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大臣会見記録 (平成12年7月24日(月)16:15~ 於会見室)(外務大臣)今日は閣議、引き続き安保会議があった。いずれもいろいろ議論があった。特に安保会議は、1回で結論が出る問題ではない。これから先も議論が続くと思う。これは当然と受け止めている。閣議も、自分からサミットの報告等をし、皆様方のご協力に感謝して、閣議を終了した。
ASEAN+3外相会議、ARF閣僚会合、ASEAN拡大外相会議(冒頭発言)
(外務大臣)自分の方から今日特別申し上げることはないが、明日からバンコクへ出張する。25日から29日までASEAN+3外相会議、ASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会合、ASEAN拡大外相会議と大変盛り沢山の会議である。更にご承知の通り、二国間の会談も予定されているので、大変な出張になると思うが、引き続き頑張ってみたい。30日に帰国する。ASEANの会議の中身については、ご質問があればそれぞれお答えすることにする。出張のご報告だけさせていただいた。
北朝鮮外相との二国間会談
(問)北朝鮮と外相との会談が予定されているが、20分という短い時間と伺っている。何を話し合うおつもりか。日朝国交正常化交渉の日程をはっきり打ち出すのか。
(外務大臣)日朝外相会談を行う予定ができている。しかし、これは初めてのことなので、どういうことになるか自分の方も慎重に会談に臨みたいと思っている。双方でいい雰囲気で会談ができれば、今お話のとおり、現在延期の状況になっている日朝国交正常化交渉の実施時期等については話をしてみたいと思っている。
(問)先程、拉致問題の家族の方が外務省に来て要望書を提出したが、日朝外相会談で拉致問題を取り上げてほしいとお願いしたとわれわれに説明があった。これについての大臣のお考えは如何か。
(外務大臣)どんな内容があるのかまだ聞いていないので、コメントを控えさせていただく。
(問)申し入れとは別にして、外相会談で拉致問題について話し合う予定か。
(外務大臣)外相会談については今申し上げた通りである。これは、ご質問にあったように限られた時間であるので、いい雰囲気で話ができるのであれば、国交正常化のための交渉を実施する時期等について話し合うということが何より大切だと思う。
(問)サミットでは、北朝鮮の最近の外交姿勢について歓迎し、評価するということがG8で確認されたが、そのサミットでの議論の中身や雰囲気をそれとなく北朝鮮の白外相に伝える意向はあるか。
(外務大臣)自分はまだ会議がどういう段取りになるのかよくわからないが、何らかの形でG8サミットの結果や内容の説明を皆さんにするということに恐らくなるだろうと思う。
(問)それは、個別会談においてか、あるいは全体会合においてか、まだはっきりしないということか。
(外務大臣)そうである。
(問)前から何回も伺っているが、(北朝鮮への)食料支援について政府内で検討しているということは全くないのか。
(外務大臣)今は検討していない。
(問)森総理が改めて金正日総書記と直接意志の疎通ができないかという意欲を示しておられるが、そうした総理の意向についてはどうお考えか。
(外務大臣)韓国の金大中大統領から「できるだけトップ同士の意志の疎通が問題を解決するのに役立つ」というアドバイスがあり、これは皆さんご承知のとおりであると思うが、それを総理は念頭に置いておられると思う。意志の疎通のためにどういう方法を使うか、どういう場面でそうなるかということについては、まだ計画されていない。
外務大臣臨時会見記録 (平成12年7月18日(火)11:50~ 於:会見室)(外務大臣)急にお集まりいただき申し訳ない。申し上げたいことがあるのでお集まりいただいた。
わが国は、かねてから北朝鮮と非公式協議を行ってきたが、その結果、次のことが決まったので、発表する。
まず、来週バンコクにおいて開催予定のアセアン地域フォーラム(ARF)閣僚会合の機会を利用して、7月26日午後6時半より、自分(大臣)と白南淳(ペク・ナムスン)北朝鮮外相との間で短時間会談を行う運びとなった。
また、日朝国交正常化交渉第10回本会談、日朝赤十字会談及び第3回日本人配偶者の故郷訪問をいずれも早期に実施することで意見が一致した。これを受けて、今後、日程の調整を行っていくこととなった。(問)早期に実施するとのことだが、「早期」とはいつごろか、8月中か。
(外務大臣)まだ「早期」というだけで、それ以上のところまで進んでいない。
(問)外務省としてはいつ頃を目標としたいのか。
