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外務大臣会見記録(平成13年11月)


INDEX


・ 外務大臨時会見記録(11月30日付)
 ・ 「プール金」問題に関する調査結果報告


・ 外務大臣会見記録(11月30日付)
 ・ 冒頭発言
 ・ プール金問題
 ・ 海外危険情報
 ・ 各種報道について
 ・ アフガン復興会議


・ 外務大臣会見記録(11月27日付)
 ・ 閣議の模様
 ・ パキスタン訪問


・ 外務大臣会見記録(11月22日付)
 ・ 大臣のパキスタン訪問
 ・ アフガニスタン復興支援
 ・ プール金問題
 ・ 狂牛病問題


・ 外務大臣会見記録(11月20日付)
 ・ 閣議内容
 ・ アフガニスタン復興に関する高級事務レベル会議
 ・ イージス鑑派遣見送りの問題
 ・ 大臣のパキスタン訪問
 ・ 質疑応答


・ 外務大臣会見記録(11月16日付)
 ・ 閣議の模様
 ・ アフガニスタン復興支援高級事務レベル会議
 ・ ベーカー米国駐日大使の大臣表敬
 ・ 外務大臣の外国訪問
 ・ アフガニスタン情勢
 ・ テロ特措法に基づく基本計画


・ 外務大臣臨時会見記録(11月13日付)
 ・ 「プール金」問題に関する中間報告


・ 外務大臣会見記録(11月13日付)
 ・ 米国における航空機墜落事故
 ・ プール金問題
 ・ 北朝鮮関係


・ 外務大臣会見記録(11月9日付)
 ・ 閣議の模様
 ・ G8外相会合
 ・ 大臣の外国訪問
 ・ 基本計画の策定


・ 外務大臣会見記録(11月6日付)
 ・ 閣議の模様
 ・ 大臣G8・国連総会出席関係
 ・ 京都議定書
 ・ プール金問題
 ・ 緒方貞子氏との会談
 ・ 大臣の私的懇談会の模様


・ 外務大臣会見記録(11月2日付)
 ・ 冒頭発言
 ・ 小泉総理の靖国神社参拝違憲提訴
 ・ 日・イラン外相会談への遅刻について
 ・ 人事課長更迭問題等




外務大臣臨時会見記録 (平成13年11月30日(金)16:00~ 於:本省会見室)
・ 「プール金」問題に関する調査結果報告

  • 冒頭発言

    (外務大臣)ただいまからいわゆるプール金問題に関する調査報告書の発表をさせていただく。去る11月13日、いわゆる「プール金」問題に関して外務省が行っている調査について、中間報告を致しました。その後更に調査を進めてきた結果、本日自分(大臣)から調査報告書、及びこれを踏まえた関係者に対する人事上の処分を発表する次第である。また、この調査は、ここに同席頂いている園部監察担当参与のご指導・ご助言を得て実施した。
     詳細は、ただいま配布している報告書に譲るが、先般の中間報告書においては申し上げられなかった事実関係の主要点は次の通りである。
     「プール金」を有していた課・室は、71課・室である。全課・室は119である。これらの課・室が計12社の取引先企業に「プール金」を有していた。
     平成7年4月1日から平成13年7月末までの間に外務省省員が職務に関連して又は職員間の懇親のための経費として使用した「プール金」として、約1億6000万円という額を算出するに至った。この全額について、勤務地の内外を問わず外務省員が協力して国庫に返還するべく、職責に応じた負担をすることとなる。既に外務省を退職した元幹部職員にも協力を求める。その中で課長以上の幹部職員については、それぞれ20万円から50万円を負担することとなる。
     また、取引先企業に現時点において計上されている残高は、4200万円余りである。すべての企業から既に国庫に返還することについて同意を得ているので、今後速やかに手続を進める。その中でこの不祥事に対する責任を明確にするため、現在の事務当局の最高責任者である野上義二事務次官について懲戒戒告処分を行うこととした。また、平成7年度以降の官房事務の総括責任者である歴代官房長及び会計事務の責任者である歴代会計課長について、厳重訓戒処分を行うこととした。自分(大臣)は、外務省から支給される給与を一回は全額を国庫に自主返納することとする。その理由はこの不祥事が自分(大臣)が着任以来、そして外務省改革要綱を6月6日付で発出したにも関わらず不祥事が終わらず、自分自身の責任の重さを痛感しているからである。また、野上事務次官から、俸給月額の10%、1か月分を自主返納したいとの申し出があり、これを受け入れることとする。額は次官の月給は134万6千円であるから、その10%である。
     「プール金」の発生又は使用に関与した職員については、それぞれ厳正な処分を行うこととした。「プール金」が使用された課・室の首席事務官、課・室長及び当該課・室の所属する部局の長については、たとえ「プール金」の存在を承知していなかった場合であっても、監督責任を問うこととした。
     また、極めて限られたケースではあるが、国家公務員法上の懲戒処分を行うこととした私的使用のケースがあった。これらについては、私的に使用した金額を返還させることとしている。これらの事実関係と処分対象者を取りまとめた資料をお配りしたので、ご参照願いたい。
     今般の処分の対象者数は、合計で328名に達する。「プール金」が使用された当時の役職別の内訳等につきましては、報告書を参照願います。
     この「プール金」の問題は基本的に職員の公金に対する認識の甘さが原因である。更にその背景には、本来公費からの支出が認められ得る案件が数多く「プール金」によって支払われていたことに示される通り、関係した省員においては、外国からの賓客の接遇に臨機応変に対応するためにある程度の資金を手元に用意しておきたいといった誘因が強く働き、そうして生じた不明朗な資金の存在が職員の金銭感覚のズレを助長したという悪循環があったのではないかと思う。自分(大臣)はこのような問題が二度と外務省に生じないよう、職員の意識改革を徹底し、また、先般立ち上げた監察制度に基づき、近く省内監察を実施するなど、再発防止のための外務省改革を断行して参りたい。
     ここに、外務省を代表して改めて国民の皆様に対して、お詫び申し上げるとともに、外務省として再出発し、種々の重要外交案件にしっかり取り組んで参りたいと考える。

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  • 質疑応答

    (問)大臣ご自身の給与を全額返納とおっしゃったが、これは1ヶ月ということでよろしいのか。

    (外務大臣)大臣報酬の一ヶ月である。

    (問)今もお話にあったが、次々1月から不祥事が相次いで、今までは個人の問題で片付けてきたものもあったが、今回は全省的に外務省自身が認めざるを得ない事態だと思う。今後一番やっていかなければならないことは何だとお考えか。特に松尾事件以降、平然とプール金が使われていたという前例があるということで、職員の意識の問題ということが一番の問題であるという意見も出ているようだが、大臣自身はどのようにお考えか。

    (外務大臣)意識というものは基本であるが個人差がある。5000人もの省員の方が在外、本省内にいると、それぞればらつきがあると思う。心の中の問題は目に見えない。従って組織というものは自分(大臣)は着任以来ずっと申しているが、人事と会計、人とお金、これがきちんとシステマティックに機能しなければならないと思う。人事については、今回の外務省改革の中でも同じポストに最低3年以上いない3年ルールということ、勿論例外としてそれ以下のケースもあるしそれ以上の方もある。病気療養もあるであろうし、例えば今回のようなアフガニスタン問題があれば、それに精通した方には早めに戻っていただくというような特別な職責がある場合も勿論ある。今までのように人事が毎月のように五月雨的にあり、その中にいろいろと疑惑があるような方が残念ながら紛れ込んでいる。本来は次官以下の人事について干渉したいとは思わないし、そうしたことが健全であるとは思わない。しかしやはり人事についても同じ所に長いこといない、あまり短いということも仕事が出来ない、その辺のことをバランス良くするということ、今まで責任のある立場であって処罰を受けた方が同じ所に盤踞していることは問題であると思う。会計についても部局会計の一元化、監察査察制度、在外公館の抜き打ち査察等を決めており、実行に移している。そうしたことによって会計も明らかになる。必要なことは情報の開示、アカウンタビリティー、説明責任だと思う。従って、外務省が特殊であるということにあぐらをかかずに、外務省であっても税金で私共はお給料を頂いているので、国民の皆様の為の公僕であるということ、特に世界に向けて情報を発出しなければならないという重責を担っている役所であるので、やはり納税者の目を見る。一般の国民の皆様の痛み、怒り、悲しみを我が事として受け入れられるような人間作り、組織の面ではもう一度申し上げるが、人事と会計をわかりやすくしていく。なるほどと人が思うような、万人がみてすんなりと理解されるようなものにしていくべきだと思う。

    (問)在外公館の調査結果はいつ頃まとまる予定なのか。

    (外務大臣)これは官房長からお答えする。

    (問)一連の不祥事はこれで幕引きができるというふうにお考えか。

    (外務大臣)思っていない。

    (問)大臣の省改革として2つまとめてお伺いする。よく政治主導の省改革ということをおっしゃっているが、まさに副大臣・政務官という制度がそれをサポートする為の構成として今年出来たと思うが、ところがこれは事務当局だけの意見ではなくて、タスクフォースに係わっている副大臣・政務官の中にも大臣とほとんど意見交換ができないとか会議にいらっしゃらないということで、本当に効果的に政治家側のチームとして動いているのか。

    (外務大臣)自分(大臣)の公務があるあること、他の副大臣、政務官の外国視察等の日程を全部つけあわせて頂ければわかると思う。来客、電話対応などもある。そうしたものをみると全員が大変忙しい状態にある。これからも山口政務官が12月の中旬に人事改革案を出して下さり、報告に見える。自分(大臣)が全部の会合に出席することは不可能であるが、この後も12月の人事改革について政務官が見えるという形で、あちらから来て下さったり、電話交換をしたり連絡は密に取っている。

    (問)今後は人事制度の改革というのが大きな焦点のひとつになってくると思うが、事務レベルのキーパーソンにあたる人事課長について、大臣と事務当局ということだけではなく、副大臣、政務官の中にもはやり今の人事課長というものはキーパーソンであるからはずせないと、大臣が常におっしゃっている更迭を求めるという姿勢とは全くかけ離れているのでそこにまた連携が全く感じられないが。

    (外務大臣)自分(大臣)は話を矮小化する気は毛頭ない。そうではなく、むしろ3年以上、6年とか12年とか16年というようにいる方がおられる。そういう風なことについてもどういうところにそういう理由があるのかということについて官房長に聞いて頂ければわかると思うが、病気ということであれば勿論わかるが、それ以外の理由で異動することはしないという理由で書いてあって、各3年以上の方のリストをやっと手に入れたが、そこには5種類のマークがついていて極めてわかりづらいということもあった。なぜそういう理由なのかわからないこともある。自分(大臣)が言っているのは、やはり今までの中でもってキーパーソンであった人間がまたそのまま罰を受けてもそのまま居続けていることに問題があると思っているし、そういうことをトータルでそれから古い年次だから使い勝手がいいか何かわからないが、そうしたことも風通しが良くないということを言っている。やはりどんな有能な方であっても、やはり責任をとる時にはとっていただきたいし、そして人の動きがあるということ、ドアを開けて、自分(大臣)たちも「フレッシュエアー」というが、やはり新しい空気が入ってくること、それが活力の源ではないかと思っている。

