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報道官会見要旨 (平成11年5月25日(火)17:00~ 於 会見室)(報道官)この前の会見でトキ2世の誕生について申し上げたが、この件で小渕総理から江沢民中華人民共和国主席に宛てたメッセージが伝えられた。
加藤前幹事長の「米軍プレゼンス15年」発言
メッセージは本日昼、谷野在中国大使から王毅外交部部長助理に手交した。先方は「江沢民主席にこれを伝える」ということであった。
メッセージの内容は、トキのひなが無事誕生したことを非常に嬉しく思っている。いまこのひなは日本国内でだれ知らぬものはない人気者となっている。天皇陛下もトキ2世の誕生を大変お喜びのご様子であり、「トキのひなが無事生まれて大変嬉しく思っています。元気に育つことを願っています。日中両国の関係者の努力をご苦労に思います」とのお言葉を述べられた。総理自身からも、中国政府の好意に対して感謝する。今後、日中友好のシンボルとして大事に育てていきたいと考えていると述べられた上で、昨年江沢民主席の訪日の際に発表された「21世紀に向けた協力強化に関する共同プレス発表」の1項目が早くも大きな実を結んだということであるので、今後とも、日中間のさまざまなレベルにおいて一層緊密に意思疎通を図りつつ、日中両国関係をさらに強固なものとしていきたいと考える、という趣旨を述べられた。(問)ちょっと前の話になるが、自民党の加藤前幹事長が訪米の際、講演の中で「米国のアジアでのプレゼンスは15年ぐらい続くだろう」と述べ、そういうことを前提にして、「南北朝鮮が統一されるときなどに日米安保がどういう方向に行くか早急に検討に着手しないといけない」との趣旨の発言をしている。これに対する政府の見解は如何。
(報道官)加藤前幹事長は前幹事長としての考えを言われたものと理解している。いま加藤前幹事長の言われたテキストを手元に持っていないので、若干記憶に頼って申し上げるのでその点ご容赦願いたいが、加藤前幹事長の考えを述べられたものである。他方、政府としての考え方として、「今後15年」というような特定の期限を限って米国のプレゼンスの必要性を考えているかというご質問であるとすれば、それはそういうことではないと思う。今後のこの地域における国際情勢の変化等によって米軍のプレゼンスの意味がいろいろ影響を受けるということは確かにあり得るかもしれないが、「何年たったらどういうふうになる」といった特定のシナリオをあらかじめ想定して、その下でいろいろな政策を考えていくというアプローチは、私の理解する限りでは、必ずしも取っていないと理解している。
報道官会見要旨 (平成11年5月21日(金)17:00~ 於 会見室)(報道官)私の方からまず明るい話題を申し上げたいと思う。中国から贈呈された2羽のトキ、友友(ヨウヨウ)と洋洋(ヤンヤン)の間に2世が産まれるかどうか、皆さま注目されていたが、本日午後3時半ごろ、2世が産まれたということである。そこで、外務大臣談話を出したが、待望の2世が誕生したことは誠に喜ばしいことである。
日フィンランド修好80周年(冒頭発言)
日中両国の関係者の努力によって、両国国民が温かく見守る中、昨年11月の江沢民国家主席訪日の成果の一つが早くも実を結んだこととなった。
今後とも、このトキについての協力に見られるように、21世紀に向けて日中両国間で緊密に意思疎通を図りつつ、友好協力関係を一層強固なものとしたいと考えている。(報道官)今年は日本とフィンランドの修好80周年になる。この関連の行事について申し上げる。フィンランドとの修好80周年という意味は、フィンランドがロシアから独立宣言をしたのが1917年、その後1919年5月に日本がフィンランドを国家承認し、外交関係が結ばれた。それから80年になる。
ペリー調整官の訪日日程
この修好80周年を記念して、5月24日(月)に在京フィンランド大使館とヘルシンキのわが方大使館において「修好80周年記念レセプション」を同時に開催する予定である。この時に、高村外務大臣が東京におけるレセプションに出席し、テレビ電話の技術を用いてハロネン・フィンランド外務大臣と対面して祝辞を交わす予定となっている。
