- (5)介護保険制度
- 今後、高齢化の進展に伴い介護を社会的に支える仕組みの創設が必要であることから、1997年12月、介護保険法が成立し、これに基づき準備期間を経て2000年4月から介護保険制度が導入された。この制度は、65歳以上の寝たきりや痴呆の高齢者、40~64歳の老化に伴う疾病で介護が必要な人等に対し、在宅・施設両面にわたる介護サービスを総合的に利用できるようにするものであり、これにより、高齢者やその家族の支援を図るものである。
- 2001年6月における要介護・要支援認定者数は、男性が802,191人、女性が1,898, 350人となっており、女性が約7割を占めている。2000年における主な介護者を性別にみると、女性72.2%、男性19.5%と女性が多くなっている。介護保険導入前の1995年には、女性の占める割合が85.1%であったのに比べると、女性の割合は低下している。
- 保険給付の財源は、公費と40歳以上の者が支払う保険料からなり、保険給付の対象費用の1割は利用者が負担する。介護保険制度の施行後、施行前に比べサービスの利用者数や利用量が増えるといった期待された効果も着実に現れているなど、おおむね順調に制度はスタートした。
- また、介護保険制度が実施されることなどを踏まえ、1999年12月にゴールドプラン21(今後5か年間の高齢者保健福祉施策の方向)を策定し、同プランに基づき、質、量、両面にわたる基盤整備等の施策を推進しているところである。
- (6)仕事との両立支援
- ア)育児や介護をしながら働き続けやすい環境の整備
- 2000年度より、育児休業終了後、原則として原職又は原職相当職に復帰する旨の取扱いを就業規則等に規定した上で代替要員を確保し、かつ、育児休業取得者を原職又は原職相当職に復帰させた事業主に対して「育児休業代替要員確保等助成金」を支給している。
- また、急な残業の際など、既存の体制では応じきれない変動的、変則的な保育・介護ニーズに対応するため、育児・介護の援助を行う者と育児・介護の援助を受けたい者からなる会員組織による地域における育児・介護の相互援助活動を行うファミリー・サポート・センター事業については、2001年度より、大都市圏での設置促進や、保育所との連携を強化するとともに、設置箇所数を拡大するなど総合的な事業展開を図っており、2002年度は、地域の子育て支援機能の強化に向けて、引き続きその設置を促進している(2002年度286ヶ所)。
- イ)再就職への支援
- 育児・介護等を理由に退職し、将来的に再就職を希望する者に対する再就職の支援を行う「再就職希望者支援事業」を実施しており、本事業は、順次実施地域を拡大し、2002年度より全国47都道府県で実施している。
- また、職業生活と家庭生活の両立を支援するための業務を行う公共職業安定所(両立支援ハローワーク)においては、育児・家事・介護等の制約条件を抱えつつ新たに職業に就こうとする者に対して、きめ細かな職業相談・職業紹介等により再就職を援助している。
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