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外務大臣会見記録(平成12年11月)


INDEX


・ 外務大臣会見記録(11月28日付)
  ・ 冒頭発言
  ・ フジモリ前大統領の日本滞在
  ・ 村山元総理の北朝鮮訪問


・ 外務大臣会見記録(11月24日付)
  ・ 閣議
  ・ 内閣不信任案に関する野中幹事長発言
  ・ タイによる自由貿易圏構想の提案


・ 外務大臣会見記録(11月17日付)
  ・ 閣議・閣僚懇の模様
  ・ ブルネイAPEC(アジア太平洋経済協力)
  ・ 政局関連
  ・ クリントン大統領の北朝鮮訪問


・ 外務大臣会見記録(11月10日付)
  ・ ブルネイAPEC閣僚会議
  ・ 米大統領選挙
  ・ ODA削減
  ・ 日露首脳会談




外務大臣会見記録 (平成12年11月28日(火)09:30~09:40 於:院内外務省控え室)

・ 冒頭発言

(外務大臣)本日の閣議においては、総理のASEAN首脳会議出席について、自分(大臣)より報告した。また、COP6について環境庁長官より報告があり、自分(大臣)からも一言発言を行った。

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・ フジモリ前大統領の日本滞在

(問)フジモリ前大統領の日本国籍が確認された旨日本政府から発表があったが、大臣としてのお考え如何。

(外務大臣)本件については、外務省としては、とにかく一義的には法務省の問題であると考えているので、法務省が判断する、ということが重要であり、法務省の判断の前に外務省が判断することは無いと考えていただいて結構である。

(問)フジモリ前大統領が日本での滞在を続けていることで、受け入れている曽野綾子氏が昨日記者会見を行い、(受け入れた)経緯とか詳細を明らかにした訳であるが、(フジモリ前大統領に対し)ペルー国内で様々な疑問や疑惑、質問が突きつけられている中で、神奈川県の別荘等でそういう日々を続けていることについて、日本政府としてどのようにとらえているのか。

(外務大臣)先ず第一に、ペルー国内でフジモリ前大統領について色々な話があることは報道では承知しているが、ただいまの質問の気持ちの中に、つまり、こういう状況がペルーにおける日系人に対して色々な問題が起こっているのではないか、或いは起こる心配はないのかという趣旨が含まれているとすれば、少なくとも現時点で現地の大使館からそうした状況を確認したという報告はない。また、そういう訴え、不安が生じているとは自分(大臣)も聞いていない。
 フジモリ前大統領の日本滞在について言えば、昨日、事務次官からも整理して報告されていると思うが、つまり、法律的な判断というものが非常に重要であり、我々としては、大統領として入国された、この入国自体は全く問題がないが、ただ日本滞在中にそうした(大統領という)スティタスが無くなった訳であるとすれば、そうしたスティタス、肩書きが無くなったからといって、即(日本から)出国して下さいというべきではない。やはり一定の然るべき日数というものが認められて良いのではないかと思っている。現在はそういう状況であると理解している。

(問)そうした状況の中においても、(我が国は)フジモリ前大統領の良き友人として、ペルーに戻って様々な問題に直面すべきである旨伝達するべきではないのか。

(外務大臣)フジモリ前大統領ご自身が今何を考えているのか、何を望んでいるのかが大事であると思う。フジモリ前大統領は、もう少し時間が経てば、ペルー国民にも理解してもらえる、或いは自分としても色々なことを言える状況になるだろうというような意味のをことを発言されていると聞いており、ペルーの状況が日本で考えているよりは、フジモリ前大統領自身により多く情報が入っているようである。我々としては、もう少し、事態の推移を見守る必要があると考える。

(問)ペルー国内において、フジモリ前大統領を犯罪者或いは容疑者として訴追をするという動きがあるが、日秘間では犯罪人引き渡し条約が締結されていないところ、仮にそういう状況になった場合の日本政府の対応如何。

(外務大臣)今質問された状況については我々は全く確認していない。これはやはりフジモリ前大統領の名誉の問題もあるので、仮定の話であるにせよ、そういった議論をするべきではないし、全くしていない。

(問)法務大臣からは、フジモリ前大統領の調査等について報告はあったのか。

(外務大臣)本日の閣議では行われていない。

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・ 村山元総理の北朝鮮訪問

(問)村山元総理が近く訪朝されるという話があるが、右についての大臣のお考え如何。

(外務大臣)こういう状況の中で、村山元総理が訪朝されるということは、それなりに我々にとってみれば注目すべきものがあると思っている。どういう会談が行われるか、どういう対話が行われるか、或いは村山元総理ご自身がどういう感触を持って帰国されるか、自分(大臣)は、帰国された際、村山元総理からお話を伺いたいと思っている。