    (問)今回の調査は7月から始まって、大臣も何度も事務方に早く調査結果を持ってきなさいという風に何度も檄を飛ばしてやっとここまできたが、調査結果がこういう形で出たということについて、大臣はやって良かったとお思いになるか。

    (外務大臣)それは自分(大臣)一人でやったわけではなく、役所を全部あげて協力してくれた結果で、あらゆる方が総力をあげてくれた結果であって、時間もかかったが、それはやはり相手のあることで相手のホテルであるとか企業との関係もあり手間取ってしまったという説明を受けている。でも年内にここまでまず一旦こぎつけて良かったという風に自分は思っている。

    (問)再発防止、再出発という風に言っていたが、今年の2月に外部の委員を呼ばれて機能改革会議があったが、そのときにもう既にそういうことをおっしゃっているわけで、その時に会計の手続きについても説明されているわけであるが、このことが伏せられていた、また伏せていた事務方の責任をどうお考えか。

    (外務大臣)ご存じなかったのかと思うし、どういうことであったかわからない。早く内閣が終わると思ったか、早く外務大臣がいなくなると思ったか、或いは他の考えがあったか知らないが、ただ、いわゆる監督責任という今の公務員倫理法、人事院の通達があり、これが結果としてやはり日本の官僚システムを非常に守るという結果に中身としてなっているなと自分(大臣)は感じていて、自分(大臣)は外務大臣なる前に幹部公務員の報告義務という法律を作って、もう出来ているが、それを正しく動き出すところになってから大臣になったものだから、中村議員にこれ早くやってくださいとお願いしているが、なかなかうまくいかない状態であるが、正しくそういう風にそういうことを志して、自分(大臣)はこういうところだなと報告というのは幹部が幹部に対してあげてもらわないといけないということはずっと議員になってから思っていた。それが機能していないで、こういうことになった処遇についても監督責任ということについて、組織的なものとは誰も思いたくないということから始まってきたが、やはり結果として悪しき慣習・慣行がずっとあって報告すべきこともしなかったのか、されなかったのかわからないが、ただ監督責任ということについて考えるといわゆる不作為ということは考えられるし、今回の全員が公務員法に従って、処分(を)人事院通達に則してされているが、やはり権限の大きい人もそうでない人も同じように一律10%で良いのか、自分(大臣)はそう思っていないが、そういう中身についても疑義があるし、それで良いと思う人たちが大勢いるということは今後まだまだ意識改革が進まないのではないかと思っているが、これが今の制度の中の限界だと思う。

    (問)昨日、小泉総理、福田官房長官のバックアップがほしいとおっしゃったが、官房長官は外務省内のことは外務省内でやってほしいと言っていますが、官邸との協力についてはどうか。

    (外務大臣)総理も改革をおっしゃっているし、官房長官も前内閣から引き継いで官房長官をなさっているわけであるので、是非内閣全体で外務省改革も一緒に協力していただき、ご指導を仰ぎたいという意味である。決して自分(大臣)一人で孤軍奮闘しているのではなくて、外務省の方々は基本的に良くなさっていると思う。ただ大きな権限を持つようになると過去のしがらみもあると思うし、いろいろなことを組織というものは考えるようになるということを残念に思う。

    (問)一律10%という点に疑義をふされたが、今回この処分を発表するにあたって、事務方からあがったドラフトの中で大臣自身が変えようとした点、或いは変えようとしたが出来なかった点、実際に変えられた点、以上3点について整理していただきたい。

    (外務大臣)ない。

    (問)つまり全部その通りということか。

    (外務大臣)自分(大臣)もいろいろ法律と照らし合わせたりもしたが、自主返納という中で、自分は10%ではなく、もっと30、40、50%出してもいいと思う方がおられれば大変ウェルカムであるが、本人たちがこれでいいということをほんとに自主的か、或いは多分今までも過去もあるし、法律もこういうことでいいということで済んだと思う。自分(大臣)が思っているのは、本当に一生懸命働いていて、そして知らないでプール金を一緒に飲食に使ったとか、そういう方たちの思いといわゆるキャリアのエリートとして、今も担っている方、今後も担おうとしている方たちであれば、そこが外務省の意識改革であるし、学校も民間もそうだが、上の姿勢をみんなが見ているということを、自分(大臣)も含めて、外務省の本当に本来ここにいる職業外交官のキャリアの方たちには自覚していただきたいと思う。それが出来なければ、省員の皆様に集まっていただいてお話もさせていただきたいし、それを同時に在外にも発出したいと思うが、意識改革をいくら自分(大臣)が口をすっぱくしていっても通じないと思うし、上があんなでおかしいと思う方がたくさん出るということは、自分は大変危惧している。その辺が外務省の非常に難しいところではないかと個人的に考えている。

    (問)35万円私的流用した人がクビにならないで懲戒停職であるが、普通の民間企業であれば当然クビであると思うが。

    (外務大臣)それについても園部参与が全部トータルで見てくださっていて、自分(大臣)も参与の試見を信頼している。事前にも何度か参与にもお会いして、個別の意見交換もしたが、そういうことであるので、今の段階では本日はこれでと自分(大臣)も思っている。

    (問)歴代の官房長、会計課長は処分を受けているわけだが、歴代の大臣、副大臣の処分については大臣はどのようにお考えか。

    (外務大臣)副大臣についてはそのような義務がないと官房長がおっしゃっていたが、詳しく説明があると思う。ただご本人が自発的に参画して、少しでも省員の負担を軽くしたいと思うのであれば、お出しになっていいと思う。それから歴代の大臣については、自分(大臣)は数えた。そうしたら、亡くなった小渕総理以外に3人おられる。そのうちのお一人に今朝電話をして、「今日プール金の発表を4時ぐらいを目途にさせていただくがいかがでしょうか、額も大きいし、本当に生活が苦しくて困っている人もいると思うが、どうでしょうか」と発表するとの報告と同時に相談をした。その当時自分たちは応分に払っていると、お一人は払っていないらしいがとは直に聞かなかったが、それで終わっているということであったので、「わかりました」と言って電話を切った。

    (問)その監督責任という点ではどうお考えか。

    (外務大臣)ご本人がやっぱりこれだけ報道されているので、自分(大臣)からはコメントしない。やっぱり先輩外務大臣経験者がそうおっしゃっているわけである。

    (問)政治家もきちんと責任を示すべきだと思うが、それは如何か。

    (外務大臣)人のことを言う前に自分(大臣)は最大限示させていただく。

    (問)将来のことはあまり予見できないと思うが、今回のプール金問題が一連の不祥事の総決算と言えるのかどうか教えていただきたい。また、かなり私的流用と言うか、私的な領得性の高い案件も見られると思うが、何故これが刑事事件にならないのか。

    (外務大臣)1点目については、今はこれが限界かと思っている。2点目についても、これは今後のことであり、証拠があるかないかということがポイントになると専門家から伺っている。園部参与に自分はその点を伺ったところ、そういうお返事であったので、告訴については今は何とも申し上げかねる。それから、最初の問題に関連するが、「プール金」というのは、確かに額は信じられないほど額が大きくて、自分も驚いた。最初に野上次官が、この話が出た時に自分は次官を部屋にお呼びして伺ったが、本当に少しの額を言っていて、「こんなのすぐ返済できる」と軽く言っていたが、日に日に数が大きくなってきて、その辺が認識の甘さと言うか、お忙しいから掌握していなかったのであろう。大変額が大きいことに自分は驚いた。それから、「プール金」というのは、ほかに今まで機密費の問題等、不祥事がいろいろあったが、そういうことに比べると内々でやっていたことで、額は極めて大きいが、もっと違うところに何かあるのではないかと思う。そういう思いがあるので、したがって、自分は今日これでプール金についてはご報告申し上げたが、極めて残念であるが、外務省の不祥事がこれで全て終わったとは思っていない。何度も申しているように、やはり組織としてのトップの責任を自分も痛感しているが、今日も事務次官に朝から「是非一緒に同席して下さい」とお願いした。何度か官房長を通じてもお願いし、本会議が終わってからもまた(電話を)おかけしたが、「官邸に行く用ができた」とおっしゃった。総理のところにもおかけして、「是非この会に立ち会っていただきたい」ということであったが、総理も今外国のお客さまがお見えになっておられて、どなたかわからないが、実際に行かれているのかどうか、官邸には出しているのだと思うが、極めて残念に思う。それから、先程貼り出しをさせていただいたように、一部報道が自分が「事務次官を更迭」とか何とか書いていらっしゃったが、あのような発言は一切していないし、周りにいた複数の人が「そういうことはない」ということを確認している。貼り出ししたので、記事をお書きになる時には、もちろん書いた方だけではなくて、デスク等が見出しを付けるのであろうが、やはりメディアはできるだけ正確であっていただきたいと思う。そのことについて、今朝次官が抗議を持ち込んできたので、そう言う事実はないということを申し上げたし、秘書官や同席した人も「そういう発言はしていない」ということを申し上げたが、そういうふうな次元にならないように皆さんにもご協力をお願いしたい。

    (問)今回こういう裏金作りが外務省で明らかになったが、これまでも会計検査院の調べ等で、文部科学省で組織的にこういう裏金が作られていたことが明らかになっている。政府全体で、役所がそのように裏金を作っているということについて点検されるというお考えはあるか。

    (外務大臣)自分は外務省が所管であるので、当省のために最善を尽くすし、むしろそうしたいいアドバイスは総理やら官房長官にお伝えいただきたいと思う。それから、外務省についても是非ご協力いただきたいと思う。自分は決して官僚と対立もしていないし、よく協力もしていただいていると思う。

    (問)政治主導とおっしゃるのに、今までの質疑で残念だと思うところがある。まず、400万円程度を私的に流用した人に対して刑事告発をされないということで、その理由として証拠がないからというご説明で納得されたということであった。行政処分と刑事処分が違うことは存じているが、その程度の説明で大臣が納得されるというのは、やはり世間一般との感覚とのズレというのが今回の外務省の問題で正に問われているわけで、その辺りについてもう少し政治主導で事務当局と突っ込んだやりとりをされるべきではないか。

    (外務大臣)何度かしている。何度かしているが、今後告訴を絶対しないということでもないと思う。証拠が今後出てくればあり得るわけであり、今本日すぐできるという状態ではないということを申し上げておく。

