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記者会見

報道官会見記録(平成11年2月)


INDEX



・報道官会見記録(2月26日付)
 ・カンボディア支援国会合
 ・第5回グローバル・ユース・エクスチェンジ



・報道官会見記録(2月23日付)
 ・町村外務政務次官の中東訪問(冒頭発言)
 ・アフガン各派関係者との意見交換(冒頭発言)
 ・北朝鮮を取り巻く情勢



・報道官会見記録(2月19日付)
 ・日韓W杯サッカー第2回共同委員会(冒頭発言)
 ・シェワルナゼ・グルジア大統領夫妻の来日(冒頭発言)
 ・日米規制緩和上級会合開催(冒頭発言)
 ・カナダ警察当局による在ヴァンクーヴァー総領事の取り調べ



・報道官会見記録(2月16日付)
 ・イエメン共和国大統領来日関連



・報道官会見記録(2月12日付)
 ・イスラエル・パレスチナ合同青年招聘計画



・報道官会見記録(2月5日付)
 ・ECOWAS事務局長来日(冒頭発言)
 ・ナイジェリア国内選挙に対する無償援助供与(冒頭発言)
 ・カリブ諸国青年の日本研修計画(冒頭発言)
 ・ブラジル青年の日本研修招待(冒頭発言)



・報道官会見記録(2月2日付)
 ・コソボ情勢
 ・モルドバ外相訪日
 ・米印協議について




報道官会見要旨 (平成11年2月26日(金)17:00~ 於 会見室)

・ カンボディア支援国会合

(報道官)本26日カンボディア支援国会合が終了した。カンボディアでは昨年、新政府が成立し、国内の政治的安定が達成された。国連の議席回復や東南アジア諸国連合(ASEAN)への加盟決定など国際関係も改善されている。そのような中で、今回の支援国会合が日本で行われ、フン・セン首相も訪日した。会合はこれまでの「和平と和解」を通じて国内の安定を図るというプロセスを仕上げて、そこから「発展と繁栄」のプロセスへ進んでいく大きな節目となるものであったと考えている。
 フン・セン首相は25日のオープニング・セッションで演説し、その中で、新政権の政策目標として民主主義、人権の重視や行政改革などいわゆるグッドガバナンスの問題を含む財政基盤の整備を掲げ、政治、経済、社会のあらゆる分野における改革実施への決意、また経済開発の前提となる改革に向けた決意を表明した。会合に参加したドナー国もこれに強い感銘を受けた。
 この結果、支援国会合全体としてのプレッジ額が当初の目標額4億5000万ドルを上回る4億7000万ドルに上った。このことにも示されるように、今回の会合を通じて国際社会が一致して新政権を支持していくことが明らかになった。そういう意味で、今回の会合は成功裏に終了したものと考えている。
 なお、フン・セン首相は滞在中、25日に高村外相と、26日に小渕総理と会談したほか国会議員、経済界とも懇談し、先ほど記者会見を行ったと承知している。
 高村外相との会談では、カンボディアの和平プロセスにおけるわが国のこれまでの関与、支援策などが話題に上った。ご承知の通り、日本は今回の支援国会合で総額120億円(約1億ドル)の支援を表明した。過去において、わが国は第1回支援国会合(96年)で約100億円(プレッジ額全体の18.5%)、第2回(97年)は80億円(同15.5%)、今回は4億7000万ドルのうちの1億ドル(同20%超)である。このようなわが国の支援について、フン・セン首相から謝意が表されるとともに、わが方からいろいろな分野における改革の必要性を強調したのに対し、同首相から改革に向けた決意が表明された。
 小渕総理との会談では、総理からフン・セン首相の演説に言及しつつ、そのようなカンボディアの努力に対して日本としてできる限りの支援を行いたいと言われ、特に地雷除去分野で官民上げて協力していきたいとの発言があった。これに対して、フン・セン首相から、「総理からの招待によって今回の支援国会合に参加するために訪日し、援助をいただき謝意を表する」旨の発言があった。
 日本の支援の中で円借款がほぼ30年間止まっていたが、今後のカンボディア経済開発にとっての重要性にかんがみ、カンボディア唯一の深海港であるシアヌークビル港の緊急リハビリ対策を対象とした円借款による支援の可能性を検討していくこととなった。

