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外務大臣会見記録 (平成13年10月30日(火)9:50~ 於:本省会見室)(外務大臣)今日の閣議では、アフガニスタン難民に対する緊急援助について、当省から発言をした。これはUNHCRに対して同機関の緊急拠出要請に応じ、緊急無償により、3億5310万円の資金協力を行うということであり、これはUNHCRに対する600万ドルの支援の一環として供与するということである。爆弾テロ防止条約について、本日の閣議で今臨時国会への提出が決定した。テロ資金の供与防止条約だが、年内の出来るだけ早い時期に署名をして、その後早期に締結をしたいということである。アフガニスタンに皆様関心があると思うが、ダイゲンという日本人の問題であるが、現在フルネーム等について再度、パキスタンの沼田大使を中心として身元確認等をしている。
あとは、昨日の夜というか本当は朝からであるがご説明をする。まずプール金の問題だが、これは逐次明らかになると思う。園部参与とも今朝話をしたが、今まで報じられている以上のかなり大変高額なものがプールをされていて、それもほとんどの部署に渡っているということである。3/4とこの間言われたか、3/4ぐらいの課の所ですべてプール金があったということであり、想像以上の額である。これについては、この間の週末に官房長から自分(大臣)の自宅に電話があって、1億円以上になるというお話で自分(大臣)は驚愕した。実態はもっとそれ以上らしいが大変残念なことである。これについては一部地方紙等でも報道されているが、自分(大臣)が着任以降、外務省改革ということをいろいろ努力していただいて、国会等でも参議院の委員会等でも発言をしているし、質問にも答えているが、鋭意最善を尽くしている。その後もこうした体質が全然直っていないことに自分(大臣)は非常に問題があると思っている。残念ながら外務省の方々はそういったことに対する痛痒感というか、人ごとであるというような印象が非常に強く、事実そういった受け止め方をしておられると日々感じる。やはり納税者の痛みだとか国民の怒りだとか、特に景気も悪くなってきて、雇用の問題も不安な問題がたくさんあるなかで、こうして税金を使わせていただいているという立場の公務員が、こういった姿勢、襟を正そうともしないということに自分(大臣)は問題があると思っている。何度も申し上げているが、基本は人事と会計であるということを常に感じている。民間の組織でもそうであると思うが、人を変えていくということ、誰が見ても納得のいくような人事のルールを作るということは大切である。もう一つの会計に関しては、透明性をもって納税者の皆様、国民の皆様からどんなことを聞かれてもしっかりと説明をできるような透明性の確保が大切だと思っている。ところがそれがまたこの数ヶ月間の間、随分御座なりになっているということを感じている。その関連で今日の朝刊でも書かれているが、先週の金曜日の夜、自分(大臣)がこの役所を去る時に、こんなことをいちいち言っているのもいい加減いやになるが、大臣が11月1日の園遊会に行きますかという話が秘書官からあった。金曜日の夜言われたので、返事が月曜になるわけだが、昨日の月曜日にその話をした。実際はその段階では締め切っているので行けないという話だったが、今朝ワた確認をしたら、大臣は行きたければ行けるんだというような言い方をしてあるということであった。ところが各省庁枠があり、各大臣とも閣僚懇の時とかに話をすることもあり、その他私的に話をすることもあり、自分(大臣)が科学技術庁長官の時の経験等も踏まえて、役所にもやはり枠があるはずだからそれはどうなっているのかと昨日の朝伺った。その答がむにゃむにゃしており、いつこの招待状が内閣の方から来ているのかということも結局夜までなかなか答えてくれなかった。どれぐらいの枠でいつ来たのかと言ったら、9月の末10月の頭ということを昨日の夕方まで言っていたが、実際は8月6日に既に来ていて、外務省には枠が14ありご夫婦で行くから28人の枠があってそれは既に決まっているということであった。そうであるなら大臣に一度教えて欲しいし、枠でもって行くという大臣もおられるし、今の閣僚だけでなく過去にもそういったことはあるので、どうなっているのか名簿を見せて欲しいといったらもう決まっているという答えであった。その中には現在の報道官であるとか、ウィークデイであるのに現職の若手の方も入っている。それから機密費の問題等でいろいろあったと思うが、そういうことにかつて関係があった方達も皆さん入っている。これは本当にお手盛り以外の何者でもなくて、全て一事が万事全てお手盛りでやっていて見つかれば言うけれど、言われたら時間切れでございますみたいな話はおかしいと思っている。従ってこれは変えられるのかと言ったら、もう間に合わないんだということを言われ、いつも時間切れである。こういうこと自体が自分(大臣)は少なくとも外務省の最近の機密費の問題がずっと起こってきて以来、問題ではないかと思っている。そういったことをずっと責任をもってやっているのは官房長であるが、官房長もいろいろな仕事を所掌しておられるので、直接は誰かというと人事課であるということである。今回の園遊会の事というのは一部でしかなくて、そんな事にこだわっている以上にその他の大きな事で、ずっと過去の経緯を見ても、やはり人事でもって操作をするというか動かさないようにするというか、外国におられる在外公館の大使や関係の方からも、とにかく一部の方が万機をしていて自分たちに有利なように事を動かしている、現在のポストではなくて今幹部になる以前から続いている、プール金が表に出る前、これらもプール金のような話があるのではないかという指摘を海外でッたことがある。これらは本当に根深い話である。河野前大臣の時、松尾事件があった時に数千万ということでピリオドを打ちました。これは個人的な犯罪だということをあの時おっしゃったと思うが、この半年間を見ておるとそんなことはなくて、これは外務省全体の体質の問題、逮捕者もでているので犯罪という部分も勿論あると思う。関係で50人もの人達が処分をされている。そういったことについて、本当に人身一新という言葉が肝要だと思うし、他人事であるような風潮であるとか、空気が淀んでいるのに変える気がないということであれば、日本の外交はいくら外交の舞台やあるいは国会の場でがんばっていても実質的にうまく機能していかないと思う。もう一度原点に立ち返って、外務省はあのとき大変だったけれど一所懸命、風通しをよくして機構改革をしたんだといって生まれ変わるようにしたい。その為には一人の力では何ともならないので、外務省の中から関係者の中からそういうことをするべきであるという起因が出てきてほしいと自分(大臣)は切実に思っている。こうした組織防衛の温床というか基本にあるのは残念ながら人事と会計も問題であると思う。そういった所の人の異動というものを昨日思い、人事の異動の書類を持ってきて欲しいと前からずっと官房長に言っているのだが、それはだめだ、だめだ、はい、はい、はい、はい、と言っておられて返事はいいがさっぱり動かない。昨日、フォームがあるので異動の書面を持ってくるように言ったら、人事課の女性が今から大臣にお届けしますと言って持ってこられたが、それがまた秘書官から官房長の方に渡してしまった。自分(大臣)は昨日、災害救助の方達と7階ホールで2回にわたって会わせていただいたが、その間自分(大臣)が公務をやっている間にそういったものがすっと行ってしまう。それで残念ながら自分(大臣)が人事課に行ってそこでもってどうなっているのか書類を作ってもらおうと思ったが、全部幹部は帰った連絡がつかない。1時間半ぐらい待っていた。書類をパソコンで作って下さいと言うと、パスワードがない、責任者が帰ってしまっているOn the Wayと言うそうであるが、On the Way で戻ってきていますということで、1時間で来る、1時間半で来ない、連絡がつかない、そのうち中に入っている若い方なので名前は言わないが、女性がちょっと私の部屋にすぐ行って打ってきますよ大臣なんて言ったので、自分(大臣)はすぐに信じてしまってああそうですかと言っているとそのまま行方不明になったということである。中にいた方達はどこに行ったかわからない。じらすというか持久戦でやればどうせそのうち飽きるだろ諦めるだろうという作戦だと思うが、全てが万事そういうことでやっていて、決して国民の方達から納得頂けるとは思わない。であるから、誠に残念なことであるが、やはり外部の方たちの目も入れて、手も入れていただいて、トータルで外務省を時間がかかっても改革していくということでないといけないと思っている。質疑応答
(問)大臣が昨日異動を求められた一部の人については、引き続きそのように事務当局に指示をしていくのか。
