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記者会見

事務次官会見記録(平成12年9月)


INDEX


・ 事務次官会見記録(9月25日付)
  ・ユーゴー選挙
  ・「瓶の蓋」論(コーエン国防長官表敬時の森総理発言)
  ・日中間協議(海洋調査船の相互通報制度)


・ 事務次官会見記録(9月18日付)
  ・フジモリ・ペルー大統領の退陣表明
  ・対北朝鮮食糧支援


・ 事務次官会見記録(9月11日付)
  ・パレスチナ独立宣言の延期
  ・シドニー・オリンピックにおける南北朝鮮合同行進
  ・海上自衛官の機密漏洩事件
  ・中国の海洋調査船
  ・スー・チー女史の自宅軟禁


・ 事務次官会見記録(9月4日付)
  ・日露首脳会談
  ・NMD配備決定の先送り
  ・スー・チー女史の自宅軟禁
  ・南米首脳会議




事務次官会見記録 (平成12年9月25日(月)16:55~ 於:会見室)

・ ユーゴー選挙

(事務次官)ユーゴーの選挙は24日に実施され特段混乱なく実施されたということであるが、他方地方においては、野党の立会人の投票所への立ち入りを拒否したとか、野党に対する暴力行為とかいろいろなことが報道ででている。政府としては、今回の選挙が民主主義の諸原則に則って公平かつ平穏に実施されるか否かということに注目している。
 現在集計作業が進められているが、ユーゴー当局側が民主化に逆行するいかなる措置も講じないよう改めて求めたい。
 ユーゴー内のすべての民主化勢力がユーゴーの民主化と安定のためにいっそう重要な役割を果たしていくことを期待したい。
 現時点では正式な中間発表は行われていないが、与野党とも独自の調査にて勝ったと言っているが、その点が若干心配である。

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・ 「瓶の蓋」論(コーエン国防長官表敬時の森総理発言)

(問)先週の森首相とコーエン国防長官との会談の中で森首相の方から「瓶の蓋」を容認するような発言があった思うが、官房長官の説明でもやや明確ではないが、実際にはどのような発言があって、外務省としてはどう考えるのか。

(事務次官)実際にどのようなやりとりがあったかは、手元に資料を持っていないが、要は東アジア情勢について話が及んだ際に森総理の方から、日本としては憲法の下、専守防衛政策をとっており、米軍は韓国、中国等日本の近隣諸国からも地域の安定要素として受け止められているとの趣旨を述べられたと承知している。「瓶の蓋」という話があったが、私どもの理解としては「瓶の蓋」と述べられたとは受け止めていない。若干敷延すれば、「日本は軍事大国にはなりません、平和を国是とした憲法でやっておりますと、それは日本のポジションですからそれで周辺国にわかってもらいたい」という面はあるわけだが、周辺国としてはそれだけでは信用できないという受け止め方をする人もいるわけであり、そういう人たちにとって在日米軍もいるからということが安心要因となっているのであれば、そういうこともあるかもしれないということであって、逆に言えば日本の立場としては居てくれないと日本自身軍事大国になるかもしれないからと言う話のはずはない。そっちが俗にいう「瓶の蓋」であり、そこはおおよそ政府として今まで言ったことはない。在日米軍が居ると安心だなと思っている人が近隣国にいるとすれば、それは一つの事実としてそういうこともあるということで、それ以上でもそれ以下でもない。

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・ 日中間協議(海洋調査船の相互通報制度)

(問)日中間の海洋調査船の相互通報制度については、朱鎔基の訪日までには合意を得たいということなのか。

(事務次官)鋭意既に一回やって、そこでまだ収斂していないが、対象の海がどうなるかとか、そうは言ってもお互いの立場を害しない中でなにが可能かということは注意していかなくてはならない。互いに日中外相会談を受けてきちんとやらなくてはいけないという問題意識はあるが、何日までにといわれても、やってみなくては分からない。全力を挙げる状況であるということである。

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事務次官会見記録 (平成12年9月18日(月)17:00~ 於:会見室)