(外務大臣)双方の準備が出来次第早い時期にと思っている。
(問)ARFでの会談は短時間とのことだが、どの程度の長さを念頭においているのか。
(外務大臣)20分程度である。
(問)第10回の交渉をするにあたり、追加のコメ支援等前提条件は事前に考えているのか。
(外務大臣)考えていない。
(問)外相会談では議題は何か、大臣は何を話し合いたいか。
(外務大臣)南北首脳会談を受け、朝鮮半島の緊張緩和あるいは朝鮮半島の状況がいい方に向かっているということを先般のG8の外相会合でも議論したが、この状況を後押しをするということが大事であるというG8外相会合での議論、また、韓国の金大中大統領との話し合いにおける様々な先方からのアドバイスもあるので、自分(大臣)としてはまず大事なことは北東アジアの平和と安定を作り上げる努力ということがあると思う。
もう一つは日朝国交正常化交渉が延期されているが、これをできるだけ早く開催することについて話し合うということが、今考えられる。(問)ARF日朝外相会談の場で、次の日朝交渉の再開の時期について具体的に合意したいというお考えか。
(外務大臣)それはそう思っている。
外務大臣会見記録 (平成12年7月18日(火)10:12~ 於:本省会見室)(外務大臣)今朝は閣議があったが、特段報告することはない。外務省関係では三塚代議士がペルーのフジモリ大統領の就任式に政府特使として行かれるという人事案件があった。後は特別ここで報告するようなことはなかった。
NMD(国家ミサイル防衛)関連
(問)先週の宮崎外相会合でNMDについて慎重論が相次いだが、大臣はどのように考えるか。
(外務大臣)NMDは米が直前の実験が上手く行かなかったということもあったが、米自身はああした実験が1つ上手く行かなかったからといって、全体的な予定がそれですぐ変わるものではない、ということを言いつつも、まだまだ計画を決定するという段階ではないという意味のことを発言されたわけである。それに対して、幾つかの国からコメントがあったが、自分(大臣)は議長としてこうした議論を注意深く聞いて、最終的に議論をとりまとめるというか、議論をおさめるという役割を果たさなければならなかったから、日本としての発言は実はしていない。この問題については、まだ今米もそういう話をし、露側もおそらく、これは自分(大臣)の想像であるが、これから中国あるいは北朝鮮へプーチン大統領が行かれるわけで、そうした旅行の中でもこれらの問題についていろいろな意見の交換があるのだろうと思うが、そうしたことをおそらく踏まえて、米露間でいろいろな議論が行われるだろうと自分(大臣)は思っている。この問題はすぐれて米露両国間で議論がなされていく問題である、というふうに思う。
(問)NMDについて「すぐれて米露両国間で議論される問題だ」と仰ったが、ということはNMDに関してはG8の中で話題にするのは適当ではないというお考えなのか。
(外務大臣)G8の中で議論される可能性はあると思う。しかし、それがどういうところにその議論が収斂されて合意されるかということになると、それはやはり出席者の様々な意見その他をよく聞かなければいけないのであって、ここで自分(大臣)が「議論が行われて、G8としてこういうところに落ち着くでしょう」というようなことを申し上げるものではないということである。
北朝鮮関連
(問)先日の金大中大統領との会談で、金大統領の方から「北朝鮮が困っている際に、体面を傷つけないように助けることが重要だ」というようなアドバイスを受けたとの話だが、大臣はどのように受け止めたか。また、これは受け取り方によってはコメ支援を求めているともとれると思うが、この点はどう考えるか。
(外務大臣)まず後ろの質問から申し上げると、金大中大統領との間でコメ支援問題については、いっさい話題はなかった。南北首脳会談についての話をずっと大統領から伺っている間に、大統領から「北(朝鮮)と話し合うときに大事なことは、やはり相手の体面を傷つけるようなことは決してすべきでないということに十分気を付ける必要がある。それから先方が困っていると思う問題については、やはり支援をするということは、それはそれで大事なことだと自分(金大統領)は思いました」ということを言われたわけで、それは自分(大臣)としては、金大統領の経験に鑑みて、貴重な経験談、アドバイスをして下さったというふうに受け止めた。
(問)ARFで何らかの形で大臣と北朝鮮の白南淳外相と折衝というか対話の機会が恐らくもたれると思われるが、その場で大臣はどういうことを話されるか。
(外務大臣)まだちょっと早い。
沖縄米軍基地関連
