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記者会見

報道官会見記録(平成11年1月)


INDEX



・報道官会見記録(1月29日付)
 ・コロンビア西部地震災害に対する緊急援助
 ・ASEAN基金への我が国の拠出(「連帯基金」)にかかる署名
 ・KEDO大使級協議



・報道官会見記録(1月26日付)
 ・コロンビア地震で救助チーム派遣(冒頭発言)
 ・シエラレオネの名誉総領事誘拐(冒頭発言)
 ・質疑応答



・報道官会見記録(1月22日付)
 ・日韓漁業協定の発効について
 ・クリントン大統領の一般教書演説中のWTOの新ラウンド交渉について
 ・外務省のホームページへのアクセス件数について
 ・鳥取砂丘への北朝鮮兵士と思われる遺体の漂着報道について
 ・平和条約締結問題日ロ合同委員会次官級分科会について



・報道官会見記録(1月19日付)
 ・冒頭発言


1月12日(火)の記者会見は中止


1月8日(金)の記者会見は中止



・報道官会見記録(1月5日付)
 ・高村外相中東訪問
 ・北朝鮮のミサイル問題
 ・ペリー調整官の来日時期




報道官会見要旨 (平成11年1月29日(金)17:00~ 於 会見室)

・ コロンビア西部地震災害に対する緊急援助

(報道官)コロンビア西部地震災害に対するわが国の緊急援助隊救助チームと緊急援助隊医療チームの活動ぶりについて、今朝の外務大臣会見でも話があったと思うが、若干付け加えたい。
 緊急援助隊救助チームの方は災害発生後約16時間、コロンビア側からの正式要請が接到してから約4時間後に出発し、到着後既に活動している。他の国からもレスキューチームが行っているが、1番乗りがメキシコ、2番目が米国、3番目が日本であった。メキシコ、米国はコロンビアに近いわけで、(今次救助チームは)非常に迅速な派遣であったと言えると思う。
 医療チームの方は日本時間29日午前11時半に首都ボゴタに到着した。時差が14時間なのでいまボゴタは夜であり、休んでいるところであるが、夜が明けたら空軍機により被災地のアルメニア市に移動して活動を始めることとなっている。
 レスキューチーム35名およびレスキューチームのメンバーの医療に当たる医師、看護婦が2名で合計37人、医療チーム15名、及びこの2チームの活動を現地で助ける大使館員、現地の国際協力事業団(JICA)事務所の職員、青年海外協力隊員が10名ぐらいになるので、全部で60人強が仕事に当たっている由である。
 現地での報道では、テレビ・ラジオで日本の緊急援助が報道されており、特に、レスキューチームについて、パストラーナ大統領夫人がラジオ番組で高い技術を備えた日本の救助チームに対する期待を述べられ、それが繰り返し放送されているそうである。また、28日にカルデナス運輸大臣が救助チームの激励のために救助活動の現場を訪問された。
 このほか若干逸話的なことを申し上げれば、レスキューチームは街の中心部の崩壊したビルで活動しているが、消防隊のチームが崩壊したオフィスビル、警察のチームが民間アパートでそれぞれ救出に当たっている。この町のスーパーマーケットの店主から日本チームの活動に対する感謝のしるしとして、日本円約10万円相当の食料品の差し入れがあった。また、活動用資機材に使用する乾電池の予備を使い切ったため、夜、隊員が既に閉店していた電気店に行き乾電池を求めたところ、日本チームと知るや直ちに店を開けて、約2万円分近くの大量の乾電池を渡し、決して料金を受け取らなかったというようなことがあった。また、活動現場に一人の女性が現れて隊員に手紙を手渡した。その手紙には「日本の救助活動に感謝する。われわれコロンビア国民は日本の救助を忘れません。日本で災害が起こったときは、われわれが助けに行きます」ということが書いてあったそうである。
 日本チームは市内から15-16キロ離れた郊外の宿に分宿しているが、電気も水道もない。携行した非常食を食べ、またシャワーを浴びることができないというかなり厳しい状況の下で活動しているということである。

