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事務次官会見記録(平成13年2月)


INDEX


・ 事務次官会見記録(2月26日)
  ・南ドイツ新聞の皇室関連記事
  ・米特使の訪日
  ・日米地位協定の運用改善


・ 事務次官会見記録(2月19日)
  ・ 米英軍によるイラク空爆
  ・ 機密費問題
  ・ 実習船事故
  ・ 日米首脳会談の日程


・ 事務次官会見記録(2月5日)
  ・ インドへの国際緊急援助隊派遣
  ・ 阿部官房長の入院




事務次官会見記録 (平成13年2月26日(月) 17:00~ 於会見室)

・ 南ドイツ新聞の皇室関連記事

(事務次官)南ドイツ新聞における皇室の記事について申し上げたいと思う。まことに不愉快な事案である。23日付南ドイツ新聞の別冊付録冊子「南ドイツ新聞マガジン」が、皇室後継者問題を取り上げて、皇太子殿下を侮辱する内容の特集記事を掲載したということであるが、記事内容および冊子の表紙写真は皇太子殿下に対して著しく礼を欠くものであって、極めて問題であると考えている次第である。
 本件に関しては、記事掲載後直ちに、ドイツのわが方の久米大使から南ドイツ新聞編集者および同冊子発行者に対して抗議書簡を発出し、またミュンヘンの中根総領事からも同じく同冊子編集局長に対して抗議書簡を発出した次第である。また、東京で本日つい先程、東郷欧州局長が駐日ドイツ大使を呼んで、ドイツ政府に対してわが国政府の強い遺憾の意を伝え、ドイツ側関係者において本件の問題性を強く認識してもらうよう要請した。また松永国際報道官より南ドイツ新聞東京支局長に抗議して、謝罪文の掲載を求めた次第である。これに対して、南ドイツ新聞東京支局長は記事に対して陳謝するとともに、抗議は早速同新聞の編集局に伝えると答えたということである。これらの抗議の表明に対して、これはインターネットに出ているが、南ドイツ新聞が「日本側からそういう抗議があった」ということを述べつつ、編集部としてはこの問題のタイトルと解説について「誤ったものである」として遺憾の意を表明している。「われわれはご夫妻を侮辱する意図はなかった」として、編集長として大使に対して謝罪をする旨述べたという記事がインターネットに出ているので、ゆくゆく南ドイツ新聞に出るのだろうと思うが、これは見ておかなければならないと思っている。
 また、東郷欧州局長に対して、駐日ドイツ大使も「まことにひどい記事であり、お申し越しの旨は早速本国政府に伝える」ということであった。

(問)南ドイツ新聞への抗議だけでなく、東郷局長からドイツ大使にも抗議したということか。

(事務次官)これは抗議というよりは、「非常に遺憾な事件ですね」という問題意識とわれわれの受け止め方をドイツ側にも分かち合っていただきたいということである。

(問)そうすると、ドイツ大使に何か対応を求めたものではないということか。

(事務次官)日本側の強い遺憾の意というものをお伝えして、それをドイツ側関係者に分かち合ってもらいたいということである。

(問)分かち合ってもらいたいというのは、ドイツ政府に、ということか。

(事務次官)ドイツ政府に、である。

(問)ドイツ政府にそういう気持ちを分かち合ってもらうということは、つまりドイツ政府からその新聞社へ何かアクションを起こして欲しいという要求ではないのか。

(事務次官)そういうことができるのかどうか(わからない)。具体的に何をやってくれという話ではない。

(問)何をやってくれということではないが、何かアクションを起こしてくれという趣旨の要請をしたのか。

(事務次官)そうではなくて、問題性を強く認識してくれということである。だから、後でドイツ政府が何をやるかというのは彼らの判断だろうと思う。

(問)明言はしなかったようであるが、そういう対応を期待してのことなのか。

(事務次官)期待してというか、非常に遺憾で重大な話であるので、それを分かってくれということを伝えて、その上でドイツ政府としてどういうことをするかというのは向こうの話だと思う。