(問)まもなくG8首脳会合が始まるが、大臣も「沖縄という場所にはやはり深い意味がある」と仰っている。昨日沖縄の米軍が基地を報道陣に公開し、その重要性をアピールした。一方では市民団体の方からは従来から基地の現状を見て欲しいという思いもある。政府は一環して普天間基地返還問題とサミットはリンクしないと言ってきたが、(沖縄の米軍)基地の存在自体、そこでやるサミットということについて政府としてどう考えるか。
(外務大臣)これまで申し上げていたのは、普天間基地の移設問題は、サミットを沖縄でやると小渕前総理が決断をされるずっと前からそういう話があって、普天間飛行場周辺の住民の方々から騒音であるとか、危険だというような意見があって、これは普天間から別に移転をせよという話があったわけであるから、これがサミットとリンクするということはないと言うことを申し上げてきたわけである。
それから、今回のサミットでG8のメンバーが沖縄の基地問題について議論されるということは、自分(大臣)は想定していない。それは沖縄の基地問題はやはり少なくともG8のメンバーの中では日米という二国に関係がある問題であるから、G8全体の問題としてそれを俎上に乗せて議論するということにはならないだろうというふうに思う。もう一つ申し上げれば、あの限られた時間の中で、G8のメンバーがどこまで沖縄の基地について見たり議論したりできるかというと、それはやはり相当限界があるだろう。ただし、このG8メンバーに同行された方々、あるいは一緒に来られた取材の方々、そうした方々が沖縄をご覧になってそれなりに報道をされたり、あるいは認識をされたり、そういうことはきっと相当あるだろうと思う。(問)クリントン大統領が沖縄返還後、米大統領として初めて沖縄に行くことになるが、平和のメッセージが平和の礎で計画されていることもあり、今回の「ク」大統領の沖縄訪問(サミットは別にして)は今後の日米関係にどういう影響を与えるというふうに期待しているか。
(外務大臣)「ク」大統領はこれまで「沖縄に行って沖縄県民と会うことは大事なことだ、楽しみにしている」とコメントしていると記憶しているが、大統領は今お話のように、沖縄を訪問されて、平和のメッセージを出される。こうしたことで、日米間特に沖縄の皆さんに米との間の関係というものがさらに深く理解されることを心から期待したいと思っている。
ドミニカ共和国移民問題
(問)今日ドミニカ移民の過去に日本政府が募集して行ってみたは良いが、土地は荒れ果てた状態だった等、色々問題があることが伝えられているが、そのドミニカ移民の人達が日本政府を今日にも提訴する旨の報道があったが政府としてどのように受け止めているか。
(外務大臣)新聞、ニュースで拝見はした。正直言って、まだ訴状も見ていない。その訴状の内容はわからないので、コメントは差し控えさせていただく。ドミニカの問題は一般論として、ドミニカのようなところに夢を持って行かれた方が大変苦労されたということについては、事実を確認できるのであれば、お気の毒であったと申し上げるのが良いのだと思う。政府もこれまで何度か支援をしてきたり、色々な政府として出来る作業を行ってきたわけであるので、事実実体がどういうことになっているかということを訴状をもう一度拝見した上で、もし何か政府がやらなければならないことがあるとすれば、考える必要があるかもしれない。いずれにしても訴状を拝見する前にはコメントは差し控えさせていただく。
(問)関連であるが、外務省はこの前の15回目の外交文書の公開で各地の移民に関する文書は公開したわけであるが、何故かドミニカの移民に関しては公開されていないが。
(外務大臣)これは必ず公開する、次回には必ず出来ると思う。別に意図的にドミニカを公開しなかったということではないと自分(大臣)は承知している。
NTT接続料問題
(問)NTTの接続料を含む日米協議の件であるが、ある程度、妥協というか合意に近づいているのかどうかということを含めて大臣の見通し如何。
(外務大臣)これはまだ見通しを申し上げられる段階ではない。大変努力をしており、米側も日本側の努力していることについては理解が少し進んでいるように思っているが、結論その他は、今まだ予断出来ない。
外務大臣会見記録 (平成12年7月11日(火)10:30~ 於:本省会見室)(外務大臣)閣議は案件も非常に少なく短時間で終了した。自分(大臣)はこれから明日からのG8外相会合に出席するために宮崎に行く。G8外相の方々と幅広い意見の交換ができて、一致できた認識について発表をすることができればいいと思う。
北朝鮮との国交正常化交渉再開関係
(問)北朝鮮との国交正常化交渉が8月末にも行われ、15万トンの米支援が行われる旨の報道があるが事実関係如何。
(外務大臣)一切そうした事実はない。
(問)米支援については全く検討していないと大臣はおっしゃっていたが、このお考えに変更はないのか。
