- (3)雇用保険法の改正
- 職業生活と家庭生活との両立支援をより充実し、職業生活の円滑な継続を援助、促進するため、雇用保険法を改正し、育児休業給付及び介護休業給付について、2001年1月より給付率を休業前賃金の25%から40%に引き上げ、活用の促進を図っている。
- (4)育児の支援
- ア)仕事と子育ての両立支援
- 仕事と子育ての両立支援は我が国の男女共同参画社会の実現に重要かつ緊急の課題であるとして、2001年1月、男女共同参画会議の下に「仕事と子育ての両立支援策に関する専門調査会」が設置された。同年6月には専門調査会の報告をもとに「仕事と子育ての両立支援策の方針に関する意見」が会議において決定され、この決定に基づき「仕事と子育ての両立支援策の方針について」が閣議決定された。同決定では待機児童ゼロ作戦や放課後児童の受入体制の整備などについて達成数値目標及び期限を盛り込んでいる。
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- 待機児童ゼロ作戦及び放課後児童の受入体制の整備については日本の構造改革の方向を示す「改革工程表」及びその中で実施の緊急性が特に高い施策を盛り込んだ「改革先行プログラム」でも盛り込まれているところである。
- イ)多様で良質な保育サービス
- 女性の社会進出、就労形態の変化に伴う保育需要の多様化に対応して、子育てと就労の両立を支援するため、政府は1999年に「重点的に推進すべき少子化対策の具体的実施計画について」(新エンゼルプラン)を策定し、これに基づき、2000年度から需要の多い低年齢児(0~2歳児)の受入れの拡大、延長保育(概ね午後6時以降の保育を行うこと)、一時保育等を推進している。
- ウ)保育所の整備
- 2001年4月1日現在の保育所の施設数は、22,218か所、入所児童数は1,828, 312人である。
- 2000年3月には、児童福祉施設最低基準を満たす認可保育所をつくり易くし、保育所待機児童の解消等の課題に各地方公共団体が柔軟に対応できるようにする観点から、設置主体制限の撤廃等の一連の規制緩和を行ったところである。
- また、男女共同参画会議の意見を踏まえた「仕事と子育ての両立支援策の方針について」(2001年7月6日 閣議決定)における待機児童ゼロ作戦を推進するため、保育所を中心に2004年度までに15万人の受入児童の増大を図るのに必要な整備を早急に進めることとしている。
- なお、官庁街である霞ヶ関では初の保育施設として、文部科学省共済組合において2001年10月に「かすみがせき保育室」を開設した。霞ヶ関における就業状況に考慮して保育時間を夜10時までとするなど、仕事を続けながら子育てができる環境づくりの試みが行われている。
- エ)放課後児童対策
- 厚生労働省では、保護者が労働等により昼間家庭にいない小学校低学年児童(放課後児童)に対し、授業の終了後に児童厚生施設等を利用して適切な遊び及び生活の場を与えて、その健全な育成を図ることとしている(放課後児童クラブ)。2001年5月1日現在の実施か所数は11,803か所であり、登録児童数は452,135人である。
- 「仕事と子育ての両立支援策の方針について」(2001年7月6日 閣議決定)を踏まえ、放課後児童クラブを含めた放課後児童の受入れ体制を2004年度までに15,000か所とすることとしている。
- オ)幼稚園における子育て支援
- 幼稚園においては、幼稚園が保護者の多様なニーズにも応えていく観点から、通常の教育時間の前後や長期休業期間中などに実施される「預かり保育」を推進しており、1997年には全国の約3割の幼稚園が実施していたが、2001年には全国の5割以上の幼稚園が実施している。
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