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事務次官会見記録 (平成13年5月28日(月) 17:00~ 於会見室)(事務次官)インドネシアだが日本時間の午後3時前、ワヒド大統領が記者会見をされ、現下の政治情勢に鑑みて早急な政治危機の克服と治安秩序の維持確立のために、ユドヨノ政治社会治安担当調整大臣に対して、治安当局と調整しつつ、必要なすべての措置をとることを命ずるという緊急記者会見をしたわけである。要はどういうふうに事態をこれから打開していくかという事が問題意識だろうと思う。申すまでもなく、一国の内政の動向についてはどこの国についてでも、詳細にコメントすべきものではないとは思うが、やはりインドネシアの安定というものは地域の安定にとって極めて重要であると政府としては考えている次第である。インドネシア国内の政治対立が憲法にのっとり、対話を通じて平和的に解決されることを強く期待している次第である。
これが最近いろいろ動いているインドネシア情勢についての政府としての基本的認識、かつ姿勢である。大臣のASEM外相会合出席
(事務次官)ASEMの際に田中大臣は、日中、日韓外相会談をし、内容自体取材された方おられると思うし、付け加えることはないが、あえて申せば、日中関係にしても日韓関係にしても、大変容易ならざる問題を抱えており、その意味で北京での会談でスパッと問題が解決されるという状況でなかったことは明らかであるが、少なくとも日中間、日韓間の外交の最高責任者の出会いがあって、日中関係、或いは日韓関係を壊してはならないという基本認識のもとで、今後とも緊密に連絡を保って知恵を出していこうというプロセスが動き出したということは大変意味があった。小泉政権成立後の外交のやり取りは、非常にタイムリーだったと思う。このプロセスをこれからどう動かしていくかということが課題である。
ODA(対ケニア円借款)
(問)ODAだが、まず最近ケニアの水力発電所を巡って、円借款はどうなるのかという見通しと、いま一部の政治家が非常に強く働きかけたという話もあるようだが、これについて外務省の見解はどうか。
(事務次官)いくつか記事が出ていた、ケニアのソンドゥ・ミリウ水力発電所について、あたかも特定政治家の関与があったとの論調で報道がなされているわけだが、この計画、検討実施にあたって、報道された政治家も含めて特定の政治家の関与もないし、影響力の行使があったという事実も一切ないということである。一般論としてみれば、経協案件というのはあくまで相手国先政府からの外交ルートでの正式要請を踏まえて、政府部内で、総合的に判断の上、実施するものである。報道されたケニアの円借款について言えば、97年の1月に第1期の円借款供与の交換公文の署名が行われ、現在工事が進行中であり、2期分については、供与するか否かはまだ全く決まっておらず検討中である。記事の 脈絡は特定政治家の影響力を講じて決まったということであるが、これは事実無根である。
大臣の訪米
(問)田中外務大臣が、小泉総理の訪米の前にアメリカを訪問したいという意向を示しているが、事務当局の方にはどのような指示があったのか。
(事務次官)そういう意向を承って、今、日程調整に入っているというところである。まだアメリカは週末だが、すでにいろいろなコンタクトは始めていて、どの辺に設定できるかはこれから鋭意やっている。
在外公館課長の死去
(問)在外公館課長がお亡くなりになったが、それに伴っての人事上の措置などは何か。例えば、誰が代わりになるかとか。
(事務次官)病気とは知っていたが、こんなに早いとは思っていなかった。本当に悲しい次第である。
機密費(大臣への説明)
(問)機密費の調査に関連して、田中外務大臣が外務省の対応について協力的でないという趣旨を参議院でも言っているし、今日も言っているが、そのことについて具体的にそういうことがあるのかということと、こういう発言についてどのようにお考えか。
(事務次官)外務省の報償費の使途については従来、国会でも申し上げないという立場できているわけだが、外務大臣に対しては、勿論これまでの報道についていろいろご説明申し上げている次第だ。だたしこれも具体的にどういう説明かということについては、事柄の性格上、申し上げるのは差し控えたいと思う。
外務省改革要綱
(問)外務省の改革案の取りまとめの時期についてはどういったイメージをおもちか。