(外務大臣)全く検討していない。
(問)国交正常化交渉が8月末にということについても、政府部内等及び北朝鮮との間で話はされていないのか。
(外務大臣)していない。正常化交渉は先方より当面延期する旨の連絡があり、現在延期の状況になっている。我が方としては今回の交渉、つまり再開2回目の交渉は東京で交渉を行うという、延期前の状況をそのまま気持ちの上では続けている。(我が方は)交渉を行う意志がある、双方の合意ができれば交渉を行う準備を始める気持ちはあるが、現在の段階ではそうした状況はない。
(問)今後国交正常化再開のために米支援を行うという考えについては、大臣自身どうお考えか。
(外務大臣)少なくとも現在そういう気持ちは持っていない。
(問)G8外相会合で朝鮮半島問題をどのように取り上げていくつもりか。
(外務大臣)これから話し合いを行うわけであるから、どういう合意、認識の一致ができて、文章になるかならないかはやってみなければわからないが、自分(大臣)とすれば、朝鮮半島における緊張緩和に向かっての動きは一定の評価をしていい、これは前向きの評価と同時にバランスのとれた評価をする。首脳会談が行われたことは歓迎をすべきではないかと思う。そのような気持ちで朝鮮半島問題については意見を述べたい。
(問)外相会合で積み上がったものを首脳会合に持って行くわけであるが、首脳会合ではどのようなメッセージが出るとお考えか。
(外務大臣)自分(大臣)がそこまで申し上げる立場ではない。まずは外相会合をやり、合意をつくる努力をしてみて、更に首脳レベルで話し合いがなされると考えている。
「そごう」の債権放棄問題
(問)そごうの債権放棄の問題は今朝の閣議では話題に出たのか。
(外務大臣)この問題は先般来から、閣議や閣僚懇でも内閣としての統一見解をきちんと整理をして関係閣僚から説明をするという話がある。自分(大臣)はきちんと法令に従って処理がされること、経営者の責任についても納得がいく責任追及がなされることが重要であると思っているが、関係閣僚の意見を聞かなくてはいけないと思っている。
ARFでの北朝鮮とのバイ会談の可能性
(問)ARFで(北朝鮮と)バイで外相会談を行う可能性はあるのか。
(外務大臣)同じ部屋で同じテーブルを囲むわけであるから、そういう意味での接触があるということは予測できると思うが、それから先の話はこれからの話である。
クリントン大統領のサミット訪日中止報道
(問)クリントン大統領がサミット首脳会合に来日しないことを示唆した旨の報道があるが、事実関係はどうか。
(外務大臣)一切承知していない。
外務大臣会見記録 (平成12年7月7日(金)10:45~ 於:本省会見室)(外務大臣)今日の閣議・閣僚懇では、各大臣がそれぞれ活発に発言され、少し長時間になった。森内閣の新生プランの中に位置づける事柄、その中で考えなければならない事柄、IT戦略本部等で議論すべき事柄などについて、それぞれ発言があった。例えば、大島文部大臣からはIT戦略本部或いはIT戦略会議が設置されるが、これらはいずれもややもすると技術的な問題、つまりIT技術をどうやって進めるかというような問題に重点が置かれているように見えるが、大事なことは教育の現場でIT時代あるいはIT社会の中に暮らす人を如何に教育していくかという点ではないか、こうした位置づけを十分考えるべきではないかという発言があった。これに対し、官房長官からは、文部大臣はIT戦略本部のメンバーであるから、その席で十分ご発言を頂いて、その発言に十分配慮していきたい、という話があった。保岡法務大臣からは、司法改革の重要性について御発言があった。
G8宮崎外相会合に際してのG8外相と非G8諸国外相との朝食会の開催
(外務大臣)7月12・13日のG8外相会議の際に、G8外相と非同盟運動(NUM)のトロイカ(現在、前回、次回の議長国)である南アフリカ、コロンビア、バングラデシュ、77カ国グループ(G77)議長国であるナイジェリア、第10回UNCTAD総会議長国及びASEAN議長国であるタイの各国外相を宮崎にお招きをし13日午前8時からG8外相会合の会場であるシーガイヤにおいて、朝食会を行い、意見交換をする。
(問)G8外相と非同盟諸国等外相との会合での議題は何か。
(外務大臣)「グーローバリゼーションとその挑戦」というテーマを掲げている。これはG8の外相会議で議論する紛争予防、開発というようにテーマを絞らず、大きなテーマの中で自由に議論して頂く考えである。
沖縄での米海兵隊による住居侵入・準強制猥褻事件