(外務大臣)そうである。(異動を求めたのは)人事課長である。それで昨日もその後、上月秘書官のところに、官房長のところにずっと行っているので、とにかく12時まで待っているから、書類が作れる人がこっちに向かっているとか、どこかその辺に姿消したがわかっています、すぐに出来ます、やればすぐだということなので、延々と待っていると言って、昨日待っていて、電話下さいと言ったら、電話がかかってきて、人事課長の人事は官房長と次官の許可が必要である。それはなんですかと言ったら、それは内規だということである。内規は憲法ではないと思うし、局長以上の人事は行革で官邸ということになったが、しかしそれ以下については、大臣だの政治家など外部の人の手に触れさせないということであっては改革も出来ないし、国民の目線は完全に無視している役所ということになってしまうので、自分(大臣)の責任においてやはりそういうことはやりたい。それから、3年以上経った人については在外公館も本省もやはり異動するということも言っているが、名簿が出てきたのがつい先日であり、それもやっていない。それから、顧問の話についても、昨日、朝お返事しますといっていたが、事務次官は顧問全部辞めると仰っていたが、辞める必要はなくて3年ぐらいは居ていただいたらどうかということを申し上げている。必要なことにはしっかりとお金もかけるし、必要な方には居ていただく。無駄なところはやはりしっかりとしめて、カットしていく、スリム化することが必要だと思う。先送りばかりで、はいはいと言って何もしないという感じである。
(問)斎木人事課長については、早急に今日、明日にもかえようということか。
(外務大臣)自分(大臣)は、今回の園遊会ということではなく、前から新しい次官と官房長になったときから、前からの引継として官房4課長、大事な事はよくわかるが、すべての基本にあるのはやはり人事と会計だと思うので、それらの方たちはやはり違う方に入れ替わっていただいたほうが良いのではないかとずっとお願いしているが、実現していない。昨日、上月秘書官が言ってきたのは、そういう人事は大臣がやるのではなく、官房長と次官だということであるから、今日も引き続き官房長に書類をいただきたいと思う。
(問)先程の大臣のご説明では斎木課長が人事で何か操作をしていると受けとれるお話だが、具体的に何かあるのか。
(外務大臣)個人が云々ということではなく、やはり今までの人事の中で過去自分(大臣)が着任してから6ヶ月の間もいろいろな人事の問題があったが、そういったことは、まず一度はいい返事は来るが、実現しないし、どこかで前手伝っていただいた秘書官室に居た方たちに聞いても、人事課長が動かないとというように内部からそういう話をよく聞くので、どういう体質なのか、それは次官が止めているのか、基本的には次官、官房長も知っていると思う。人がいろいろなことを公開をして説明してくれる、説明責任があると思うので、そういう体質の人でないと難しいと思う。
(問)人事課長の人事であるが、大事な問題だと思うが、このことは小泉総理や福田官房長官の判断とは別にあくまで田中大臣の判断で決めるということか。
(外務大臣)これは局長以下はどこの役所も大臣の判断である。
(問)官邸と特に相談をするということはないのか。
(外務大臣)今日は閣議後に総理とお話をしたが、それについては今の話は出ていない。別件でWTOの話で、自分(大臣)が行くといいんじゃないか、これはシンガポールに参ったが、外務大臣はそれではなくてG8と国連だと、今までの話は国連については行かなくていいという話が次官から突然来て、委員会があるので、演説は佐藤国連大使がやるし、G8の会議も国会があるから行けない、それよりもWTOに行った方がいいという話であった。これは自分(大臣)は経産大臣や農林大臣と話しをしているが、外務省と経産省のいろいろな問題もあると思うが、外務大臣がやるべきことは何と言っても、総理が今日仰ったとおり、国連の問題は大変大きいし、特に今アフガンの問題もあって、日本が一番重要なメッセージを発信しなくてはいけないのに、G8にも行かずに、そして国連の本会議上演説もしないということは日本外交を機能不全にすることである。そういうように行かないでくれということを事務次官が言ってきていることは大変問題だと自分(大臣)は思って、即野党とかいろいろと相談した。それで国対委員長にご理解いただいて、WTOは経産省の問題だ、国連については外務大臣が行ってくださいという話をいただいた。野党との関係もあると思うが、当然基本だと思っている。今の質問にお答えするが、このことについては直接総理からのお話も出なかった。
(問)プール金の問題で、大臣への報告がどうだったかを確認したいのだが、昨日大臣は金曜日の段階で、官房長がプール金は1千万円だと報告してきたが、日曜日の段階になって1億円だった、マスコミに出たら困る、内々にしてほしいと言ったとカメラの前で仰ったが、改めて確認するがこれは事実であるのか。
(外務大臣)1千万円については金曜日以前の段階でも残念ながらそれだけの額だということは官房長から報告は受けている。それから目白に電話をいただいたのは金曜日であったか、土曜日であったか。
(官房長)自分(官房長)は1千万円という数字は大臣には申し上げていないが、目白にお電話したのは日曜日だったと思う。
(外務大臣)日曜日。そのときの電話はちゃんと録音しているが、であるからそういう形である。週末になってこんなに大事なことを電話で言ってこれでおしまいという話も自分(大臣)はおかしいと思っているので、こういうことは役所で正しい数字をあげて説明をするのが、然るべき姿だと思う。
それから決裁に関して思い出したが、幹部会を毎週金曜日に行っているようであるが、こういうのも自分(大臣)たちが幹部であるので、自分たちも一緒にいるところでプール金だけではなく、いろいろな問題、政策上の問題もたくさんあるので、そういうことについても前広にみんなで議論をするようにしたいから、自分(大臣)たちも入って話をしたいということを言っているので、それはやってくれる方向だと思う。そうしないと昨日もぶら下がりで申し上げたが、例えば南アのズマ外相から手紙が来ている、カウンターパートなのに、今言ったら秘書官が「あっ、これです」と渡されたが、他の方からそういうのが入ってきていると言われたり、それから昨日、ヨルダンの首相と帝国ホテルでお目にかかったが、そのときになってパウエル長官から自分(大臣)に手紙が来ている、これは勿論見ていない。それはどうなんですか、と言ったらここに(手紙が)あってという説明がくる。それから昨日までの中でも、ダウナー外相から書簡が大臣宛に届いている。これもまた金曜日に言われる。それでどういうことかというと、いや来ておりまして、ついてはそれについての大臣からの返書を書いておりますので、投函していいですかということを帰宅する車の中に秘書官から電話がかかってくるので、それは困る、どういうことなのか、どういう手紙なのか、すぐに持って来るなり、FAXをしてくださいと言った。そうしたら、今回のテロ問題に対するオーストラリア政府の基本的な政策が書いてあり、それはダウナー外相の自署が書いてある。どういうものが公電で来て、どういう手紙が来ているのかということは秘書官室なり、各部署がしっかりとあげてこないと、自分(大臣)たちが人と会い、国会で答弁をしながらは時間的に無理である。であるからうちの政務秘書官でもいいし、公設秘書もいるので、役所の秘書官からちゃんと言ってもらわないといけない。自分(大臣)の返事はどうなってるのと言ったら、ポストに入れる寸前で、自分(大臣)の署名もしていないわけであるから、こういうことはあってはいけないので、ちゃんと見せてください。ちゃんと自分(大臣)の意見を盛り込んで、事務方がバランスがいいと思ったものに自分(大臣)が署名をして、投函をしてもらうように言った。今までどういう形で行っていたのか自分(大臣)の着任前なのでわからないが、公電についても、なんでもかんでもというわけにはいかないが、スクリーニングをして、これは重要だと思ったことは必ず見せてくれるなり、説明をしてくださいと。そうしないと情報が入らなくなりますよということは再三お願いし、注意をしている。たくさん情報があるから大変だと思うが、だから見せなくていい、教えなくていいということではないと思う。(問)就任の時に政治主導でやっていると仰っていたが、半年以上経って、省内の人心情報を掌握しないとそれは出来ないと思うが、大臣ご自身の努力としてはどういうことをなさっているのか。
(外務大臣)努力としては、11ぐらいの項目を官房長にも渡しているし、5千人の組織であるので、一人で公務をこなしながら外国に行き、国会のことをこなしながら、物理的にこの5千人の方の受けている情報を一人で掌握して判断することは難しい、まず不可能だと思う。であるからもう少し副大臣たちにも一緒に分け合っていただくとか、それからもっと速やかに情報をあげてくるというような心構えになってもらわないと、省内でそういう協力体制が出来ないとどなたが今後大臣になっても難しいのではないかと思う。ただ、やはり外務省改革ということは絶対にやっていかなければならないと自分(大臣)は思っているので、くじけずめげず、しつこい、うるさいと思われるかもしれないが、一生懸命努めて行きたいと思っている。
