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事務次官会見記録 (平成12年7月31日(月)17:00~ 於:会見室)
ASEAN+3外相会議、ARF閣僚会合、ASEAN拡大外相会議
(事務次官)ASEANに関連するいろいろな協議があった。すでに報道されているが、ASEAN+3、同+1、同+10、ARF等あった。一つは、ちょうど九州・沖縄サミットの直後だったので、アジアの各国に河野大臣から説明する機会としては非常にタイミングが良かったという気がする。また、言うまでもなく、北朝鮮が初めてARFに参加したということで、二国間会談もいろいろあり、これは多数国間の会議の場のみならず、その際大変多くの外相会談ができるという意味で、毎年便利で意味のある場である。今年は特に、北朝鮮の参加等が新たな進展で、大変意味があったという気がする。ARFが始まってから6年経ったわけであるが、初めて南北両当事者がいる場で朝鮮半島情勢についてきちんとしたやりとりができた。今まで朝鮮半島情勢はあまりARFの場では正面の議題になっていなかったが、初めてそれができたということで、ARFという場でのこれまでのやりとりを想起すると、はるばる来たなという気がする。
8月以降の主要外交案件
(事務次官)九州・沖縄サミットが終わって、今申し上げたASEANのバンコクでの一連のプロセスが終わって7月も終わりであるが、明日からの8月を見ると、総理の南西アジア訪問、下旬の日朝国交正常化交渉、さらには9月初旬にはプーチン大統領の訪日、ニューヨークでの国連ミレニアム・サミット等、結構引き続き準備を要する大きな仕事があるので、あまり夏休みの8月に入るという感じは実のところない、というのが実感である。
ペルー情勢
(事務次官)ペルー情勢について申し上げると、28日にフジモリ大統領の就任式典が行われたが、27日の深夜からデモが立ち入り規制区域に入って、これに対して治安当局がこれを阻止しようとする小競り合いの中で、デモ参加者の一部が10カ所に放火、あるいは商店の破壊等を行って、死者6名、負傷者80名が出たということである。このような事態になったということは、大変残念だと思っている。日本政府としては、ペルーにおいて民主主義の強化が図られると共に、ペルー国内の安定が維持されるということが地域の安定にとっても非常に重要であると考えている。フジモリ大統領としては、これからの5年間民主化のための最大限の努力を払う姿勢を示しているので、国際社会としても同大統領の努力を支援していくべきではないかと考えている次第である。
日露平和条約交渉
(問)先週自民党の野中幹事長が、日露交渉の進め方に関して「一つの前提を解決しなければ平和条約はありえないと考えるべきではない」として、クラスノヤルスク合意の目標期限が近付く中で今後の交渉の仕方に関する見直しを含めた発言をしていたが、どのように受け止めているか。
(事務次官)大変有力な政治家としての大所高所からの議論だと思うし、その中で政府としては今後プーチン大統領の訪日等、一連の日露間のやりとりの中で、問題の前進を図るべくやりとりをするが、他方、進展が見られないからどうこうという話ではなくて、基本的には日露関係をどうやって前に動かしていくかということについて知恵を出していくというプロセスがずっと続くであろうと思う。野中幹事長の意見は、それはそれできちんと受け止めるべきところはあろうかと思うが、もともとこれは「2000年までに」ということでいろいろやってきたわけで、それに向けて今のところは努力をしようということである。今からそれがどうなるかというべきではないが、両国とも二進も三進も動かないような状況に置くという話ではないであろうし、政府としてはまずは両国間で全力を挙げてみるということであろうと思っている。
(問)先週の沖縄サミットの際の日露首脳会談で、プーチン大統領の方から「年内に領土問題を解決した形での平和条約は難しい」という発言があったようであるが、今自民党の一部ではそういうことを見越して、「年内に何らかの合意文書を結んで、その合意文書に基づいて来年以降領土問題について話し合っていけばいいではないか」という意見もあるようであるが、その「年内に何らかの合意文書を結ぶ」というやり方に関してはどうお考えか。
(事務次官)今のところは、まだそういう形で年を越えるというところまで検討するには至っていない。ただ、前からいろいろな人が言っているが、2000年までに何かできないと天が落ちてくるという話ではない。プーチン大統領とのつきあいは長い長いプロセスになるであろうと思うし、その中で率直なやりとりを通じて問題の解決を図るということである。野中幹事長の発言も一つの重みのある発言として、当然考えていかなければならない話だと思う。しかし、政府として、これから正に首脳会談等のやりとりをやる中で、どのようにもっていくかというのは、まだ年が終わっていないので、これからのことになると思う。
日朝国交正常化交渉
(問)オルブライト米国務長官が今日の総理との会談の中で、朝鮮半島の交渉に関して「食糧問題やミサイル問題についても取り上げて話し合っていくべきだ」という発言をしているが、先日バンコクで河野大臣が食糧支援に前向きな考え方を示したというふうに受け止めているが、8月の交渉の中でこれについてはどのように対応していくのか。
