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記者会見

報道官会見記録(平成10年1月)


INDEX



・報道官会見記録(1月30日付)
 ・ロシアのAPEC参加支援協議
 ・対人地雷関連
 ・日米港湾問題
 ・日韓漁業関係



・報道官会見記録(1月27日付)
 ・イラクに対する申し入れ
 ・ 21世紀に向けてのODA改革懇談会の最終報告
 ・朝鮮半島4者会合
 ・日米港湾協議
 ・日米中露の安保対話



・報道官会見記録(1月23日付)
 ・日露エネルギー協議
 ・ 北方四島における共同経済活動
 ・日韓漁業協定
 ・高村政務次官のインドネシア訪問



・報道官会見記録(1月20日付)
 ・総理特使のインドネシア派遣
 ・ 第6回日韓文化交流実務者協議
 ・イラクのUNSCOM査察拒否に対する申し入れ
 ・中東和平プロセス
 ・長野五輪

 ・遅浩田中国国防相のシンガポール訪問取りやめ

 ・報道官異動挨拶



・報道官会見記録(1月16日付)
 ・インド・パキスタン・バングラデシュ・ビジネス・サミット
 ・インドネシア経済
 ・日本人配偶者里帰り
 ・日朝国交正常化交渉
 ・日韓漁業協定

 ・リムパック(環太平洋合同演習)



・報道官会見記録(1月13日付)
 ・NLP関連
 ・イラクの国連査察団拒否
 ・イラン情勢
 ・インドネシア経済・金融情勢
 ・北朝鮮日本人配偶者の一時帰国問題

 ・英国人捕虜問題の総理謝罪について

 ・代替へリポート建設



・報道官会見記録(1月9日付)
 ・日韓W杯開催に向けた映像ソフトの共同制作
 ・ケニア大統領選挙及び議会選挙
 ・アルジェリア情勢
 ・ブレア英首相の来日について
 ・米国の湾岸態勢について



・報道官会見記録(1月6日付)
 ・日韓W杯開催に向けた映像ソフトの共同制作
 ・映像国際放送を利用した政府広報番組の開始
 ・カンボディア問題
 ・日米露の災害共同訓練
 ・韓国のスケトウダラ漁船撤退



報道官会見要旨 (平成10年1月30日(金)17:00~ 於 会見室)

・ ロシアのAPEC参加支援協議

(報道官)ロシアのAPEC参加、昨年11月のクラスノヤルスクにおける橋本・エリツィン会談において、我が国は、ロシアのアジア・太平洋地域における役割に鑑み、ロシアのAPEC参加を支持する旨表明した。同月、ヴァンクーヴァーでのAPEC非公式首脳会議、閣僚会議に於いて、我が国はロシア参加の実現のため率先して各国との調整に努めた経緯がある。
 その結果、同ヴァンクーヴァー非公式首脳会議に於いて、ロシア、ペルー、ヴィトナムの3ヶ国について、98年からの参加が決定された。同3ヶ国は、本年11月のクアラルンプール閣僚会議より正式に参加することとなる。また、正式参加までの期間、APECの諸活動にオブザーバーとして参加する見込みである。
 以上の経緯を踏まえ、2月初旬に、我が国のAPEC・SOM(高級実務者会合)代表である渋谷経済局審議官を派遣し、APEC参加支援協議を開催することとした。本件協議の機会に、実務的な観点を含め、APEC及び我が国の体制等について幅広く説明すると共に、意見交換を行うことにより、APECへの円滑な参加に向けてのロシアの国内体制の整備、各フォーラムへの参加準備等における支援を開始する予定である。

(問)ロシアのAPEC参加支援協議開催の日付はいつか。

(報道官)2月5日から6日で調整中である。因みに、ロシア側出席者についても調整中であるが、ロシア側のAPEC高級実務者会合代表の候補である、デニソフ外務省経済協力局長その他となる見込みである。

(問)ロシアのAPECへの円滑な参加とは具体的に何をさすか。

(報道官)申し上げたように、ロシアの11月からのAPEC正式参加は決まったわけであるが、APECには色々な会議があり、種々の専門家が種々の会合で色々な議題につき話していくということであり、それに対して、如何なるティームでやっていったらよいか、例えばどんな問題について話すのか、といったことを説明してロシア側の準備を進める一助にしようということである。

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・ 対人地雷関連

(報道官)第2点目として、NGO東京地雷会議及びこれに関連して本日サム・ソタ・カンボディア地雷センター事務局長が小渕大臣を訪問された点につき言及する。1月31日(土)及び2月1日(日)の2日間、東京の国立オリンピック記念青少年総合センター国際会議場においてNGO東京地雷会議が開催される。この会議はNGOの「難民を助ける会」が主催し外務省も後援しているもので、今回は昨年3月に引き続き2回目である。
 対人地雷問題に対する国際社会の取り組みは97年を通じて大いに強化された。特にNGOの果たした役割は大きい。現に国内外のNGOが、地雷の除去、除去のための技術開発、犠牲者支援、啓発活動等あらゆる面で対人地雷の問題解決のために力を尽くそうとしている。
 日本政府は昨年、今後の対人地雷問題に対する取り組みとして「犠牲者ゼロ・プログラム」を提唱し、主な国の全てを取り込んだ実効的な対人地雷の禁止の実現を目指すことや、地雷除去と犠牲者支援の分野で5年を目途に100億円程度のODAを行うことを発表したところである。今後も草の根のNGOの方々の貢献を活かしつつ政府の協力を推進していきたい。
 尚、右会議には様々な出席者がいるが、その中には、地雷を禁止する国際キャンペーン、ICBLのコーディネーターであり、ノーベル平和賞の受賞者であるジョディ・ウィリアムズ氏、また、元ヘロー・トラストというグループの地雷除去ティームのメンバーであり自身が地雷の被害者であり、長野オリンピック開会式に参加する英国人クリス・ムーン氏等もいる。また、政府が招待しているカンボディア地雷対策センター(シーマック(CMAC))のサム・ソタ事務局長も参加する。CMACというのは、カンボディア・マインズ・アクション・センターの略である。
 サム・ソタ事務局長は、本日午後3時半より、大臣を表敬した。そこに自分(報道官)も同席したが、その時のやり取りの要点は、先ず大臣から、オタワ条約の署名を決心するにあたって日本としても、自分(大臣)としても努力したわけであるが、その時、カンボジアで戦闘が終了した後に、如何に悲惨な状況であったかということが非常に大きな動機となった旨発言があった。また、先程「犠牲者ゼロ・プログラム」ということに言及したが、右プログラムの下で、5年間100億円のODAということを考えているし、この中でカンボジアに対する更なる協力も考えていきたい旨大臣より発言があった。更に、CMACの具体的協力として、この秋にでもワークショップを開くという話しがあり、カンボジアに於いてはこのCMACが中心となって、地雷除去の活動をしているわけであるが、CMACとしては、地雷除去の経験を他の地雷に苦しむ国々と共有したい。例えば、アンゴラとか地雷はたくさんあるが除去という段階には依然として到達していないわけであり、そういった国々と経験を共有することによって他の国々における地雷除去にも貢献していきたいという話しがあり、そのための被埋設国間会議というものを開きたいという構想がある。我が国としてもこの会議に協力をしたいと考えているところであるが、小渕大臣の方から、こういったことに関しての協力を進めていきたい旨発言した次第である。これに対し、サム・ソタ事務局長からは、オタワ会議の際に小渕大臣が種々尽力したことに対し、自分(「サ」事務局長)及びカンボジア政府としても非常に心強く思っている。日本の今迄の協力に感謝すると共に、カンボジアの国内で地雷の除去と、地雷の禁止につきどういった努力を行っているかにつき説明して会談を終わった。

(問)地雷についての被埋設国会議開催に対する小渕大臣の申し出に対する、サム・ソタ事務局長の回答如何。

(報道官)右会議を非常に重視している旨発言した。また、右会議の開催時期については秋であればカンボディアの選挙も終了しており、色々と話しが出来るであろう旨発言があった。右会議を通じて、他の被埋設国との経験を分かち合っていくことを非常に重視しているところ、日本からも種々の協力を御願いしたい旨要請があった。なお、今回の来日中に「サ」事務局長は上田国際社会協力部長とも会って、このワークショップの進め方につき話し合ったと理解している。

(問)ジュネーブの軍縮会議に於いても日本政府は地雷の全面禁止のアクションを起こそうとしていたと理解しているが、現状如何。

(報道官)ジュネーブ軍縮会議というのは60ヶ国が参加しているわけであるが、この参加国の中で、対人地雷全面禁止条約(オタワ条約)に未署名の国が米国、中国、ロシア、インド等25ヶ国ある。先程言及したゼロ・ヴィクティム・プログラムということの一環として、より普遍的で、より実効的な条約を実現する必要があるということを我が国も考えている。そういった意味で、このオタワ条約に署名していない国が参加しているジュネーブ軍縮会議に於いても、できるだけ早く交渉を開始することが重要であると考えている。我が国としては、関係国と共に交渉を開始するための努力を継続していく所存である。その際、先ず、輸出の禁止を取り上げるとのアプローチを真剣に検討していきたい。なお、ジュネーブの軍縮会議の今会期は始まったばかりであるが、右会議に於いては、特定の問題を如何に扱うかという、マンデート案を先ず出して、それを関係国で議論していくということになる。

