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事務次官会見記録(平成12年11月)


INDEX


・ 事務次官会見記録(11月27日付)
  ・気候変動枠組条約第6回締約国会議(COP6)
  ・フジモリ前ペルー大統領の日本滞在
  ・米大統領選挙(フロリダ州の開票結果)
  ・マラドーナ選手に対する入国拒否


・ 事務次官会見記録(11月20日付)
  ・2002年国際司法裁判所裁判官選挙候補としての小和田氏の指名
  ・フジモリ・ペルー大統領の日本滞在


・ 事務次官会見記録(11月6日付)
  ・米朝ミサイル協議
  ・ハタミ・イラン大統領の訪日
  ・北方領土2島先行返還論




事務次官会見記録 (平成12年11月27日(月) 17:00~ 於会見室)

・ 気候変動枠組条約第6回締約国会議(COP6)

(事務次官)13日から25日までハーグでCOP6が開催された。日本の代表団は川口環境庁長官、荒木外務総括政務次官の陣頭指揮の下で各国と非常に精力的に交渉を重ねてきたが、最終的には合意を見るに至らなかったというのは残念である。
 日本としては、今後とも温暖化交渉に積極的に臨み、京都議定書発効に向けた国際的なモメンタムを引き続きどう生かしていくかということが課題であり、そのために努力していくべきだと思っている。国際交渉の進捗を踏まえつつ、当然のことながら国民の理解と協力をも得て、何とか締結に向けた国内的な努力を含めて総力で取り組んでいくべきものと思っている。
 一旦中断ということで、来年5、6月に再開会合を開催することについて望ましいかどうか考える、という終わり方であるが、引き続きどう動かしていくかということが重要であろう。一時期本当に良いところまで行ったという気がしたこともあったが、如何せん合意できなかったということである。帰国した代表団からも話を聞いたが、「誰のせいで壊れた」と指を差し合うというようなとげとげしい形の終わり方ではなかったと聞いている。

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・ フジモリ前ペルー大統領の日本滞在

(事務次官)フジモリ前ペルー大統領について、いろいろ週末にも報道等があり、関心もおありかと思うので、若干整理を試みたい。
 在留資格について、現職の大統領として入国し、大統領でなくなったことに伴って在留資格が異なるのではないかという点については、主管は法務省入管局であるので、同局が判断すべき案件である。ただ、一般論として、仮に有効な外交査証で入国し、その後にその根拠となる身分を失った場合に、直ちに一時的な滞在もできなくなるというものではなく、ある程度の経過期間が認められるというのが従来のプラクティスのようである。
 また、日本の国籍を持っているかどうかという点については、これも法務省民事局の判断することであるが、要は出生届や国籍等の所要の事項の確認をする必要があるということで、その確認のプロセスが進行しているとわれわれは理解している。
 在留資格にしても、国籍にしても、政治判断という話ではなくて、法的な一定の要件の下での判断をどうするかという問題であると承知している。
 どこの国でも、この種の政権交代があった際に内政において緊張感が高まるという事例はいろいろあるが、いずれにせよ日本政府としては、パニアグア新大統領が憲法的手続で就任したことに対して祝意を表明している次第で、要は新政権、新大統領の下で引き続き政治的安定と民主主義が強化され、平穏に政権移行が進むことを期待するという姿勢である。日本とペルーの友好関係には些かの変化もない。そういう中で、ペルーの民主化と経済・社会改革を引き続きお手伝いしていくという姿勢である。

(問)「ある程度の経過期間」とはどれぐらいか。

(事務次官)主務官庁の判断であろうと思う。「何日ぐらい」と申し上げる立場に自分はない。要するに、切れた途端に「新たな身分について黒白はっきりしろ」ということでは従来からない。

(問)フジモリ前大統領が、インタビューで「近く外務省や法務省と話し合いたい」ということを述べているが、現状はどのような形で連絡を取っているのか。

(事務次官)主管局、局長が折に触れて接触はしている。ただ、両方とも滞在していることについてどう整理するかという法的な話であり、それは最初に申し上げた通りであるが、それがどうなるかということについてはまだ時間がかかるのではないかと思う。