    (問)検討されるのか。

    (外務大臣)検討かどうかわからない。証拠ということをやはり専門家がおっしゃっている。それをしないから政治主導ではないと言うのは、少し極端ではないか。

    (問)結局、課別、室別の流用額が出されていない。例えば個別のケースである課がこういう問題があるということであれば、当然その課について発表されると思う。それがトータルとなると何故このような丼勘定で、局別でしか発表されないのか。そこは、正に大臣がおっしゃればそのようなものは出せるし、そのようなものを出すということが「こういう課はこういうプール金が貯まる危険性がある」ということで、綱紀粛正にもなるのではないか。そういうのをきちんと表で出されるべきではないか。

    (外務大臣)では申し上げる。それは具体名というよりは、それは皆様が1番ご存じだと思うが、海外からの往来が激しく、お客さまの多いところである。霞の記者さんでいらっしゃればおわかりになると思う。当然そういうところである。

    (問)証拠がないということであるが、懲戒免職にしている以上は証拠が随分あるのではないか。

    (外務大臣)それを含めて、証拠については今後出ないとは申していない。本日の時点でお答えしている。

    (問)総括の中で、このプール金問題の背景として、省員の公金の使用・管理に対する認識の甘さが指摘されている。そもそも、これが1人の省員ならわかるが、すべての部局ということは、外務省という役所が国家公務員としての自覚が全くないということだと思うが、何故外務省だけがそのような特別な状況に置かれていると大臣はお考えか。

    (外務大臣)自分はほかの省庁のことは存じないので、外務省だけが悪いのかどうかわからないが、やはり在外公館があって、何年かすると特にキャリアの方がそこに行って、生活、環境がらっと変わるわけである。しかも極めて特殊な環境に行かれるわけで、赴任地にもよるが、いずれも特殊であると思う。本省にずっといて、国内の転勤というのと少し違うのではないか。それが、外務省に勤務している間に頻繁に起こるわけである。そういう中で、やはり思い違いをすると言うか、自分は外務大臣になる前から、親の関係、主人の関係、主人も外務政務次官を拝命していたので、海外に出張して、拝見していても、やはり意識が違うのかと思うような、この間もコロラドのデンバーの事件があったが、ずっと感じてきている。ずっとである。それが1つ。それから、もう1つは、やはり大蔵省にしろどこにしろ、キャリア、ノンキャリアが官僚システムの中にある。しかし、外務省ほど、キャリアとノンキャリアの壁が高くて、厚くて、固いところはないと思う。今度も、改革の中でノンキャリアの方の登用とか何とか言っているが、そういう中ですでに非常に差別のようなものを感じるし、自分が手を挙げて「自分がなります」ということはないと思う。先程も本会議が始まる前に、杉浦副大臣と山口政務官と、こういう時にも話をする機会もあるので、自分が会議に行かないとおっしゃらないでいただきたい。頻繁にお目にかかって、先程も相当本会議が遅れたので立ち話をずっとしていた。その中で「登用すればいい」とおっしゃっていたが、そうかなという思いもする。むしろ、公平な目で、「人格の高潔な人はこの人」ということで、皆がなるほどと納得するようなことの方がむしろ良くて、自分から手を挙げるだろうか。「挙げる人は今の若い人にはいる」と杉浦副大臣は言っておられたが。とにかく、この壁が厚くて、今回の処分の対象となっている方が本当にノンキャリアの方ばかりで、これは小町官房長ともずっと今回一緒に胸が痛むと話をしてきているが、この制度が崩れない限り、起こるであろう。そして、松尾事件の昨日の求刑はかなり厳しい求刑だったと思うが、一般の方から自分に寄せられるのは、「庶民感覚から言って、この求刑は決して厳しくない」「公金横領ではないか」「公金なんだから」という声も相当伝えられた。そういう意見もあるが、いずれにせよ、そういうノンキャリアの方達が苦労してと言うか、プール金などは象徴的だと思うが、働いたものの結果をキャリアの方達が、ノンキャリアももちろんそうであろうが、全員でないわけである。皆でかついで、一所懸命働いている。大臣室を見ても、悲しいほど自分はそう思っている。なのに、いともたやすく「そういうものだ」とキャリアの方達が思っているということ。思っていない方もいるであろう。キャリアの中にもいい方は沢山おられる。しかし、概してそうなってしまう。したがって、11月21日の衆議院の行政監視員会で大森という議員さんから質問が出た。11月16日に本省内で課長補佐以上の100名対象で、先程自分も人事課長だったか、官房の方から確認したが、現状報告を谷崎官房総務課長と三輪参事官の2人で説明会をやった。ご存じであろうか。11月16日に、本省内で、課長補佐以上を集めて、プール金について話をした。その中で、これは役所からも確認を取ったが、もう20年前からもこういう同じことがある、そしてカビにように蔓延している、これを止めなければならないというような発言を、官房係長か、総務課長か、しているという事実があって、「それが決算行政委員会で出たが事実か」と言ったら、「事実だ」ということを今朝確認を取った。20年前だと自分は何をしていたかと思うが、今わかっているだけでも20年前なわけであるから、皆様も自分のキャリアを振り返ってご覧になっていただきたい。今始まったことではないということである。歴代官房長がいて、事務次官がいて、外務大臣がいて、総理大臣がいて、今わかっているだけでも20年前である。これが、今日自分が発表したから全部終わると皆さん思われるか。だから、まずキャリア制度。高くて、厚くて、固くて、ベルリンの壁より固いかもしれない。何故そう感じるかと言えば、キャリアの方達の意識がどうも改善されそうもないと思うからである。若い人たちを見ても残念ながらそう思うし、トップに至ってはすごいものだなと思って見ている。よくこれで社会で通る、世の中で通ると思う。また、本来はそういうふうに分けるのは良くないが、キャリアでも立派な方はおられるし、ノンキャリアでも立派な方がおられるということであり、個人個人の問題ではあるが、ノンキャリアの方達は耐えておられるし、「そういうものかな」と思いこまされてしまっているようである。在外に出ても、本省内においても。これは1度革命が起こらないと無理であろうと申し上げて、自分の話を終わらせていただく。

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外務大臣会見記録 (平成13年11月30日(金)9:10~ 於:本省会見室)

・ 冒頭発言

(外務大臣)今日の閣議では当省に関するものはなかった。こちらから申し上げたいことは、明日ロシアからフリステンコ副首相がお見えになるので、明日土曜日に貿易経済に関する日露政府間委員会を開催する。またインドのヴァジパイ首相が来月お見えになる。

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・ プール金問題

(問)改めて伺うが、本日のプール金についての発表の会見の目途はいつ頃か。また、別途省員に対して訓示をする機会が今日中にあるのか。あるとすればいつ頃か。

(外務大臣)今日のプール金の会見は4時を目途に考えていて、少しでも早くできればそのようにするが、事前に皆様にお知らせする。目途は4時である。訓示等については、本日その後の予定もいっぱいあるので、他の機会を捉えて年内にさせて頂く。御用納めもあるが、官房長等幹部に御用納めは毎年どんな状態かと聞くと、結構忙しかったりするらしいので、その前になるかもしれないが、1年終わるに当たって当然省員の皆さんに集まってもらうので、そういった機会にお話し申し上げる。

(問)プール金の発表の形態について、各課室別々の残額であるとか、それぞれの課でどれだけ職員の私的目的に用いられたのか、そういった別々の形で発表して頂くことは考えておられるか。

(外務大臣)そういうことを皆様がどれくらい希望されているかとは思うが、今の段階ではそういうことはしないというふうに園部参与が判断されていると承知している。

(問)大臣がよく仰る、国民への説明責任であるとか、あるいは綱紀粛正とかということを考えると、出す方がよほど理に適うのではないか。

(外務大臣)そういう御意見もあることを、これから参与と打ち合わせがあるので、お伝えする。

(問)公金の話であるが、規模が300人になるとか、内容はともかくとして、かなり不祥事が繰り返されている。改めてこの不祥事が繰り返されていることを今、そして今日、この事態を発表しなければならないことに、大臣はどう思われるか。

(外務大臣)それは今日の4時前後の目途のときに申し上げさせて頂きたいと思う。それから、まだこれから最終的な詰めも参与と責任ある立場の自分と官房長とで打ち合わせをしなければならないのに、何故どんどん数字が、どこから出ているのか、本当にこういうこと自体が不思議だと思うし、あってはならないと思う。やはり公務員の守秘義務があるはずであるから、本省内からでなければ出ない話だと思うので、そういうことについても責任を自覚して頂かないといけないのではないかと思う。

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・ 海外危険情報

(問)海外危険情報について、一部の国から、パック旅行が中止になったりということで、危険情報を出すに当たっての根拠が今ひとつ曖昧なので、明らかにしてほしいという声も出ているようだが、それについての考え如何。今後海外危険情報のシステムを見直す考えはあるか。

(外務大臣)海外危険情報についてのお尋ねであるが、自分の今回のパキスタン(訪問)もそうであるし、その前にドバイの総領事ともお話ししたが、危険情報は、出される方の側にしてみると、観光とか安全ということで、非常に神経質になっておられるということはよく分かった。それは当然役所の中で色々な情報を収集し、他との比較において数字を出していると承知しているが、それによって受ける影響、海外だけではなく、今日も扇大臣から発言があって、閣僚が海外に行くときには、今の経済情勢もあって、できるだけ日本の航空会社を使って欲しいし、米等も、今朝もニュースでやっていたが、航空機の利用が下がっていて、ミネタ長官が述べているのも自分はCNNで見たが、航空機の利用が非常に下がると経済に与える影響が大きいということを言っていた。そういうこともあると思うし、危険情報というものが与える影響は大きいと思うので、もう一度整理して、どういう基準であるかを正確にお知りになりたければ、お聞き頂ければ事務的にお答え申し上げるようにする。

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・ 各種報道について

(問)大臣は最近国会答弁で、色々な報道について経緯を調べて報告したいと仰っているが、どういう場でどういう形の報告をすることを考えておられるか。

(外務大臣)公職にある間、機会があって聞かれたときは説明をするということもある。けれども今やはり国会に行ったり外国に出張があったりしていて、拘束されている時間が長い。自分は、私的なことに渡って大変恐縮であるが、外務大臣でなければ、ちょうど本を出版するところに来ていたのだが、大臣になったので中止をしている。その本の中に今回の経験、今回というか、新しいパラグラフとして、在職中のものを盛り込むようになると思う。そういう中で、きちんと時系列を追って書きたいと、それも1つかというふうに思っている。

