた場合、日中関係、日台関係を考え、ある意味でこの問題は大きな重要な問題であると思う。

(外務大臣)日本外交は日本外交にとって自発的自主的に判断し、自主的に決定するということが当然のことである。しかし、自主的に決定するためには慎重にいろいろな情報を入手したり、聞いたり、見たりすることは当然のことであると思う。

(問)受理と言えるかどうかは別にして、書類を預かっているということについては。

(外務大臣)そこは承知していない。

(問)そこを確認する意思はないのか。

(外務大臣)ない。

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・ 教科書問題

(問)教科書問題であるが、金大中大統領が日本側に善処を求めたいとの発言をし始めているが、日本側としてはどのように対応するのか。

(外務大臣)昨日も韓国の議員団とお目にかかり、お話も伺った。自分(大臣)はやはり韓国国内の状況は大変重いものであると説明をいただいた時に申し上げたが、技術的な問題なると文部科学省で判断される以外にないと思う。外務省としては日韓関係という現在極めて良好な両国関係を維持していく努力をしていかなければならない。そのためには最善の努力をするつもりである旨申し上げた。

(問)韓国首脳自らがご発言されるという段階になったということについて大臣はどのようにお考えか。

(外務大臣)これは今に始まったことではなく、かねてから関心を持っておらたわけで、急にこの問題について関心をもって発言をされているわけではないと承知している。

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外務大臣会見記録 (平成13年4月10日(火)09:20~09:40 於:院内控室)

・ 冒頭発言

(外務大臣)閣議では、セーフガードの問題について農水大臣より報告があった。閣議後の懇談では、京都議定書に関してのアメリカへの働きかけについて、昨日以来EUの訪日された方々と環境大臣も会談をされたので、環境大臣より、なかなか難しい状況なので皆さんの協力をお願いしたいとの発言があった。閣僚懇での主なものは以上である。

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・ 元在豪州大使館員に係る疑惑

(問)93年の豪州大使館での問題についての調査結果のブリーフがあったが、誰一人懲戒処分どころか外務省内規での処分も受けていないが。

(外務大臣)内規による注意はしたと思うが。

(問)昨日のブリーフでは、口頭での厳重注意はしたが、それは外務省の内規ではないとのことだったが。

(平松秘書官)次官は、外務省の内規による注意であると言っていると思うが。

(問)ブリーフでは、次官の発言を訂正された部分もあり、内規での注意ではないとのことだった。

(外務大臣)いずれにしても、7年、8年前の問題について調査委員会で調査をし、調査結果を皆さんに報告されたわけで、荒木調査委員会からは自分(大臣)に何らかの措置をとれと言われているので、自分(大臣)からも人事当局に何らかの措置を取るよう指示した。

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・ 李登輝元台湾総統の訪日

(問)台湾の李登輝氏が来日を予定されているようだが、もしも申請があった場合の対応を伺いたい。

(外務大臣)新聞報道で拝見しているが、具体的な動きは承知していない。いつも繰り返して申し訳ないが、こういう話は仮定の上でどうするかということは申し上げないことにしているので、そういうご理解を頂きたい。

(問)昨日総理は、予算委員会の懇談で李登輝氏の訪日に前向きな姿勢を示されているが、総理と相談される予定はあるか。

(外務大臣)ない。前向きな姿勢を示されたとはどういう意味か。

(問)李登輝氏の訪日を受けるべきだとの与党議員の要請を「よくわかっている」と言われている。

(外務大臣)そういうのを前向きな姿勢と言うのかどうか。

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・ 麻生議員の自民党総裁選出馬表明

(問)同じ政策グループの麻生太郎氏が正式に出馬の意欲を表明されるとの話だが、大臣自身その出馬を承諾されているとの報道もあるが、あらためてお考えを伺いたい。

(外務大臣)大勇会メンバーの考え方を自分(大臣)自身も確認中で、メンバーの考え方を集約するのにまだ若干時間がかかると思う。

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・ セーフガード

(問)今日セーフガードに関する暫定措置が固まったと思うが、中国側から経済的な対抗措置が懸念されるが、どのように取り組んでいくおつもりか。

(外務大臣)これは例外的な緊急措置なので、二国間で話し合って解決策を見つける努力をしなくてはならないと思う。これまでも農水省は中国側と話し合いをしてこられたわけで、いろいろな話し合いがあったようだがこれまで合意できずに今日まできている。これから先も二国間の協議はできるだけ行った方がいいと思うし、行われると思う。