・ フジモリ・ペルー大統領の退陣表明

(事務次官)フジモリ・ペルー大統領の退陣表明について一言申し上げる。かれこれ10年に及ぶフジモリ大統領の下でのペルーとのいろいろなつきあいややりとりを思い起こすと、自分自身としても大変感慨がある。フジモリ大統領は国民向けメッセージで、国家情報局の機能停止、総選挙(大統領選挙および国会議員選挙)の早期実施、同選挙に出馬しないことの3点を明らかにした。また、それに先立って、「ペルーの国民の発展への正統な期待を妨げかねない現下の状況を前にして決断を行うことは自分の道義的な義務である。国民の多数決によって当選したが、混乱の元にはなりたくないし、ましてや民主主義の強化の妨げにはなりたくない」と述べている。やはり、フジモリ大統領が熟慮した上で行った重い決断であろうと受け止めており、日本政府としては今後の事態の成り行きに注目している。従来からペルーの民主化と経済開発の促進を重視してきたわけであり、フジモリ大統領の今般のメッセージも、そういう方向と軌を一にして出されたものであろうと思っている。これまでのペルーで進められてきた経済発展等が後退することなく、民主化がさらに動いていくことを期待するし、安定が一段と広がりを増していくことを期待していることを改めて申し上げたい。また、そのために日本としてお手伝いすることがあれば、これまでもいろいろ一生懸命取り組んできたが、民主化あるいは発展のためにいろいろなことをやっていきたい。しかし、当面は、これからどうなるか見守っていきたい。

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・ 対北朝鮮食糧支援

(問)北朝鮮へのコメ支援についてWFPがアピールしたが、これで具体的に日本政府として検討に入ると考えてよいか。

(事務次官)逆に言えばまだ方針を決めていないので、WFPのアピールが出たのでこれを精査して検討していきたい。

(問)WFPのアピールの量が、これまでは1年分であったが今回は4ヶ月分であり、若干少ない。最終的に、このアピールを超える量を支援するということはあり得るのか。

(事務次官)正にこのアピールを踏まえて、内容等を精査し、これから考えるということである。

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事務次官会見記録 (平成12年9月11日(月)17:00~ 於:会見室)

・ パレスチナ独立宣言の延期

(事務次官)パレスチナの独立宣言延期については、すでに報道官談話にてこの決定を高く評価するというわが国の立場を明らかにした。やはりキャンプ・デイヴィッドにおいて、「もう一歩のところまで」と言うと言い過ぎかもしれないが、ようやく核心に触れるやりとりが密度濃く行われ、ここで交渉に見切りをつけて一方的にパレスチナ側が独立を宣言しても、関係当事者にとって好ましい状況が生じるとは到底思われないので、そこは更なる交渉努力に期待したい。引き続きクリントン大統領自らによる、いろいろな形での尽力を期待する。中東和平の実現は日本の国益にとっても極めて重大な話であり、引き続き関心を持って見守っていきたい。

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・ シドニー・オリンピックにおける南北朝鮮合同行進

(事務次官)シドニー・オリンピックにおける南北朝鮮合同行進のアレンジができたということで、これは素晴らしいと思うし、歓迎するものである。このようなアレンジを可能にした関係者に敬意を表したいと思う。このような形で一歩一歩南北和解の努力が積み重ねられるということ自体、大変意味があることであり、日本としてもそういう方向で動いていくということを期待する。

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・ 海上自衛官の機密漏洩事件

(事務次官)日露関係について、海上自衛官による機密漏洩事件が週末にかけて報道でも随分フォローされたと思う。先週の初めには、森総理とプーチン大統領の間で、日露関係をどういうふうに動かしていくかということについて意見交換があって、これから首脳会談で意見の一致を見た方向で前向きに動かしていくためのいろいろな共同作業があるが、これについてはこのような共同作業を積み重ねていかなければならないと思う。ただ、それだけにこういう事件が起こったということは大変遺憾である。目下のところ、捜査当局が全力を挙げて全貌解明に当たっているので、その結果をも見た上で外務省としての考え方をまとめたいと思う。ただ、こういう事件が本当にあったとしたらそれ自体遺憾であるし、また、まかり間違ってもこういう事件が引き続きあってはならないと思っている。

(問)今回の事件について、現時点での日露関係の影響についてはどのようにお考えか。

(事務次官)最初に申し上げた通りである。ようやく首脳会談があって、これはこれでいろいろ共同作業をいろいろやらなければならないであろう。他方、捜査当局は事件の解明に取り組んでおり、全貌が明らかになるのを待った上でわが方の考え方をまとめるべきであろうと思う。しかしそうは言っても、こういう事件があったということは遺憾である。

(問)次官は「遺憾である」ということだが、今日ロシア大使館の報道官は全面的に事実関係を否定している。政府として、何らかの形でロシア側にきちんとした対応を取る必要はないのか。