(問)今週の一部週刊誌で、大臣の後援会に絡んだ政治資金収支報告、政治資金規正法上の疑惑が指摘されているが、大臣とファミリー企業との関係、寄付に絡んだ話で出ているが、これは見ているか。
(外務大臣)見ていない。どこの週刊誌か。
(問)文藝春秋社である。企業で団体献金禁止された後、大臣と関係の深い企業の役員から個人献金がいくつか入っている、これは収支報告上入っていることになっている。それを大臣がその役員に対して指示をしているのではないかという指摘であるが。
(外務大臣)政治資金規正法に違反していることは一切していない。それからその記事は見ていないので、それ以上はコメントしない。
(問)先程いろいろな経緯を説明し、昨日もいろいろ経緯を説明しているが、これまで大臣がお話しされたことで、事実ではないことが多々あって、大臣も訂正されたことが何度かあるが、こういう経緯が本当に事実なのかどうかについて、官房長は、大臣の説明は事実であるのか、事実でない部分があるのか説明していただきたい。
(外務大臣)特定のどれということを言わないとわからないし、時系列的にきちんと整理をして、自分(大臣)も一度物に書くなりしていきたいと思う。それから裏付けをとるならどうぞ。
(問)今回の園遊会の関係であるが、大臣の説明されている経緯はこれは事実か。
(外務大臣)少なくとも自分(大臣)はアーミテージさんの問題、そのほかずっとあるが、それについては、自分(大臣)はきちんと裏付けをつけながら、国会で質問されたこともあるが、きちんとつまびらかにしていかなければならないと思っている。
外務大臣会見記録 (平成13年10月26日(金)8:45~ 於:院内ぶら下がり)(外務大臣)今日の閣議では外務省関係は特別ない。昨日の夜、貼り出しをしたので皆さんご存じかと思うが、イスラエル・ペレス外務大臣とアラファト議長にお電話をしてお話をした。今イスラエルが進攻をやっているが一時も早く、あのような状態を出来るだけ早くやめてほしい、もう一度話し合いの椅子についてほしいという話をした。双方からも大変いい感触を受けた。特に、アラファト議長から大変喜ばれ、口癖だそうだがウェルカム、ウェルカム、ウェルカムと3回言っており、我々は聞いていて少し笑ってしまった。それは不謹慎だが、言い方がいかにもアラファト議長らしいなという感じであった。 いずれにしても東京で会議もしたいし、国会でもそういう議論がしょっちゅう出ているし、我々はいつでもアヴェイラブルであるということを申し上げた。直接コミットしてこうしてしょっちゅう電話も下さるし、こちらからもおかけしたらちゃんと待っていて下さって、実情は細かい機微の状態は申し上げられないが、イスラエル側も非常に率直に言って下さっているので、そういうこともお伝えもできたし、こういった関係が続くといいと思っている。そして、出来るだけ早く中東和平が実現するように日本も努力をしなければと思っている。
三越事件
(外務大臣)三越事件とかいうのも何か役所が言っているが、私はあんまり見ていない。プール金の話なのか。私の方からは以上である。
就任半年の感想と今後の抱負
(問)就任半年を迎えた一方、永田町にはそろそろ潮時ではないかと言い出す人もいるわけだが、ご感想と今後の抱負について何かあるか。
(外務大臣)相変わらず半年でそういうことを言い出すのは古い永田町の体質そのもので、まだ懲りていないという思いがする。私は半年間、日々実力はないが最善の努力をして参った。一日一日これで間違ってないだろうかといつもかみしめながら確実に自分なりに最善を尽くしてきている。今後もそういった努力をしたいと思っている。ただ、初めの頃の夏休み前の3ヶ月頃を思うと、皆さんの会社もそうであると思うが、組織というのはハーモニーが出来るまでに人間関係等で少し手間取り、組織全体が分かるまでに時間がかかるので、まず閣僚自体もそうで、小泉内閣がスタートした時もそうであるが、そういう状態があって、それが安定してきたと感じる。外務省との関係においても、やはりいつも言うように機密費の問題があって、あれだけの事件があった所に私が飛び込んでいったわけなので、非常に組織防衛という意識が強くて、そういう中で落ち着くまでに最初の3ヶ月ぐらいはすごく大変で、色々な問題があったと思っているが、夏が終わった頃から人が変わったということもあると思うが、ボーダーというか序列、システムが出来てきたと感じている。一人一人が非常によくやっておられると思う。ただ私の手法、スタイルというのが政治家としてあると思うので、必要と思ったことを一番優先順位に、大事と思ったことを先にバンバンバンと指示を出していく。特にこの役所は古い体質で、大きな役所であるので、動くのに、1・2・3、1・2・3と行こうとする。今も勉強会があったりとか何かがある時に、とにかく来た順に1・2・3と行こうとするので、私は1・3・8と言って下さいとか、或いは逆に10から逆に見て下さいと言っている。緊急性があるものがあったら私が自分の問題意識として言うわけであるが、そういったことに対応できなくて嫌なやり方をするなと思っている。やはり危険という感じでやはり1・2・3と言おうとする。最近、役所、秘書官室もそうであるし、局長達も皆さん私のやり方にバッと合わせてくれて極めて早く対応してくれる。今回もすぐ委員会があるから、この問題が私は一番分からないし相手の関心事だと思うが、この問題はどうですかと言うと、バッと手を挙げて局長が言ってくれるとか、緊急事態が起こった場合の対応もそうであるが、まず私に電話してといったらバッと電話をくれる。前は下から順に上げてきて、秘書官にいって私に来るときには私はテレビや新聞で知っているのに、1時間ぐらいしてから、アういうことがありましたと言ってきて、こちらはとっくに知っていますという感じであった。そういう身の動きののろさというか、自分達のやり方が私には合わないということを彼らは半年間ですごく学んで下さった。私は自分のスタイルで出来るようになったので、随分この半年間で私も学んで成長したと思うが、役所も非常に対応して下さっているという意味では感謝している。
国連総会、G8外相会合
(外務大臣)昨日の夜、次官が言ってきたのだが、国連総会のスピーチの準備もしてあるわけであるが、テロ後の新しいものも用意してあるが、国連総会には行けなくなったと。この間、22日に、国対委員長の大島先生の所に行って、是非この間のAPECのような事がないようにということを申し上げた。法案もこのままで行けばたぶん上がると思うし、国連総会に行かない外務大臣というのはないのだからと言ったら、分かっているからということであった。昨日の夜、事務次官が来られて、11日にG8の会合があり、その時には予算委員会で今度の予算の補正の審議があるので、外務大臣が抜けるということはよくないだろうということなので、国連総会に行かないで下さいと言われてのはびっくり仰天した。それはおかしいのではないか、一般の総会でのスピーチも勿論やらせてもらいたいと言ったら、まわりが小国だけで日にちがある時に日本がやるのはおかしいから大使がやると言われたので、そんな事は事務方が決めないで私がもっと閣内とか総理とか国対とお話をするからと昨日は言って治めた。G8の会合もパウエル長官もイワノフ大臣も非常に熱心で、ハン外交通商相も非常に熱心だった。ハン外交通商相はこの間の上海で、勿論韓国は入っていないが、あの時も是非来るようにという話があったが、結局行けなかった。それは法案審議中であったのでやむを得ないと思う。この次は国連でもあるし、4日間の予算委員会がある中の1日ぐらいはそれこそ副大臣が答弁して頂いてもいいし、野党と話をして野党がどうしても私に聞きたい事があれば2日目、3日目、4日目でもいいわけで、その辺は融通出来ると思う。野党の先生方も他の与党の国対の先生方も相談すれば駄目だなんておっしゃらないと思う。自民党だけでそうやって無しにして、事務方も「そうですか、それでは大臣無しです」というのも少し知恵がないので、もう少しちゃんと努力をしてG8の会議ぐらいはしっかり行って、テロ後一度もお会いしていないわけであるので、昨日のペレス外相もG8はやらないが、国連で会いたいと電話でばかり何でもしゃべっているので是非、顔を見て話をしたいので国連で中東和平の事をじかに自分から意見を言いたいと昨日も言って下さっている。それこそ外交の場であるので、そういった時には本当に出して頂きたいし、何でそこまでこういう事になるのかと私は不思議に思っている。不思議というよりも私は行こうと思っているわけで、国対にお願いをして野党にお願いをして、勿論自民党の国対の方からもご理解を頂きたいし、そういった政治を国民の皆様が望んでいるとは思わない。国務大臣がきちんと行って外国の方と胸襟を開いて話をしてくる。それこそ顔の見える外交であり、それをやれとおっしゃっているので、それの妨害をするということはちょっと考えられない。もう日にちがあまりないが、是非行って話をさせて頂きたいし、日本の立場とか日本の貢献とか、今国会でどういった議論があるかとかについて率直に意見の交換をしていきたいと思っている。私は日帰りでもいいので行かせて欲しいと言っているが、日曜日に会って帰ってくると月曜日になり、月曜日に予算委員会があるからやめた方がいいと次官はおっしゃるが、それもちょっと能がないなと思う。もう少し話が出来るのではと思っているが、なかなか複雑なところある。