フィンランドというと「森と湖の国」とか、高度に発達した福祉、シベリウスの音楽、サウナ、サンタクロースなどの伝統的なイメージがあるが、携帯電話会社「ノキア」はフィンランドの企業で、情報通信分野でも注目を浴びてきている。今年のゴールデンウィークに野田郵政大臣もフィンランドを訪問され、アハティサーリ大統領をはじめフィンランドの政府要人と懇談した。今回のレセプションは「ハイテク通信技術を活かした催しをしたい」とのフィンランド側の強い要望を踏まえて実現に至ったものである。
また、フィンランドはアハティサーリ大統領がコソボ情勢の解決に向けて尽力されているところであり、高村大臣はわが国のコソボ問題への貢献にも言及しつつ、アハティサーリ大統領の努力に対するわが国の期待をこのレセプションの機会にハロネン外相に伝えることになると考えている。(問)ペリー調整官と大臣との会談はセットされたのか。
(報道官)米国のペリー北朝鮮政策調整官は日本時間の昨日夜発表されたように、25日から28日にかけて北朝鮮を訪問する。北朝鮮訪問に先立ってわが国に立ち寄り、24日に日米韓の協議を開催する予定であるが、訪日中の外務大臣との会談等の日程については調整中であり、まだ確定はしていない。
(問)日米韓高官級協議の場所、時間はもう明確になっているのか。
(報道官)「24日のどこか」ということであるが、これもいま調整中である。
報道官会見要旨 (平成11年5月18日(火)15:00~ 於 会見室)冒頭発言
(報道官)私の方から特に申し上げることはない。
イスラエル首相選関係(問)イスラエル首相選挙の結果新しい政権が生まれることになるが、日本として今後の中東和平への対応に何か変化があるのか、具体的にはどんなことをされるのか。
(報道官)わが方としては「ワイ・リバー合意」の下にパレスチナ問題の解決に向けて合意が実施に移されていくこと、「オスロ合意」に基づいてパレスチナの最終地位交渉が加速された形で進展することを強く希望してきている。また、「シリア・トラック」「レバノン・トラック」はいままで停滞してきていたが、公正、永続的かつ包括的な和平に向けて当事者間の話し合いが始まることを期待するという基本的な立場から、いろいろな機会をとらえて和平当事者双方に働きかけてきたり、あるいはパレスチナ支援を行ってきた。パレスチナ支援については既に4億ドルを超える支援を行っており、今秋にはパレスチナ支援会合が日本で開催されることになっている。こうしたことに引き続き重点を置いて取り組んでいきたいと思っている。今回のイスラエル総選挙の結果によって、以上に申し上げたような日本の基本的な姿勢に変化があるということはないと思う。ただ、今回の選挙の結果、今申し上げたような希望とか、期待というものを改めて表明する一つの良い契機になっているのではないかという感じはしている。基本的には先ほど申し上げたような立場に基づいて、引き続きわが国として必要なことをやっていきたいと考えている。
(問)そうすると、具体的に新しい首相に早速祝意を表したいということか。
(報道官)祝意表明は行われるはずである。何らかの形のメッセージということで、もう発出されたかもしれないが、今朝の段階でその準備をしていたと承知している。
(問)総理が電話を掛けるとかそういう形になるのか。
(報道官)具体的にどういう形になるか、詳細は承知していないが、何らかの形でメッセージが送られることになると思う。
(問)ネタニヤフ現首相でなくバラク氏が選ばれたことによって、その支持層が違うということにより、和平の機運が高まるというような見方はしているか。
(報道官)どの候補でなくこちらの候補になったからどうこうということは、イスラエルというほかの国の内政にかかわることなので、あまり価値判断をもって申し上げるのは適当でないかと思う。先ほど申し上げたように、今回の選挙の結果、バラク労働党党首が次期首相として選出されたことは、今後の和平プロセスの動きについてある種の希望を与えるという観点から、わが国としての希望とか期待を改めて表明する一つの良い契機になったという感じはしている。
報道官会見要旨 (平成11年5月14日(金)15:00~ 於 会見室)(報道官)先週末来、中国国内において北大西洋条約機構(NATO)による在ユーゴ中国大使館誤爆をめぐって抗議デモ等が行われてきた。現在、中国国内の状況は沈静化に向かっていると見られるが、こうした中で、先般中国の杭州にあるセッ江大学において、邦人留学生と中国人学生との間でトラブルが発生した。
