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8月25日(火)の記者会見は中止。
8月21日(金)の記者会見は中止。
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8月14日(金)の記者会見は中止。
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8月7日(金)の記者会見は中止。
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報道官会見要旨 (平成10年8月28日(金)17:05~ 於 会見室)
98年ボスニア・ヘルチェゴヴィナにおける選挙への我が国の要員派遣(冒頭発言)
(報道官)9月12日及び13日ボスニア・ヘルチェゴヴィナにおいて欧州安全保障・協力機構(OSCE)の管理の下で国政・地方選挙が実施される。我が国からは国際平和協力法に基づき、この選挙に際してOSCEによって行われる選挙管理・監視活動に選挙管理要員等34名を派遣することとしており、8月25日に閣議決定が行われた。今までボスニア・ヘルチェゴヴィナの和平履行について我が国は人道支援、復旧・復興支援等、民生面において色々協力してきている。選挙について申し上げれば、第一回のボスニア国政・地方選挙というのが96年9月に行われたが、その際にも選挙管理・監視要員等人的貢献で36名派遣し、200万ドルの財政的貢献を行っている。そして97年9月にボスニア市町村議会選挙が行われた際にも29名の人的貢献と150万ドルの財政的貢献を行っている。今回も協力行うが、前回二回については要員派遣は外務省設置法に基づいて行ったわけであるが、御承知の通り本年6月に国際平和協力法の改正が行われ、従来からの協力対象であった国連が統括する選挙に加え、国際機関又はOSCEを含む地域的機関の要請に基づき、紛争によって混乱を生じた地域に於ける選挙又は投票に対する協力もこの法律の下で行われることとなった。今回の要員派遣はこの改正された国際平和協力法の下での初の適用対象となるものである。今回派遣されるのは選挙管理要員25名、選挙監視要員5名、連絡調整要員4名、合計34名である。それと同時に投票用紙作成等経費として100万ドルを拠出するという財政的貢献を行うこととなっている。
(問)外為取引停止等ロシアの混乱は益々深まっていると伝えられるが、ロシア政府から日本政府に何らかの説明はあるのか。
(報道官)事態はいろいろ動いている状況にあり、わが国としてもモスクワの大使館等を通じて状況をフォローすべく努力している。その過程でロシア側からも話を聞いていると思うが、非常に流動的な状況の下でどういう方向に物事が動いていくのか、まさに注視しているところである。ただ、いまの時点で明確な見通しを申し上げるのはなかなか難しい。キリエンコ首相の下での内閣が総辞職し、チェルノムイルジン首相代行が指名され、これから新首相任命のための手続き、そのための議会の同意がまず必要である。今日の報道によると下院の首相承認のための審議が31日行われるようである。新首相が任命されて、どの様な政策を取っていくのかがまず注目点になると思うが、私達も非常に関心をもって注視しているということである。
(問)25日(火)の大臣会見の際に、大臣のロシア訪問は「何らの変更なく外務省の方で準備を整えつつあると理解している」ということであったが、これは現在でも変わっていないか。
(報道官)その状況自体は変わっていない。大臣のロシア訪問については9月中旬を目途に実施すべく、具体的日程を含めてロシア側との間で引き続き調整を進めている。
(問)その調整の過程の中で、ロシア側は「9月中旬受け入れ」の方向で動いていると理解してよろしいか。
(報道官)調整は続いているということである。「9月中旬を目途に」という前提を変えるようなことは、ロシア側から連絡してきていないと理解している。
(問)ソースは明示されていないが、「カウンターパートのロシア側外務大臣が決まっていなくとも行く可能性あり」との報道もあったが、そのような方向と理解してよろしいか。