(問)何時こういった提案をするといった具体的なことは決まっているのか。

(報道官)先ず、マンデートを決めて、その上で会議を始めて、望むらくは交渉にもっていくといったプロセスであると理解している。

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・ 日米港湾問題

(報道官)米国東部時間の28日、ワシントンDCにおいて、米国連邦海事委員会(FMC)側が我が国海運会社に対してとった制裁措置に関し、日米友好通商航海条約に基づき、日米政府間の協議が開催された。日本側は、外務省、運輸省、米側は、国務省、運輸省等から出席し、議長は課長クラスが務めた。右協議の背景は、昨年本件の解決に向かい努力し、結果的に課徴金150万ドルが支払われ、米側FMCは制裁を無期限停止にした。無期限停止というのは、解除ではなく、無期限にサスペンドされているわけである。我が方としては、日米通商航海条約24条の下で右措置の完全な撤廃を求める協議をしようとしているわけであるが、そのための予備協議というのが今回の予備協議である。今回の予備協議においては、互いの基本的立場について意見交換し、建設的に協議を行うことで一致した。一言付け加えれば、今回の予備協議は払われた150万ドルを返せという話しではなく、制裁自体がまだサスペンドされているわけであり、その制裁の撤廃を求めるということである。

(問)米国との次回協議はいつか。

(報道官)次回について具体的なことが決められたとは承知していない。

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・ 日韓漁業関係

(問)国内報道に於いて、柳宗夏(ユ・ジョンハ)韓国外務部長官が、国会の統一外務委員会の答弁に於いて、1965年の日韓基本条約締結のための交渉当時には慰安婦問題が議論されていなかったと指摘し、日本が慰安婦問題について賠償責任がないとする主張は不当であるとして、漁業問題と慰安婦問題を結びつける発言を行った。これは、日本政府の立場とは異なると思うが、報道官の見解如何。

(報道官)御指摘の報道が行われていることは承知してるが、実際に如何なる答弁を行われたかにつき、詳細は未確認であるため、コメントは差し控えたい。尚、日本政府としては、いわゆる従軍慰安婦問題は、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であると認識しており、道義的な責任を痛感し、これまでもお詫びと反省の気持ちを表明してきているところである。政府としては、本問題に関し国民的な償いの気持ちを表すために設立されたアジア女性基金が所期の目的を達成できるよう、今後とも最大限度力していく所存である。
 法的立場について言及すれば、日韓両国の関係に於いては、いわゆる従軍慰安婦問題も含め、日韓両国及び両国民間の財産請求権の問題は1965年の日韓請求権経済協力協定により完全且つ最終的に解決済みであるとの立場をとっており、そういった立場を踏まえた上で、申し上げたような我々の反省の気持ちの表明やアジア女性基金を通じての国民的な償いの気持ちの表明を続けているわけである。
 漁業問題は非常に重要な問題であるが、日韓関係の他の分野に影響するということは避けていきたいと考えており、日韓の友好関係を基本に種々の問題に対処していきたいと考えている。

(問)漁業問題を他の問題と絡めている点に於いて、右発言は問題であると考えるが、公開の場で話し合われたものの詳細を、現段階でも掴んでいないというのは時間がかかり過ぎではないか。大使館員が傍聴したのではないか。

(報道官)国会に審議の場に館員が傍聴していたかについては承知していない。

(問)詳細を掴んでいないというのは何時の段階でのことか。

(報道官)詳細を把握していないというのは、自分(報道官)の会見が始まる前の段階までの事実関係である。

(問)これだけ時間がかかっているという事は、非常に重要な問題として慎重に扱っているということであると考えられるが、むしろそうであれば、もし本件発言が事実であると判明した際には、何らかの措置を採るということか。

(報道官)漁業問題と他の問題を絡めるべきでないという立場は我々の基本的立場であり、色々な形で韓国側にも伝えてきている。他方、この外務部長官の発言の正確なテキストがどういった手段で入手可能かについては、我が国と韓国とのシステムとの違いもあり、引き続き詳細の把握に努める。何れにしても、我々の基本的な立場については色々な形で韓国側に伝えてきている。

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報道官会見要旨 (平成10年1月27日(火)17:00~ 於 会見室)

・ イラクに対する申し入れ

(報道官)天江中近東アフリカ局長は、アリ在京イラク臨時代理大使の来訪を求め、本日午前10時から約30分間、今般の大量破壊兵器廃棄に関する国連特別委員会(UNSCOM)の査察に関するイラクの対応により再び緊張が高まりつつあることについて、わが国の懸念を伝達するとともに、イラク政府がUNSCOMと完全に協力するよう申し入れた。
 本件申し入れは、UNSCOMの構成が米英に偏っているとして、その査察活動を許可しないとした1月12日のイラク政府の決定、及び今月の19日から21日にかけてのバトラーUNSCOM委員長のイラク政府との協議の結果を受けた国連安保理での議論を踏まえて行われた。
 わが国としては、イラク政府が関連安保理決議に従って、UNSCOMの査察活動に完全に協力することが事態を沈静化し、国連による制裁が解除されるための前提であると考えている。今後とも引き続き事態の推移を注視しつつ、イラクに対し関連安保理決議順守の説得を含め、わが国として可能な限りの外交的努力を行っていきたいと考えている。

(問)申し入れに対するアリ臨時代理大使の回答如何。

(報道官)アリ臨時代理大使は、我が方申し入れの内容は至急本国政府に伝えると述べるとともに、UNSCOM査察団の国籍別の構成に問題がある等の従来のイラク政府の主張を述べていた。

(問)可能な限りの外交的努力をしていくとのことであるが、臨時代理大使を通じ懸念を伝える他に、特使をイラクに派遣するとかいった行動も考えているか。

(報道官)外交的努力という意味では、今までも色々なことを行ってきている。東京におけるイラクに対する申し入れも随時行ってきているし、場合によってはニューヨークや、あるいはパリで申し入れたこともある。それからニューヨークの安保理の場における協力というようなこともある。そのような色々な場を通じて色々な可能性を生かしての努力を続けていきたいと考えている。

(問)米国ではイラクに対して強硬論が高まり、単独でも軍事行動に出るべきだという声が高まっている。本日の大臣会見では、安保理の動きを注意深く見極めたいという趣旨の話があったが、それは、わが国としては米国の単独行動は支持できないが、安保理の合意による何らかのアクションは支持できるという意味に捉えて良いか。

(報道官)そこまで言うにはちょっと早い段階ではないかと思うが、安保理を中心として色々な努力が行われている。また、米国との関係でも緊密な連絡をとりながら、安保理等での場で協力をしてきている。こういう外交的努力を続けながら、安保理の場での審議の進展を注視していく、というのが今の状況でできることかと思う。

(問)米国の主張に対するわが国の立場如何。

(報道官)イラク政府が査察団の構成が米英に偏っているとしてその査察活動を許可しないといっていることについては、関連安保理決議上、国連特別委員会の査察活動にイラク政府が完全に協力するということが義務づけられているので、イラク政府の拒否は国連安保理決議に反するものであるという立場を我々としてとっている。そういう立場の下にこの事態を改善していくため、イラクに対し関連安保理決議を遵守するよう説明することを含めて、努力を続けている次第であるので、イラクのとっている態度についての国連の安保理関連決議との関連ということについては、我々は米国とかその他の関係国と立場を同じくしている。

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・ 21世紀に向けてのODA改革懇談会の最終報告

(報道官)本日15時45分から、ODA改革懇談会の河合座長から小渕外務大臣に対して同懇談会の最終報告が行われた。
 この報告は今後のODA改革の重要な指針となるものであり、またODA改革のための極めて示唆に富む具体的提言が多々盛り込まれていると考える。外務省としては今後のODA改革を進めるに当たって、この懇談会の報告を重視している。同報告書の提言の中にはすぐに実施に移せるもの、中期的な取り組みが必要とされるものなどがあるが、できるものから早速実施することとし、中期的取り組みを要するものも実現に向けての具体的な努力を進めていきたいと考えている。更に報告書の提言の実施状況について、しかるべき形で懇談会のメンバーの方々を含め、一般の方々にも報告していきたいと考えている。

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・ 朝鮮半島4者会合

(問)2月中旬に予定されていた4者会合の中間会合に対し、北朝鮮が延期を申し入れてきたという報道があるが、これはこの4者会合の未来に暗雲を及ぼすものか。

(報道官)北朝鮮の申し入れてきた内容の詳細をまだ把握しているわけではないが、4者会合に向けていろいろな動きが出てきつつあった、あるいは動きがあることを我々としては歓迎してきたので、今回の報道されていることがどのような意味を持つのかについては、関心を持って見守っていきたいと思っている。