(問)接触の際に、どのようなことを話し合っているのか。

(事務次官)今後どうするか、またその場合に法的整理をどうするか、という説明である。

(問)それに対して、先方からどうしたいという回答はあるのか。

(事務次官)今のところない。

(問)事務的な話であるが、外務省と法務省はこの件に関して連絡を取り合っているのか。

(事務次官)判断権は向こう(法務省)であるので、そういう意味では連絡を取っている。国籍があるとなると入管の話ではなくなるので、両方同時にという話ではない。

(問)法的な整理とは別に、フジモリ前大統領がペルーに帰国して、いろいろな疑問や疑惑に直面する道義的な責任があると思うが、そういった問題についての日本政府としての立場如何。

(事務次官)それは政変とその後をどう収拾するかの話であり、たまたま日本に滞在中だからといって「ああしろ」「こうしろ」という話ではないと思う。要は、そういう政変の中で、日本の立場というのは、先程申し上げた通り政治的安定と民主主義の強化という方向で物事が動いていき、政権移行が平穏かつ円滑に進むことを期待する次第である。そういう一般論を超えて、たまたまご縁が深い方だからといって「これをこうしたらいいではないか」というのは疑問であるし、それは内政の話であろう。

(問)「出生届や国籍等の所要の事項の確認をするプロセスが進行している」とはどういうことか。

(事務次官)確認手続を民事局でやっていると聞いている。これはそういう要件があるかどうかというだけの話であるので、わが方で「こうなります」と言う権限もないし、立場にもない。

(問)「政治判断という話ではなくて、法的な一定の要件の下での判断をどうするかという問題である」ということは、現時点でフジモリ前大統領が今後日本にどのように滞在するかについて、在留資格や国籍等のルールを逸脱することはあり得ないということか。

(事務次官)逆に言えば、両方ということはあり得ない。(在留資格か国籍かの)どちらかで、それぞれの法的にどう整理がなされるかということである。一方であれば入管局、もう一方であれば民事局であるので、その整理には若干の時間は要るのではないかというのがわれわれの印象である。

(問)最終判断には、政治的な配慮や国際社会の世論は基本的には関係ないか。

(事務次官)どちらもそういうことでなく出来ているシステムであるというのが自分の印象である。例えば、国籍法というのは、けしからんから認めるとか認めないという性格の話ではないと思う。

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・ 米大統領選挙(フロリダ州の開票結果)

(事務次官)ご承知の通り、米東部時間26日午後7時半に、フロリダ州務長官がブッシュ候補を勝者と宣言した。ゴア陣営の方は、リーバーマン副大統領候補が直ちに結果に対する異議申立を行うという態度を表明している。そのような状況においては、日本政府としては事態の推移を引き続き見守るということに尽きる。

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・ マラドーナ選手に対する入国拒否

(問)アルゼンチンのサッカー選手であるマラドーナが日本の試合を見に来ようとした際、日本が入国を拒否したというニュースがあるが、法務省から理由等を聞いているか。

(事務次官)この件の事実関係は承知していないが、麻薬となると拒否の理由になるのではないかと思う。(法務省からは)何も聞いていない。

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事務次官会見記録 (平成12年11月20日(月) 17:00~ 於会見室)

・ 2002年国際司法裁判所裁判官選挙候補としての小和田氏の指名

(事務次官)本日、2002年秋に行われる国際司法裁判所(ICJ)の裁判官選挙のわが国の候補として、小和田恒日本国際問題研究所理事長・早稲田大学教授を指名することが決定された。国会の対応のため急遽欠席した外務大臣の代理として浅野政務次官が主催した諮問協議会において、国別裁判官団より、小和田氏は実務および学問の両面でICJ裁判官として最適任であり、国別裁判官団として同氏を指名することが適当であるとの結論に達したとの発言があり、次いで諮問協議会のメンバー全員から小和田氏を候補として指名することについて賛同を得たとのことである。本日の決定を受け国内の手続は終了したので、2002年の選挙の当選に向けて、今後、各国政府に対して小和田候補への支持要請等の働きかけを本格化したいと考えている。

