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事務次官会見記録 (平成12年3月27日(月)17:00~ 於:会見室)(事務次官)先週末に日仏次官協議のため3日間留守にし、今朝帰ってきた。物事の動きが早く、3日分読んでいると猛烈にいろいろなことがあるなと思っている。 次官協議については、欧州の政治統合が進む中で欧州とのいろいろな面での連携の重要性は、河野大臣の年頭の欧州訪問でも主題となったわけであるが、そういう欧州の中でもキープレーヤーであるフランスとの意見交換はやはりなかなか面白かったという気がする。
サミット(主要国首脳会議)を控えていろいろ話すことがあるが、一つは「これだけはわが方には全くない仕事だ」と思ったのは、欧州の地域統合の中で新たに数え方によっては12カ国が加盟の列を作って待っているわけで、新加盟希望国とどうやって交渉をやるかが大変な仕事、作業量になる、そういう国が欧州の地域統合の一員になるという形で、経済的にも政治システムの面でも自ら大変な苦労をして自己改革をやらざるを得ないプロセスがあり、これはなかなか大変だろうなと思う。しかしまさに欧州で起こっていること、冷戦後の東欧諸国の自己改革はなかなか感慨のあることであった。河野大臣の訪韓(冒頭発言)
(事務次官)河野大臣が訪韓を終えられた。基本的には北朝鮮問題を中心に意見交換を行われた。日本側においては日朝国交正常化交渉がいよいよ動き出そうという前であり、韓国側も当然のことながら北朝鮮について「ベルリン演説」などいろいろイニシアチブを取っている。いまに始まった話しではないが、日韓間で折に触れて行う対北朝鮮政策の緊密な連絡は重要であるし、意味のあるやり取りだったと思っている。そのほかにも、今年のしかるべき時期に金大中大統領の訪日を実現させたいということで、今後これをどう動かしていくかということである。
河野大臣は就任後初のソウル公式訪問であった。カウンターパートの外交通商部長官、大変昔から旧知の仲である金大中大統領とのやり取り、あるいは朴泰俊総理とかいろいろ会見していただいた。日米韓調整グループ会合(冒頭発言)
(事務次官)北朝鮮問題に関する日韓米3カ国調整グループ会合を30日(木)に東京にて開催する予定である。わが方から竹内外務省総合外交政策局長、米側からウェンディ・シャーマン国務省顧問、韓国側からは張在龍外交通商部次官補と従来からの顔ぶれだが、3者の会合がある。これも日本側にしてみれば正常化交渉が動き出す前の一つのタイミングとしてこの時期にということである。
プーチン大統領後の日露関係
(問)ロシアの大統領選でプーチン氏が決まったようだが、日露関係への影響はどうか。総理は昨日の会見などでも非公式な形で日露問題解決への意欲をのぞかせているが、今後の進め方はどのようになるか。
(事務次官)先ほど総理談話で総理自身述べられておられるが、要は「プーチン新大統領の率いるロシアの新政権と協力して、21世紀にふさわしい躍動的で実り豊かな日露関係を構築すべく、平和条約交渉を含めて全ての分野で日露関係を一層進展させたい」と、これに尽きるかと思う。そういうふうな形でロシアが改革に成功していくことは日本にとっても非常に重要なことだし、そのことにどうやってお手伝いしていくかということだろうと思う。その中で、エリツィン大統領の場合だったらこの夏までだったわけであるが、今度はプーチン新大統領ということで長い付き合いになるわけであるから、そういう同大統領の下にロシアとどういうふうに関係を構築していくかはまさにこれからの課題だと思う。
総理のご発言についてということだが、要は日露双方ともロシア大統領の訪日を即に実施することが望ましいという点では従来から一致していたし、これで大統領選挙が終わったので、ロシア側の回答待ちというのが基本的な流れである。しかし、いろいろ政治日程などがあろうと思うし、いずれにしてもどうやって早期に首脳会談を実現するかが重要で、それをいろいろな形、いろいろなやり方等を考えなければならないというのが総理の発言の趣旨と理解しており、これも選挙が終わってこれからいろいろやり取りをやっていかなければならないと思う。(問)プーチン大統領が1回で当選を決めたことは、一般的には政権基盤が強固になるだろうと言われているが、それは日本にとっては歓迎すべきこと、つまり平和条約を結ぶ意味では追い風と受け取っているか。
