- (2)厚生労働省雇用均等・児童家庭局の発足等
- 2000年4月1日、労働省の地方支分部局であった都道府県労働基準局、都道府県女性少年室及び都道府県職業安定主務課を統合した都道府県労働局が発足し、従来の女性少年室は都道府県労働局雇用均等室として引き続き雇用均等行政を行うこととなった。これにより、労働基準行政、職業安定行政など他の行政にまたがる分野横断的な施策を効果的に実施できるようになり、総合的かつ効果的な労働行政を展開しているところである。
- 2001年1月6日、中央省庁再編に伴い、労働省女性局と厚生省児童家庭局が統合され、厚生労働省雇用均等・児童家庭局が発足した。両局の統合により、「働く親」と「児童」の双方の視点から、仕事と家庭の両立支援策や保育サービス等の子育て支援策を充実する等、総合的かつ一体的な施策を推進しているところである。
- 2. 自国の政治的、社会的、経済的及び文化的活動に女性が男性と平等に参加することに対し残っている障害を克服するためにとられた措置
- (1)男女共同参画社会基本法の公布・施行
- 日本国憲法には個人の尊重、男女平等の理念がうたわれており、男女平等に向けた法的取組等は、国際的な動きとも連動しつつ進められてきたが、なお男女共同参画を総合的に推進する枠組みの必要性が指摘されており、1996年12月に策定された国内行動計画「男女共同参画2000年プラン」において総合的な推進体制の整備として男女共同参画社会の実現を促進するための基本的な法律について検討を進めることが盛り込まれた。これを受けて男女共同参画審議会は、1998年11月、「男女共同参画社会基本法」の必要性や基本理念、内容等を明らかにし、基本法の制定を提言した「男女共同参画社会基本法について」を答申した。政府は、この答申を踏まえて男女共同参画社会基本法案を作成し、1999年6月、同法が公布・施行されるに至った。
- 「男女共同参画社会基本法」では、男女共同参画社会の形成に関する基本理念として、(A)男女の人権の尊重、(B)社会における制度又は慣行についての配慮、(C)政策等の立案及び決定への共同参画、(D)家庭生活における活動と他の活動の両立、(E)国際的協調を掲げており、これらの基本理念を受け、国、地方公共団体及び国民が男女共同参画社会の形成の上で果たすべき役割について責務として定めている。また男女共同参画社会の形成の促進に関する基本的な施策として、国に対しては男女共同参画社会の形成の総合的かつ計画的な推進のための中心的な仕組みである「男女共同参画基本計画」の策定、都道府県に対しては国の基本計画を勘案した計画の策定を義務付けている。さらに、施策の策定等に当たって男女共同参画社会の形成に配慮することや、政府の実施する施策についての苦情の処理、地方公共団体及び民間の団体に対する支援などを規定している。
- なお、従来男女共同参画審議会について規定していた第3章は、2001年1月の中央省庁等改革の際に男女共同参画審議会を発展的に継承した男女共同参画会議の規定に改正された。
- このように「男女共同参画社会基本法」が制定された意義は大きく、我が国の男女共同参画社会の形成の歴史における新たな一歩となったと言える。
- (2)男女共同参画基本計画の策定
- 政府は、2000年12月、「男女共同参画社会基本法」に基づく初めての計画である「男女共同参画基本計画」を閣議決定した。
- この基本計画の策定に当たっては、1996年12月、男女共同参画推進本部が決定した国内行動計画「男女共同参画2000年プラン」の内容を基礎に、男女共同参画審議会答申「男女共同参画基本計画策定に当たっての基本的な考え方」(2000年9月)及び「女性に対する暴力に関する基本的方策について」(2000年7月)を受け、並びに国連特別総会「女性2000年会議」(2000年6月)での成果も踏まえている。また、本計画の策定過程で国民各層から幅広く意見・要望を聞き、寄せられた意見等を可能な限り反映するよう努力した。
- 本計画では、11の重点目標(※)が掲げられ、それぞれについて2010年までを見通した長期的な施策の方向性と、2005年度末までに実施する具体的な施策が盛り込まれている。
- 政府においては、地方公共団体、国民各層との連携をより一層深めつつ、本計画に掲げた施策を着実に推進し、男女共同参画社会の形成を期するものである。
- (※)11の重点目標
- (1) 政策・方針決定過程への女性の参画の拡大
- (2) 男女共同参画の視点に立った社会制度・慣行の見直し、意識の改革
- (3) 雇用等の分野における男女の均等な機会と待遇の確保
- (4) 農山漁村における男女共同参画の確立
- (5) 男女の職業生活と家庭・地域生活の両立の支援
- (6) 高齢者等が安心して暮らせる条件の整備
- (7) 女性に対するあらゆる暴力の根絶
- (8) 生涯を通じた女性の健康支援
- (9) メディアにおける女性の人権の尊重
- (10) 男女共同参画を推進し多様な選択を可能にする教育・学習の充実
- (11) 地球社会の「平等・開発・平和」への貢献
|