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報道官会見要旨 (平成10年12月25日(金)17:00~ 於 会見室)(報道官)12月22日東京高裁においていわゆる「南京事件」にかかわる当事者の「戦中日記」について第2審の民事訴訟判決があり、この判決について23日、中国外交部スポークスマンのコメントが出された。裁判自体は民事訴訟であり、国を当事者としないもので、政府としてコメントする立場にはないが、若干の点について申し上げておきたい。
「線路敷設権」に関する検討結果
第1に、この裁判はいわゆる「南京事件」の存否や事件の全貌等にかかわる訴訟ではなく、被告の書いた「戦中日記」の記述が原告に対する名誉棄損に当たるか否かおよび原告がこの「戦中日記」に書かれているような残虐行為を行ったか否かについての事実認定等をめぐる裁判であると承知している。報道によれば、原告側もいわゆる「南京事件」自体の存否を争っているわけではないとしていると承知している。
なお、政府としてはいわゆる「南京事件」をめぐり種々の議論があることは承知しているが、1937年の旧日本軍の南京入城の後、非戦闘員の殺害あるいは虐殺行為等があったことは否定できない事実であったと考えている。また、政府としての歴史認識については、これまで累次表明してきている通りであり、1995年8月15日の内閣総理大臣談話を柱としており、このことは先の江沢民中国国家主席訪日の際の会談で小渕総理より伝えた通りである。その考え方には何ら変更はない。(報道官)25日、「線路敷設権」(rights of way)に関する検討結果をまとめた。線路敷設権とは、電気通信事業者やケーブルテレビの事業者がケーブル等を敷設・保守するために自ら所有していない土地、水底等を使用できる権利である。この問題はわが国自身がいま実施しつつある「規制緩和推進3カ年計画」「規制緩和および競争政策に関する日米間の強化されたイニシアティブ」の下で、第1回の共同現状報告が行われ、今年中(暦年の1998年中)に検討結果をとりまとめることとなっていた。関係省庁(内閣内政審議室、公正取引委員会、警察庁、経済企画庁、法務省、外務省、大蔵省、厚生省、通商産業省、運輸省、郵政省、建設省)が協力して本年4月から12月にかけて13回の検討会議を開き、広く公募した関係企業および団体ならびに米国、欧州連合(EU)など内外の意見を聴取しつつ検討した結果を今回とりまとめたわけで、このとりまとめには外務省が当たった。
3遺体の福井県海岸漂着
その検討結果は別途公表しているが、主な内容は第1に、現状では線路敷設の許可・承認は基本的にオープン・無差別であると理解する。しかし手続きが明瞭でないとの指摘があり、こうした問題点について検討した結果、初めての試みとして現状を整理し透明性の向上に努め、手続き面を明確化しかつ適切な方法で公表することが有益である。次に、平成11年度に検討会議(レビュー)を行ってさらに検討を行う。この検討会議において苦情の受付も行い、また平成10年度末までに改善策の現状を調査し、公表することとなっている。
この検討結果は公表するとともに外務省のインターネットにも載せて、各界から質問、意見等があれば受け付けることにしている。(問)福井県の海岸に北朝鮮の軍人らしい遺体が3体あがったということだが、この点について何か情報は入っているか。
(報道官)これまでに承知していることは、本日25日午前7時40分ごろ、福井県高浜町の海岸に男性と見られる一部白骨化した遺体が3体漂着した。遺体は3体とも上下に濃い緑色の制服のようなものを着用し、ボタンに星のようなマークが付いている。うち1体の制服の襟には階級章らしきものが付いているが、これは公表されている資料に出ている北朝鮮の兵士のものに酷似しているとのことである。以上申し上げたことは、警察からの連絡で承知していることである。本件事案の詳細に付いては、警察等関係当局において引き続き捜査中であると承知している。
(問)仮にこれが北朝鮮軍人の遺体であったと確認された場合、遺体の返還をすることになるのか。
(報道官)捜査中の段階にあるので、現時点で予断をもって申し上げるのは適切でないと考える。これまでのところ、先の半潜水艇撃沈事件との関連を示す情報には接していない。これ以上に何が判明するかを待っている状況である。
(問)この件について北京の日本大使館などが北朝鮮の方に何か問い合わせをしたりしているようなことはあるか。
(報道官)承知していない。
(問)これは潜水艇の乗組員らしいのか。
(報道官)そこまで判断するに至る状況には至っていないと承知している。
(問)死後何日か。