(問)国連の演説は、もし行かれるとしたら10日に予定されているのか。
(外務大臣)初めの予定は15日だった。今も15日でキープしてあると言っていた。ところが昨日も佐藤大使とお話をしたが、事務次官がおっしゃるには15日は周りの方達が帰ってあまりいないので、そのような所でスピーチしてもしょうがないので国連大使がやればいいとおっしゃったがそういうものでもないと思う。聞く方がどういうお客さまであれ、どういう聴衆であれ、やはり日本が国連の場でテロ後に外務大臣が行って意見を言うということは極めて重要な事であって、周りに大国がいなくなるからどうのこうのという話では無いと思う。
北方領土の問題
(問)北方領土の問題だが、大臣は4島の帰属確保を優先する立場をこれまで示唆されていたが…。
(外務大臣)今までの国会での議論の通りである。
(問)APECにおける日露合意と異なるのか。
(外務大臣)それについて今はコメントはしない。私が委員会でもって発言している通りである。北方だけでなくロシアについて、こちらもイワノフ外相を招待しているが、イワノフ外相からも私は何度も呼ばれている。是非これも鈴木宗男先生が行かれたみたいであるが、国会がお休みになってからでも勿論いいが、正式に呼ばれており、他の問題もたくさんあるので、テロ後の話もあるし、ロシアには行きたいというか、行くべきであるのではないかと思っているが、これもなかなかいろいろな思惑があるのか、国内の問題がなかなか不透明である。
外務省改革
(外務大臣)外務省に関しては半年経ち、私は国会の方に追われているが外務省改革も三越事件がどうこうと役所がバタバタしているらしいが、人事とお金の問題ははっきりしないといけないと思っている。着任して半年間、この外務省改革について随分いろいろなうみが出るべき物は出てきたのかしらと思っている。ところが、人事の問題で3年以上いる人は本省内も在外公館も入れ替えるべきで、人が変わることによって相当変わってくるし、いろいろな情報もでてきて新しい風も入るし、それと同時にうみも出せると思っているが、なかなかリストも先週まで手に入らなくて変えないのである。それで、是非それを変えるように今日もまた副大臣達と協力してやろうと思っている。人を変えないでじっと盤踞しているということはそこでやはり何かがあるわけで、何か現象がでると潰そうとする体制はよくない。省内からも若手とかいろいろなOBからも、もっともっと人を入れ替えて下さいと在外からもしょっちゅう手紙が来る。そうしたらもっともっとよくなりますよと言われるので、是非官房長達にもこういったことを理解してもらって、人を入れ替えるということをやるとずっと良くなるなと思っている。外務省改革であと残っているのはそんなところだと思っている。
インド、パキスタンに対する経済措置の解除
(問)インド、パキスタンに対する経済措置についてはどうか。
(外務大臣)今日これから部会で検討するらしいが、あいにく私は委員会の最中であるので、その結果を受けてと思っている。
外務大臣会見記録 (平成13年10月23日(火)8:45~ 於:院内ぶら下がり)
閣議の模様
- 総理のAPEC出席
(外務大臣)本日は、総理のAPEC出席について自分(大臣)より読み上げで会議の様子を報告した。それを受け総理より、懇談会の中で簡単なブッシュ米国大統領との話の中でのこと、また、プーチン露大統領との話について、簡単な意見の披瀝があった。それは総理の印象も含めてであるが、テロ後初めての国際会議であったこと、それから多くのイスラム国家、イスラム教徒を抱えた国家も参加した会議であったので、出席したことは非常に有益であった旨述べていたし、ブッシュ大統領がそれぞれの国の事情に合わせて是非協力して欲しいというようなステートメントを発表したので、自分(総理)は本当に出席してよかったと、大事な会議であったと述べていた。
- 北方領土問題、対ロ関係
(外務大臣)更に、北方四島のことについて、いろいろ報道もなされているが、間違いが無いようにと総理は述べていた。意見の違いが日本とロシアの間にあるが、まず話し合っていこうということを述べていた。これは今後、外務大臣、事務レベルで交渉もしていくことになるし、また、今年の末にロシアの副首相が訪日する予定になっているのでそのことも総理が述べており、これは外務大臣中心に一生懸命やら無ければいけない問題だと述べていた。
(問)北方領土の関係であるが、分離並行して二島ずつという事についての大臣の考え如何。
(外務大臣)自分(大臣)は前から国会でも答弁しているが、四島の帰属の問題をはっきりさせて、それから平和条約を締結するというのが基本の考え方である。先程総理がおっしゃったことも、そういう意見が出ると言うことを踏まえておっしゃったわけであるが、今までの経緯の中で意見の違いについてあるが、継続して話をしていこうという事である。ロシアの問題については、アフガンもそうであるが、自分(大臣)の問題意識として、ロシアが10年以上も係わってきていて、大変難攻不落であったという事もあるし、アフガニスタンについてもいろいろな情報を持っていると思う。もう一つは北方四島の問題もあるが、イワノフ外相が9月に訪日する、10月に訪日するという話があって、結局自分(大臣)がお目にかかるのは国連総会だと思うのだが、先送りになるので、できれば国会の許可があれば、早い段階でロシアに行ってこうした問題をトータルで話をしたいと思っており、事務当局と相談をしている。
(問)四島帰属確認についての大臣の考え如何。
(外務大臣)四島についてはデリケートであるから、今申し上げた事が基本である。
アフガニスタンにおける日本人拘束問題
(外務大臣)先程お尋ねがあったが、アフガニスタンで日本人が拘束されているという報道があることは承知しているが、邦人の実態は現在確認中である。なぜかというと皆さんもご存知の通り、アフガニスタンの日本の大使館は現在閉鎖中であるので、細かい情報についてはなかなか把握できない状態であるので、パキスタンの大使館を通じて鋭意調査中である。報道の方にはできるだけ極端な行動が無いように、身の危険もあるし、(アフガニスタンは)危険度が5といっているので気をつけていただくように自分たちもパキスタンの大使館を通じて言っている。
対パキスタン、インド経済措置
(外務大臣)更にパキスタン関係で、今日これから委員会でも出るのだと思うが、インド、パキスタンに対する経済措置についてのことも皆さん関心があるかと思うが、ムシャラフ大統領から、今回、本件措置の解除について要請があったが、これも踏まえ、鋭意検討中である。
森前総理のインド訪問他
(外務大臣)森前総理について、インドに行く方向であると思う。正確には全閣僚は聞いていないが、週末のテレビで安倍官房副長官が、はっきり述べていたのでこれは行かれるという方向であると思う。
アフガン復興問題
(外務大臣)昨日、高野外審より、総理と共にAPECに行かれたその帰りに電話があり、詳しく報告があった。また、総理も大変関心事だと述べていたが、アフガンの復興について高野外審を中心にして、外務省がこちらからやっていくようにと昨晩改めて指示をした。
(問)テロ事件の前からアフガンの和平復興会議を日本で行えないかという話があったが、この事態の後に開催するかどうかについての大臣の考え如何。
(外務大臣)今まさに進行形である。委員会でも質問が出ると思うが、かなり早い段階から日本は遠藤氏を派遣したり、東京会議というのものをプロポーザルしてきたし、国連で小和田大使(当時)もそういった発言をなさっているので、それを引き続き実現できるようにあらゆる方向で努力をしていかなければならない。いずれにしても、アフガン復興という問題は安定、復興のためにどうするかということをやらなければならない。
外務大臣会見記録 (平成13年10月19日(金)10:00~10:30 於:会見室)