(問)日本の1億ドルは各国別では最大か。また各国別の支援額如何。

(報道官)日本が最大である。各国別の額は集計しているところだが、全体で4億7000万ドル、日本が最大で1億ドルである。ちなみにいままでの数字で申し上げれば、日本はずっとトップである。日本が1位、2位がフランス、3位が米国だったりオーストラリアだったりという図式になっている。

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・ 第5回グローバル・ユース・エクスチェンジ

(報道官)これは外務省が毎年主催して行っている青年交流事業の一環で、今回が5回目である。この事業は各国・地域の青年の間のグローバルな相互交流の促進を目的とするものである。これまでに取り上げたトピックとしては、平成6年度第1回は「地球環境問題」、平成7年度第2回は「21世紀の映像文化」、平成8年度第3回は「アジア欧州ヤングリーダーズ・シンポジウム」、平成9年度第4回は「自由民主主義と市場経済原理の普遍化」であった。
 今回は世界の37カ国から45人の青年が参加して「文化遺産・自然遺産-世界の遺産を守るために」のテーマでシンポジウムを行うことになっている。参加者のうち一番若い人がハンガリーの学生の19歳で、20代と30代でほぼ半分ずつである。職業別では、日本からは学生が多く、学生は全体の4分の1ぐらいであり、諸外国からは公務員、学者、教授、講師、研究者など学界の人々や遺産問題を取り上げるため博物館、公園管理に当たっている人たち、ジャーナリスト、サラリーマンも参加することになっている。男性と女性の比率は大体6対4である。
 今回のシンポジウムを通じて、文化・自然遺産の問題について3月18日に国連大学で、専門家からの基調講演を聴くことになっており、アンコール遺跡救済チームのリーダーである中川武早大教授が基調講演、ユネスコ北京事務所の野口昇所長が公開シンポジウムの進行役を務めることになっている。東京だけでなく、日本が持つ世界遺産の一つ、屋久島を視察することも予定されている。

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報道官会見要旨 (平成11年2月23日(火)17:00~ 於 会見室)

・ 町村外務政務次官の中東訪問(冒頭発言)

(報道官)町村外務政務次官が2月27日から3月9日まで、トルコ、ヨルダン、イスラエル、パレスチナ自治区、サウジアラビア、アラブ首長国連邦を訪問する。町村次官は訪問中各国要人と会談し、2国間関係、地域情勢等について意見交換する予定である。また、イスラエル訪問の際にゴラン高原でわが国自衛隊が参加する国連兵力引き離し監視軍(UNDOF)を視察する予定である。
 日本と中東諸国との関係では、一昨年に橋本総理(当時)がサウジアラビアを訪問され、平林総理特使もその際ほかの湾岸協力会議(GCC)諸国を訪問した。本年1月には高村外相がエジプト、ヨルダン、イスラエル、パレスチナ自治区などを訪問したほか、サウジアラビア、イランをはじめとする中東各国の要人訪日が相次いでいる。こうした要人往来が活発化している中で、ハイレベルでの緊密な意見交換を通じてわが国との幅広い分野での協力関係を一層深めてきている。今般の町村政務次官による中東諸国訪問も要人交流を通じた協力関係促進の一環と位置づけられるものである。
 今回の訪問を通じて人づくり、文化交流、エネルギー問題、経済協力、中東和平問題およびイラク問題を含む地域情勢などの事項についてハイレベルの率直な意見交換を行うことでこれらの問題に対する相互理解を深め、また、同時に2国間協力を具体化していくことにより各国との友好協力関係を一層確実にするための新たなステップになることを期待している次第である。

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・ アフガン各派関係者との意見交換(冒頭発言)

(報道官)わが国はアフガニスタン紛争の継続はアフガン国民にとっての悲劇であるのみならず周辺諸国の平和と安定、経済発展に悪い影響を与えているないしは与える恐れがあると考えている。こうした立場から国連の和平努力を補完・支援するとともに、停戦および紛争当事者間の直接対話の実現を目指している。
 そのために、アフガン各派の関係者との意見交換を随時実施してきている次第である。これまでに、平成8年2月にタリバン関係者1人を招聘し、6月にラバニ派関係者1人を招聘。平成9年3月には反タリバンの3派(ラバニ、ドスタム、ハリリ各派)から各1人、計3人を招聘し、7月にタリバン関係者3人を再び招聘した。今年1月にはまたタリバン関係者2人を招聘した。
 こうした努力の一環として、現在、19日から27日まで、ラバニ派の「外務次官」アブドゥラ氏が「中堅指導者招聘計画」の下で日本を訪問している。日本は1979年の旧ソ連のアフガン侵攻以来、いずれの派の政権も承認していないので、かぎかっこ付きの「外務次官」としている。
 今回の招聘はアブドゥラ氏がアフガンの1政治グループであるラバニ派の有力者であることに着目して実施するものである。訪日中に外務省中近東アフリカ局事務方との意見交換を行うほか、岡山にある非政府機関(NGO)「AMDA(アジア医師連絡協議会)」関係者との意見交換、視察を行う。