(報道官)いま把握しているところでは、そこまでは分かっていない。「一部白骨化した遺体」ということである。
報道官会見要旨 (平成10年12月22日(火)17:00~ 於 会見室)冒頭発言
(報道官)私から申し上げることは特にない。
対イラク軍事行動への評価(問)イラクへの軍事行動は終わり、イラクは査察に一切応じないとの声明を出している。外務省として今回の米、英の軍事行動をどう評価しているか。
(報道官)米、英の軍事行動が終了した段階で、大臣のコメントを出している。米、英の行動を通じて所期の目的を達成して武力行使を終了する旨の発表があったことは歓迎するということである。
今後の問題として、わが国としてイラク政府が国連大量破壊兵器廃棄特別委員会(UNSCOM)による査察の受け入れを含む国連の関連安保理決議の義務を即時、無条件に履行することを改めて強く求めていきたいと考えている。今後どうしていくかが次第に焦点になってきており、安保理においてこの点の協議が行われている。日本時間22日未明(米ニューヨーク時間21日午後)に国連安保理非公式協議が行われ、今回の武力行使後の状況を踏まえて、今後イラクによる関連安保理決議の義務の履行をいかに確保していくかということについて議論が行われた。その結果、現地の状況についてのさらなる情報を国連事務局に求めるとともに、引き続き議論を続けていくことになった。この協議が終わったところで、安保理議長(現議長国はバハレーン)から、「安保理としてイラク問題の取り組みおよび関連安保理決議の実施の方法につき評価を行っているところである」との趣旨の口頭によるステートメントが行われた。わが国としては引き続き安保理における協議に積極的に参加していきたいと考えているところである。今後具体的にどういう対応が考えられるかについては、安保理の話し合いがまだ始まったところなので、いまそれ以上具体的に申し上げる段階にはないと考えている。
報道官会見要旨 (平成10年12月18日(金)17:00~ 於 会見室)(報道官)まず自分(報道官)から中米諸国のハリケーン被災民に対する緊急援助について申し上げる。御承知の通り10月末から11月初旬にかけて中米地域を直撃したハリケーン・ミッチが甚大な被害をホンジュラス、ニカラグア、グアテマラ、エルサルバドル等に及ぼした。これまでに中米4カ国全体で約8,550名の死者と約300万人の被災民が出る等の被害が生じており、特にこの被災民は深刻な食糧不足に直面している。こういった状況のもとで世界食糧計画(WFP)から緊急食料援助のアピールがあり、これに答えて我が国政府は、ホンジュラス、ニカラグア、グアテマラ、エルサルバドルの4カ国に対して緊急無償援助として2億2,210万円を拠出することを決定した。これは世界食糧計画(WFP)がこれら4カ国の被災民に対して行う乾パン約107万食の援助の輸送費にあてられる予定である。御承知のように我が国はこれまでも中米4カ国に対して150万ドルの緊急無償資金供与、約6,010万円相当の緊急援助物資供与、そしてホンジュラスへの自衛隊派遣、ニカラグアへの医療チームの派遣等の緊急援助を実施しているが、先程も申し上げたとおり、今回人道的観点からWFPのアピールに答える形で資金の拠出を行うこととしたものである。自分(報道官)から申し上げることは以上である。
北朝鮮の潜水艇問題(問)韓国の領海で北朝鮮の潜水艇が撃沈された事件で、その後何か新しい情報は入っているか。また、日本の近海で非常に危険極まりない事件が起きたわけだが、政府としてどの様に捉えているか。再発防止について何かアクションを起こす用意があるか。
(報道官)自分(報道官)達が把握しているのは、本日午前9時に韓国国防部が行った発表によると、韓国軍及び海洋警察が17日午後11時15分、韓国全羅南道麗水市南方沖合海上で、小型の不審船を発見・追跡して18日午前6時50分頃、巨済島南方約100キロの海上で撃沈したということである。自分(報道官)達としてはこうした北朝鮮の潜水艇の動きは南北の緊張緩和に資するものではないと考えており、何れにせよ今後の事態の推移を注視していきたいと考えている次第である。御指摘のように、日本に近いところでの事件でもあるので、非常に関心を持って注視している状況である。
(問)「南北の緊張緩和に資するものではないと考えている」ということだが、「緊張緩和に影響がある」ということより(表現が)もう少し弱いという考えか。
(報道官)自分(報道官)達は南北の緊張緩和を望んでいるわけであり、そういった観点から見ると、北朝鮮のこの種の動きは前にも似たようなことがあったわけであり、北朝鮮の動きが若干軍事的色彩を帯びてきているとも見られるので、そういうことから言うと、「影響があるというより弱いのか」と聞かれるとどう答えたらよいか困るが、何れにしても南北の緊張を緩和していくという方向には逆行しているのではないかと考えている。