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・ フジモリ・ペルー大統領の日本滞在

(事務次官)フジモリ・ペルー大統領について、最初に事実関係を申し上げると、17日朝に航空機の乗り換えのため東京に入り、当初18日夜出発の予定であったが、体調を崩したため引き続き東京に滞在するとの連絡があった。現在も東京に滞在中である。
 一方、日本時間本日午前1時(現地時間19日)、フジモリ大統領が48時間以内に国会議長に対して辞表を提出することが決定したという発表があった。この辞表の提出は、フジモリ大統領がペルー国会の勢力関係を決定した上でペルー憲法に従って決定したものとされている。これに先立ってフジモリ大統領は、サラス首相と電話で連絡を取ったとのことで、大統領は辞表の中で辞任の理由を明らかにするとのことである。また、「辞任の理由のひとつは民主化プロセスを損なわないためであり、次期総選挙は国民にとって透明なものとなろう」ということを発表している。
 日本政府としては、先般の選挙でいろいろな事態の進展があったが、今般この大統領辞任の決定を重く受け止めている次第である。辞任の決定がペルーの民主主義の促進に有意義なものとなることを希望する次第である。また、平穏かつ円滑な政権移行の実現を期待している。手続的にペルー国内で整理すべき点はいろいろあろうと思うが、それは見守っていきたい。

(問)フジモリ大統領が熊本県に戸籍を持っており、日本に滞在することができるという報道がペルー側から流れたが、事実関係如何。

(事務次官)報道は承知しているが、戸籍がどうこうという事実関係は承知していない。

(問)フジモリ大統領の体調について、お粥が食べられないという話もあるが、事実関係如何。

(事務次官)風邪だという話を聞いているが、お粥が食べられるかどうか等、それ以上承知していない。連絡としてあったのは、「体調を崩している」ということである。

(問)フジモリ大統領が日本に滞在中にそのような発表があったというタイミングについてはどのように理解しているか。

(事務次官)そういうことがあったという以上、どういう動機であろうか等の推測はすべき立場にはない。

(問)今後、フジモリ大統領の滞在が延びる可能性はあるのか。

(事務次官)見通しがどうなるかについて、今の時点で「ああなるであろう」「こうなるであろう」ということはよくわからない。今の時点では、引き続き滞在するということである。

(問)今回の大統領の訪日の目的は何か。また、いろいろな人とお会いになったようであるが、堀村中南米局長と会った際に先方から何か要請があったのか。

(事務次官)当初は航空機乗り換えのための立ち寄りだと聞いていたので、それがもう少し長引くという話等を堀村局長が正に聞いてきたということである。何故そもそも立ち寄ったのかと言えば、最初に申し上げた通り航空機乗り換えのためだということを聞いていた。それ以上に、例えば「最初からここで辞意を表明するために日本に立ち寄ったのではないか」と言われても、それは結果としてそうなったのであって、元々は乗り換えのために立ち寄り、その後でこういう事態が起きたということである。

(問)国際協力銀行の総裁と会った際に円借款の話をしたという報道もあるが、事実関係如何。

(事務次官)自分は承知していない。

(問)大統領が辞表を提出した後いつ辞任が発効するのかは承知していないが、外務省の方々もホテル等でフジモリ大統領と接触されているようであるが、これは滞在期間中ずっと続くのか、あるいは辞任後はそのような公的な接触は止まるのか。

(事務次官)要は、48時間以内に辞表をどういう形で提出するのかということもまずあるが、その上で国会が受諾すると大統領職を正式に離れるということである。従って、今のところは大統領職にあるわけで、そこから先どうなるかと言われても、「そこから先はこうなるであろう」という確たることを今の時点で申し上げる材料はない。