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・ 駐日韓国大使の一時帰国

(問)昨日韓国大使が、教科書問題への対応の協議ということで一時帰国されたが、どう受けとめているか。

(外務大臣)韓国側の発表をそのままきちんと受けとめたい。大使は日本の状況などを帰って説明なさるのだろうと思う。我が国の対応は、繰り返しになるので申し上げないが、官房長官が整理をして会見で申しげたことが我が国のこの問題に対する考え方であると受けとめてもらいたい。

(問)今回の事態を受けて、何か新たにされるつもりか。

(外務大臣)今のところ新たなことは考えていない。

(問)かつて大臣は委員会の中で、この問題については中身に踏み込んで韓国側と話しをしたほうがいいのではないかとの考え方を示されたと記憶しているが、そういった点を踏まえた新しい説明をされるおつもりはないのか。

(外務大臣)そう昔のことでない委員会でのやりとりだとすれば、与党議員の方々に一方は手続き論で説明をし、一方は中身の考え方を表明されるということで、もう少し噛み合った議論をしてきちんと説明をする、説得をするということも必要かもしれないと申し上げた。それはこうした状況下でそうやるべきと言ったわけではない。これまでも歴史認識についていろいろ話があったり、或いは教科書検定作業についての話があったときに申し上げた。

(問)日韓の基本的な基盤について伺いたい。98年の共同宣言で、金大中大統領のひとつの政治的決断で歴史に一区切りしたが、日本も歴史問題についてこれ以上問題になるようなことはしないということが前提であったと韓国も認識していると思われる。今回の韓国の批判は、そういった前提が裏切られたという意味での反論が少しあると受けとめるが、大臣自身は98年の前提基盤を崩したとお考えか。

(外務大臣)日本政府の姿勢は、官房長官が述べられたとおりと申し上げたが、政府の歴史認識については、兼ねてからのいわゆる村山談話に基づいたものを踏まえて言われていると思う。

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外務大臣会見記録 (平成13年4月6日(金)9:35~10:05 於:本省会見室)

・ 冒頭

(外務大臣)今朝、閣議があり、その前に、セーフガードの発動に関する関係閣僚が集まり色々話しをした。更にそれと閣議との間に緊急経済対策を最終決定するという政府与党も入っての会合、そして、閣議という3つの大きなテーマをもった会議が今朝あった。

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・ 閣議の模様

(外務大臣)今日の閣議は、これまでの年度末に比べると案件も極めて少なかったが、緊急経済対策について麻生経済財政担当大臣から発言があり、了承した。

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・ 森総理の退陣表明

(外務大臣)閣議後、総理から就任以来1年間、努力をし、閣僚のみなさんと一緒に努力をしてきた。日米、日ロの首脳会談も終え、緊急経済対策も取りまとめることができたので、自分としては退陣する気持ちである。しかし、政治には一刻の停滞も許されない。次の展開まで一致して努力をしていってほしいし、自分も努力をするという発言があった。これについては、官房長官からもっと正確な発表があると思う。

(問)森総理の退陣表明について閣僚としてどのように受け止めているのか。

(外務大臣)この1年間、国際的に見ても、色々問題の多い1年であった。国際会議にも積極的に出られ、中でも大きな仕事は九州・沖縄サミットを大変意義のあるサミットとして議長を務められたことは、我々にとっては大変記憶に残ることである。最近日米、日ロの首脳会談は何れも先方首脳との間で非常に率直な話し合いが行われたということもあり、総理としても道筋をつけられたというお気持ちはあるだろうと思っている。私としては、閣僚の一人として総理のそういうお気持ちは大事に受け止めなければならないと思っている。しかし、まだ、辞めたわけではないので、まだこれから仕事が続いてあるわけで、最終的な言い方は留保したい。「ごくろうさま」などと言うのはまだ早すぎると、もっと努力が続くと思う。頑張って欲しいと思っている。

