![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() | ||||||||||
|
トップページ > 報道・広報 > 記者会見 |
![]() |
外務大臣会見記録 (平成13年1月25日(木)12:30~ 於:本省会見室)
[松尾前要人国訪問支援室長による公金横領疑惑に関する大臣記者会見要旨]
松尾前要人外国訪問支援室長による公金横領疑惑に関する調査報告書
(外務大臣)この度、松尾前大臣官房要人外国訪問支援室長の公金横領疑惑について、阿部官房長を長とする調査委員会に命じて、松尾前室長本人からの事情聴取、会計書類の精査及び関係者からの事情聴取を行わせた結果が、先程配布した報告書の通りまとまったので、ここに公表させて頂く。詳細については、 後ほど官房長より、報告書に沿って申し上げたいと思う。
先ず、事件に関する報告書の主要点について申し上げたい。
松尾前室長は、総理の外国訪問の際、これを円滑に行うために必要な公金を預託されていたが、預託額と実際の支払額との差額を、帰国後にも全額を返却せず、個人の銀行口座に残してきた疑いがあり、少なくとも同人がこの口座から、平成9年10月1日から平成11年3月11日までの期間に、競走馬の購入等の私的目的のために、約5,400万円を使用したことが裏付けられたというものである。
今回の調査は、外務省として出来得る限りのことを行ったものであるが、判明した限りにおいて、松尾前室長の行為は国家公務員法の違反であるのみならず、業務上横領に当たると認められる。そこで本日付を以て、同人を懲戒免職処分とするとともに、外務省官房長の名前において、警視庁に業務上横領罪容疑で告発を行った。
今後は、これまでの調査で明らかになった事実関係を捜査当局に伝達し、犯罪事実の全容解明及び立証を捜査当局の手に委ねることとなる。また、今回の事件に付随して、様々な報道が行われている中で、もとより告発を以て全てが明らかになったとは考えられず、当然の事ながら、外務省としても捜査に全面的に協力していく所存である。
外交を預かる外務省に寄せられた国民の信頼を裏切ったことは、何よりも国民の皆様に対して申し訳なく、心からお詫び申し上げたい。同時に松尾前室長の個人の犯罪行為ではあるが、これを未然に防げなかったことは、組織としてのチェック体制に不備があったものであり、自分(大臣)は、組織としての外務省の責任を痛感するものである。このため、最高責任者の外務大臣たる自分(大臣)以下、松尾前室長に対する監督責任を負う関係者について、その責任を明らかにするための処分を本日付で行うこととした。
具体的処分は先程配布した資料の通りである。自分自身については、先程総理大臣から厳重注意をお受けし、今後再発防止に向けて全力を尽くすことが大臣の責務であるとのご指示があった。ただ、今日、外務省のトップにいる者としてのケジメをつけるため、外務大臣として外務省から受け取った給与の6ヶ月分を国庫に返納したいと思う。また、衛藤副大臣、荒木副大臣からも、責任を自分たちも一緒に感じているという話があったが、これについては、自分(大臣)とともに外務省の責任者たる立場にある者として、先程厳重注意を行った。
省員については、次の通りの処分を行った。
先ず、松尾前室長の上司に当たる現職の本省幹部については、川島事務次官を懲戒減給処分として、1ヶ月の間、俸給月額の20%を減ずる。阿部官房長及び竹内官房総務課長、同じく懲戒減給処分、1ヶ月20%。
次に松尾前室長の室長在任中の幹部については、以下の通り処分を行った。
当時の事務次官については、林駐英大使及び柳井駐米大使、外務省内規に基づく厳重訓戒処分、つまり大使については、国家公務員法上の懲戒処分が行えないために、内規に基づく処分のうち、最も重い厳重訓戒としたものである。これに対し、両大使より、俸給月額の2ヶ月20%相当を国庫に返納したいとの申し出があり、これを受けることとした。
斎藤JICA総裁は、既に外務省の方ではないが、直接的な処分は行わないが、同総裁からも、俸給月額の2ヶ月20%相当の返納の申し出があり、これも受けることとした。
当時の官房長については、池田駐蘭大使及び原口寿府代大使を厳重訓戒処分及び給与の自主返納2ヶ月20%とした。浦部内閣官房副長官補については、副長官補の任命権者である総理大臣に対し、適切な処分をお願いした。なお、浦部副長官補からも、給与2ヶ月20%相当の返納意向が表明されている。
当時の直属の上司である官房総務課長については、西村OECD代表部大使を厳重訓戒処分及び給与の自主返納3ヶ月20%、藪中シカゴ総領事、堂道インドネシア公使及び塩尻経済局審議官をそれぞれ懲戒減給処分3ヶ月20%とした。
今回の事件は、松尾前室長が自らに対する周囲の信頼を利用して行ったものであるが、このような遺憾な事件が現に発生し、しかも長期間にわたって公金の横領を把握できなかったという現実を厳しく反省している。再発防止策については今後とも検討していく所存であるが、先ずは、今月末日を以て、要人訪外国訪問支援室を廃止し、これに伴って、要人の外国訪問支援事務は大臣官房総務課長の責任の下で行うこととする。就中、金銭の出納に関しては、二重三重の監査の体制を導入することを早急に検討する。
最後に、今回の事件の発生につき、外務大臣として、あらためて国民各位に対し深くお詫びを申し上げる。また、自分(大臣)としては、今回の事件に対する厳しい反省に立ち、再発防止のための抜本的改善策を講じ、それを実施することにより、外交に対する国民の信頼を回復するため、全力を尽くしたいと考える。早急に取り組むべき外交課題が山積している中で、外務省省員一丸となって襟を正し、外交活動の推進に邁進して参りたいと考えている。質疑応答