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・ 日米港湾協議

(問)FMC(連邦海事委員会)が日本の商船3社に対し命じた課徴金について、わが国が日米友好通商航海条約に基づく協議が明日、ワシントンで開かれるが、見通し如何。

(報道官)この点についてまだ詳細を承知していない。

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・ 日米中露の安保対話

(問)訪露中の秋山防衛事務次官がロシア側と日米中露の4カ国フォーラムについて、前向きに話し合うことで合意したとの報道があるが、コメント如何。

(報道官)日米露等の関係国による、あるいは正確には関係国の関係者による安全保障問題に関しての対話については、今までのところ既存の民間のイニシアチブによる日米露の3者間のフォーラムというのがある。
 ご指摘の構想は、今回、秋山防衛事務次官がモスクワに行かれてセルゲーエフ国防大臣との間で会談を行った際に、日露防衛当局間の関係強化の方策につき種々話し合う中で出てきたものと承知している。このような民間のイニシアチブによる日米露間のフォーラムに中国を加えて4カ国としたり、またこのような3カ国ないし4カ国の対話を民間イニシアチブによるものから政府レベルに移行することを検討し始めてもよいのではないかという話をしたと承知している。
 そこで一般論として述べれば、北東アジアを含めアジア太平洋地域の平和と安定を確保していくためには、この地域における米国の存在と関与を前提とした上で、域内諸国間の信頼醸成を促進し、これを通じて安全保障環境を向上させていくことが重要であると考える。
 このような観点から、アジア太平洋地域の安全保障のために、日米中露の4カ国の間に良好で安定的な関係が構築されることは重要と考えている。この観点から、この4カ国の間で政治対話の場が設けられるということであれば、各々の2国間関係を補完するものとして、この地域における各国間の信頼醸成に資するものと考えるが、それをどう実現していくかという道筋については、種々検討していく必要があるかと思う。今後、日露間においてそのような道筋を探る努力の一環として、色々な可能性につき話し合っていくことは意義を有するものと考えている。

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報道官会見要旨 (平成10年1月23日(金)16:45~ 於 会見室)

・ 日露エネルギー協議

(報道官)昨年11月のクラスノヤルスクにおける日露首脳会談で合意された「橋本・エリツィン・プラン」の一つの柱である日露エネルギー対話の強化の一環として、来る1月28日、29日にモスクワにおいて第1回目の日露エネルギー協議を行う予定である。
 議長は日本側が近藤経済局参事官及び太田資源エネルギー庁次長による共同議長、露側は燃料エネルギー省のテレーギナ対外経済協力・投資委員会議長が務めることとなっている。
 議題としては、露のエネルギー供給能力の可能性、エネルギー部門における投資、日露間のエネルギー協力といったものが挙げられている。

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・ 北方四島における共同経済活動

(問)今朝の大臣会見のフォローアップを求めたいが、北方四島の共同経済活動に関する提案について、大臣より「橋本・エリツィン・プラン」を実行するためにそれに適合するものであれば当然やるべきであるという趣旨の発言が行われた。大臣のこの発言については、露側においては前向きな発言と捉えられているようであるが、この「橋本・エリツィン・プラン」において実行すべき目的と、これまで我が国が主張していた北方四島は我が領土であるということは矛盾しないのか。

(報道官)先ずモスクワにおける次官級協議の場でこの問題についてどういうやりとりがあったかという点については、今回の協議の際にいわゆる四島の共同経済活動について、露側より一定の提案があった模様である。これに関しては、我が方より、従来より露側に伝えていたことと同様、このような活動については、日露双方の立場を害さないことが必要であるとのこれまでの考え方を伝達すると同時に、この提案があった訳であるのでこれを持ち帰り検討することとしたい旨述べたところである。
 露側も提案を出したわけであるが、露側としても引き続き検討したい旨発言しており、今後検討していくこととなると思われる。この提案の内容については、日本側も露側も対外的には発言できないこととなっているので、右以上に今の質問に答えることはできない。

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・ 日韓漁業協定

(問)今朝の日韓漁業協定終了通告に対し、予想通りと言うべきか韓国側から激しい反発の声が出ているようである。北海道周辺における操業自主規制については、今朝の大臣会見においても冷静な対応をお願いしたい旨発言されているが、韓国側は自主規制を中止する旨宣言しているようである。この韓国側の対応について、外務省の見解如何。

(報道官)今朝柳井次官から金太智駐日韓国大使に対して終了通告を行った際に、今後のことについて、柳井次官より今後どのようにして交渉を立ち上げるかにつき、双方の外交当局より知恵を出す必要がある。また、この問題は日韓関係全体に影響を及ぼすことがあってはならないのでその為努力していかなければならない旨述べたのに対し、金大使より、同感である旨の発言が行われた由である。(同大使の発言は)やはり今後話し合いを続けていかなければならないという意識が韓国側にもあるということを反映しているものであると思われるが、同時に本日午前、柳外務部長官が我が国の通告に対し声明を発表されたが、その後の質疑応答の際に、柳長官は操業自主規制措置の中断以外にどのような対応をする考えかとの質問に対して、協定が終了したといっても今後一年間は効力が続くのであり、その期間内に新たな協定を交渉し、右協定に置き換える必要がある。従って、今後日本との交渉を進行させつつ、適切な対応方針を講じる考えである旨述べられた。
 上記に鑑み、我が国としても新しい協定を作るための交渉というものを行っていく必要があると考えており、日韓の友好関係というものを基本的な視点に置きつつ、交渉のための努力を今後とも継続させていく所存である。

(問)日韓友好関係と言われるが、柳外務部長官の記者会見の際に、「極めて非友好的」という言葉が使われている。韓国側の見解としては、今回の通告は無理な要求を突きつけて交渉を中断させ、しかも新政権発足の直前に協定の終了を通告してきたのは、極めて非友好的と言わざるを得ない旨の発言をされたと伝えられているが、右に対する考え方如何。

(報道官)ご承知の通り終了通告を行った後も、一年間は協定は有効な訳であり、その間に韓国政府との交渉を再開させ、問題を決着させたいと我々は考えている次第である。従って、今日の措置は当面日韓漁業関係の法的枠組みや実態を変えるものではなく、そういう意味で(我々としては)非友好的なものとは考えていない。それと同時に、柳長官の発言についても、今質問にあったような発言も行われたようであるが、質疑応答の部分で、やはり日本と交渉していく必要があるとの認識を示されていることもあり、この措置がとられてから一年間現行協定が有効の間に、何とか話し合いを再開させていこうという意識を韓国側も有しているという感じがする。

(問)特に名前が出ている訳ではないが、韓国高官の発言、韓国マスコミの論調として、我が国が本通告を行ったのは、韓国が経済的不況にある、また新政権移行期にある、といった韓国の弱みにつけ込んだ通告である旨の解釈をメディアに発言している向きもあるようでるが、右に対する考え方如何。

(報道官)ご承知の通り、本問題については過去10回にわたって、日韓の実務者間で協議を続け、また、累次の首脳及び外相会談の機会でも話し合われ、2年近くの間双方が解決に向けて色々努力を行ってきたが、未だに合意を見るに至らなかったという背景がある。
 このような状況の中、我が国としては30年以上前に締結された現行の協定の下の古い漁業秩序から離れ、海洋法条約の趣旨を踏まえた新たな漁業秩序を早急に確立するという観点から、協定を終了させ、新しい協定を作るという判断に至った訳であるが、そういう判断に至るにあたって、ご指摘のような韓国側を困らせるという考えは全くない訳であり、先程より申し上げている通り、漁業の問題は確かに非常に重要であり、従って非常に真剣に取り組んでいく必要がある訳であるが、それと同時に日韓関係、日韓友好関係というものは何よりもまして重要であるので、そういう観点をしっかりと踏まえた上で今後の状況に色々対処していきたいと考えている。

(問)北海道周辺の自主規制の無期限中断について、漁民の中で早くも不安の声が挙がっているが、これに対して外務省としてどういう対応を示されるのか。

(報道官)韓国側の本日の発表については、自主規制の無期限の中断という表現が使われているが、自主規制措置というのはそもそも両国周辺の特定の水域における操業問題の実際的な解決を目的とするものであり、我が国政府としては、現行協定が有効の間、自主規制措置が引き続き実施されることが望ましいと考えている。韓国側が自主規制措置を中断する旨表明している訳であるが、日本側として自主規制措置をどうするかという点については、今後慎重に検討していきたいと考えている。従って、現時点でどうこうするということを申し上げる段階ではない。

(問)韓国側に特に働きかけを行うということを考えているのか。

(報道官)韓国側に対しては、先程申し上げた通り協定が一年間有効な訳であるので、その間における実際的な措置として、現行協定が有効な間自主規制措置が引き続き実施されることが望ましいということを伝えているが、それから先の話がどうなるかということは、我が国としては、日本側の方がどうするかということを慎重に考え、それと同時に先程来申し上げている通り、今後新しい交渉再開に向けて韓国側と色々話していくということについて、この有効期間の中でどう考えていくかということになるかと思われる。

(問)日本側の自主規制にはどういったものがあるのか。

(報道官)自分(報道官)は必ずしも詳細を承知している訳ではないが、特定の漁業について、底引き網、あなごかご、イカ釣りについて、禁止、一定期間の禁止、操業隻数の制限を自主的に行うことを内容としているが、具体的に韓国側がどのような自主規制を行っていて、日本側がどのような自主規制を行っているかの詳細なデータを(今この場では)持ち合わせていない。

(問)(そういった自主規制は)韓国沿岸で行われているのか。

(報道官)然り。両国周辺の特定水域で行われているものである。

(問)日韓どちらの自主規制という話になるが、今の報道官の発言は、日本側が自主規制を行っているという訳ではなくて、韓国側の自主規制の話なのか。日本側が自主規制をどうするかということについて慎重に考えていかなければならないということは、韓国側が自主規制を無期限に中断するということについて、どう対応するかということを慎重に考えるという趣旨で話されたのか。

(報道官)若干説明が足りなかったかもしれないが、韓国側が行ってきた自主規制については、これを無期限に中断するという表明があり、これが実際にどうなっていくかということを見ていく必要がある。韓国側の自主規制が無くなるということになると、日本側の自主規制も無くすのかどうかという問題が生じる訳であるが、それについては慎重に検討していく必要があるということである。

