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記者会見

外務大臣会見記録(平成12年4月)


INDEX


・ 外務大臣会見記録(4月28日付)
  ・ 閣議(冒頭発言)
  ・大臣の出張(冒頭発言)
  ・ NPTの運用検討会議
  ・ 日露首脳会議
  ・ 森総理の歴史認識
  ・ 中国・唐外交部長の訪日
  ・ 在日外国人の地方参政権の付与


・ 外務大臣会見記録(4月25日付)
  ・ 河野大臣のシンガポール・インドネシア・東チモール訪問(冒頭発言)
  ・核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議
  ・ 非戦闘員退避活動(NEO)に関する日米協議


・ 外務大臣会見記録(4月21日付)
  ・ 天皇皇后両陛下御訪欧(冒頭発言)
  ・ 緑の週間(冒頭発言)
  ・ 核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議
  ・ 扇保守党党首の台湾訪問取りやめ
  ・ ARFへの北朝鮮のオブザーバー参加
  ・ 在日米軍によるPCB廃棄物輸送


・ 外務大臣会見記録(4月18日付)
  ・ 食糧農村農業に関する閣議(冒頭発言)
  ・ 太平洋・島サミット(冒頭発言)
  ・ 中国の遺棄化学兵器処理問題
  ・ 日朝国交正常化交渉
  ・ 在日米軍の産業廃棄物処理問題
  ・ 河野大臣の外遊


・ 外務大臣会見記録(4月14日付)
  ・ 閣議の模様
  ・ 南東欧ハイレベル会議
  ・ 韓国総選挙
  ・ 不破委員長発言(日米安保の事前協議に関する「密約」)


・ 外務大臣会見記録(4月11日付)
  ・ 閣議関連
  ・ 「国際経済・金融システム研究会」報告
  ・ 南北首脳会談
  ・ 東京都知事の「三国人」発言


・ 外務大臣会見記録(4月7日付)
  ・ 冒頭発言
  ・ 質疑応答


・ 外務大臣会見記録(4月5日付)
  ・ 冒頭発言
  ・ 質疑応答


・ 外務大臣会見記録(4月4日付、臨時閣議終了後)
  ・ 冒頭発言
  ・ 質疑応答


・ 外務大臣会見記録(4月4日付)
  ・ 閣議報告(冒頭発言)
  ・ 国連改革(冒頭発言)
  ・ 日朝国交正常化交渉(冒頭発言)
  ・ 小渕総理の入院
  ・ 今の内閣




外務大臣会見記録 (平成12年4月28日(金)9:16~ 於:会見室)

・ 閣議(冒頭発言)

(外務大臣)連休中に外国に出張される閣僚の方々の出張が承認されると同時に、代理の指定があった。私(大臣)も本日から海外出張するが、留守中は青木官房長官が外務大臣の臨時代理を勤めることになっている。

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・ 大臣の出張(冒頭発言)

(外務大臣)私のシンガポール、インドネシア、及び東チモール出張の件だが、改めてご説明すると、本日、日本を発って、明日は、シンガポールでゴー・チョクトン首相、ジャヤクマール外相、更にシンガポールからジャカルタへ行き、シハッブ外相、ワヒッド大統領とそれぞれ面会をする。30日には、東チモールへ行き、デ・メロUNTATE特別代表、シャナナ・グスマンチモール抵抗民族評議会(CNRT)議長と会う段取りになっている。もう一度シンガポールに戻って、東チモール訪問を受けてジャヤクマール外相ともう一度会談する。帰国は5月2日の予定。

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・ 核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議

(外務大臣)NPTの運用検討会議がすすんでおり、日本からは山本政務次官が参加し、一般演説等をしているが、この会議については、この会議の重要性、難しい状況等を申し上げたことがあるが、会議はNMDとか核軍縮を巡ってそれぞれの立場からやりとりが一般演説を通してなされている。更に会議の中で、当初合意が難しいと思われていた核軍縮に関する補助機関の設置等が決められた。これは非同盟側が提案し、核保有国側が受けるという形でこの補助機関が作られた。議論は相当広範囲にわたっている。こうした合意も見られ、今回の会議は意味のある会議になるだろう。

(問)唯一の被爆国の日本としては、外相自ら参加すべきではないかという声もあるようだが如何。

(外務大臣)各国の外相が出席しているので、私(大臣)も出席をすることが重要な任務と思っていた。しかし、森内閣が発足して最初の全閣僚出席の上での予算委員会の総括質問が行われるということで、森内閣として全員がこれに参加して衆参予算委員会に対応するというのも非常に重要と考え、残念ながらニューヨークには行けなかった。NPTの運用検討会議も重要だが、森内閣スタートにあたっての国会の議論もさらにそれを上回って重要との判断もあり、私(大臣)の代わりに政務次官に出席を指示したので、これはこれでよい。

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・ 日露首脳会議

(問)一部報道で、サミット終了直後に、日露首脳会談が東京で行われる、具体的には7月24日、25日に行われるという報道があるが、日本側はこういうことを考えているか。