(問)告発は行ったのか。
(外務大臣)既に行っており、受理されている。
(問)そもそも(前室長が)横領していた公金というのは、外交機密費なのか、それとも官房機密費なのか。つまり予算の中のどこが出所なのか。
(外務大臣)内閣報償費である。
(問)外交機密費から官房の方に行ったいわゆる上納金と呼ばれているものなのか。
(外務大臣)「いわゆる上納金」と言われたが、そういう性格のものは自分は承知していない。
(問)大臣は官房長官も経験されているので熟知されていると思うが、上納金は一切無いと断言できるのか。
(外務大臣)これは何回も、国会でも歴代官房長官が答弁しているが、自分もそういうふうに承知している。
(問)今まで(横領が)発覚しなかったのは、上納金制度があるから発覚しなかったということではないのか。
(外務大臣)そういうことではない。それは先程も申し上げたとおり、やはりチェック機能の不備ということに大きな原因があった。こうしたことが起こった素地はそこにあると自分は考えている。
(問)大臣は、先程松尾前室長の個人の犯罪である旨発言されたが、報告書の中に調査委員会の調査に限界があると書かれているのに、どうして個人の犯罪であると発言できるのか。
(外務大臣)今回告発した部分については、明らかに松尾前室長個人のものであると認定して告発している訳である。誤解の無いようにお願いしたいが、新聞等でも報道されているように、口座が幾つもあるというふうに、自分たちも、そうしたメディアの話を含めて色々な情報から承知しているが、我々が集中的に調査したのは、先程申し上げた1つの銀行の口座である。
(問)それ以外のもの、調査が及ばなかったものについては、松尾前室長以外の人が関与している可能性については解らないということか。
(外務大臣)自分(大臣)は、先ず大事なことは、問題が、明らかに犯罪がそこにあったということを我々としては、確認をして、告発をして、受理されれば、それから捜査権を持った捜査担当者が捜査を始める訳であり、その捜査は恐らく幅広く全ての(関係)者に係わっていくのだろうと思う。ただ、外務省には捜査権が無いので、外務省が捜査をする時は、任意で本人から、口座の所在を明かす、或いは通帳を持ってこさせるということは任意で行われている訳であり、その任意の中で、本人とのやりとりの中で、この口座が最も我々からすれば、問題を立証できる部分があるということから、ここに集中して調査をし、本日の告発に至ったという訳である。
(問)数年間の間に、松尾前室長は数億円という金を手にしていた訳であるが、外務省幹部職員は、官邸の報償費というものをそれだけ多額に取り扱う必要があったのか。
(外務大臣)本件については当該報告書をお読み頂ければご理解頂けると思うが、松尾前室長在任当時に、総理大臣の外国訪問は46回行われており、そのうちの45回に本人は同行している訳であるが、40回を超える総理の外国訪問となると、それに使われた金額は、大変多額なものになることは間違いない。そういうものの中から、今申し上げたように、見積もりと決算との差額、そういうものが溜まっていったというふうに我々は見ている。
(問)クレジットカードでの支払いとあるが、これは通常、これまで過去も現在も行われているやり方なのか。また、「クレジットカードによる引き落としが2億5千万円が全て公費の支払いであったと仮定しても」という、非常に心許ない書きぶりとなっているが、これはどういう意味か。
(外務大臣)どういう申し上げるべきか、何れにしても個人が自分の名前で口座を持ち、そこに本人の説明その他を聞いても、そこには公金と私的なものとが時に混在することもあるという口座を持って、その口座からクレジットカードによって支払いをしていくということは、決してやるべきことではないと思う。しかし、一方で、全く一般論だと思って聞いて頂きたいが、相当巨額な金をもって、要人の外国訪問の宿泊費の決済等を行おうとすれば、その都度現金で払うよりも、カードを使う方が安全だということもある。これは、会社によって、コーポレートカードを使うようなところもあるかと思うが、何れにせよ、自分(大臣)は、そういうことがあるから良いではないかということを言っている訳ではなくて、この場合には、公私の混同が起こるということもあるので、決してやるべきではないと思うが、恐らく支払い等に安全で或いは便利でそのまま(クレジットカードを)使ったのではないかと思う。
(問)それは組織的に了解事項だったのか。
(外務大臣)違う。これは本人もはっきり述べているし、我々も確認したが、上司がカードを使うことについて、了承を与えたことはない。
(問)差し引きの3億1千万から5千4百万まで、およそ2億5千万の差額があるが、これについては、その公的なものに使われたというご判断か、クレジットカードで支払われた約2億5千万、これも公的なものとお考えか。
(外務大臣)公的なものと推測しているが、それよりも、5千数百万については、これは明らかに私的な費消であろう、ということを考えて、そこで、この部分は全く個人的な費消であるということから抜き出して、それを引くと、その差額が、今話された金額になるということだ。
(問)松尾前室長の在任当時の幹部に対する処分について、減給額というのは、当時の給与に対してか、或いは今の給与に対してなのか。
(外務大臣)本件については後ほど官房長よりお答申し上げる。
(問)大臣ご自身は松尾前室長と面識はあるのか。
(外務大臣)勿論ある。
(問)松尾前室長が競走馬を購入していたということであるが、大臣自身が関係している馬もあるという話もあるが、事実関係如何。