(問)日本漁民も自主規制をしているので、韓国側が中断するのであれば、日本側も中断するということとなるかどうかという点についての発言だったのか。

(報道官)然り。

(問)それでは日本の漁船が韓国の済州島等に漁に行くことを認めてもいいということにつながるのか。

(報道官)そこは正に自主規制を続けるか否か、自主規制という場合には取り締まりは旗国が行うということになっているので、日本の自主規制については、その取り締まりは日本が行うということになっている。もし韓国側の自主規制が無くなった場合には、日本でこういったことはやらないでくれと言っていることを無くすのかどうかということについては、慎重に考えていく必要があると申し上げいる次第である。

(問)直ちに対抗措置として、日本側も同じような措置を打ち出すかということを慎重に考えていくということか。

(報道官)その点も含めて慎重に考えていく必要があると申し上げている次第である。

(問)柳長官の発言について、小倉駐韓国大使に伝えられた趣旨というのも無期限の中断という表現だったのか。或いは撤回とか一定期間の停止とかではなく、無期限の中断であるということだったのか。

(報道官)無期限の中断であるというか、柳長官の会見において、同長官より声明を発表され、その後会見を行った訳であるが、その声明の中で、日韓間で維持してきた操業自主規制してきた措置を無期限中断すると発言されている。

(問)政府に伝えられたのも同じ表現か。

(報道官)確認する。

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・ 高村政務次官のインドネシア訪問

(問)高村政務次官がインドネシアにおいて表明した措置については、直ちに効果というか即効性のようなものは聞けないと思うが、具体的にどのようなやりとりがあり、(その)効果があったと考えるのか。

(報道官)22日の高村政務次官とスハルト大統領との会談において、同政務次官より総理親書を伝達した。その中で、IMFとインドネシアとの合意の下で、厳しい政策変更を決断したことを強く支持し、それらの措置が着実に具体化していくことへの期待を表明した上で、我が国としてもインドネシアの努力に対し引き続き支援を行っていくとの趣旨の総理親書を伝達してきたところである。
 それに加えて、既に1997年度の円借款の一環として、構造調整支援のための200億円の円借款協力に加え、98年度の円借款パッケージを策定するに当たって、500億円の構造調整支援のための円借款を追加供与する旨伝達したところである。即ち、総額700億円が足の早い援助として、社会的弱者の救済や人材育成を中心に利用されることとなる訳であるが、これにより、インドネシアの改革に伴う痛みが少しでも和らげられることを期待している旨述べた次第である。
 これに対し、スハルト大統領からインドネシアの経済構造改革を進めていくつもりであるという非常に固い決意の表明が行われた。こういうスハルト大統領の固い決意をもっておられるということが、国際社会に知られることによって、インドネシアに対する信頼感が回復される一助となることを期待している。また、スハルト大統領より、日本からの迅速且つ適切な支援に対して高く評価する、橋本総理に宜しく伝えて欲しい旨述べられた由である。
 まさに700億円に当たる足の速い援助というものが、インドネシアが抱えている問題を克服するにあたっての助けとなることを期待している訳であり、そういう意味では、今回の高村政務次官の訪問及び同政務次官より伝えられたメッセージは、困っている友人に対しての意味があるジェスチャーとなったと期待している次第である。

(問)しかしながらルピアはまだ回復していないが、今次支援がじわりじわりと効いてくると期待しているのか。

(報道官)マーケットの反応をどのぐらいのタイミングで判断するかということもあるが、我が国としては、こういう協力の意図しているものが効果を表してくることをもとより期待している訳である。

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報道官会見要旨 (平成10年1月20日(火)17:00~ 於 会見室)

・ 総理特使のインドネシア派遣

(報道官)21日と22日の両日、インドネシアの現下の経済状況に鑑み、高村政務次官が総理特使としてインドネシアを訪問する。高村外務政務次官には外務省関係者の他、大蔵省、通産省からも審議官クラスが同行する。この訪問は、1月15日にインドネシアとIMFが新たな政策措置に合意したことを踏まえたものである。現下の経済困難からの脱却をめざし、厳しい政策変更をインドネシア政府が決断したことをわが国は明示的に支持するとともに、その努力を引き続き支援していく姿勢を改めて伝達するため、今回の高村外務政務次官の派遣を決定したものである。
 高村外務政務次官は以上のわが国の姿勢を伝達する橋本総理大臣からスハルト大統領あての親書を携行する予定であり、現地ではスハルト大統領の他、経済関係閣僚などとの会談が予定されている。

(問)高村次官の派遣は、日本の姿勢を改めて伝達するためということだが、具体的にどういったものをテーマに話し合って、あるいはどんな支援を行うのか、具体的にはどのようなことか。

(報道官)わが国のインドネシアに対する支援は、既に明らかにしたとおりである。いわゆる第二線準備としての協力、その他構造調整借款、中長期的な協力を行っている。その後、IMFとインドネシア政府との間で改めて合意ができ上がり、この合意を誠実に履行してもらうことがインドネシア経済の安定に不可欠である。高村政務次官から総理親書をインドネシアのスハルト大統領にお渡しして、日本側のそうした姿勢を明示的に示していくということが訪問の主たる目的である。

(問)インドネシアとIMFの合意を受けて、日本のインドネシアに対する経済協力の内容について、インドネシア側と改めて調整する必要が生じたのか。

(報道官)今回はそのような細かな調整の議論を行うことが主目的ではないと理解している。スハルト大統領とカムドゥシュ専務理事との話し合いの結果でき上がった新たな合意が出来たにもかかわらず、残念なことにまだルピアは不安定な状況を示している。インドネシア政府がIMFとの合意を順守することによって、市場がインドネシア経済の将来を信認していくことが、今重要な課題になっている。わが国としては、IMFとの合意を明示的に支持し、以って少しでも市場が信認していくことに貢献していければということで、こうした政治的な強い姿勢を示していくことが訪問の主目的である。なお、わが国がインドネシアに行っている円借款については、以前の記者会見でも説明したように、IMFとの合意によって影響は受けないものと理解している。ただ、今後ともIMF、インドネシア政府ともよく連絡をとり、わが国として今の経済状況に合った円借款事業がきちんと進んでいくように今後とも意を尽くしていきたいと考えている。なお、当省から高村総理特使に随行する者の中には、経済局審議官、アジア局審議官のみならず経済協力局からも参加が予定されている。

(問)先日の記者会見で、インドネシアの国民車計画は中止すると理解しているという答えを頂いたが、高村特使がインドネシアに行き、この国民車計画についての日本のWTO提訴をどうするかといったことも話し合うのか。

(報道官)具体的にそこまで話が出るかどうかは詳らかにしないが、先般のIMFとの合意において、国民車計画の優遇措置の廃止が決定されたことはそのとおりである。ただ現時点では、IMFとの合意内容がどのような形で履行されるか明らかにされておらず、まずはインドネシア側の具体的な対応を注視していきたい。いずれにしても、この国民車計画については、大統領令の改廃等の形でこの計画に関する全ての優遇措置が迅速かつ最終的に廃止されることを確保することが必要と考えている。

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・ 第6回日韓文化交流実務者協議

(報道官)本件は1月22日に外務省で開催される。わが方は榎外務省文化交流部長、韓国側はイ・ソクジョ外務部文化協力局長が責任者となる。この協議では、1993年7月、ソウルで開催された前回の協議以降、両国間で行われてきた各分野における文化交流の現状についてレビューするとともに、日韓両国国民相互の理解促進のための方途につき協議する予定である。具体的には昨年5月に大阪で行われた第1回日韓青少年交流ネットワーク・フォーラムのさらなる展開に向けた意見交換を行う予定である。

(問)日韓の文化交流は普通、2、3年に1回行われるものと思うが、4年半ぐらい間隔があいたのはいかなる事情からか。

(報道官)特別な事情はないと承知している。原則としてこうしたものは1年に1回ずつといった形で開催されるものであるが、この間、具体的に日韓間でいろいろな文化事業についての具体的な進展は見られており、冒頭に説明した日韓青少年ネットワーク・フォーラムの開催といった形での交流の拡充のプログラムが行われてきている。事務的な理由でこれまで開催されなかったということであり、特段の事情はないと理解している。

(問)先ほど配布された発表文では、抽象的に意見の交換を行う予定であるということだが、具体的なものは何かあるのか。例えば韓国で日本の映画や音楽の解禁が行われるのではないかとの推測も出ているが、そういったテーマが出てくる可能性はあるのか。

(報道官)質問は、いわゆる大衆文化規制の問題についてであると思うが、この問題そのものは、議題としては設けられていない。しかし、冒頭にも説明したように、両国間で行われてきている各分野における文化交流の現状につき、この度の協議でレビューすることになっている。その中で、わが方としてはこの大衆文化規制というものは基本的に好ましいものではないという認識を伝えることになると思う。

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・ イラクのUNSCOM査察拒否に対する申し入れ

(報道官)本20日午後3時、石橋中近東アフリカ局参事官からアリ在京イラク臨時代理大使に対し、イラク政府が大量破壊兵器破棄に関する国連特別委員会(UNSCOM)による査察活動に完全に協力するよう申し入れた。この申し入れは、UNSCOM査察官の国籍構成が不均衡であるとして、UNSCOMの査察活動を許可しないとした今月12日のイラク政府決定、また制裁を安保理が解除しないのであればUNSCOMとの協力関係を停止するとの1月17日のフセイン大統領の演説、更に1月19日より21日までの予定のバトラーUNSCOM委員長のイラク訪問などを踏まえて、行われたものである。
 わが国としては、イラク政府が関連安保理決議に従って、UNSCOMの査察活動に完全に協力することが、国連による制裁が解除されるための前提であると考えている。今後とも引き続き事態の推移を注視しつつ、イラクに対し関連安保理決議順守の説得を含め、可能な限りの外交的努力を行って参る所存である。