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外務大臣会見記録 (平成12年11月24日(金)09:15~09:25 於:本省会見室)

・ 閣議

(外務大臣)本日は総理もシンガポールに行っており、閣議はごく事務的な案件を処理したのみである。扇国土庁長官より政務次官の三宅島視察について報告があったのみである。

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・ 内閣不信任案に関する野中幹事長発言

(問)野中幹事長が先日の不信任案について、内閣は信任されたものではない旨の発言を行っているが、この件について大臣はどのようにお考えか。

(外務大臣)自分(大臣)は直接伺ったわけではないが、野中幹事長の発言は総理が機中懇で述べたあの受け止め方が良いと思う。昨日の野中幹事長の発言を聞いても総理の機中懇の理解で間違っていないと思う。

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・ タイによる自由貿易圏構想の提案

(問)シンガポールで開催しているASEAN+3で、タイがASEANに日中韓を加えた自由貿易圏構想の作業部会を設置を提案する旨伝えたと聞いているが、この件について政府としてはどのように考えておられるか。

(外務大臣)自由貿易協定については日本は今まで行ったことがない。最近に至りシンガポールと研究をしてみようということで、経済連携協定という自由貿易協定より少し進んだ新しいタイプのものを研究をしている。その研究については、よい研究ができたという報告を両政府がしており、年が明ければ政府間レベルで更に検討することになっており、これは日本が考えている二国間としては初めてのものとなる。それ以外にも日本に対して自由貿易協定を研究しようではないかという話がいくつかあることは事実である。例えば韓国がそういった提案を民間レベルで行っている。しかし、政府が関係してそういったものを行おうとしているのは具体的には無いのが現状である。更に、これらについては先般のAPECの折りにもWTO等との整合性について十分考えるべきだとの意見があり、勿論、我々は二国間協定がWTOの立ち上げにプラスになるということであれば整合性があってよいと思うが、必ずしもそう思っている人たちだけではないわけで、若干懸念する向きもあったように記憶しており、タイの提案については、すぐにそういった方向に進むかというと、自分(大臣)はそのようには思っていない。これを行うとすれば、事務レベル又は閣僚レベルで少し話し合わないと農業問題を初めとして非常にたくさんの問題を抱えているので、そう簡単な作業ではないと思う。

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外務大臣会見記録 (平成12年11月17日(金)08:50~09:05 於:院内外務省控室)

・ 閣議・閣僚懇の模様

(外務大臣)閣議は、今日は殆ど案件らしい案件もなく終わった。閣僚懇では、この臨時国会の重要な目的の一つである補正予算の審議がいよいよ始まるわけで、この補正予算を出来るだけ早く成立させて、国民生活に不安のないようにしていかなければならない、そのためには閣僚は補正予算審議にしっかり取り組んでいくべきだという話をした。各閣僚からもそれぞれ担当している法案の審議も大詰めに来ているので、これらの法案の審議に全力を挙げようという話があった。

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・ ブルネイAPEC(アジア太平洋経済協力)