(事務次官)先方が「日露関係の前進を望まない勢力がやった」と言うのは、日本政府の動き方はそうではなくて、認識不足であり、事実無根である。他方、今の段階では、事件の全貌解明には捜査当局が取り組んでおり、捜査当局から「外交官としてふさわしくない行動があったという心証を受ける」という連絡は受けているが、それ以上は捜査当局からの全貌解明を待っている段階である。それがある程度完結した上でということになると思う。今の段階で、外交当局同士でやりとりに入るということではないと思う。

(問)日露間の友好関係が悪くなるかどうかを含めて、どれほどの影響があるのか、どうお考えか。

(事務次官)それぞれの両国内での受け止め方ということであれば、例えば「こういう事件があるとはけしからん」とか、いろいろなものがあると思う。ただ、今の段階で言えるのは、そういう中で日露関係をどういうふうに動かすのか、動かさないのかということであれば、いろいろやっていかなければならないことはあるので、それは積み重ねていかなければならないであろう。例えば首脳会談でのやりとりは、結局双方にとって何が相互利益なのかという観点から、いろいろな方向を打ち出しているわけである。

(問)これまでと同様に進めていくということか。

(事務次官)まだ事実関係の解明が途中の段階であるので、それを予断して今から「これからの方向は違う」とか言う話ではなくて、まずは様子を見ているということである。ただ、その中で「日露関係が前向きに動くのを好ましく思わざる勢力である」ということを言われると、「そういう話ではない」というのは当たり前の話である。日本の捜査当局はそういう形で動くものではない。その辺は、事実関係とは違う話であろう。

(問)政府・与党連絡会議で、一方の当事者とされるロシアの海軍武官が白昼堂々と海外に出国したということは、事情聴取もできなくなるわけで、一体どういうことなのか、という批判がかなり上がったようであるが、これについてどう受け止めているか。

(事務次官)こちらもいろいろと聞きたいことがあるわけで、協力してもらいたいことはある。協力するかどうかは別であるが、少なくとも協力をしてもらいたいという立場である。それにも拘わらず出国してしまったということは遺憾であるし、それは先週末に東郷欧亜局長からパノフ駐日ロシア大使に伝えたわけである。ただ、国を出てしまうということについては、実はロシアの外交官を巻き込むいろいろな類似の事件が過去1年で、自分が承知している限りでも4件ある。エストニア、ポーランド、米国等ある。いずれも、皆出国してしまっている。従って、引き留めておくべきであったということであれば、ある程度の協力を得ないと、身柄の拘束は国際法上なし得ない。協力しないのはけしからんと言えば、それはその通りであろう。

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・ 中国の海洋調査船

(事務次官)すでにブリーフ申し上げた通り、自分自身が陳健駐日中国大使を今朝外務省に招致し、河野大臣が訪中してあれだけいろいろなことをやってきたにも拘わらず、また中国の調査船がわが国の排他的経済水域に入って来た、ということについての日本の立場を伝えた。今週後半にアジア局の佐藤参事官を北京に赴かしめて、先方とこの種の調査船の相互事前通報についての枠組みを作る作業を至急開始させたいと思っている。

(問)佐藤参事官を中国に派遣する日程と、今回の訪中での事前通報の枠組みについてどの程度の進展を期待しているのか伺いたい。

(事務次官)日程の詳細については自分は承知していない。別途原課にお尋ねいただきたい。また、交渉ごとであるので、事前に「これができる」ということは現段階では申し上げられない。ただ、中国側としても「何かやらなくては」という政治的意志はあると思う。

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・ スー・チー女史の自宅軟禁

(問)ミャンマーにおけるアウン・サン・スー・チー女史の監禁の展開と、それに対する立場を伺いたい。

(事務次官)前回申し上げた時点では、車から連れ戻されて軟禁状態になったということであった。あの時も申し上げたが、そもそも長きにわたって民主化への流れがなかなか出てこないことに対して、日本政府としても非常に懸念を持っていた。アウン・サン・スー・チー女史については、その後ミャンマー政府側に対して申し入れを行った。それ以降軟禁状態が物理的にどうなったかと言うと、軟禁状態が今のところ続いていると承知している。

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事務次官会見記録 (平成12年9月4日(月)17:00~ 於:会見室)