(報道官)新政権がこれから形成されていく中で、プリマコフ氏が留任されるか否か等の問題があるにしても、外務大臣の訪露に向けての調整努力は引き続き行われている状況である。
(問)米国のスーダン、アフガニスタンに対する「テロ行為に対する自衛権の行使」にアフリカ諸国、非同盟諸国はとりわけスーダンに対する攻撃を取り上げ、国際調査団の派遣を要請する書簡を国連安保理に出すということのようであるが、今朝の会見で大臣は「事実解明に資するものであれば何ら排除するものではない」と答えた。わが国としてはこの書簡が届けば、安保理の一員として国際調査団派遣を支持する方向にあると理解してよろしいか。それとも別の選択があるのか。
(報道官)大臣が今朝の会見で今のような趣旨を言われると同時に、「まだ何も決めていない」とも言われている。安保理における本件についての審議、協議は24日に非公式協議が行われ、その結果、「この問題についてはかなり時間をかけて考慮する必要がある。今後は安保理メンバーの間で個別の協議が行われることになろう」ということになった。現時点でさらにいつ、どの様に取り上げられるかと言う具体的な予定はまだ出てきていない。そういう意味で安保理でこの問題を正式に取り上げるには至っていない状況である。わが国としては安保理において今後の協議、議論がどうなっていくかを見ながら、対応振りを考えていく状況にある。協議の進展次第によって、調査団派遣問題も議論される可能性があるわけで、それがどういう議論の方向になるかは現時点ではなかなか予測し難い。色々な可能性が残っているという意味で、大臣が「何事も排除しない」との言い方をされたと理解している。可能性がいろいろあり、それ以上に日本としての対応ぶりを具体的に決めていくという状況ではない。
(問)日韓漁業交渉が今度は東京で開かれるとの発表があった。金大中大統領訪日までの決着を目指すということのようであるが、見通しは如何。
(報道官)日韓漁業協議はご承知の通り懸案となっている。8月19日から21日にソウルでも協議が行われた。ソウルの協議でも金大中大統領の訪日までに妥結の見通しを得るべく最大限努力するとの認識が確認された。そのために9月初めごろに少人数の協議を行うことが双方から提起された。これを受けて、8月31日から実務者の少人数会合を行うことになった。韓国の新任の洪淳瑛外交通商部長官が9月3日(木)から4日(金)まで日本に来られ、高村外務大臣と会談することになっている。大臣レベルで重要な問題である日韓漁業協議についても取り上げられることになると思う。政治レベルで取り上げられる前に、事務レベルでできるだけ問題の整理をしていくことが必要であろうとの考慮から、今回の少人数協議を行う運びとなっていると承知している。
(問)日韓の外相会談までに、実務者協議で大体の方向性、合意の内容がまとまる見通しか。
(報道官)協議の進展、結果がどうなるかはいまの時点で予測することは難しいと思う。前回のソウル協議でも互いの問題意識はかなり共有するようになったと理解するが、まだ双方の立場の隔たりもあり、そういう意味でかなり突っ込んだ協議を行うことによって、なるべく問題点を整理して大臣レベルでこの問題が取り上げられることに備えようという状況にあると理解している。いずれにしても、金大中大統領が訪日されるまでに、妥結の見通しを得るべく引き続き双方が最大限の努力をしていこうとの姿勢で協議を続けているわけである。
報道官会見要旨 (平成10年8月18日(火)17:00~ 於 会見室)(報道官)8月14日の高村外務大臣とオルブライト米国務長官との会談の終わりの頃に、高村大臣から「(会談の終了)時間がきてしまったので、来週丹波外務審議官が訪米する際にタルボット副長官、ピカリング次官との間でアジア情勢についての十分な協議が行われることを期待する。従ってオルブライト長官からピカリング次官に対してしかるべく指示してほしい」と述べ、これに対して、オルブライト長官がこれを了承したという経緯がある。
丹波外務審議官の米国出張はもともと予定されていたもので、本日18日(火)から21日(金)までワシントンを訪問して、タルボット副長官、ピカリング次官ら米側政府関係者と会談する。この一連の会談において、日米2国間関係のほか、中国、朝鮮半島などのアジア情勢に加えてロシア、核不拡散、イランなど両国が共通して関心を有する国際情勢について意見を交換する予定である。この協議は日米間で機会あるごとに行われている意見交換の一環として行われる。(問)クリントン大統領が大陪審で証言し演説も行ったが、9月にも予定されている総理訪米に対する影響如何。