(外務大臣)本日の閣議では外務省からの発言があった。アフガニスタン難民に対する物資協力の実施である。前回に続き第2回目として、UNHCRに対して500はりのテントを無償譲渡するということを決定した。前回のもの(テント)はパキスタン製の物であったが、日本にあったものを緊急であったため自衛隊が運んだが、今回はパキスタン製のものを、本来は1月頃できるものであったと官房長官が言われたが、それを縫製を急いで貰って11月中にパキスタンにある500はりをお届けするものである。本日の閣議での外務省関係は以上だけである。
アフガニスタン及びパキスタン情勢
(外務大臣)アフガニスタン及びパキスタン全般に関してであるが、パキスタンの情勢は、今朝の午前3時、在パキスタン大使から聞いた話であるが、パキスタン国内の治安情勢は、17日から18日に掛けては大きな混乱は見られず、概ねアンダー・コントロールであるとの報告を受けている。パキスタン国内の情勢については、17日の小泉総理との電話会談でムシャラフ大統領は、パキスタン国内で騒動を起こしているのは、マイノリティーであり、状況は充分にコントロール可能であると述べられている。いずれにしても、今後のパキスタン情勢は推移を引き続き注意深く注視していく必要があると思っている。
それから、米国ラムズフェルド国防長官から3件の誤爆があった旨発表がなされた。1つは8日夜のものであり、国連関連の事務所に対するものである。2つ目は12日の攻撃であり、カブール空港近郊の住居に対する攻撃である。3つ目は16日の攻撃であり、カブール北部の国際赤十字社の倉庫を誤爆したことを確認している。いずれにせよ、米国の攻撃の目的は軍事施設であり、文民の方々を巻き添えにしないよう最大の注意を払っているとのことである。カシミール問題
(外務大臣)カシミール問題に関し、関心があるかと思うが、これは全く憂慮すでき事態であり、インド、パキスタンの双方が自制をして解決の話し合いをして貰えるように我々(日本国政府)も望んでいる。
経済制裁についても色々と意見があるかと思うが、現在は日本政府がどういった事をする等を決定する状況ではなく、但し、多角的な検討をしている。
この問題は、機微の問題でもあるが、両国(インド、パキスタン)が話し合いによって解決するよう強く望んでいる。アフガニスタンの難民支援及び復興について
(外務大臣)自分(大臣)はアフガニスタンの難民支援及び復興について、国際社会もそれに向けて舵を切ることになると思うが、日本も先日の国会の討論の中でも、衆議院でもお答えしてきているが、難民支援及びアフガニスタン復興に向けて日本は何ができるかということを、色々と現場を知っている方から意見を伺うべきであると考えている。昨日、明石康氏を大臣室に招いて1時間ではあったが、今までの明石氏の経験を踏まえて、どういった事ができるか、また、どういう所に欠陥があるのかということについて話を伺った。今朝、副大臣、政務官と連絡をとり、今後できればチームとして、どういったことを我々はするべきであるか、今すぐできることから長期的なことを含めて、色々と明石氏から意見を伺いたいと思っている。また、緒方貞子国連高等弁務官の意見も大変重要であると考えており、何度か連絡をとっているが、ニューヨーク在住ということもあり、時間がなかなか合わないので、直接話はできていないが、佐藤国連大使を通じて色々と意見の徴収を行っている所である。役所は勿論情報を沢山持っているが、役所からだけではなく、あらゆる方々の意見を、あらゆる手段を通じて、日本がどのようにしてアフガニスタン地域の平和、安定、復興に向けて貢献できるかということを検討している。
大臣の電話会談
(外務大臣)現在、上海のAPECが行われているが、17日に電話会談を行った。相手は、唐家セン・中国外交部長、韓昇洙・韓国外交通商部長、韓昇洙氏は数日前にも自分(大臣)に電話を下さった。ソラナ・EU上級代表で、ソラナ氏は頻繁に電話を下さっており、個人的にも親しくなっている。先日、ソラナ代表がニューヨークを訪れる前に「ニューヨーク到着後に電話をしようか」と言って下さったり、その時(ニューヨーク)の状況及びその他の国を回られた後の印象を電話で教えて頂いている。それから、イワノフ・ロシア外務大臣からも電話を戴いた。17日夜10時10分頃にパウエル・米国務長官より自宅にインドから上海に移動中の機中から電話を戴いた。パキスタン、インドの情勢について、ムシャラフ大統領との会談についての印象を伺った。会談等の内容については、機微の問題でもあるので話すことはできない。そのように、あらゆるルートを通じてできるだけ情報を頂いている。
ASEAN大使との会談
(外務大臣)昨日夕刻、ASEAN10カ国の大使が来られ、個人的な話をして、勿論、公の外交の話もあったが、それ以上に共通の関心事項は、今回のテロ関係であった。インドネシア等イスラム国の方も居られたが、テロリズムに対して全員でネットワークを、スクラムを組んでやって行こうというでは、どの大使も同一の認識を持っておられた。
えひめ丸沈没事故(遺体の身元確認)
(外務大臣)報道でもご存知の通りであると思うが、行方不明者9名の内3名が引き揚げられ、1名の身元確認がなされている。1人目の方は瀬川弘孝(セガワ・ヒロタカ)氏であり、報道の通りである。これに関し、小泉総理よりファーゴ米太平洋艦隊司令官に電話をされた。
コロンビアにおける邦人連れ去り事件
(外務大臣)自分(大臣)はグティエレス駐日コロンビア大使を、自分(大臣)が外務大臣になる前からよく存じ上げており、グティエレス大使から電話がある度にこの問題は非常に重要であると述べて来た。また、ストラーダ大統領からは、個人的に前からコロンビアに来るように言われていたが、とにかく、ストラーダ大統領に直に連絡をして欲しいと再三(グティエレス大使に)言って来たわけである。9月1日未明に誘拐された志村昭郎(シムラ・ショウロウ)氏が日本時間の10月19日未明にボゴダ市内において無事保護されたということである。
不振郵便物の配達について
(外務大臣)防衛庁、自分(大臣)のところに届けられていた物は、炭疽菌ではなかったと判明した。
柳井駐米大使の意見具申に関し
(外務大臣)国会で出るかも知れないが、柳井さんの話しが小さなコラムで出たので、杞憂かも知れないが申し上げておくが、意見具申等の話しがあり、一昨日に自分(大臣)は柳井大使とも加藤次期大使とも話をした。衆議院を一応通過すると言う段階で、8月の段階でアメリカ側の大使交替のアグレマンは取れている。9月の段階で、皇居で認証されていて皇居でのセレモニーも終わっているので、始めの予定では9月上旬に柳井大使は帰国することになっていた。サンフランシスコ講和条約50周年記念式典の際にサンフランシスコにて柳井大使は、9月の上旬に帰国するが、講演とか、その他、約束がアメリカ国内であるので、9月末日に日本に帰国ことで宜しいかと言われたので、自分(大臣)はそれで結構ですと申あげた。その数日後にあのテロが発生した。その後、暫くはテロの対応等から、そのまま残っているのだと思っていた。新しい方が(大使として)行っても直ぐには事実関係が時々刻々と変わる中で難しいと思っていたが、この間の意見具申の事があり、国会でもいろいろと質問があったが、自分(大臣)は意見具申自体外交官として行うことは良いことと思うが、それが即、ワシントン発の記事が載っていたと思うが、直ぐに右から左に出たらしいと言うことが、外交の機密性から言って如何なものかと感じた。それから、もう一つは、それについて柳井大使と話していたら、大臣から訓令が来ていたと言い、どういう訓令か自分(大臣)は見ておらず、官房長に後で確認したところ、その段階では分からなかったと言っていたが、ペーパーで外務省は公電が大臣名で出し、大臣宛に出すという過去ずっとそう言う習慣である。ところが、膨大なものが来ているので、それを全部自分(大臣)が見る時間もないし、それを秘書官室等がセレクトするわけであるが、それが、マスコミに意見具申の件も報道されたら役所が慌てて、実はこういうことがあってと、「意見具申のペーパーとはどれであるか。」と言うと、実は未だお見せしていなかった、次官にも言っていなかったと言うことで出てきて、そう言うことは困る。そう言う情報は、各局長も忙しいとは思うが、重要な事については言って貰わなければいけないと思う。できるだけ速やかに一つ衆議院も法案がパスして、次に行くに当たってまた国民の皆様からよく意見いただいている中で、国会で議論しなければならないわけであるから、意見の具申自体はよろしいと思うが、その対応についトどうあるべきか、それから、やはりテロリズムが直ぐに終ると言う状態でも無いわけであって、大使の交替と言うことも出来るだけ速やかに、ウィーン条約があり外交官の動きについていろいろな規約があることも承知しているが、支障を来さない段階で、上手に事務引き継ぎを確実にやって大使の交替をすることも必要かと思う。このことについて総理に話したところ、総理も同じ考えであって、総理ご自身がやはり速やかに交替するべきだと思っている。但し、情報の交換も速やかにやらなければならないと言われた。
質疑応答