(問)メキシコ、米国に次いでということだが、両国の人数、規模は如何。

(報道官)メキシコが救助チーム32人、米国が救助チーム62人をそれぞれ派遣している。

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・ ASEAN基金へのわが国の拠出(「連帯基金」)にかかる署名

(報道官)東南アジア諸国連合(ASEAN)基金は96年、スハルト・インドネシア大統領(当時)の提案にASEAN各国が合意し、97年12月のASEAN非公式首脳会議の際に、設立のための了解覚書にASEAN諸国が署名した。これはASEANの啓発・人的交流・開発協力の推進等を目的としている。経済危機で必ずしも拠出が進んでいないようであるが、ASEAN各国からは合計440万ドルの拠出がプレッジされている。
 わが国としては、昨年(98年)5月に小渕外相(当時)がシンガポールで行った政策演説で2000万ドルの拠出(「連帯基金」)を表明した。また、昨年12月16日のハノイにおける小渕総理の政策演説でも、「この基金が今後、教育、人材育成、ビジネス交流等ASEANの発展と日・ASEAN協力関係の強化のために活用されることを期待する」旨述べている。
 この拠出に関する関連文書の署名式が昨日28日、インドネシアのジャカルタにおいて、わが方の川上在インドネシア大使と先方リズワンASEAN基金理事会議長との間で行われた。また、これと同時に、ASEAN基金とインドネシア政府との間で、この基金に国際機関としての法的地位を与える「ホスト国協定」が締結された。
 基金の具体的使途については、今後ASEAN基金側と協議するが、アジア経済危機に関する共同研究、ASEANの高等教育強化のための支援、わが国企業と現地企業との連携に対する支援、地域的なプロジェクトの発掘・支援等を行っていきたいと考えている。
 あと2点だけ補足すると、「人と人との交流」や今言ったような項目なので、一つ一つのものを見ると細かいかもしれないが、いろいろなことに使えるということが一つ。もう一つは、この基金の運用に関してはASEAN側ときちんと協議することとしている。国内的にも「諮問グループ」のようなものを設け、学者、財界人など識者あるいは非政府組織(NGO)の方々の意見も伺いながらどう使っていったらよいかを相談して透明性を確保するよう考えている。

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・ KEDO大使級協議

(問)2日ぐらい前にニューヨークでKEDOの大使級協議があったと思うが、内容がわかれば教えてほしい。

(報道官)ご承知の通り朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)の大使級協議は前回が12月下旬、おおむね1カ月に1度の頻度で行っている。かなり多い頻度であるが、そのくらいのペースで開催することによって、日米韓および欧州連合(EU)の間の連絡を密にしている。
 今回の協議においては、今後の取り進めぶりについて話し合われた。項目としては、かなりの部分がまだ交渉中のことなので、他の各国との申し合わせで中身を申し上げるわけにいかないが、軽水炉プロジェクトへの各国の資金協力の具体的な方策等を含めて、重油および軽水炉プロジェクトの今後の取り進めぶりにつき話し合われたと承知している。
 そのほかに取り上げられた問題としては、最近のKEDO関係の協議で出た、「原子力安全諮問委員会」の必要性が指摘され、これはKEDOの軽水炉のプロジェクトを進めていくに当たって安全性に関しKEDO事務局長に勧告を行うことを目的に設置された機関であるが、第1回の会合が1月14、15両日にニューヨークで開かれた、これは計9カ国から各1人の専門家が参加する、というようなことが話題に上った。
 もう一つは、KEDOと北朝鮮の間で「訓練議定書」の交渉が行われる。これはKEDO・北朝鮮間の供給取り決めにおいて、KEDOは北朝鮮による軽水炉発電所の運転および保守のため、原子力産業の標準的な慣行に従って包括的な訓練計画を作成し、実施することが規定されている。その下で訓練を進めるための議定書の交渉が行われているということである。その他、KEDOと北朝鮮の間の専門家協議、つまりKEDO軽水炉プロジェクトにおける技術的な課題について話し合うことが話題になった。
 わが方としては、北朝鮮の核兵器開発を阻止するためにKEDOは重要な枠組みであると考えており、このような日米韓およびEUの間の協議を進めることは需要であると考えている次第である。