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・ 北朝鮮を取り巻く情勢

(問)村山元首相を団長とする訪朝団が3月にも北朝鮮を訪れるのではないかという動きが出ているが、外務省の受け止め方は如何。

(報道官)政党関係者の動きは、外務省で直接どうこうということではないと思う。また、具体的にどういうふうに決まっているかも必ずしも詳びらかにしていないが、関心をもって見守っている。

(問)対話のパイプがあるということは原則的には結構なことということか。

(報道官)一般論としてはそういうことかと思うが、いま具体的に村山元首相他どういう方々がどういう形で行かれようとしているのか、必ずしも詳びらかにしていない。官房長官の会見で「できれば超党派が望ましい」と言っておられたと記憶している。その辺のことも含めて、今後どうなるかを見守っている状況である。

(問)ペリー調整官が訪朝するという報道があったが、外務省としてはその事実を確認しているか。

(報道官)米国のペリー北朝鮮政策調整官の北朝鮮訪問が具体的にどの時点で決まっているかは承知していない。報道としてそいうことがあることは承知しているが、まだ具体的にペリー調整官が訪朝するか否かは決まっていないと承知している。ペリー調整官が米国の北朝鮮政策の見直し作業を行っているところであり、今後しかるべき時期にわが国や韓国と協議することにより、日米韓全体としての政策調整を図っていくことになっている。北朝鮮との関係をどのようにするかはこのような政策調整を踏まえて検討することになると思う。ただ現時点において具体的に何が決まっているとか、北朝鮮訪問云々について何か決まっているとは承知していない。

(問)米国は「6者協議」に反対しているとの情報があったが、外務省はこれを確認しているか。

(報道官)報道では、米国国務省が「6者協議」構想に対して否定的な公式見解を取りまとめたと報じられていたと思う。他方、現時点で米国政府がそのような見解をまとめたものとは承知していない。なお、若干補足したいと思うが、小渕総理が累次の機会に提案してこられている「6者協議」構想は、日・米・中・ロ・韓・北朝鮮が参画した形での話し合いの場を将来的に設定していくことが北東アジア全体の平和と安定のため有益であるとの考え方に基づくものである。その実現は関係者の意向もあり、容易ではないが、わが国としては将来的に設定することの実現に向けて不断の努力を傾注し、地域の安全に寄与していきたいと考えている。また、「4者会合」との関係についてもいろいろ取りざたされているが、わが国としては朝鮮半島における永続的な平和の枠組みを構築するための「4者会合」の進展に引き続き期待しており、小渕総理の構想は現在行われている「4者会合」の枠組みに取って替わるというものではないと考えている。

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報道官会見要旨 (平成11年2月19日(金)17:00~ 於 会見室)

・ 日韓W杯サッカー第2回共同委員会(冒頭発言)

(報道官)日本と韓国による2002年ワールドカップ共催に向けての「両国紹介映像ソフト」の共同製作を進めているが、これに関する第2回共同委員会開催について申し上げる。
 この共同委員会は2月25日、東京で、日本側は自分(沼田外務報道官)、韓国側からパク・ヨンイル文化観光部海外文化弘報委員長ならびに日韓双方の関係省庁関係者、ワールドカップ組織委員会関係者および有識者らが出席して行われる。経緯を紹介すると、昨年1月に第1回共同委員会が前任の外務報道官とパク・ヨンイル氏の前任者との間で行われ、その場で合意されたものである。何をするかというと、2002年のワールドカップ共催を成功させるために、日韓間の理解を深め、よりよい雰囲気の醸成に努めるとともに、世界に向けて日韓が一緒にこの大きなイベントをアピールしていくことを目的として、日韓共同で内外に向けた放送番組用の映像ソフト(ビデオ)を1年に1本ずつ合計4本製作する。
 今回の委員会においては、昨年から製作が始まっている第1回作品(日本側担当)がほぼ完成するので、その承認を行う。また、第3国への配信方法や次の第2回の作品(韓国側担当)の企画などについて意見交換する予定である。日韓両国が政府レベルでこうした映像ソフトを共同製作するのは初めての試みである。