(問)そうすると、雑誌の中に載せるというのではなくて、御自身の本として出版されるのか。

(外務大臣)雑誌ではない。本だと決定したわけではなくて、考えていくが、それも1つのチョイスであると申している。

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・ アフガン復興会議

(問)来年1月のアフガン復興会議について、日本も議長国の1つとなると思うが、緒方貞子さんと田中大臣で、いわゆる議長役はどちらが務められるのか。

(外務大臣)自分は承知していない。それが閣僚会議であれば、閣僚のときは自分が閣僚であるし、そうでなければ大先輩の緒方先生がお出になることもおありになると思う。その辺はフレキシブルにやろうと思っておられるのではないだろうか。むしろ総理にお聞き頂いた方が宜しいのではないか。

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外務大臣会見記録 (平成13年11月27日(火)8:55~ 於:院内ぶら下がり)

・ 閣議の模様

(外務大臣)今日はパキスタン訪問について、帰国報告をした。閣僚の皆から激励されて、また、総理から論語のお土産をもらった。

(問)閣議はだいぶ長かったようだが、何か意見交換をしたのか。

(外務大臣)財務大臣がちょっと発言したが、外部に出ないようにということなので、申し上げられないが、長時間色々と具体的な話をされた。

(問)総理からもらったという論語のタイトルだけでも。

(外務大臣)まだ、私が見ていないから、見たらお見せする。

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・ パキスタン訪問

(問)パキスタンで、現地を見て何が一番の需要と考えるか。

(外務大臣)何が一番というか、自分は、現地でも去る時に申し上げたが、まず、ムシャラフ大統領やサタル外務大臣やら、アジズ大蔵大臣、それからハイザー内務大臣にもお目にかかって、長時間本当に食事を共にしながら、ラマダン中でもあったのに、色々なことをオール・ラウンドにお話できて、そのこと、やっぱり政府の方にお目にかかれたことである。
 それから、あとはUNHCRとか、今回出てくるときにUNICEFの代表の方が来てくれたが、カナダ人であるが、UNICEFから見た面と、そして国際機関の話を聞いた訳である。
 それから、NGOの方達から何人か、実際にペシャワールの会だとか、それからJIFFだとか、色々お会いした。そういう方々からも具体的な話をよく聞いたし、結果的によく機能していると思った。特別、国会で言われているようなワクチンが不足しているだとか、品物がこうであるかとかというようなことではなくて、もう直ぐにでも自分達はアフガニスタンに飛んで持っていけるという状態であるということで、随分、国会とかメディアで聞いているのと、あの3団体、ジャパン・プラットフォームも含めて、聞いたのと大分違ってたということが分かった。もちろん、不足も一杯あると思う。
 それから、もちろん、難民キャンプを見て、あのキャンプはきれいというか、いい方らしくて、実際はもっともっと悲惨なところがあるということだったが、それでもやはり実態を実際に話を聞いて説明して頂き、やっぱりサポートしてる人達がいないと機能しない訳である。
 ですから、トータルで、政府の要人やら、国際機関やらとお会できて、トータルでよく視察ができて、お話、意見交換できたことは、よかったと思う。
 杉浦副大臣が行ってから2ヶ月だが、与党3党の幹事長が行った頃と、それから自衛隊の派遣の問題があったが、刻々と変わっている中で、今やっぱり一つの新しい展開で、和平と復興をどのようにやるかということで、和平についてはボンで会議がある訳で、これはなかなか簡単ではないと思うが、そこでやっぱりいい智恵を出さないと元の黙阿弥になると思うので、それには、皆が非常に粘り強くやろうという感じが感じられる。今までに東京にいる時に意見交換する時もそうであった。
 それから、もう一つは、1月の末に東京で会議もあるので、トータルで動くものが見えてくるんではないかと思う。

(問)涙を流したというようなシーンもあったということだが。

(外務大臣)何という言葉を出したらよいのか、あのお嬢さん達が祖国アフガンという言葉で、何度も何度も繰り返したフレーズがあったので、沼田大使に、何という言葉かと尋ねたら、ウルドゥー語で祖国、国家というものがある訳ではないけれども、あのことが皆によって繰り返し唱われていることなんだという話を聞いて、故郷というものが皆私達のところでは意識しないことがあるが、戦争がああやって続いて、国土も人身も疲弊すると、本当に国土、国家というもの、故郷というものを人間は思うものだと思うし、あのきれいな歌声ときれいな目を見ていて、胸がつぶれる思いがした。
 ブルカを来ている女性と話したら、パーッとブルカを捲ったら中に赤ちゃんがいて、ぎしぎし巻きにしてあって、栄養失調で死にそうになっているということも言っていたし、また、ブルカを着ている人達でも、言葉が通じなかったら、部族によって言葉が違うんだそうである。ですから、そういう中でコミュニケーションを取るのも結構大変だと思った。

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外務大臣会見記録 (平成13年11月22日(木)8:50~ 於:院内ぶら下がり)

・ 大臣のパキスタン訪問

(外務大臣)本日の閣議では自分(大臣)のパキスタン訪問が了解された。基本計画が出来た後であるし、アフガン情勢が大変大きく変動しているので、難民支援等について、よくつぶさに情報を得て、視察もして、意見交換も忌憚無くしていきたいと思う。

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・ アフガニスタン復興支援

(外務大臣)アフガニスタンの復興支援のことは皆様ご存じであると思うが、1月の下旬に日本で開催されることが昨日報道された通り決定した。

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・ プール金問題

(外務大臣)プール金問題のことであるが、今月中に発表できると思う。そのために鋭意努力しているところである。

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・ 狂牛病問題

(問)閣議では、狂牛病についてどのようなやりとりがあったか。

(外務大臣)今日は何も発言がなかった。

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外務大臣会見記録 (平成13年11月20日(火)9:20~9:25 於:院内ぶら下がり)

・ 閣議内容

(外務大臣)本日の閣議では、ご存知のとおりPKO国連の平和維持活動について、この法律の一部改正について国会に提出することが決定された。中身はご存知のとおり、武器使用とPKFの本隊業務の凍結解除ということである。

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・ アフガニスタン復興に関する高級事務レベル会議

(外務大臣)本日ワシントンで、緒方貞子氏とパウエル米国務長官との間で、アフガニスタン復興に関する高級事務レベル会議が行われ、国際社会での考え方の方向性が示され、議論すると理解している。

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・ イージス艦派遣見送りの問題

(外務大臣)特措法の関係では、本日も参議院・外交防衛委員会があるが、イージス艦の問題について、基本計画に関し防衛庁で検討している承知している。

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・ 大臣のパキスタン訪問

(外務大臣)自分(大臣)のパキスタン訪問に関しては、本当にアフガン問題の展開が極めて早いので、そういった中で情報の掌握、それから難民の方、被災民の方達の救援について、どういった形で我々が支援できるかということについて、可及的速やかにパキスタンの現場を見せていただいて、そして対応策を持って帰って来て考えなければいけないと思っている。そして26日にムシャラフ大統領が会ってくださるという回答をいただいている。それに向けて、現在努力中であるが、国会日程と飛行機の便が限られているので、その間で帰国時はあるいはチャーター機を使用なければならない事態になるのはないかということを事務当局は検討してくれているが、費用の面もあり困った事態であると思っているが、26日にということを大統領の方から大使館を通じて返事を頂いているので、実現の方向であるというか実現するということであり、日程も作ってある。

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・ 質疑応答

(問)アフガニスタンの復興会議で大臣としては、どの点をどの程度まで打ち出してもらいたいか。

(外務大臣)官邸と本省ですり合わせしたものを、緒方氏に託してあるので、要するに世界で実状を把握すること、世界の中でそれぞれの国が、このことに対応しきれるものではないので、日本の場合にはどういったことができるか、世界全体で何ができるかを国連の立場の中で、どういった議論をしていくべきかをトータルで議論をしていただくということである。

(問)最近、小泉総理が国会やタウン・ミーティング等で特殊法人改革等を力説されるのに対して党の方で公然と反発するような声が上がってきているが、改革を掲げる小泉内閣の一員としてどのように感じているか。

(外務大臣)それは総理の公約であり、それに対しての国民皆様の期待が非常に高いということもあるが、他方、失業率も上がっており、経済状態も下降気味であるので、我々閣僚一人一人が閣内でできることをバックアップするということ、そして、改革の先に日本が新しい経済の展望を開けるのだということをしっかりそれぞれの立場で説明していき、総理を強力にバックアップしていくということである。

(問)党の方との亀裂ような事態に陥るようなことはないか。

(外務大臣)自分(大臣)はその辺は分からない。外交を一生懸命やらしていただいている。

(問)イージス艦の派遣の見送りが、日米関係に影響を与えることは何かあるか。

(外務大臣)それについては、防衛庁で検討されていることで、本日の参議院・外交防衛委員会でもこういった議論が出るかと思うが、現在は自分(大臣)からは勝手ではあるがコメントはしない。

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外務大臣会見記録 (平成13年11月16日(金)9:20~ 於:本省会見室)

・ 閣議の模様

(外務大臣)閣議ではアルジェリアにおける洪水災害に対する緊急援助に関して発言をした。3,140万円を緊急援助とするということである。

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・ アフガニスタン復興支援高級事務レベル会議

(外務大臣)アフガニスタン復興支援高級事務レベル会議だが、これはワシントンだと思うが、これについては将来の方向性について議論する必要性があるので、事務レベルということで緒方貞子先生にご出席いただくことになっている。

(問)アフガン復興会議についてだが、参加する国と国際機関の数は最終的に何カ国ぐらいになりそうか。

(外務大臣)今その数字は正確に自分は把握していない。必要であれば、判った段階で発表する。早めに発表するようにする。

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・ ベーカー米国駐日大使の大臣表敬

(外務大臣)本日午後4時に、ベーカー駐日米大使が本省にお見え下さり、武器輸出三原則についての交換公文を署名することになっている。これは特措法に基づいて行うわけで、物品や役務の提供はしないということはご案内の通りであるが、武器輸出三原則との関係を整理する必要がある。まあ、隙間を埋めるというか、そのための書簡の交換ということで4時にお見え下さることになっている。

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・ 外務大臣の外国訪問

(外務大臣)自分がパキスタンに行く問題だが、パキスタン行きについては事務的に詰めていただいている。ムシャラフ大統領のご都合の日にちというのがあって、その日にちに、あちらは大統領でいらっしゃるので、こちらは大統領の予定に合わさせていただくということにして、事務的に詰めている。自分は難民キャンプであるとか、UNHCRの動きとか、そうした現場をしっかりと見せていただきたいと思っている。今までの国会の議論の中でもそうしたことが出ているので、それも見せていただき、なおかつ外務大臣、ムシャラフ大統領にお目にかかりたいと思っているし、在京パキスタン大使館もそういうムシャラフ大統領の時間に合わせて是非外務大臣に来て欲しいということを昨日おっしゃって下さっているので、飛行機の便とうまく連絡が取れないが、役所はよくやって下さっていて、今調整をやっていただいている最中である。

