B. 武力紛争における児童(第38条)
254. 戦争の犠牲者となる文民の中で最弱者層に属し、かつ、若年層である児童については、紛争が彼らに与える影響や戦闘地域に徴用されやすい事実(特に児童の戦闘への参加は、当該児童の生命のみならず、その無分別な行動のために犠牲となる者の生命をも危険にさらす)に鑑み、特別な保護が必要であるとの観点から、戦時における文民の保護に関する1949年8月12日のジュネーヴ条約(ジュネーヴ第4条約)等の国際人道法においても、児童の保護につき詳細に規定されているところ、我が国も右趣旨に賛同し、右ジュネーヴ条約を締結している。
255. 我が国は、自国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、直接侵略及び間接侵略に対し我が国を防衛することを主たる任務とする自衛隊を有している。自衛隊法施行規則に基づき、自衛官の採用に当たっては原則として18歳以上の者を採用している。唯一の例外として、専門技術者としての陸・海・空曹を養成するために、15歳以上17歳未満の者を自衛隊生徒として採用しているが、教育課程期間中の4年間のうち、入隊後3年間は一般の高校と同等のカリキュラムの教育及び自衛官として必要な各種の基礎的事項の教育を受けていることから、直ちに第一線部隊に配置されることはない。また、有事においても18歳未満の自衛隊生徒を敵対行為に直接参加させることは想定していない。