(問)申し入れに対してのアリ臨時代理大使の応答振り如何。

(報道官)アリ臨時代理大使は、イラクは7年以上にわたってUNSCOMに協力してきたが、UNSCOMが米国の強い影響下にあって、経済制裁解除の見通しが困難となっているなど、従来からのUNSCOMに関するイラク政府の見解を述べたと承知している。同時にアリ臨時代理大使は、今回の日本政府の申し入れを本国政府に伝達する旨を約束している。

(問)今後、イラクに対する説得を含め日本の対応を考えていきたいということだが、これはどういう形で考えているのか。例えば特使派遣等を考えているのか。その際に気掛かりなのは先日、フセイン大統領が日本を名指しで非難したことがあるが、日本はどのような役割を果たすことができるのか。

(報道官)わが国は、本件に関する安保理における議論に積極的に参加しており、国連を通じてイラク側に働きかけを行ってきている。それに加え今般、東京において外交ルートを通じて2国間の申し入れを行ったということである。この申し入れに対する、その場でのイラク側の反応は従来のイラク政府の立場の繰り返しであった。しかし、わが方の申し入れは本国政府に伝えることを約束していることでもあり、こういったわが国の努力が良い方向へ向かっていくことを望むものである。なお、先程も説明したように、バトラーUNSCOM委員長が今イラクに行っている。(同委員長は)イラク側のいろいろな発言や措置といったものの撤回を求めるとともに、関連施設へのUNSCOM査察官のアクセスは完全に認められるべしということを申し入れることになっている。一応21日までの予定で訪問しているが、その後ニューヨークに戻って安保理に報告することになっている。バトラー委員長のバグダッド滞在中に、安保理の場または今回のわが国政府の申し入れのような2国間の申し入れといったようなことが良い方向で影響を与え、(結果として)バトラー委員長が安保理に良い報告を出来ることを望むものである。

(問)確認だが、この申し入れは外務省に招致して行われたのか。

(報道官)然り。招致して行った。

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・ 中東和平プロセス

(報道官)中東和平プロセスは、本20日ワシントンで予定されているクリントン大統領とネタニヤフ首相との会談、及び22日に同じくワシントンで予定されているクリントン大統領とアラファト議長との会談を前に、重要な段階にさしかかってきている。わが国は、米国とも密接に連絡をとりつつ、パレスチナ支援等を通じて、和平プロセスを支えるべく努力してきており、今回のこの2つの会談が西岸におけるイスラエル軍の再展開に関する具体的な前進や、その他の当事者間の主要な課題における進展につながることを期待している。

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・ 長野五輪

(問)オリンピックの関係だが、長野オリンピックに向けて各国から要人はじめいろいろな方が来るようだが、このオリンピックの外交的な意味づけについて外務省としてどう考えているか。

(報道官)長野オリンピックは、オリンピック委員会が実施しているものであり、それの持つ意味合いはここで説明する必要もないことだと思う。ただその機会に、その国を代表する重要な方々が来られる予定と聞いている。そういった方々が長野のオリンピック会場に赴いて、自国の選手団の応援をするだけでなく、他の国の代表(日本国政府も含めて)と友好関係を深めて頂くことは極めて重要である。なお、そういった間に、例えば東京に寄って2国間関係等について話をする方が出てくるのかどうか、その辺のことについては具体的なことは承知していない。国会開会中ということでもあるが、具体的に何かそのような話がまとまっていくのであれば、その都度説明させて頂きたい。

(問)ヒラリー夫人の来日ははっきりしたのか。

(報道官)その点については、米側がハンドルしている問題である。米側が発表したかどうかは承知していないが、わが方としては米側の対応なり、米国の発表ぶりを待ちたいと思う。

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・ 遅浩田中国国防相のシンガポール訪問取りやめ

(問)遅浩田中国国防相がシンガポール訪問を取りやめたようだが、台湾とのからみで両国とASEANの間でぎくしゃくが続いているようである。この辺をどうご覧になっておられるか。

(報道官)報道で承知しているが、中国政府から正式な発表がなされたとは承知していない。いずれにせよ、わが国として第三国間問題についてコメントするのは如何かと考える。

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・ 報道官異動挨拶

(報道官)本日は、私(橋本報道官)にとって最後の記者会見である。過去2年半にわたって、各位と一緒に仕事をさせて頂いたことにお礼申し上げる。この間、ペルー事件等があって、各位に必ずしも満足のいくような説明ができなかったことがあったかも知れない。個人的には外務省の行っている仕事をできるだけ客観的に各位に分かって頂くよう努力したつもりである。こういった努力は私の後任にも引き継がれていくこととなる。今後ともよろしくお願いする。本当にありがとうございました。

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報道官会見要旨 (平成10年1月16日(金)17:00~ 於 会見室)

・ インド・パキスタン・バングラデシュ・ビジネス・サミット

(報道官)1月15日にバングラデシュの首相のイニシアチブにより、バングラデシュ、インド、パキスタン三国の首相による「インド・パキスタン・バングラデシュ・ビジネス・サミット」がダッカで開催されたことを歓迎する外務報道官談話を発表した。これら3国間のイニシアチブによる首脳会談は初めてのものである。これは政治的には困難な問題を抱えながらも、経済といった実務的な面での協力に取り組んでいこうという新たな姿勢であり、そのような観点から、この会議を注目する。なお、その間に行われた印パ首脳会談は対話継続に向けた強い意志を示すものであり、わが国としてもこれを評価しており、同時に今後とも両国間の対話の進展を期待する。

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・ インドネシア経済

(報道官)15日、スハルト大統領がカムドシュIMF専務理事と会談した結果、50項目にわたる新たな政策措置につき合意に達したが、これについて、日本政府が歓迎の意を表明していることはご承知のとおりである。わが国はインドネシアに対し、ODA事業を実施しており、本件につき説明申し上げる。
 円借款の関連では、昨年秋に 156件の巨大プロジェクトが延期、見直し対象となった際に、円借款による事業は対象としない旨のインドネシアにおける国会決議がなされた。今回の予算見直しと前後して発表された、発電所建設事業を中心とする巨大プロジェクトの見直しは、この見直しの範囲内であり、円借款による事業は含まれていないと理解している。なお、わが方としては、引き続きインドネシア政府、IMFなどと連絡を密にしていく考えである。
 また、政府は昨年12月15日、世銀・ADBと歩調を合わせ、インドネシアに対し構造調整努力を支援するため、総額 200億円の円借款を追加供与する決定を行った。現在政府は、この供与に向けて作業をしているところである。また、昨年12月にクアラルンプールにおいてASEANと日本との間の非公式の首脳会談が開催された際、日・ASEAN協力の一環として橋本総理から発表したが、経済構造改革安定持続発展のために、人材育成といった中長期的観点からのODA協力も今後続けていく考えである。

(問)インドネシアとIMFとの合意に伴い、国民車計画は撤回されるという報道があるが事実関係如何。また、この問題はWTOのパネルに訴えていると思うが、その要求は取り下げるのか。

(報道官)15日にIMFとの間で達成された合意の中に、国民車計画に対する全ての税制、関税、信用供与にかかる特権を直ちに廃止するという点が含まれていることを評価するとともに、具体的に如何なる措置が講じられていくのか注視したい。わが国としては、今回の合意を受けて、わが国がWTOパネルにおいて問題点であると指摘している諸政策が直ちに廃止されることとなり、そのための国内手続き等が今後迅速に講じられていくことを期待したい。いずれにせよ、今回のIMFとの合意はインドネシアの経済構造改革を力強く推進するものと評価しており、市場の信任回復につながることを期待する。

(問)そうすると、現在パネルにかかっている裁定要求は、今度の計画が進むかどうかを見定めてからということになるのか。手続き如何。

(報道官)手続き的には今IMFとの合意が決まったばかりであり、それに基づく基本的な政策をとっていくには若干の日数がかかる可能性がある。いずれにせよ、出来るだけ早くそうした措置がとられていくことを期待する。WTOパネルにかけられているような状況が、出来るだけ早く廃止されることが一番重要である。その方向で具体的な措置がとられていくことを見守っていきたい。

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・ 日本人配偶者里帰り

(問)日本人配偶者里帰りの第2陣の名簿が提示されたが、これに関係して主な日程とか今後の見通し、及び今後の実施のペース如何。

(報道官)日程については、まとまったところでなるべく早く発表する予定と聞いている。第3回以降の故郷訪問の実施予定については、現時点で具体的な見通しを申し上げることはできないが、できるだけ早期、かつ、着実に第3回以降の故郷訪問が実現するよう、今後更に必要な作業を進めてまいりたい。