(問)経済制裁について本格的に検討されているそうだが、以前パキスタンへの緊急支援を決めたときは、経済制裁解除とは関係なく、日本の核不拡散方針には変わりないとの話しが国会答弁でもあったが、その時と今と状況が変わってきていると言うことか。
(外務大臣)そうではない。CTBTに対する考え方は今の政府は一貫しているので、色々な意見があると思うが、総合的に検討しているところである。基本的にはあの時から大きくずれてはいない。
(問)経済制裁解除も今後あり得ると言うことか。
(外務大臣)それはデリケートな問題であるので、もう少し閣内で議論をしなければならないと思う。
(問)明石氏と昨日お話をされたそうだが、何か今後特定のポストに就いてもらうという要請や、そのような考えはあるか。
(外務大臣)やはり、アフガン復興については自分(大臣)も出来るだけチームを作って、役所だけでなく、先程も申し上げたが、あらゆるフィールドの人の意見を聞いて知恵を出して出来ることから速やかにやると言うことが大事だと思っている。出来ればチームにしたいと思っているが、今日昼頃に政務官や副大臣も出るので、そう言うところで意見を聞きながら、官邸とも連絡を取りながらやっていきたいと思う。明石氏については、個人的にいつでも来ますし、連絡も取れますしと言うことであったので、大変ありがたいと思っている。また、緒方貞子氏からも情報を頂くことになっている。
(問)一時、大臣自身が憤りを露わにされていたことがあると思うが、テロ事件が起こって以降官邸と外務省の対応で、大臣外しが行われているのではないかという報道が出たこともあるが、そのことについてどのように思われているか。
(外務大臣)別にそれは感じていない。やはり官邸では外務省だけでなく各省の局長級が随分集まって、経済再建の問題もそうであるが、議論をしているから、それは官邸が必要と思うところはあらゆる省の局長を集めて意見を聞いたりしているので、自分(大臣)が外されているとは全然思っていない。
(問)田中大臣ならではの外交カラーというのは今の段階で出ていると思われるか。
(外務大臣)自分(大臣)は、あまり見えないかも知れないが、例えばこの間のシンガポールでのWTO非公式閣僚会合も歯が痛くて大変だったが、その中でも、通産大臣ばかりの出席であって、外務大臣は自分(大臣)独りだけであったが、人脈というか人の繋がりと言うか、シンガポールでも話したが、例えば、その時に来られている、ジャマイカにしても、スイスにしても、オーストラリアにしても、ニュージーランドもそうであるが、自分(大臣)が議員になってからの数年間の中で個人的な繋がりがあった国の方々が、そう言うベースで話をしに来てくれる。インドネシアやフィリピンもそうであるが、その中でいろいろな話が出来て、そこには外務大臣は居られなかったが、自国の外務大臣からこう聞いていると言う話があり、そう言う形で情報交換がたくさん出来る。すなわち、イスラム社会の今後はどうであるかとか、テロリズムに対しどのように対応していくか、国際社会の強調のあり方等について非常にフランクに話が出来て、永田町の中だけを見ているのではなく、そう言う繋がりが取れていると言うことはありがたい。過去の外務大臣も勿論それなりのそう言う繋がりがあったと思うが、今回の唐家セン・中国外交部長、韓昇洙・韓国外交通商部長、イワノフ・ロシア外相、パウエル米国務長官もそうであるが、個人的な話もたくさん出来て、その中で外交というのは会議という場所だけで、表に出ているものだけではなく、個人的な接触の中で本当にあっと言う間に一番大事な事を二人で話をすると言うことがある。バイの会議と言うことも勿論あるが、そう言うことを自分(大臣)は非常に意欲的に機能していると思っている。この間も、皆さんは見ておられたが分からないが、ニュージーランドのムーアWTO事務局長がサッと来られて話がしたいと言っておられたが、なかなか会議が長引いて出来なかったら、自分(大臣)が部屋に引き返し、もう帰る日であったが、話しがあると追ってこられたのを気付かれたでしょうか。その時も、これはプライベートか何かと質したら、プライベートだと言ったが、プライベートもそうでない話しも役人の方を入れずに話が出来た。逆に、(役人は)居ないで欲しいと相手ははっきり言いますから。通訳なしでも。これは大変なことである。明石氏が昨日偶々言っておられたが、国際会議というのは沢山やることがあるが、一番大事な事はバイで責任者が話が出来るチャンスがどれだけ取れるかと言うことある。自分(大臣)は語学力とかそう言うことではないと思う。明石氏が言われた典型的な話で昨日爆笑してしまったが、例えば、トップ同士でお手洗いに入り、そこで話をすることが出来る。通訳は結構女性が多いという。自分(大臣)は最近はそうは思わないが、そうすると女性が入らない男子のお手洗いで、本当に重要な話はそこでする。どこの国も役人、通訳を外してやるということが必要なんだと言うことを昨日言われ、笑ってしまった。その面では、かなり個人的な繋がりと言うか、表に見えないところで情報が戴けている。パウエル米国務長官から電話を頂いたこともそうであるが、かなり直近の問題についてもストレートに聞くと、かなりストレートに応えてくれる。その面では、自分(大臣)なりに一生懸命出来ているなと思っているが、永田町の中ではそう言うことはなかなか評価されないかなとも思っている。
外務大臣会見記録 (平成13年10月16日(火)午前 於:院内ぶら下がり)
(外務大臣)本日の閣議では2件、自分から読み上げを行った。一つは、自分のWTO・シンガポール非公式閣僚会合出席であり、もう一つは小泉総理の韓国訪問である。
日韓関係
(問)小泉総理の韓国訪問の評価如何。
(外務大臣)報道振りを見ているだけだが、(総理が韓国訪問されたのは)本当に良かったと思う。これで完璧な状況という訳にはいかないが、やっぱり韓国を訪問されたことによって相互の理解も深まったと思う。(総理が)本当に忙しい中で韓国を訪問されて本当に良かったと思う。
(問)歴史認識及びサンマ漁と今後外務省が担当していくと思われる課題が出てきているが、今後の対応について大臣のお考え如何。
(外務大臣)今後外務省としてそれらの課題を引き取ってしっかりやらなければならない。特にサンマ漁問題については、先般ロシュコフ露外務次官も来られたし、実際は、上海で自分とイワノフ露外相とお会いした時に話せば良いかも知れない。しかし、(自分のAPEC出席が)微妙なことだという段階でもあって、そういう情報を国際社会で受けているからだと思うが、ハン・スンス外交通商部長官から電話があり、日露の次官級会合の進捗状況を是非知りたいと言ってきた。そういうふうな非常にデリケートな状態ではあるが、尚更、(本件は)日露の問題であるというふうに、基本は領土問題と思っているということは韓国側にも言ってあるので、そういうスタンスをしっかりと堅持しながら、国際世論のバックアップを得ながら進めていかなければならないと思っている。
テロ特別措置法案
(問)テロの特措法案であるが、昨夜の党首会談が物別れに終わって、事前承認を主張する民主党が反対にまわることになったが、本件に対する大臣のお考え如何。
(外務大臣)本件は、党の幹部が一生懸命各党との間で努力されているので、この時点で自分からコメントすることは差し控えたい。
アフガニスタン空爆
(問)アフガニスタンにおける空爆が続いているが、一部一般市民にも被害が出ているようだが、右に対する大臣の認識如何。
(外務大臣)今日、パキスタンにパウエル米国務長官が訪問されることになっているが、そういう中で、民間の方に被害が出ないように、勿論軍人の方も大事な命であるが、やっぱり被害が出ないように注意していくべきだと思う。
外務大臣会見記録 (平成13年10月12日(金)8:40~ 於:院内ぶら下がり)(外務大臣)閣議ではアフガニスタンの難民支援について、鈴木宗男総理特使が行かれたときのラフモノフ大統領からの緊急な支援要請を受け、この度政府から200万ドル相当(2億4000万円)の資金協力を行うことを決定した。
米国及び海外における米国の権益に対するテロ行為への警戒(冒頭発言)
(外務大臣)テロ関係で、FBIからのプレス・リリースで御存知だと思うが、今後数日のうちに合衆国及び海外における米国の権益に対するテロ行為があるかもしれないという最高度の警戒をするようにとの要請があったことを今日聞き、この間のサン・フランシスコ講和条約50周年のときにはこういったプレス・リリースがあったわけで、あの時は50人もの警護が自分に付いて、サン・フランシスコからホノルルに行くときも7人も警察官が付いてきて、自分は異常な状態だが何だと言ったんだが、あの時はそういうことを全然知らされてなかった。今日はこれが分かったので、今夜からWTOの会議もあるし、国際会議なので、個人的には非常に緊張している。
韓昇洙韓国外交通商部長官との電話会談(冒頭発言)