(事務次官)今、副大臣、政務官、幾つか政治の立場からいろいろ検討を加えて下さっているというふうに認識している。どのうち近々、いつの間にか5月の末になってきているわけで、できるだろうと思っている。基本的な方向というのは改革会議で頂いているわけで、もともとこの作業は1月の松尾室長の事件が発端だが、ある意味で災いを転じてと申すか、外務省の積年のいろいろな組織の問題を見直すいいチャンスにできれば、それはそれでポジティブな意味があるだろうと思っている。作業の途中の過程だが、組織の活性化という観点から、随分思い切ったいろいろなことが入ってきたなということが私の印象である。ただこういったのは、紙で字を書けばいいという話ではなく、実際にどう動かすかだから、それはきちんと組織を挙げて取り組まないと、人事制度はこうしますといって作業を書けばそれですむという話でもなく、他の案件でもそうだろうと思っている。
事務次官会見記録 (平成13年5月21日(月) 17:00~ 於会見室)
在オーストラリア大元館員公金流用疑惑(次官に関する新聞報道)
(事務次官)今朝の朝刊で私の隠蔽工作の記事がでて、これは既に貼り出しが出されたと思うが、要は私自身査察使であった恩田氏とは、今年になってからも随分長く会っていない。在オーストラリア大問題は記憶の方もおられると思うが、荒木副大臣(当時)が非常に綿密な作業をしてのそれなりの結論を出しているわけで、私はその作業にも関与していなかった。全くの事実無根ということで抗議させて頂いた次第である。
(問)この報道を受けて、大臣の方に釈明というか説明にいかれたりといったことはあるのか。
(事務次官)ない。
(問)在オーストラリア大使館の問題で内部調査をやられた中で、かなり当時の資料がないなど、関係者の証言に頼らざるを得なかった面もかなりあったと思うが、調査結果について改めて次官のご見解をお伺いしたい。
(事務次官)言われた通り、資料がなく基本的には聞き取りでやっていたわけで、何度となく荒木副大臣が聞き取りをして、あのような結果を出したということである。その過程でそれ以外何が可能かということは、かなり法律家とか弁護士の方のいろいろな意見を聞いての最終報告というか結論で、1月以来、荒木副大臣(当時)にはいろんなことをお願いしたわけで、ある意味であのような荒木委員会というものをつくって非常によかったというか意味があったなという気が改めてする。報告についてどうだと言われても、あれだけやった作業の結果なので、それについて私として付け加える話はない。
(問)その結果として職員に対する処分だが、処分については行われていないわけだが、処分が行われていない理由について次官のご見解をお願いしたい。
(事務次官)処分というかは別として、人事異動ということは考えようかということになっている。
(問)調査の過程だが、荒木委員会の調査に対して積極的に調査の話をするなという話があり、それについて次官が事情を聞かれたのではないかと。
(事務次官)私が荒木委員会にか。
(問)そうである。
(事務次官)全然そのようなことはない。
(問)抽象的な質問だが、今日報道されたような隠蔽工作という疑いを招く行為は次官は勿論、省員、外務省の中でもなかったと断言できるか。
(事務次官)まったく、私についてはそもそも関係者と会っていないし、非常に気楽な話だ。つまり事実無根である。これだけはっきりしていることはない。一般論としてお答えすれば、少なくとも過去の省庁の組織ぐるみとか隠蔽工作とかが常に活字が踊るケースがあったわけだが、我々は1月の事件以来少くとも、それはやめようと、それだけはやめようということでやってきたつもりで、そこは皆に徹底したつもりで、そこが心の支えである。苦しい状況、厳しい批判を当然の中で受けている中で、そこがある意味では我々の心の支えでやってきたつもりで、そこは皆も徹底したわけだ。それは誰に聞いてもそういうふうに答えると思う。
(問)オーストラリアの関係だけではなく松尾事件を含めて、そういった隠蔽工作的な事実が明らかになった時、次官自ら責任をとられるのか。
(事務次官)それはあまりにも仮定な話で、そもそもないといっているし、ないはずだといっている。
(問)大臣が委員会の中で、この問題について、改めて調査したいという考えを示されているがこれについてはどうお考えか。
(事務次官)これは丁度チームが交代したわけで、荒木チームがやった話についてきちんと話を聞いて頂くという所だと思う。
(問)調査の過程で、隠蔽工作はなかったという次官の認識だったが、荒木委員会の調査がそういう疑いがあるということで調査をやり直したという過程があったかと思うが、それは次官もそういうことがあってはならないということで指導されたと思うが、その経緯についてはいかがか。
(事務次官)私は知らない。そういう認識でないが、念には念を入れて何度となくヒアリングをしていたので、それはとことん納得するまでやられたと思う。
李登輝氏の訪日について
(問)今日の予算委員会で朝から出ていた話なので、それ以上なかなか次官もふれていないとは思うが、中国の外相と電話で大臣が話した時、李登輝氏の訪日について今後申請があっても難しいとおっしゃったことについて、大臣が聞かれても答えられないとしており、実際ブリーフでも説明はなかったわけだが、次官としてもあったかなかったかということには答える必要がないというか答えられないのか。