(問)KEDOとの協定締結はいつごろになりそうか。

(報道官)いままさに交渉を行っているところであり、いつという時間のめどを申し上げられるには至っていない。

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報道官会見要旨 (平成11年1月26日(火)17:00~ 於 会見室)

・ コロンビア地震で救助チーム派遣(冒頭発言)

(報道官)コロンビア西部で現地時間25日午後1時すぎ、ボゴタ西方約180キロを震源とし、深度100キロ地点でM6.0規模の地震が発生した。同日夜までで死者は400人近くに上り、負傷者数は1000人を超えたといわれる。
 地震の場合の救出はなるべく早く行う必要があり、コロンビア政府から現地時間25日夜(日本時間26日昼)に国際緊急援助隊の派遣要請があり、急きょ救助チームを派遣することにした。
 救助チームは外務省から団長1人(白川緊急援助室長)、消防庁専門家15人、警察庁専門家15人、国際協力事業団(JICA)から4人、合計35人である。本日午後6時15分に成田を出発、ロサンジェルス経由で現地時間27日午前7時ごろに首都ボゴタに到着する予定である。現地での滞在期間は未定である。

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・ シエラレオネの名誉総領事誘拐(冒頭発言)

(報道官)アフリカのシエラレオネにいるわが国の名誉総領事キッショー・シャンカルダス氏が反政府軍により誘拐された件につき申し上げる。
 シエラレオネ情勢について説明すると、97年5月に政府軍の下級兵士によるクーデターが発生、軍事政権が樹立された。これに対して、国連安全保障理事会、アフリカ地域諸機関等の国際社会が一致して民主的に選出されたカバ大統領の即時復帰を要求した。その後、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)が派遣した監視団(ECOMOG)が98年2月に首都フリータウンを制圧し、3月にはカバ大統領がシエラレオネに復帰した。しかし、反政府軍がまた攻勢に出て、本年1月に反政府軍が首都に侵攻したが、秩序回復に当たっていたECOMOGによる反攻で反政府軍は郊外に退去した。
 キッショー・シャンカルダス名誉総領事は現地でも有数の実業家で、1986年から日本の名誉領事、97年から名誉総領事を務めている。政府軍、反政府軍の対立が何回かある中で、これまでの同国における混乱の際の邦人退避などにシャンカルダス氏は大きな貢献をしてきた。ちなみに、最近は12月末に邦人の退避勧告が出て既に退避している状況である。
 シャンカルダス名誉総領事は20日ごろ、首都フリータウンにおいて約10人の実業家とともに反政府軍により誘拐されたとの情報に接した。私どもはこの情報を憂慮の念をもって受け止めている。
 わが国としては反政府軍による民間人の誘拐は極めて遺憾であり、反政府軍が一刻も早くシャンカルダス名誉総領事をはじめとする民間人を解放することを要求するものである。
 現在、わが国は民間人の早期解放に向けてECOMOGの中で主体となっているナイジェリアや象牙海岸、またわが国の象牙海岸の大使館を通じてトーゴ(ECOMOG議長国)、それに英国を通じてシャンカルダス名誉総領事の安否の確認等に努めているところである。

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・ 質疑応答

(問)名誉総領事のフルネームは。

(報道官)インド系の方のようで、Kishore Shankerdas 43歳である。

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報道官会見要旨 (平成11年1月22日(金)17:00~ 於 会見室)