外務省としては中国政府に対し、邦人の安全に関するわが方の関心を伝えたところであるが、同時に留学生の母国事情等への理解を深め、社会ルールを尊重し、今後類似の事件が起こらないよう慎重に行動されるようお願いしたい。また、留学生の皆さんが学生間の交流を通じて友好関係を深めるべく努められることを期待している。(問)留学生の衝突だが、詳細如何。
(報道官)セッ江大学に何人か邦人留学生がおり、10日夜、同大学において中国人学生が掲示していたNATO軍による在ユーゴ中国大使館誤爆を非難する抗議ビラをめぐって、中国人学生と邦人留学生との間でトラブルが発生した。その内容は、日本人留学生の一人が抗議ビラにサッカーボールを蹴り当てたため、中国人学生との間で口論あるいは殴打となり、中国人学生約1000人が留学生宿舎の周囲に集まり、騒然とした状況が続いた。11日未明には一部中国人学生が留学生宿舎に乱入するような事態になったということである。大学当局も非常に沈静化に努力し、その後事態は沈静化し、学内は平静を保っていると承知している。
(問)留学生宿舎に1000人単位で押し掛けたことは非常に危険な状態で、外務省では海外危険情報をその都度出しているが、この事態で危険情報を出す積もりはなかったのか。対応が弱いように思うが。
(報道官)一時期1000人という人数が集まったという状況は聞いている。そこで、「海外安全相談センター」の情報として、上海の総領事館から在留邦人の方々に対するお知らせを5月12日に出した。具体的にはセッ江省杭州市に住んでいる日本人の皆さんに、「こういうトラブルが発生し、総領事館においては現地の関係当局と連携して事態の収拾に努めているけれども、日本人の皆様におかれても当面の間外出時にくれぐれも注意いただくとともに、常に総領事館と連絡が取れるように心がけていただくように」という趣旨だった。その後事態が沈静化したと承知している。
(問)北京にある日本大使館に投石があったと聞いているが、本件に対し抗議はしたのか。
(報道官)何らかの形で北京のわが方大使館から中国当局に連絡はしているものと思う。今の時点で詳細に何月何日のいつということは把握していない。
石原都知事の「中国に関する発言」(報道官)昨日の新聞紙上で、石原都知事が改めて台湾、南京事件、チベット問題について個人の考えを表明しているが、その中で、「日本政府の正式な見解を聞いたことがない」と述べておられるようなので、それぞれの問題についての政府の考えをここで改めて簡潔に述べておきたいと思う。
台湾問題に関するわが国の立場は、日中共同声明に示された通りであり、政府としては台湾をめぐる問題が台湾海峡両岸の直接の当事者間の話し合いを通じて平和的に解決されることを強く希望している。
また、いわゆる南京事件については、その事実関係をめぐり種々の議論が存在していることは承知しているが、日本軍の南京入城後、非戦闘員の殺害あるいは略奪行為等があったことは否定できない事実であると考えている。いずれにせよ、過去の一時期植民地支配と侵略により多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えたことを率直に認識し、戦争は二度と繰り返さず平和国家としての道を歩んで行く決意であることは従来より繰り返し申し上げている通りである。
チベットの地位をめぐる問題については、わが国は従来より、中国の内政問題であるとの立場である。同時に、チベットを含め人権問題が普遍的な問題であることは論を待たないわけで、同地域においても人権は保障されるべきものと考えている。(問)(先ほどの外報官の発言は)都知事の発言について何か中国側からリアクションがあったからか。
(報道官)石原都知事は今申し上げたような問題について選挙戦の時から種々コメントされてきているが、その段階で中国側からかかる問題についての関心あるいは懸念の表明があった。そういった状況も踏まえ、今回の新聞記事について申し上げれば、先ほど申し上げたように石原都知事がこの記事の中で「日本政府の正式な見解を聞いたことがない」と言っておられるので、政府の立場は再三申し上げていることではあるが、この機会にもう一度改めて述べさせていただいた次第である。
(問)都知事のところへ今言った趣旨のことを伝えるのか。
(報道官)(今、記者会見という)公開の場で自分(報道官)がこうして申し上げている。それは何らかの形で(伝わると思う)。
(問)直接届ける積もりはないのか。
(報道官)特に考えていない。
(問)確認だが、本件について中国側から改めて何か言って来たのか。