(外務大臣)そのような事実は全く無い。もし必要であれば資料を差し上げるが、今言われている松尾名義の馬は、どこで生産し、どこの牧場で管理されていて、今どこにいるかということは(公的な資料によって)一目瞭然であり、インターネットでも確認することができるが、(大臣(自分)との関係は)100%無い。
(問)流用された公金は、官房報償費であるという説明を頂いたが、総理大臣の外国訪問の際に外務省の外交報償費は使われないのか。
(外務大臣)本件については、後ほど官房長よりお答することとしたい。
(問)松尾前室長が官房報償費を流用していたことが明らかになった以上、外交報償費についても流用したのではないかという恐れも、我々(プレス側)からすると考えてもおかしくないことだが、それについては調査されたのか。
(外務大臣)十分調査している。後ほど官房長から説明申し上げる。
(問)現金の出所が官房機密費であったということが明らかになったことから、これは当然、官房機密費の取り扱い責任者及びその監査を行った会計検査院にも責任があると負われるが、大臣はどうお考えか。
(外務大臣)外務大臣の立場からそこまで申し上げるのは控えさせて頂きたいが、機密費というか報償費の性格というものも考えていかなければならないと思う。何れにしても、その部分については外務大臣としての発言は控えさせて頂く。
(問)少なくとも官房機密費の監査については、例外的な手続きをとらず、通常の国費と同じような監査の体制をとっていれば、今回の事件は未然に防げたのではないか。
(外務大臣)そういうことをやらずに使う機能的なものということで、機密費というか報償費があるのであって、その部分については他と同じにするということが出来るかと言えば、自分(大臣)はそうは思っていない。
(問)本日付を以て処分されてしまうということは、まだ確定していない事実関係の全容が明らかになっていった時に、外務省として、当人から引き続き事情を聴取することは、本人の承諾を得て行うのか。
(外務大臣)告発をして、司直がそれを受けて受理された以上は、司直が場合によっては身柄をとるかも知れないし、司直がきちっと捜査をされるということだと思う。
(問)しかしかつての厚生省の岡光次官の時のように、いち早い懲戒処分が必ずしも適切とは限らないのではないか。
(外務大臣)その事件とは全然ケースが違うのではないか。右は退職金を払うとか払わないとかが問題になったのであり、今回の場合は懲戒処分であるので、これ以上きちっとしているものはないと思う。
(問)松尾前室長との関係について、松尾前室長との関係等の全省的な調査を昨日より行われているようであるが、右についても我々に公表して頂けるのか。
(外務大臣)この問題に付随して色々メディアが報道されていることは自分(大臣)も承知している。これらについては種々調査していることは事実である。もし、問題となる部分があるとすれば、これは徹底的に究明していこうと思っている。
(問)大臣は、内部調査の結果では個人犯罪である旨申されたが、今日告発を行い警視庁が受理した訳であるが、今後、警視庁の捜査の過程で、役所の中に他にもこういった疑惑に関与した方がいる、そういうことがはっきり立証された場合、大臣としては、どのような責任をとるおつもりか。
(外務大臣)仮定の問題について余り飛ばしすぎないでもらいたいが、我々は、先ず松尾問題できちんと調査をして、告発をしている訳であるので、そうして我々が調査した限りにおいては、間違いなく個人の行為によるものだという心証というか、それなりの調査の結果を以て、そして告発している訳であるので、これから先それがどう展開するかということについて、余り仮定の話をするのは少し言い過ぎではないか、自分(大臣)は、外務省の職員を基本的に信頼しており、この5千人からいる外務省の職員が、今非常に重要な場面にいる訳であるので、しっかりがんばれ、と言いたい立場にいる訳である。しかし、勿論、国民の皆様に対して、お詫びもし、反省もしていかなければならないけれども、自分(大臣)は、この事件で、皆がシュンとしてはいかんと思っている。
(問)97年に報償費の使用がおかしいということが国会でも取り上げられ、色々調査されたということであるが、何故その時に判明せず今回判明したのか。その時の調査は不充分であったということか。
(外務大臣)先程から申し上げている通り、総理の外国訪問に関する金をどういうふうに使ったかという調査をきちっとしている訳であり、その結果問題があるということが分かって告発を行ったということである。前回の問題は、どの問題を指しているのか分からないが、一つ一つ問題についてきちっと調査していきたいと思う。
(問)官房報償費が使用されたということは被害者は官房ではないのか。勿論流用したのは外務省職員であるので、本来ならば告発すべきは官房ではないのか、それが何故外務省で告発を行ったのか。また、いわゆる報償費について、もう少し透明性を高めるということを考えれば、二重三重のチェック体制をとるということであるが、チェックは当然であるが、官房報償費を含めて、やはり透明性を高めていくということが国民に対する責任ではないかと思うが、大臣のお考え如何。
(外務大臣)前段の話については、捜査当局がきちっと捜査をして、結論が出れば、自分(大臣)は、今ご指摘を受けたように、内閣が被害者ということで何らかの措置をとることはあるかも知れないと思う。