・ 日韓漁業協定の発効について

(報道官)新たな日韓漁業協定、「漁業に関する日本国と大韓民国との間の協定」は本日午後2時15分ごろ、ソウルで小倉駐韓大使とホン・スニョン外交通商部長官との間で批准書を交換し発効した。この協定により、原則として沿岸国が資源管理を行う国連海洋法条約の趣旨を踏まえた漁業秩序が確立され、日韓間の安定した漁業関係の基礎となることが期待される。他方、両国水産当局の努力にもかかわらず、新たな協定の下での相互入り会い操業の条件等についての話し合いがまとまらなかったことは残念であるが、引き続き協議を行い早期に両国漁船による安定した相互入り会い操業が行われるようになることを期待している。

(問)日韓漁業協定はいろいろな困難な中で批准にこぎつけたわけだが、その評価とともに、具体的な取り決めは今後どういう形でまとめていくのか。

(報道官)評価についてだが、まだ残っている問題があるわけであるが、先ほど申し上げたように、いろいろ難しい交渉を行った結果、原則として沿岸国が資源管理を行う国連海洋法条約の趣旨を踏まえた新しい漁業秩序が確立された。このことにより、日韓間の安定した漁業関係の基礎となることが期待される意味で評価している。
 今後の両国漁船による入り会い操業の条件についてぎりぎりまで協議してきたが、今後引き続き水産当局間を中心として協議を行うことになっている。次の協議日程は外交ルートを通じて調整することになっている。引き続いての協議が実を結んでなるべく早く安定した操業が行えるようになることを望んでいる。操業条件はまだまとまっていない状況なので、とりあえず操業条件の協議がまとまるまで、日韓双方とも相手方の排他的経済水域(EEZ)では操業を行わないことになっていると承知している。

(問)条約であるところの協定には日韓漁業共同委員会だか合同委員会をつくるということだが、日韓漁業協定が発効したからには、漁業合同委員会が交渉の場所になるということか。

(報道官)暫定水域における資源管理の方法はこの協定に基づき設置される日韓漁業共同委員会において協議するということだ。

(問)双方のEEZは確か日韓漁業共同委員会の協議を尊重し、双方の国が進めるといったことではなかったか。

(報道官)担当局課を通じ、確認した上で回答したい。

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・ クリントン大統領の一般教書演説中のWTOの新ラウンド交渉について

(報道官)先般、クリントン米大統領の一般教書演説において、世界貿易機関(WTO)の新ラウンド交渉に言及があったので、これについて申し上げる。
 わが国は従来よりグローバルな貿易・投資のさらなる自由化を実現させるためにも、2000年から開始されるWTO次期交渉を包括的な交渉とすることを主張してきている。このような観点から、今般クリントン大統領が一般教書演説において「グローバルな新ラウンド交渉への参加」を呼びかけるとともに、これを受けてバシェフスキー米通商代表部(USTR)代表も次期交渉への米政府の積極的な姿勢を明らかにしたことを歓迎したい。本年末に米国にて開催予定の第3回WTO閣僚会議に向けて、今後交渉の具体的なあり方についての議論が行われることになる。わが国としては、包括交渉の実現に向けてWTOを中心とする今後の準備プロセスにおいて、米国や欧州連合(EU)と緊密に連絡しつつ、途上国との対話の強化等で積極的に努力していきたいと考えている。