(報道官)米国の国内問題であり、それについてコメントすべきことはない。今の時点で特に影響があるとも思えない。
(問)今般のロシア経済危機の平和条約交渉への影響如何。
(報道官)今の時点で日ロ関係、あるいは政治関係への影響につき言うのは時期尚早と思う。現在のロシア金融市場の動きについては、わが国としても高い関心をもって注視している。昨日、今日とロシア政府が取った一連の措置については、今後のロシア経済への影響、更には日ロ2国間の経済関係も含めた国際的な影響がどうなるかを注視していきたい。
我が国の立場を申し上げれば、最近のロシアの金融市場をめぐる混乱について、我が国はロシア政府が経済・金融安定化プログラムを着実に実施しつつ、この問題に適切に対処し、これまでの改革路線を引き続き強力に進めていくよう期待している。同時に、我が国としては引き続き国際社会との連携の下でロシアの改革努力を支持していく考えである。なお、我が国は国際通貨基金(IMF)や世銀の枠組みにおける支援を行ってきたところであり、これに加えて2国間の支援として既に15億ドルの輸銀アンタイドローンの実施を表明している。このうち6億ドルは今年中に実施する予定であり、今後ともこのローンを着実に実施していく方針である。(問)ニューヨーク・タイムズによると、北朝鮮が核施設を隠されたところになお保有しており、朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)の様子を眺めながらいつでも再開できる準備を整えつつあるということだが、我が国にそうした情報は入っているか。
(報道官)そのような報道があることは承知しているが、我が国として、伝えられるような事実関係を確認するとか、コメントする立場にはない。
他方、北朝鮮の核兵器開発問題は我が国自身が直面する安全保障上の重大な懸念となるものであり、米朝間の合意された枠組みはこの問題に対処するための最も現実的かつ効果的なものとして機能している。我が国としては北朝鮮がこの合意された枠組みを順守するよう強く期待している。今後とも米国、韓国等関係国と緊密に連絡を取りつつ北朝鮮の動向を注視していきたい。(問)その枠組みが守られるためにもKEDOの事業が順調に進むことが重要と考えらえるが如何。
(報道官)従前から申し上げている通り、北朝鮮の核兵器開発問題に取り組んでいくに当たって、米朝間の合意された枠組みが守られ、KEDOの事業が順調に進んでいくことを我が国としても重視している。こうした観点から先般の大使級会合においても10億ドルの支援を明らかにした。KEDO重視の我が国の立場に変わりはない。
(問)軽水炉の負担額の残りの問題が残っていると承知しているが、日本、韓国、欧州連合(EU)で賄い切れない部分の米国等の負担はどうなっているか。
(報道官)前回の大使級会合で軽水炉の負担について一応のラインが出た。細かい点は米国の国内調整があるので詳細を申し上げるわけにはいかないが、先般の会合でも米国は重油に対する資金手当てで精一杯の状況にあるということであったが、我が国及びその他のメンバーから米国は重油のみならず軽水炉にも拠出することを期待する旨主張した次第である。米国も我が国その他の国が米国に大きな期待を寄せていることを一応理解しているものと思われる。この大使級会合における代表団限りの意見の一致を関係国による国内調整の上で、次回の会合(日程は調整中)を通じて理事会メンバーの行政府レベルでの正式な合意とすべく鋭意調整を続けているところである。
(問)高村大臣は訪米前にKEDOの問題も話題に出る可能性があり、出た場合には負担してくれるよう求めるのは当然と発言していたが、オルブライト国務長官との会談等でこの問題はどう扱われたのか。