(問)例えば月に1回とか2カ月に1回とかのメドはあるのか。

(報道官)まだ何回か先まで予定をお知らせできる状況にはなく、その都度協議を行い、決定されたことから発表することになると考えている。

(問)第2陣の名簿は前回と違い全員が日本人名で出ているが、理由如何。

(報道官)確かに前回は、日本国籍を有していない人も含まれていた。個々のことについてはプライバシーにかかることなので、答えは差し控えさせて頂くが、これまで日本政府が明らかにしている基本的な方針に従い、先方から提示された名簿を基礎にして、人道的な観点から故郷訪問を実施している。
 日本名の公表は個々の方々の意思に基づくものであり、今回一時帰国する配偶者の方々は、日本名の発表を希望する、発表しても差し支えないということで、全員につき発表することになった。他方、面会者は、ご自身に関する情報の不公表及び取材の自粛を希望しているので、取材上の取り扱いは第1回の訪問の時と違った扱いになる。今後とも、配偶者の方々、また面会者の方々のプライバシーを最大限尊重し、事業を進めていきたい。

(問)里帰り実施のペースは、この2、3カ月に今回12人、前回15人であるが、例えばこのままのペースだと年間 100人程度となり、お年を召しているのでなかなか待てないのではないかと思われるが、この点につき見解如何。

(報道官)日本人配偶者の方が北朝鮮に渡航し、その数が相当数にのぼっていることは言われているとおりである。昨年の9月に行われた第1回の日朝赤十字連絡協議における合意書において、規模は10名~15名程度とすることを想定の上、具体的に協議によって毎回決めていくことになっている。第2回の故郷訪問を滞りなくすませ、また、その実績に基づいて、北朝鮮側から名簿が提示され、それに従って実施していくということで、実績を積み重ねていくことにより、実際に日本に一時帰国を希望する日本人配偶者の方々が人道的な見地に基づき適時に帰国できるよう、われわれとしても努力していきたい。

(問)北朝鮮での一般行方不明者の調査については、その後北朝鮮から何か連絡はあったか。

(報道官)本件については昨年12月の第2回の日朝赤十字連絡協議会において、わが方から問題を提起し、ともかく北朝鮮側が調査を真剣に行って、問題解決のために具体的行動をとることを強く要請した。また調査方法及びタイミングを示すよう求めた経緯がある。先方からは「結果が出ればお伝えをする」という応答があった。わが方としては今後とも、関係機関との連絡を一層強化しつつ、北朝鮮側との話し合いの中でこの問題をしっかり取り上げて、北朝鮮側の真剣な対応を求めていきたい。

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・ 日朝国交正常化交渉

(問)日朝正常化交渉にこの第2回の日本人配偶者の里帰りは影響を与えるのか。

(報道官)日朝国交正常化交渉については、昨年の夏に審議官級の会合が開かれ、早期に再開をしていくことで合意が出来ている。その後、日本人配偶者の問題については具体的に事業が開始され、しかも今回第2回目の事業が実施される運びになった。国交正常化交渉の再開については、これまで説明しているとおり、引き続き早期に開催するという方向で考えている。

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・ 日韓漁業協定

(問)日韓漁業協定の問題に関し、韓国統一院の統一安保政策調整会議が日本側の一方的な破棄通告はもとより、双方による現協定の同時終了通告も認めないとの方針を打ち出したとの報道があるが、事実関係如何。

(報道官)日韓漁業問題に対する、わが国政府としての最終的な方針は定まっておらず、引き続き調整中である。この問題は、非常に重要な局面にあり、今質問にあったことを含め、個々の報道ぶりについてコメントすることは差し控えさせて頂きたい。

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・ リムパック(環太平洋合同演習)

(問)リムパック(環太平洋合同演習)にアメリカが中国を招待するという報道があるが、見解如何。

(報道官)報道は承知しているが、現在事実関係を照会中である。

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報道官会見要旨 (平成10年1月13日(火)17:00~ 於 会見室)

・ NLP関連

(報道官)米空母艦載機による着陸訓練については、外務省としてはこれまで再三に亘り米側に対して訓練時間の短縮、特に週末における訓練の自粛を強く要請してきている。本日午後5時15分から高村政務次官がラフルーアー在京米大公使を招致して更に申し入れを行う予定である。

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・ イラクの国連査察団拒否

(問)イラクが大量破壊兵器廃棄に関する米国人査察官をまたも拒否し、問題となっているが、この状況について我が方はどの様に対処するのか。また現地の状況についてどの様な情報が入っているのか。

(報道官)イラクが「大量破壊兵器に関する国連特別委員会」の査察団の構成の不 均衡を理由として査察を拒否することは、我が国として受け入れられないところであり、我が国としては安保理事会における対応を含めて事態の正常化に向けて可能な限りの外交的努力を行っていく方針である。ただ12日にイラク政府は、11日にイラクに到着した16名からなる国連特別委員会UNSCOMの査察団の構成が米及び英に偏っており、このようなバランスの取れない構成による査察は受け入れられないということで査察を許可しないと述べている。我が国が理解しているところでは、このイラク側が指摘した16名の現地査察官に加え最終的には全体で17か国44名で構成される査察団がイラクに行っているということであり、イラク政府側で何か事実誤認がある可能性もある。何れにせよ我が国としては、イラク政府が関連安保理決議に従ってUNSCOMの査察活動に完全に協力すべきであると考える。

(問)現在、再び軍事的緊張が高まっているといった見通し如何。

(報道官)軍事的緊張が高まっているとの特別な情報は得ていない。

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・ イラン情勢

(問)イランのハタミ大統領は、米国民と対話するとの考えを打ち出したが、政府間の対話までは進まず、昨日、次官は政府間の対話まで進んで欲しい旨会見で述べられたが、イラン・米国との対話についての我が国としての具体的な政策についてあらためて伺いたい。

(報道官)昨日次官が説明した以上のことをこの場で説明できる材料は持っていない。即ち外務省はイランとの間で政策対話を行っており、そういった努力は今後とも進めて行く考えである。イランと米の政府間の話し合いが行われること自身重要であり、何とかしてその様な方向で事態が動いていってくれればと思う。そういったことについて我が国としての考え方を引き続きイラン側に伝えて行く。

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・ インドネシア経済・金融情勢

(問)昨日の次官会見でも出たことだが、インドネシアを訪問中の藪中アジア局審議官から何か新しい報告が入っているか。また、我が国として新たな支援を行う可能性如何。

(報道官)藪中(アジア局)審議官からの個別の情報ということよりも、インドネシアの現在の情勢に対する当省の見方ということで説明したい。インドネシアにおける現在の経済通貨不安が社会的な不安に繋がりかねないので、友邦として心配しながら状況を注視しているということである。現在最も重要なことはインドネシアの経済状況が市場の信認を得ることである。第2次トランシュに向けて現在インドネシア政府とIMFとの間で話し合いが行われているが、良いパッケージが早期に纏まり、インドネシアが経済構造改革を押し進め、もって市場の信認が回復することを強く望む。こういった認識の下、橋本総理大臣は12日にスハルト大統領、本日13日にクリントン大統領と電話会談を行っている。色々と難しい状況にあるようだが、我々としては何とかしてインドネシア政府が、またインドネシア国民が現在の危機を克服して行くことを望む次第である。

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・ 北朝鮮日本人配偶者の一時帰国問題

(問)いわゆる日本人妻来日第2陣の帰国が、遅れている理由として、1959年12月以前に渡航した人の一部には日本の国籍がない人がいるという理由だと伝えられているが、日本政府は1959年12月に帰還事業を行った際に対象となった人達に対しても、出航する新潟で一人一人意思確認をして、国籍離脱を事実上認めたのではないのか。そういう意味では、その差がどういうことなのかはっきり教えて欲しい。

(報道官)個々具体的なことは一人一人のプライバシーにもかかわりかねないので説明は控えさせて頂くが、一般的な形ということで説明させて頂く。質問のように1952年に在日朝鮮人の北朝鮮帰還が始まったわけであるが、その際在日朝鮮人などの配偶者と共に北朝鮮に渡って現在に至るまで北朝鮮に在住している人々であって、基本的には出国当時日本国籍を有していた方々、及び終戦前からの在留邦人で現在北朝鮮に在住している方々をこの故郷訪問の対象としている。この故郷訪問は北朝鮮に渡航して以来、我が国の強い要請に拘わらず長年に亘って故郷訪問の機会の無かった日本人配偶者の方々について、本人の意思を尊重して人道的観点から行うということが趣旨であり、このような基本的な趣旨に立って具体的なケースについて検討をしているということである。

(問)今度の赤十字連絡協議会における合意では、1959年12月以降に行った人にしか触れていないということであるが、この国籍の問題はどうなっているのか。

(報道官)冒頭に述べたように、基本的には日本国籍をその当時有していた方々であるが、先程説明した趣旨に従って日本国籍を有していない方々についても人道的な観点から処理していくということで第1回の時と同じ考えである。

(問)今度の場合、伝えられているように1945年から1959年12月までの間に北に行った人については、国籍を問題にするということなのか。

(報道官)今説明したように、終戦前からの在留邦人で現在北朝鮮に在住している方々も対象になっているが、個々のことについては関係者のプライバシーに配慮しなければいけないので、説明は控えさせていただく。

(問)個々のことではなく1945年8月から1959年12月の間に北に行った人についても、それは特別な取り扱いとするのか如何。

(報道官)細かなことについて今答える材料は持っていないが、一つ一つのケースについては戸籍関係がどの様になっているか承知していないところがある。現実には先程述べた一般的な方針というものを基礎として、具体的には向こう側から提示されたものについて、人道的見地から帰って来て頂きたいというリストを詰めて行くということである。一つ一つのケースについてこれはどうかということを答えるだけの用意はない。

(問)質問を変えるが、第2陣の来日の時期は、当初予定されたような月内でなく延びそうか。

(報道官)我々としては前からの合意に基づいて1月中にも実施するということで色々準備をしているが、具体的に果たしてそのように行くかどうかということは今申し上げられる段階ではない。