(外務大臣)まだ決まっていない。今回の森・プーチン会談が行われ、そこで話があるか、その後調整が行われるかということと思う。現在そういうことはセットされていない。

(問)検討はしているか。

(外務大臣)とにかく日本には各国の首脳が来るので、各国バイの会議が行われる可能性は露に限らずある。その中でどうスケジュールを組むかということだと思う。

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・ 森総理の歴史認識

(問)森総理の歴史認識に関して、24日の予算委員会で、過去の日中戦争が侵略戦争かどうかは皆様が判断することだと言って、中国外務省はそれに反発して、青木官房長官は「歴史認識に変わりない」と記者会見でわざわざ言われたのだが、実際に一国の総理が「侵略行為だった」という非常に重要な部分を抜かして答弁されたことについては如何。

(外務大臣)我が国の歴史認識は村山談話にもっとも整理され表現されている。村山談話作成時は、私(大臣)は外相で、森総理は自民党幹事長として作成作業に参加・協力しているので、森総理の認識は村山談話に表現されていることに違いはないことは明らかである。それ以上の説明は入らないと思う。

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・ 中国・唐外交部長の訪日

(問)唐外交部長の訪日報道があるが如何。

(外務大臣)かねてから考えられてきた。できるだけ早くおいで頂きたいと伝えておいた。いつという返事は頂いていないが、できれば5月中にでもおいで頂ければいいと思う。日時等はまだ全くセットされていない。

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・ 在日外国人の地方参政権の付与

(問)在日外国人の参政権の付与は、連休明けにでも審議入りするという話があるが、現状は如何。

(外務大臣)自自公三党合意があって、現在は自公保だが、法案として成立させるという積極的合意があった。しかしながら、自民党内に様々な意見があって、自民党内で意見の集約ができない、という理由で今日まできている。自民党内で議論を収斂させようとの話が幹部の中で出てきたという風に、直接は聞いてないが漏れ聞いた。

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外務大臣会見記録 (平成12年4月25日(火)8:45~ 於:院内ぶら下がり)

・ 河野大臣のシンガポール・インドネシア・東チモール訪問(冒頭発言)

(外務大臣)国会のお許しが得られれば、28日から5月2日までシンガポール・インドネシア・東チモール訪問を訪問したいと思っている。シンガポール、インドネシアでは、それぞれ外務大臣、首脳と、シンガポールではゴー・チョクトン首相、インドネシアではワヒッド大統領とお会いすべく調整中である。首脳及び外交担当者とは国際情勢、サミットに対するご意見なども良く伺いたいと思っている。更に東チモールは日本の閣僚としては初めてであるが、同地を訪ねて現状を確認するとともに国造りにむけての支援をどういう形で行うことが一番適切か、効果的かということを伺っていきたい。調整中であるが、現地でデメロ国連東チモール暫定行政機構(UNTAET)事務総長特別代表、グスマン・チモール抵抗民族評議会(CNRT)議長などと会談できればと思っている。更に東チモールにも日本の方がだいぶ現地で国造りの支援をしているので、こうした方々にも会ってお話を聞くと同時に激励もし、我々が今出来ることは何か確認もしたいと思っている。これは、あくまで国会のお許しが得られればという条件付きで、日程を調整中である。

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・ 核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議

(問)NPTの会議でアナン国連事務総長が米のミサイル防衛システムに関し新たな軍拡をまねかねないと批判したが、日本としてはどのように見ているのか。

(外務大臣)NPTの会議は先日も申し上げた通り非常に重要な会議である。NPTの無期限延長を決めてから最初の5年目の会議で、しっかりとした目標が提示されるNPTの意味がはっきりするとこがないと、NPTの会議を続けていく上で勢いを少し失いかねないということもあるから、核保有国に対しても、あるいは核拡散に色々な考えを持っている国についても、しっかりとした約束の履行を求めることは重要と思っている。

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・ 非戦闘員退避活動(NEO)に関する日米協議

(問)米政府が紛争などの在外邦人救出に際して秘密協定の締結を求めているが、日本側はそれを拒絶しているという報道が昨日あったが、この件を承知しているのか。

(外務大臣)これは、今まだ米側がどういうことを考えているのか正確に伝わってこない、言ってみれば、米側にタマがあるというか、そういう感じでいる。

(問)なお、真意を・・・。

(外務大臣)真意というか、米側がどういうことを考えているのか・・・。

(問)その上でないと検討できないということか。

(外務大臣)そういうことである。

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外務大臣会見記録 (平成12年4月21日(金)8:55~ 於:院内控室)

・ 天皇皇后両陛下御訪欧(冒頭発言)

(外務大臣)今日の閣議では、天皇陛下の御訪欧の日程、橋本龍太郎元首相が首席随員となることが決定された。

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・ 緑の週間(冒頭発言)

(外務大臣)農水大臣からは緑の週間に御協力願いたいという発言があった。

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・ 核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議