(問)本日フジモリ大統領はどのような行動を取られたのか。ホテル内にいたのか。

(事務次官)詳細は承知していないが、基本的にはホテルの中で静養していると受け止めている。どこかへ出たという情報があるのか。

(問)特に承知していないが、どなたかに面会したという情報はあるのか。

(事務次官)承知していない。

(問)フジモリ大統領は今大統領の職にある方であるが、日本国へ亡命は法律上可能なのか。

(事務次官)それは仮定に仮定を積み重ねたような話であるので、今は大統領は休んでいるということ以上にどうこうコメントする立場に自分自身はないと思う。

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事務次官会見記録 (平成12年11月6日(月) 17:00~ 於会見室)

・ 米朝ミサイル協議

(事務次官)先週、日本としても注目していた米朝ミサイル協議が行われ、3日に終了した。ミサイル関連の輸出、北朝鮮自身のミサイル活動、他国による人工衛星打ち上げと引き替えに北朝鮮のミサイル活動をどう制するのか等、いろいろなミサイル問題全般で相当実質的な議論が行われたと承知している。まだ今後相当解決や検討を要するいろいろな問題が残されているようなので、まずは3日で終了し、今後米側としては次なる措置を検討するという段階にあるようである。従って、これがクリントン大統領の訪朝にどうつながるのか、つながらないのかは必ずしも見えてこない状況であるが、いずれにせよ日本にとって、このミサイル問題は日本の安全保障に関わる極めて重要な問題であるので、このミサイル協議が緊張緩和に資する方向で動いていくことを期待し、また今後の流れや動きを引き続き注視していきたいと思っている。

(問)この協議の中で、日本が関心を持っている日本に届くミサイルは全てカバーされているのか。

(事務次官)ノドンも入っている。射程をどこまでに限るかというのは、正に詰めていかなければならない話だと思うが、基本的には日本の関心事項をカバーしているという前提で見守っている。

(問)米国からそのような連絡を受けているのか。

(事務次官)従来からそのように行っている。今回始まった話ではなくて、正にミサイルにどう対応するかというのは2年以上話し合っている問題である。

(問)御発言の中の「次なる措置を検討」というのは、どのようなことを想定されているのか。

(事務次官)全部話がついてしまったという訳ではなく、持ち帰りになったので、そこまでの協議の到達点を踏まえて今後どのようなことを打ち出すかを米政府内で検討する段階だと承知している。

(問)それは、次の交渉のレベルや日時をどう設定するかということか。

(事務次官)それも含めてのことだと思うが、どこが引っかかっているかという詳細については米側とやりとりするに至っていない。しかし、これは相当ありとあらゆる局面をカバーする話であるので、双方の立場についていろいろなやりとりがあったのは間違いないが、「それでは全部これでいきましょう」と話がついてしまったという状況にはならなかったということであろう。

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・ ハタミ・イラン大統領の訪日

(事務次官)先週皆様もフォローされたと思うが、やはりハタミ大統領の訪日は、当初われわれが考えていたようないろいろな意味があったと思っている。考えてみれば、ホメイニ革命以来このような首脳レベルの交流は初めてであるし、国会での演説も報道されているが、このようにいろいろ動き出している日・イラン関係は大事にフォローアップしていきたい。

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・ 北方領土2島先行返還論

(問)日露外相会談で、日本側からいわゆる「2島先行返還」を打診したり言及したりしたのか。

(事務次官)これは確か大臣が記者会見で明らかにしたと思うが、「2島先行返還」という話を出したということはない。あくまでも日本側としては、「4島の帰属の問題を解決して平和条約を締結する」という基本的立場で臨んだということである。

(問)この2島先行返還論は、ある意味で川奈提案の枠の中で考えているということであるが、これについて次官はどうお考えか。

(事務次官)「先行」ということにいろいろな意味合いを込める見方があるかもしれないが、基本的なところは4島の帰属であり、そこが押さえられての話でずっとやってきているわけである。例えば、56年の宣言にしても、「平和条約ができたときには2島を返しましょう」ということであるが、平和条約ができるということは、日本からすれば、4島の帰属の問題が解決した時である。そういう意味で、「2島先行」という言葉が若干一人歩きしているような気がする。

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