(外務大臣)沖縄での米海兵隊による住居侵入・準強制猥褻事件は、極めて重要な問題であると考え、昨日浅野政務次官を沖縄に派遣した。浅野政務次官は昨日夕方ヘイルストン在沖縄米軍四軍調整官および稲嶺沖縄県知事と会談した。また、昨日は荒木総括政務次官からラフルーア在京米国大使館次席公使に対しも同様の趣旨のやりとりをした。ヘイルストン調整官とのやりとりで、浅野政務次官は3日の事件に関し、強い遺憾の意を伝えた。事件の再発防止のため米軍において沖縄県民が納得できるような実効的な追加的な綱紀粛正策を早急に打ち出すことを強く求めることを申し上げた。浅野政務次官は、一方で、日本の平和と安全のためともに友好信頼関係を持つということは極めて重要なことである、信頼関係を強めつつこうした問題に努力したいと述べた。ヘイルストン調整官からは、心からの謝罪を申し上げる、このような事件の再発防止のために自ら強い指導力を発揮したい、一層の綱紀粛正につとめるべく最大の努力をしたいと述べた。浅野政務次官は稲嶺知事とお会いし、こうしたやりとりの報告をした。稲嶺知事からは、政務次官が沖縄に来ていただいたことを多とする、引き続き外務省においては、事件の再発がないよう努力してほしいとの話があった。浅野政務次官からは被害者ご本人及びご家族にお見舞い申し上げる、先ほど米側に対して、日本側の強い遺憾の意を伝えるとともに、再発防止のための一層綱紀粛正のため抜本的かつ実効的で追加的な措置を取ることを求めてきた、県民の方々の思いを十分理解し政府として十分フォローしていく、という内容のやりとりがあった。
(問)沖縄での事件に関し、地元県議会ではクリントン大統領が沖縄に来た際に、謝罪を求めるべきだという声があるが、そういった中でサミットの対応をどのように考えているのか。
(外務大臣)それについては、我々は詳細に聞いていない。サミットの折りにどういう対応をするのかについては、今現在詳細を承知していない。
(問)95年の沖縄で暴行事件の際も地元から政府の対応の遅れを批判する声が出ていたが、今回も政府の対応が遅かったというような反発があるようだがどのように受け止めているのか。
(外務大臣)今回は事件発生直後から容疑者を日本側が逮捕し、日本側に身柄があるわけで、従って事件そのものへの対応ということでは、前回と違う訳である。
(問)政務次官の沖縄への派遣が事件後3日経ってからで、若干時間が経過したという声があるようだが。
(外務大臣)それは、事件直後、直ちに、野村大使から米側に強い調子の申し入れがなされており、そういう意味での対応は相当迅速に行われている。
(問)前回のレイプ事件では沖縄県民の米軍基地への反発が非常に強まったが、この事件が普天間代替施設移設問題に影響を及ぼす懸念はあるか。
(外務大臣)私は、影響がないことを期待している。普天間移設問題は普天間飛行場周辺住民の強い希望があって、それを受けて移設をしようということになってきたわけであり、こうした住民から普天間飛行場から発生する騒音や精神的不安感を払拭するということを考えて、橋本・クリントン日米首脳会談でこの話を取り上げ、進んできている訳であり、この飛行場の移転については、空港周辺の住民の気持ちもやはり考える必要があるのではないかと考えている。
外務大臣会見記録 (平成12年7月5日(火)0:08~ 於:本省会見室)(外務大臣)大変遅くまでお待たせして申し訳ない。この度外務大臣を引き続きやれという指示を頂いた。今月はもう九州・沖縄サミットが開催される月でもある。外務省を始めとして、この九州・沖縄サミットに全力を挙げてその準備にあたってきたわけであるから、是非ともこのサミットを成功させるために、微力ではあるが努力をしたいと考えてお引き受けをした。
目の前の問題は大変大きな九州・沖縄サミットではあるが、それと同時に我が国外交は今様々な問題に直面していると思う。今日何度も述べた。重ねて申し上げることになるが、日米関係については、沖縄の基地問題を始めとして、非常に重要な協議をこれから行わなければならない場面だと思う。我が国外交は何と言ってもこの日米を基軸にして組み立てられているわけだから、十分慎重の上にも我が国の国益を考え、当面の問題、更には長期的な視野に立った日米関係というものをよく考えて臨まなければならないというふうに思う。
ロシアとの関係も東京宣言を始めとして、今年2000年という年は、何としても双方が努力して実をあげる大事な目途となっている年である。昨年暮のエリツィン大統領から引き継がれた新しい、本年のプーチン大統領との間に、この問題をしっかりと、首脳会談等で答を出していく、そういう目標に向かって努力をしなければならないというふうに思う。プーチン大統領は沖縄サミット、更には二国間の首脳会談ということで、これから数ヶ月の間に日本訪問が2回にわたって計画されているわけである。なかなか沖縄サミットの時には十分な時間がとれるとは思わないが、しかし森総理はロシアを訪れて、既にプーチン大統領とは相当長時間の話し合いをなさったという経過もあり、二人の話し合いができるだけ十分に進むように、我々も努力をしていかなかればならないというふうに思っている。
