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TICADアジア・アフリカ貿易投資会議
(概要と評価)


平成16年11月2日


 11月1日(月)及び2日(火)、東京(赤坂プリンスホテル)において「TICADアジア・アフリカ貿易投資会議(TICAD Asia-Africa Trade and Investment Conference :TICAD-AATIC)」が開催されたところ、概要と評価、以下のとおり。

I .概要

1. 昨年9月末に開催した第3回アフリカ開発会議(TICAD III )のフォローアップとして、成長著しいアジア・アフリカ間の貿易・投資の促進を通じたアフリカ開発を実現するための政策について、活発な議論が行われた。

2. 会議には、78ヶ国(日本、アフリカ48ヶ国、アジア13ヶ国、欧米16ヶ国)及び24の国際・地域機関の貿易・投資担当者、さらにはアジア、アフリカの民間セクターの代表を含む約700名が参加した。特に、アフリカからはオバサンジョ・ナイジェリア大統領、キバキ・ケニア大統領の他、10名を超えるアフリカ各国の閣僚が参加した。我が国からも、小泉総理、町村外務大臣、中川経済産業大臣、緒方JICA理事長らが出席し、川口総理大臣補佐官が議長を務めるなど、極めてハイレベルの対応をした。また第1日目には、河野衆議院議長主催の昼食レセプションが開催され、扇参議院議長や森前総理も出席した。

3. 開会式では、小泉総理が開会演説を行い、その中で、「適切な政策」、「商品開発」、「中小企業育成」、「民間企業の社会貢献」というアフリカの産業育成のための4つのコンセプトを提案し、右に則り努力するアフリカ諸国を支援する方針を表明した。

4. 本会議では、アジアとアフリカの間の貿易・投資の大きな可能性が紹介され、右をアフリカの開発に活かすための政府の役割について、産業別の分科会(天然資源・農業、製造業、サービスの3つの分科会)も通じて、民間企業の声とアジアを中心とする経済成長の成功例を参照として議論した。

5. 第1日目の夜の町村外務大臣・中川経済産業大臣共催レセプションにおいては、アジア・アフリカ間の貿易・投資促進のための包括的なネットワークの構想が発表され、テレビ会議システムによるエチオピア(コナレAU委員長)、南ア(NEPAD事務局)と東京(町村外務大臣、中川経済産業大臣)を結んだ3元中継を実施した。

6. 閉会式においては、中川経済産業大臣が日本政府を代表して挨拶し、その中で小泉総理大臣が開会式で述べた4つのコンセプトの具体的内容を「アジア・アフリカ間の貿易・投資促進のための日本の提案(PDF)」として説明した。また、議長(川口総理大臣補佐官)から二日間の議論をまとめた議長総括が発表された。更に、「アジア・アフリカ貿易投資促進のための政策に関するTICAD-NEPAD共同枠組」文書の署名を行った。(署名者:河野アフリカ審議官、ヌクシュルNEPAD事務局長、及びTICAD各共催者代表)

7. その他、サイド・イベントとして、会議と並行して、アフリカ4ヶ国(ケニア、モロッコ、南ア、エジプト)及びNEPADが民間企業向けに投資セミナーを開催し、多くの企業が参加した(約70~80社)。また、在京アフリカ大使館、国際機関などによるアフリカ物産の展示会等が行われ、いずれも盛況であった。



II .評価

1. 本件会議は、TICADプロセスにおける初めての分野別の大規模会議。TICAD III において、小泉総理が表明したとおり、TICADプロセスをより制度化した形で継続していくという方針を具体化する実質的な試みとして、アフリカ、アジアの官民双方の参加者から高い評価を受けた。

2. アジア・アフリカ間の貿易・投資という分野は、「経済成長を通じた貧困削減」と「アジア・アフリカ協力」を重視するTICADプロセスならではのイニシアティブであり、TICADプロセスに一層の付加価値を付与することとなった。

