- 第13条(b)
- 1. 母子寡婦対策
- 未婚の母を含め母子家庭の母及び寡婦にあっては、母親自らが生計の中心者であると同時に児童の養育者であることから、経済的にも精神的にも不安定な状況に置かれている場合が多いため、母子及び寡婦福祉法及び児童扶養手当法を中心として、関連施策との有機的な連携を保ちながら、事業開始資金等の低利又は無利子での母子寡婦福祉資金の貸付けや、法律上の問題点や事業経営上の問題を抱える母子家庭及び寡婦に対する弁護士等の専門家による特別相談事業、児童扶養手当の支給などの各種施策を推進し、母子家庭の母及び寡婦の生活の安定を図るとともに自立の促進を図っているところである。
- 現在、離婚が増加する中で、未婚の母を含め母子家庭の母及び寡婦の生活の安定と一層の自立の促進を図るため、母子寡婦対策の根本的な見直しを検討しており、子育て支援策の一層の充実を図るとともに、相談体制の強化、就労支援策の推進を図るなどの総合的な施策展開を検討しているところである。
- 第14条
- 1. 農村女性への特別配慮
- (1)農林水産業に従事する女性
- 我が国の農林水産業に従事する女性の数は、農業については2,171, 000人(2000年)であり、全農業就業人口の55.8%を占めている。林業については10,000人(2000年)、漁業については46,000人(1999年)で、それぞれ全林業、全農業就業人口の14.3%、17.0%を占めている。
- このように我が国において女性は農林水産業の重要な担い手であり、経営において果たしている役割も大きい。また、農山漁村における生活の運営や地域社会の維持・活性化にも大きく貢献しており、女性の参画に対する期待は大きい。
- (2)農山漁村の男女共同参画社会の形成に向けて新たに成立した法令等
- 1999年6月「男女共同参画社会基本法」が策定され、同年7月、食料・農業・農村基本法が制定され、女性の農業経営における役割を適正に評価するとともに、女性が自らの意思によって農業経営及びこれに関連する活動に参画する機会を確保するための環境整備を推進する旨明記され、この基本法に基づく基本計画が2000年に策定された。
- また、2001年に制定された水産基本法において女性の参画の促進について明記され、同年に制定された森林・林業基本法に基づく基本計画において女性の参画の推進について記述される等、農林水産業に従事する女性の参画を促進するための法的な整備がなされつつある。
- これらの基本法に基づく基本計画に即して、農山漁村における男女共同参画社会の形成に向けた取組が総合的に行われることとなっている。
- このような法的整備が進む中、2001年5月、農林水産省において副大臣を本部長とする「農林水産省男女共同参画推進本部」を設置し、取組を真に実のあるものとするために、農林水産業に従事する女性との地域懇談会や提言募集などを行っているところである。
- (3)あらゆる場における意識と行動の変革
- 農山漁村地域における女性の参画を促進するため、1997年から、男性を含めた家族及び地域社会での意識啓発等を促進するとともに、地域段階において、農協の理事における女性の割合等女性の参画目標を策定する等の取組を進めている。
- 地域における政策・方針決定過程への女性の参画の状況をみると、農業委員に占める女性の割合は、0.74%(1997年)から1.64%(1999年)、農業協同組合の個人正組合員は、13.52%(1997年)から13.99%(1999年)、農協役員は0.29%(1997年)から0.44%(1999年)、漁協個人正組合員は5.55%(1997年)から5.72%(1998年)、漁協役員0.18%(1997年)から0.23%(1998年)と、女性の占める割合は低い水準にあるものの、近年微増傾向が見られる。
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