(報道官)KEDOの問題もオルブライト国務長官との会談で取り上げられている。オルブライト長官の方からは、「北朝鮮の方からはKEDOの合意の実施、重油供給が履行されることが必要と指摘されている。米国政府としては重油供給を実現すべく現在連邦議会との間で協議を行っているが、なかなか困難な協議である。日本側の軽水炉建設支援(10億ドル支援)については高く評価している。日米韓EU大使級会合でKEDO合意の実施について原則的な了解が達成されたことを喜んでいる。今後このような合意の実施をしていく上で日米間での緊密な協議を継続していきたい」との発言があった。高村大臣の方からも、「現在軽水炉に対する建設経費の負担を実現すべく努力を払ってきている。このような負担は、我が国の財政的経済的な困難を抱えている中でも実現していく必要があるとの認識の下で努力を傾注しているところであり、KEDOが我が国を含むアジアの安全保障の観点から重要な存在であると認識し、今後とも日米間で協力していく必要がある」と述べた経緯がある。
報道官会見要旨 (平成10年8月11日(火)17:00~ 於 会見室)(報道官)武見敬三外務政務次官は8月12日(水)から17日(月)までタジキスタンを訪問する。外務省から楠本欧亜局審議官、高橋新独立国家室首席事務官が同行、そのほか在ロシア大使館館員およびウズベキスタンの高橋参事官(前アフガニスタン政務官)が現地から同行する。
タジキスタンでは7月20日に秋野豊国連タジキスタン監視団(UNMOT)政務官が何者かに襲撃されて殉職される痛ましい事件が発生した。発生直後のわが国の申し出に応え、現在タジキスタン当局および国連が事実関係を鋭意調査中だが、真相はまだ明らかになっていない。武見政務次官はドシャンベにおいて国連タジキスタン監視団(UNMOT)及びタジキスタン政府の関係者と会見する予定である。武見次官はわが国としてこの事件を深刻に受け止めている旨を改めて伝えるとともに、事件の真相究明を求め、タジキスタンにおける和平構築についても意見交換をする予定。なお、武見次官は秋野政務官のご遺族がUNMOTに宛てた激励のメッセージも携行する予定である。(問)和平構築について意見交換するという話だが、日本政府としてはどういう立場で和平を主張していくのか。
(報道官)タジキスタンでは内部抗争が続いており、先に申し上げたような痛ましい事件が起きた。秋野政務官のご遺志を尊ぶ立場からもタジキスタンの今後の和平について私どもとしても真剣に考え、日本として何かできることがあるのか否かを考えていく必要があると思う。今回の武見政務次官の訪問を通じてこれまでの問題、現状、今後の和平のあり方、あるいは国連、国連加盟国としてどういうことをなすべきかなどを考えていく上での参考にしたいと考えているわけである。
(報道官)8月2日夜からコンゴ民主共和国の首都キンシャサおよび同国東部地域において政府軍とバニャムレンゲ(16ー18世紀に現コンゴ民主共和国の地域に移住したといわれるツチ系の住民)との戦闘がその後各地に拡大、本日までの時点で東部地域のいくつかの都市が既に反政府軍に制圧され、大西洋側においてもいくつかの都市が反政府軍により占拠されたかそれに近い状況になっていると伝えられる。さらに反政府軍はキンシャサの南西約300キロにある交通の要衝マタディ市に接近しているもようであり、マタディをめぐる戦況の帰趨、攻防が注目されている。コンゴ民主共和国政府はルワンダ、ウガンダ両軍が戦闘に関与しているとして非難しているが、両国政府はこれを否定している状況である。11日朝の日本大使館の報告によると、キンシャサ市内では一応平静が保たれているが、夜間に時折銃声が聞かれるということだ。キンシャサ空港は機能しており定期便は依然運航されている。
このような状況の下で、外務省は8月4日付で海外危険情報「危険度3」(渡航延期勧告)を発出し、事情の許す邦人の出国を勧めてきたが、その後情勢が流動的であることから、6日付けで「危険度5」(退避勧告)を発出し、邦人に対し速やかな退避を働きかけている。今月10日の時点でコンゴ民主共和国に滞在している邦人数は約40人。現地大使館は邦人の方々と電話で連絡をしたり、宗教団体の方には代表者に無線機を貸してそれで連絡を取ったりしている。電話、無線で連絡が取れない方々には大使館館員が防弾車でキンシャサ近郊等を巡って直接邦人との連絡を取りつつ速やかな退去を働きかけている状況である。(問)宗教関係の人はどういう団体でどういう活動をしているのか。