(問)北朝鮮の潜水艇は一時韓国の領海に入っていたのか。
(報道官)韓国側の発表によると、17日午後11時15分頃、麗水市の地域の軍師団海岸哨所前方2キロメートルの海上で陸軍将兵が発見したということなので、その時点では領海内に入っていたと考えられる。その後、追跡して結局撃沈した所が巨済島南方100キロの公海上であったと理解している。
(問)「撃沈した」ということだが、日本としてはこれを「紛争」という感じでとらえているのか。
(報道官)実際に韓国陸海空軍が合同して逃走する潜水艇に数度にわたり警告及び威嚇射撃を加え、更に潜水艇が逃走を続け、なおかつ応酬射撃を行ったため、韓国海軍の艦艇が艦砲射撃を行い、これが命中し撃沈させたということであり、そういう意味では実際に銃撃の応酬があった、事実関係としてあったと考えている。今後どうなっていくかは、いまの時点では分からないこともあり、あえてそれを「紛争」と言うかどうかは別問題だと思う。
(問)(韓国海軍の艦艇が北朝鮮の潜水艇を)追いかけて行って日本の領海に入った場合、日本はどう対応するのか。
(報道官)まさに仮定の問題である。日本の領海の中で他の国の艦船が射撃を行うというようなことは、そもそも認め得るかといった問題から検討する必要があると思うが、いま十分に考えずに答えを申し上げることは適切ではないと思うので、色々な問題を検討しなければならないかと思うということに止めさせて頂きたい。
(問)現に、もう少し東側のルートを取れば対馬に近づき、日本の領海に入っていたと思われるが、そうした検討は現段階ではしていないのか。
(報道官)理論的な問題として検討していることはあるかもしれないが、いま自分(報道官)が「そういう状況であったらこうこうこういうシナリオがあってこういうことになる」ということをこの場で申し上げることは適当ではないと思う。
イラク情勢(問)午前中の大臣会見以降イラク情勢に関して何か新しい情報は入っているのか。
(報道官)事実関係の面で申し上げれば、今朝の大臣会見の際に質問があったかと思うが、今回の軍事行動によってどの様な効果があったのかといった質問があったと思うが、既に御承知の方もいるかもしれないが、米国時間17日午後2時にコーエン国防長官とシェルトン統合参謀本部議長が国防省に於いて特別のブリーフィングを行った由であるが、その際にコーエン国防長官乃至シェルトン統合参謀本部議長が説明したところによると、攻撃の標的にはイラクの対空防衛システム、指揮通信施設、飛行場、その他の軍事インフラ施設が含まれている。ここは軍事標的に集中しており、イラク国民を攻撃しているのではないということを再び明らかにしている。米軍は50以上の標的を攻撃した。その標的の中には大量破壊兵器関連施設、治安部隊、対空防衛システム、飛行場、指揮通信インフラが含まれているということをブリーフィングの席上説明したと聞いている。
報道官会見要旨 (平成10年12月11日(金)17:00~ 於 会見室)(報道官)今年10月末から11月初めにかけて中米地域を襲ったハリケーン・ミッチの災害との関連で、これまでホンジュラス、ニカラグア、グアテマラ、エルサルバドルに対してそれぞれ緊急援助物資の供与を行い、ニカラグアに16人の緊急医療チームを派遣した。また、ホンジュラス政府の要請に基づいて、国際緊急援助隊として初めて自衛隊部隊を派遣し、同部隊が約2週間の活動期間中に医療および防疫活動を行い、延べ4031人を診察、3万3200平方メートルの防疫を行った。
日韓漁業協定の批准時期
ニカラグアについては記者会見で以前質問があったが、ハリケーンの影響で、内戦時に埋設されていた地雷が流出し、地域住民の生活にも影響を与えている状況である。そこで、米州機構(OAS)はニカラグアを中心とする中米地域で地雷の危険についての住民に対する啓発、流出地雷の調査等の活動を行うことになっている。これに対し、この度4万500ドルの資金を拠出することを決定した。
OASは1992年の総会において、中米地域における対人地雷も含めた地雷除去活動への拠出金を受け入れるための特別基金の設置を決定した。これは「中米地域地雷除去作業特別基金」と呼ばれている。わが国はこれまで同基金に対して1992年および96年にそれぞれ10万ドルずつ、また、1997年に5万ドルを拠出しており、今回で4回目の拠出になる。これまでの拠出総額は29万5000ドルとなる。(問)日韓漁業協定は衆参両院の承認がそろったが、政府の批准決定の閣議はいつごろになるか。
(報道官)日韓漁業協定が承認されたところまでは知っているが、そう遠くはないと思う。調べて後ほど連絡する。