(報道官)そう申し上げたのではなく、今まで石原都知事の発言について中国側から種々関心の表明があったことを踏まえ、また先ほど申し上げたように「日本政府の立場を聞いていない」ということを言われたので、日本政府の立場をこの機会にもう一度改めて明らかにさせていただいたということである。
(問)石原知事は南京事件の事実よりその規模に関心を持っているようだが、政府は被害規模についてはどう考えているのか。
(報道官)日本軍の南京入城後、すなわち1937年(昭和12年)に多くの非戦闘員が殺害あるいは略奪行為などに遭ったことは否定できない事実であると考えている。具体的な人数については数千人から30万人、40万人に至るまで様々な説があり、政府としてどれが正しい数か認定することは困難であると考えている。
(問)都知事のこうした一連の発言に対する外務省の見解如何。
(報道官)前から申し上げている通り、石原知事の発言は知事個人の考えと承知している。それに対して政府としての考え方は先ほど申し上げた通りであり、今までも繰り返し明らかにしているところで、政府のそういう立場には何らの変更もない。その点誤解のないように申し上げた次第である。
(問)知事が聞かれるから答えるのだろうが、そういう発言を繰り返すことが今コソボ問題をめぐって緊迫している日中関係に更に悪い影響を与えるかもしれないということで、何らかの形で知事に「そういった言は慎重にするように」伝える積もりはあるか。
(報道官)繰り返しになるが、石原知事は個人としての考えを述べておられる。政府としては政府の考え方ははっきりしており、こういった機会に政府としての考えをはっきり述べさせていただくということである。
報道官会見要旨 (平成11年5月11日(火)17:00~ 於 会見室)(問)ユーゴの中国大使館誤爆事件について、政府としてどのような方向に事態が進むと考えているか、またどういう対応等を考えているか。
(報道官)中国大使館の誤爆事件については、北大西洋条約機構(NATO)も「誤爆」と認め、その原因についてもコーエン米国防長官の発言等が報じられているが、誤爆が起きたこと自体、わが国としても極めて遺憾であると考えている。ご存知のように、5月8日に高村大臣から唐中国外交部長に宛てて哀悼のメッセージを発出した。先週末、主要8カ国(G8)の緊急外相会議においてコソボ問題の解決に向けてのG8としての共通の立場が合意され、ようやく政治解決に向けて動きだしたところであり、私どもとしてそうした政治解決に向けての動きが続くことをもとより望んでいる。今回の事件が政治解決へ向けての機運に悪影響を与えないことを望み、G8の場等いろいろな話し合いを通じて、そういう悪影響がないように努力していきたいと思っている状況である。
(問)中国政府からは何か働きかけはあるか。
(報道官)いままでのところ、中国政府から我々に特に働きかけがあったとは承知していない。
高村外相の沖縄訪問の目的(問)外務大臣が沖縄に行かれるということだが、その目的如何。また、何をされるのか。
(報道官)本日付で沖縄担当大使が原島大使から野村大使に交代した。野村大使に交代することもあり、外務大臣が22、23両日の日程で沖縄に出張し、交代に伴うレセプションを那覇市内で行うとともに、稲嶺知事をはじめとする沖縄の方々と懇談する予定になっている。せっかくの機会でもあるので、明年開催される九州・沖縄サミットの首脳会合の関連施設の視察、米軍施設区域の視察なども考えているが、具体的な日程は今後詰めていくことになっている。
明石氏のユーゴ訪問(問)明石康氏がミロシェビッチ大統領と会われたようだが、今後政府として明石氏に対して何か特使のようなことをお願いすることは考えているか。
(報道官)明石氏ご自身はご承知の通り、国連におられたときにユーゴ問題に深くかかわっていたということもあって、今回ユーゴに行かれて旧知の間柄であるミロシェビッチ大統領と会われ、話をされたと聞いている。明石氏が今回ユーゴに行かれたこと自体は明石さん個人として行かれたということで、政府の方から特に何かお願いしたということではないと承知している。いま私の知っている限りでは、政府として明石氏に何かをお願いするような考えがあるとは承知していない。
報道官会見要旨 (平成11年5月7日(金)17:00~ 於 会見室)(報道官)核兵器不拡散条約(NPT)第3回再検討会議準備委員会の開催について申し上げる。次の再検討会議は明年2000年に予定されている。1995年にNPTの無期限延長が決定されてからは初の再検討会議となる。来年のこの再検討会議に向けて準備委員会がいままで2回開催されており、97年4月にはニューヨークで、昨年4月から5月にかけてはジュネーブにおいて開催された。