(事務次官)当然、日朝国交正常化交渉ではこれまでもそうであったし、中断する前もそうであったし、これからもそうであろうと思うが、正常化をどうやって達成するかという中で、日本にとっていろいろ関心の高い問題はあり、それはそれで当然取り上げていく話であろうと思う。これまでもそうであった。むしろスタンスとしては、そうやって日朝関係が前に動くのであれば、それはそれで結構である。しかし、そういう脈絡の中で、今言われたような問題等日本にとって大変大きな関心事項はいくつもあるわけであるし、それの解決を得るべく進めていくという話であろうと思う。
事務次官会見記録 (平成12年7月24日(月)17:00~ 於:会見室)(事務次官)サミット自体の総括は、もう出尽くした感もあり、付け加えるつもりもないが、サミットが終わって、サミットの場というものは今後どうやっていろいろな問題に取り組むかという方向感覚を分かち合うというのが本当であったわけであり、要は1回きりで終わったという話ではなくて、これからどうやって皆でフォローアップしていくかというのが最大のポイントであると思うし、そういうふうにギアを切り替えて臨みたいと思う。
(問)サミット全体にかかった経費について、海外から「高いのではないか」という批判が出ているが、外務省で把握している正確な経費はいくらか。また、このような海外の批判についてどのようにお考えか。
(事務次官)手元に経費がいくらかという資料はないが、沖縄振興というような話があったわけであり、既存のインフラが出来ている所でやるのと違って、いろいろな新たな建造物等が必要であった。それから、確か警備に関わる費用がものすごくかかっていて、それはほかの国が7億円だとかいうのには警備分は入っていないわけである。ほかの国は警備をやらなかったのかと言われればやっているはずなので、正確に比較する数字があるのかどうかよくわからないと思う。
(問)例えばサミットにいくらかかっているか、というのは国民にとっての関心事であると思うが、そういったものをできるだけ透明感がある形で国民の側に示す考えはあるか。
(事務次官)それは別に隠すような類の話ではないし、正にきちんとした予算支出プロセスでやっている。問題は、よその国の同じような経費を出してみろと言ったところで(数字が)集まるのかどうかというのは少し疑問がある。ただ、「万感の思いを込めて」という故小渕前総理の決断を森総理も引用されたが、やはり沖縄でやるということは、ほかの例えばヨーロッパの古い町でやるというのとは、自ずからインフラの整備の度合いが違うし、そこを「それはもったいないではないか」と言われてもそういうことではない。沖縄でやるということは、そういうことも含めて、思いを込めてやっているのだということで、ちっともおどおどする話ではないと思う。
ASEAN+3外相会議、ARF閣僚会合、ASEAN拡大外相会議
今週は、いつも7月の終わりに開催されるASEAN、ARFの会議があり、これは日本外交にとってアジアとの出会いとして重要な場である。今年の場合は、一つは言うまでもなく日朝外相会談が予定されており、これは画期的な話であろうと思う。それから、ちょうど九州・沖縄サミットが終わったことを受けて、外相レベルでサミットがどうであったか、日本政府としてどう受け止めているか等について、個別会談か全体会合かは別として、お伝えするいい場、格好の場になるであろうという気がする。
フィジー情勢
フィジー情勢について、人質開放は一応13日に実現したが、フィジーにおける事態の安定化、正常化、そして民主主義の回復を働きかけていきたいと思う。具体的には、21日に村山在フィジー大使がガラセ暫定政権首相と会談し、とにかく民主化へのコミットメントを速やかに明確にして、民主主義の早期回復をやってくれ、これが重要であるということを申し入れてある。やはり、首相の身柄を拘束すると政権交代してしまう、というのはどう考えてもおかしい話であり、民主化のプロセスに戻していくというのがどの国であれ重要であろうと思う。当たり前の話である。
事務次官会見記録 (平成12年7月17日(月)17:00~ 於:会見室)(事務次官)沖縄サミットについて、大変活発な報道が続いていて、準備に関与している自分としても全体像が見えきってしまったような気もする。一点大変不確定要因だと思っているのは、中東和平の行く末である。申すまでもなく、この交渉は、西岸の土地をどれぐらい渡すかというパーセントの問題のみならず、エルサレムの地位とか、難民問題等、本当に難しい要素が多数含まれた交渉なので、大変見通しが立てにくいだろうと思う。ただ、仮にクリントン大統領が何らかの合意を達成して、これを携えて沖縄に乗り込むというようなシナリオになれば、これは大変素晴らしいことだと思うし、自分はそれを期待したい。その場合には、当然のことながら、G8として、国際社会として、和平合意達成をどのようにバックアップするのかという話が非常に重要なポイントになると思う。何分にもあと数日であり、難しいとは思うが、合意達成を是非期待したい。やはり中東の和平と安定というのは、日本の国益から見ても極めて重要であるので、期待する次第である。