報道官会見要旨 (平成10年12月8日(火)17:00~ 於 会見室)(問)北朝鮮がミサイルを再発射するとの情報が流れ、そのための地下核施設を米国の衛星が見つけた等の情報があるが、外務省の方にはどのような情報が入っているか。
(報道官)この一連の問題について、外務省として強い関心を持って注目してきている。北朝鮮のミサイル関連施設の状況についていろいろな情報があるが、確実にこうであると確認できるような状況にはなっていない。従って、関心を持って見続けている状況にある。ミサイルを再び発射するのではないかとの質問だが、再発射の可能性を完全に否定できる訳ではないが、これまでのところ、近くまたミサイルを発射するという具体的な動きを示す情報には接していない。
コメ関税化の問題(問)日本のコメの関税化問題について、米国政府は「想定されている関税水準は高過ぎるのではないか」と批判している。現時点では、米国政府から日本政府に対してどの様な申し入れが来ているのか。
(報道官)特に具体的な申し入れがあるとは承知していない。この問題についていろいろ報道されているが、今年の秋ごろから農業団体や与党内部において現行農業協定の枠組みや内容についての研究会等が開かれており、その中で次期農業交渉の枠組みやコメの特例措置の現行協定上の取扱い等についてもいろいろ議論が行われているというようには承知している。しかし、今の段階で政府として何らかの具体的な方向性、或いはその決定に至っているとは承知していない。いま御指摘の点についても、米国側から「こうこう、こういうことを言って来ている」という話はいまのところ聞いていない。
(問)先週、日本と世界貿易機関(WTO)内で協議した欧州連合(EU)代表は、「日本政府からコメの関税化を考えているとの説明を受けた」と語っている。それは外務省経済局の幹部から説明を受けたということだと思うが、この事実関係はどうなっているのか。
(報道官)EUとWTO関係の協議があったことは事実である。EUとの協議において具体的にどういう細かい話があったかは必ずしも承知していないが、国内において先程申し上げたような意味での現行農業協定の枠組みや内容についての研究とか、次期農業交渉の枠組みとか、コメの特例措置の現行協定上の取扱いなどについていろいろ勉強ないし議論が行われていることはあり、その辺のことで何か言及があったのかもしれない。だが、それ以上詳しくEUとのWTO協議において言われたような「コメの関税化」について具体的な踏み込んだ話があったというようには聞いていない。
報道官会見要旨 (平成10年12月4日(金)17:00~ 於 会見室)(報道官)最近、中東和平の関連で色々と動きがあるので、纏めて話したい。先ず、本年10月のいわゆるワイ・リバー合意の成立は、長きに亘り停滞を続けていた中東和平プロセスに政治的打開をもたらした。しかしながら、イスラエル、パレスチナ双方に於いて、合意成立に反発する動きもあり、また、当事者双方の不信感は未だ大きく残っていることから、中東和平を巡る情勢は依然として極めて不安定な状況にある。
北朝鮮の地下核施設疑惑問題
そういった状況の中で、2日、イスラエル政府の閣議においてワイ・リバー合意の実施に関し、条件を付す決定が行われたことを、我が国としては懸念している。我が国としては、当事者双方に対し、今後の和平交渉の環境に悪影響を及ぼすような言動を控えるとともに、合意を誠実に実施するよう求めたい。
次に、我が国の役割について考えると、これまでも、我が国は、当事者双方に対して和平努力を直接働きかけるとともに、パレスチナ支援及び周辺国支援に積極的に取り組んできた。両者間の和平交渉と並行して行われてきている多国間協議の枠組みに於いても、我が国は、環境作業部会の議長を務めてきている。また、ゴラン高原に展開するUNDOFに対しても、日本部隊の派遣を継続しているのはご承知の通りである。
今後、ワイ・リバー合意により得られた和平プロセスのモメンタムを維持するため、我が国としては、以下のような努力に力を入れていく方針である。
一つは、パレスチナ支援であるが、93年より現在までの5年間で3億7千万ドル以上の支援を実施しており、米・EUと並ぶ三大ドナーの一つとなっている。
11月30日にワシントンで開催された、パレスチナ支援閣僚会合においても、我が国は、今後2年間で2億ドルを目途として、パレスチナ支援を継続していく方針である旨を発表した。これは米国、パレスチナ(アラファト議長)及びジョルダン等の関係国から高く評価された次第である。