(問)パキスタン訪問の調整だが、連休中にという方向で検討が進んでいるということか。

(外務大臣)そうだが、先方のご都合が、そのときにヨーロッパからの方がいらっしゃるということで、かなりスケジュールがご多忙であるので、その後になる可能性がある。総理にもご報告している。

(問)それは国会日程との関係ではOKになりそうか。

(外務大臣)その辺がちょっと作業が必要ではないのか。

(問)予定されているのはイランとパキスタンの二カ国か。

(外務大臣)パキスタン(のみ)である。イランは、誤解があるといけないので付け加えるが、早い段階のときに自分がパキスタンとイランと希望したが、やはり先方のご都合もあるし、閣内とか役所でいろいろ分析した結果、今回は、国会開会中でもあるし、まずパキスタンということでずっと詰めてきている。

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・ アフガニスタン情勢

(外務大臣)アフガン情勢は、皆様が一番よくおわかりだと思うが、非常に動きが早いということと、これからまた違った局面に入るのではないかという風に見ているので、推移をしっかり見つめて分析をしていく必要があろうと考えている。

(問)アフガン状勢が非常に急展開しているわけだが、そういった中で(柳田)大元さんの問題だが、これについての現状と今後の対応を伺いたい。

(外務大臣)時間がかかっているということを、人命の問題なので大変気になっていて、事務方にもどうなっているのかを確認している。ご存知の通り変化が非常に激しくて、そういう中であらゆる機会を捉えて安否を確認して欲しいということはずっと言い続けているが、今のところは迅速な解決というか、救出というかに繋がるような手がかりは得ていない。引き続き努力をする。

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・ テロ特措法に基づく基本計画

(問)本日、基本計画の閣議決定が予定されているが、急進展しているアフガン情勢を鑑みて、従来通りの需要があるのか、進展の情勢の変化に合わせて、これまで考えていた基本計画の枠組みにズレが生じていないのかどうか、その辺はどうお考えか。

(外務大臣)いろいろ考え方はあるが、現実的にここまで検討してきてもらっており、今夕再度閣議を開くことになっており、そこで決定するので、自分の立場では現時点でそれについて申し上げない方がよいと思う。

(問)その関係だが、高性能のイージス鑑を派遣することについて、中谷長官は前向きだが党内でも異論が出ていたりするが、まず、派遣の是非ということと、派遣する場合にタイミングを基本計画できっちり明記すべきなのか、より具体的な実施要項に盛り込まれれば良しとされるか、大臣のお考え如何。

(外務大臣)自分の考えはある。これは大変大きなイシュー(issue)だと思うが、これは閣内で大変大事な問題で防衛庁長官を中心に官邸と調整されていると思うので、自分からは勝手だが意見を申し上げない。

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外務大臣会見記録 (平成13年11月13日(火)18:50~ 於:本省会見室)

・ 「プール金」問題に関する中間報告

(外務大臣)いわゆる「プール金」問題に関する中間報告をさせていただく。外務省においては、取引先企業との間におけるいわゆる「プール金」の問題に関し、去る7月に「調査・再発防止のためのタスクフォース」を設置した。平成7年4月1日から平成13年7月31日までの約6年半に於ける外務省とホテル、ハイヤー、事務機器、旅行代理業及び百貨店の各業種の企業31社との取引の実態を把握すべく調査を進めてきている。この調査は、園部監察担当参与及び監査法人の指導・助言を得つつ実施している。現時点で調査はまだ終了していないが、国民の皆様の関心の高さに鑑み、とりあえず中間報告を行う。
 いわゆる「プール金」とは、各種行事のために外務省から企業側に支払いがなされた際、実績を上回る分の余剰金が外務省側の債権として残ったもので、例えば外国の賓客やその他要人の招聘、国際会議やレセプションといった行事の際に生じたものと考えられる。これまでの調査を通じて、次の諸点が判明している。
 まず、省内の約3分の2の課室、部局単位としては全ての部局が「プール金」を有していたことが判明している。
 これらの「プール金」の使途としては、諸外国要人の本邦における接遇に関連して生じた経費、例えばホテルに於ける連絡室の設置等である。諸行事に際しての弁当代等職務に関連した経費の他、歓迎会などの職員間の懇親の経費等に使われた。職務に関連した経費と職員間の懇親経費の割合は、概ね半々と見られる。中には、大変遺憾ながら、極めて限られたケースではあるが特定個人が私的に使用したケースもあった。
 また、使った「プール金」の総額はなお調査中であるが、1億円を相当上回ることが確実な状況にある。
 既に述べたとおり、この「プール金」は極めて遺憾ながら、省内で広くみられた慣行であったと考えられ、この事実を重く受け止め、外務省としては、職務に関連したもの及び職員間の懇親のためのものの双方につき、使った「プール金」の全額に利息を付した額を職員が協力して国庫に返還する方向で検討中である。
 このような不適正な行為が行われていたことは誠に遺憾であり、外務省を代表して国民の皆様に対し深くお詫び申し上げる。この不祥事に対する責任を明確にするため、調査終了次第、関係職員を厳正に処分する所存である。特定個人が私的に使用していたケースについては、その額の返還を求めるとともに、特に重い処分を行う方針である。
 今回の「プール金」の問題の背景には、公金の使用・管理に対する省員の認識の甘さがあり、職種を問わず、公務員としての原点に立ち戻った倫理観の要請のための研修や会計研修を徹底する。また、「プール金」の発生を防止するためのチェック機能が著しく不十分であったという反省に立って、外務省としては既に調達の一元化と監察担当部局の設置を行ったが、監察機能の整備を今後とも進めていく。
 更に、従来の会計手続きの運用等の実態を調査し、現実に即した規則の見直しや予算の確保に取り組み、併せてその合理的な運用に努めていく。
 本問題については、依然調査すべき点が残っており、結果判明次第早急に報告したいと考えている。
 誠に本当にご迷惑をおかけした。国民の皆様に対し、心から深くお詫び申し上げる。以後、こうしたことのないよう、しっかりと監督責任を感じつつ、職務に励みたいと思う。

(問)今現在わかっているだけで、およそ何人ぐらいの省員の方が関与しているのか。

(外務大臣)そのような中身については、小町官房長或いは園部参与からお願いした方がよいと思いますし、まだ今の段階では申し上げられない数字等もあると思う。

(問)まだ中間報告という形であるが、それだけ大臣が深々と頭をお下げになる理由は何か

(外務大臣)今日もずっと今までも国会でいろいろ質問があったが、1月の松尾事件以降、私どもも皆様の力を借りながらいろいろな改革の制度も作ったし、努力もしてきているが、額も今申し上げた信じられない数字であるし、今現下の経済状況とか、あらゆることを考えて、やはり国民の皆様の関心の深さと怒りというものを感じている。それと同時に本来であればもう少し後で正確な数字が出た後に報告と思っていたが、国会の審議もそうであるし、メディアの皆様とお会いするときも大変質問が多くて、自分(大臣)としては、最終的なことも大事であるが、かなり長期にこの外務省の不祥事はつながってきているし、もう暮れになればすぐまた1年になるところであるので、やはり問題があるところは率直に明解に現在のプロセス、過程がどうなっているのかという報告をすることがより正直であると思ったし、そして鋭意一生懸命努力している職員の方がたくさんいる。今回のこともそうであるが、日頃から眉を曇らせて仕事をしている方がたくさんいて、自分(大臣)も胸の痛む思いでいるので、早くプロセスも明らかにしながら外務省が再生するというように舵をきっていくためにも早め早めにわかっていることは情報を開示しながら努めていく方が外務省のためにも、国民の皆様のためにもいいと考えたからである。

(問)最終報告の目途をいつ頃とお考えか。

(外務大臣)それも官房長等が事務的に言った方が良いと思う。

(問)先程、使った消費したプール金が1億円を相当上回るとおっしゃったが、残っているプール金はいくらあるのか。

(外務大臣)数字については、やはりまだ明らかでないところがあって、伝票等の整理等も済んでいないし、相手があって全てが外務省が使ったどうかわからないというような微妙な段階であると承知しているので、自分(大臣)からはその点について申し上げることは差し控えさせていただく。

(問)最終報告の時は全てつまびらかにしていただけるのか。この部分は機密費だから出さないというようなことはないのか。

(外務大臣)自分(大臣)はそれはないと思う。

(問)厳正な処分ということだが、例えば郵便局職員の場合、今年に入って9万円や14万円の着服で懲戒免職処分になっているが、厳しいということについて大臣ご自身のお言葉でおっしゃっていただきたい。

(外務大臣)ケースバイケースで関わった度合い、また認識度もあると思うので、それを精査して個人個人の問題、なかなかどこまで正確に把握できるかもわかりかねるが、やはり最善を尽くしてもらって、そして国家公務員の資格、立場もあるし、省内の内規ということもあるが、一般の世間の民間から見て、やはり特別大きな額のことがあったのに処分が軽かったなというようなことが一般の人の常識から思われないような目線で対処していかなければならないと思う。ただ繰り返すが、国家公務員の法律もあるので、あまり超えたことをしても内部の問題も起こると思うので、その辺は園部参与がいていただいているので頼りにしている。

(問)使った分の連帯の弁済であるが、当然OBの方の責任ということもあると思うし、一般の職員の方は「知らないよ、何故私に」ということもあると思うが、関係に応じた負担の割合というか、負担の重みということは大臣はどのようにお考えか。

(外務大臣)そういうこともやはりトータルでその方の役職がどんな地位だったか、そういう関わり方とか、どれだけの重責を担っていたかとかを勘案するのではないかと思う。この問題もやはり園部参与や官房長や皆様と相談しながら進めたいと思う。副大臣も大変熱心であるし、政務官もよくやっていただいているから、皆様の意見を聞きながら考えていきたいと思う。

(問)大臣ご自身が弁済に参加なさるお考えはあるのか。

(外務大臣)自分(大臣)はやはり大臣を拝命しているし、今までの浅川事件、デンバー等いくつかあるが、その都度着任してからのことには、自分(大臣)は負担をさせていただいているので、同じように弁済するべきだと思っている。

(問)先程、省の3分の2の課室ということをおっしゃったが、細かいことであるが、外務省には何課室あって、大体どのくらい関わっているということか。

(外務大臣)それも自分(大臣)からは申し上げかねる。

(問)これは在外公館の分も含まれているのか。

(外務大臣)これは小町官房長からお答えいただく。

(問)先程も大臣にお尋ねしましたが、大体何人くらいの方が、全体で関与していたのか。概数について伺いたい。

(官房長)申し訳ないが、最終的に調査が終了していないので、概数についても申し上げることを差し控えさせていただく。

(問)繰り返しだが、外務省に何課室あって、3分の2とはどのくらいの数の部署がやっていたのか。

(官房長)全体の課室を把握していないが、3分の2とは70をちょっと越えたくらいだと思う。

(問)在外公館は含まれているか。

(官房長)在外公館は含まれていない。

(問)今、中間(報告)で、最終(報告)に向けて努力をされているとのことだが、最終に向けて、あと何の作業が課題として、ハードルとして残っているのか。また、見通しを伺いたい。