(外務大臣)24日からニューヨークで始まる核兵器不拡散条約の運用検討会議に外務省からは山本一太外務政務次官を出席させることとした。これは今朝の閣議でも了承された。山本一太外務政務次官は、米議会でCTBT(包括的核実験禁止条約)の批准が否決された直後にも訪米し、オルブライト米国務長官とその件につき話をした経緯がある。さらに、インド、パキスタンで核軍縮の問題につき話をしてきたという実績もある。来週月曜日は、森内閣発足後初の予算委員会総括質疑があるので、自分(大臣)はそちらに出席し、山本政務次官をニューヨークに派遣することとした。今回の運用検討会議は無期限延長を決めた5年前のNPTの会合から5年ごとに行われることになっている、運用検討会議の最初の5年目の会議であり、ここで何をやるかということが今後のNPTの持つ意味あるいは広がりの上で非常に重要な意義を持っていると思う。自分がかねてよりこの会議を重要視してきたのは、実にそこにある。加えて昨今の核軍縮・不拡散体制の堅持・強化に対する国際世論が一頃に比べるとややもすると静かになってきているという気がするが、この会議で大いに国際世論の盛り上がりも作って行かなくてはならないし、また新たな提案、新たな目標を定めてこの運用検討会議がその存在意義を示さなければならないという大事な会議であると考えている。これが、会議の成功を強く熱望している所以である。
 我が国からは8項目にわたる提案をしたいと考えており、山本演説の中でそれを示したい。こうした提案を我が国がNPTの会議で行うのは初めてのことである。各国からはこの会議に閣僚又はそれに準ずるクラスが出席すると聞いている。これはそれだけ各国がこの会議を注視していると言えるであろう。是非皆さんにもこの会議に関心を持っていただきたい。

(問)8項目提案の主な内容はどのようなものか。

(外務大臣)CTBTの早期発効。発効までの間の核実験モラトリアムの堅持。我々としても考えて熟慮したのは、カット・オフ条約交渉の早期開始及びその条約交渉が、望ましくは2003年あるいは遅くとも2005年までに終了する、とタイムリミットを付けて提案するというところである。この会議が始まるまでにロシアが非常に積極的にSTARTⅡ(第二次戦略兵器削減条約)の批准をしたり、CTBTの批准をしたりという動きを見せており、これは我々に取っても良いニュースであるが、そこで我々は米ロ間におけるSTARTⅡの早期発効及びSTARTⅢ交渉の早期開始、さらにSTARTⅢ以降の軍縮プロセスの継続というようなことを提言するということにしている。

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・ 扇保守党党首の台湾訪問取りやめ

(問)扇保守党党首が青木官房長官から自粛して欲しいということを言われて、台湾訪問を取りやめた由であるが、その経緯の中で外務省から何か働きかけがあったのではないかという報道があるが、事実関係はどうか。また、議員の方々の台湾訪問に関する外務大臣の見解はいかがか。

(外務大臣)外務省からの働きかけは無い。今回は青木官房長官の御判断と聞いているが一議員としてではなく、連立与党の党首として台湾を訪問することについて官房長官の御判断があったと聞いている。

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・ ARFへの北朝鮮のオブザーバー参加

(問)ARFへの北朝鮮のオブザーバー出席との情報につきどの様に受けとめているか。また、日朝交渉に与える影響はどうか。

(外務大臣)ARFへの参加については直接北朝鮮からそのような話があったわけではないと承知している。ハバナで行われた会合において、北朝鮮の代表からそのような意思があるというようにタイの代表が聞いたというような話がタイから出ていると聞いている。いずれにせよ自分の気持ちはこれまでは北朝鮮がバイの会議に出てくることもそう多くなかったわけであるが、一般論として北朝鮮がマルチの場に出てくることは結構なことだと思う。ただし、ASEANにしてもARFにしてもそれぞれのルールがあるので、そのルールをどの様にクリアするかということはあると思う。しかし、北朝鮮の参加に関し、否定的な気持ちを持っている人はそう多くないと思う。

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・ 在日米軍によるPCB廃棄物輸送

(問)PCB輸送に関し、米側から何か連絡はあったか。

(外務大臣)18日に横浜に着いているが、米側からは1ヶ月以内に日本以外の場所に移すという話があった。我が方の申し入れに対して在京米大は、検討の結果、また我が国とのそれまでのやりとりを踏まえて概要次のようなプレスリリースをした。一つは本件廃棄物は1ヶ月以内に我が国から海外に再搬出される、2つ目は海外に再搬出されるまでの間、本件廃棄物は米軍により適切かつ安全な方法で保管されるとのことである。

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外務大臣会見記録 (平成12年4月18日(火)9:00~ 於:院内控室)

・ 食糧農村農業に関する閣議(冒頭発言)

(外務大臣)本日は閣議前に食糧農村農業という基本法に基づく本部会議が行われ、その閣議が行われた。

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・ 太平洋・島サミット(冒頭発言)

(外務大臣)閣議においては太平洋・島サミットの開催についてご了承をいただいた。21日及び22日に開催され、まず東京で前夜祭としてレセプションが行われ、翌日、宮崎に場所を移して森総理が議長となり、島嶼国の代表が集まり会議を行うということである。

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・ 中国の遺棄化学兵器

(外務大臣)中国の遺棄化学兵器の処理について作業を始めるために、作業に必要な物資の持ち込みが武器輸出三原則に触れないということを明確にするために官房長官より閣議の場で説明があった。各大臣ともこれを了承した。自分(大臣)からは、本件が閣議で了承されたことにより、中国の遺棄化学兵器処理問題が開始される旨発言した。