(事務次官)1回だったら追い風、2回だったら・・・というのは仮定の話になってしまう。従来この選挙について予想されていた形でおおむね決着がつき、それ自体はソ連共産党独裁の時代がついこの間まであった国で、ああいう形で非常に民主的なプロセスで新大統領が出てくるということ自体、非常に意味があると思うわけである。得票率自体はロシアの人たちのプーチンさんへの期待感の表明だろうから、そういう指導者がいろいろな物事を取り仕切っていく中で、日本としても先ほど申したように環境をどう前に動かしていくかというこれからの話だろうと思う。それ以上でもそれ以下でもないと思う。
日朝国交正常化交渉関連
(問)来週から始まる日朝国交正常化交渉における政府の基本的な取り組み姿勢を改めて伺いたい。議題がたくさんあると思うが、その中での拉致問題の位置づけはどうか。
(事務次官)最初に拉致問題から言えば、去年の暮れに予備交渉を始めて以来、われわれの頭の中には、北朝鮮との対話、やり取りを通じる中で解決を最も急ぐべき問題であるとの認識に変わりはない。それから、国交正常化交渉は90年代の初めに一通りおさらいはしたわけであるが、それからだいぶ時間がたっているので、もう一遍基本的な立場の開陳をやるのは意味があるんだろうと思っている。何といっても基本的には北朝鮮との関係は「まだ完了していない戦後処理の残りの最後のもの」であり、これまた当然のことだが、依然として朝鮮半島の緊張感があるわけで、そういう中で戦後処理と半島の緊張緩和をどうやって結び付けていくかという極めて今日的な話との両方があり、その中でまた拉致問題などいろいろわれわれにとって大変な問題があるということで、議題が多いと言われたが、それはそうなるわけである。
(問)先の日朝赤十字会談で「行方不明者が分かれば随時報告する」ということだったが、政府間交渉で拉致を問題にした場合、具体的にはどんなことをどういうふうに求めていくのか。
(事務次官)これからどう取り上げていくかあるいは向こうに何を求めるかはたぶんに向こうがどう対応するかにも関わるわけだし、こちらとしてもいろいろやってもらいたいことがゆくゆくあるんだろうと思う。要は、立ち上がるべき政府間交渉の中で一番有効なやり取りは何かということは考えていかなければならないと思っている。いまから「こういうふうに言うんです」という話ではないと思う。
厚木基地環境汚染問題
(問)厚木のダイオキシンについて米司法省が差し止めの提訴をしたと発表した。前からこれは日米間の懸案だったと思うが、司法手続きに入ったことをどう受け止めているか。
(事務次官)政府としては米軍関係者および周辺住民、基地従業員の健康に関わる問題ということで大変心配し、バグフィルターの設置などいろいろな対応をこれまでやってきた。今後ともバグフィルター設置のスケジュールを守るよう監視・督促しあるいはモニタリングを共同で行うなどの措置を講じるし、今後とも全力を挙げて取り組むということである。以上は政府の話である。
一方、訴訟自体は米国政府が行っていて、日本政府は訴訟の当事者でないので、訴訟自体についてコメントする立場にはない。いずれにせよ、政府は政府として引き続き全力を挙げて取り組みを行っていくということである。(問)政府としての立場は分かるが、例えば問題がスムースに解決していれば多分訴訟にはならなかったと思う。そういう事態に至ったことはどのように受け止めているか。
(事務次官)この問題が大変長引いて、その中で米側にしてみればいろいろなレベルで従来から提起しているわけであるし、米側としてもこの解決を図りたいということで、ありとあらゆることをやっているということではないかと思う。
オウムと原発データ流出問題
(問)今朝もちょっと報道があったが、オウム真理教が大手企業のコンピューターソフトを納入したが、これまで国内原子力発電所のデータが流出しているとの話があり、ロシア、中国、台湾の原子力発電所の詳細なデータを漏らしたことが警視庁の調べで分かったという。これについて当該国から外務省に対してあるいは日本側から関係国に何か説明したというようなことはあるか。
(事務次官)初めて聞いた話で(訪仏中の)3日間のあいだに何かあったかどうかは知らない。多分そういうことはないのではないかと思う。
(問)警視庁から話があったら外務省として説明するとかそういうことはするか。
(事務次官)それは話によるのではないか。
事務次官会見記録 (平成12年3月13日(月)17:00~ 於:会見室)(事務次官)日朝赤十字会談がちょうど今まさに始まっているはずである。日本側からはご承知の通り近衛日赤副社長、北朝鮮側からは許海龍(ホ・ヘリョン)朝鮮赤十字会副委員長が出席しているはずである。昨年の暮れにワンラウンドが行われ、今般の赤十字会談にこぎつけた。