(問)わずか一年で森内閣は退陣を余儀なくされるようになった原因は何かと思うか。

(外務大臣)いろいろ原因はあったと思うが、何よりもご自身のご決断だと思う。

(問)今月中に行われることになった自民党総裁選挙について、森さんの後を受けてどのような総裁選挙を望むのか。

(外務大臣)できるだけオープンで、しかも国政の責任を担う立場の方を選ぶわけだから、そうした強い意志、明快な政策を提示されて、総裁選が行われることが大事であると思う。

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・ セーフガード

(外務大臣)セーフガードについての会議では、財務大臣、農水大臣、経済産業大臣の3閣僚でこれまでも色々話し合って、調査等が進んできている訳で、3省から調査分析の結果の説明があった。私からは関係国との経済関係などを考慮するとともに、大事なことはWTOの関連協定との整合性を確保していく必要があるということを申し述べた。最終的には関連国内法に基づく3省の判断を尊重をすることを申し述べた。この件については、官房長官から総合的な発表があると聞いている。

(問)セーフガードに関し、まだ正式な発動ということではないが、この後の発動に向けた動き、それと平行した形で、中国に対する自主規制の働きかけなどの協議の道が続くと思うが、外務省としてこの問題の取り組み、その方針はどういうものか。

(外務大臣)これは先程申し上げたとおり、3省で意見がまとまれば、これは外務省から相手国に通報することになるが、中国は今はWTOに加盟していないが、やがてそう遠からず加盟する国だという認識を持って、日中関係については、WTOのルールを十分大事にしながら、なおかつ、願わくば二国間でより良い合意ができる努力を当事者間でもしてもらいたいと思うし、外務省でもそれをサポートする。これは中国だけの問題ではないが、とりわけ中国との間で、つまり量的には中国が圧倒的に多いわけであるから、その中国との関係を双方から理解しあえる解決策を模索していって欲しいと思っている。

(問)発動をできれば避けて、二国間の協議で何とか回避した方が望ましいと思うのか。

(外務大臣)これまでにも、農水省の副大臣らが訪中し、色々話し合いをしてきた訳で、それを踏まえて今日の会議になっているわけだから、私どもとしては、3省の合意・結論がでれば、それは暫定措置に行かざるを得ないと思う。しかし、それはあくまで暫定措置であるから、その暫定措置の間に引き続き話し合いも続けて、関係者が互いに理解し合える落下点を見つける努力を引き続きしていくことが望ましいと思う。

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・ 緊急経済対策

(外務大臣)緊急経済対策は、これまでの調整に従って、内閣政府与党が一体となって、了承、決定した。可及的速やかにその作業に入るということである。

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・ 京都議定書

(外務大臣)京都議定書に関する問題で政府与党の代表団が現在ワシントンに行っている。一行は、日本時間の今朝早く、ホイットマン米環境保護庁長官と会談をした。その会談で荒木副大臣からこれまでの米側の発言に対して、懸念を表明すると同時に是非米国も引き続き一緒に協議に参加し、温暖化問題について、話をしていって欲しいという旨の日本側の主張を述べた。これに対してホイットマン長官からは十分皆さんの懸念は理解している、という話があった。ブッシュ大統領自身も地球温暖化問題の重大さ、同盟国との協議の重要性を十分認識している。しかし、一方で議定書に関する懸念は一貫して大統領はもっていることの説明があり、7月の締約国会議までに米としてはアイディアをまとめて提示する、そして同盟国とは協議をするということを目指しているという発言があった、という報告があった。なお、一行はその後、アミテージ国務副長官と会談する予定がある。同時に、米国議員の方々との会談が予定されている。そうした作業が今進行中である。この問題については、例えば、EUトロイカが月曜日に訪日する予定で、日・EUでもいろいろ話をすることになっている。

