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人権・人道
K.条約の実施を確保するための国際協力

二国間援助

37.我が国は、社会開発部門への援助に積極的に取り組んでおり、1999年の実績では二国間ODAの約20%がこの分野に向けられており、1991年以来9年連続して世界第1位のODA供与国である。
 母子の健康、福祉の向上、児童の教育の普及に広く裨益する教育・保健・人口分野における援助については、無償資金協力、技術協力を中心として行っており、1999年の実績は1,572.57百万ドル(約束額ベース)で、二国間ODAシェアでは11.4%を占めている。特に、保健医療分野における無償資金協力の実績は、過去5年間(1994年~1998年)の平均で、一般プロジェクト無償全体の約15%、技術移転、人材育成を目的とした専門家派遣数については全体の約16%、研修員の受入について約17%を占めている。また、現在、保健医療、人口・家族計画、初・中等教育の分野において、専門家派遣、研修員受入れ、機材供与を組み合わせたプロジェクト方式技術協力を実施しているほか、青年海外協力隊を派遣している。教育分野では、小中学校建設計画等のため1999年度で194.51億円の無償資金協力を実施している。
 また、2000年4月に世界各国の代表者が集まり「万人のための教育(Education for All)」に関する世界教育フォーラムがダカールで開催され、2015年までにすべての児童に初等教育の機会を与えるなどの目標を設定した「ダカール行動枠組み」が採択された。さらに7月の九州・沖縄G8サミットでは「ダカール行動枠組み」を強力にサポートし、開発途上国と協力して貧困削減のため教育に焦点を当て、健全な教育戦略を有する国により一層の支援を行うことを目標に掲げた。それを受けて、文部省(当時)の国際教育協力懇談会は今後の協力方策につき検討を行い、2000年11月に報告をまとめた。この報告においては、相手国の教育協力ニーズの把握と計画策定の必要性や、教育協力のODAに占める比率の向上を配慮しつつ、初等中等教育教員による専門家やボランティアとしての教育協力活動の推進、教育協力に関し大学が有する人的資源の活用等の点につき提言がなされた。現在、これらの提言の趣旨を踏まえた協力体制作りを行っている。
 我が国は、地球規模問題に対する貢献として、子供の問題に関する取組を進めており、1993年より開始された日米コモン・アジェンダ(「地球的展望に立った協力のための共通課題」)において、人口・エイズ及び子供の健康を総合した「人口・健康」とのアジェンダを設け、エイズを初めとする感染症対策支援、母子保健、人口 ・家族計画等の基礎保健医療への支援、地球上のポリオ根絶に向けた協力等を推進してきている。
 「人口・エイズ」分野では、1994年2月に我が国が発表した「人口・エイズに関する地球規模問題イニシアティヴ(GII)」の2000年度までの協力目標額30億ドルに対し、当初の目標額を越える約37億ドルを1998年度までの5年間で達成した。
 「子供の健康」分野に関しては、地球上からのポリオ根絶を重点分野と位置付けており、その第一の重点援助地域として我が国がイニシアティヴをとって協力を進めてきた西太平洋地域ではポリオの根絶が成功し、2005年の世界のポリオ根絶目標に向け、南アジア及びアフリカでのポリオ根絶への協力を拡大している。我が国はポリオ根絶に向け、1999年度には37.91億円の拠出を行っている。  また、2000年には、東京大学に、大学等による医学分野の国際協力を推進するための拠点的機能を果たす医学教育国際協力研究センターが設置されたところである。
 開発途上国における女性支援(WID)/ジェンダーでは、全世界の貧困状態にある13億人のうち70%が女性であり、教育、雇用、健康面でも多くの女性が脆弱な立場に置かれていること、また、開発途上国において均衡のとれた持続的な開発を実現していくため、男女の均衡な開発への参加とそこからの受益を図る必要があることから、我が国は、1995年に「WIDイニシアティブ」を発表し、開発援助実施に際し女性の教育、健康、経済・社会活動への参加を重視することとしている。
 2000年7月の九州・沖縄G8サミットでは、エイズ、結核、マラリア等の感染症が途上国の経済社会開発の重大な阻害要因となっていることから、具体的な目標を掲げて、先進国、途上国、国際機関、市民社会を含む「新たなパートナーシップ」の下での取り組みを強化することが合意されたところである。また、この機会に我が国は、議長国かつリーディング・ドナーとしての指導性を発揮するため、「沖縄感染症対策イニシアティブ」として、エイズを始めとする感染症対策を強化し、今後5年間で30億ドルを目途とする協力を行う旨表明した。2000年12月には、九州・沖縄G8サミットのフォローアップとして、G8の他途上国、関係国際機関、NGO等の代表が参加して、それぞれの特性・役割を踏まえ、「新たなパートナーシップ」を如何に機能させ、強化させていくかにつき議論した。