(問)日朝国交正常化交渉の日程が決まらないのも、その故郷訪問とかねあいがあるのか如何。

(報道官)日朝国交正常化については審議官級の接触が行われた際に出来るだけ早く再開ということで基本的な合意は得られている。この日本人配偶者の一時帰国ということについては、既にその後の具体的な発展があり、(事務が)進んでいる。北朝鮮との国交正常化については、今まで何度も説明している日本の基本的な立場に立って先方と然るべく接触しているということである。

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・ 英国人捕虜問題の総理謝罪について

(問)朝の大臣会見の際にも伺ったが、英国のブレア首相に対して橋本総理が、第2次世界大戦中の英国人捕虜に対する日本軍の取り扱いについて謝罪したと伝えられている。この問題について、英国の在郷軍人達が日本軍の取り扱いを非難して補償を求め、裁判を起こす動きがある。今回の橋本総理の謝罪はそうした補償要求につながるという可能性もまたあろうかと思うが、そういう可能性があると見ておられるのか。それともそういったことは一切関係ないと見ておられるのか、この橋本総理の発言の外交面での波及はあるのか如何。

(報道官)元英国人戦争捕虜の一部の方々は、既に日本において訴訟を起こしており、その判断については司法に委ねるということである。今度の両首脳の会談においてこの元英国人捕虜問題について話し合われたが、英国においては色々な反応振りがあるようだ。(重要なことは)橋本総理大臣と橋本内閣が痛切な反省と心からのお詫びの気持ちを持っているということを直接ブレア首相に表明したことである。橋本総理は英国の新しい首相であるブレア氏を我が国に迎えた機会に、この気持ちを新たに伝えたが、このことが多くの英国の方々に正しく分かって頂ければ幸いと思う。なお、ブレア首相がこの会談の後ぶら下がりの形でおこなった記者会見のトランスクリプトを読ませて頂いたが、ブレア首相は橋本総理のこうした意図を正しく理解していただいていると我々は了解している。元戦争捕虜の方々は未だに癒しがたい心の傷を持っておられると思う。そういった方々は色々お考えと思うが、橋本総理が日本政府としての痛切な反省と心からのお詫びの気持ちをブレア首相に伝えたということを理解して頂ければ幸いと思う。

(問)日本人としては理解するし、向こうの方々にもよく理解してもらうよう期待したいと思うが、これが公的補償要求の形になってまた新たな問題になる可能性はどう見ておられているのか。

(報道官)公的補償についての政府の立場については改めてここで説明するまでもなく、長年にわたって明らかにしてきている。他方、元戦争捕虜の代表の方々が日本において訴訟を行っていることも事実であり、その点については先程説明したとおり、司法の手に委ねたいと考えている。我々としては、政府としての先程の気持ちをブレア首相に伝えると同時に、今行っているプログラムの下で元戦争捕虜の方々と日本の関係者の方々との間で友好的関係が打ち立てることが出来るように努力していきたいということで、新たな措置を今般英国側に伝えたわけであり、そういったことも英国側において関係者方々において分かって頂ければ有り難い。

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・ 代替へリポート建設

(問)昨日来、大田知事がヘリポート建設に反対の意向を固めたとか、その意思を月末にも政府側に伝えると報道にあるが、外務省としてこれをどのように捉えているのか。

(報道官)報道によって大田知事よりそのような発言が行われたことは承知しているが、大田知事から直接我々はお話を伺っているわけではない。こうした非常に重要な問題について大田知事から直接伺う前に我々としてコメントすることは如何なものかと思う。他方、普天間基地の代替ヘリポートの建設ということについては日本政府の考え方は既に沖縄の方々に示したとおりであり、我々としては何とかして関係の住民の方々の理解を得たい。大田知事の発言については今のところプレスを通じて承知しているというところに留まっている。

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報道官会見要旨 (平成10年1月9日(金)17:00~ 於 会見室)

・ 日韓W杯開催に向けた映像ソフトの共同制作

(報道官)本日(9日)、「日韓による2002年W杯開催に向けての映像ソフトの共同制作」に関する第一回共同委員会が開催され、本映像ソフトの制作方針等(内容、スケジュール、制作本数)の詳細についての協議が行われ、以下を基本的な制作方針とすることが決定された。

(1)1998年から2001年まで年1本、計4本を制作する。
(2)第1回作品ではW杯誘致に到る過程と日韓両国の友好的な交流及び躍動的な姿を、第2回作品では両国の象徴的な自然、生活振り、文化遺産等を、第3回作品では両国の伝統、慣習、価値観、国民性等の精神文化を、第4回作品ではW杯開催の関連情報と両国の未来展望を取り上げる。
(3)日韓双方は、これらの作品が双方の国内を含めて世界各国で広く放映されるよう努める。
(4)使用言語は日本語、韓国語、英語及び仏語の4ヶ国語を基本とする。
(5)日本側は(株)NHKエンタープライズ21が、韓国側は韓国放送公社(KBS)が制作会社として参加する。
 今回の日韓による映像ソフトの共同制作は、2002年のW杯共催に向けた政府レベルでの初めての協力事業として、意義のあるものである。

(問)作成されたビデオ映像は無料で利用可能なものになるのか。

(報道官)本件は日本政府と韓国政府の共同の企画であり、基本的には両国政府が実費を出して作成するものであり、出来上がったものについては無料で利用いただく。いろいろなテレビ会社、その他の放送機関、公共機関等においてこの映像ソフトが広く利用されることを望んでいる。

(問)制作費は一本いくらくらいとなる予定か。

(報道官)今日の会議の結果に基づき今後NHKエンタープライズ21とKBSとの間で第1回の作品についての企画書案が作成されることとなっており、その中で具体的な費用の詳細については明らかになってくると思うが、我々としては例えば50分くらいのもので一つの作品が完結するようなものを作ってもらいたいと思っている。

(問)監督は日韓両国より行われるのか。

(報道官)例えば韓国側が総プロデューサーをつとめるとなると、日本側がアシスタント・プロデューサーをつとめるというような形で、双方が協力して行っていくことを考えている。具体的に監督が誰になるかについては制作会社側で考えてもらいたいと思っている。また作品の主題については、我々が今概略的に考えたものに基づき、専門家の方々に具体的に考えてもらい、日韓両国国民が関心を持ち、お互いの生活、文化、慣習等々について今まで以上に理解を深め得るような作品としてもらうよう制作会社に頼んだ次第である。

(問)今日の打ち合わせの時間はどのくらいで、内容はどんなものであったか。

(報道官)時間は10時半すぎから13時半過ぎまで行われ、内容は第1回の協議ということで、どのような主題の作品を作るか、事務局をどのように運営していくか、共同制作委員会をどのような頻度で開いていくか、といったことが話し合われた。
 本件は日韓両国が共同で行う作業であり、非常に意義深い案件であるとの趣旨が会議を通じて何度も表明された。出来上がる作品は日本国民、韓国国民がそれぞれの相手国に対する関心を本来の意味で高めていく(ことを目的とする)ものである。政府側からその内容について云々指図するのではなく、制作会社において十分に腕を振るってもらい、良い企画案を作ってもらい、それに対して委員会の場で再度議論をしていこうということになった。
 加えて、世界の中では必ずしも日本と韓国の違いが理解出来ないような人々もいるようであるので、そういった第3国の人々に対しても日韓双方が協力しあって、ワールド・カップ開催に取り組んでいることが分かるような作品にしてもらいたいという意見も表明された。
 更には、日韓双方のW杯組織委員会でもいろいろな(共同)事業が行われているが、組織委員会が行うサッカーに(焦点を当てた)ものよりもう少し枠を広げて、文化の面まで入っていき、お互いの相互理解を深めることが出来ればとの意見も表明された。

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・ ケニア大統領選挙及び議会選挙

(報道官)ケニアの大統領選挙ではモイ大統領が5選を果たし、また議会選挙では同大統領率いる与党が辛うじて多数を制したものの、与野党の議席数は拮抗している。この度の選挙はケニアにおける1992年に次ぐ2度目の複数政党制選挙であり、民主化の進展状況を示す試金石として位置付けられていた。この度の選挙の運営面では投票用紙の遅配等の不手際があったと報告されており、一部で混乱もみられ民主化の進展という面では引き続き努力を必要としていると言わざるを得ないものの、全体としてはケニア国民が投票権を冷静に行使したということが高く評価されるものである。我が国としては、今回の選挙を踏まえてケニア政府が今後とも民主化を進展させ、政治経済改革に最善の努力を傾注することを希望する。

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・ アルジェリア情勢

(報道官)我が国はアルジェリアにおいてテロ事件が頻発し、多くの無辜の市民が犠牲となっていることを深く憂慮するとともに、かかる残忍な行為を非難する。
 我が国は一部の国や国際機関などの同国に対する調査団派遣の動きを注目しており、このような動きの背景にあるアルジェリアの状況に対する国際社会の懸念を共有する。我が国としてはアルジェリアの治安情勢が早急に改善されるよう希望する。

