外務省 English リンクページ よくある質問集 検索 サイトマップ
外務省案内 渡航関連情報 各国・地域情勢 外交政策 ODA
会談・訪問 報道・広報 キッズ外務省 資料・公開情報 各種手続き
トップページ 報道・広報 記者会見
記者会見

事務次官会見記録(平成12年5月)


INDEX


・ 事務次官会見記録(5月29日付)
  ・ ペルー大統領選挙決選投票
  ・ フィジー情勢
  ・ 森総理の訪韓
  ・ 沖縄返還の際の原状回復補償費
  ・ 九州・沖縄サミット公式ホームページ


・ 事務次官会見記録(5月22日付)
  ・ NPT再検討会議
  ・ 陳水扁・台湾総統の就任演説
  ・ フィジー情勢


5月15日(月)の記者会見は中止


・ 事務次官会見記録(5月8日付)
  ・ 森総理と河野大臣の各国訪問および今後の日程〈冒頭発言〉
  ・ 日朝国交正常化交渉
  ・ 北朝鮮と豪の国交回復


5月1日(月)の記者会見は中止




事務次官会見記録 (平成12年5月29日(月)17:00~ 於:会見室)

・ ペルー大統領選挙決選投票

(事務次官)心配している事項が2つあり、ペルーとフィジーである。ペルーの大統領選挙の方は、まだ途中経過の段階であるので、とりあえずのコメントということにならざるを得ない。やはり選挙プロセスについて関係者の調整がつかず、その結果としてOAS(米州機構)の選挙監視等が行われないまま選挙になってしまったというのは、やはり残念である。投票率が約80パーセントということで、無効票が投票数の3分の1近く占めつつあるというのは、やはりそれなりの重みを持つのであろうなという気がする。いずれにしても、ペルーにとって民主主義の定着と、国内の安定をどう維持していくのか、という2つの課題があり、そういう中で、日本としてペルーの情勢についてどう考えるかというのをまとめていきたい。まずは、もうしばらくプロセスを眺めているところである。

(問)無効票が3分の1ということで、「それなりの重み」とおっしゃったが、具体的には如何か。

(事務次官)若干普通の選挙と違う形で物事が動き出してしまっていて、そういう中でこれだけの無効票が出ているということは、今後国内の安定化とか、当然ペルー政府として対応していく上でも、ひとつの無視できない重みがあるのであろうと考えるわけである。そういう中で、もう1度どうやって安定を回復し、民主化のプロセスをきちんと尊重するかというのは、「こうやるとうまくいくだろう」とか、外から見て言える話ではなく、なかなか難しいものがあろうなという気がしている。

目次へ戻る

・ フィジー情勢

(事務次官)フィジーの方は、(異常事態が)長くなってしまっており、昨夜テレビ局が武装グループに襲われて、その結果テレビの放送ができなくなってしまったということで、本日首都スヴァ市内に48時間外出禁止令が出されたことを受けて、日本政府としても、スヴァ市のみに限って、危険度3の「渡航延期勧告」にすることを考えている。現状は、スヴァ市内にあるチェックポイントに軍が配備されているようであるが、市内自体は平静で、暴動が起こったとかいうことではないというふうに聞いている。われわれから見ると、首相を人質に取って「殺すぞ」と脅し、それで政治的にどうしようという話になること自体、国際世論、常識という観点からするとひどいのではないかと思うが、フィジーの国内では、武装グループの取った手段は容認できないけれども動機は理解する、といった雰囲気もあると聞いている。なかなかフィジー系の人々の抱える問題と、今申し上げた人質でもって物事を動かすのはおかしいのではないかという、これは常識だと思うが、この両者をどういうふうに仕切っていくのかという観点がある。マラ大統領がまさに、その辺のところを仕切って、事態を正常化へ動かしていける唯一の方ではないかということであろう。まずは、マラ大統領の努力を見守っていきたいと思う。いずれにしても、長引いてきていて、心配な状況は続いている。