(問)本件は日本から持っていく機材について閣議が行われたということか。

(外務大臣)そうである。

(問)これはひとつの大きな(処理)実施に向けてのものか。

(外務大臣)そうである。

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・ 日朝国交正常化交渉

(問)一部報道で日朝国交正常化交渉が5月下旬より踏み込んで具体的な日付が報道されているが、本件の事実関係を伺いたい。

(外務大臣)自分(大臣)もその報道は拝見したが、(交渉)日程が確定したという報告は受けていない。

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・ 在日米軍の産業廃棄物処理問題

(問)在日米軍のPCBを含む産業廃棄物が本日横浜港に入港するということであるが、有害物質の輸出入を規制するバーゼル条約及び国内法等で規制があると承知しているが、今回の持ち込まれた廃棄物についてはこの規制に関わるものであるのか。

(外務大臣)米軍の基地内における比較的低位のPCB汚染物質ということである。本件は米軍基地内のことであるので、米軍がこれを自らの責任で処理をするということで船積みをしたと聞いている。しかし、船積みをし、積み荷をどこかに輸送する目的で出航したが、その目的を果たさずに再度日本に向け航行中である旨の報告を受けたので、我が方より米側に対し、これら廃棄物を日本国内で処理をすべきではない旨申し入れた。本件については米側も理解しており、処理については日本以外の場所で処理する旨回答があったとの報告を受けている。

(問)日本以外の場所で廃棄物の処理を行うとの申し入れ以外に廃棄物の安全性及び輸送等に関する申し入れは行ったのか。

(外務大臣)当然のことであるので、特段していない。

(問)申し入れはいつ行ったのか。

(外務大臣)廃棄物を載せた船は、まずカナダに向かったが、カナダに寄港せずシアトルに向かった。しかし、シアトルでも不都合が生じ、Uターンをしたという報告を受けた時点で申し入れを行った。

(問)申し入れはどの様に行ったのか。

(外務大臣)在京米国大使館及び在米国我が方大使館を通じ米国務省に行った。

(問)現在、廃棄物を載せた船は横浜港に入港していると思うが、米側が日本以外の場所で責任を持って処理をするということであるが、横浜港から出港するまでの期間及び横浜寄港中は本件廃棄物をどこに保管するのか外務省の見解を伺いたい。

(外務大臣)詳細は承知していないが、報告されていることは本件廃棄物は横浜港に到着後、この船から一旦積み下ろされるが、1ヶ月以内に日本から海外に再搬出されるということである。

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・ 河野大臣外遊

(問)大臣がゴールデンウィーク期間中、4月28日から東チモール、インドネシア及びシンガポールを訪問するということが一部報じられているが、事実関係を伺いたい。

(外務大臣)詳細は決まっていない。

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外務大臣会見記録 (平成12年4月14日(金)8:55~ 於:院内控室)

・ 閣議の模様

(外務大臣)本日は月例経済報告があり、その後閣議が行われたため若干時間が押している。昼にも臨時閣議が開かれることになっている。

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・ 南東欧ハイレベル会議

(外務大臣)自分(大臣)から発表させていただくことは、5月15日、16日の2日間、東京に於いて南東欧ハイレベル会議を開催することとした事である。この会議は、南東欧諸国、G8、国際機関等の関係者及び内外の有識者が参加し、南東欧安定のための方策を探求するものである。昨年のコソボ紛争の激化を契機に国際社会においてはコソボやボスニアの安定のためには、南東欧地域全体の安定が重要であるという認識が高まり、昨年6月に南東欧地域全体の安定と復興を目的とする「南東欧安定協定」が採択された。
 我が国もこういった問題に深く関わってきており、昨年12月には自分(大臣)もコソボを訪れ、関係者との話し合いを行ってきた。民族間の和解など、なかなか難しい問題であるが、何としてもこの地域の安定が重要であると考えており、本年はG8の議長国であることもあり国際社会の関心事である南東欧地域の安定に関する議論により積極的に関わっていくことによって、この地域の安定に貢献をする必要がある。こうしたことは、南東欧安定協定の枠組みを補完することになると思い今回ハイレベル会議を開催することとした。これは、1月に自分(大臣)がヨーロッパを訪問し「日欧政治協力の強化」ということを提案したわけであるが、こういった提案の具体化の1つでもあると考えている。会議の日程内容は後ほど配布されると思うが、ビルト国連事務総長特使、明石氏の基調講演や相当な顔ぶれの関係者が多数集まって行われることになる。

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・ 韓国総選挙

(問)韓国総選挙に関し、今までに野党ハンナラ党が勝利宣言をし、与党民主党も議席をのばしたようである。これをどう受け止めているか。

(外務大臣)韓国総選挙は選挙が始まる前から大変な激戦であると言われており、野党ハンナラ党も与党民主党もそれぞれ必ず議席をのばすことが出来ると言っていた。結果はそれぞれが言っていたように議席をのばしたわけであるが、その結果が今後韓国の政局にどのような影響を与えるかはまだ我々が申し上げるほど事態ははっきりしていないし、コメントすることは控えるべきであると思う。

(問)この総選挙が南北関係や日韓関係へ与える影響はあるのか。

(外務大臣)影響はないと思う。(与党は)連立をして政局を運営してきたわけであるが、これまでも少数与党であった。ハンナラ党が相当議席をのばしたということはあるが、(政局運営の)形態はそう大きく変わったものではない。日韓関係は特定の政党と深く関わっているというよりは、韓国全体と日本全体の取り組みが非常に深くなってきている。基本的な基盤においては大きな変化があるとは思わない。この選挙の結果の分析は軽々にすべきでないし、軽々にできないと思うが、選挙直前の南北会談の発表などが選挙にどういう影響をもたらしたのかという事もこれから分析されてくると思うが、いずれにせよ、与党が数を減らしたわけではないので、南北関係や日韓関係に大きな変化があるとは思わない。