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・ シェワルナゼ・グルジア大統領夫妻の来日(冒頭発言)

(報道官)シェワルナゼ・グルジア大統領および令夫人が3月4日(木)から8日(月)まで、公式実務訪問賓客としてわが国を訪問する。滞在中に天皇、皇后両陛下がご会見になるほか、宮中午餐を催される。また、同大統領は小渕総理と公式会談をする。小渕総理夫妻は晩餐会を主催される。ご承知の通り、シェワルナゼ大統領は1985年7月から6年間旧ソ連外相を務め、その間86、88、90年の3回、外務大臣として来日している。今般、グルジアの大統領として訪問されるわけで、日本とグルジアの親善関係を一段と深めるものとして心から歓迎するものである。

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・ 日米規制緩和上級会合開催(冒頭発言)

(報道官)この会合は3月1、2日の両日、東京・外務省において開催される。日本側議長は原口外務審議官、米側議長はフィッシャー通商代表部(USTR)次席代表である。さらに双方から関係各省の代表がそれぞれ参加する予定である。
 規制緩和問題については、平成9年のデンバー・サミットの際、日米首脳会談で合意され、昨年5月のバーミンガム・サミットの際に行われた日米首脳会談にこの上級会合から「共同現状報告」が提出され、この報告において「規制緩和に関する強化されたイニシアチブ」の下での日米対話を続けることが確認され、作業を続けてきたわけである。
 今回の会合では、昨年10月に提出された日米双方の規制緩和等に関する要望事項について、昨年11月の上級会合や本年1月下旬から2月中旬にかけて開催された各分野の専門家会合の議論を踏まえて、意見交換が行われる予定である。今年もサミットを控えているため、3月末をめどに「共同現状報告」を出すことを目指して努力することになると思う。

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・ カナダ警察当局による在ヴァンクーヴァー総領事の取り調べ

(問)下荒地在ヴァンクーヴァー総領事の件だが、現地警察に捕まったのか、取り調べなのか分からない。事実関係について教えてほしい。

(報道官)ヴァンクーヴァーの総領事館から、「下荒地総領事が現地時間16日、自宅にて夫人との間で口論となった際、夫人を打った。18日午後、この件に関して下荒地総領事が現地警察に出頭した」旨の報告を受けている。総領事が警察に出頭した際に、逮捕状の執行が行われたが、その後、身柄の拘束は行われていないと報告を受けている。

(問)容疑は何か。

(報道官)配偶者に対するそういう行為を行ったことについて、取り調べを受け逮捕状が執行されたということである。

(問)「そういう行為」とは。いま「打った」とおっしゃったが。

(報道官)配偶者を殴ったとか打ったという行為である。

(問)傷害ということか。

(報道官)正確にカナダの言い方でどうかということになるかと思うが、配偶者に対する暴力行為、あるいは配偶者に対する虐待ということで警察が関与しているということだと理解している。

(問)家庭内の口論だけであれば、表に漏れなければ問題にならないという気がしないでもないが、だれかが警察に通報したのか。

(報道官)そこのところの事実関係は必ずしもはっきりしない。日本の法制、カナダの法制といろいろな違いがあると思う。警察がそういうことを何らかの形で知るに至って、それをもとに警察に出頭してほしいという連絡があり、出頭したときに逮捕状の執行が行われたということであると理解している。

(問)身柄の拘束は行われていないということだが、現在総領事はどこでどうしているのか。

(報道官)現在は警察にいるということではなく、総領事館ないしそれ以外の場所で行動している。本件についての対処を含めて協議をしていると理解している。

(問)この件についての外務省としての対応は。

(報道官)いま「関係者と協議中」と申し上げたが、誤解があるといけないので申し上げておく。裁判権免除などの特権があるのを放棄したのではないかとの報告が一部にあるが、外交関係についてのウィーン条約とは別の「領事関係についてのウィーン条約」に照らすと、また現在までに受けた報告を踏まえると、本件については裁判権免除を享有しないものと考えられる。そういう意味で、「特権免除を放棄する、しない」という問題は生じていない。そうすると今回の事件が裁判になるのか否かという問題があり、そういう問題について現在関係者間で協議中である。まだどうなるか確たることは申し上げられないが、そういうことで協議中であるということだ。外務省としてどう考えるかという質問だが、この事件の詳細については現在さらに確認を取っているところであり、現時点で発言をすることは差し控えたい。ただし、一般的に言えば、総領事というポストにある者が夫人に暴力行為を働くことは、理由はどうあれ大変遺憾であり、残念なことであると思っている。本人も深く反省しているということを述べている。