(外務大臣)先般来ブルネイで開かれたAPEC閣僚会合そして首脳会合が終わり、総理も今日夕方帰国する。APECの会議においては、アジア経済危機が回復の方向に動いている。一方で、経済のグローバル化というものが次にやってくる。こういうことからアジア経済というものは、いくつかの問題を抱えている。それから目の前にある問題としては、石油の価格の高騰が不安定要因としてある。こういう情勢の中で開かれたわけである。議論は様々あり、相当幅の広い議論であった。皆さんが報道されたように、一つはやはりWTO(世界貿易機関)問題があった。これは、APECメンバーとすれば関心事である。APECメンバーは、ご承知のとおり先進国もいれば途上国の人たちもいる。様々な立場の人たちがWTOの新ラウンドの立ち上げについて意見を持っておられるわけである。日米はWTOの立ち上げを出来るだけ早期にやる必要がある。それが多角的自由貿易体制への信頼を得ていくためのもので、今のような状況では信頼を失いかねない。できるだけ早く合意をしてWTOの新ラウンドの立ち上げを、という提案をしているわけであるが、それに対して若干の慎重論があった。早く立ち上げよう早く立ち上げようと言っても、まずはアジェンダの整理が先だ。アジェンダが整理されていないのに、その立ち上げだけ急ごう急ごうといっても無理だ。だから、アジェンダの整理をやらなければいけないという議論もあった。この議論は落ち着いてよく考えると、アジェンダの整理をすれば立ち上げられることとそう違わないわけであるから、言っている意味はそうひどく離れたわけではなく、できるだけ早期に議題の整理をして、2001年中に新ラウンドをスタートしうる、という合意が最終的に首脳レベルでの会合ではなされたということである。
 それからやはりAPECでもメンバーの中から情報格差(デジタルデバイド)の問題が提起されて、日本はこうした情報格差を埋めるための協力を行うこととし、参加各国からこれに対して非常に高い評価があった。
 来年は中国の上海でAPECが開かれるということで、中国から「来年上海へどうぞお集まりください」という話があって、APECは終わったということであった。夕食会あるいは昼食会等の席上では、APECそのものの意義をもう一度問い直す必要があるのではないかとか、APECの運営についてそれぞれ意見が出たりしたが、これは特に意見を集約するとかということではなくて、まだまだそれぞれの意見を述べ合うという段階であった。
 それから、首脳会合、これはご承知のとおりブルネイが議長国であるから、ボルキア国王が議長を務められたが、議長は最後の首脳会議の宣言を発表された後、北朝鮮がもし望むならワーキンググループ等に参加をして一緒に作業するということも歓迎する、という発表があった。これは、文書にはなっていないが参加者の合意ができたというふうに受け止めていただいていると思っている。

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・ 政局関連

(問)報道にあるとおり、20日に内閣不信任案が提出されるのではないかという方向になってきており、国会での対決が避けられない情勢だが、これについてどのように考えられるか。また、河野グループとしてどのように対応されるのか。

(外務大臣)今日夕方総理が帰られて、総理は総理としての決意を述べられると思う。我々は、森総理を中心に、先ほども述べたとおり、政策を具体化する作業に取り組んで行こうということを閣僚懇でも話あったわけである。それは当然のことで、今の状況の中でも、国民生活に直結する問題を始めとして、問題を解決する努力をしていくということが必要だと思っている。従って、それは国会議員として、もっと言えば与党議員として、この補正予算の重要性というものは、誰しもが分かっておられることだと思うから、 20日から始まる予算委員会でも、これは今新聞・メディアの皆さんもいろいろ書かれるが、この補正予算の重要性というものを認識して、しっかりこれに取り組んで欲しいと、党を挙げて取り組んで欲しいというふうに思う。

(問)ここ数日間で大臣の名前が総理候補として書かれているがどのような感想をお持ちか。

(外務大臣)私は森内閣で外務大臣として任命されているわけだから、それはもう外務大臣としての責任を果たすということが、これはもうあくまでも大事なことである。しかも、今日本の外交問題は非常に重要な場面にいるわけで、そこの仕事の手を抜いて他のことを考えたりやったりするということは今考えていない。外務大臣在任中は、その責任を全うするというために全力を挙げることが必要だと思っている。いろいろ取り沙汰されることは仕方のないことでというか、皆さんがお書きになることであるから、それはそういうものかなあ、と思う。しかし、我々はゲームをやっているわけでなく、政治そのものをやっているわけであるから、毎日真剣勝負をそれぞれの責任をもってやっているという意識を私としては持っている。

(問)責任の話をされたが、大臣が次の総理・総裁となることへの期待に対する責任についてはどう思われるか。

(外務大臣)政治家としていろいろな評価をいただくことは大変有り難いことではあるが、具体的に今自分が外務大臣の仕事をしているわけであるから、これはもうどうなればどうという仮定の問題について考えるよりは、具体的な問題について考える、具体的な責任について考えることがはるかに重要だと思っている。

(問)加藤元幹事長の最近の発言や行動についてどのように思われるか。

(外務大臣)まあ、やっぱりいかにも唐突だという気は拭えない。あれだけ党人として経験もあり、党の責任者の立場にもおられた方だから、先週末も沖縄の那覇市長選挙を本当に一生懸命闘っている仲間達にとって、こういう発言や行動がどういう影響を与えているかとか、あるいは自分がずっと指導者として仰ぎ指導を受けてきた宮澤大蔵大臣が補正予算提案理由を述べてこれから審議に取り掛かろうというときに、指導を受けてきた人に対する思いというのは一体どこにあるのだろうかとか、それから日本の総理大臣があれだけ世界の首脳が集まる国際会議に出て行くときに、同じ与党の中からこういう発言や行動があって、総理の国際的な発言や行動がどういうふうに取られるかとか、そうしたことを長い政党活動の経験のある、しかもかつては幹事長をおやりになった方であるから、少しはお考えになるべきではないか、あるいは考えた末このタイミングと思われたのか良く分からないが、そういうことを含めて先ほど唐突だと申し上げたのである。