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・ 外務省のホームページへのアクセス件数について

(報道官)外務省が所管しているホームページへの平成10年1年間のアクセス件数の数字が出たので一言申し上げたい。
 外務省で所管しているホームページは3種類ある。
 一つは英語版外務省ホームページ。これは外交政策に関する情報を分野別、地域別に分類のうえ発信している。例えば総理、外務大臣の演説や会見記録、外務省におけるこの会見も含めた会見記録などを掲載している。
 その中で人気があるのは日本を訪問しようとする外国人を想定して査証に関する資料や、外国の若い人が日本に英語を教えに来るJETプログラム、ワーキングホリデーなどの情報を提供するものがある。
 次に、日本の社会、経済、文化、歴史等の一般事情を紹介する「ジャパン・インフォーメーション・ネットワーク」があり、その中に「キッズ・ウェブ・ジャパン」がゲーム感覚で楽しみながら日本のことを学べる子供向けの内容である。「ジャパン・インフォーメーション・ネットワーク」では今後新しく「クロスワード・ハロー・ジャパン」をつくろうと準備している。
 3番目が日本語版の外務省ホームページ。日本の外交政策を分野別、地域別に分類して発信している。この中で特にアクセスの多いのが「海外危険情報」(渡航関連情報)で、日本語版アクセスのうち3分の1ぐらいを占めている。時期によっては45%ぐらいまでいくこともあった。
 平成10年1年間で、全部の合計アクセス件数が約6500万件。これは平成9年の年間アクセス件数に比べ約2.5倍の伸びであった。内訳は英語版プラス「ジャパン・インフォーメーション・ネットワーク」が約3500万件。日本語版が約3000万件であった。大幅に伸びたのは、ネットユーザーのニーズを把握するように努め、それを反映させて発信するように努めてきたほか、昨年2月の長野五輪、5月のインドネシア危機、年末のイラク情勢などの時にアクセスがかなり増えていることもあるかと思う。

(問)6500万件は総ヒット数だと思うが、利用者の延べ人数の目安となるフロントページのヒット数はどれくらいか。

(報道官)調査の上、回答したい。

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・ 鳥取砂丘への北朝鮮兵士と思われる遺体の漂着報道について

(問)鳥取砂丘に北朝鮮の兵士らしき遺体が漂着したとの情報があるが如何。

(報道官)自分(報道官)も先ほど1行の報道を見ただけで、それ以上の詳しいことは承知していない。

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・ 平和条約締結問題日ロ合同委員会次官級分科会について

(問)昨日、日ロ平和条約交渉の次官級協議が行われたが、その評価如何。

(報道官)今回「平和条約締結問題日ロ合同委員会次官級分科会」が行われ、その下で「国境画定委員会」および「共同経済活動委員会」の第1回会合がそれぞれ開かれた。「国境画定委員会」では昨年11月の日ロ首脳会談の際に、エリツィン大統領から示された領土問題に関するロシア側提案について、前回の次官級分科会に引き続きロシア側より説明が行われた。その上で、日ロ双方の案について率直な討議が行われた。「共同経済活動委員会」の方では、ありうべき共同経済活動の内容やそれを実現するための法的枠組みやアプローチについて意見交換が行われた。さらに、そのほかの日ロ間の諸案件についても話し合いが行われた。今後の政治対話の日程について、既にご承知かと思うが、2月21日から23日にイワノフ外相が日本を訪問することが確認されたほか、春頃を目途に高村外務大臣の訪ロを実施すること、またプリマコフ首相、マスリュコフ第1副首相の訪日についても今後調整していくことを確認した。また、旧島民およびその家族による4島への自由訪問を早期に実施しうるよう引き続き精力的に作業を進めることで一致した。概要は以上である。

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報道官会見要旨 (平成11年1月19日(火)17:00~ 於 会見室)

・ 冒頭発言

 1月16日、ユーゴースラヴィアのコソボ地方のラチャック村において、コソボ検証ミッションにより、多数のアルバニア人の虐殺死体が発見された。わが国はこの虐殺事件を強く非難する。
 この事件の真相解明が速やかに行われるべきと考えており、今回、旧ユーゴースラヴィア国際刑事裁判所の調査団がユーゴーへの入国を拒否されたことは遺憾である。ユーゴースラヴィア政府が、国連決議に従って、同裁判所の活動に協力することを求める。
 また、ユーゴースラヴィア政府がウォーカー・コソボ検証ミッション団長の国外退去を決定したことも遺憾である。同政府が昨年10月の合意に従って、検証ミッションへの協力とその要員の安全の確保に努めることを求める。
 コソボ情勢のこれ以上の悪化を防止するために、ユーゴースラヴィア政府もコソボ・アルバニア人も停戦を維持すべく、最大限自制すべきである。また、コソボに関する政治合意の達成に真剣に取り組むことを求める。