韓国、中国。これは、北東アジアの安全のためにも極めて重要な関係を持っていると思う。とりわけ朝鮮半島における南北首脳会談の実現という画期的な話し合いが行われて、一つの希望というものが見えたというような感じもしている。まだまだこれがどこまで具体的な形で進むかについては、我々予測ができる状況はないが、しかしこうした話し合いができたという事実、これは我々にとって勇気づけられるものでもあった。朝鮮半島の緊張が緩和する兆しというものを我々は見つけだすことができるように思う。日韓、日中を始めとして近隣諸国との関係を大事にしてきたつもりであるが、アジア、ASEAN、こうした国々との関係について、更に一層十分な配慮を払いながら、その関係をよりよく進展させる努力をこれからも続けていきたいと思う。
ヨーロッパとの関係は、今朝も申し上げたが、「日欧今後の十年」と題するスピーチを今年の1月にパリで行った。このパリにおけるスピーチについて、大変有り難いことにヨーロッパの関係者からは肯定的な意見が寄せられており、こうした意見を基に日欧関係を前進させていくということを積極的にはかりたいというふうに思っている。
ヨーロッパと言えば南東欧地域についても日本が大きな関心を持っているということを示すことができた、ハイレベルの会議を一つのてこにして、これから先も南東欧の様々な問題を、日本なりの考え方あるいは立場に立って好転させる役割を担いたいと思う。
中東も、もちろん極めて重要な局面にあると思う。この中東に対しても我が国ができる仕事というものを十分考えながら対応していきたい。今年は大変幸いなことに島サミットも行われて、これまた関係者からは大変高い評価を受けた。しかし残念ながら島サミットに参加したフィージーその他いくつかの国々は現在残念ながら紛争が起きており、この紛争の処理においてもニュージーランド、オーストラリアをはじめとする関係諸国とはかり、我が国が為し得る方向で正常化に努力をしたい、と思っている。
また我が国がどうしてもイニシアティブをもってやるべき仕事と考えている軍縮問題・核不拡散の問題について本年度のNPT(核不拡散条約)運用再検討会議が事前の作業、それからあの会議においても日本側の提案、これは過去になかった大変思い切った提案と自負しているがこうした提案が一つの成功へのプラスの材料となったというふうに考えてこの点は大変喜んでもいるが、しかしああした提案をした以上、これから先その具体化のためにまた引き続き努力をしていかなければならない、と思っている。この核廃絶への道は、かって前回外務大臣を勤めさせていただいた時に国連総会において究極的核廃絶という、それまでなかった提案をして国連総会での支持を受けた日本であるが、今回はその「究極的」という言葉を越した表現というか、そういう表現を使って、なおかつ多くの国々からの支持を得ることができた。これはやはり国際世論というものを作っていくことによって、核廃絶の方向に向かいたいと考えている、我が国と同様の主張を持つ多くの国々の行動力と協力の賜物だと思っているが、唯一の被爆国である日本のこの問題に果たすべき役割というものの重さ、大きさを考えると、これについてもこれから先努力をしていかなければならない、と考えている。
九州・沖縄サミットで議論する紛争予防の問題があるがこの紛争予防の中で大事な事の一つに国連の果たす役割というものがある。この国連の果たす役割というものを考えた時に、21世紀の国連は決して敗者になってはいけない。やはり国連が国際社会の安定・安全のために充分な役割を果たすべきだ、こう考えるが故に我々は国連改革を主張し、その具体化のための努力をこれから先も続けたいと思っている。
まあ申し上げればつきない程、外務省は問題を抱えているわけである。今月行われる九州沖縄サミットを成功に導き、さらに外務省としては、今申し上げたような様々な外交案件について、進展のための努力をしなければならないと思う。誠に微力であるが懸命の努力をいたすつもりである。国民のみなさまのご理解・ご協力がぜひ必要であるだけに、(霞)クラブの皆様方の、まずはご理解・ご支持をいただきたいということを申し上げて大変長くなったが、再任のご挨拶とさせていただく。質疑応答
(問)日露関係だが、クラスノヤルスク宣言などで2000年中に平和条約締結という目標だったが、現時点ではどうか。