また、後段の話については、これは報償費というものの性格をどう見るかということが一つあると思う。自分(大臣)は先程申し上げたように、報償費の意味、報償費が存在する意味はあると思う。しかしそのこととそれが適切に使われているかどうかということは別の話であり、それが適切に使われていなければならないのは当然のことであるので、それが適切に使われていないとなれば、ことは非常に重大な問題であるので、それが起こらないために、とりあえずはやるべきことは、一つは同じ場所に同じ人間が長くいるということもこういった問題を惹起する原因になっていると思うし、人事の滞留という問題、人事管理もきちっとしなければならない。それから、チェック体制について、正直申し上げて、何年かの間のチェック体制というものは殆ど機能していなかったと考えざるを得ないので、こうしたチェック体制がきちんと機能するように、更に先程申し上げた通り二重三重のチェック体制を作っていくことで適切な使用がなされるというこになると思う。(問)この調査報告を終えた処分は、今回の疑惑に関する最終的なものと考えて宜しきや。また、この調査委員会の今後の取り扱いについては、解散するというふうにお考えか。
(外務大臣)自分(大臣)は、告発をして、受理されて、捜査が司直の手に渡った訳であるので、これからは司直の捜査に、外務省として全面的に協力するということが大事であると思っている。捜査権を持った司直が捜査を開始するという時に、外務省の中にある調査委員会が動くということは、捜査権のある無し一つをとってみてもそうであるが、その捜査のできる能力、或いは範囲から言って、遙かに捜査権を持った所の方が大きいので、自分(大臣)は、全面的に協力するという前提の下で、調査委員会は暫く様子を見ていいのではないかと考えている。
調査委員会は、少し大げさであるが、自分(大臣)が指示をしてから、殆ど不眠不休で今日まで作業をしてきた。自分(大臣)は、ここで告発をし、勿論捜査当局から、調査委員会に協力の要請があれば、勿論繰り返し全面的に協力するが、調査委員会が捜査当局と別個の動きをするかどうかについては、少し考えたいと思う。ただこの問題に付随して、色々問題があるのではないかという指摘があるとすれば、その問題に対する調査というものをどこでやるのかということ等について少し考えたい。(問)A銀行の口座を開設した名義人は誰か、また口座開設を了した外務省の方はどのレベルの役職のかたか。
(外務大臣)後ほど官房長からお答申し上げる。
(問)高村元外相はどうして処分を受けないのか。
(外務大臣)自分(大臣)は今回の問題を受けて、少なくとも自分(大臣)の人事権の及ぶ範囲内の処分をきちんと行った。そして、その範囲内で処分をきちっとした上で、自分自身に対しても、ケジメをつけるということをしたのである。高村大臣は自分(大臣)の人事権が及ぶ範囲内ではない。ただ、高村大臣からは、自分自身のことで何かあればというお話があったのは事実である。
(問)報告書の中では公金という言葉が使われており、報償費とか機密費という言葉が使われていないのは大臣のご指示なのか。
(外務大臣)違う。
(問)クレジットカードの件も含めて、当然まわりが気づかないというのがおかしいと思うが、先程何年かの間はチェック体制が機能していなかったと発言されたが、これはチェック体制というよりは、かなり黙認されていたのではないか。
(外務大臣)先程も申し上げたが、クレジットカードを使うという事実について確認をしたがそれは無い。それから、公金という言い方がいいかどうかということであるが、これはまさに公金である。ただ自分(大臣)が公金と書けと指示した事実は無い。
(問)処分内容について、個人的な印象であるがちょっと軽いと思うが。
(外務大臣)国家公務員としての懲戒処分は最も重いものである。
(問)松尾前室長が流用されたという5千4百万の費用弁済についてはどうか。
(外務大臣)詳細は後ほど阿部官房長から説明するが、自分(大臣)は、これによって、お金を返すということを目的として処分している訳ではなくて、懲戒という意味で処分している。
(問)本人への弁済処置は如何。
(外務大臣)捜査が終局すれば、その結果によってそういう処置になることもある。
(問)国民は税金がどう使われたか分からないということに怒っているのであり、透明性をこれから高めるために、将来的に一定期間の先に使途を公開するとか、外遊の費用は予算かする等、そういった具体的な透明化策をとるお考えはあるのか。
(外務大臣)先程から申し上げている通り、報償費というものの性格、これがどういうふうに重要なものであるかについては、これまで随分説明してきた通りである。例えば、外務省の報償費について言えば、外交関係を進める上で、こうしたことは必要だと思っている。東京の外務省をはじめとして、180近い在外公館、それぞれが外交関係を相手国との間にスムーズに外交交渉しよう、或いは外交関係を維持する、或いはマルチで何かをやろうという時に、そうしたものが必要になるという場合もあると思う。
(問)しかしそれでも透明性をある程度担保する形をとらないと(国民は)納得しないのではないか。
(外務大臣)自分(大臣)は、そこは議論が色々あるところだと思うが、報償費という費目の中で、この金額がいかに適正に使われるかということについては、我々自身がきちっとしていかなければならないということは、ご指摘の通りだと思う。そのために、二重三重のチェック、或いはそれ以上のチェックを行っていくという覚悟を決めて指示していく所存である。
(問)それでも内部のチェックではなかなか信頼がないからこそ、透明性を保つための方策が必要なのではないか。
(外務大臣)これは見方の問題である。
(問)要人訪問支援室が廃止されるようであるが、引き続きこの任務に当たる人が、官房からの多額の機密費を扱うことになるのか、またそれで良いと考えるのか。
(外務大臣)かつては、例えば要人が訪米される場合には、北米局が担当し、欧州を訪問される場合には欧亜局が担当していたという時期もある訳であり、これらのやり方については、今度は官房総務課に戻すので、そこで更に先程から申し上げている通り、検討したいと思う。