(報道官)邦人の内訳を申し上げれば、在留邦人が37人、短期滞在者3人(この前申し上げた短期滞在者3人は出国した。その後別の3人が短期滞在している)。37人の内訳は大使館員3人、宗教関係者およびその家族29人、現地人と結婚した邦人女性の永住者5人。宗教団体の名前にここで言及するのは差し控えたい。地理的にはキンシャサに35人、シャバ州のルムンバ市に3人、同州ドウビー村に1人、東カサイ州のムブジマイに1人。キンシャサ以外の5人はいずれも宗教関係と承知している。
(報道官)一部に報道があったが、7月下旬、車中篭城をしていたアウン・サン・スー・チー女史が強制的に送還された事態を受けて、日本、米国、豪州、韓国、独(現在欧州連合(EU)代表)、英、仏、伊の8カ国はミャンマー政府に対して最近の情勢への懸念を表明し、アウン・サン・スー・チー女史を含む民主化勢力との対話を求める内容の申し入れを行うことを検討してきた。この8カ国でミャンマー政府に対して共同の申し出を実施すべく、ミャンマー政府とのアポイントメントを申し入れてきたが、それがいまだ実現していないため、8カ国の各国の大使館が次のような内容をそれぞれミャンマー政府に文書で申し入れる方向で、いま現地で打ち合わせ中である。
主要なポイントは2つ。第1点は、アウン・サン・スー・チー女史に対するミャンマー当局のひどい扱いを憂慮、今回の事態にみられた旅行制限、強制送還等は移動および結社の自由の侵害に当たるということ。第2点は、ミャンマーの政治的諸問題はスー・チー女史を含む民主化勢力と早期に実質的な対話を行うことを通じてのみ解決できるものと国際社会は確信するというものである。(問)アポイントメントが取れず文書で申し入れというが、最初はどういうことを考えていたのか。8カ国大使がそろって外相に会ってそれを伝えようとしたのか。
(報道官)然り。7日にオン・ジョー外相との面会を申し入れたが、現在に至るまでアポイントメントが成立していない。申し入れの内容は8カ国大使館の間で打ち合わせてきた共通の内容をそれぞれの大使館から文書で申し入れる方向であるいま動きつつある。
(問)ミャンマー側は忙しいから会えないと言っているのか、回答がないのかどちらか。
(報道官)回答が得られていない状況だと理解している。
(問)8カ国はいつ申し入れるのか。
(報道官)何時とは承知していないが、各大使館が文書を出す話なのでそれ自体時間のかかることではない。今日ぐらいということを頭に置いていると思う。
(問)8カ国共同の申し入れプランはどこの主導によるのか、日本の役割はどういうことだったのか。
(報道官)アウン・サン・スー・チー女史についての最近の事態についてはわが国だけでなくいろいろな国が憂慮してきた。共通の関心をミャンマー側に伝えようということはこの1、2週間の間に各国が打ち合わせてきた。共同のイニシアティブと申し上げてよろしいかと思う。東南アジア諸国連合(ASEAN)の会議、拡大外相会議のころからある話であり、わが国の役割について言えば、特にスー・チー女史を含む民主化勢力と早期に実質的な対話を行うことが重要であり、対話を通じてのみ解決できるというポイントはわが国も従来言ってきたものだ。申し入れの打ち合わせにおいてそれに積極的に参加してきたということだ。
(問)ASEANの動きは。
(報道官)今回は8カ国の間で行うと理解している。ASEANについてはASEANとして何かアクションを取るか否かという検討はあり得るかと思う。
(問)日本はいままで米国とは距離を置き、どちらかと言えばASEAN寄りでミャンマーに対処してきた。だからこそ飛行場の建設援助などをしてきたと思うが、ここで少し方針を変えたということか。
(報道官)必ずしも方針を変えたということではない。特に最近の事態にかんがみて、ミャンマー政府との対話を通じて問題の解決を図ることの必要性がますます明らかになってきた。これまでもミャンマー政府に対し、飛行場の円借款の一部凍結解除を伝える際にも、国民民主連盟(NLD)との対話の必要性や政治活動の自由の保障、適正な法整備の確保、大学の再開など民主化や人権状況の改善が必要であると随時申し入れてきた。最近の状況にかんがみて関心を共有する関係国と共同の行動を取ることになったものだ。
