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事務次官会見記録 (平成12年1月31日(月)17:00~ 於:会見室)(事務次官)ケニア航空機の墜落事故については航空会社より搭乗者リストがまだ提示されていない状況であり、現在、在象牙海岸大使館では邦人の安否確認に全力を上げているところである。在留邦人202名について、緊急連絡網でこの航空機に乗っていないかどうか、搭乗の有無を確認したところ、民間企業関係者および国際協力事業団(JICA)等の政府機関関係者については、国内旅行中の2名を除き全員無事で、(事故機には)乗っていないことが確認された。残りは永住者等の在留邦人が一部おられ、短期出張者もおられるが、これらの方について搭乗の有無を引き続き確認中であるが、まだ最終的確認を得るには至っていないということである。
カルタヘナ議定書(「バイオセイフティに関する議定書」)(冒頭発言)
(事務次官)カルタへナ議定書(バイオセイフティに関する議定書)が、モントリオールで開催されてきた会議で現地時間29日に合意に至り、コンセンサスで採択された。この議定書は遺伝子組み換え生物の輸入に先立ち、輸入国が輸出者の提供する情報に基づいていろいろな評価を行った上で輸入の可否を決定するという手続きに関するものである。この議定書はこの5月の生物多様性条約第5回締約国会議で各国の署名に開かれ、50カ国が加盟してから90日後に発効する。
外務省ホームページへの不正アクセス(冒頭発言)
(事務次官)いろいろな報道で既に出ているが、ホームページ不正アクセスに関し、外務省について若干事実関係を申し上げる。25日夜に、外務省ホームページを管理しているサーバーに不正なアクセスを試みたが、アクセスを遮断されたという形跡が記録されているということである。このサーバーは不正アクセスを遮断するためのファイアーウォールを定めており、これが作動して不正アクセスを遮断した。外務省としては、従来から不正アクセス防止にはできる限りの措置を講じており、今回も特段の被害は生じていないということである。この種の話は外務省始まって初めての案件というべきなのだろうと思う。
中東和平多国間会議(冒頭発言)
(事務次官)これも既に報道等で出ているが、明1日からモスクワで米露共同議長の下で中東和平多国間協議閣僚級会議等が開かれ、東総括政務次官が出席されている。多国間協議はイスラエル・パレスチナ和平が動き出したときに中東和平の下支えとしてできた非常に重要なメカニズムである。中東和平が動かなくなった過去5年間、中断していた次第であるが、シリア・トラックが動き出し、パレスチナ和平も今秋までに合意に至るべく物事が動き出した中で、こういう2国間の和平交渉を下支えするメカニズムとして大変重要であり、言ってみれば第2次大戦後最も長きにわたって続いてきたいわば「老舗の地域紛争」であり、この2000年という年に解決することになれば、この地域の安定に多大の利害関係を持つわが国にとっても非常に望ましいことで、これまで同様、多国間メカニズムにはできる限りの貢献をしたいと考えている。
不正アクセス関連
(問)サーバーのところに不正アクセスのチャレンジが何回も来たということだが、何回ぐらいあったか。
(事務次官)1530件である。短時間に多数のアクセスが繰り返された。
(問)短時間というのはどれくらいか。
(事務次官)25日夜10時過ぎに、ほんの数分間のあいだである。
日朝交渉
(問)日朝交渉に関し、いつ予備交渉をやるとか、いつ本交渉をやるとか、政府が考えを固めたという報道がなされているが、本当に固まったのか。
(事務次官)固まっていない。暮れの12月にああいう形で立ち上がって、これを次の予備会談にどうつなげていくかは今年年初の重要な外交課題だと思っている。いろいろなことを考えているし、準備運動もやっているが、まだ「何日ごろにやりましょう」というところまでには熟していないとご理解いただきたいと思う。
(問)日朝交渉は過去に本交渉を8回開いたことがある。過去の議題ややり方等について、外務省としてはそれを踏まえて今後の交渉を考えているのか。
(事務次官)まさにその辺も今後日朝間の予備交渉で詰めていくべきポイントだろうと思うが、日朝正常化交渉の性格はこの前やったときと急に変わっているわけではない。基本的にはこの前何をやったかということも、今後何をやるかに当たっての重要なファクターであることは間違いないと思う。