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・ 不破委員長発言(日米安保の事前協議に関する「密約」)

(問)共産党の不破委員長が日米安保の事前協議に関する密約を示す文書が見つかった旨記者会見で述べているが、これに関しての大臣のコメントを伺いたい。

(外務大臣)これまでもこういう話は以前からあって、クエスチョンタイムでも共産党が言っておられる。しかし、我々としては従来通り日米関係はきちっとした協議が行われて、そして長い間の積み重ねの上に立っているわけであり、不破委員長が指摘された文書は5日前にも新聞に出ている話であって、ここ一両日に新たな事態として出てきたものではないと承知しているが、いずれにせよクエスチョンタイムで小渕前総理からも何回も繰り返し共産党の質問に対して述べておられる通りであると申し上げる以外に申し上げようがない。

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外務大臣会見記録 (平成12年4月11日(火)9:20~ 於:院内外務省控室)

・ 閣議関連

(外務大臣)今日は閣議は取り立てて大きなものはなかった。漁業白書について農水大臣から紹介があった。また、有珠山の状況について関係閣僚からそれぞれの立場から話があった。一言でいうと経済的被害は相当広範囲にわたる可能性がある。今は噴火の地点に焦点が当たっているけれども、経済的な被害を被る範囲はかなり広いと見なければいけないだろう。被害状況は、とにかく今皆避難している状況で、例えば商店の主人も自分の店がどうなっているかということについて分からない人すらいるわけだから、被害の状況というものはまだ正確につかめない状況にある、といったような報告が関係閣僚からそれぞれあった。

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・ 「国際経済・金融システム研究会」報告

(外務大臣)自分(大臣)の方から今朝申し上げたいことは、外務大臣の私的な勉強会として、今年のサミットを念頭におきながら約1年間、「国際経済・金融システム研究会」を行天国際通貨研究所理事長を座長としてお願いをしてきた。この度報告書がまとまって今日提出されるということになっている。アジア経済その他、我々がもう少しきちんと持っていなければならない知見等について勉強して下さって、ここに報告書を出して下さった。一度しっかり読まして頂こうと思っている。こういう報告書が出たということを皆さんにお伝えをしておく。

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・ 南北首脳会談

(問)南北首脳会談については各国の反応も出ているようであるが、5月の日朝交渉への影響をどう見るか、また、今回の北朝鮮の動きをどう読んでいるか。

(外務大臣)南北の対話は、朝鮮半島及びその周辺の平和と安定、あるいは繁栄のためにどうしてもこうした対話が不可欠であるということは誰しも考えて折られたことだと思う。こうした対話が関係者の努力によって実現の可能性が非常に強くなった、つまり合意が発表されたということについては、自分(大臣)は談話を出させていただいたが、その後アメリカからも、中国からも、ロシアからもこの動きを歓迎する旨の発言が次々と続いている。当然のことといえば当然のことであるし、いかに今までこうした会談に対する期待があったかということを示していると思う。
 このことが日朝交渉にどういう影響を与えるかということに我々も大きな関心を持っているわけだが、まず言えることはこうした対話に臨む姿勢を北朝鮮が示している、つまり北朝鮮のトップがそうした対応を決断されたということは、今後の対話に向けてプラスである、対話が非常に効果的なものになるという意味で自分(大臣)は重ねて歓迎したいと思う。
 今日の北朝鮮が殻に閉じこもって内に向いているという状況ではなくて、国際社会にも関心を持ち、国際社会の中で自らの考え方を示して、話し合いをし、合意を見つける努力をしようとしておられるということに自分(大臣)は大変勇気づけられているし、日朝交渉に良い影響が出て欲しいと願っている。

(問)今の関連で、韓国側あるいは金大中韓国大統領に大臣の方から6月の南北対話が行われるまでに、メッセージを送ったり会談を行うことは考えているか。

(外務大臣)それは自分(大臣)が大統領にということは、少なくとも現在は考えていない。もし自分(大臣)が何かをするとすればカウンターパートである韓国外交部長と話をするということはあるかもしれない。それはこれまでの日韓関係からいって日韓の外交関係者として何らかの話をする、それはこの問題だけではなくていろいろな問題があるので、話し合うということは当然あると思う。

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・ 東京都知事の「三国人」発言

(問)石原東京都知事の「三国人」発言が波紋を呼んでいるが、「三国人」という表現について大臣はどのようにお考えか。

(外務大臣)こうした言葉を最近使う人は少ないのではないかと思う。あえてこういう言葉を使われる人があるとすれば、かつて使われていたこの言葉が持つ意味というものを知らずに使うということは余りないのではないだろうかというふうに思う。余り定義とか正確な意味がどれだけあるかということについては議論はあると思うが、少なくともそういう言葉を公職にある方が、しかもああいう場面で使われるときには、余り曖昧な使い方をするのは適当でないというふうに自分(大臣)は思う。こうした言葉はそうは思わなかったと言われても、この言葉によって傷ついたり、名誉を傷つけられたりと感じたり思ったりする方がおられる可能性があるわけだから、そうした言葉は余り不用意に使うべきではないと自分(大臣)は思う。