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・ 機密費関連

(問)松尾元室長の後任の室長について、調査の結果不正はなかったということだが、官邸に対して水増しの請求はしていなかったという理解でいいか。

(外務大臣)然り。

(問)その金額は明らかにするつもりはないのか。

(外務大臣)ない。

(問)それは何故か。

(外務大臣)今までもしていない。

(問)旅費法が改正になってからは、官邸側に報償費を請求していなかったのか。

(外務大臣)旅費法が改正になれば差額を請求するということはあり得ない。

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・ 李登輝元総統の訪日

(問)一部報道に森総理が外務省に査証発給を検討するように指示したとの報道があるが、事実関係はどうか。また、訪日を希望・検討していることについて、かつて大臣は「なかなか普通の私人といっても影響力はある」とおっしゃっていることもあると思うが、現段階ではどのようにご判断されているか。

(外務大臣)この問題は、まだ私どもには打診もなければ申請もないので、予見して申し上げるべきではない。

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・ ロシア課長人事

(問)ロシア課長の交代人事があって、領土交渉を巡る路線対立の結果の人事であるとか、一部政治家の介入があったというような話があって、省内でかなり動揺が広がっている様に見えるが、真相はどうか。

(外務大臣)これは、政治家の介入があったとかというものではない。一つの仕事の区切りに際して人事が行われたと思っていただいて結構。

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・ 米原潜シカゴの佐世保港入港

(問)午前10時代に実際原潜は入港しているが、外務省の発表が夜10時であった。このタイムラグについてどうお考えか。大臣への情報の入り方も含めてに伺いたい。また、北米局長が午後3時半に大使館へ遺憾の意と再発防止について伝えている。しかしその後、午後5時に次官の記者会見があったにもかかわらず、一言も触れられてないことについてどう思うか。

(外務大臣)シカゴ原潜入港に関して、佐世保市から、「どうも何も通報がないが、入港するようだ。」という話があったそうだ。それについて本省は、「確認しましょう」といって、米側に確認をし、その確認も3回ぐらいにわたって米側に確認したが、その都度米側から「そんなことはない」という非常に明快な返事が来たわけである。そこで本省としては、佐世保市に「そのようなことはない。」といっているうちに、入港してきた、ということで佐世保市も驚かれた訳で、わが方もそういう状況を聞いて、「そんなことはないだろう、確認をしているんだから。」と言って通報もなしに入るのはおかしい、ということで、事情を確かめると同時に、先方に遺憾の意を伝えた訳である。それについて、先方は事実を確認し、その結果「誠にどうも連絡が不十分で、できずに申し訳なかった。」という話があった。そこで一件落着というとおかしいが、事実はそこで分かった。従って、そのことが私(大臣)にも報告があったが、私は事務方のその報告は今ひとつ納得がいかないので、この後は既に皆さんに申し上げた作業をしたということである。事務方としては佐世保市からの確認要請を受けて確認をして、しかも2回3回と確認をしても米側から「そんなことはない」という返事で、米側に確認して、佐世保市に返答しているうちに、入港してきたということで、米側には、当然これはどういうことかと正すのは当然である。事務的にも、申し入れ、遺憾の意を伝えた。先方は事実を確認し、誠に申し訳ないことだが、連絡のミスであったという返事があった。それで事態は、その部分については一応それで終わったが、我々からすれば、「こういうことが又あってはならないから、再発防止のためにはもう少し原因究明をして、きちんと説明をして下さい。」という話をした。そこから、私がこの前申し上げたことにつながっていく。それは、米側の単純なミス、それは、こちらとしては相当しっかりと確認作業をした上でそうしたことになったので、今後はこうした再発防止がきちんとなされなければならないというところで、日米合同委員会に提案をして、米側がそれを受けて、相互にチームを作って、通報システムについても具体的などういう通報システムを作ると単純な連絡ミスが防げるかという作業に今入っている。