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・ ブレア英首相の来日について

(問)ブレア英首相が来日しているが、今次訪日中の諸会談でテーマでなると思われる事項如何。

(報道官)ブレア首相は若く、人気の高く、英国のみならずヨーロッパ、アメリカ等世界を舞台に縦横無尽に活躍されている。これまでにブレア首相と橋本総理大臣との間で会談が行われた経緯があるが、今度の会議では、特に21世紀に向けたビジョンの共有ということで、未来への改革と投資、アジアと欧州関係の強化等、より良い地球社会の実現に向け話し合いが行われ、それに対する共通の対応ぶりが出来上がっていくことが望まれる。日英関係の重要性の確認と、それを促進していくことについてハイレベルの意見交換が行われることが期待される。同時に、双方の首脳が関心を有する国際政治・経済情勢に関する意見交換も予定されている。今年の4月にはASEM首脳会合も予定されており、また5月にはバーミンガムのG8の会合も予定されており、日本と英国の首脳が協力し合っていく機会が今年は非常に多い。そういう意味で、1998年の初めにブレア首相が訪日し、橋本総理大臣と幅広く意見交換行うことは両国関係のみならず世界全体にとっても意義深いものと了解している。

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・ 米国の湾岸態勢について

(問)アメリカが湾岸に空母2隻を配置しており、この2隻のうちミニッツが任務期間を終えるため、その交代に横須賀を母港とするインディペンデンスを向けるのではないかとの見方もあるが如何。

(報道官)アメリカにおける空母の配置を含め、アメリカが世界全体においてどのような軍の配置をするかということについては、正に米軍の運用に関することであり、今ご質問の2隻態勢を続けるのか、そうでないのかということについて、自分(報道官)は今答えられる材料を持っていない。質問では「母港」という言葉が使われたが、アメリカの航空母艦が日米安保条約に従って日本の関係の港を使用することについては、従来から説明しているとおりであり、特に質問の湾岸情勢との関連でアメリカなり日本側の政策が変わったといったようなことは承知していない。

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報道官会見要旨 (平成10年1月6日(火)17:00~ 於 会見室)

・ 日韓W杯開催に向けた映像ソフトの共同制作

(報道官)昨年8月にソウルで行われた日韓外務報道官協議を開催したが、右協議に於いて、国民的関心事である2002年のサッカー・ワールド・カップ共催の成功に向け、日韓間の理解・協力関係を深め、併せて世界に本イベントをアピールすることを目的として、日韓共同による放送番組用映像ソフトの制作及び日韓マスコミ交流の拡大を行い、ワールド・カップ共催の雰囲気を盛り上げていくことについて合意した経緯がある。右合意に基づき、本件事業の具体的実施に入るため、1月9日、東京にて、日本側は自分(報道官)、韓国側は公報処海外公報館の楊潤吉(ヤン・ユンギル)館長を双方の委員長とする共同委員会を開催する運びとなった。今後、具体的に如何なるソフトを作るかにつき、協議することになるが、我が方としては、日韓両国の生活・社会事情、文化交流、サッカー・ワールド・カップ共催に向けた日韓間の協力関係等を題材とすることを考えている。尚、右委員会には有識者ということで作家・言論人にも参加して貰うことになっている。日本側からは高信太郎氏で、韓国人の友人・知人も多く日韓の架け橋的役割を務めていると承知している。韓国側からは韓水山(ハン・スサン)氏で、1977年、小説「浮き草」で今日の作家賞を受賞し、88年から4年間日本に滞在した経験のある方が参加する。
 次に、日韓マスコミ交流の拡大について言及したい。日韓両国間ではこれまでも霞クラブと韓国外務部詰記者を相互に招待してきているが、この度、更に、日韓両国でスポーツ記者の交流を行っていくこととした。日本側として、先ず、本年3月に韓国の主要紙及びテレビ局の運動部長相当者を5名招待する予定である。また、韓国側も本年中に我が国主要紙の文化・体育部長相当者を5名招待する予定と聞いている。
 TVチーム招待に関しては、我が方としては本年度案件としてソウル放送及び韓国放送公社釜山支局のチームを招待予定である。ソウル放送については既に1月12日から25の来日日程が決定している。韓国放送公社の釜山支局については3月招待の予定である。来年度以降、引き続き年度毎に1乃至2チームを招待したいと考えている。右以外にもオピニオン・リーダーの招待等によって、マスコミの方々の人的交流を促進して行きたいと考えている。
 尚、先般の韓国大統領選挙の際の「合同TV討論会」に於いて、金大中次期大統領が日本の文化の受け入れについて肯定的な発言を行った由である。自分(報道官)が右に言及したような2002年のサッカー・ワールド・カップ共催の成功に向けた日韓協力を1つの契機として、日韓間の文化的・人的交流が活発化していくことを期待したい。

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・ 映像国際放送を利用した政府広報番組の開始

(報道官)昨年の12月24日の予算折衝の会見に於いて小渕外務大臣が言及した、映像国際放送を利用した当省の事業につき補足説明したい。外務省は従来、日本からの対外情報発信強化のための方策を種々検討してきた。右に基づき、今年の10月より総理府と協力して、民間の国際衛星放送の時間枠を利用してアジア・大洋州地域向けに我が国政府の内外に関わる色々な政策について情報を提供する番組を試験的に開始することとなった。番組は1回15分程度とし、キャスターと外務報道官乃至政府関係者等が対談をするという形式で、日本政府の主要外交政策、国内経済その他重要政策についての解説を英語でアジア・大洋州の一般視聴者に対して直接に行う予定である。右実施に於いては、複数の衛星放送媒体を利用させて貰い、月1回から2回程度実施していく予定である。右試験的放送がうまくいけば、可能であれば、平成11年度から本格的な放送に繋げていきたいと考えている。

(問)国際放送でのアジア・大洋州地域への放送につき、この地域で毎回15分程度、キャスターと報道官等の対談を放送するというのは、内容的に同じプログラムを放送するという趣旨か。

(報道官)同じ内容ではない。それぞれ違った内容のものを対談形式で制作していくということである。

(問)プログラムの構成等については同じか。

(報道官)然り。当方にて今考えているのは、キャスターを選んで、政府関係者との間で対談を行うといった形式で、その時点で最も重要と考えられる施策について視聴者に直接、よりよく理解して貰うことを考えている。

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・ カンボディア問題

(問)カンボディア情勢について、昨年末の次官会見では、本年5月に予定した総選挙が7月に延期されたのはやむを得ざる事情であろうとのことであったが、総選挙を2カ月延期して、果して無事に済むのであろうかとの声もあるとに聞いている。カンボディアの総選挙の成功の見通し、及び日本の協力のあり方について外報官の見解如何。

(報道官)御指摘の通り、5月から7月26日にカンボディアの総選挙は延期された。技術的に準備が遅れてきたということであり、延期自体はやむを得ないと考える。7月26日の総選挙がうまくいくかどうかにつき、今から見通しを立てるのはなかなか難しいが、うまくやって頂かなければならないと考える。昨年の12月に選挙法が成立し、それに基づいて選挙管理委員会の人選が開始されるといったように、所要の準備が開始されている。わが国としては、右準備が順調に行われることを強く希望している。この総選挙が自由で公正な形で実施されるためには、反対派政治家の政治的活動が自由に認められることが重要である。国連モニタリング・チームの支援の下で、昨年11月以来、反対派政治家の帰国が始まっており、今のところこうした政治家の自由活動は保障されている模様である。わが国としては、こうした国連の受け入れの態勢の下で、ラナリット殿下を含む反対派政治家の帰国が促進され、これら政治家の自由な活動が引き続き保障されることを強く希望する。なお、わが国としては、自由で公正な選挙実施のために、国際社会に求められている選挙支援については、人の面、資金の面双方において、応分の支援を行う方針であり、部内で検討をしているところである。

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・ 日米露の災害共同訓練

(問)日米露で災害の救助など共同訓練をすることで調整されていると聞くが、現状如何。

(報道官)御指摘の構想は、昨年12月にワシントンで開催された北太平洋安全保障フォーラムでの日米露による災害救助訓練の構想についてだと思うが、この日米露間の北太平洋安全保障フォーラムというのは、民間ベースで開催されているものであり、防衛交流を含む3国間の信頼醸成のための方策を含めて、意見交換が行われてきている。政府としては、同フォーラムが3国間の安全保障分野での相互理解の増進に有意義な貢献を行っていると評価している。他方、このフォーラム自体は、民間ベースのものであり、右会合における具体的な議論について自分(報道官)からコメントするのは適当でないと考える。何れにせよ、本年秋頃をメドに次回会合が東京で開催される予定であり、引き続き3国間の信頼醸成のための方策について意見交換が続けられるものと期待されている。今度の会議で具体的な結論というところまでは出ていないようであり、しばらく民間の方々のそうした議論を見守っていきたいと思う。なお、クラスノヤルスクにおける日露非公式首脳会談におき、災害時の救助活動と人道上必要とされる活動について、自衛隊とロシア軍との共同訓練を行う可能性を探求することで一致したという経緯があるが、そのことと今度の民間のフォーラムにおける議論とは直接の結びつきはないと考える。

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・ 韓国のスケトウダラ漁船撤退

(問)韓国のスケトウダラ漁船は北海道近海に現在11隻いるが、韓国政府が買い取ることでこれら漁船が日本近海から順次撤退していくという報道があった。外務省はこれについて確認しているか。また確認しているなら、それに対する評価如何。

(報道官)そのような報道があるということは承知しているが、韓国政府から具体的な話は聞いていない。

(問)漁業協定の問題とも絡んでくると思うが、報道官の意見如何。

(報道官)これが直接漁業交渉と関連があるとは、私(報道官)は考えていない。何れにせよ、そういう報道が行われていることを承知しているということだ。

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