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外務大臣会見記録 (平成12年4月7日(金)9:20~ 於:本省会見室)

・ 冒頭発言

(外務大臣)本日の閣議は、予定されていた案件は全て了承された。閣議における閣僚発言は、農水大臣の北海道有珠山周辺の農家或いは水産業の方々への視察報告及びこれに対する支援の問題について報告があった。後は、環境庁長官より、本日よりG8環境大臣会議が滋賀県にて開催される旨の報告があった。
 なお、自分(大臣)より(この会見で)申し上げることは特にないが、質問があればお受けする。

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・ 質疑応答

(問)日朝交渉について、北朝鮮側は過去の清算を優先して取り上げるように要求しているようだが、右について大臣のお考え如何。

(外務大臣)これは前回も申し上げたが、北朝鮮側からの発言は、非常に原則というものを大事にしている発言だと受け止めている。但し、今回は、過去の問題と同時に文化財の問題、或いは在日朝鮮人の地位問題等も取り上げており、北朝鮮側からもこうした問題をテーブルに載せるべく取り上げている。
 我が方もご承知の通り、我が方の関心事項を取り上げている訳であり、これまでは双方の関心事項がそれぞれ取り上げられているという状況で、それより先の話にまだ至っていると承知していない。

(問)日朝の関係であるが、いわゆる拉致疑惑について、北朝鮮側は国交正常化の後に話をすれば良いのではないかと話しているそうだが、右に対する大臣のお考え如何。

(外務大臣)国交正常化の後に云々という具体的なやりとりを行っているとは、まだ聞いていないが、今回はあくまでも国交正常化交渉であるので、国交正常化についてが一番大きなテーマだという認識はあるだろうと思う。勿論、我々もこの交渉は国交正常化のための交渉という認識を有しているので、その為には拉致事件をはじめとする我が方が持っている人道問題をはじめとする関心事項を避けて通るという気持ちは全くない。

(問)森総理は就任会見において、(北朝鮮に)拉致と言えば拉致なんかしていないという答えが返ってきてしまう、拉致された方々が帰ってくることが一番であるということで、行方不明者という言葉は、自分(総理)が北朝鮮を訪問した時に初めて使った旨発言されたが、既に赤十字会談でも行方不明者という言葉を使っているが、政府間交渉においても行方不明者という言葉に変えるお考えを有しているか。

(外務大臣)これまでの政党間のやりとりの中では、今ご指摘されたことが過去1回、2回の会談であったことは事実である。現在、我々の政府間交渉のテーブルにおいては、我々としては、拉致問題という問題の解決ということを主張している。この問題について、北朝鮮側が反発していることも事実であるが、我々の認識は、拉致疑惑の解明というか拉致問題の解決をしたい、こうしたことが我々にとって大事なことである旨主張しているところである。

(問)今国会の方では、解散の風が強まってきているようであるが、あらためてサミット前の解散について大臣のお考えをお聞きしたい。

(外務大臣)解散は総理の専権事項であるので自分(大臣)から申し上げるべき問題ではない。ただ、これまで申し上げていることは、自分(大臣)はサミットの準備をする上では、もうサミットは目前であるので、これから更に一段と準備をしっかりとやっていかなければならない時期に差し掛かっているという認識を持っている。

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外務大臣会見記録 (平成12年4月5日(水)23:00~ 於:本省会見室)

・ 冒頭発言

(外務大臣)この度再び外務大臣を拝命した。小渕内閣で外務大臣に任命され丁度6ヶ月であった。この6ヶ月間、小渕総理の御指導の下に様々な外交政策に関わってきたが、とりわけ小渕総理が沖縄サミットに大変な気持ちを込めて、その準備に当たっておられた訳である。自分(大臣)も及ばずながらお手伝いをして今日まで参った次第であるが、サミットを目の前にしてこうした事態になったことは、真に、自分(大臣)にとっても残念であると同時に、小渕総理はどれほど無念であったろうかと、(小渕総理の)お気持ちを私どもが察するに余りあるものがある。しかし、こういう事態になったからには、森内閣の一員として、これから先もしっかりと外交政策に取り組んで参りたいと考えている。
 今日まで、日米関係を基軸として、中国、韓国或いはロシア、こういった近隣諸国との関係について、出来る限りの意を尽くしてきた所存である。更には、国連中心外交という意味からも、国連との関係、就中、今日は国連改革という大きな問題に取り組んでいる訳であり、国連の財政問題或いは安保理の改革、こうした問題にこれから先も取り組まなければならないと感じている。
 サミットを視野にいれた場合に、やはり日本と欧州との関係というものも極めて重要である。自分(大臣)は、今年新年早々欧州を訪問し、日欧関係の重要性というものを、そういう認識を欧州の方々にも示してきた訳であるが、この日欧関係をこれから先も更に濃密なものにしていきたいと考えている。
 おそらく森内閣にとり、最初の外交問題として具体的に総理が取り組まれる問題の一つは、ロシアとの関係があると思う。これまで、橋本、小渕両内閣がそれぞれ精魂を込めておられた日露関係、この両国の平和条約、領土問題を解決して平和条約を締結しようという熱意を森内閣も引き継がれる、当然なことではあるが、そのためには、出来るだけ早く森総理のロシア訪問が実現しなければならないと思う。更に、現在、ピョンヤンにおいて行われている日朝国交正常化交渉、この交渉に粘り強く取り組むということを考えている。今日から始まったこの会談も十分に決意を固めて今後取り組んでいかなければならないと思っている。
 先程来から申し上げている通り、森内閣の外交課題の極めて重要な課題の一つは、九州・沖縄サミットである。この九州・沖縄サミットを如何に充実した、そして十分に記憶に残るサミットにするために、これから先も総理のご指示を受けて努力したいと考えている。どうぞ、皆様のご理解とご協力をお願いした。

