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報道官会見要旨 (平成9年10月24日(金)17:00~ 於 会見室)(報道官)23日、アルジェリアにおいて地方議会選挙が行われた。これは同国の上院にあたる国民評議会の設立につながっていくものであり、アルジェリア政府の進めている政治改革プロセスの重要なステップと認識している。
我が国はアルジェリアにおいて長年にわたり暴力とテロの頻発により多くの人々が犠牲となっていること、特に最近数ヶ月このように残忍な事件が多く報じられていることを深く憂慮する。我が国はアルジェリア政府の進める政治改革プロセス等を通じ同国の治安情勢が回復されるよう希望している。地球温暖化防止
(問)ボン事前会合前に、ようやく米国数値目標案が出たが、EUの反発を受けており、あおりで日本もけしからんとか批判も聞かれる状況になっている。京都会議で議定書がまとまるかという状況になっているが、今後の日本の対応振り如何。
(報道官)この一両日中のメディアにおける我が国政府提案に対する評価は、なかなか厳しいものがある。我が方提案は「つじつま合わせだ」、「危機感がなさすぎる」、「求心力を欠く」、「リーダーシップを欠く」、「調整役だけに終始している」等の報道がなされている。これらは必ずしも日本提案の内容を理解したものではないように感じられる。
二酸化炭素排出量の削減目標に関し、15%以上を目指すべきであるとか、0%は消極的すぎるなど、1990年を基準とした数値目標の大小にのみ関心が集中している。こうした議論は必ずしも各国が負わなければならない責任と痛みを反映したものではなく、公平な議論とは言い難い。京都会議を成功に導くためには具体的に各国がどの程度の「痛み」を自らに課す決意があるかが重要である。削減目標がある特定の国にとり「過大な」ものであれば、その国は(目標が)非現実的であり合意形成に参加出来ないと判断するであろうし、逆に「過小」なものであれば、その国の真摯な削減努力を引き出すことが難しくなる。各国が経験する「痛み」には、あまり大きな差があるべきではない。この観点から、日本提案は正に意味のある良いものであるということが言える。こうした点を国の内外の方々に理解してほしい。
若干数字をもって説明したい。各国が2010年までに何らの措置も取らなかった場合の二酸化炭素排出量の予想増加率(これは1990年と比較しての予想増加率だが、)は、我が国を含め主要国につき数字が出ている。また、各国が現在までにコミットしている2010年までの温室効果ガス削減率も(まだコミットしていない国もあるが)出ている。この2つの数字を足した数値が各国の努力により達成されなければならない温室効果ガス削減量であり、先程申し上げた「痛み」を反映するものである。
我が国と若干の国を比較する。計算の方法はみな同じである。
例えば、日本について排出量の予想増加は20.3%、コミットメントは 2.5%、足して22.8%となる。同様に米国23.4%、独22.0%、英国11.5%、アイルランド17.7%、オーストリア32.4%、オランダ38.3%、スウェーデン6.6%となる。
従って、我が国提案は、「単なるつじつま合わせ」、「求心力を欠いている」、「リーダーシップに欠いている」等といったものではない。我々としては我が方提案についてボン事前会合を通じ、出来るだけメディア、NGOも含め、関係各国の理解を得て、我が国の考え方が京都会議をまとめていく上で十分な根拠を持つものであることを更に訴えていきたい。(問)我が国提案が公平であるとの説明は分かるが、米国とEUの間には非常に乖離がある。議定書が果してまとまっていくのか。
(報道官)我が国は京都会議の議長国であり、現在行われているベルリン・マンデート会議と共に、京都会議の成功のため最大限の努力を引き出す所存である。そのためにも我々として各国の提案内容につき深く理解するよう努力するとともに、関係各国に我が方提案についても理解してもらうよう求める努力をすることが、結果として会議の成功に結びつくと考える。様々な機会に当省も含め関係省庁が説明していることだが、我が方はいろいろ積み重ねによって削減率を算出しているわけだが、例えばEUの15%削減目標は積み上げではどうしてもそのようにならない。この目標がどのような根拠に基づいているものか、話を十分に聞いていかなければいけない。そうした努力を通じ、我が方提案が真剣になされたものであるということを訴えていきたい。
対北朝鮮食糧支援
(問)北朝鮮潜水艦に支援食糧の缶詰が見つかり、軍事流用ではないかとされた件につき、その後事実関係は判明したか。
(報道官)調査したところ、昨年秋に韓国東海岸に侵入した北朝鮮潜水艦内部から、米国のNGOにより北朝鮮に支援されたと見られる缶詰のラベルが発見されたことが判明した。米国政府からの支援物資ではなかったということである。米国政府としては、WFPを通じて支援及びモニタリングを行っているが、その食糧の一部が軍事用に流用されているという証拠はないという発表している。我が国としても、その発表が正しいものと理解している。
報道官会見要旨 (平成9年10月21日(火)17:00~ 於 会見室)(報道官)10月28、29日の両日にわたって、第3回アジア・太平洋ジャーナリスト会議が開催される。右詳細は、先刻発表した記事資料の通りである。
安全保障問題に造詣の深い各国の著名ジャーナリストにより、アジア・太平洋における安全保障について広範な議論が行われることが期待されており、日本政府としてもこれを歓迎する。
新たな日米防衛協力の指針については、日本政府として内外に透明性を確保するよう努力しているところであり、今回の第3回アジア・太平洋ジャーナリスト会議に参加いただくジャーナリストの方々にもその日米防衛協力の指針の内容について事前に説明しているところである。また、ASEANから見た中国と日本やASEAN地域フォーラム(ARF)の現状などについても、当然議論が深まるものと期待している。このような議論が長期的なアジア太平洋の平和にも貢献する重要なものとなると考えている。