(問)その発表から実際に原潜が入港してから12時間経ってから外務省が発表するのは遅すぎるのではないか。

(外務大臣)それは、北米局に聞いていただきたい。北米局ではその間に一生懸命作業していたわけで、その作業と同時に、その作業の結果が終わっている訳であるから、そこは北米局に聞いていただかないと、私に聞かれても、私から申し上げることはない。

(問)佐世保市長は大臣との会談の後、北米局長との会談の中で、きちっとした改善策が出るまでは入港を遠慮願いたいということを発言していたが、それは今日米合同委員会を行っている訳だが、どれくらいの目途で考えているのか。

(外務大臣)佐世保市長のそういう要請は伺っているが、私から米側には、協力できないということを申し上げた分については、先方からきちんと返事が来たから、その部分はそこで終わっている。「ご遠慮願いたい」というのは、市長の考え、気持ちとしては、十分受け止めているが、それについて、何日までは駄目というようなことは少し難しい話だと思う。厳密に言うと、先方は、環境上の問題等色々問題があり、先方が24時間前ということを言っているわけであるから、そこは米側に確認して、今後はそういうことはしない、こういうことがないようにするといっている訳で、佐世保市長の気持ちは十分受け止めて米側にそういう気持ちで我々はものを言ったり、結論を急ぐように言ったりするが、それまで、ご遠慮願いたいという意味が、どういう意味なのか、佐世保市長も十分考えて言っていると思う。「ルール上遠慮する、入れない」ということではなくて、こういうことが起きたんだから、そこは米側もよく考えて下さいという気持ちは十分我々は理解し、そういう気持ちで米側と話し合わなければと思っている。

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外務大臣会見記録 (平成13年4月3日(火)9:55~ 於:院内控え室)

・ 京都議定書

(外務大臣)閣議終了後、自分(大臣)と橋本行革、沖縄・北方担当大臣、谷津農水大臣、平沼経済産業大臣及び川口環境大臣が残り、京都議定書に関わる米国の対応振り、そして米国の対応に対し、日本としてどのような対応を行うかについて話を行った。各大臣それぞれ情報を持っておられたり、また色々なご意見を述べられたが、結論的には、米国に京都議定書の枠内で議論していくよう慫慂しよう、促そうということで、そのために、本日はコアになる関係閣僚と話をした訳であるが、今後は場合によっては、更に関係する人も出てくると思われるが、そうした閣僚同士で相談をしながら、米国のカウンターパートにも働きかけようということになった。

(問)枠内で議論するということであるが詳細を伺いたい。

(外務大臣)京都議定書の枠については米国も賛成しており、その枠から(米国が)離脱した訳ではないので、その京都議定書の枠の中で、温暖化対策を話し合っていくということである。

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・ 北方領土問題

(問)昨日のNHKのニュースで、先の日露首脳会談においてプーチン大統領が二島返還を提案したと報じられているが、事実関係を伺いたい。

(外務大臣)会談(の内容)について詳細の説明を申し上げることは控えさせていただく。ただ自分(大臣)から申し上げるべきは、政府の方針は、四島の帰属を決めて平和条約を締結するということであり、この基本的な考え方は、政府の方針として変わっていないということだけははっきり申し上げたい。

(問)もし二島のみの返還となれば、それは受け入れられないということか。

(外務大臣)政府の方針を今申し上げた訳である。

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・ 米国原潜の佐世保への無通報入港について

(問)シカゴ(米国原潜)の(佐世保)入港は夜10時過ぎに発表されたが、右事実関係を伺いたい。

(外務大臣)米国原潜の佐世保入港については、24時間前の通報という、これまで米国側が自ら定めていたルールがある訳であるが、そういう状況にも拘わらず無通報で入港した。これは、えひめ丸と必ずしも同じではないが、佐世保市民或いは長崎県民にはそういった感情もあり、自分(大臣)としては、米国に対し、何故これまでと違う無通報の入港をしたのかという原因をはっきり確認して報告して欲しいということを厳重に言っており、また、その報告が来るまでは、自分(大臣)としては、原潜の入港については協力できないと言ってある。

(問)この指示は何時されたのか。

(外務大臣)昨日である。

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