(問)危険度3の「渡航延期勧告」を出すと考えているとおっしゃったが、スパンとしては本日中にも出すのか。

(事務次官)今、そういう手続を進めている。

(問)それ以外に、在留邦人の方々に対して、大使館の方から指示されるようなことはあるのか。

(事務次官)大使館の方で逐次連絡を取って、連絡体制もきちんとやっているようであるが、旅行者は大方出国されたようである。幸いにして、被害等には遭っていないが、やはり異常な事態には変わりないので、要注意である。  

目次へ戻る

・ 森総理の訪韓

(事務次官)森総理が日帰りで韓国を訪問されており、会談等順調に進んでいると承知している。考えてみると、単に記録の問題であるが、日帰りの総理外遊は、これが初めてではないかと思う。

目次へ戻る

・ 沖縄返還の際の原状回復補償費

(問)沖縄返還に絡んで、返還土地の原状回復補償費等を日本側が肩代わりするという密約が存在したという文書が見つかったという報道が一部あったが、外務省の立場は如何か。

(事務次官)従来から密約説というのはあって、外務省としては、そのような密約はないということに尽きる。

目次へ戻る

・ 九州・沖縄サミット公式ホームページ

(問)沖縄サミットについて、外務省が作成したウェブサイトに、一般市民からどのような意見や感想が届いているのか。また、これをもう少し充実される意向はあるのか。

(事務次官)自分は開いたことがないし、何が書き込まれているかということは聞いていないので、「その程度か」ということを言われると忸怩たるものがある。ただ、特にNGOとの対話等の脈絡でいろいろやっているし、そういう意味で、こういうのを始めたのは、IT(情報技術)革命等に取り組んでいる脈絡としては初めてなのかなと思う。それでは、実際にその中で、実際にコミュニケーションのやりとりがどうかと言われると、自分も実態を承知していないので、今コメント出来かねる。ただ、(サミットの)柱中の柱がIT革命であるので、一生懸命やる姿勢のつもりである。

目次へ戻る



事務次官会見記録 (平成12年5月22日(月)17:00~ 於:会見室)

・ NPT再検討会議

(事務次官)週末に、5年に1度の話と、4年に1度の話があったので、コメントさせていただく。
 前者は、NPT再検討会議である。すでに大臣の談話で外務省としての受け止め方を明らかにさせていただいているが、若干補足させていただく。この会議が始まった時点で、核保有国側と、新アジェンダ連合諸国、要するに95年に行われた前回の無期限延長を決めた会議以降「なかなか核軍縮が進んでいないではないか」という焦燥感を強めている非核保有国側の、対決が強まり、万が一にでもこの会議が何ら成果を生まないまま終わってしまうと、いわばNPT体制にとってゆゆしい話であろうと自分自身心配していたが、間際までどういうふうに収拾されるかかなりスリルがあり、この種の会議ではよくある話であるが、時計を止めてやったわけである。結果としては、なかなかいいまとまり方だったと言うべきではないかと思う。やはりその背景としては、この間にインド、パキスタンの核実験というのがあり、こういう会議が失敗に終わって不拡散体制がばらけてしまうと大変だ、という危機感を、参加国が分かち合っていたというのが大きいのではないかと思う。まさに、この体制の外側にあるインド、パキスタン、イスラエル等があり、そういうゆゆしさというのは依然として残っており、体制の外側をどうするのか、というのが課題である。日本としても、この会議の成功のためにいろいろ頑張ったことは、既に申し上げた通りである。

(問)NPTの合意事項について、これを遵守するために、日本が果たしていく役割は何か。

(事務次官)ご承知の通り、日本は8項目の具体的なアクションを提起し、一部抵抗に遭って入らなかったものもあるが、8割5部ぐらい日本アジェンダが入った。日本としていろいろ動かすべく努力をすることは当然のことである。ただ、関係各国がそれをやることが重要だと納得しないと物事は止まってしまうので、その辺をどうやって動かしていくのか、というのはこれから大いにやりがいのあるチャレンジだと思っている。