国際機関を通じた協力

38.(1)児童救済分野における協力
 我が国は、国連の児童救済分野の指導的機関である国際連合児童基金(UNICEF)に対し1952年より拠出(一般拠出)を行っており、1999年度の我が国のUNICEFへの拠出は、総額64,778千ドル(政府拠出第3位)であった。また、我が国は、特に女児教育普及を支援するため、1995年度より、UNICEFの女児の教育プログラムに対し、特別拠出として100万ドルを拠出している。更に、避難民等の児童の救済のため、東チモールへの緊急人道支援(1999年)、コソヴォにおける学校再建事業(2000年)等のUNICEFによる緊急事業へ拠出をしている。
 また、我が国は、1999年以来UNICEFとのマルチ・バイ協力による援助を行っており、1999年度、アフリカ・アジア・太平洋諸国14ヵ国に対し予防接種拡大計画事業(EPI)に必要なワクチン、機材等約4.3億円分を供与した。

(2)保健・衛生分野における協力
 我が国は、世界保健機関(WHO)やUNICEF等、他援助国・機関との連携を通じ、拡大予防接種計画事業、結核対策事業等の国際保健事業に協力を行っている。特にポリオ対策については、西太平洋地域の根絶のため主要な役割を果たした。また、エイズ対策については、これまで我が国は、国連合同エイズ計画(UNAIDS)設立以来、年間約6億円を拠出し、途上国のエイズ対策への支援を行っている。更に、我が国が国連に設置した人間の安全保障基金を通じて、8件・総額約230万ドルのUNICEF、国連人口基金(UNFPA)等が実施する母子保健関連プロジェクトを支援した。

(3)女性支援(WID)/ジェンダー分野における協力
 我が国は、国連開発計画(UNDP)、国際農業開発基金(IFAD)を通じて、WID/ジェンダーの視点を取り入れた開発援助の拡充に努力している。我が国は、1995年、途上国の女性支援を目的としてUNDPにWID基金を設置し、1999年度までに累計で約1,102万ドルを拠出している。この基金は、ジェンダーの平等化及び女性のエンパワーメントを推進するプログラムを支援するもので、教育、健康、経済・社会活動の参加を重点的に支援するものである。これにより、例えば、カンボディアでは女性の経済的地位向上のため、マイクロ・ファイナンスを通じて貧困撲滅を図るプロジェクトを実施したが、女性の安定的な収入源が確保されることで、子どもたちが労働力として働きに出されることが少なくなり、地元の学校では児童の就学率が約9%上昇した。また、グアテマラでは、女子初等教育の充実を図る国家的取り組みを支援するため、女子教育の関するセミナー開催に対する協力プロジェクトを実施した。
 IFADは、農村開発における女性の役割を重視しており、我が国としてジェンダー分野でのIFADの活動を積極的に支持すべく、1995年に「日本、IFAD、途上国の女性信託基金(Special Contribution for Women in Development )」を設立した。我が国は、これまで同基金に対し445万ドルの拠出を行うとともに、27件のプロジェクトを承認してきている。具体的には、IFADの融資案件にジェンダーの配慮を付すための各種調査、ワークショップ・シンポジウム開催及びデータベースの構築によるIFADに蓄積された情報・知識の伝播、また、IFADが貧困削減の有力な手段として位置づけているマイクロ・ファイナンスに関する調査等を実施してきている。最近では1999年7月、東京において「アジア危機と農村における貧困」と題したシンポジウムが開催され好評を博した。