事務次官会見記録 (平成12年1月24日(月)17:00~ 於:会見室)(事務次官)冒頭申し上げる話としては、エクアドルの政変がある。現地時間21日に、先住民の組織が軍人とともに国会を占拠して暫定政権の設立を宣言したという事態が始まったわけである。日本政府としては、憲法に反する形での政権交代は非常によろしくない、非民主的な行動であるということで、事態が平和的かつ憲法に沿った形で収束することを期待して注視していた。その後の進展はご承知の通り、マワ大統領はノボア副大統領の大統領就任を受け入れ、国会もノボア新大統領を承認する手続きを採択する等、おおむね憲法に沿った形で政権交代が進み、事態が収拾されてきたと認識している。ノボア新大統領をはじめ当事者の方がエクアドル国民の協力を得て、大変な経済的・社会的困難があると承知しているが、それを克服していくことを期待している次第である。しばらく現地の状況を注視したいと思っている。
現地には400人の在留邦人がおられ、いままでのところ事件に巻き込まれた等の報告はなされていない。ただ、現下の状況にかんがみ、22日からエクアドルに「渡航延期勧告」を発出した次第である。現地の状況としては、首都のキトー市は平穏に戻り、同市市長も「平穏は回復された」と述べたと承知している。エクアドル関連
(問)いまのコメントについて、要するに新政権を承認したということか。
(事務次官)もともと非合法的な政権が成立したわけではなく、結局、政権交代が憲法に沿った形でおおむね動いているから、承認という話ではないと思う。例えば国会を占拠した方たちが暫定政権を樹立して1年ぐらいたった後なら、「その次はどうこう」というのがあるだろうが、憲法的でないプロセスで動きかけたけど結局、憲法的なプロセスに戻ったという認識なんだろうと思う。
厚木米軍基地ダイオキシン汚染問題
(問)厚木の環境問題できょうピリー海軍次官補が会見し、「提訴も辞さない」「法的措置も辞さない」との趣旨のことを言われたが、日本政府としてのこの問題に対する考え如何。
(事務次官)提訴をするかどうかは米国政府の判断の問題だろうと思う。一方、ダイオキシンを大変多く含んだ煙が出続けていて、それが基地の米軍人の健康にとって大変脅威であるということは争えない事実であり、その中で日本政府としてどういうふうにして現状を改善していくかを昨年の秋以降いろいろな形で関係者を含めてやり取りしており、目下、フィルターを建設することによって排出量が減るようにする手だてを動かし始めているところである。いずれにしても、これはもともと日米首脳会談で取り上げられた話であり、全力を挙げて取り組む方針であり、やってきているところである。
(問)業者にやらせるのではなく、政府なり何なりが何らかの形でフィルターを設置するということか。
(事務次官)フィルターは業者がまさにやっているプロセスだと思う。
(問)業者に自主的にやってもらうという形か。
(事務次官)その通りである。ダイオキシンが「計測された最高値」というのはやはりそのまま放置できる話でないことは明らかである。
(問)フィルターで解決できるのか。
(事務次官)そこはいずれにしてもモニターをいろいろやっていかなければならないだろうと思うし、注意深くフォローしていかなければならない点であることは間違いない。いまはとにかく「フィルター」ということで動き出している。
大阪の「南京大虐殺」集会
(問)大阪での「南京大虐殺集会」に対して中国から報道官などのいろいろな発言があったが、外務省に対して公式に何か言ってきているか。
(事務次官)一つは、「この会合を開くこと自体がけしからんじゃないか」という会場を貸すとか貸さないとかいう話は、見解がけしからないかどうかは別として、政府としては、「どういう活動であるが故に公共の物を貸す貸さないということではないでしょう」ということだと思う。南京虐殺についての認識はどうかということになれば、これは従来から歴史認識を表明しているわけで、それはそれで変わりがないということだと思う。いずれにしても、日中の歴史をめぐるいろいろなことについては、日中正常化以来いろいろな形で認識を表明しているわけである。日本政府の立場はどうだと言われたら、そこは変わることはない。ただ、そういう中であのような会合が行われ、他方、外ではそれに対する抗議などいろいろなことがあったようだ。そういう状況があったということだと思う。