(外務大臣)先ほど申し上げたように、これまでロシアの大統領が数ヶ月の間に2回も続けて日本に来るということは、これまであまりなかったことである。この前後に自分(大臣)は外務大臣としてロシアの外相ともお目にかかるということになると思うから、全力をあげて先般の合意を具体化したいと思っている。できる限り実現のための努力をするというのが、現時点の自分(大臣)の気持ちである。
(問)プーチン大統領の公式訪問の前に、大臣自身訪ロしてイワノフ外相に会うということをお考えになっているということか。
(外務大臣)いや、そこまで申し上げたわけではない。イワノフ外相も宮崎へお見えになるので、宮崎の外相会談で私(大臣)も外相とはお目にかかることにはなるだろう、ということを申し上げたわけである。
(問)8月か9月の首脳会談前の外相レヴェルでの下準備は今回の宮崎が最後になるのか。
(外務大臣)それはわからない。そうなるかも知れない。
(問)宮崎が終わってみないとわからないのか。
(外務大臣)宮崎の次の週は沖縄サミットでプーチン・森会談があるわけだから、それらを見ないとわからない。
(問)その後、大臣はモスクワへ行くかどうか考えられるのか。
(外務大臣)順番から言えばそういうことも言える。もし順番だけを考えれば、森総理が先般ロシアに行かれたのは全く順番は違う。だから必ずしも順番通りときめうちをなさらないように。
(問)今回の内閣改造に当たっては、各方面から滞貨一掃内閣ではないか、今まで閣僚になるのをずっと待ってきた人が今回集まったと非常に悪い言葉で言われているが、大臣の見解はどうか。
(外務大臣)全くそうは思わない。官房長官も言っておられたと思うが、積極的に森カラーを具体化するための仕事をするというのが必要で、そういうことができる人材がおられると思う。
(問)両院議員総会で、選挙を受けて党の若手から党改革について声があがっていることについて、大臣の見解はどうか。
(外務大臣)実は最初しかいなくて若手の発言を聞いていない。聞いていないが、それぞれ自分で選挙を経験してみて思い当たることがあったり、いろいろ体験したことがあるので、そのことを言うと思う。そのことが普遍的、一般的状況であったかどうかはまだわからない。従って執行部がみんなを集めて意見を聞いてみようと言っていることは大事なことで、「私はこうでしたよ」と言うだけでは、十分ではない。若手なら若手を集めてそれぞれの意見を聞いてみようと言うことは大事で、執行部が当選した人、残念ながら当選しなかった人から話を聞こうとしているというのは大事な事で、執行部がそれをされると言っているので、結果を待ちたい。
外務大臣会見記録 (平成12年7月4日(火)9:20~ 於:本省記者会見室)(外務大臣)今朝の閣議は内閣総辞職を決定する閣議であった。総理からは3ヶ月間一緒に仕事をしてきたが、みんなで協力しあってこれまでいい仕事をしてきたと思っている旨の挨拶があった。閣僚懇は国土庁長官から地震の問題について報告があった。閣議・閣僚懇は以上であり、非常に短時間で終了した。
これで、内閣は総辞職ということになり、自分(大臣)自身選挙で当選をさせていただいたので、これから登院をして議員の登録をする仕事がある。大臣在任中の総括(冒頭発言)
(外務大臣)総辞職ということであるから、一言だけクラブの皆さんにも自分(大臣)の外務大臣としての仕事について感じていることを申し上げたい。自分(大臣)は外務大臣に就任時において外務大臣としてこれから重点を置いてやるべき仕事がいくつかあり、その仕事の一つして北東アジアをはじめとする近隣諸国との関係をよりよく前進させることである旨申し上げた。自分(大臣)は中国、韓国をはじめとして日本の近隣諸国との関係についてできるだけ意を用いてまいった。この北東アジアについて申し上げれば、朝鮮半島の南北首脳会談の実現など変化の兆しが見えてきた。日韓あるいは日中、後に日米についても申し上げるが、大きな変化に十分日本の国として対応できる状況にあると思っている。この近隣諸国との関係を、より改善、より良き関係というものをつくることが、我が国の周辺の安定・平和のためにきわめて重要であると考えていたので、こうした仕事はこれから先も大事にしていかなくてはならないと思う。
日米関係について申し上げると、非常にセンスティブな関係でもあったし、米が大統領選挙の年であるということもあり、それなりにお互いに色々な考え方を持って両国関係に臨んだということがある。沖縄の問題はサミットの開催ということもあり、自分(大臣)にとってきわめて重要な問題であった。これらについて普天間の移設について昨年末に閣議決定を行うこともあったし、ラプコンの返還の問題についてその道筋をつける話し合いをすることができたことも、一つの仕事をやったという感じを持っている。日本国内の基地についてはPCBの問題をはじめとして、新環保を含め基地の中と同時に基地周辺住民の方々の環境問題を十分に気を使っていかなくてはならないし、問題解決のために努力をしていかなくてはならない。これはより一層の努力をするべき問題であると考えている。