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・ 質疑応答

 なし

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報道官会見要旨 (平成11年1月5日(火)17:00~ 於 会見室)

・ 高村外相中東訪問

(報道官)高村外相が本5日から13日(水)まで英、エジプト、レバノン、シリア、ジョルダン、イスラエル及びパレスチナ自治区を訪問するが、その意義について簡単に申し上げたいと思う。
 今回の外相の中東訪問はイスラエル、パレスチナ間の「ワイ・リバー合意」成立の機をとらえて、わが国として中東和平の当事者およびエジプト等の周辺諸国に対して和平推進努力を促す外交努力の一貫として行うものである。昨年11月末にわが国はパレスチナ支援会合で今後2年間で2億ドルの援助を行う旨表明した。今回の訪問で高村外相から改めてわが方の支援を表明するとともに、いろいろな支援等を通じて平和建設のための政治的役割を果たしてゆき、様々な政治的対話等も推進してゆく決意を表明する考えである。また、地域の安定のカギとも言えるジョルダンに対しても、支援を表明すべく検討しているところである。中東和平については、イスラエル・パレスチナ間のトラックとともにレバノン及びシリアのトラックもあり、いままで進展が見られていないレバノン及びシリア・トラックについても交渉再開に向けて高村外相からアラブ、イスラエルの双方に対して働きかけを行う考えである。
 また、昨年末に米英によるイラク空爆があったが、それを受けて中東諸国の首脳と今後のイラク情勢についての意見交換を行う予定である。

(問)レバノンには日本赤軍のメンバーが何人か当局により拘留されているが、今回はその引き渡し等について議題にするのか。

(報道官)具体的にレバノンとの間でどういう話し合いが行われるか、必ずしも議題等がはっきりしているわけではないが、今回は外務大臣がレバノンに行くのは初めてのことであり、レバノンのラフード大統領、ホッス首相兼外相の就任直後ということもあり、訪問の際の主眼はレバノンの復興安定に向けたわが国の支援の意思を示すこと、さらに先ほど申し上げたようにレバノン・トラックについても交渉再開を働きかけることになると考えている。

(問)外相のレバノン訪問は初めてと言ったが、今の大臣かそれとも歴代の外務大臣としてか。

(報道官)わが国外務大臣初のレバノン訪問と承知している。

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・ 北朝鮮のミサイル問題

(問)北朝鮮のミサイル発射問題で何か新しい情報はあるか。

(報道官)特に新しい情報はない。いろいろな報道はあるが、その後何か確証を持って「こういうことが起きている」と言えるような情報にはまだ接していないと承知している。

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・ ペリー調整官の訪日時期

(問)年末に韓国で報道されたが、米のペリー氏が1月中に日本、韓国、中国を回るようだがどうか。

(報道官)そこまではっきりしたものはないのではないかと思う。いずれペリー朝鮮半島問題担当調整官が大統領に北朝鮮政策について報告をする予定になっており、その前に再び韓国、日本など関係国を訪問して話し合うことにはなっているが、1月にその訪問があるという話はまだ来ていないと理解している。付け加えれば、米朝協議は1月中に行われるであろう。1月18日から22日にかけて4者協議がジュネーブで行われるが、その前ないし後ぐらいに米朝の次官協議が行われることになりそうだと承知している。

(問)米朝協議もジュネーブで行われるのか。

(報道官)4者協議の機会をとらえてということなのでジュネーブであろう。

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