(問)行動がという意味ではなく、日本はいままでASEANに配慮しながらむしろASEAN寄りでやってきていたところを、今回米国と協同していることは米国のイニシアティブに応じたということか。
(報道官)米国のイニシアティブに各国が追随したということではない。共通の関心を有していることから共通の行動を取ることになった。こうした状況下で今申し上げた点をミャンマー政府に改めて強調することが必要との判断に至り、ほかの国と一緒にアクションを取ることにしたということだ。
(問)共同イニシアティブは分かるが、こうした行動を取ることが8カ国から軌を一にして出てきたのは不思議な感じがする。どこか主導した国、文案を調整している国があるのではないか。それはどこか。
(報道官)どこかの国が案を作ってそれをリーダーシップを取ってまとめる、というように物事が展開するとは限らない。共通の関心事があればアイデアを出し合ってどういう共通項が有り得るかを互いに議論しながら一つの統一された申し入れの内容を作り出すことはほかのいろいろな場合でも有り得る。
(問)スー・チーさんに対する「ひどい扱い」の「ひどい」は英語ではどう表現しているのか、参考までに教えてほしい。
(報道官)「憂慮する」が一つのキーワードだが、これは「DEPLORE」。スー・チーさんに対する扱いの方は、ある地域に行こうとしたのを当局が止めたこと、またヤンゴンに連れ帰ったということ、その辺をひっくるめて「MISTREATMENT」と言っている。
(問)日中平和条約20周年になるが、日本政府としてこの20年をどう評価し、今後の発展をどう考えるか。
(報道官)昨年が日中関係正常化25周年で、今年が平和友好条約20周年ということである。この間に日中関係はいろいろな意味で発展した。2国間の戦争の一時期を経て不正常な関係が正常化され、平和友好条約を結び、日中関係を安定した基盤に置くべくこの20年間、両国の関係者がいろいろな努力をしてきた。その過程で中国の近代化の努力に対してもわが国として支援を行ってきた。その成果がいろいろな面で上がってきていると思う。同時に、近年に至り各種対話、協力が単に2国間の関係に限らず、アジア太平洋地域の問題、両国が共通の関心を有する問題についての協力、アジア太平洋経済協力会議(APEC)の場で日中両国が参加して協力の可能性を追求するとか、ASEAN地域フォーラム(ARF)の場では安全保障問題を話し合うことが行われてきた。アジア太平洋地域に限らず、より広く国際社会の関心事についても日中間の対話の幅が広がってきていると感じている。最近の核不拡散問題、軍備管理・軍縮問題でも日中がいろいろな場で話し合うようになっている。そういう意味で、昨年から今年にかけて、頻繁な要人の往来があった。今日発表したが、9月の6日から11日までは江沢民国家主席が国賓として来日する。20年来の日中関係の発展をベースに江沢民主席の訪日が21世紀に向けた協力関係の基礎を築く意義深いものにしたいと、目下鋭意中国政府との間で準備を行っているところである。
(問)外務省としては政府開発援助(ODA)予算の確保について基本方針はどのような考えで臨むのか。
(報道官)平成11年度の予算についてまだ概算要求基準が決まっていないので、外務省としての対処方針も最終的に固まっているわけではない。円安による経費増加、国際機関分担金等の義務的経費増、アジア経済危機を含む外交課題の対応などODA予算の増加要因が高まっていることは事実である。そこで、一層の効果的、効率的援助を実施すべくODAの改革を積極的に進める積もりである。同時に、日本が国際社会に果たすべき役割にかんがみれば、円安などによるODAの実質的な目減りが回避されるようにすることが必要であると考え、これを念頭に努力していきたいと考えている。
(問)外務省の最高幹部は金大中大統領の来日までに集中的に協議を進めていかざるを得ないだろうと述べている。次回の協議と今後の見通しは如何。
(報道官)まさにこの夏、金大中大統領訪日までに精力的な協議を続けていきたいと考えている。次回協議の日程はいま日程等を調整中である。わが省の首脳からも申し上げたかと思うが、8月にも非常に精力的な協議を続ける必要があることを念頭に、いま調整中である。具体的に何日とは言えないが、8月中も協議を継続していくことが必要ということは双方とも認識を持っているものと思う。