(問)大臣が仰ることはよく分かるが、内閣の支持率が極めて低い、国民の期待感が落ちているという中で、一人の政治家としての行動についてはどう考えられるか。

(外務大臣)私は、同じ政党にいる人間として、どうやって支持率を上げるかという努力をすべきであって、支持率を下げる方向に動くべきでないと思う。

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・ クリントン大統領の北朝鮮訪問

(問)昨16日の日米首脳会談において、クリントン大統領は自身の北朝鮮訪問については「大変難しい」と述べられたが、大臣は右発言についてどう思われるか。

(外務大臣)私も大変難しい判断だと思う。クリントン大統領は本当に難しい判断を迫られているというふうに思う。大統領選挙の結果がどう出ても、来年1月には次の人にバトンを渡さなければいけないわけであるから、次の人が北東アジア政策をどういうふうに組み立てるかということも相当考えなければならない時期に、既に入っている。それから、かねてから米が一貫して取り組んできたミサイル協議が、なかなか難しい協議をまだ続けているという状況もある。あれやこれや考えると、なかなか難しい場面である。しかし、そうではあるけれども、大統領は大統領として判断もできる局面はあるかもしれない。しかし、それは非常に難しいことだと思う。

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外務大臣会見記録 (平成12年11月10日(金)09:45~ 於:院内控え室)

・ APEC閣僚会議

(外務大臣)今夜からAPECの会議のためにブルネイに出張する。後半の首脳会談までの間に閣僚レベルで整理し、議論すべきことを出来るだけしっかりやりたいと思っている。

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・ 米大統領選挙

(問)アメリカの大統領選挙に関し、次期大統領が確定しない状況が続いているがどんな感想をもっているか。

(外務大臣)大変激しい選挙であった。事前にメディアが報道したように本当に激戦であった。それにしてもこれだけ拮抗して、なおかつ結論がまだでないということは選挙の激しさと同時にに多少の驚きをもっている。願わくば早い時期に適正な選挙の結果が出ることを期待している。

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・ ODA削減

(問)ODAの削減について亀井政調会長が批判されて、与党三党でも額はともかく色々な意見があるようだが、それについてどうみているか。

(外務大臣)今朝報道で承知した。どういう意図であのような話になったのか詳しく聞いてみたいと思っている。外務省としてはODAの重要性というものは、説明をできるだけしてきたつもりであったが、まだ説明が十分でなかったところがあるのかと考えている。ODAについては、国際社会が日本に対して大変な期待をしており、あるいは我が国の国際貢献はここに一つの形になって出てくるということでもある。ODAの重要性はますます増えるこそすれ減ることはないと自分は思っている。つまり世界各地で貧富の差が非常に激しくなってきて、その貧富の差が紛争の原因になっているということもあるので、我々が紛争を未然に防ぐ一つの大事な手段として貧困の撲滅というものを主張している。国連でも貧困を具体的に減らす目標をたてて世界に呼び掛けることをしているわけで、そのような時に我々が果たす役割について理解して頂かねばならないと思っている。これについては我々がもう少し努力をする必要もあるかもしれない。

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・ 日露首脳会談

(問)ロシアの件だが、15日に首脳会談があり、事前に大臣もロシアに行かれたわけだが、いわゆる新たな提案を大臣がなされたということについて改めて聞きたい。

(外務大臣)新たな提案というのは、首脳会談で外務大臣に対して3つの努力を要請された中の一つであり、新たな方策を考えろという指示があった。クラスノヤルスク合意を考えてみても2000年に全力を尽くすという合意も時間的に切迫してきた。尚一層の努力に全力を尽くす必要があるという気持ちで自分はロシアに参った。我々の交渉の基本的態度は変わっていない。我々の主張は従来通りである。その主張をロシア側に是非理解してもらうために、自分はエリツィン大統領(当時)が繰り返し言われた「法と正義」であるとか、ロシア外交の考え方だと発表された国際的に理解される結論を導くことが大事であるといった縦糸もしくは横糸の上にのせてロシア側の理解を得たい。首脳会談については、話を横で聞いていて、総理とプーチン大統領は非常に歯車が合い、非常に率直な話が出来るので、15日にも率直な話をして下さると思っている。

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