![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() | ||||||||||
|
トップページ > 外交政策 > 人権・人道 |
![]() |
C.健康及び保健サービス(第24条) 181. 我が国の母子保健については、母性が児童の健全な出生と育成の基盤として、尊重され、保護されるべきであり、乳幼児は心身ともに健全な人として成長してゆくために、その健康が保持され、増進されるべきであるとの基本理念の下に、母子保健法に基づき、思春期から妊娠、出産、育児に至る一貫した体系の下に、以下のような保健指導、健康診査、医療対策等の母子保健対策が行われている。しかしながら、近年、我が国においては、少子化、核家族化等の進展により、母子を取り巻く社会的環境は大きく変化し、育児不安など様々な問題が生じてきている。このような状況を受け、新たな国民のニーズに的確に対応し、安心して生み育てることができる環境をつくるため、市町村を中心とした母子保健事業の充実により、一層きめ細かな対策の推進が求められている。
保健対策
(a) 妊娠の届出をした者に対する母子健康手帳の交付
182. 妊娠した者は、速やかに届出をすることとされており、これに対し市町村 から母子健康手帳が交付される。この母子健康手帳は、妊娠、出産から育児に関する一貫した健康記録である。また、予防接種を受けた場合には、母子健康手帳に必要な事項を記入することによって予防接種済証に代えられる。
(b) 妊産婦や乳幼児に対する保健指導
183. 保健所や市町村において、母子保健に関する一般的な知識の普及を行うとともに、必要に応じて妊産婦や乳幼児に対しては、保健婦等による個別指導が行われている。
(c) 市町村活動の基盤整備等
184. 市町村における各種母子保健活動の拠点施設として母子健康センター及び市町村保健センターが設置されており、1995年末でそれぞれ410ケ所、1,503ケ所ある。また、市町村において、講習会等の方法により育児学級等を開催したり、妊産婦乳幼児の保護者等に対し、個々のケースに応じた相談指導を行う母子保健相談指導事業等を行っている。
(d) 妊産婦及び乳幼児を対象とする健康診査
185.妊娠中の健康診査は、安全な分娩と健康な子供の出生のために極めて重要であり、妊婦は、一般健康診査を2回、必要に応じて1回の精密健康診査を医療機関において無料で受けることができる。また、乳児についても、一般健康診査を2回、必要に応じて2回の精密健康診査を医療機関において無料で受けることができるほか、すべての新生児に対し、フェニールケトン尿症等の先天性代謝異常やクレチン症のマススクリーニング検査を行っている。更に、3歳児の健康診査及び1歳6ヶ月児の健康診査並びに妊産婦及び乳幼児の健康診査が随時行われている
(e)予防接種
186. 予防接種法に基づき、ジフテリア、百日せき等の発生防止のための予防措置を行っている。
学校における健康診断
187. 学校保健法に基づき、就学時の健康診断並びに学校における健康診断及び健康相談が行われている。
栄養の改善
188. 地域保健法等に基づき、公衆衛生の向上及び増進を目的とした栄養の改善、乳幼児等に関する指導その他の事業を行っている。また、栄養改善法に基づき、国民の健康状態、栄養摂取量等を把握するために国民栄養調査を行い、保健所の栄養士は、児童を含む住民や児童福祉施設等の集団給食施設に対して必要な栄養指導を行っている。
国際協力
189. 政府開発援助大綱に基づき、国際協力事業団を通じて保健医療分野、特に母子保健分野において、国立病院等の医師等医療関係者の協力を得つつ、各種の技術協力を実施するとともに、医療施設、上下水道施設及び廃棄物の処理施設などの改善等、保健医療分野における無償資金協力を実施する等の国際協力を行っている。また、母子保健分野における開発途上国の専門家を我が国に招聘し、研修を行うなどの事業も行っている。
190. また、世界保健機関(WHO)に対し、約4,899万ドル(1995年度)の分担金を負担しているほか、約2,305万ドル(1995年度)を任意拠出するなどを通じ、児童の保健向上等のための情報交換、技術援助、専門家の養成の国際協力を行っている。
191. 我が国では、特にワクチンに関する協力を重視し、WHOによる「ポリオ(小児マヒ)根絶」(2000年までに世界中からポリオを根絶する計画)及び「子供ワクチン構想」(既存ワクチンの改良、新ワクチンの開発、ワクチンの供給体制の改善等)への協力を重要な2つの柱として、アジア諸国を中心に全国一斉投与用ポリオ・ワクチン、通常投与用ワクチン(ポリオ、破傷風、BCG、三種混合等のワクチン)やコールドチェーン(ワクチンを低温で保存・運搬する一連の機材)等の供与を行う等積極的に協力を進めている。また、これらの協力の実施に際しては、WHO及びUNICEFとのマルチバイの協力も積極的に活用している。
BACK / FORWARD / 目次 |
| ||||||||||
![]() |