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(3) ODA評価の拡充
国際社会においては、より結果を重視した、効果的・効率的な援助の実施のため、モニタリング・評価の役割が益々重要になっています。わが国でも、「ODA改革・15の具体策」、外務省改革「行動計画」に沿った形で、評価を強化・拡充するための取組を行っています。ODA評価は、[1]ODAが効果的・効率的に実施されているかを検証することで、援助の実施管理を支援すること、[2]評価結果をフィードバックすることにより、将来のODA政策等の策定・実施に反映させ、ODAの質の向上に資すること、[3]評価結果を公表することで説明責任(アカウンタビリティ)を果たし、援助の透明性を高めるとともに国民の理解を促進することという3つの目的を持っています。ODA評価の機能強化は、ODAの効率性・透明性を向上する上で、重要な鍵となっています。ODA評価を行うにあたっては、評価の実施、評価結果のフィードバック、評価結果の公表・公開という3つの段階がありますが、現在、それぞれの段階において、評価の強化に向けた試みを行っています。

図表I-33 評価の位置付け

評価の位置付け


まず、評価の実施段階では、評価の客観性を向上させるため、2002年度より外務省、JICA、JBICが行う全ての事後評価において第三者の視点を取り入れています。また、被援助国との連携強化の一環として、被援助国の評価能力向上を支援するため、2002年11月、昨年度に引き続きアジアの開発援助関係者及び国際機関関係者の参加を得て、「第2回ODA評価東京ワークショップ」を開催しました。
評価はその結果がODAの実施側にフィードバックされ、活用されてこそ、意義があります。外務省では、このフィードバック機能を強化するため、2001年12月、外部有識者によって構成される「外部有識者評価フィードバック委員会」を設置し、その機能強化に取り組んでいます。評価の結果導き出された提言は、この外部フィードバック委員会を経て、経済協力局長を長とする「ODA評価フィードバック内部連絡会議」に提出されます。フィードバック内部連絡会議では、提言に対する対応策が検討されますが、その際、外部フィードバック委員会からの意見は基本的に採用される方向で検討されています。
また、評価結果の公表・公開については、これまでも評価報告書やホームページでの公表など、その拡充に努めてきましたが、今年度は、実施機関であるJICA及びJBIC並びに日本評価学会と連携し、共同で評価セミナーを開催するなど、ODAに関する国民の理解を促進するため、更なる努力を行っています。


評価報告書

囲みI-34.外務省における評価体制強化のための様々な改革策
コラムI-16.第2回ODA評価東京ワークショップ
人物I-4.山谷清志外務省経済協力局評価室長


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