(問)今までのやり方は必ずしも良くなかったということか。
(外務大臣)今までは、一人に絞って一本化していた訳であり、そのやり方は止めるということである。
官房長会見関連部分要旨(平成13年1月25日)
外務大臣会見記録 (平成13年1月23日(火)11:25~ 於:官邸)(外務大臣)自分(大臣)から特別申し上げる事はない。今朝は閣議そして男女共同参画会議が続いて行われた。
外務省員の不祥事問題
(問)外務省員の外交機密費(報償費)の流用疑惑について調査の進捗状況と公表の見通しついて伺いたい。
(外務大臣)調査は懸命に行っており進んでいるが、未だ報告をするには若干の時間が必要だと思う。
(問)今週末までもつれ込むといった感じか。
(外務大臣)出来るだけ早く行いたいと思っている。
(問)流用された報償費の取り扱いを巡って、官邸との調整が難航しているとの見方があるが。
(外務大臣)色々な事を全て含めて、現在調査中である。
(問)大臣のとられる責任の形はどうか。
(外務大臣)これも調査の結果次第である。
大臣の訪米
(問)大臣の訪米については、米側が外相会談について発表したが。
(外務大臣)訪米は米側が少しその可能性について話をされたことは伺っている。但し、日本側の方から言わせて貰えば、国会から了承をとる作業等国内の手順を踏まなければならないので、明確な形で申し上げるまでは至っていない。ただ、報道は聞いているし、かねてからパウエル国務長官との会談は準備が出来ればやりたと思っていたので手続き、了承が頂ければきちんとした形で発表する。
日露首脳会談の日程
(問)日露首脳会談の日程はその後どういった返事が来たのか。
(外務大臣)ロシアからは少し延ばして欲しいと言ってきた理由は、一連のアジア訪問の中で日本と行うのではなく、全く独立して日露首脳会談を行いたいという事をプーチン大統領が言われたか、あるいはプーチン大統領とイワノフ外相との会談の中でそういうことになって、そこで延期をして欲しいと言ったという延期の理由について説明があった。
(問)その後の返事は来たのか。
(外務大臣)延期の理由は理由として伺った上で、当方からは再度考えて貰いたい旨ロシア側に申し入れている。首脳会談の日程についてはその後やりとりはない。
額賀経済財政担当相の辞任
(問)額賀大臣の辞任について大臣の所見があったらお聞かせ願いたい。
(外務大臣)これはご自身のご判断であったと伺っているので、それ以上の事は自分(大臣)からは何も申し上げることはない。
外務大臣会見記録 (平成13年1月19日(金)10:45~11:08 於:本省会見室)(外務大臣)今朝の閣議では、自分(大臣)から外国出張の報告をした。その他閣議は予定の案件を了した。総理からは、災害対策について更に十分万全を期すようにとの発言があった。
日露首脳会談日程延期申し入れ
(問)日露首脳会談延期申し入れの件だが、その後ロシア側からどのような説明があったのか。
(外務大臣)現段階では、ロシア側の提案の真意等について、こちらから情報収集をするよう指示し、現地大使館を中心に情報収集をしている。
(問)情報収集とおっしゃったが、向こうから説明があってしかるべきと思うが、それはなされていないのか。
(外務大臣)(説明は)あると思う。現地の丹波大使と先方とで話をしている。
(問)その結果を大臣はまだ受けていないということか。
(外務大臣)逐次報告を受けている。まだ完全にその理由について自分が十分に納得した状況でないと申し上げておいた方がいいと思う。
(問)大臣がお帰りになった途端にああいう延期要請があったということで、大臣のお立場もないかと感じるが、ロシア側の対応は非礼だと思うか。
(外務大臣)自分が帰った途端にというのは正確でなく、モスクワにいたときイワノフ大臣が5時にプーチン大統領にこの話をあげて確認するということを言っておられたわけである。そこでしかし、我が方とロシア側と双方のやりとりの中で、先方は大統領の確認を取り、我が方は我が方で東京の都合の確認をするという作業が残っているが、双方ともにクリアできると考えて25日、26日に固まる見通しだと発表することについての合意をしていたという状況であった。自分は、午後3時45分の飛行機に乗らなければならなかったので、本来から言えば午後5時なり6時なりまで待っているということもひとつの方法だったが、先方から固まる見通しだということで発表をしよう、そのことがプレスの皆さんにも都合がいいだろうということで発表した。恐らく、ここから先は推測だが、大統領との会談の中で何らかの事情があり、先方にすればできるだけ早くこちらにそれを知らせるということであったと思う。
(問)大臣もモスクワでは(日程は)決まりではなく見通しだということでおっしゃったし、ロシア側も大臣が公表されることは了解の上の話し合いだったわけだ、ということを考えると、ロシア外務省と大統領と十分な意志疎通が取れていないと言えるのではないか。
(外務大臣)そこまでは自分(大臣)がコメントするのは無理である。自分(大臣)は先方の大臣との話し合いをし、日本センターでもロシコフ次官が横にいるところで申し上げたわけで、それから先のことはロシア内部の話なので、連絡が取れていたのか取れていなかったのかということまで自分(大臣)が言うのは少し無理であろう。
(問)お聞きしたかったのは大臣の責任を問うといった主旨ではなく、そういうロシア側が混乱している中で話し合いをする意味があるのかということである。
(外務大臣)いずれにせよイルクーツク会談をどうするかを決めなければならないわけなので、話し合わなければならない。
(問)それでもイルクーツク会談をやる価値があるということか。