(4)教育分野における協力
 我が国は、国際連合教育科学文化機関(UNESCO)を通じ、次のとおり教育分野での協力を実施している。(イ)アジア・太平洋地域の非識字者への教育の普及と初等教育の完全普及を支援する「教育の完全普及に関するアジア・太平洋地域事業計画(APPEAL)」に対する識字教育信託基金(2001年度4,400万円拠出)及びコミュニティ識字センター信託基金(2001年度2,000万円拠出)、(ロ)各国間の教育協力を強化し、開発途上国が教育制度・内容・方法を自ら発展できるように支援する「アジア・太平洋地域教育開発計画(APEID)」に対する巡回講師団信託基金(2001年度920万円拠出)、(ハ)エイズ予防に関する教育事業への支援としてのエイズ教育特別信託基金(2001年度730万円拠出)等への拠出。また、人間の安全保障基金を通じてコソヴォの学校を再建するUNICEF、UNDPのプロジェクトに総額1,900万ドルの支援を行った。

NGOを通じた協力

39.我が国は、NGO事業補助金や草の根無償資金協力等の制度により、母子の健康、福祉の向上、児童の教育の普及に広く裨益する医療、保健、教育分野において、草の根レベルでの支援活動を行っている我が国NGOに対し資金面での協力を行っており、これらの制度はNGOが被援助国においてきめ細かい援助を実施できるよう大きく貢献している。我が国は1999年度、NGO事業補助金により約348.115百万円、草の根無償により約387.1百万円の支援を行った。

(資料)保健・医療分野における援助実績
年度 無償資金協力
(億円)
円借款
(億円)
技術協力(人)
研修員受入 専門家派遣 協力隊派遣
1995 150.45 ( 7.8) 9.69 (0.1) 1,281(12.2) 478(15.2) 173(16.4)
1996 195.37 (10.0) 197.92 (1.5) 1,214(11.1) 464(15.4) 172(14.4)
1997 221.28 (16.8) 55.64 (0.5) 1,237(10.9) 474(15.5) 170(14.7)
1998 253.99 (20.5) 420.98 (3.9) 2,428(12.3) 487(14.2) 185(15.8)
1999 240.28 (20.6) 0 ( 0) 3,154(17.6) 553(13.8) 234(18.1)
*括弧内は一般無償全体(債務救済、ノン・プロジェクト援助、草の根無償、留学生支援無償を除く)、また、円借款全体(債務繰り延べを除く)に占める割合(%)、技術協力は全体に占める割合(%)
*無償資金協力、円借款は交換公文ベース、技術協力はJICAベース。

(資料)教育分野における援助実績
年度 無償資金協力
(億円)
円借款
(億円)
技術協力(人)
研修員受入 専門家派遣 協力隊派遣
1995 128.87 ( 6.7) 520.73 (4.6) 274( 3.2) 157( 4.7) 193(16.0)
1996 193.29 ( 9.9) 183.58 (1.4) 274( 2.5) 157( 5.1) 234(22.3)
1997 246.21 (12.3) 146.22 (1.4) 341( 3.0) 149( 4.9) 228(19.8)
1998 182.60 (15.1) 351.48 (3.2) 396( 2.0) 193( 5.6) 205(17.5)
1999 194.51 (16.7) 124.95 (1.2) 349( 1.9) 243( 6.1) 219(17.0)
*括弧内は一般無償全体(債務救済、ノン・プロジェクト援助、草の根無償、留学生支援無償を除く)、また、円借款全体(債務繰り延べを除く)に占める割合(%)、技術協力は全体に占める割合(%)
*無償資金協力、円借款は交換公文ベース、技術協力はJICAベース。

「子どもサミット」フォローアップ

40.パラグラフ17.参照。

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