(官房長)企業側の資料で当省との取引関係をチェックして、それから必要に応じて企業側の方からの話を伺いながら、わが方の資料とわが方の関係者からの聞き取り等の裏付けを取り、行っている。従って、いろんなプロセスを伴うので慎重に作業を行っている。特に時間がかかるのは、双方の資料、認識の突き合わせである。それが完全にまだ終わっていない状況である。いつ頃かということに関しては、大臣のご指導を得ながら最終的に決めていきたいと思うが、私どもとしては、なるべく早く、本当になるべく早く最終的な結果を明らかにしたいと思っている。

(問)プール金の定義にかかってくることなのだが、そもそも、業者から請求の来るその金額通りに払っているはずなのに、なぜ、こういった、余剰金と言われるものが発生するのか。

(官房長)実際の精算をきちっと行っていなかったということだろう。

(問)精算ではなく、企業側から請求が来るわけなので、それで余剰金が発生するはずがないではないか。

(官房長)例えば、相手側の外国のお客様が全員来なかった場合もある。

(問)全員来なくても、後から精算すると思うが。

(官房長)それをちゃんと精算しないで、そのままにしておいたということである。

(問)それは水増し請求していたからではないのか。

(官房長)結果として、そういう場合もある。

(問)一億円を相当上回る額というのは、残金を含めてなのか。

(官房長)使ったお金が1億円を相当越えるということである。

(問)残金を入れるとかなり増えるのか。

(官房長)残金については、最終的に確認を待っている段階なので、この段階では数字を申し上げることは控えさせていただく。

(問)残金を併せると2億円にいく可能性もあるのか。

(官房長)その点については、具体的に申し上げることは差し控えさせていただく。

(問)今の質問に関連して、折角中間報告いただいてるわけなので、一方で使用した金額を公表されて、残金を今の時点で、中間とはいえ公表されないのはどういう理由からか。

(官房長)先程申し上げたように、確認を最終的にしている段階なので、今日のところは差し控えさせていただく。

(問)一億を相当超える額もはっきりしていないわけであるが、残金についても同様のことが言えるはずなので、従って、バランスというか、残金についてもどの程度かというのは、当然国民の多くの方が知りたい数字なので、その点どうお考えか。

(官房長)今日のところは、残金について数字を申し上げるのは差し控えさせていただく。

(問)丸めて数千万という、そう言う言い方もダメか。

(官房長)勘弁していただければと思う。

(問)31社の取引先の中で、少なくとも何社にプール金があるのか。

(官房長)10社をちょっと越えるくらいを確認している。最終的にはまたもう1回確認しなくてはいけないと思っている。

(問)長い間の慣行だとのことだが、なぜ在外公館は調べないのか。

(官房長)在外公館のおかれた状況と、外務本省の置かれた状況は違うと思う。

(問)どのように違うのか。

(官房長)一概に言えない。

(問)慣行になっているようなので、外国でも同じことが行われているのではないか。

(官房長)慣行になっているのは本省においてということを申し上げたつもりである。

(問)今までの調査で結構であるが、過去現在を含めて幹部で私的に使った人間は何人いるのか。

(官房長)幹部というのがⅠ種職員を念頭においているのであれば、そういったケースは判明していない。

(問)局長以上はいかがか。

(官房長)判明していない。

(問)これまで使われた1億円を上回る額の中には浅川被告であるとか、既に犯罪として確定した分というのは含まれているのか。

(官房長)入っていない。それは別である。

(問)最後に大臣に伺いたい。長年の慣行であり、全ての部署で裏金の存在を確認したということであるが、組織ぐるみという認識はされているのか。

(官房長)組織というか、組織ぐるみという言い方がよいイメージを与えないと思うが、悪しき慣行であり、若い職員が入ってきて、最初おかしいと思っていても、そういったことを組織の中でやってしまうというか、そのようなことが延々と残念ながら続いていた結果だと思う。

(問)手続き的にこのようなやり方は法律に触れないのか。水増し請求があったということは、法律に触れないのか。

(官房長)その質問に答える用意ができていない。申し訳ない。

(園部参与)外務省参与を仰せつかった園部である。自分(参与)は、9月1日から来年3月までの間、監察査察の仕組みを立ち上げるための準備をするためのアドバイスをするようにとのことで、この問題に参加させていただいている。
 これまでの問題については、ずっと外務省にいたわけではないので、結果について色々相談を受けている次第である。
 しかし、「プール金」の問題については、できる限り早く調査結果を公表する必要があると思っている。正確を期さなければならず、後で間違っていたということがあってはならないので、しかも膨大な作業ある関係で、最終結果が出るまでもう暫く時間を要する。決して長い期間ではない。いずれにしても、大臣がご発言されたとおり、近々作業が終了すると承知している。
 自分(参与)は、監察制度の立ち上げにつき色々助言してきているが、できるだけしっかりした監察制度を整備し、「プール金」問題等が二度と生じないようチェック機能を万全としたい。
 更に、外務省改革の中で在外公館に対する査察、調達の一元化の問題等について現在色々な作業が行われているが、これらの面についても自分として必要な助言を行っていきたいと思っているが、「プール金」問題については、国民の皆様も大変ご関心があるように承っているので、正確な情報を皆様にお伝えしたいと思っている。

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外務大臣会見記録 (平成13年11月13日(火)8:40~ 於:院内ぶら下がり)

・ 米国における航空機墜落事故

(外務大臣)今朝8時10分にパウエル長官に役所から直接電話をして、昨日のニューヨークでの飛行機事故についてお見舞いを申し上げて、これがテロであるか、事故であるか伺ったら、今の段階でテロではない、「This appears to be an accident」という言い方をなさっていたので事故であるというふうに思っているということをおっしゃっていた。その後はここからは自分(大臣)の想像であるが、これから解明されると思うが、現段階ではテロリズムではないということをすぐパウエル長官はおっしゃった。そして日本国民からの犠牲者に対するお見舞いと今回のG8に行けなかったこと、代わりに宮沢元総理、事務方に行っていただいているが、そうしたら「ものすごく残念だった」と言ってくれたが、またそのことは追っていろいろと話し合いでも電話でも出来るし、国会が終わったらお会い出来ればと思っている。

(問)パウエル長官はテロではないということの根拠については何か言っていたか。

(外務大臣)言っていない。

(問)邦人の安否については何かあるか。

(外務大臣)邦人の安否については、乗客名簿の方はまだ明らかではないと思うし、飛行機が落ちて犠牲になった家もあると思うが、現段階では邦人はいないという報告を外務省から聞いている。

(問)閣議の方では事故について報告されたのか。

(外務大臣)閣議の方では、総理に申し上げた。扇大臣が万全の体制で情報を集めますとおっしゃったので、それを受けて自分(大臣)も先程パウエル長官にお電話したということを総理にご報告した。

(問)事故の一報を受けてから、事務方にはどのような指示をしたのか。

(外務大臣)情報収集である。事件が起こったのは11時15分ぐらいだと思うが、テレビを見ていて、すぐに今回は役所から電話をいただいたので、それで出来るだけ詳しい情報を、夜中中でも起きているし、官邸で集まれるようであればいつでも出かけられるようにしていると言っていたが、刻々連絡していただき、藤崎北米局長が役所にいたようであるが、官房長官もみえてないようだからということで、ちょっと寝不足である。

(問)総理から何か指示はあったのか。

(外務大臣)その報告を受けて、「ありがとう」と「自分(総理)からもブッシュ大統領に書面を出した」とおっしゃっていた。

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・ プール金問題

(外務大臣)国会審議でも相当出ているし、皆様もご関心があると思うので、今日の本会議の前になると思うが、6時半から7時の間にプール金とか、いろいろ皆様、国民の皆様も関心があると思うので、経過の段階であるが、作業の途中であるが、途中なりに役所も一緒に官房長と園部参与もおいでくださることになっていて、そして自分(大臣)と一緒に今の進捗状況について、国民の皆様にご報告をさせていただきたいと思う。これは外務省の記者会見室で予定させていただく。予算委員会等の予定があるので、終わる時間にも関係するが、6時半から7時の間ということで霞クラブの皆様にお知らせしたいと思う。

(問)プール金の中間報告については、今日処分ということはないのか。

(外務大臣)今進捗状況で、ホテルとの関係で伝票等をもらっているという報告をずっと次官、官房長からいただいていて、その作業が膨大ですごく手間取っていると聞いていた。本当はこの連休の前後に出来るだけ報告が出来るようにということで、相当役所も熱心に大作業、大車輪でやっているが、なかなか間に合いそうにないので、やはりこの辺で自分(大臣)も出来るだけ早めにプロセスを報告する、情報開示で大事だと思っているので、タイミングがずれてからファイナルなものをお知らせするよりも、途中経過をということを申したら、園田参与も「是非そうした方がいい」とおっしゃっていただいたので、そういうことになった。

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・ 北朝鮮関係

(問)昨日、横田めぐみさんの両親が外務省を訪れて、北朝鮮のコメ支援を行わないようにという要請があって、大臣の方にはその紙がいっていると思うが。どのように対応されようとお考えか。

(外務大臣)考えさせていただく。国会での発言もあるし、北朝鮮関係の問題は今回も質問があるし、本当にどうかということ、ご家族の気持ちもあると思うし、どのような話が役所に対してあったのか、空いている時間にでも教えてもらう。

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外務大臣会見記録 (平成13年11月9日(金)9:15~ 於:院内ぶら下がり)

・ 閣議の模様

(外務大臣)今日は閣議で読み上げはなかった。昨夜、ストロー外相と電話で会談をした。閣議では経済の話が少しあったぐらいですぐ終わったのだが、外務省関係では自衛隊の派遣、昨日安保会議があったが無事に出港されてよかったと思っている。アフガニスタンについては、引き続き無事な解放、安全確認をしたいと思っている。タリバン側に対しては迅速な解決をしてくれるよう引き続き外交努力をしている。予算の話もあり、実質の経済成長率がマイナス0.9、名目でマイナス2.3ということもあり、かなり厳しい状態であるという点についての話もあり、これから予算委員会も始まるし、かなり厳しいなという話があった。それでも正しい数字を公表しながら議論を進めていくという関係閣僚からの声もあった。