今後のパレスチナ支援の分野としては、特に、教育・保健面での人的資源開発、パレスチナ自治政府の能力強化、環境、文化交流、産業振興等の支援や、ワイ・リバー合意の実施を側面支援するための西岸・ガザ間の安全通行路の確保に資するようなインフラ整備案件等を中心に支援を行っていきたいと考えている。
また、先程、多国間協議ということを申し上げたが、これは、和平プロセスの一環として92年から行われているものであるが、この枠組みにおける環境作業部会においては、我が国が議長を務めている。
この環境作業部会の活動として、現在も砂漠化防止、海洋汚染等の分野において、現地におけるプロジェクトやセミナー等が継続的に行われている。
環境作業部会の活動の一環として、今般、我が国政府は「中東における砂漠化対処セミナー」を鳥取大学乾燥地研究センターにて11月24日(火)から12月3日(木)にかけて実施した。
本件セミナーでは、乾燥地研究センターの設備を活用し、イスラエル、パレスチナ、エジプト、ジョルダン、モロッコ、テュニジアよりそれぞれ2名ずつ、計12名を招聘して、乾燥地における水資源開発、塩類集積等に関する講義、実習及び視察を行った。
我が国は、環境作業部会の議長として、今後も、両者間の和平プロセスを支えるためにも、この多国間協議の一環としての右作業部会の活性化に向け努力していく方針である。(問)米国時間の明日から北朝鮮の地下核施設疑惑に関する米朝協議が行われるが、協議に当たっての日本の立場、日本として期待するものは何か、どう見ているかを伺いたい。
(報道官)この地下核施設の問題を含めて、北朝鮮の核の問題についてはこの数カ月来、日米、或いは日韓の間で色々話し合ってきている。先週末には鹿児島で行われた日韓閣僚懇談会でもこの問題が取り上げられ、日、米、韓の3国で緊密に協調していくことの重要性が改めて確認されたわけである。前回11月16日から18日にピョンヤンでこの問題の米朝協議が行われたときには、北朝鮮側は十分な形での疑惑施設の視察に応じなかったということだ。我が国としてはこのような協議のプロセスを通じて、北朝鮮側が十分な形での視察を認め、核開発についての不透明性を払拭することが極めて重要と考えており、そういう意味で今回米朝が行う12月4、5両日のニューヨークでの協議、7、8両日のワシントン協議がどういうものになるかを注目しているところである。
報道官会見要旨 (平成10年12月1日(火)17:00~ 於 会見室)(報道官)アフガニスタン支援グループ第4回会合の開催について申し上げる。この会合は平成9年1月に「アフガン支援国際フォーラム」が国連とオランダの共催で開催されて以来、そのフォローアップとして年2回の頻度で開催されてきた。
第1回会合は平成9年4月、ジュネーブにおいてオランダの主催で行われた。第2回は平成9年12月ニューヨークにおいてノルウェーの主催で、第3回が今年5月ロンドンで英米の共催で行われた。英米から次の会議は日本に主催してもらったらどうかとの話しがあったと理解している。
今回は12月7日(月)および8日(火)、東京において日本政府の主催により開催される運びとなった。わが国からは町村外務政務次官が議長として参加する。欧米諸国など15カ国、欧州委員会、国連諸機関、赤十字国際委員会(ICRC)、現地非政府組織(NGO)の代表(アフガニスタン人2人を含む)などのアフガニスタンに対する主要援助国、国際機関、主要民間団体(NGO)などから事務次長を含む大使、局長級が参加することになっている。
会合の議題としては、(1)アフガニスタンの政治・治安情勢および今後の見通し、(2)人道援助の現状および国連国際職員のアフガン復帰のための条件、(3)援助の全面再開後の具体的取り決めの可能性、(4)自然災害と地震、(5)人権およびジェンダー問題(男女の取扱いの問題)、(6)麻薬問題など広範にわたっている。これは基本的には第3回会合までの議題を踏まえたもので、今回の会合における議論は今年の夏以降、アフガニスタン国内の情勢が大きく変化したことも踏まえたものになると考えられる。
日本が第4回会合を主催することになった背景としては、日本がこれまで国際機関経由で多額の対アフガニスタン人道援助を実施してきたことが挙げられる。1979年度以降今までに4億ドル以上に達し、また政治面でも国連の和平努力を積極的に補完・支援するとともに、アフガン各派の会合をわが国で開催することに協力していく用意がある旨表明する等、和平実現前から復興支援のための国際的枠組みを形成すべく提唱してきた経緯がある。先ほど申し上げたように、第3回会合の共同主催国であった英米両国より、次回は日本に主催してほしいという要請もあったわけである。 私から申し上げるのは以上である。
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