(外務大臣)然り。自分が申し上げているのは、イルクーツク会談というのは、霞クラブの皆さんは十分ご承知だと思うが、クラスノヤルスク合意があって2000年内に何とかしようとお互いが努力したが残念ながらできなかったので、そこで両国国民に対して両国首脳は、一生懸命やってこういう状況で年を越しましたということを一度はきちっと両国国民に対して説明し、その上で今後はこういうことでやっていきますということを言うことは大事なことだろうということで合意している。その場所がイルクーツクがいいかどうかについて議論があれば別のことであるが。
(問)イルクーツクでやることがどうかではなく、次に首脳会談をやる意義があるかどうかだが。
(外務大臣)だから、そういう意味では首脳会談をやる意味があることは皆さん良くおわかりだと思う。
(問)首脳会談の日程を決めるための外相会談の場に、大統領の了承も得られないような物事を提案してきたこと自体について日本政府としてどう考えるか。また、3月下旬と先方は言ってきているようだが、先方提案を軸に日程調整を進める考えなのか。
(外務大臣)その会談に臨むに当たって、自分(大臣)がいつかと決めて臨めるかというと、それは難しいと思う。両国外相が会談を行ってそこでこの時期ならどうだ、この日ならどうだと話し合いをしなければならいわけで、話し合った上でこの日にちならいいと思いますよ、固まる見通しをもってますよと言われてからそれがそうならなかっということは、極めて自分(大臣)にとってみれば不本意であるが、日にちを持たずに来たのはどうかと言われると、全く持たずにイワノフ大臣は来られたのではなく、イワノフ大臣はイワノフ大臣で心づもりはきっと持っておられたと思う。自分(大臣)は自分(大臣)でこういう状況でやれればいいなという気持ちを持って当然臨んでいるわけで、その双方が考えているものをつきあわせて合意できる部分を探すというとは、これは当然のことだと思う。ロシア側は、話し合った日にち通りにいかなかったということについては、恐らく大変遺憾なことだと思っておられると自分(大臣)は承知している。
従って、その調整は一体何が理由で次のプロポーズをいつにするかが判らなければどれを軸に調整するかを申し上げられない。(問)今、大臣がおっしゃられた「ロシア側は大変遺憾なことだと思っていると承知している」というのは、昨日、イワノフさんから丹波大使に対してそういうことが言われたということか。
(外務大臣)丹波・イワノフ間でやっているのではなく、丹波大使を中心にロシア側と話し合っているということで、恐らくカウンターパートはロシコフ次官と思っていただいていいと思う。ロシア側は今回のことで日本側に迷惑をかけたり、日程上の支障をきたすことになったとすれば遺憾に思うという意味の説明をしている。
(問)日本側(大臣)が提案した日程をロシア側(イワノフ外相)が大丈夫だと思うと言って、やはり断られたということであればわかるのだが、ロシア側から示された提案に、日本側が受けたのにそれを断られたというところに問題があると思うが。
(外務大臣)そこは自分(大臣)は大変残念に思う。イワノフ外相もこれからプーチン大統領に会って話し合って固まることであるが、自分(イワノフ外相)としても「大統領に5時に会うが、日程は固まる見通しである」とおっしゃったわけである。そこで確定したといったわけではないが、自分(大臣)は「固まる見通しだとメディアに伝えて良いですね」と述べたところ、イワノフ外相は「どうぞ」とおっしゃったので伝えたのである。手順としては自分(大臣)がもう1日モスクワに残って見届けるべきであったと言われれば、そうかもしれないが、もう1日残っていれば決まっていたかというとそうではないので、ただ自分(大臣)とすれば、発表するならロシア側からどういう理由で延ばして欲しいと詳細がわかれば、皆さんに対する説明ももう少し納得されるだろうと思っている。だから現地の大使館にもう少し詳細な情報を取るように指示している。
(問)ロシア側は大統領と擦り合わせする前に日本側に日程を提案してきたということか。
(外務大臣)先程から申し上げている通り、よくわからない。
(問)大臣が外国の首脳会談の日程を日本側から提案する場合に、総理との擦り合わせをする前に具体的な日程を提示することはあるのか。
(外務大臣)先方側の希望を聞くことはあると思うが、しかし相手側に伝えるときには確認しなければ言わないと思う。だからといって遠来の客の終列車が出てしまう、大勢メディアも同行している、そのメディアに何も言わずに列車に飛び乗ってもいいのかと言われれば、勿論、例が適当ではないかもしれないが、「任せてください」と言う人はいないわけではない。
(問)日程協議のやり方であるが、幹部中心で行われるのか。それとも改めて大臣、副大臣がモスクワへ出向くようなケースがあるのか。
(外務大臣)それはない。
(問)大使中心で行われるということになるのか。
(外務大臣)この世の中便利であるので、電話ということもあるし、大使を通じてということもある。また東京にもロシア大使は居られるので、東京のロシア大使と行うこともある。
繰り返して申し上げるが、どういう理由なのかがわからないと先へ進むのは、今確定的に見通しておいて、見通しどおりなるわけではないので、もう少し見て頂きたい。河野大臣の米国訪問関連
(問)明日、米大統領の就任式が行われるが、大臣が訪米して、パウエル次期国務長官と会談されるとの報道があるが、現時点で訪米と外相会談を行う予定はあるのか。
(外務大臣)いずれはパウエル長官とは、お目にかかりたいということは電話で申し上げていて、パウエル長官からも「事情が許されれば早急にお会いしたい、ただそう簡単ではないが」と電話で話したことは事実である。