(問)開かれたことに対して、中国から改めて・・・。
(事務次官)中国からして見れば、そこで開かれた見解というものが受け入れられないと表明するのは、それはそれで中国側がやっていることだと思う。
(問)中国から外交ルートを通じて何か来たのか。
(事務次官)「そもそもああいうのが公共の場所で使われるのはいかがか」ということでやり取りがあった。これについては、「どういう史観を持っているかで貸す貸さないというふうに整理することはできないでしょう。それが日本のシステムです。他方、日本政府の歴史認識は従来から申している通りである」ということである。
(問)いま申し上げたのは、例えば大阪の総領事館のレベルで何か来たとか、そういうことが外務省に大使館から来たとか、そういうことがあったかということだが。
(事務次官)北京やなんかでいろいろなレベルで表明はあったと記憶している。ただし、これにはいま言ったような説明をして、「だから日本政府として止めてしまうという話ではないないでしょう」と。だから歴史認識の話と、そういういろいろな意見を持った団体がそういう集会を持つということは別の話ということだと思う。
(問)確認だが、中国の北京で中国政府が北京にある日本大使館に対して一応こういうような意思を示したということか。
(事務次官)それはあった。それは向こうにして見れば、南京をめぐる歴史観自体については強い思い入れがあるわけで、それについての会合を公共の場所でやるのはと言っているが、それはそういう話ではないと言っている。
(問)どういうレベルの方からか。
(事務次官)いまレベルを記憶していないが、向こうの外務省から大使館に対してである。
(問)それはいつか?
(事務次官)記憶していない。
事務次官会見記録 (平成12年1月17日(月)17:15~ 於:本省会見室)(事務次官)2000年最初の会見ということで若干の感慨があるが、総理の東南アジア諸国訪問、大臣の欧州訪問というある意味で今年の外交活動のキックオフが意味のある形で終了したという感じを持っている。
サミットに向けてアジアの感じ方、受け止め方をどう吸い上げていくかが日本外交にとっての一つの課題だと思うが、やはり新しい時代の始まりはいつの時でも不安感があると思う。特に2000年になってグローバリゼーションの中で物事の変化が非常に早いし、その中で一体先々どうなっていくのだろうと漠たる不安感がいろいろなところにあるのだろうと思う。特にグローバリゼーションの中で勝ち組になれればよいが、そうでなくて置いていかれるのが心配だというのがアジアの中にもいろいろあるだろうと思うし、いろいろな意味でサミットに向けて各方面、各地域の来たるべき時代への受け止め方を取材しそれを踏まえて臨むべきだろうと思う。
カンボディア、ラオスはそういう来るべき時代もさることながら、私自身インドシナのオールドファンであるが、あの地域の内戦をつぶさにフォローした者としては、日本の総理の訪問あるいはそこでの国造りに向けたいろいろなやり取りを見ると、はるばる来たりしものかなという実感がある。カンボディアへは総理訪問が43年ぶり、ラオスは33年ぶりと久しぶりの事だが、やはりあの地域がようやくASEANに入ったがしかし相当格差があり、一番格差があるが、ようやく内戦の傷跡を克服して国造りを一生懸命やっている。この二つの国を支援するのは大変意義があるだろうと思う。もちろん、タイの場合は何度となく訪問があり、ASEANの議長国ということで従来からやり取りをしているが、やはりカンボディア、ラオスはいろいろな過去を振り返るとよいのではないかという気がしている。
