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人権・人道

B.父母の責任(第18条1、2)

父母の責任についての法律上の考慮

170.1999年に策定された男女共同参画社会基本法第6条では、家族を構成する男女が、相互の協力と社会の支援の下に、子の養育、家族の介護その他の家庭生活における活動について家族の一員としての役割を円滑に果たすことなどを基本理念として規定している。

子女を就学させる義務

171.学校教育法においては、保護者は子女が満6歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから、満12歳に達した日の属する学年の終わりまで、これを小学校または、盲学校、聾学校、養護学校の小学部に就学させる義務を負い、また、子女がこれらの学校の課程を修了した日の翌日以降における最初の学年の初めから、満15歳に達した日の属する学年の終わりまで、これを中学校、中等教育学校の前期課程又は盲学校、聾学校若しくは養護学校の中学部に就学させる義務を負うこととされている。

親権者への支援

172.パラグラフ36.のとおり、親権者を支援するために児童手当、児童扶養手当や特別児童扶養手当を支給している。
 また、国公立の学校における義務教育は無償であり、義務教育において使用される教科書は、国公立のみならず私立の小・中学校の児童生徒に対しても、国が無償で給与している。また、市町村においては、経済的理由によって、就学困難と認められる学齢児童生徒の保護者に対し、必要な援助を与えなければならないと定め(学校教育法第25条、第40条)、義務教育の円滑な実施を図ることとしている。国としては、「就学困難な児童及び生徒に係る就学奨励についての国の援助に関する法律」により、経済的理由によって就学困難な児童及び生徒について学用品を給与する等就学奨励を行う市町村に対し、国が必要な援助を与えることによって、義務教育の円滑な実施に資することとしている。これらの義務教育の無償などの措置については、外国籍の児童生徒に対しても同様にとられている。

児童養護のための施設、整備等

173.児童養護のための施設、整備等について

(1)虐待を受けた児童等特別な援助、養護及び保護を必要とする児童のための家庭環境に代わる手段の提供については、できる限り家庭的環境の中で養育していくことが重要であり、里親制度は、家庭での養育に欠ける児童を、暖かい愛情と正しい理解を持った家庭の中で養育する、児童の健全な育成を図る上で大変有意義な制度であると認識し、その普及に努めている。

(2)厚生労働省としても、里親委託の促進と里親の開拓を図るため、都道府県実施の研修や全国里親会の行う児童の委託されていない里親と児童との交流等の事業に補助を行い、また、1999年度から、児童養護施設等の里親への援助・助言に係る事業について補助を行っている。

 さらに、1999年8月には、共働き家庭の一般化等の社会状況の変化を踏まえ、夫婦ともに就労している場合であっても、保育所を利用しながら里親として児童を受託できるようその取り扱いについて通知した。

(3)また、児童養護施設についても、2000年度、近隣住民との適切な関係を図るとともに、家庭的な環境の中で養護を行うことにより、児童の社会的自立を促進するための地域小規模児童養護施設(定員6名)を創設し、家庭的な環境の中での養護の実施について努めている。

(4)施設設備については、1998年の児童福祉施設最低基準の改正により、児童養護施設の居室面積を、児童一人当たり2.47m2から3.3m2に改善し、また、地方公共団体や社会福祉法人が施設を整備する際の国庫補助基準面積については、2000年度予算において、入所児童一人当たり従来の23.5m2から25.9m2(一人当たり居室面積については、最低基準を大幅に上回る9.0m2)に改善してきた。

第18条実施の進展状況、問題点並びに将来の目標

174.総理府が実施した「男女共同参画社会に関する世論調査」によれば、男性も子どもの世話、子どものしつけや教育に積極的に関わるべきだとの回答は、1993年の38.7%から2000年には44.4%となった。
 男性も女性とともに家事や地域活動に参加し、仕事と両立させるような生き方を望ましいとする者の割合が増えるなど、「男は仕事、女は家庭」といったような伝統的な性別役割分担意識が着実に変わりつつある。
 政府においては、1999年に制定した男女共同参画社会基本法及び2000年に策定した男女共同参画基本計画に基づき、今後も家庭生活への男女の共同参画の促進に努める。

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