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・ 質疑応答

(問)正に今、日朝交渉が始まった訳であるが、本日の会談については、我々が知る限り、謝罪と補償、今までの交渉の過去の失敗は殆ど日本のせいであるといったかなり頑なな外電が伝わってきているが、今まで伝わってきた情報をどのように受け止められているか。

(外務大臣)正直言って余り詳細を聞くところまでいっていないことを最初に申し上げるが、ただ、口頭で報告を聞いている範囲で申し上げれば、私どもが考えていたように、北朝鮮側は非常に原則を崩していない、原則を述べているというふうに思った。非常にはっきりと、きっぱりと原則を述べると同時に、その一方で、例えば歴史的な芸術、文化的遺産といった問題にも言及されたようである。それから、日本におられる方々の地位について言及されたりもしているようである。積極的に取り組む姿勢が非常に幅広いというか、原則をきっぱり述べているが、そこだけを言っているのではなくて、かなり幅のある考え方を述べていると自分(大臣)は感じた次第である。
 我が方の考え方については、更に、日朝間に存在している諸問題についても我々の認識をしっかりと述べているというふうに報告を聞いている。全体の報告は、今日の会議は、言ってみれば、それぞれの考え方をテーブルに載せたという感じではあるが、どういう印象を持ったかと聞いてみると、今日の会議は非常に意味のある会議であったと言っており、会議を前向きに進めようという感じが双方にあると、双方にあるといっても我が方にあるのはご承知の通りであるが、比較的双方がしっかりと向かい合って意見を述べ合っている、というふうに自分(大臣)は報告を聞き、幾つかの項目を聞いてそう感じた次第である。

(問)小渕前総理が2日午前1時頃入院されたということであるが、右が記者会見で明らかになったのは同日23時頃であり、その間22時間のタイムラグがある訳であるが、大臣にはどのような形で何時頃報告があったのか。

(外務大臣)同日の夜10時頃連絡を頂いた。

(問)その後どのように対応されたのか。

(外務大臣)10時前後だったと思うが、総理の具合が悪く病院に行かれたということで、11時過ぎには官房長官から正式な発表することになるだろうという連絡を受けた。そして、11時半頃、官房長官の記者会見をテレビで見ていた次第である。

(問)外交を預かるトップの外務大臣としてその22時間のタイムラグについてどう思うか。

(外務大臣)その間総理に報告する案件はなかった。従って、夜本件を知らされて、疲れて病院に行かれたんだな、とその時は思った訳である。

(問)鈴木前官房副長官がロシアを訪問し、28日から30日の間に(首脳)会談をロシアで行うことに合意したが、この会談が決まったことに対しての大臣のお考え如何。

(外務大臣)自分(大臣)はいいことだと思う。沖縄サミットまでに首脳間でしっかりいろいろな話をしてほしいと思う。かつて小渕総理はプーチン氏と会っているが、それでも尚かつもう一度しっかり時間をかけて話しあっておきたいというお気持ちで(小渕総理は)特使の派遣をされたわけである。特使はプーチン氏との話しあいの中で小渕総理の状況についても説明をしているにもかかわらず、プーチン氏は日本の首脳との会談に積極的な意志を示された。(新)総理がこれからいろいろな案件の処理をされるわけだが、自分(大臣)は状況が許せば総理がロシアを訪問されることはいいことだと思う。それはつまり、ロシアを訪問することがいいことであるというよりも、サミット前に首脳同士が話し合うことが大事なことだと思うからである。

(問)新総理から沖縄サミットについてこうしていこう、こうしてくれという指示はあったか。

(外務大臣)今日、外務大臣に任命するという話があったたときに、「サミットは大事である」、「しっかり頼むよ」という話はあった。それ以上の具体的な指示はなかった。

(問)小渕首相はかなりの思い入れを持って(九州・沖縄サミットについて)やられてきたが、森新総理は一部で「沖縄は政府になんでも反対する」というようなコメントが紹介されるなど沖縄に対する思いに差があるので、外相の立場からどのように着地させるのか。

(外務大臣)沖縄全体に対して森総理が特別の感情を持っているとは思わない。また、沖縄のみなさんもサミットが沖縄で開かれることに高い関心と歓迎の気持ちを持っておられるので、十分森総理が沖縄県民のみなさんにきちんと気持ちを述べられればサミットの成功に向けて一緒に努力することができると思う。

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外務大臣会見記録(臨時閣議終了後) (平成12年4月4日(火)19:25~ 於:会見室)