(外務大臣)昨日、韓昇洙(韓国外交通商部)長官が、昨日の夜ニュー・ヨークから帰ってこられたということで、韓国から国際電話を下さった。貼り出しをしてあり、それを越えた範囲は特別ないが、とにかく着任してから何度もお目にかかっている。国際会議があって、ASEMの中国から始まって、ハノイでもお会いし、連絡も結構緊密であって、個人的な話が結構できた。仕事になったらハングルに変えられて、この度のサンマの問題で、9日に日露次官級会議があったが、中身はどうであったかと、かなり鋭い状態の質問があり、その受け答えがあった。自分は基本的には日本とロシアの4島の帰属の問題であるということについては話をしたが、韓国とすればこれは漁業権の問題、漁民の生活圏の問題であるので、このことについては特段の日本からの配慮が欲しいということを仰っていた。自分は、根本は、いつも韓長官に申し上げているとおり、日本とロシアの問題をしっかりまず解決しようと思っているということを申した。その次に、(韓長官は)総理が月曜日に訪韓されることについて、靖国及び教科書問題が決して良い状態でないにも関わらず、それに加えてこの漁業問題が出てきているので、とても厳しい環境でお迎えしなければならなくなったと仰ったので、(自分は)それは分かっているが、総理も誤解がないように近隣諸国に対して先週中国に行ったと同じように、日帰りであるけれども、御本人の気持ちというものを韓国の皆様に早く伝えたいと、その時期を探っておられて、この多忙なときに是非ということで、韓国に行かれるわけだから、その総理の真意をよく分かって頂きたいということ、特に靖国参拝で、総理が繰り返し仰っていることを自分も強く繰り返し申し上げた。そして、(韓長官は)外交努力が大事だから、是非田中大臣からもこのことを速やかに小泉総理に伝えてほしいという話があったので、(自分は)夜公邸の小泉総理に電話をお掛けし、この旨をお話しした。総理は昨夜訪韓の勉強をしておられ、その後公邸に戻ったところなので、よく分かったというふうに言っておられた。円滑な意思疎通が図れるような状態がこれからの訪韓で達成できると良いというふうに思っている。両国ができるだけ良い話し合いができるような訪問になると良いというふうに自分も念じている。
駐米大使の意見具申
(問)昨日の国会で、柳井大使がテロで政府に具体的な対応を求める意見書を送ったことについて、法案の審議中なので不快感を示されていたが、この件で柳井大使に注意をされたり他の大使に同様の行為を慎むように求められたりといったお考えはあるか。
(外務大臣)柳井大使は本来もう代わっていなければならない時期で、後任の大使も加藤さんに決定しているわけだが、テロのことがあったために柳井さんが大使の職におられると理解しているが、以前事務的には9月末で自分(大使)は帰国するという電話を頂いていたので、直接今から、もちろん注意とかあるだろうが、もう少し任務を遂行しなければならないであろうから、ただそれで解任とか何かとかいうことではないと思う。とにかくこういうことは、法案を上げるということに今全精力を傾注しているのに、どういう形でああいうことを言ってこられたか分からないが、非常に迷惑千万だと思っている。
(問)具体的に不快感を持たれるような意見具申の内容だったのか。
(外務大臣)自分もつぶさには見ておらず、新聞発表があってから役所の方で実は、というふうに言われて、いつもいつも公電公電と自分もしつこく言っているのだが、1日にたくさん公電が来ているそうで、重要なものについてはセレクトしてとにかくすぐに見せてくれと、1日何度も何度も、事務の秘書官を通じても言っている。今国会もある最中でもあるし、なかなかそれを精査して見ていることもなくて、これについては新聞報道を見て役所の方が持ってこられたものであるから、答弁の準備に終われて、自分も中を細かくきちんと今の段階で吟味しているわけではない。とにかくこの段階で国会で今審議をやっている最中にその後のことについて言って来ることは不見識だと思う。
(問)具体的には情報収集のための艦船の派遣のことか。
(外務大臣)中身の細かいことは今は申し上げられない。たくさんある。
北方四島周辺水域における韓国漁船の操業
(問)サンマ問題で、ロシア側に金銭的な補償をする考えはあるか。
(外務大臣)全然ない。どこからそんな話が出てきたのか。
日韓関係
(問)韓国については、どういった形で軟着陸を図ったら良いとお考えか。
(外務大臣)自分は、結果的には漁業権について日本とロシアが決着すれば、自ずと韓国の問題も決着するわけであるから、むしろロシアとの問題が大事だと思っているし、それで今度上海でAPECがあるが、この間もロシュコフ次官が来られたときもそうであるし、その前も有力な議員が議員団でロシアから来られたときも、是非イワノフが会いたいと言っていると、そして自分もそういうメッセージをあちこちから聞いているので、是非行って、そこで具体的な話をすると。今までASEMもあるし、ローマもあるし、色々な会議があって、人間関係ができてきていて、代わりが誰か行けば良いという、事務方で良いわけであるが、人間関係の中で是非話をしたいという要望が来ているわけである。であるから、日帰りでも是非行って話をしたいと思っている。ただ、国会の審議があるから、副大臣では駄目だ云々と仰っているが、本当はこういうときのために副大臣制度ができたのであって、上海であれば近いので、日帰りでも行って来ることによって、外交というのはやはり顔を見て、そしてどうしてこの6ヶ月間近くの間に個人的な関係ができてきたのかというのは非常に大事にしなければならないと思う。ただ、大臣は張り付いていなければならないんだと言って、それ以上前に出ないというのは非常に残念であって、それを昨日は韓長官も仰っていた。ニュー・ヨークの国連総会の議長を韓さんがなさるので、その任命式の日がちょうど11日だったそうである。それで関係者がいて、そしてああいうことがあったので、国連総会は少し先送りになっているが、韓国に帰られる前にも、何日かは分からないが、パウエル長官とお会いしたときに、日本のマダム・ミニスターは、上海に来るのかと言って、そして、ハノイでは楽しかったし、後半歌ったり踊ったりもあったから、韓長官は帰られていたのだが、是非みんなで同じメンバーで、また上海で話したいと、パウエルさんも言っていたと昨日韓さんが言って下さったので、自分も本当に是非行って、本当に日帰りで良いから話をしたいと思っている。
外務大臣臨時会見記録 (平成13年10月8日(月)12:20~ 於:会見室)(外務大臣)昨7日、ブッシュ大統領から小泉総理宛に電話があり、総理は日本としては米国を強く支持する旨の発言をし、それに対して、日本の支持に感謝する旨の発言がブッシュ大統領からあった。日本としては、テロリズムとの闘いに対して、米国を強く支持すると共に、可能な限りの協力をする。これが日本の基本姿勢である。外務省が取っている措置については、まず何と申しても邦人の保護という観点が一番大切であって、この地域の(邦人の)数は、アフガニスタンに6名、パキスタンに405名である。内訳は昨日申し上げているので割愛する。また空爆後直ちに在外公館に対して、公館長自ら陣頭指揮をとって、在留邦人に対する迅速かつ適切な注意の喚起、危機管理、邦人援護体制の再確認、緊急時の邦人退避計画の再確認、関連情報の収集、公館警備体制の再確認・強化を指示する訓令を発出した。また、米及び英の空爆作戦の開始を踏まえ、テロ事件、治安情勢の悪化の事態に備えて、テロの標的となる可能性のある施設等には近づかないようにし、安全対策を再点検するよう注意喚起するよう海外安全相談センター情報を発出してある。この「テロの標的となる可能性のある施設」については、事柄の性質上、コメントは差し控えさせていただく。また、アフガニスタン国境から100km以内の地域及びイラク全域を危険度5、すなわち退避勧告に引き上げし、その他の対象地域の拡大もした。その他の地域については貼り出しをしてあるとおりである。それから後は、今は国会審議中で法案審議中であるが、これについては、皆様御存知のとおり、現在3党間の代表が審議をしておられると承知している。その他の日本の支援策については、これも公表されているが、国連のドナーアラートへの資金の拠出もあるし、周辺国への二国間援助もある。また、皆様御存知の自衛隊による援助物資の協力ということもしている。そして、今現在、C−130輸送機については当面は計画どおりである。今後の状況の推移を見極めつつ、判断をするということになっている。4つ目の支援として、我が国のNGOによる支援活動を強力に推進していく。
(問)ブッシュ大統領から小泉総理に対して、具体的な支援要請はあったのか。
(外務大臣)具体的な内容は承知していない。総理が発表された範囲内のことである。
(問)それを含めて、アメリカ側から後方支援の要請は今のところないと理解していいのか。