報道官会見要旨 (平成10年8月4日(火)17:04~ 於 会見室)(報道官)コンゴー民主共和国においては現地時間8月2日の夜から3日にかけて首都キンシャサにおいて銃撃戦が行われた模様であり、銃声や迫撃砲の音が聞こえたという状況があった。わが方は現地大使館とは随時連絡をとっており、現地時間4日午前8時半(日本時間午後4時半)の連絡では、現在キンシャサにおいて銃声は聞かれていないということである。
この銃撃戦は、現地ラジオ放送によれば、コンゴー民主共和国政府とバニャムレンゲ(ツチ系の住民でカビラ政権の成立にルワンダ軍都ともに貢献した旧ザイールの東部の人達)又はルワンダ兵との間で行われている可能性があるようである。
この間3日より同国政府は午後6時から朝の6時までの夜間外出禁止令を三日間出しており、現地のラジオ放送は、国民に外出しないよう呼びかけており、大使館員も自宅に待機して情勢の推移をみつつ必要な連絡を電話等でとっている。
以上のような状況を踏まえ、本日海外危険情報を発出することとした。これまでは南北キブ州に対し危険度3「渡航延期勧告」、その他の地域に対し危険度2「観光旅行延期勧告」であったものを本日付けで全土に対し危険度3「渡航延期勧告」とするものである。
コンゴー民主共和国に在留している邦人の数は30乃至35名とみられる。平成9年10月1日現在では、35名となっており、キンシャサに32名、ルムンバシに2名、ムブジマイに1名となっている。内訳は大使館館員及び家族が7名、宗教関係者23名、現地人と結婚している邦人女性の永住者及びその家族が5名である。現在大使館より、電話等で安否の確認に努めている。(報道官)イランが7月22日に中距離ミサイルの試射に成功したと報じられたが、我が国はイランに対する弾道ミサイルを含む大量破壊兵器に関する国際社会の懸念を共有しており、イランによる中距離ミサイルの開発・配備は、同地域の安定及び世界の安全保障にとって重大な影響を及ぼしかねないものと懸念している。また、シャハブ3号はノドン・ミサイルの派生型であるとの見方があるところ、今次イランのミサイル試射が北朝鮮のミサイル開発に与えうる可能性についても懸念を有している。
このような我が国の懸念を7月27日に阿部軍備管理科学審議官より、モッタキ在京イラン大使に対して表明し、また、8月3日には天江中近東アフリカ局長からも同様の懸念をモッタキ在京イラン大使に対して表明した。(問)イランへの申し入れに対する回答如何。また、北朝鮮との関係について言及はあったのか。
(報道官)モッタキ在京大使への2回にわたる申し入れに対しては、2回とも同じような反応であった。すなわち「日本側の申し入れは本国に伝達することを約束する」と言うとともに、このミサイルの開発は「イランにとって自衛のための手段であり、イランは国際社会による大量破壊兵器すなわち核兵器、生物兵器、化学兵器の禁止にはコミットしてきている」旨説明があった。
これら申し入れの際に、「北朝鮮との関連についても懸念を有している」と言っている。これについて、今回のミサイルについて北朝鮮との関係がどうであるかについての直接の反応はなかったが、かつてイラン・イラク戦争が続いているときに、「北朝鮮からイランに対して何らかの支援があったことはある」旨の言及はあったと承知している。いずれにせよ、わが国としてはイランによるミサイルの開発・配備の状況および北朝鮮その他の第3国とイランとのミサイル関連物資・技術の移転の動向について引き続き注視していく考えである。(問)イランは自力で開発していると本国では言っていると思うが、日本側の懸念表明に対しその点に言及しているか。
(報道官)イランが独自に軍事活動や軍事産業に関する知識を開発してきたとの発言や、特定の国から得ているとか依存していることではないといった発言があったことは承知している。一般論として、独自に軍事活動や軍事産業に関する知識を開発していると言うと同時に、イラン・イラク戦争中に北朝鮮からの支援があったということも言っていたということである。