3. 本件会議は、高級事務レベル(次官・局長級)の参加を想定していたが、実際には2名の大統領、10余名の閣僚の参加を得る等、参加者が700名を超える大会議となった。これはTICADがいかにアフリカに根付き、高い評価を得ているかの証左。また、我が国からも総理、外務・経済産業両大臣をはじめとする最高レベルが出席したことは、アフリカ側に我が国の積極的な対アフリカ協力の姿勢を強く印象付ける結果となった。

4. アジア・アフリカの民間企業を招請し、民間企業の政府に対する要望を議論の基点としたことによって、アフリカから開発パートナーへの要望という構図を超えた、アフリカを含む国際社会全体と民間企業との間での双方向の対話・議論ができた。

5. 貿易・投資関係の促進という相互利益につながる分野を特定し、アジア側にアフリカと協力するインセンティブを具体的に提示。2005年4月のアジア・アフリカ首脳会議(バンドン会議50周年)に向けた具体的な貢献ともなった。

6. またG8グレンイーグルス・サミットや国連ミレニアム宣言中間レヴューなど、国際社会においてアフリカ問題がクローズアップされる2005年に向けて、TICADを通じて、伝統的ドナー国からアジア諸国へ、さらに官(ODA)から民(貿易・投資)へと二重のパートナーシップの拡大を推進するイニシアティブを打ち出し、アジア、アフリカをはじめとする本件会議参加者のコンセンサスを得た。

7. 我が国から「日本の提案」として発出した4つのコンセプトは、アジアの経験を基に貿易・投資を開発につなげていくことを提案するものであり、アフリカ側の具体的努力を促しつつ、努力を行うアフリカ諸国を支援することにより、我が国として具体的な行動でフォローアップをしていくことが重要。

8. 「TICAD・NEPAD共同枠組」文書は、TICADとNEPADの間で確認された初の文書であり、アジア・アフリカ間の貿易投資促進における今後の両者の具体的協力の基礎を明確な形で提示した。



III .AATICの成果(発出文書及びコンセプト)の概要

1. 議長総括
~閉会式において二日間の会議を総括し、議長の責任において発表。(1)経済成長を通じた貧困削減という基本方針の共有、(2)アジア・アフリカ間の貿易・投資の可能性、(3)貿易・投資を巡る問題の所在の確認、(4)貿易・投資環境の整備における政府の役割の特定、(5)TICADを通じた官民のネットワークの強化など今後の方針の提示を内容とする。

2. 「アジア・アフリカ貿易投資促進のためのTICAD-NEPAD共同枠組」文書
~TICAD共催者とNEPAD事務局が、アフリカにおけるビジネスの促進のために相互に協力することを謳った政策的枠組みの文書。(1)「経済成長を通じた貧困削減」、アフリカのオーナーシップ、普遍的価値の尊重などの理念的基礎、(2)平和と安定、人材育成、汚職対策などの具体的課題、を共有しつつ、(3)アジア・アフリカ間の貿易投資の促進のための官民の対話と協力のチャンネルの強化を提示。

3. 日本の提案
~(1)自ら自国の比較優位を特定し、右を育成していくための「適切な(産業)政策」の立案・実施、(2)貿易・投資の拡大のために、比較優位を育成し、国際的競争力を強化する「商品開発」、(3)貿易・投資の拡大において国内の民間セクターの参画を得て、国全体の成長を実現するよう「地場中小企業の振興」、(4)民間の経済活動が各国の社会開発に役立つよう「民間企業による社会貢献の促進」。

4. TICADによるアジア・アフリカ間の官民ネットワーク構想
~TICAD関係機関による両地域のビジネス促進のための情報ギャップ解消のイニシアティブを有機的に結合するイニシアティブ。(1)従来の対面でのビジネス交流の促進支援に加え、(2)インターネット上での情報提供・情報交換、さらに(3)世銀のテレビ会議システム(GDLN)を通じたアジア・アフリカ間の官民双方による対話の容易化の3分野を中核とする。

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