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二つの政治宣言発出
今回、インド・パキスタン情勢と中東和平についてそれぞれ宣言を発出。EU諸国+イスラム教諸国を含むASEAN7か国+日中韓が参加するASEMにおいて、かかる政治問題について実質的な議論が行われ、政治宣言が発出にこぎ着けたことは極めて意義深い。
特に、現下のインド・パキスタン情勢に関するマルチ・レベルの政治宣言については、これまでG8外相による声明が存在するのみであり、今回アジア・欧州が一体となり宣言を出せたことは重要(ただしフィリピンのみは立場を留保)。
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インド・パキスタン情勢
アジア側リード・スピーカーとして杉浦副大臣より、自らが先週インド・パキスタン両国を訪れ、それぞれに緊張緩和に向けた働きかけを行った旨を紹介した上で、情勢の悪化によっては近隣国にも被害が及ぶおそれがある旨指摘しつつ、両国間に肯定的な流れが生じるよう国際社会が連携して働きかけを行っていくことの重要性を訴えた。
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中東和平
杉浦副大臣より、日本として、復興支援のみならず和平と繁栄に向けて積極的役割を果たす所存である旨発言するとともに、8日から川口外相がイスラエルおよびパレスチナ自治政府を訪れる旨紹介した。
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ミャンマー情勢及びASEM新規参加問題
ミャンマーは従来よりASEMへの参加希望を表明していたが、最近の同国における進展を踏まえ、ASEMの歴史上初めて議長声明において同国に関する前向きな言及がされた。右を踏まえ、ASEM新規参加について、カンボディア、ラオス、ミャンマーをはじめとするアジア・欧州各国の新規参加の関心を歓迎し、2004年のASEM5において議論することを首脳に提案することとなった。
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アフガン
杉浦副大臣がアジア側リード・スピーカーとしてアフガン情勢について発言し、本年1月に東京で開催された復興支援国際会議の約束を迅速に実施することが重要であること、同国の平和の安定には、政治プロセス、治安、人道・復興支援の3つの分野での進展が不可欠であること、先般川口大臣が同国を訪問し日本として右それぞれの分野について支援を行う方針を表明したこと等を述べた。
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北朝鮮
杉浦副大臣より、北朝鮮による日本人拉致問題を各国に説明して、右解決の重要性を強調した。
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東チモール
ASEMの公式行事の枠外であったが、会合開催に先立ち行われたピケ・スペイン外相主催夕食会にホルタ・東チモール外相がゲストとして出席し、演説を行った。 |