(事務次官)大臣が国会で言われている通り、外交上のやり取りをそのまま全部再現するのかという話もあるとは思う。大臣が国会でやり取りされていたことに付け加えることは私としてはない。
事務次官会見記録 (平成13年5月14日(月) 17:30~ 於会見室)(問)大臣が今日の予算委員会で省内の人事をめぐるやりとりについて、役所防衛の為の恫喝と感じたと発言をされたが、これについてのご意見と、実際にはどういうやり取りがあったと報告をうけているか。
(事務次官)連休で時間が限られていて、相当集中的なブリーフをアレンジさせていただいたということはあるが、事務当局としては恫喝とかそういうつもりではなかったということに尽きる。
(問)具体的にはどういうやり取りだったか。
(事務次官)いろんなブリーフとかを集中的にやっていたということ以外承知していない。
(問)大臣によれば、国家公務員法を知っているのかというような恫喝のようなやり取りがあったと聞いているか。
(事務次官)聞いていない。いろいろなシステムの説明とかはあると思うが。
(問)大臣がアーミテージ米国務副長官との会談について、総裁選から続いて非常に心身ともにパニック状態であったということを挙げていたが、これは本来外務大臣の優先すべき問題からすると問題があるとは思わないか。
(事務次官)今日、国会の予算委員会の審議をテレビで見ていて、アーミテージ副長官との会談が調整中であったことは知っていたが、それが実現しなかった事情については、大臣の答弁を承って、そういうことかということで、それ以上でもそれ以下でもない。
(問)調整中という答弁だったが、実際は一旦時間もセットされてそれが取り消しになったというのが真相ではないか。
(事務次官)私が聞いているのは、仮に時間があったとしてもそれは仮置きであって、調整中だったということではないかと思う。確定していたと言う話は承知していない。
(問)仮置きについては。
(事務次官)日程というのは、この辺に入れるかとかいろんなことをやるので、そういうのをやっていたと思う。日程詳細について私は承知していない。
(問)次官以下、アーミテージ米国務副長官との会談については、大臣を説得しようとはしなかったのか。
(事務次官)主管局の方からアーミテージ米国務副長官の訪日の意味あい等は、説明していたはずだと思う。
(問)マスコミ報道によれば、次官以下数人の幹部が大臣室に出入り禁止というふうに言われているが、実態はどういうことか。
(事務次官)私がこの会見に遅れたのは大臣室でうち合わせをしていたからである。私自身、禁止になったという認識はない。特にブリーフの時、全部私が座わるかというのは、それはそういうものでもない。いろいろな案件で大臣の指示と判断を仰ぐというのは私の一つの役割で、「金正日事件」の時は、しょっちゅう大臣に報告をし指示を仰いだ経緯がある。ただ、何分にも連休が長かったし、ワーキングデーで勘定をすればそんなにまだ日数は経っていないわけで、毎日入り浸っていたかといわれればそんなことはないが、別に禁止うんぬんという話ではないと思う。
(問)事実関係として、来ないで下さいというやり取りはなかったのか。
(事務次官)全然ない。
北方領土問題
(問)昨日、森前首相がテレビ報道で北方領土交渉に関して、歯舞・色丹と国後・択捉を2島づつ分けた協議の場を設けると日露両政府が合意をしているという趣旨の発言をしたが、この点についていかがか。
(事務次官)イルクーツクの会談を受けて、これからどういうふうに動かしていくかというのは非常に交渉の機微にわたる話なので、詳細なコメントは差し控えたいと思う。
国連安保理
(問)予算委員会の答弁で小泉総理大臣が国連の安保理の常任理事国入りについて、これまでの議論を述べられて、武力による紛争の解決ができない以上は常任理事国入りは慎重に考えるべきだとの趣旨の発言についてはいかがか。
(事務次官)慎重にというか、武力による紛争解決をあたかも出来るような顔をしてなるのは問題であろうというふうに言われたのだと思う。武力による紛争解決以外の形でいろいろ日本としてはやることがあるはずなのに、その辺をきっちり整理した上で、というふうに私は受け止めた。まだ安保理改革、常任理事国という話は、どんどん物事が動いているのではなくて、残念ながら全然動いていない話で、事務当局は総理のその辺の考えももとより踏まえて、どういうふうに整理していくかはこれから考えたいと思っている。ただ、そもそもだめだという話の答弁ではなかったと受け止めている。
靖国神社参拝
(問)総理は8月15日に靖国神社を参拝するという意向を示されているが、日中関係に影響があると考えられるが、どのようにお考えか。