(問)「イラン・イラク戦争時に北朝鮮からの支援があった」とはイラン大使の発言か。
(報道官)然り。
(問)今回の試射成功によりイランはこの地域で圧倒的なミサイル能力を持つことになったと認識しているのか。
(報道官)開発の努力をし、実際に試射をした、より技術的な言葉を使えば「飛行実験」を行ったということだ。実戦配備につながるまでにどのくらい時間がかかるかなどのことはあるが、こうしたことが続いていくということであれば、それはまさにあの地域の安定と世界の安全保障にとって重大な影響を及ぼしかねないと懸念するということである。このまま続いていけば、イランの能力がある意味で突出するということは言えると思う。
(問)イラクもスカッド・ミサイルを持っており、また、イスラエルもミサイル能力はあると言われているが、それでもイランが圧倒的なミサイル能力を有するに至ったと見ているのか。
(報道官)自分(報道官)は「イランが圧倒的なミサイル能力を有するに至った」とは申し上げていない。自分(報道官)は、イランが中距離ミサイルの開発・配備をずっと続けていくとすれば、イランの能力が今までに比べて突出してあの地域の安定及び世界の安全保障にとって重大な影響を及ぼしかねないものとして懸念していると申し上げている。
(問)イラン・イラク戦争の時に北朝鮮の支援を受けたというのは、今回の申し入れに対する回答の中で言ったことなのか。
(報道官)今回の先方の反応の中に入っている。
(報道官)高村外務大臣と唐家セン中国外交部長(外務大臣)との電話会談が本日午後4時半頃に急拠行われたところ、この会見終了後ブリーフを行うことと致したい。
(問)韓国の朴定洙外交通商部長官が辞任したと伝えられるが、金大中大統領の訪日や日韓漁業交渉に与える影響は如何。
(報道官)先ほど辞任の報道に接した。本4日、朴定洙外交通商部長官が辞任した。青瓦台(大統領官邸)が辞表を受理し、後任には洪淳瑛前駐独大使が任命された。洪氏は98年3月まで駐独大使を務め、現在まで待命大使であった。駐パキスタン大使、駐マレーシア大使、駐ロシア大使を歴任し、93年外務部次官に就任、95年に駐独大使に任命された。
朴定洙・前外交通商部長官は就任以来、日韓関係の発展のために精力的に尽力されてこられた。朴長官の今後の役割に私どもとして期待していただけに、突然の辞任を残念に思う次第である。今般の朴長官の辞任により、金大中大統領の下での韓国政府の対日政策が変わるとは思っていない。洪淳瑛新長官とともに今年の秋に予定されている金大中大統領の訪日の成功に向けて、我が国としても努力していきたい。(問)辞めた理由が韓国の対ロ関係にあるとの見方もあるがどの様に見ているか。
(報道官)在ロシア韓国大使館員追放事件の関係があるのではないかとの観測があることは承知している。
(問)大使館員追放事件の経過如何。
(報道官)発端は7月4日、ロシア政府が在ロシア韓国大使館のチョン・ソング参事官がスパイ行為を働いたとして追放を決定したことにある。韓国側はこれに対して対抗措置を取り、7月6日、在韓国ロシア大使館のアブラムキン参事官の退去を要求した。その後7月20日に、韓国外交通商部はプレス発表で、ロシア政府から国外退去を要求されたチョン参事官とアブラムキン参事官の両名の出国で、両国の外交当局間の公式措置は終了したと発表した。同じく7月20日にロシア政府が韓国政府に対して、駐モスクワ韓国大使館所属の2人の外交官と、駐ウラジオストク韓国総領事館の3人を密かに撤収させるよう要請したとの報道が流れた。7月31日に韓国の報道で、アブラムキン参事官の一時再入国を韓国側が認めたことを批判、その際、韓国外交通商部は7月28日に行われた韓ロ外務大臣協議において、韓国側はロシア側が要請してきたアブラムキン参事官の再入国問題に関して、同人が「ペルソナ・ノン・グラータであることには変わりがないとの前提の下で、家財の整理等人道的理由による短期間の再入国を一定の条件下で容認することを検討できる」とした。これに対してロシア側は、在ロシア韓国側諜報担当職員数を増加すべく調整する問題を好意的に検討することとなった。これに対して韓国国内で論議が起こったと承知している。
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