外務省員の不祥事問題
(問)外交報償費の流用問題であるが、外務省の調査に対して、当該幹部は個人口座に入金したということは認めているのか。
(外務大臣)この調査に関しては繰り返しになって恐縮であるが、ご承知のとおり調査チームが一生懸命調査を行っていて、調査結果が中間的なものになるか、最終的なものになるかわからないが、いずれにしても出来るだけ早く調査結果を纏めて報告したいと申しているので、その途中で自分(大臣)が申し上げるのは容赦願いたい。
(問)内閣官房の報償費と外務省予算の外交報償費との使い方、線引きが明確になっているのかどうかということが指摘されているが、そのシステムについてはどうなっているのか。
(外務大臣)これは長い間、システムがあって行ってきたわけであるので、別に新たに行ったというわけではないので、そこは今どうだと言っても、あれは良くないと申し上げるのはちょっとどうかと思っている。これは本当に調査を行っている状況下であるので、もう暫くの間待って頂きたい。直接調査を指揮しているものが皆様にご報告するか、自分(大臣)から報告するかわからないが、いずれにしてもきちんと報告する。これは外務省として、国民からの信頼、或いは外務省としての名誉を考えるときちんと調査した方が良いと自分(大臣)は思っているのでもう少しお待ち頂きたい。
(問)事実関係としてお聞きしたいが、外務省の外交報償費として予算計上されたお金が外務大臣の管轄下ではなく、官房長官の管轄下でシェアをされている現状はあるのか。
(外務大臣)どういう意味か自分(大臣)は解りかねるが、外務省が認められている予算の使い方については、外務省と全く関係の無いところで使われることは自分(大臣)は無いと思っている。
(問)被疑者は一人と見て良いのか、それとも複数になる可能性があるのか。
(外務大臣)現在調査中であるので、今から被疑者というのはどうかと思うが、大体想像頂いていると思うが、きちんと報告させて頂く。
(問)発表の時期であるが、外務省としては当初26日に報告するということであったが、官邸の方では出来るだけ早く報告するとのことであるが、週明けの22、23日頃になるのか。
(外務大臣)発表の日程を決定するのは、少し待って頂きたい。自分(大臣)は出来るだけ早くということを申し上げるしか出来ない。
(問)少なくとも26日に拘らないとのことか。
(外務大臣)拘らないというと、過ぎることも拘らないということになるが、いずれにせよ出来るだけ早くと思っている。
(問)先程大臣が、中間的或いは最終的なものを申し上げたいとおっしゃっていたが、中間的なものしか出ない、調査が難航しているということか。
(外務大臣)そのようなことは無いと思う。そこで自分(大臣)が「これで最後である」といって、これから先は皆さんから色々質問があっても、「一切これ以上の調査を行わない、これが最終結果である」という言い方をするか、或いは発表する以上、生煮えで発表したくは無いので、きちんとした発表をしたいと思うが、発表の内容、中身については、自分(大臣)では評価をした上でまた申し上げたいと思う。
外務大臣会見記録 (平成13年1月5日(金)10:29~10:47 於:本省会見室)(外務大臣)まず、最初に新年のご挨拶から申し上げたいと思う。本年も引き続き皆様方のご協力を心からお願い申し上げたいと思う。微力ではあるが最善を尽くす覚悟であるので、どうぞよろしくお願いする。今朝、閣議があった。閣議では、総理からご挨拶があった。総理のご挨拶は、「新しい年、しかも省庁再編、新体制のスタートということで気を引き締めて、新体制のスタートを切って欲しい」ということであった。総理のご挨拶の中には、米新政権と新しい関係構築のための努力をしなければならないということにも言及があり、私も全くそのとおりだと考えている。
今日は、午前11時30分からの新年名刺交換会で少しご挨拶を申し上げるつもりだが、我々外務省も行政改革を行っていくのは当然のことであり、大きな統合といった機構上の問題はそう多くはない。ただ、外務省の中にもオーストラリア、ニュージーランドといった国々の所管換え等があるが、そうしたこともさることながら、やはり何といってもこの際気持ちを新たに、国民の皆様へのサービス等についてしっかり取り組んで行かなければならないというふうに思う。更に、これは今朝官房長官からも話があったが、昨年末にご相談をしながら各閣僚にお願いをしていた「戦略的な外国訪問」について、各閣僚から大変なご協力をいただき、多くの閣僚が新年早々から外国訪問に出ていただけるということで、大変ありがたいことだと思っている。私としても8日から、湾岸諸国・スウェーデン・露を訪問する。スウェーデンは、ご承知のとおりEU議長国であるから、この議長国スウェーデンにおいてEUとの関係について協議を行い、さらにモスクワに行って領土問題を始めとする平和条約問題について協議をして、総理のロシア訪問への準備を行うという仕事に取り組みたいと考えているところである。
外務省員の不祥事問題
(外務大臣)また、今申し上げたとおり新世紀を迎えて意欲を燃やして仕事に取り組もうという、その一番最初のところで、一部報道にも「幹部の不祥事云々」という記事があった。誠に残念であると同時に、事実関係をできるだけ早く明らかにして、その事実が明らかになれば国民の皆様にもお詫びをしなければならないというふうに思っているところである。官房長をヘッドにして調査チームをスタートさせたところである。この点については、外務大臣として残念至極という気持ちである。
(問)不祥事の問題について、現段階で判っていることは。