このような日朝間のいろいろなやり取り、対話を経て、拉致問題という非常に重要な問題の解決を図り、朝鮮半島の緊張緩和を少しでも進める方向に動かせれば非常に意味があるのではないかと思っている。今年は朝鮮戦争勃発50周年に当たり、非常に長きにわたって、朝鮮戦争以降、それなりにバランスが保たれてきた地域ではあるが、やはり基本的には不安定な構造がある地域であるので、日本の安全確保、安全保障という観点からも、地域全体の安定という観点からも、対話を通じて緊張緩和の糸口をつけていきたいと思っている。ただし、これは長いプロセスだろうと思うし、そう簡単な話でないことも事実であろうと思っている。(問)日朝赤十字会談の見通しは如何。
(事務次官)わが方としてはこれに先だって食糧支援にも踏み切った次第であり、それなりに前向きに動かすべく努力を払ってきたつもりである。しかし、会談はまさに始まったばかりであり、「これはこうなるでしょう」と見通しを述べるのにはためらいがあるが、ただ、北朝鮮側にしても、赤十字会談あるいはゆくゆく行うべき政府間会談自体を動かしていこうという意欲はそれなりにあると認識している。
川島次官の沖縄訪問(中国のサミット参加)
(問)次官は先週末沖縄を訪問されたが、現地で稲嶺知事から再び「中国をぜひ沖縄サミットへ呼んでほしい」と次官に話されたようだ。それに対してはどうお考えになるか。
(事務次官)私の個人的な感想だが、首里城に行き、やはり沖縄と中国のかかわり合い、歴史上のご縁というものを実感した。首里城を「ミニミニ紫禁城」と言う方もおられる。だいぶ前に沖縄に行ったころはまだ首里城はなかったので、その意味で今回、中国との関係というものに印象づけられた。それはそれとして、中国についてどうするかという話しは、中国側が既にいろいろな立場を表明していることはご承知の通りである。ただ、主要8カ国(G8)として、中国など非サミット諸国の有力メンバーとどういうふうに対応するか、意志疎通を図って行くかということは、引き続き知恵を出していかなければならないと思っている。そういうことは知事にも申し上げた次第である。
事務次官会見記録 (平成12年3月6日(月)17:00~ 於:本省会見室)(事務次官)昨日から中国の第9期全人代第3回会議が開幕し、冒頭に朱鎔基首相の施政方針演説が行われた。35ページ、1万6000字という報告だが、政治部分については、社会治安・腐敗対策についての取り組みの重要性を打ち出し、また、昨年7月以来「法輪功」に対して大変強い危機感を示していたわけであるが、右についても、「宗教が社会主義社会と適合し合うような…」と述べており、厳しい姿勢を取っていることを示しているところが注目される。
台湾問題については、従来の立場で2国論や台湾独立等の分裂はさせないと表明しつつ、要は海峡両岸が談判を行うことを希望すると述べ、対話再開の希望を改めて表明している。
また、何と言っても経済が一つのポイントであるが、言葉としては「経済構造の戦略調整の推進」、「改革の推進と関与の全面強化」という言葉を前面に出しており、要は世界貿易機関(WTO)加盟等を視野に置いて、産業構造の変革の加速化、改革の推進というものが避けて通れない喫緊の課題であるという認識を改めて示していることが興味深い。更に、非常に大きな問題を抱えている国有企業について、問題点の認識ということで、「本年の重点中の重点」と言っているようだ。
なお、対日関係については、「中日両国の指導者がこうして一連の共通認識と取り組みが実施されている」という言及振りで、日中関係の発展を評価するトーンを示した上で、「ごく少数の日本の極右勢力が中日関係を妨害し破壊することを警戒せねばならない」との指摘が行われている。
「極右勢力」というものが具体的に何を意味しているかなどは、何分にも簡潔な言及ぶりなので判然としないが、いずれにしても、まさに「ごく少数の勢力」によって日中関係が破壊されるのか、というふうに問われれば、自分(次官)はそういうことではないのではないかと思うし、実際問題として日中関係の協力は諸々の分野で着実に積み上げられており、その過程で両国間のパートナーシップが強化されているというのが実態だろうと思う訳である。何よりもそういうふうに日中協力関係を強化するということがそれぞれの国にとって利益になり重要であるという認識においては、双方とも変わらないと思う。政府としては、首脳レベル、一般の往来等あらゆる分野での協力の前進を引き続き図りたいという姿勢に尽きると思っている。(問)「一部の極右勢力が中日関係を破壊することを警戒している」ということに対して、次官は「そんなことで壊れるものではない」と話されたが。