(事務次官)国会で総理が言われているわけで、心を込めて戦没者の方々に感謝の敬意を捧げたいと、個人として参拝するつもりであるというのが総理の意向である。そういうこと自体が先の大戦を美化するとか戦犯の行為を正当化するとかではないと私共は思っている。いずれにしても、この問題について近隣国が強い思いを持っている動きがあるわけだが、日本としては当然のことながら、相互理解とか相互信頼をどう構築していくかとう話に尽きる。その基本は歴史認識にあるわけで、1995年の内閣総理談話の原点に立ち戻って、相互理解とかそういうものを進めていく中で考えていく話だろうと思う。
前会計課長の入院
(問)2月に前会計課長が入院された経緯だが、本人がプライバシーを理由に外務省側に説明をしてほしくないと言っているのか。
(事務次官)この件については、若干本人と大臣とどういうやり取りがあったかという話に戻るわけだが、本人としては人事が納得できないとか不満であるというニュアンスで大臣に申し上げたつもりはないという感じのようだ。受け止めかたとして若干大臣側が違う印象を持たれたのかもしれない。いずれにしてもこれは外務省ということだけではなくどこの組織でも病気については一定のプライバシーというものがあり、そこのところをあけろといってもあける話ではない。
(問)プライバシーは、本人が、自分のプライバシーについてという前提が必要だと思うが、そういう前提はあるのか。
(事務次官)当然のことだ。
(問)その関連で、大臣は会見で外務省の方から入院しろと言われたと、木寺さんから話を聞いたとおっしゃっているが、これに対して次官の方は先日の懇談で、自分の受けとめている感じはまた違うという趣旨のことをおっしゃったと思うが。
(事務次官)病気であったかなかったかということについては、それは病気であったし、それはどういうことでどうだったという詳細についてはプライバシーにあたるので、それ以上立ち入るべきものではないということだ。要は病気ではないのではないかというところがポイントであるとすれば、それはそんなことではない。他方、だからといって診断書とかカルテを振りかざして、こうです、この通りです、という類の話ではないということを申し上げる。
(問)入院自体は、自発的なものだったのか。それとも外務省の方からか。
(事務次官)医者の判断だ。
オーストラリア大使館の元館員の公金流用疑惑
(問)在オーストラリア大使館の件だが、在タンザニア大に異動になるということが、既に内示も前河野大臣の了解も得ているという報道があるが事実か。
(事務次官)人事の話は本件だけではなく何にしても、辞令が出てなんぼみたいな話なので、今検討かと言われても申し上げられない。いずれにしても、勤務先の変更を検討しているということは事実だ。それは、本人の行動が疑いをもたれたということは否めないので、それを踏まえての検討を行っていると、そこまでは申し上げられる。ただ、具体的行き先等については、まだ、あそこです、ここですというような段階ではない。
(問)単純な異動だと、異動先の対象になった方とすれば、そういう人事的な措置を求めると河野大臣の指示に基づいて、ある種処罰的な要素を含んでいるわけだから、その勤務地となる受け手の方とすれば、そういう勤務地という認識になるのか。
(事務次官)具体的にどこの勤務地かということを申し上げない段階で処罰的と言われたが、そういうことかと言われれば、答えとしては一応前内閣の下での荒木委員会の下で、結論を出したのを受けての異動であるということだけである。
(問)オーストラリアの時の不適切な措置があって、それに基づいて勤務地を本当はタイだったのをフィリピンに変えたというような、すでにその時点での判断があって、しかしそれにも拘わらず、さらに不適切な対応が続いたので河野大臣としては、何らかの人事的な措置を検討するということだったのか。
(事務次官)今度の人事異動を含めて、全部荒木委員会の調査結果を踏まえて、河野大臣の下で決めたパッケージみたいなものである。ちなみに現在報告はしてある。
(問)了承は。
(事務次官)最終的に人事をどうするかとは決定に至らないので、支持を仰ぐということだ。
(問)処分の対象ではないということについては方針どおりということか。
(事務次官)そういうことだ。
事務次官会見記録 (平成13年5月7日(月) 18:00~ 於会見室)(問)北朝鮮の金正男とおぼしき男性の国外退去について、その後現在の所在について、外務省では確認されているか。
(事務次官)確認していない。
(問)金正男氏かどうかということについて、どの程度の確度か。
(事務次官)確度というのか、入管が身柄を拘束して入管のところで事情聴取というか人定をやろうといていて、結局確認できなかったわけで、外務省としてそれ以上、実はそうであるまいかとか、いや、そうではないとかという立場ではないと思う。
(問)そうすると、アジア大洋州局の佐藤審議官が北京まで同行されたのは、どういう事情なのか。