(外務大臣)今申し上げたとおり、現段階では外務省として調査チームをスタートさせたところであり、できるだけ早く事実関係を確認したいと思っている。まだ現段階でご報告申し上げるような状況にはない。現在は、関係書類等をチェックするという仕事から取り掛かるということになっていると思う。
(問)問題の外務省員に聞くということはされていないのか。
(外務大臣)本人を呼んで直接話を聞くということにまだなっていない。いずれこれは早急に行わなければならないと思うが、うまく本人と会って話ができるような状況を作りたいと思っている。
(問)三点ある。まず調査結果は公表されるのか。また、通常国会が始まるのでその辺が目処になると思うが、大臣としていつ頃までに一定の調査結果を公表されるつもりなのか。最後に、具体的にどのような調査を行うのか、会計伝票類のチェックといった細かい調査等どういった形の調査になるのか。
(外務大臣)順番は前後するが、調査はできるだけ早くやりたいと思う。国会がいつから始まるかとか、そういうことも仰られたが、我々としてはできるだけ早く調査をしなければいけないと考え、そう指示している。また、調査の結果はできるだけ公表する。状況がどうなっていくかということを考えなければならないが、私としてはできる限り公表すべきものだと考えている。どういう調査をするかというのは、先ほども申し上げたとおり、関係書類を確認するということももちろんやらなければならないと思うし、本人から詳細に事情を聞くということも当然やらなければならないと思う。その他のことは、まずそうしたことをやってみなければ、それから先のことは今ここでは申し上げられない。
(問)直接の因果関係があるかどうかは判らないが、報じられている方は、要人外国訪問支援室長という一つのポストに非常に長く務められている。外務省の他の人事では例がないと思うが、これはやむを得ざる何か理由があったのか。
(外務大臣)要人の外国訪問等の際のホテルの手配や航空機の上空通過の場合の了承を取り付ける作業といった非常に専門的な業務であり、もちろんマニュアルがきちっとできていて、誰でもできるようにしていかなければならないことであったとは思うが、国際会議や要人の外国訪問が非常に連続したということ等があって、結果として長くなってしまった。私も今ご指摘のようなことについて、若干少し長いなという気がしないではないが、話を聞いてみると、連続しかなり前から準備をしなければならないし、連続し重複して外国訪問や国際会議の開催があったということもあって、やむをえなかったというふうにも思う。しかし、ここは結果論であるので、ご指摘があればそれは人事を更に注意深くやるべきであった。まだ、事実関係を良く確認しないと、まさにご質問のように因果関係がそのようなところにあるかどうか、あるいは、問題がどのような問題であるかということが判らないうちにこれ以上申し上げるのは控えたいと思う。お許しを頂きたい。
(問)関係書類というのは、領収書の類であるのか。
(外務大臣)これは官房長のチームに指示しているので、そのチームがいろいろ関係すべき書類というのはどの範囲であるかということは考えてやるだろうと思う。
(問)過去5年間にわたって調べるのか。
(外務大臣)それも私が今ここで申し上げるほど、私が細かく指示するわけではなく、これは官房長のチームがそれらについて判断するものである。
(問)ここまで遡ってやればいいという最適期間について考えがあるか。
(外務大臣)これは先ほどから繰り返し申し上げているとおり、できるだけ早く事実関係を確認したいという気持ちも一方である。事実関係を確認するためにはどの範囲で調べることが重要かということがあるから、調査担当者の努力を待っていただきたい。
(問)捜査当局も調べ始めているようだが、報道の前には大臣等幹部の耳には入っていなかったのか。
(外務大臣)私はもちろん報道等でも見たが、私なりにいろいろと感じていた。
(問)これから調査されることだとは思うが、外務省には例えば使途を明らかにしなくてもよい報償費がある。会計検査院の会計検査の対象であるが事実上それが免除されるようなシステムもある。そういう中で内部の調査で十分な調査ができると考えられるのか。
(外務大臣)内部の調査で十分できなければ、これは司直に調べていただく以外にない。外務省関係のカネの流れといったものついては、我々としてできるだけきちっと調べたいと思う。
(問)いわゆる「外交工作費」は、外務省の中でどれくらいあると大臣は把握されているのか。
(外務大臣)これは申し上げないことになっているのでご了承いただきたい。
(問)費目として「外交工作費」というのはあるのか。
(外務大臣)費目としてはない。
(問)それが外務省報償費にあたるのか。
(外務大臣)報償費というのはある。
(問)報道にあるような「外交機密費」という費目はあるのか。
(外務大臣)外務省報償費という費目はある。
(問)本人の人事上の処遇について、現時点でお考えになっている措置はあるか。
(外務大臣)これは官房長からもいずれお話し申し上げるかと思うが、こういう事態になれば例えば官房付といったことにしておくということになると思う。
(問)それは今日にもというお考えか。
(外務大臣)できるだけ早くということである。
(問)今日ということもありうるか。
(外務大臣)今日もしくは明日、人事のことであるからここで何月何日にどこへ行くということを私がいきなり申し上げるのは勘弁させていただきたいと思うが、考え方としてはできるだけ早く、しかもそれは今のポジションにそのまま置くというわけにもいかないだろうし、といって新しいポジションを与えるということにもならないということであれば、考え方として今言ったようになると思う。
BACK / FORWARD / 目次 |
| ||||||||||
![]() |