(問)夫人のけがは。

(報道官)病院で手当てを受けたようだ。病院に入院してということではないようである。病院からはもう出ていると承知している。

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報道官会見要旨 (平成11年2月16日(火)17:00~ 於 会見室)

・ イエメン共和国大統領来日関連

(報道官)イエメン共和国大統領アリ・アブドラ・サーレハ閣下が随員とともに3月14日(日)から17日(水)まで、公式実務訪問賓客としてわが国を訪問する。滞在中、天皇陛下とのご会見、天皇陛下による宮中午餐、政府要人との会談が予定されている。
 イエメン共和国が成立するに至った経緯を振り返ると、1962年にイエメンアラブ共和国(北イエメン)が成立し、67年には共産政権のイエメン民主人民共和国(南イエメン)が独立した。冷戦が終わって90年に南北イエメンが統一されてイエメン共和国が成立した。その後、94年に旧南北間の内戦があったが、内戦終結後、国内は一応安定している。イエメン共和国は公選の大統領および議会を有するアラビア半島唯一の共和制国家である。本年後半には、初の大統領選挙が実施される予定となっている。経済は国民総生産(GNP)が1人当たり306ドルと湾岸唯一の後発開発途上国、いわゆるLLDCで、現在、世界銀行と国際通貨基金(IMF)の支援の下に経済構造調整計画を実施中であるが、この実施になかなか困難が伴っている状況である。
 我が国との関係で言えば、イエメンは親日的な国で、イエメン大統領の初めての日本訪問でもあり、首脳同士の直接の意見交換を通じた信頼関係の確立を目指したいと思っている。先ほど申し上げた経済開発努力に対する支援も話題になろうかと思う。モカ・コーヒーはイエメンの産物だそうで、シバの女王伝説もイエメン辺りを舞台にしたものと理解している。
 小渕総理はジョルダンのフセイン前国王の葬儀に参列した際にも、サーレハ大統領と言葉を交わしている。
 私から申し上げるのは以上である。

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・ 質疑応答

 無し。

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報道官会見要旨 (平成11年2月12日(金)17:00~ 於 会見室)

・ イスラエル・パレスチナ合同青年招聘計画

(報道官)イスラエル・パレスチナ合同青年招聘計画は平成8年度から実施されているもので、今年度で3回目となる。これはイスラエルおよびパレスチナ自治政府から将来を有望視されている若手指導者を日本に招待し、約1週間の日程で日本の政治、経済、社会、歴史を紹介するプログラムである。今年は2月16日から23日まで滞在することになっている。
 日本の政治、経済、社会、歴史の紹介を通じて将来有望な人材に日本についての理解を深めてもらい、わが国とイスラエル、パレスチナとの友好関係を促進することを狙いとしている。また、イスラエル、パレスチナの参加者の間の相互理解や相互信頼を促進し、日本が信頼醸成に資することから、草の根レベルで中東和平推進に貢献することも目的としている。
 参加者はイスラエル側から10人、パレスチナ側から10人の計20人。大体20代から30代ぐらいで、双方の政府、政党、ビジネスを含めた経済関係、報道関係、非政府機関(NGO)関係者等から成っている。具体的なプログラムとしては、わが国の対中東政策についての理解を深めてもらい、経済・産業への理解も深めてもらうために例えば経済企画庁の若手からのブリーフ、産業施設の視察などを考えている。
 政府、政党、経済関係、報道関係、NGOなどそれぞれ異なる出身母体から来られるので、それぞれの専門分野で会いたい人などの希望があれば、できるだけそうした希望を入れるというようなことも考えている。
 わが国の歴史、文化に触れるという意味では、広島において原爆資料館の視察とか被爆者との懇談を考えている。ホームステイの体験もしてもらうこと、さらに京都も視察してもらう予定である。日本とアジアとの関係についての講演、ディスカッションも考えている。ディスカッションということから申し上げれば、皆さん(霞クラブ)との懇談もアレンジしたいと言っており、具体的な日時のめどが付いた段階で案内させてもらう。