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・ G8外相会合

(問)再三要求されていたG8外相会合が見送りになったが、見解如何。

(外務大臣)これはもう決着済みの問題。宮澤元総理にということで決まったのだから、場慣れしておられるし、大変よかったと思っている。私は外務省のことも関係のある今度の補正予算のことはもちろん予算委員会でもって全力投球するし、また今日も外務委員会があり、昨日も一昨日もあったが、こちらで最善を尽くしていく。

(問)G8外相会合の方は、要するに閣僚ではなくて、役所の人間が参加するのか。

(外務大臣)高野外務審議官が行くことになっているし、CTBTについては阿部大使ということに決まった。

(問)大臣のメッセージを自ら伝えたいとおっしゃっていたが。

(外務大臣)昨日、宮澤元総理によろしくおねがいしますという電話をかけ、小泉総理からは一昨日の夕方とおっしゃっていたと思うが、宮澤元総理の方に依頼の電話があったのでとおっしゃっていた。それで、私がもし行く場合ならということで、こういう懸案がありますということもお伝えした。それはよく承りましたということをおっしゃっていただいた。一昨日はソラナ欧州理事会事務総長兼共通外交安全保障政策上級代表と電話をし、あの段階では決まっていなかったので、行く可能性も、行かない可能性もあるということで、ロンドンでブレア首相が数日前に欧州の幹部を集めて意見調整というかコンセンサスを取るというか、そういう行為をなさったので、その中身を教えて欲しいと申し上げたら、即、喜んでだいたい4つのポイントを、昨日の委員会でもお話ししたが、それらについて話をして下さった。昨晩は、もう行かないことは決定していたが、ストロー大臣にも話をして、変化がかなり出てきているし、米の今後の方針とか、ラムズフェルド国防長官から、報道はされている中身のことをいわれているが、それに対して我々バック・アップする世界がどういう風なスタンスであるかということについても、私も少し意見を申したし、だいたいそれは同じラインでストロー外相もおっしゃっていた。

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・ 大臣の外国訪問

(問)国会答弁の中で、3連休にイラン、パキスタンに行かれたいとおっしゃっていたが。

(外務大臣)やはり、国会日程に差し障ることは出来ないので、次官もパキスタンだと、ズボンを用意してくれとおっしゃっていたので、鋭意検討して頂いているのでその方向だと思うが、いずれの国になるかはよくわからない。

(問)パキスタンの方向だということではないのか。

(外務大臣)よくわからない。先方のご都合もあろうし。

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・ 基本計画の策定

(問)来週の基本計画の策定に向けて、パキスタンでの医療活動を行うかどうかという点が浮上しているが、大臣の見解如何。

(外務大臣)そう言う意見があることも承知しているが、全体でよく議論をしてからお答えしたい。

(問)アフガン国内の難民はこれから冬を迎えていくが、その辺の支援は何かお考えか。

(外務大臣)この間も私的懇談会の場で、具体的な話はたくさんあったので、それらを事務方とも意見を集約して、生きた援助ということにしなければならないと思っている。何分にも今、委員会に拘束されている時間が長いので、限られた時間の中だが、できるだけ最善を尽くせるよう、日本の援助が評価されるようなものにしたいと思っている。

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外務大臣会見記録 (平成13年11月6日(火)9:55~ 於:本省会見室)

・ 閣議の模様

(外務大臣)本日の閣議では総理がご出張中であったが、外務省として東チモールにおけるPKOに対する日本の協力について発言をした。東チモールの安定及びアジア地域全体の平和と安全に寄与するために日本も協力をするということで、外務省は関係の在外公館等を通じて積極的に協力をしていくことを表明した。閣議は以上である。

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・ 大臣G8・国連総会出席関係

(外務大臣)皆様ご関心があると思うが、ニュー・ヨークでの国連総会及びG8のことであるが、総理からの話もあってぎりぎりまで国対の委員長、先生方に頭を下げてお願いをしてくるようにとの話もあったので、それを受けて書面をもって先生方にお目にかかって、趣旨を書いたものをお渡ししてご説明を行ってまいった。事務的にはスピーチの中身も何度か精査しているし、G8の中での発言は、今回は変化が激しいし、こうした中で世界中の関心が集まっているアフガン、特にラマダン中も軍事行動があるかもしれないことやら、アメリカの地上戦を踏まえての動き等もあるわけであるから、日本としてどのようなビジョンを持って協力、特にアフガン復興等についての意見も言いたいし、G8の一カ国として申し上げるべき立場であるし、それから世界との話を聞かなくてはならないと思っている。昨日の朝報道で、イギリスのブレア首相が7カ国プラスEUの首脳をロンドンに集められて会議をなさったという報道があったので、関係の局長に出勤してきていただいて、実際に開始は少し遅くなったが役所に朝8時半に集まっていただいて分析をした。それに関連して今までのBBCの放送を見たりし、またこの会見が少し遅くなった理由でもあるのだが、今英国の折田大使に電話をして、今日の夕刻に間に合えばソラナEUの代表を通じて伺って情報を集めたいと思っている。公電でも報告は入ってきているが、折田大使からの報告は、国連を控えて戦闘行動に参加しているイギリスとして欧州全体の団結と認識を確認しておきたいという気持ちがあって、こうした会議をなさったとおっしゃっていた。ラマダン中のことやアメリカの地上戦の展開、今後の人道支援や復興、その他の問題について意見調整をして、欧州としての不協和音をなくすための努力をしたのではないかとおっしゃっていた。アフガンの事件の中で折り返し点となっていると自分(大臣)も認識しているし、今日委員会等もあるが時間を見て情報を集めて分析して、国連で日本はどのような発言をするかということを改めて確認をしていきたいと思っている。常日頃、夏のG8及び国連は大切であると総理はおっしゃっているが、日本の国が参加をしていくことは極めて重要なことであって例外がないように、特に今回はアフガン問題等があって、国連の機能の重要性が言われている時であるので、日本が新しい法律も作ったし、どのように関わっていくかというかということを胸襟を開いた意見交換オて、世界の平和の構築のために貢献をしていく大変重要な場であると認識しているということを改めて申し上げておく。

(問)G8と国連総会への出席の件であるが、先程大臣がおっしゃったように総理のアドバイスも踏まえて与党国対をまわられたが、昨日大島委員長を始め、やはり難しいというお考えで、今後どのようにさらに働きかけられるのか。また、与党国対は一旦大臣の外遊を認めたのに、それを撤回した理由として、大臣も関係している最近の省内の混乱もひとつあげているが、このような事態に至った原因についての大臣自身のお考え如何。

(外務大臣)一点目であるが、これは内閣の総理大臣が最終的にはご判断、ご決断なさることだと思っている。すなわち、今回は補正予算の成立ということと国対ということで、その中でこのような国際会議の重要性よりも、自分(大臣)も予算の閣僚であるから成立は外務省も関係しているものであるから、是非成立しなくては困ると思っている。他方、外務大臣としては、特に今回の国連総会は、代理が例えば誰がなるのか決まっていないが、まだ自分(大臣)が出る余地もあるわけで、総理が帰られてからまたお話をして総理のご判断を仰ぐわけであるが、代理ではなくG8は特に外相会議があるので、日本の外務大臣が出るということの重要性は誰よりも一番感じているので、あらゆる面で準備はしているので、最後は小泉総理がどちらをとられるかということであって、自分(大臣)は総理のご判断に閣僚として従うつもりでいるが、いつでもどうにでもできるように、どちらになっても最善を尽くせるように準備は事務方も一緒にやってくれているということを申し上げる。
 二つ目のことについては、いろいろワイドショー的にと言うか、そういう形で言われているが、全てこれはやはり人事の問題とそれから残念ながら機密費の問題とか、いろいろ関わって発生して避けがたい、自分(大臣)がここの役所に来てからずっと始まっていたことであるので、これについては総理もどっちもどっちとおっしゃっているようであるが、内部に関わることであるので、あちこちからいろんな話が出たり、いろんな記事が書かれて、それが中心でまた委員会等で議論が出ることも決して外務省のためにも、国益にもならないし、国際社会から見ても本当によくないと思うので、最終的に決定するまでコメントをしないというか、申し上げないということにさせていただく。

(問)国会の出席問題であるが、総理の決断次第ということであるが、大臣もご存じの通り、そういう問題は与党と野党が話し合って運営を決める側面もあると思うが、総理の決断次第でそれは可能と思われるか。

(外務大臣)やはり国連の問題は、小泉内閣の外交姿勢というか、国際社会との関わり合い、国際貢献ということを総理がどう捉えられるか、国会の予算の方が優先であるか、或いは外交の方であるかということであると思う。いずれも大変重要であるから、総理も大変頭を悩ませていると思うので、ご帰国後、総理のご裁断ということになると思うし、自分(大臣)はそれに従う立場である。

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・ 京都議定書

(外務大臣)京都議定書についてはこれから動きがあると思うが、川口環境相は今日はおられなかったが、日本は交渉に全力を尽くして、アメリカに対して引き続き最大限の努力をしていくということで、合意の内容を総合的に十二分に検討して日本としての結論を導き出すと伺っている。

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・ プール金問題

(外務大臣)プール金については現在調査過程であると聞いている。

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・ 緒方貞子氏との会談

(外務大臣)これから行われる緒方貞子人間の安全保障委員会共同議長との会談を自分(大臣)は楽しみにしている。そこでUNHCRの機能、問題点、これからやるべきこと、日本の協力についての評価等、人間の安全保障に日本はどのように関わって行くべきか等、具体的にお話を伺えることを楽しみにしている。

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・ 大臣の私的懇談会の模様

(外務大臣)昨日、私的懇談会にお忙しいところレギュラーの方と、レギュラーでない特別な方がお見えくださったが、率直に政策について、外交がどうあるべきかという日本の外交の中身について、昨日は特に具体的な話があって、細かいことについては時間の関係で申し上げることは出来ないが、最初は山口二郎先生がアジアと日本との関係ということについて、前回の時にお話が終わっていなかったこともあってそれについて話があった。それ以上に日本の今までの国際社会の中での「国家」という問題について、自分(大臣)もかねがね話をしていて、最初この会合を始めさせていただいたときに自分(大臣)がそういう発言をしたのであるが、軍事的なものだけではなく、「国家」と共に地球に生きる人間としての関わりがどうであるかという話をしたのだが、「国家」と「人権」についての議論が日本ではあまりされていないのではないか、どういう価値を「国家」として位置づけていくのかというような意見も出たし、その他、パキスタン情勢の分析やテロとは何かと言うことをグレゴリー・クラークさんは大変関心を持っていたし、後はODAの勉強会が昨日の朝にあって自分(大臣)も参加したが、それを受けてODAの予算の削減について、いいことであるという意見と、しなくていいという意見があった。それぞれ「なるほど」と思う考えであり、大変ご示唆にとんだものであった。今までの日本には独自の国家戦略がない、国家戦略がないために外交が機能していなかった面があるという発言があって、次回もう少し「国家とはなんぞや」、日本の外交がなぜ機能をしてきていなかったか、機能してきていないとは自分(大臣)は思わないが、戦後というスパンでとらえて、自分(大臣)はアフガンを踏まえて「国家」と「人権」を考えていくべきであると思っているが、そうしたことについて次回またご意見を伺えることを楽しみにしている。