(事務次官)これは、相当の機内の混乱が予想されたのもさることながら、中国側と、いざ着いてやりとりがあった場合にきちんとその場で対応できるランクの人を一応つけたということである。
(問)現地では、中国側とはやりとりがあったのか。
(事務次官)特にスムーズにいったので、やりとりをやる必要がなかったというふうに思う。
(問)あれだけの方がボディーガードもつけずに来るということは、ちょっと考えにくいという声もあるが、その点はいかがか。
(事務次官)あれだけの方かどうかという人定の所が結局確認が出来ないわけだから、それはいろんな見方ができると思うが、公的なコメントとして、ボディーガードがいるのではないかとの話は、私は特にやる立場にない。
(問)可能性としては本人ではない方が強いのではないか。
(事務次官)そういう意見を伺うのは、わりにフレッシュな感じがする。
(問)普通の不法入国事件で、審議官クラスは同行するのか。今回同行しているわけだが。
(事務次官)それはやはり普通の入管案件だったら、あんなにメディアが興奮することもないわけで、そこは本件の特異事項で、かといって本件は結局確認できなかったが、中国は引き取ってくれたことである。あの人は中国に行きたいと言って、向こうも中国も引き取ると言ってくれたということで、一応いろんなやりとりがあるといけないからということである。不法入国の度に審議官クラスの人はつけていない。しかし今回のようなケースでなければ、皆さんもそれだけの関心は払わないであろう。
(問)今回の、強制退去処置について、警察で調べた後でもいいのではという意見もあり、この早期強制退去処分は、外務省にかなり影響されたと言われているが、外務省としては、強制退去は早めにさせるべきだという意見を官邸に対して言われたのか。
(事務次官)どうも、そういう記事だけ先行しているようである。、私が実際に各省の連絡に若干関与する場面もあったが、どうしてそういうふうに報道されているのか、私はよく分からない。一貫して政府のポジションというのは不法入国案件で、法務省の入管が所定の入管の規則、法律に則って、適正に処理するということで動いていたし、外務省がどうしたらか急にどうなったというような話ではないと思っている。実際、最初から最後まで不法入国案件として法務省がきちんと適正に処理されたということだと思う。外務省がやったのは、国外退去で、出ていく先とのやりとりである。これは二つ要件があって、本人が行きたいということと、行き先が受け入れるということである。そもそもパスポートも持っていないわけだから、勝手に出て行けというオプションはないわけで、行き先が中国だったわけである。いわば受け入れ先を探すとうことはやったということである。
(問)そうすると、各省、官邸との調整のなかで、次官自らかかわられたという段階があったと思うが、その中でこういう今回の処置が適切だろうとおっしゃった場面はないのか。
(事務次官)それは、一貫して、入管行政の処理の話で、入管に関する諸法制、法律に則ってやっておられる話であるから、それを外務省があれこれという話ではないと思う。
(問)外交問題に発展する可能性もある中で、外交を扱う立場からの意見というのは、当然あってしかるべきだと思うが、それは言っていないのか。
(事務次官)いろんなやりとりをいちいち詳細に申し上げる話ではないが、基本的にはこれは関係省庁が、情報交換というか連絡は密にしており、この案件については法務省入管の入国管理に関する案件として、最初から最後まで法的にきちんと適正に処理されたということだと思う。
(問)最初に次官の耳に入ったのはいつか。
(事務次官)1日の夜である。
(問)どこからか。
(事務次官)アジア局からである。
(問)次官のご説明では金正男氏ではないことが明確になれば、次官のおっしゃるように、あくまでこの問題は入管、法務省の問題として処理されて、何の問題もないと思うが、まだどちらともよく分からないということだとすると、外務省がいろんな外交判断から、もう少し退去を遅らせてくれないかということも、選択肢としてはありうると思うが、そうしたことは全く考慮にならないのか。
(事務次官)おっしゃっていることが本人特定のために時間をかけるべきではないかということであれば、本人を特定するかどうか入管行政上関係ない。不法に入って来た人をどういうふうに退去させるかと言う話だけで、その間に入管行政でやっているプロセスに対して、ここは外交上もっと引き留めろという話は、外務省として一般論として言えば、言える立場ではないと思う。
(問)今回のケースは一般論から外れても、そうしたことをやるべきではなかったかとはお思いにはならないのか。
(事務次官)あくまでも、入管法に則ってきちんと適正に処理するということだと思う。
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