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報道官会見要旨 (平成11年2月5日(金)17:00~ 於 会見室)

・ ECOWAS事務局長来日(冒頭発言)

(報道官)ランサナ・コウヤテ西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)事務局長が2月12日から19日まで外務省の招待で来日する。ECOWASは西アフリカ16カ国の地域経済統合を推進している地域国際機関で、貿易自由化・経済統合を目的としている。そのためにも各国の正常安定が必要であり、平和維持の面でもECOWAS監視団として平和維持隊であるECOMOGがリベリア、シエラレオネ、ギニアビサオなどの国における紛争解決に役割を果たしてきており、アフリカの紛争をアフリカ自身が解決しようとしているモデルとして国際的に注目を集めている。
 同事務局長はギニアの外交官で、滞在中に武見政務次官他わが国政府要人と会談する。わが方は同事務局長との間で第2回アフリカ開発会議(TICAD2)のフォローアップをしていくに当たって、ECOWASのような地域間の役割も重要なので、そのような点を話し合う。また、先ほど申し上げたようなECOMOGの果たしている役割ということから、シエラレオネ、ギニアビサオ、ナイジェリアなどの国の情勢について意見交換することを考えている。

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・ ナイジェリア国内選挙に対する無償援助供与(冒頭発言)

(報道官)この関連でナイジェリアについて一言申し上げたい。今朝の閣議でナイジェリア連邦議会選挙(2月20日)および大統領選挙(2月27日)に対する支援として、国連選挙監視信託基金に対して41万ドルの民主化支援のための無償援助を供与することが決定された。
 この背景を若干申し上げれば、93年11月にアバチャ前元首が無血クーデターで政権を掌握して以来、民主化に逆行する措置が取られ、国際社会で孤立を深めていた。その後、98年6月にアバチャ前元首が急死、アブバカール現元首が就任してから民主化が本格化し、国際関係も改善されてきた。98年の末から地方選挙、州選挙が行われ、公正に実施されたと思われているこのプロセスを経て、今度の連邦議会選挙、大統領選挙の後、今年5月29日に新大統領が就任し、新民主制度が発足する予定である。ちなみに、アブバカール現元首は大統領選には出ない。
 わが国の無償援助は国連選挙支援活動で必要とする車両買い上げ費用およびその燃料費に充てられる。この援助のほかに、わが国は国連の調整下で行われる国際選挙監視団にも参加することとし、在ナイジェリア大使館の官員ら4~5人が選挙監視活動を行う予定である。

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・ カリブ諸国青年の日本研修計画(冒頭発言)

(報道官)例年、「中南米諸国青年日本研修計画」を行っている。今年度は前半に中米諸国から1グループ、南米のスペイン語圏から1グループの研修が行われた。後半はこれから2つのグループが来日する。1つはカリブ諸国防災関係の若手指導者研修計画。2月8日から18日まで、カリブ9カ国(旧英領8カ国と旧仏領のハイチ)および1国際機関すなわちジャマイカ、アンティグア・バーブダ、セント・クリストファー・ネイビス、セントルシア、ドミニカ国、ハイチ、バハマ、バルバドス、ベリーズおよびカリブ緊急防災機関(CDERA)。ジャマイカは10人、ほかは各1人の計19人を招待する。ジャマイカが10人と多いのは、昨年10月にパタソン首相が来日した際、小渕総理から「ぜひ青年交流を」ということで招聘を約束した経緯があるためである。
 アンティグア・バーブーダ、ハイチ、セントクリストファー・ネイビスは昨年9月末に大規模な災害を及ぼしたハリケーン「ジョージ」の被災国である。「防災」が今回のテーマになっているが、若手指導者研修計画で防災を取り上げるのは初めてである。カリブ諸国は海底地震や津波、火山爆発などの災害があることから、日本の防災体制、防災行政などについて研修していただき、カリブ諸国の長期的な防災力の向上促進に役立ててほしいということがある。こうした観点から、日本の防災行政や国際緊急援助に関する講義、静岡県地震防災センターの視察、阪神・淡路大地震を経験した神戸訪問などの行事が予定され、このほか秋篠宮同妃殿下による御接見、日本の文化や伝統、生活習慣に触れるという意味から奈良県でのホームステイや京都訪問などのプログラムも予定されている。

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・ ブラジル青年の日本研修招待(冒頭発言)