(問)記事について陳謝があったのか。

(事務次官)自分もドイツ語は読めないが、とりあえずゆくゆく記事にすべきものとしてであろうと思うが、インターネットで今流れているということである。

(問)東京支局長は陳謝したのか。

(事務次官)東京支局長としては記事に対して陳謝し、抗議は伝えるということである。

(問)直ちに陳謝するようなものが何故掲載に至ったのかという経緯の説明は何かあったか。

(事務次官)これは向こうの中の話で、南ドイツ新聞の編集会議でも本件が取り上げられて、「悪ふざけもいいところだ」「南ドイツ新聞の品位を汚すものだ」として糾弾する声が相次いだということである。しかし、出しておいて何だという気はするが、ただ、付録冊子というのは必ずしも編集部が全部コントロールする話ではないということのようである。ただし、この辺になると、向こうの説明なのでよくわからない。

(問)執筆者は東京支局長ではないのか。向こうの人が書いたのか。

(事務次官)そうだと思う。

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・ 米特使の訪日

(問)ファーロン特使が明日3時半に横田に着くという発表が米側からあったようであるが、その後のスケジュールは決まったのか。

(事務次官)まだ決まっていないと思う。

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・ 日米地位協定の運用改善

(問)昨日、大臣が沖縄で知事との会談や記者会見でおっしゃっていたが、日米地位協定に関わる運用改善は今後どういう日程で進められていくのか。

(事務次官)「3月の半ばから」というような具体的な日程はない。運用の改善で個々の問題に機敏に対応することが重要なわけであるが、それが効果的でないのならば地位協定の改正も視野に入るのかなという話である。だから、具体的なタイムテーブルというのはなじまない。正に大臣自身、昨日刑事手続きに関して、「その他特定の場合」というのを明確化するというのをどうするか、という趣旨のことを述べたと思うが、その辺は正に米側といろいろなやりとりはどのみち要るのだろうと思っている。

(問)刑事手続き上の「その他特定の場合」の明確化以外には、当面検討するような中身はあるのか。

(事務次官)「その他特定の場合」の明確化というのが、ひとつの主たる作業になると思う。要は、運用の改善でどこまで機敏に対応できるのかという問題意識の下でやる作業である。

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事務次官会見記録 (平成13年2月19日(月) 17:00~ 於会見室)

・ 米英軍によるイラク空爆

(事務次官)週末に米英軍によるイラクに対する攻撃があったので、コメントさせていただく。ちょうど今で湾岸戦争の空爆が行われて、クウェートが開放されるという一連のプロセスから10年であるが、それ以後10年経って、依然としてあの地域は、ご承知の通り必ずしも安定しておらず、サダム・フセイン大統領はイラクの指導者として留まっている。特に、湾岸戦争後ずっと皆が大変心配した大量破壊兵器がどうなっているのかという話についても、国連による査察チームもどうもあまりうまく動かない状況で時間が経過している。北部のクルド人、南部のシーア派の人たちを守るために米英が国連の決議に基づいて飛行禁止区域というものを設けて、今回の攻撃はそれに関連しているということである。これは、米英にしてみれば、ルーティーンで、そういう飛行禁止区域の監視活動を続けるに際して米英の航空機に対する脅威が増大したことに対する自衛行為だと言っている。これはこれで終わっているが、やはりイラク問題というものが、湾岸戦争から10年経って依然としていろいろ不透明なまま残っている。また、時正にイスラエルではシャロン新政権が成立して、パレスチナとイスラエルの間の緊張感がなかなか収まるシナリオが見えてこないということである。イラクの話と中東和平の話は地域的には離れているようであるが、あの地域においては、正に湾岸戦争の時のイラクによるイスラエルに対するスカッドの攻撃をご記憶の方もいらっしゃると思うが、実は非常に結びつき得る話であるし、ちょうど10年経って事態が落ち着く方向にどうも見えないという感じをある意味で改めて実感させる事件であったという気がしている。
 イラクに対する空爆の時には必ずイスラエルに対して化学兵器による攻撃がありそうだということで、自分自身(イスラエルに赴任中は)常に防毒マスクをベッドサイドに置いて寝ていたので、個人的な感覚も強い。そういう個人的な感情を別にしても、あの地域の安定というものを本当にどうやっていくのかというのは、ブッシュ政権が成立し、ブッシュ大統領のお父さんが正に湾岸戦争をやったわけであるが、10年経って、依然としてこういうふうに物事が安定の方向に行っていないというのは10年前にはあまり想像しなかったというのが実感である。