・ 日露首脳会談

(事務次官)日露首脳会談は今動いている話であり、ブリーフをそれぞれやっていると思うので、自分として付け加える話はない。

(問)一部報道で、歯舞、色丹に対する日本の主権をロシア側に確認させ、残り2島については中間条約を結ぶという話を、昨晩外務省の幹部が総理に説明をしたということであるが、これはご承知か。

(事務次官)承知していない。そのようなことはないと思う。

(問)午前中の首脳会談で、プーチン大統領の方から「56年の日ソ共同宣言を検証している」と表明したとのブリーフがあったが、これについて、外務省はどう評価するか。これまでは首脳がそういう場でそのようなことを発言したことはないと理解しているが、今回の発言はどのような意味があるのか。

(事務次官)会談では確か初めてだと思う。要は、朝(会談を)やって、午後もやってというプロセスの途中なので、今の時点で「これはこうであろう」という位置付けから結論めいたものを述べるのは時期尚早だと思うし、自分自身会談に出ていないのでこれ以上のコメントは差し控えたい。

(問)次官御自身が受けている報告の範囲内でお聞きしたいが、午前中の会談はあくまで日露の主張が平行線で終わったという認識か、それともお互いに歩み寄る姿勢も伺えたという認識か、どちらであるか。

(事務次官)会談の性質をまとめろと言われても、自分自身は出ていないし、ようやくプロセスが始まった段階である。ブリーフをベースに各社いろいろな報道ぶりをしているが、キャラクタライゼーションと言うか、「一言で言えばこうである」ということを自分が言うべきではないと思うし、言う自信もない。ただ、意義のあるやりとりがスタートしたという意味では、良かったのではないかと思う。

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・ NMD配備決定の先送り

(事務次官)国家ミサイル防衛(NMD)について、クリントン大統領が配備を決定しない旨発表した次第であるが、これについて申し上げると、米国が近年「ならず者国家」によるミサイルの拡散の脅威に対してNMDを検討したいという話がずっと動いていたわけである。日本側として、検討するということはわかるし、理解もできる。しかし、これを進める過程で、結果として核の軍拡競争になってしまっては元も子もない話であり、そこはまずもってロシアとの間の協議が整うことが重要であるし、それを期待するという立場で一貫してきている。決定を延期して、検討をさらに続け、論議を深めるということで、それはそれで結構なことであると思うし、要は軍縮、軍備管理等を含む国際安全保障環境の安定化、向上に資する形で本件が動いていくことを期待するということに尽きる。

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・ スー・チー女史の自宅軟禁

(事務次官)アウン・サン・スー・チー女史が車に籠城している状況が続き、今般当局により自宅に連れ戻されて、自宅軟禁措置となった。ミャンマーの政治状況については、日本政府としては、ミャンマーにおける民主化および進展状況の改善を見守るということで従来から来ており、そういう観点からすると一連の事態は非常に重大な関心を持って注視している次第である。もう少し情報収集等に努めて、日本としてどのような立場を取るか考えていきたいと思っている。

(問)スー・チー女史の状況について、どのような情報が今入っているのか。軟禁と言っても、どの程度厳しい監視下に置かれているのか。

(事務次官)大体報道に出ているのと同じであるが、ミャンマー政府の方は声明を発出しており、「国民民主連盟(NLD)幹部は誰も自宅軟禁状態に置かれていない」とか、「NLDの一部が複数の反政府組織と共謀して、遠隔操作爆弾を密輸入したという情報があるので、取り調べを行っている間自宅にいて下さいと言っただけである」等、いろいろ飛び交っているが、実際上何が起こっているかのか具体的に情報収集したいし、先程申し上げたように、これは今始まった話ではないが、ミャンマーの民主化等の脈絡で非常に重大な関心を払っている。

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・ 南米首脳会議

(事務次官)8月31日と9月1日の2日間、ブラジリアで南米首脳会議が開催された。これは歴史的な首脳会議であり、カルドーゾ大統領がイニシアティブを取られたということで、まずもって敬意を表したい。「ブラジリア宣言」というものが出来て、民主主義の強化、経済統合の拡充、統合のためのインフラ整備、麻薬取引による脅威の削減、情報・科学技術の開発等、いろいろな政治的意見を南米首脳として表明している。わが国としても、なかんずくエネルギー、運輸および通信分野のインフラ近代化と拡充を通じての南米の統合と開発を促すことを目的とする「南米地域インフラ統合のための行動計画」に関心を有している。これまでも、メルコスールやアンデス共同体等いろいろなものがあったが、南米全体としての一つの地域の固まりとしての動きというのは注目している次第である。

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