日欧の関係は今年の1月の欧州出張の際に、欧州各国の指導者や外相と会談をした。更に仏において日欧関係についての考え方を述べる機会を与えられて、「日欧今後の10年」という日欧関係の一つの方向性を提示し、欧州各国の外交担当者からは、認識について合意をする、またこうした認識でお互いにやろうではないかという趣旨の比較的いい反応を頂いた。このような反応を頂いたことは、自分(大臣)にとっては大変嬉しいことであると同時に、この方向性をしかっりと守っていく必要があると考えている。日欧関係の中には、南東欧ハイレベル会議の開催をして、我が国が南東欧の問題についても関心を強く持っていることを示すと同時にこれから先もしっかりと国際社会の中で重要な地位を占める日本としてそれなりの貢献をしていかなくてはならないと思っている。
申し上げるまでもなく、これから九州・沖縄サミットが行われる。自分(大臣)もまもなくサミットが行われる状況をふまえて準備を続けてきたわけである。この準備の中には日本が議長国としてなすべき点と、サミット参加国の方の認識を十分知るという点も重要であると考えて、コソボや東チモールといった地域にも行って、現状、現場の状況を確認してきたところである。これが、外相会合や首脳会議で紛争予防や地域情勢の共通の認識を持つための基本的な認識に役だって欲しいと思っている。
地域問題について述べたが、事柄について申し上げると、軍縮の問題がある。かねてからこの問題に取り組んできた自分(大臣)としては、NPT再検討会議に国会の都合で出席できなかったことは誠に残念であったが、日本が取りまとめたNPTの今後の問題点について政務次官をして代わりに出席をさせ、世界各国に向けて提案をして、これらがNPT再検討会議で一定の成果を上げた。一時はこの会議はその成功を危ぶまれており、存続の意義すらご意見があった中で会議が成功だという評価を得ることができたことは自分(大臣)にとっては印象に残ることであった。
今後、今日の総辞職以後日本の外交政策がこうした考え方を下敷きとして進んでいって欲しいと考えている。いずれにしても今日は区切りであるから、今まで行ってきた仕事について申し上げ、今後誰が外務大臣に就任しようとも、こうした考え方を下敷きにして仕事が進められて欲しいと思っている。大臣の韓国訪問
(問)大臣は留任の方向との報道が多数されているが、その中で大臣がサミット前に韓国に行くのではないかという報道があるが事実関係如何。
(外務大臣)全く決まっていない。
(問)大臣の訪韓について韓国に行くかどうかは別にして、事前に韓国側にサミットの協議での朝鮮問題についての意向を聞く機会はあるのか。
(外務大臣)サミットにおいて朝鮮半島の問題をどのように考えるかについては、森総理と金大統領の間で話し合いもあったし、自分(大臣)は一定の認識は十分あると思う。これ以上なにかをするということであれば別だが。
(問)これ以上なにかすることがあれば別だがと大臣は今述べたが、サミットで特に朝鮮半島のことだけを取り上げて宣言を出す等の可能性はあるのか。
(外務大臣)それはまだはっきりしていない。森総理は一時そのような気持ちを持っていたようだが、これらについては具体的に作業が進んでいるとは聞いていない。これは全く総理の考えであり、これから総理からいろいろ指示があるかもしれない。
与党三党幹事長の北朝鮮訪問
(問)一部報道で、与党の三幹事長が韓国を経由して7月、8月中にも北朝鮮に行くという話があったが、この話は大臣は聞いているか。
(外務大臣)まだ具体的な話は聞いていない。
(問)具体的ではない話は聞いているのか。
(外務大臣)新聞を通して聞いている。
大臣在任中の自己採点
(問)よく最後に聞かれると思うが、自身の在任中を採点して何点か。また、仮に次も外務大臣を引き続きすれば何点を目標にするか。
(外務大臣)いつも聞かれることで、いつもお答えしているが、点数は自分でつけるものではない。強いて言えば自分(大臣)としては本当に微力であるが、全力を尽くしたということは申し上げていいと思う。自分(大臣)は元々性格がパフォーマンスをするとかそのような性格ではないので、そのことがお気に召すかどうかはわからないが、自分(大臣)の持つ能力の全能力をだしているつもりである。
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