(問)今、イラク空爆について次官の評論家的な言及があったが、今回の米国の行動の妥当性についての見解如何。

(事務次官)これは正に米英が自衛のための行為であるということを言っていて、かつそれを国連側に対しても言っている。一方、それでは日本としてはどうだと言われても、それは日本が当事者としてやっているオペレーションではないし、法的には自衛だというふうに当事者が整理していると承知している以上には、これを「違法である」とか「適法である」とか言う立場にはない。ただ、最初に言ったように、評論家と言われると少し消耗であるが、あの地域の安定というものには日本は猛烈に大きな利害関係を持つわけで、そういう意味で事態があまり緊迫化しないことを望みたいし、いろいろな国の受け止め方が域内でもあるので、その辺は的確に把握して日本としての対応を考えるべきだと思う。ただ、非常に気を付けた方がいい地域である、というのが自分の言いたかったことである。

(問)今回事前連絡がなかったが、これについて見解如何。

(事務次官)これは何回もやっていて、これに事前連絡があったことはない。

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・ 機密費問題

(問)機密費問題について、その後外務省でいろいろ調べて、国会で五月雨式に答弁しているが、1月25日の報告書から間もなく1ヶ月経つが、1度その後の調査の概要をできればご説明いただきたい。

(事務次官)確かに答弁でいろいろなことはあるが、基本的には25日の報告書というのはとにかく告発にどう持ち込むかということに主眼を置いた作業で、どうしてこういうことになったのかというシステムそのものについてよりも、まずは少なくとも犯行があるということをえぐり出すことに主眼を置いていたので、組織として反省すべきことについてはいろいろとやらなければならないわけで、正にその辺は荒木副大臣の下で調査を進めているわけである。ただ、目下いろいろな作業をやっているし、ある程度姿を見定めないと、どういうふうにこれを申し上げるかは今の時点では言えないと思っている。

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・ 実習船事故

(問)先程衛藤副大臣もホノルルに寄って帰国の途についたようであるが、船体の引き揚げについては米側が「検討中」としか言っていないわけであるが、一方でかなり難しいと言っており、日本としては「引き揚げてくれ」と言っているが、見通しおよび船体引き揚げの可能性について見解如何。

(事務次官)確かに、衛藤副大臣は先程ちょうどハワイから帰ってきたところだと思うが、ブレア司令官とのやりとり等でも、(船体の)引き揚げがこれからの1つのポイントになるだろうと思うがこれいついてもやりとりがあった。ブレア司令官の方からは、スコーピオを使った情報収集を行うことと、専門家の意見を踏まえて今後の対応について話し合っていきたいということを言っている。(船体の)引き揚げは、それぞれの国にある関連の能力、サルベージ船等がどういうのかということもあり、自分も全貌を把握していないし、とにかく姿勢としてはできるだけのことはやるということに尽きるのであろうと思う。それがどれぐらいかかるか、どれぐらい大変か、大変なことはわかっているが、具体的にどうやるとどうなるということは、自分は申し上げるだけの知識を持ち合わせていない。

(問)日本政府としては、引き続き引き揚げを強く求めていくということか。

(事務次官)引き揚げを求めていくというか、何ができるかということで、できるだけのことをしてもらうということだろうと思う。

(問)一方で、沿岸警備隊による捜索もずっと続けて欲しいと日本が求めて、続けている形になっているが、これについてはそろそろ難しいというような状況か。

(事務次官)正に、衛藤副大臣の一つの任務は捜索の継続という話であった。ただ、その中で、米側の態勢としてどういうふうにやっていくかという問題はあるかもしれないが、そろそろ中断とか中止という話では今の段階ではないと思う。