・ 冒頭発言

(外務大臣)今臨時閣議が開かれ小渕内閣は総辞職した。自分(大臣)は小渕内閣に参画して本日で丁度6ヶ月である。小渕内閣は通算で1年8ヶ月続いた訳であるが、この間、景気対策をはじめとして、本当に真剣に問題解決の為に、誠心誠意取り組まれたと自分(大臣)は思っている。
 ここへきて、有珠山の噴火をはじめとして、真に思いもかけないような状況が幾つか出てきており、総理のご心労は本当に大変なものであったろうと思う。指導者として、サミットを目前にして思い半ばで退陣をされたお気持ちを思うと、本当に残念無念という思いではなかったかと拝察している。

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・ 質疑応答

(問)明日から日朝交渉が開始されるが、(今回の総辞職は)影響がないと考えて宜しきや。

(外務大臣)仕事に一切の影響が無いように配慮した総辞職であるし、また、新体制の発足までの間、一刻の空白も空けないという気持ちで皆取り組んでいる。

(問)全閣僚留任という話もあるが。

(外務大臣)それは全く解らない。

(問)閣議で取り上げられたのか。

(外務大臣)一切出ていない。(話が出なかったのは)当然のことだと思う。新しく自民党が総裁を選び、そして首班指名を行い、新総理が誕生すれば、それから組閣人事ということになることが当然だと思う。

(問)総理に森幹事長という名前も出ているが、大臣のお考え如何。

(外務大臣)自分(大臣)は森幹事長に電話をして、幹事長を支持すると伝えてある。こういう場面は一刻の空白も許されないので、事態がこういうことになれば挙党体制で直ちに次の政権がスタートすべきだと思っている。自分(大臣)は、森幹事長に対して支持をする、これから誠心誠意支持する旨伝えてある。

(問)一時大臣の名前も挙がっていたが。

(外務大臣)本件については繰り返し申し上げたように、総理が病と闘っている最中に色々な話が出たようであるが、自分自身は一切関知していないし、そうしたことをすべきでないというのが、自分(大臣)の率直な気持ちである。

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外務大臣会見記録 (平成12年4月4日(火)9:32~ 於:会見室)

・ 閣議、閣僚懇(冒頭発言)

(外務大臣)閣議、閣僚懇は予定通りで新しいものはない。閣議では有珠山の報告等が中山国土庁長官と二階運輸大臣からそれぞれあった。閣僚懇では、中曽根文部大臣よりG8の教育担当大臣の会合が非常にいい対応であった旨の報告があった。

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・ 国連改革(冒頭発言)

(外務大臣)国連に関する問題を二つ申し上げる。一つは、ホルブルック米国連大使から国連安保理常任理事会の改革について、米政府はこれまでとってきた安保理改革について、20ないし21議席が望ましいという態度を若干変え、効率性が十分保たれるなら、20ないし21を若干上回ることも考えていいと、考え方を変えられたという旨が明らかにされた。このことは、我が国がかねてから安保理改革について述べてきた主張に到達するために越えなければならない問題、つまり米という我が国ともっとも関係の深い国が、20ないし21議席ということに非常にこだわっていたのが、なかなか安保理の改革が進まない一つの問題になってきたわけであったが、前進が可能になる可能性が出てきた、これによって安保理改革の話が進む可能性が出てきた、ということを我々が感じてきた。このホルブルック大使の発言は歓迎したいと思っている。もう一点は、アナン国連事務総長が、「我ら人民21世紀における国連の役割」という事務総長報告を出された。この事務総長報告のなかには「グローバリゼーションとガバナンス」「欠乏からの自由」「恐怖からの自由」「我々の未来の保全」「国連の役割」といったことが書き込まれており、この事務総長報告を支持したいと思う。とりわけ、その中で、かねてから小渕総理が国連で考えを主張してきた「人間の安全保障」という考え方が、事務総長報告の中に、同じ意味のことが盛り込まれている、小渕総理の考えと軌をいつにした部分がある、という点を大いに評価、歓迎したい。かねてから国連については、我が国外交の大きな柱と考えていたわけだが、その国連が改革へ向かっての可能性を感じたという意味で評価しているという報告である。

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・ 日朝関係(冒頭発言)

(外務大臣)平壌に行っている日朝国交正常化交渉の方々は今日着いて、今日から相互信頼をはじめとする、言って見れば会議の前の顔合わせというか、そういう作業に取り組むことになっているようである。いずれまた、動きがあれば原局からブリーフもあるとおもうが、それだけ申し上げる。

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・ 小渕総理の病気

(問)閣議、閣僚懇で総理の容態についての説明は。

(外務大臣)なかった。

(問)外国から問い合わせがきていると思うが、実際どんな国からどういった問い合わせがあり、どのように答えているのか。

(外務大臣)問い合わせと言うよりは、病状を気付かったお見舞いのメッセージが届いている。

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・ 今の内閣

(問)閣議、閣僚懇で、こういう状況を受けて今の内閣をどうするかという話は。

(外務大臣)全くない。今の内閣は青木臨代を中心に、一日もゆるがせにできない仕事を各大臣が抱えているわけだから、一生懸命与えられた仕事をするというのは当然のことで、それ以外の話は今朝の閣議、閣僚懇の話題にはなかった。

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