(報道官)もう一つ、ブラジルから15人の青年を招待する。来られるのは大学教授、銀行エコノミスト、各州の税務当局者で、マクロ経済、わが国を含めたアジアの経済情勢について理解を深めていただく。アジアの経済情勢がブラジルの経済にいかなる影響を与えるかについてもいろいろ勉強していただく予定である。またかねてそのような観点から日本貿易振興会(ジェトロ)とか麗沢大学教授らの話を聞いていただくほか、トヨタ、ソニーの見学等を予定している。ブラジル経済はご承知の通りの状況にあるが、この計画自体はその前から立てられており、お互いに学ぶ点があるのではないかと考えている次第である。

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・ 質疑応答

 無し。

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報道官会見要旨 (平成11年2月2日(火)17:00~ 於 会見室)

・ コソボ情勢

(報道官)今朝の大臣会見でも話があったと思うが、コソボ情勢について別途外務報道官談話を出したので申し上げる。わが国はコソボ問題の政治解決のために今般コンタクトグループが採った新たなイニシアティブを支持する。ユーゴスラビアおよびコソボ・アルバニア人の両当事者がコンタクトグループの要請に従い、期限内に交渉を開始し、コソボの地位に関する暫定合意を早期に達成することを強く期待する。コンタクトグループは2月6日までに交渉を開始し、遅くとも2月20日までに暫定合意を達成するように呼び掛けている。また、その間もコソボにおいてこれ以上犠牲者を増やさないために、両当事者が戦闘行為を直ちに停止すること、およびユーゴ政府が国連安保理決議に基づき「コソボ検証ミッション」および旧ユーゴスラビア国際刑事裁判所の活動に協力することを求める。以上のわが国の立場につき、本日午前、飯村欧亜局審議官からブライッチ(Bulajic)在京ユーゴ大使に伝達した。

(問)飯村審議官が在京ユーゴ大使に伝達した後、先方の反応はどうだったか。

(報道官)ユーゴ側は日本側の考え方を「本国に伝える」、「ユーゴとしても政治的解決の重要性は認識しており、対話に臨む用意があるけれども、対話を拒否しているのはコソボ・アルバニア人の方である」との反応であったと承知している。

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・ モルドバ外相の訪日

(報道官)1日、日本国外務大臣とモルドバ共和国外務大臣との間の両国外務省間の協議に関する共同コミュニケを発表した。モルドバ外相の日本訪問について申し上げたい。タバカル(Tabacaru)外務大臣夫妻が今日本を訪問している。1月31日に到着し、2月4日に出発する。この間、昨1日に高村外相と会談して「共同コミュニケ」を発表、国際協力事業団(JICA)総裁と会談。2日に経団連との懇談・講演会に出席、日本貿易振興会(ジェトロ)理事長と会談するなどの行事を行った。タバカル外相を外務省賓客として招待することとなった背景を述べると、1992年に両国が外交関係を開設して以来、同国の主要閣僚を公式に日本に招待するのは今回が初めてである。モルドバは東欧、ロシア・ウクライナに夾まれた小国であり、わが国はモルドバとの関係は比較的少なかった。ところが昨年秋、高村外相が国連総会に出席した際、社交の場でタバカル外相が高村外相に日本語で話し掛けてきたという経緯があった。その場で分かったことは、タバカル外相はもともと外交官で、日本語に昔から興味を持ってこの10年ぐらい日本語を独習してこられ、まだ独習を続けているという話であった。そこで高村大臣も、日本語を独習しながら日本との関係を発展させたいという非常に熱い期待をタバカル外相が述べていたことに感銘を受けて、今回外務省賓客として招待することとなったいう経緯である。以上、ご紹介しておきたいと思った次第である。

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・ 米印協議について

(問)タルボット米国務副長官がデリーでG8の駐印大使に米印協議のブリーフを行ったようだが、内容はどのようなものか。

(報道官)1日にタルボット米国務副長官が米印協議が終わった後で、デリー駐在の主要8カ国(G8)の大使を集めて、米印対話に関しブリーフィングを行ったのは事実である。このブリーフでは米印対話の進展につき紹介があり、その中でインドの核不拡散分野での前進を求めるための経済措置緩和について、米国側の見解について話があったと承知している。しかし、米印間の対話で取り上げられたこと、それから米国側の考えということもあり、わが国としていま詳細について申し上げるのは控えさせていただきたいと思う。米国の考え方についてさらにいろいろ聞いている状況と理解している。

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