国連人権委員会選挙で日本再選(冒頭発言)
第3回準備委員会は5月10日から21日にかけて、ニューヨークにおいて開催される。昨年の第2回準備委員会が行われてから、インド、パキスタンによる核実験、北朝鮮やイラクによる大量破壊兵器開発疑惑等の問題が出てきた。核軍縮、核不拡散の問題は緊急かつ重要な課題となっているところ、この第3回準備委員会は極めて重要な意義を有するものであり、わが国としてもその成功に向けて最大限の努力を行う所存である。(報道官)5月6日、ニューヨークの国連本部で開催された経済社会理事会再開組 織会議で行われた国連人権委員会選挙において、15カ国が選出された。アジアグループよりは改選議席3カ国に対してわが国のほか中国、インドネシア、シリアの4カ国が立候補したが、わが国は42票を獲得して再選を果たした。ちなみに改選議席3カ国というのはわが国と中国、インドネシアの持っていた議席であるが、その3カ国がまた再選を果たしたわけである。
対中ODAに関する一部報道について(冒頭発言)
わが国は人権尊重が世界平和の基礎であるとの基本的立場から、例えば最近「カンボディアの人権状況」決議案の主提案国となる等、人権委員会における議論をリードするとともに、「アジア太平洋地域人権シンポジウム」の開催等人権分野における対話・協力を進めつつ、国際社会における人権の擁護と促進のために貢献してきている。特に国連においては、人権尊重はその重要な目的の一つであるところ、今後とも人権委員会のメンバーとして引き続き国連の人権分野での活動に積極的に協力していく所存である。(報道官)今朝ほどの報道の中に、中国を訪問していた町村政務次官が北京において、中国に対する政府開発援助(ODA)の大幅な縮小と組み替えが不可欠である旨述べたとの報道があるが、これについて一言申し上げたいと思う。 町村政務次官の訪中の際の発言は、「わが国ODAについて不断の見直しを行っていく必要がある」との趣旨を述べたものであり、中国に対するODAを縮小すべきであるといった趣旨の発言は行っていない。そういう意味で、この報道は政務次官の発言の真意を正確に反映したものではない。また、この報道のように中国に対する援助の大幅な縮小や組み替えを行うとの方針が決められたということはない。
G8緊急外相会議
いずれにせよ政府としては、安定し開放され発展する中国はアジア太平洋地域および世界の平和と発展にとって重要な意義を有しているとの認識の下に、中国の援助のニーズ、経済社会状況、わが国との2国間関係等を総合的に判断の上、引き続き中国の経済開発に対し協力と支援を行っていく方針である。
さらに、政府としては厳しい財政状況の中で、ODAの透明性、効率性の向上を進め、今後ともODAの効果的・効率的な実施に努めていく考えである。また、ODAを実施するに当たってその事実や意義が相手国国民に伝わり、評価されることは極めて当然のことであり、また重要であると考えており、この面でも引き続き努力を行っていく考えである。(問)先般、ボンにおけるG8外相緊急会合の結果を受け、今後日本政府としてはどのように対応していくのか。
(報道官)今般の主要8カ国(G8)緊急外相会合で、まずロシアを含むG8諸国が一致してコソボ問題の解決のための基本的な要素に合意したことは、和平に向けての重要な一歩であったと考えている。今後、この合意に基づいて国連安保理決議に向けての作業が進められ、政治解決に向けての具体的な措置に関する「ロードマップ」が作成されることとなっている。
ユーゴ政府がこうした国際社会の声に耳を傾け、一刻も早く和平への道を歩み出すことを期待している。わが国としては、この問題に国際社会が一致して対処していくこと、特にG8諸国が一致した立場を取ることを重視していたわけで、今回基本的な要素に合意が見られたことを踏まえて、今後ともG8の一員として引き続きこの問題の政治的解決のために貢献してまいりたいと思う。G8の中で今後政務局長レベル、またしかるべき時に外相レベルで協議していくことになると思うので、そういう協議に積極的に関与して貢献していきたいと考えている。
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