中国における重症急性呼吸器症候群(SARS)の感染拡大に対する無償資金協力について
平成15年5月16日
- わが国政府は、5月16日(金)、中国において重症急性呼吸器症候群(SARS)の感染が拡大しているため、中国政府に対し、総額15億円の緊急無償資金協力を、また、北京市および上海市に対し、総額2,700万円の草の根・人間の安全保障無償資金協力を実施することとした。なお、今回の協力により、これまでの医療機材供与及び国際緊急援助隊の派遣と併せ、わが国の中国に対するSARS対策支援総額は約17億6,000万円になる。
緊急無償資金協力:
空気殺菌装置、レントゲン装置、人工呼吸器、集中治療モニター、輸血ポンプ等の購入費用。
草の根・人間の安全保障無償資金協力:
北京市:防護スーツ2万着の供与。(約1,000万円)
上海市:回診用移動式X線機材4台の供与。(約1,700万円)
- 中国では、昨年11月、広東省において初めてSARS感染者が発生して以来、中国全土において、5月14日までに感染者5,124名、死亡者267名が報告されており、特に北京市および北京市周辺の天津市、河北省、山西省、内蒙古自治区等の周辺地域への感染が拡大している。
- 現在、中国政府は総力を挙げてSARS感染の拡大防止に取り組んでおり、わが国も中国に対しこれまで累次協力を行っているが、感染者数は増加している。 こうした状況を受け、医療体制の未整備により更なる感染拡大が強く懸念される内陸部への予防対策等を対象として、わが国政府は、中国側からの追加の支援要請を受け、今回の支援を行うこととしたものである。
- 今回の協力により、中国におけるSARS感染拡大が早期に終息し、多数の在留邦人を含むわが国国民の健康確保にもつながることを期待する。
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(参考)わが国のこれまでの中国に対するSARS対策支援
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医療特別機材供与(約2億500万円)
5月8日、引渡式実施。個人防護整備、検査機材、医薬品等を供与。
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国際緊急援助隊・専門家チーム(約3,000万(携行機材を含む必要経費))
5月11日から16日まで、北京の日中友好病院に感染症専門家2名、外務省 およびJICA(国際協力事業団)職員各1名の計4名を派遣し、SARSの対処療法および感染対策に関して助言・指導。 |
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