中東紛争というのは、ご承知の通り、いわば「一番老舗の国際紛争」であり、エルサレムというのは十字軍が派遣されて以来の話であり、大変な歴史の背景がある紛争である。それだけに、乾坤一擲今年和平の姿が見えれば、これはこれで意義があるし、期待したい。これだけは、準備のプロセスではまだ全く見えないので、難しいであろうなと思いつつ成果を待っている状況である。(問)逆に中東に注目が集まってしまうと、日本として伝えたい朝鮮半島の問題が薄れてしまうという心配もあるようであるが、これについてのどのようにお考えか。
(事務次官)先程申し上げたように、中東というのも日本にとっても極めて重要な地域であるし、それができたら困ったという話ではないと自分は思う。朝鮮半島は朝鮮半島で物事が動く方向でどうやるか、という話であるし、1回に1つ(のテーマ)しかできないという話ではないと思う。
(問)クリントン大統領が合意を携えてこない場合でも、中東和平の3首脳会談が継続的な状況で沖縄サミットが開かれても、何らかのG8として話し合いをするのか。
(事務次官)その場合には、どういう継続になるかによるが、「引き続き頑張れ」という話になるのであろうと思う。
(問)次官は、サミット中は基本的に外務省にいらっしゃると思うが、クリントン大統領が合意を携えてきたような場合にも留まるつもりか。
(事務次官)別に自分が行ってどうこうという話ではないと思う。
事務次官会見記録 (平成12年7月10日(月)17:00~ 於:会見室)(事務次官)沖縄の一連の事件について、河野大臣からつい先程コメントを発表させていただいた。要は、政府として一連の事件を深刻に受け止めていて、強い遺憾の意を表明するとともに、とにかく実効的な綱紀粛正策を早急に打ち出してほしいと求めてきたところ、本日追加的な綱紀粛正策が直ちに実施されることになったということで、これは再発防止に向けた姿勢を示すものと受け止めている。大臣として、これによって綱紀粛正が徹底されて、今後不幸な事件が繰り返されないように促していきたい、という考えをコメントとして発表した次第である。
沖縄における一連の事件に関しては、これまでに稲嶺沖縄県知事、沖縄県議会、沖縄市議会等から綱紀粛正策の実施について強い要望が出されていたわけで、特に今回の深夜の外出禁止処置については、昨日の稲嶺知事のコメントおよび7日の沖縄市議会決議等においての要望を踏まえての措置と受け止めている。
尚、本日、あと1時間後の6時にフォーリー大使が一連の事件に関連して、大臣を訪問することになっている。(問)沖縄の綱紀粛正について、次官はこれについて効果があるとお考えか。
(事務次官)効果がなければ困るわけで、正にこれによって綱紀粛正が徹底され、これ以上の不幸な事件がないことを期待するし、米側にその旨を促すということに尽きると思う。何分にも、正に沖縄サミットが目前であり、それはきちんとやってもらいたいという気持ちである。
九州・沖縄サミット(バイ会談の日程)
(事務次官)サミットについては、いよいよ明日から、実質的には宮崎のプロセスがスタートする。また、蔵相会合の方は終わったということで、実質的にスタートしたわけである。いろいろ個々の会談等の日程について憶測があり、なかなかファイナライズ、つまり最終化ができず申し訳ないが、何分にも多元連立方程式を解くようなオペレーションなので、しばらく時間的猶予をいただきたいと思っている。
事務次官会見記録 (平成12年7月3日(月)16:00~ 於:会見室)(事務次官)イランにおけるユダヤ系イラン人裁判について申し上げる。1日、シーラーズ革命裁判所で行われてきたユダヤ系イラン人及びムスリムに関する裁判の判決が発表されたが、この判決には国際社会が懸念を表明してきた死刑あるいは終身刑判決は含まれていない。日本政府としては、判決に至る裁判手続の公正性及び透明性に関し、従来から懸念を有してきた次第である。政府としては、イラン側に対し、これまでも本件裁判の公正性と透明性の確保を何回か申し入れてきた。この裁判は、まだ被告による控訴が可能だと承知しているが、今後ともこの裁判の問題については動向を注視していきたいと考えている。
与党幹事長による訪朝計画
(問)与党の幹事長が、7月か8月に韓国から板門店に入り、北朝鮮に立ち入るという計画があるとの報道が出ているようであるが、これに関して外務省の立場は如何か。
(事務次官)まだ聞いていない。
プーチン大統領の公式訪日の日程
(問)プーチン大統領の秋の公式訪日の日程は確定したか。
(事務次官)まだ確定していない。
九州・沖縄サミット(悪天候の場合の対処)
(問)このような天候(雷雨)で思い出したように尋ねるが、サミットの時にもしこのような天気だったらどうなるのか、ということはいろいろなところで心配されているように思うが、実際、現段階ではどのようなお考えか。
(事務次官)あの時期を選んだ理由のひとつは、あの時期は太平洋高気圧が強くて、30年間に台風が来たのは2回だという確率論の話になってしまう。心配し始めれば切りがないということはあるし、万が一の時にどうするかということは考えないではないが、その程度の範囲の話である。「雨がこれだけ降るとどうなるのか」と具体的に言われると、よくわからない。
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