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外務大臣会見記録 (平成13年11月2日(金)9:15~ 於:本省会見室)

・ 冒頭発言

(外務大臣)本日の閣議では、コソヴォにおける国際平和協力事業の実施について大臣発言を行った。これは今年の11月17日に実施されるコソヴォ全域選挙について、欧州評議会から日本に対する選挙監視員派遣の要請があり、そのために要員派遣を行うことについての発言である。本日の閣議における外務省関係での発言は本件だけであるが、皆様関心があるかと思うが、先般、成立した新法、テロ対策特措法であるが、右との関連において、米国との対米支援の調整の枠組みについて、昨日ミニSSCについて調整委員会を設置する、いわゆるフレームワーク、枠組み作りについて合意があり、そして今後ハイレベルでもって調整委員会を立ち上げていくということになった。
 また、アフガンにおける邦人拘束について、これは引き続き沼田駐パキスタン大使を通じて、タリバン大使館と連絡を取っているが、通信事情が良くない等の問題があり、なかなか困難な状態のようであるが、事実関係がどうであるか、その把握に今最大限の努力をしているところである。

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・ 小泉総理の靖国神社参拝違憲提訴

(問)昨日、韓国の旧日本軍人・軍属の遺族を含む、中には日本人も含まれているが、約700人位の人達が、小泉総理の靖国神社参拝は違憲であると提訴し、こにれ対し、小泉総理より、「世の中にはおかしい人達がいる。話にならん」という趣旨の話を記者団に伝えたが、総理の靖国神社参拝で抱える憲法上の問題とか対アジア外交上の問題とか、或いは人権を保護する裁判の役割に照らしても、個人的に軽率な発言ではないかと思うが、大臣は、総理のこの発言についてどのようにお考えになるか。

(外務大臣)自分は閣僚であるので、総理の発言について直接コメントしない。ただ、過去の歴史を踏まえて、総理が靖国神社参拝をされ、そしてその誤解をとくため、総理ご本人の真意を伝えるために訪中、訪韓された訳であるので、そして、これからもまたブルネイでも勿論首脳同士の話し合いが行われると思われるので、そうしたトップ会談を緊密に続けていくことによって、誤解も解かれ、総理の真意が逆に良く伝わるだろうということを自分は信じている。

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・ 日イラン外相会談への遅刻について

(問)昨夜、アフガン和平の鍵を握るイラン外相との会談に40分も遅刻されたということであるが、右事情如何。

(外務大臣)遅刻というか、昨日特別委員会が行われたのはご存知かと思うが、その間、詳細をお伝えすることはできないが、議員さん達と、一人は辻元先生で、これはカメラも多数撮影していたのでご承知かと思うが、その議員さんと立て込んだ話があって、二人とも待っていたものであるから、特に後者の方は話をしたいと待っていたので、その話をしたりしていた。また、外務省に戻ってから、NYでのスピーチの問題が、なかなか色々と会議を踏まえて、テロ後の事態も流動的であり、そういうことについても事務的な指示をしたりとか、その他色々やっていた。
 実質的には、先方の外務大臣もご出発が遅れてちょうどいい具合にお迎えできて良かったと思っている。
 また昨日の朝は、パキスタンの大統領特使が来られたが、パキスタンといいそれからイランといい、中身については勿論申し上げられないが、それぞれ国情に応じて、今後のアフガンのどのような着陸点を見つけていくべきかということとか、国会でどのような議論がされているかことについて、自分も食事を共にしながら話をさせて頂いたが、本当に国連に向けて、そのことが一番自分がどういうふうなスピーチをするかということが、最大エネルギーを使わなければと思っていることであるが、色々な方の意見を聞くと本当に参考になるし、それをトータルで、国連という場でどういう形で意見を纏めて発出し、そして確実に日本が実現できる日本の役割というものを、もう一度幹部の方や外部の方と今まで集めた資料、情報を元にして練り直すというか、そういう作業を集中的にやりたいと思っている。

(問)いい具合にお迎えできて良かったというのはどういう意味か。

(外務大臣)いい具合というのは、先方が先に着かれてしまっていて、局長とか関係者の方のお迎えの体制があったが、こちらが先について、そして少しお茶を飲んでお待ちしている余裕もあったので、良かったと思っている。

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・ 人事課長更迭問題等

(問)人事課長更迭問題については、まだ引き続き求めていくお考えか。

(外務大臣)それもこれも含めて、昨日も特別委員会で1時間以上質問があって、応答しているが、昨日も答えの中で言っているが、自分はこの不祥事というか、こういうことについてはもう事務次官の責任である程度やって頂きたいというふうに感じている。昨日つくづく委員会をやった後考えたが、勿論自分は大臣なので責任は勿論ある。しかしながら、それによって外交が停滞しているとか言われることも極めて不本意であり、着任してすぐブッシュ大統領のミサイル防衛構想から始まりまして、色々な事案があって、そして、勿論靖国もあるし、北方四島の問題もあるし、サンマの問題もあるし、セーフガードもあるし、テロもあるし、その他たくさんいろんな懸案があった訳であるが、それなりに皆様の議論を踏まえながら、ご指導を仰ぎながら誠心誠意やってきている。
 それから、この半年間で、5回にわたって外国へ行って国際会議で意見を聞いたり、こちらも意見の発出をしたりしていて、別に遅滞なく適宜対応してきているつもりでいるので、それでもやっぱりそういう不祥事絡みで外交が機能していないというふうに言われることは、やはり不本意であるし、外務省のためにも日本のためにもならないので、従って、こういうことについても基本的にはもうお答えしない、ということの方がいいかというふうに思っている。どうしてもということであれば、それは構わないが、キリがないなという感じである。
 自分は今までも外交だけに専念してきているが、この人事の問題、その他、色々な不祥事については、やっぱり長い経緯があると思うし、一人が何かを言ったから、すぐそれで終わるという話でもないと思う。やっぱり皆がそういう気持ちになって、改革していこうというふうな気運と現実的な行動に結びつかないことには前には出ない。基本的に放棄している訳ではないが、勿論外務省改革をしなければいけないし、それからプール金についても今検討中で色々鋭意皆さん努力していて、結果が導き出されると思うので、そういう時には勿論コメントもするし、アドバイスをしたり指導もしなければならない立場である。勿論放棄はしていないが、そのことばかりを言われて、ワイドショーみたいに言われていくということは決して日本のためによろしくないと思うので、そういう意味である。

(問)今言われたプール金の問題であるが、大臣は、昨日の時点までどういう形で話し合いに入っていたのか。

(外務大臣)中身は申し上げられないが、昨日も夕刻、官房長から現在の、昨日の夕刻の段階の説明を受けている。 官房長は、そこはよくいつもいつも教えてくれるし、報告してくれている。ただファイナルではないということである。

(問)そのプール金の話を聞きたいために、外相会談に遅れたというのが一つの理由だったのではないか。

(外務大臣)それは違う。(官房長が)プール金の報告に来ていただき、座って説明しましょうかと話されたが、昨日は立ち話だった。簡単に書類を見せて頂き、立ったまま話を聞いて終わった次第である。

(問)人事課長の話に戻るが、野上事務次官は、今の人事課長を代える理由が無い。代えるのであれば、次官や官房長のクビを切ればいいという発言されているが、右に対して大臣のお考えをお聞きしたい。

(外務大臣)ノーコメントである。

(問) 次官の更迭は考えていないということか。

(外務大臣)ノーコメントである。

(問)コメントしないということは、当面人事課長の更迭については保留というか、断念するということか。

(外務大臣)そういうことは全くない。要するに特定の個人ではなくて、他にも長いこと、高村大臣の頃から自分も聞いていて、それはご本人からも聞いているが、長いこと同じところに例えばこういう人やこういう人がいて、非常に不健全だと思うという話を聞いたこともあるので、皆さん一人の人のことばかり仰っているが、あらゆる意味で、自分は基本的に3年であると、基本は3年、ということはずっと副大臣や政務官との話で役所の幹部の方にも申し上げてあることである。それは基本であるが、例えばこのアフガン問題が起こった時に、アフガン問題に精通している方が海外に行っているのであれば、請われて来て頂いて話を聞くだとか、それに適したところに適材適所、一番機能的に役所が仕事ができるようにするために来て頂くとか、そういうことは勿論例外としてあると思う。
 それから本省にいる方が、どうしてもどこかで欠員が出て、その方で無ければならないということがあれば、そうした分かりやすい理由があれば、それは自分は何ら吝かではない。3年じゃないからとか1日足りないからいけないとかいうつもりは毛頭ない。ただ基本的に、誰が聞いても「なるほどね」と思うような理由で人事というものは、ルールに基づいて行うべきであるということはずっと感じているし、そう申している次第である。

(問)先程人事課長の更迭を求めるのかという質問に対し、「この不祥事については次官の責任でやってもらいたいと思っている」と話されたが。

(外務大臣)「この」というのは、そのことだけではない。ずっと機密費の問題からプール金から、また今後判決が出たりするのであろう。

(問)ということは、基本的に次官が対応したものについては大臣が決裁するということで理解して良いか。

(外務大臣)人事そのものではない。不祥事の結果等についてである。それから、人事については、寧ろ逆に、アトランダムに誰かがバーッと発表するのではなく、やはり自分もしっかりと、人事の任命権者たることは昨日の委員会でも民主党の議員さんが人事院総裁を呼ばれて質問されており、人事の任命権者は国務大臣にあるということがはっきりした訳であるが、その公務について云々の議論もあった。それを繰り返すことはしないが、そういうことを事務方にもわかっていただきたいと思うので、自分もしっかり理解した上で、発表するということが大事であると思う。突然、自分達が公務の最中とか何かの時に、どこかで記者会見されてこうなったというのがおかしいということである。

(問)大臣が懸念されている一部の人以外の人事についてはこれは既に決裁されているということか。

(外務大臣)然り。他省庁からの出向者、防衛庁や経産省とか外務省には色々な役所と関わりがあると思うので、トータルでもって動かなくなってしまう、ガツンと止まるということは思っていない。それは他省庁との関係であるので、それは弾力的に行わないと機能しなくなる。そういう意味である。ただ、外務省のプロパーの方であって、在外や本省にいる方については、やはり外務大臣に責任があると思うし、機能は、国全体の機能が低下しては困るというふうに思っている。

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