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・ 日米首脳会談の日程

(問)日米首脳会談の日程について、3月上旬その他、報道ではいろいろ調整しているということは出ているが、いろいろな状況があり、それについては今の状況如何。

(事務次官)2月もそろそろ終わりであるが、日程調整中であり、まだ「こんな感じです」と申し上げるところまで熟していない。

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事務次官会見記録 (平成13年2月5日(月) 17:00~ 於会見室)

・ インドへの国際緊急援助隊派遣

(事務次官)今朝、地震災害の起きたインドの救援のため自衛隊のC130輸送機が飛び立ったが、若干経緯を申し上げたいと思う。28日の時点でインド政府側から、外交ルートを通じて、「自立的に活動し得る医療チームを派遣していただくと大変ありがたい」という内々の連絡があった。つまり、来るチームの世話は一切できないという状況なので、自衛隊のように自ら面倒をみることができる集団、「自立的に活動し得る」集団を派遣して欲しいということであった。30日の夜になってインド側から正式に「自衛隊医療部隊を受け入れたい」という確認が得られたので、31日に防衛庁長官に対して外務大臣から国際緊急援助活動および協力の協議を行った。しかるところ、2月1日になって現地事情、医療ニーズを調査するための事前調査チームを派遣したが、調査チームの方から「どうやら現場には医療ニーズはほとんどない」との連絡があり、一方インド政府側から「被災地のニーズが大きく変化したので、むしろ被災民のための住環境の整備、特にテントの提供と設営の技術指導を行って頂きたい」という新たな要請が来たので、これを踏まえて外務省と防衛庁でインドへのテント、毛布の輸送に向けて調整を行った結果、4日に防衛庁長官が救援物資を現地に輸送する部隊の派遣を決定したということである。その意味で26日から大分経ってはいるが、従来インドはこの種の災害の場合に必ずしもいつも外国の救援を直ちに受け入れるというわけではないとのことなので、当初の調整にインド側でも時間を要したのであろうという印象を受けている。いずれにしても、テント、毛布等の需要が非常にあるということである。
 国際緊急援助隊は自衛隊100名、外務省員1名、JICA職員3名から構成されており、早ければ6日の午後、遅くとも7日に到着予定である。正に、今申し上げた通り、援助物資の引渡と設営指導に当たる。

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・ 阿部官房長の入院

(事務次官)一部夕刊ですでに報道されているが、阿部官房長が去る4日の午後に体調を崩し、体調不全のため入院した。当分の間入院・安静の必要ありとの医者の診断を受けた。これを受けて、本日飯村経済協力局長に官房長事務代理を命じた次第である。

(問)入院時の状況如何。救急車で運ばれたのか。

(事務次官)救急車ではないと思う。その前からかなり体調を崩しており、ぎりぎり週末まで引っ張ったということであろう。

(問)一部の報道の通り、過労が原因か。

(事務次官)過労だと思うが、調べてみないとわからない。

(問)医者の診断結果如何。

(事務次官)容態の詳細というのはプライバシーに関わる話であるが、検査の上できちんと(診断結果が)出るという話だと思う。

(問)動悸、頭痛等はあるのか。

(事務次官)そこまで「容態はこうである」と記者会見で申す話ではないと思う。

(問)事務次官から飯村局長には口頭で(官房長事務代理の)指示を出したのか。

(事務次官)ちゃんと発令の紙を出した。

(問)要するに、(飯村局長は)当分の間兼任するということか。

(事務次官)そうである。

(問)それは、阿部官房長がすぐには出て来られない状況だということか。

(事務次官)そういう前提である。

(問)どれぐらいの期間かかりそうか。

(事務次官)まだ診ないとわからないのではないか。自分としては、とにかく一緒にやってきたので1日も早い回復を願うし、われわれにとってもものすごい痛手である。ただ、体調を崩した以上は、きちんと休んで万全の体調に戻ってもらいたいと思っている。

(問)阿部官房長は入院されるまでの間、つまり先週内執務に当たっている間、省内において自分の体調不良を訴えたり、通院したりしたのか。

(事務次官)それはない。自分は知っていた。

(問)官房長が次官に話したということか。

(事務次官)そうである。

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