(外務大臣)今の段階では申し上げられない。
(問)周辺国への二国間援助は、具体的にはどこの国にどういった支援内容なのか。
(外務大臣)一番大きいのはパキスタンへの緊急二国間援助である。
(問)今後他の国も検討していくのか。
(外務大臣)閣内でも議論が出ると思う。
(問)邦人保護に自衛隊機を活用することはあり得るのか。
(外務大臣)総理も委員会でおっしゃっていたと思うが、民間機も自衛隊機もあらゆる可能性について、今後検討していくこともあり得ると思う。今現段階では申し上げられない。
(問)大臣は現在のインドネシア情勢についてはどうお考えか。
(外務大臣)先日大統領ともお目にかかり意見交換をしているが、直接は事務レベルで今やっている範囲のことである。
(問)海外安全情報を見るとインドネシアの危険度が変わっていないが、日本政府の対応としてそれで良いとお考えか。
(外務大臣)閣内で議論をする。
(問)閣内で議論をする話ではなくて、外務省として行う話と考えるが。
(外務大臣)トータルで内閣の意見を集約すべきだと考えている。
(問)アメリカがインドネシアの情勢についてどう対応しているか大臣は御存知か。
(外務大臣)知っている。しかし、それは内閣全体の問題として外務省だけが突出して発言するわけにはいかない。
(問)インドネシアにいるアメリカ人の対応についてどのようにしているか大臣は御存知か。
(外務大臣)今個別の問題についてはお答えしない。
(問)大臣は本当に御存知なのか。
(岩谷領事移住部審議官)アメリカはインドネシアについて警戒度、危険度を上げていることは事実である。日本がどうするかということについては現在検討中である。
(問)大臣はどうか。
(外務大臣)同じである。貼り出してある以上のことは答えられない。
(問)アメリカはサウディ・アラビアにいる大使館の館員を全員引き上げたが、日本はその予定はないのか。
(外務大臣)今現在はない。
(問)アフガニスタンの6人とパキスタンの405人について、具体的にどのような国から安全に救出するのか。
(外務大臣)これは本人のそれぞれの方の御判断であるが、救出方法についても危険が伴うので公表はしない。
(外務大臣)なお、また変化があれば会見をさせていただく。
外務大臣会見記録 (平成13年10月2日(火)9:20~ 於:院内控室)
(外務大臣)今日の閣議では、国土交通大臣から航空機へのテロによって第三者に傷害が発生した場合の政府措置についての発言があった。第三者に対する損害賠償限度額が大幅に引き下げられるなど、今回のテロにおいて航空保険契約の見直しを余儀なくされている。そして欧米をはじめとして諸外国ではテロにより航空機が第三者に損害を与えた場合、航空保険では支払いが出来ない部分について、損害賠償金の支払いが可能となるような対応を行う旨の表明がなされている。そして国民の日常生活の安定を確保し、テロに屈しないとの姿勢を示すため、今後6ヶ月間20億米ドルを上限として、発生した損害の賠償金の支払いが可能となるように適切な措置を講ずることとしたい旨の発言があった。
米国における同時多発テロ事件(新法、人道支援、国務省の退避場所)
(外務大臣)新法については、マスコミでも報道されているが、2年間の時限にするということで3党幹事長間で検討がされている。それを越えた場合はどうするかということについても、目下検討されていると聞いている。
昨日、ジャパン・プラットホームであるが、NGOの皆さんがパキスタンに向けて出発されて、あのように民間の方たちが意欲的に携わっていただくことは大変有り難いことだと思う。(問)イランのアフガン難民の人道支援について、例えばパキスタンに対してなされたような、資金面の支援や緊急物資の空輸といったことも考えられると思うが、今どのような検討状況か。
(外務大臣)内閣で相談していかなくてはならない。難民問題は、アメリカがどのような対応をするかということにもよるが、今の報道、大使館、関係者からの情報を沢山いただいている。それを見ても大変な数の、最初だけでも150万といった、国境を接するところイランにも150万近くがいるとか、今後また200万近くの人たちが、パキスタンにも入ってくるとか、いろいろな状況が判っている。特に、昨日も黒柳徹子さんは、たまたま、ユニセフ大使としてアフガニスタンに行っておられて、前回も今回もこのことについて非常に詳しい情報を下さっているので、当然人道的な支援を日本がするために、具体的な計画を早めに立てなくてはならないと思っている。
(問)昨日、野上事務次官が記者会見で、大臣が12日未明にアメリカの国務省の移転先を言及されたことを、あれは極秘情報だった、というふうに間接的に批判ともとれる発言をされたことについて如何。
(外務大臣)11日の未明、12日の朝2時半くらいだと思うが、つい最近国会が始まる頃になってマスコミからブーイングがあったわけでもないのにどういうことだろうかと。アメリカからも抗議はないが、事実関係を申すと、夜中のことでもありいろいろな情報がもたらされており、電話もあちらこちらからかかってきて、情報が錯綜していた。そう言う中で、極めて緊迫した事態だと、すごい緊迫した事態だと自分は感じたので、官邸のオペレーションセンターから、外務省のオペレーションセンターに来て皆様に囲まれたときに申し上げたわけだが、不用意だったと思っている。これは極秘だからどうこうとか、言ってはいけないとかは、そんなような話は大使からも、次官や皆さんからもなかったし、局長もそれは全部テイクノートしていたわけであるが、不用意であったと思う。
私的懇談会等
(外務大臣)昨日、2回目の(私的)懇談会があり、その懇談会のあとに本会議があったので時間があまり取れなかったが、テロ関連のことに関すること、機密費に関すること、アジア、ことに中国、韓国、靖国問題、教科書問題等があるので、それも含めて人事交流をどうするか、特に学生が多いので学生の交流をどうするかということで、ワーキングホリデービザがオーストラリアにはあるが、そういうかたちで留学を準備するためのビザを発給し、働くことや語学の修得もして、そうした環境で勉強が出来るように日本も体制を整えたらどうか、そうすることによっていろいろな国の若い方たちを受け入れることが出来るのではないかとの意見があった。
岡本行夫氏が昨日来られた。時間が空いている時に来てくださり今回が2回目であるが、いろいろな状況分析について個別に話を伺った。上村秘書官人事
(外務大臣)上村秘書官の件であるが、前回皆様の前でお話ししたように、書面で出したら昨日の5時に大臣室に来て、結論から言うと自分(大臣)は、一体何が起こったのか、何で一週間、10日で急にいなくなったのか、診断書だけではわからないし、今まで再三再四、谷内総政局長、前次官、前官房長等あらゆるかたちで接触を試みたのになぜ長いこと応答がなかったのか、ということとかいろいろ伺ったが、疲れていたということと、自分(秘書官)が前も若い頃20代の頃に血を吐いたことがあって、今も精神科にかかっていると言っていて、本当にお気の毒というか、自分(大臣)は個人的に(上村秘書官が)好きであるので、元気な顔を見てそして大臣室に来てくれたので、その勇気は本当にうれしいと思ったし、本当に元気な顔を見て喉のつかえがとれたというか、よかったと思った。それでいろいろな政治家の働きかけがこのところ集中的にあって官房長も相当困っていたようだが、結論的には彼(秘書官)自身の将来とか、役人としての生き方、健康、家族が一番大事だと思うので、官房長にお預けしますのでよく相談してください、早く元気になってくださいということを申し上げた。あとで彼(秘書官)は涙を流して感激していたと一緒にいていただいた植竹副大臣から聞いた。元気な顔を見て自分(大臣)はほっとしている。
(問)上村秘書官は、秘書官から事務当局が打診している方面への異動を大臣が了承されたということか。
(外務大臣)そういうことではない。いろいろな方からいろいろな働きかけがあるようなので、自分(大臣)は彼が元気であったことを確認したことと、決して回復している状態ではない、それは複数の人が皆で一緒に部屋に入って会ったわけだが、5カ月いなくなって自信を無くしたのかなあと思った。どこに行くかは官房長にお任せしてある。
南アフリカ大統領夕食会
(外務大臣)ムベキ南ア大統領の夕食会に出席しなかったということだが、これは先例があり、昨日朝の迎賓館の歓迎式も出たし、夕方ずっと総理との少人数での会合、全体会合にも出席した。先約があったのでそのあとは出なかったが、今日はまた宮中での夜の晩餐会もあるので、その旨はズマ大臣にもお話をしている。
小泉総理の訪中
(問)APECの前に小泉総理大臣が中国訪問を検討しているとの報道があるが、事実関係如何。
(外務大臣)今、現在の段階では、何も決まっていない。
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