(事務次官)その前に、中国側も日中関係についてそれなりの評価というものも示した上での話で、報道によってはその部分が飛んでしまってひたすら極右の話だけしているとすれば、それはちょっとバランスの話があるのではないかということで申し上げた次第である。
(問)その上でお伺いしたいのは、中国側が大阪の地方自治体が南京虐殺は幻だったとかいう集会をなぜやめさせないのかと主張していることに対して、地方自治体と政府の見解は別だという意味も含まれているわけか。
(事務次官)それは先ほど申し上げたように、極右勢力が破壊するようなことがあってはならないというトーンだが、極右勢力がそれ以上詳細に「こういうことがあった、ああいうことがあった」というふうなことは言っていない訳であり、その辺は判然とはしないと先ほど申し上げた次第である。他方、色々な考え方の方たちが何らかの活動をする際に、日本政府の考え方とは違うということだけで規制する方向に動くとか、そういうことは日本政府は行わない訳であり、だからその話は日本政府あるいは日本全体の歴史観そのものを問うこととは少し違うのではないかと思っている。
レバノンの日本赤軍について
(問)先週以来聞いてきたところであるが、レバノン政府からは(日本赤軍メンバーの引き渡し問題について)何の連絡もない状態が続いているのか。
(事務次官)日本に対して引き渡しということはできないという通報があり、それ自体は日本側に取って残念な訳であるが、引き続きどうやって5人の身柄を確保するかについては考えていきたいと思う。具体的にどうやってということについては、引き続きデリケートな事態が続いているので、右についてはご容赦いただきたいと思う。
(問)いつどういう形で通報が行われたのか。
(事務次官)週末だったと記憶している。レバノン当局から現地の大使館に対して通報があった。
(問)この件ではシリアがレバノンを支配(ママ)しているので、シリア側とも恐らく対話していると思われるが、(本件について)シリア側の反応如何。
(事務次官)具体的なやり取りについてはご容赦いただきたいが、「支配している」と言われるとちょっとあれだが、シリアの本件に関するいろいろな意味での影響力等を考えて、従来から色々なやり取りは行っている。ただ、この話は各国にとって非常にデリケートな問題であるということは、やり取りをしている過程で痛感する次第である。
そういう中でどうやって動かすかはそう簡単な話でないことはご理解いただきたいと思う。特に、ひとつ物事がより複雑になったと思うのは、これは本件とは直接関係のないことであるが、中東和平、特にシリア・イスラエル間の和平プロセスとの脈絡で、色々なせめぎ合いのようなものがあり、もう一つはイスラエルが南レバノンから撤退したいという状況の中で、要は南レバノンをめぐっての戦闘レベルが非常に上がり、イスラエルによる空爆等があり、全般的にイスラエルに対する反発がものすごく強くなっているのがここ1カ月の状況であるので、もう少し静かな状況の中で(レバノン側との話し合いを)やれればよかったという気がしないでもない。これは我々が全状況の温度を仕切る訳にはいかないものだからという、そういう感じでやっている。対北朝鮮関連
(問)本日河野大臣が拉致疑惑のご家族の方とお会いになった。話を聞かれた上で、そのまま食糧支援は明日決定されると考えて宜しきや。
(事務次官)まだ明日の何のという明確な方向付けは決まっていないし、本日の時点ではどういうふうに決定していくか、最終段階の手前位とご理解いただければいいと思う。ご家族のお気持ちは本当に痛いほど分かる訳であるが、問題はそういう拉致問題について前進を図る方法論として何が一番効果的かという観点から、政府としては臨んでいきたいと思っている。つまり、全く接触を持たないで、一切動きを示さないと自然に物事の進展が図られるということなのかどうか、多分そうではないのだと思う。そういう中で、対話のプロセスで色々やっていくというのが一つの考え方ではないかと思う中で、最終的なポジションを検討している次第である。
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