目次へ戻る

・ 陳水扁・台湾総統の就任演説

(事務次官)台湾の方であるが、陳水扁総統の就任演説によって、ひょっとして緊張感が一気に高まったらどうしようと心配する動きもあったが、あのような就任演説で、中国側も「一つの中国」の原則はどうなっているのか等、依然としていろいろコメントはあるようであるが、日本の基本的なポジションとしては、台湾問題については、台湾海峡両岸の当事者の話し合いで、とにかく平和的解決に動き出してもらいたいという期待に尽きる。基本的には、日中関係については、日中共同声明に則って、日中間の安定的な協力をさらに進めていく立場にあるし、日台関係については、非政府間の実務関係として動かしていく、という基本的立場には変わりはない。要は、とにかく当事者間の対話で緊張の高まりを抑えるというのが、引き続き非常に重要であろうと思っている。
 尚、中国について、EUとのWTO加盟交渉が妥結し、これは心配して眺めていたので、良かったなと思っているし、中国のWTO加盟のプロセスの弾みになるだろうと思っている。今週は、米国において、議会における重要な議決、対中最恵国待遇恒久化法案が控えており、WTO絡みの話として、気の抜けない週であると思っている。  

目次へ戻る

・ フィジー情勢

(問)フィジーのクーデターについて、日本政府としてどのような立場か。

(事務次官)あれは、最初はクーデターという報道があったが、そうではなくて、暴力でもって首相や議員を拘束した人質事件であろう。クーデターなら結構だという話では全くないが、大変心配している。今人質の数が約40人であるが、早期事態収拾を期待しているし、民主的に選ばれた政権を、人質を取ってひっくり返すというのは、容認できるはずがない話である。ちなみに、在留邦人や旅行者は今のところ巻き込まれていないし、一時期インド系商店を対象に略奪行為があったようだが、一応沈静化しているということである。ただし、「観光旅行延期勧告」は危険度2を発した。

目次へ戻る



事務次官会見記録 (平成12年5月8日(月)17:00~ 於:会見室)

・ 森総理と河野大臣の各国訪問および今後の日程〈冒頭発言〉

(事務次官)例年5月のこのゴールデンウィークというのは、外交日程上ひとつの大きな節目になるわけであるが、今回は森総理の8日間世界一周の訪問、河野大臣の東南アジア訪問とか、大変意味のある形でいろいろ外交日程が終了した。準備に携わった事務方としては、良かったと思っている。実感として、ゴールデンウィークが終わると、俄然沖縄が近未来に見えてきたという気がしている。明日から中国の唐家セン外交部長の訪問でいろいろ意見交換、日中関係に関するいろいろな対話で話すべきことがいっぱいあるし、朝鮮半島は来月南北首脳会談があり、いろいろ動きがある。日本も、日朝交渉をこの次のラウンドはどうやっていくか、などいろいろある。いろいろやることがあるな、というのが実感である。

目次へ戻る

・ 日朝国交正常化交渉

(問)日朝交渉について、いろいろ議題や日程が煮詰まっているのか。

(事務次官)今日から休暇あけなので、まだそんなに作業は動いていない。

目次へ戻る

・ 北朝鮮と豪の国交回復

(問)北朝鮮は、オーストラリアと国交を樹立したが、これに対して外務省の見解はどうか。

(事務次官)北朝鮮が、この間のイタリアとの国交正常化とか、いろいろ外交面で活発な動きを見せていること自体結構なことであるし、そうやって北朝鮮が国際社会との関わり合いを深めているということは、朝鮮半島の安定や緊張緩和の観点からも意味があることだと思っている。

目次へ戻る



BACK / FORWORD / 目次


外務省案内 渡航関連情報 各国・地域情勢 外交政策 ODA
会談・訪問 報道・広報 キッズ外務省 資料・公開情報 各種手続き
外務省