それから欧州は当然のことながらサミットに向けての準備の重要なパートナーであり、大臣には駆け足とはいえいろんな諸国でサミットに臨む日本の考え方等について会談していただいた。もう一つ日本外交にとっての意味合いはやはり欧州の政治統合が大変なスピードで進んでおり、そういう実態を備えつつある欧州とどう付き合うのか。これは日本にとってたぶん新しい世紀に入って大変やりがいのあるチャレンジだろうと思うし、そういう中で大臣自身一つのアジェンダ設定の演説をされたわけである。欧州はご承知の通りそもそも主権国家の概念が成立したところであり、メッテルニヒ、ビスマルクなどリアルポリティクの舞台であったわけで、それが経済面の統合から始まりいま注目すべきは政治統合である。政治統合というのは非常に価値観をわかち合う一つのエンティティ、存在になっていて、あの欧州の中では主権国家という概念自体をアウフヘーベンした、止揚したという一種の高揚感すらあるわけで、そういう中でいろいろな政府の問題についてヨーロッパというものの存在感が非常に大きくなり、また一層アクティブになるであろうヨーロッパとの政治面でのやり取りは非常に重要だろうと思っている。この二点から、年頭に当たっての欧州訪問は見ていても大変面白かったという気がする次第である。日朝関係関連
(問)昨年国交正常化のための準備会談をされてから「早期にまた次の会談もしたい」という話で終わったと思うが、その後日程が決まったという話も聞こえてこない。いま現在、北朝鮮との話はどうなっているか。
(事務次官)どうなってというほどのこともないが、これは始まっただけで終わったという話ではなく、これからどう動かすかであり、朝鮮半島の緊張緩和をどうやって実現していくか、特に今年は朝鮮戦争が始まってもう50年であり、緊張緩和をどう探していくかという中でもう一つ残された最後の戦後処理である日朝関係をどう動かすか等々、全般を見据える必要がある。昨年末の赤十字会談と予備会談はいい形で行われたと思うが、これのモメンタムを活かすべく目下いろいろ考えていると理解していただければと思う。
(問)やはり年末に杉嶋さんという方が北朝鮮に拘束されている状況が続いているが、これに関しては何か今年に入って新たな進展等はあったか。
(事務次官)進展というべき話でもないが、これは通常の邦人保護の観点から成すべきことは成すということである。
日米戦後処理問題
(問)きょう都内で斉藤邦彦前駐米大使が講演し、最近米国のカリフォルニアなどで起きている戦時中の労働力の徴用の訴訟などの例を挙げて「過去の問題が日米間の新しいトゲになる可能性がある」と言っている。次官としてこの問題はどんなふうに受け止めているか。
(事務次官)サンフランシスコ条約が戦後処理の典型であるが、ここでそういう戦時中の問題についてお互いに一切請求権を放棄するというのが重要な部分を成しており、その意味で訴訟というものが法的に成立し得るはずがないと思っている。ただ、政治的にはいろいろな事が出てきているわけであるが、例えばドイツの場合は若干法的に違っていて、あそこは平和条約などで請求権をお互いに消すという法的なプロセスをやっていない。しかし、訴訟が50何年たって出てきていること自体は事実なわけで、基本的な法的な枠組みについて理解を求めていくということが重要だろうと思っている。私も歴史の問題でいろいろなことがあった時期にイスラエルにいて、ホロコーストの直接の犠牲者の世代からある程度世代がたった後で、財産権について非常に高ぶるという状況があって、それがどうしてかといろいろ議論などなされたことがある。最初に戻ると、やはり法的にはまさに戦後処理というか、あの当時遥か先になって戦争のいろいろな請求をお互いにやり出すことは止めようというのがまさに平和条約だったわけである。そういう原点に立って物事を整理するのがいいのではないかと思う。
日米「核密約」
(問)ワシントン発の時事電で、核持ち込みの「密約」について、1960年にワシントンでの新安保条約調印に際して日米両政府間で日本本土への核兵器持ち込みを認める秘密議事録があったということが公文書に明らかになったという内容だが、この文書は「60年の特別取り決め」と表現されているとされる。改めてであるが、日本への核持ち込みの密約という問題について外務省はどのように考えるか。
(事務次官)これは内部文書だろうと思うが私自身まだ見ていないので、その内部文書のどこの文書がどうだという用意がないが、いずれにしても「密約問題」はいろいろな国会の場等々でも従来折りに触れて取り上げられた次第であり、これに対する外務省の説明はご承知の通り「そのようなもの(密約というようなもの)はございません」ということである。
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