なお、この会議は公開されるものであるので、関係者の方々の広い参加を期待する。ハリーリ・レバノン首相の訪日
(報道官)既に御承知のように、同首相は11月3日から6日まで公式実務訪問賓客として訪日される。日本政府としては心から同首相の訪日を歓迎する。
我が方は1994年に大使館をベイルートに於いて再開している。レバノンは内戦終了後、復興計画を着実に進めており、我が国はこの機会に経済協力等を通じてその復興を支援する方向を再確認する方針である。なお、この復興というものが順調に進めば、レバノンは再び中東の経済センターとして復活する可能性があると我々は考えている。
また、レバノンは中東和平プロセスの当事国であり、我が国としては中東和平当事者首脳との協議の一環としてこの度の訪日を重視している。特にレバノン南部におけるイスラエルとヒズボラ等との軍事衝突が継続している状況もあり、この地域の平和と安定の実現の方途について意見交換を行うことは極めて重要であると考えている。(問)レバノンにおいては連合赤軍日本人メンバーが未だ収監中であると承知するところ、その後日本への引き渡し交渉等についてどのような状況になっているのか。
(報道官)今年7月、レバノン裁判所において拘束されている赤軍メンバーに対し、禁固3年、刑期終了後国外追放との判決が言い渡されている。その後、被告、検察側双方が最高裁への上訴を行っており、間もなく最高裁においてこの上訴を受理するか否かについての審議が開始される見込みと承知している。我が国はレバノンでの司法手続きが終了次第、できるだけ速やかに身柄の引き渡しが行われるよう要請している。ハリーリ首相の訪日においても、この点について改めて先方の理解を求めることになると思われる。
COP3
(問)我が国の数値目標に対しては、各国より種々の反応が出ているようであり、数値目標を示したことを評価する反面、まだまだ低すぎるという声も出ているようであるが、この数値目標に対する各国の反応及び途上国への対応(途上国に削減義務を課すか課さないかということで、我が国と米国は立場が違っていたと思われるが)についての我が国の方針に対する各国の反応如何。
(報道官)各国の評価については、明日から始まるベルリン・マンデート会合において色々出てくると思われる。今まで先進国との間では非公式の会合を積み重ねてきた次第であるが、途上国が京都会議においてどのような主張をしていかということについては、今度のベルリン・マンデートの会議において相当明らかになると思われる。
途上国への対応については、我が国の中では必ずしもまだ十分に報道されていないように思われるが、、今までのところ、具体的な内容は別として基本的な立場という点からすると、我が国とEUはかなり立場が似ており、我が国と米国との間及びEUと米国との間の立場には違いが存在している。基本的には我が国としては、この途上国問題については現行条約上の義務の具体化・明確化について、途上国の合意を得るよう今後の交渉において求めていく所存であるが、ベルリン・マンデートに従って、新たな義務を求める考えは有していない。他方、今後の排出量の増加見通しを踏まえ、排出削減努力への途上国の将来の参加を促していくとともに、途上国の温暖化への取り組みに対しても、援助等を通じて側面的支援を行っていく所存である。
現行条約上の義務の具体化・明確化の内容及び途上国をどのような形で将来参加させていくか、支援措置の中身をどのような形にするか等については、関係省庁間で話し合いを行っている途中である。明日から始まる会議において、我が国の考え方をまとめ、それを説明することによってできるだけ途上国からもこの京都会議に積極的に参加していただくよう我々としても最大限の努力をしていく考えである。対人地雷禁止条約
(問)今朝の大臣会見において、対人地雷禁止条約については署名の方向で大筋が固まったとの報告が行われ、また、米国との間の調整を早急に行いたい、地雷専門家を中心に行いたいと話していたが、右はどのようなメンバーでまたいつ頃から開始されるのかといった方向性は示されているのか。
(報道官)我が国と米国との間では頻繁に情報交換・意見交換が行われている。本件については、我が国が条約署名に向けて国内での調整に入ったということで、日米間の問題についても調整をしていくことになっているが、具体的に外交ルートを通じた通常の意見交換以外に新たな場を設ける必要があるかどうかについては、今後検討されることになると思われる。
これまで本条約については、先般のオスロ会議への参加等を通じて、既に日米の間で頻繁に意見交換が行われきている次第である。北朝鮮における日本人配偶者の一時帰国問題
(問)北朝鮮からの日本人配偶者の里帰りの具体的な日取りがなかなか出てこないようである。一方、北朝鮮側からは与党訪朝団に対する招請状が出たようであるが、この与党訪朝団との関係で北朝鮮からの日本人配偶者一時帰国が延期されるという可能性があるのではないか。
(報道官)北朝鮮側からリストが示されたのが今月の9日である。今関係省庁との間でこの名簿の確定のために鋭意努力をしているところである。何れにせよ以前より申し上げている通り、これにはプライバシー保護という観点から、慎重にも慎重を期 していかなければならない点がある。
また、日本政府としては一時帰国を望む全ての日本人配偶者に帰国していただきたいと考えているので、特に第一回の帰国ということについては、慎重に準備を進めていく必要がある。関係者は真摯にこの問題に取り組んでおり、その他の問題によって影響されるということはない。事務的に可能な限りの早さでもってこの事務に取り組んでおり、日本側の確定作業が終了次第、北朝鮮側に右を示し、北朝鮮側との合意に従って発表していくということになる。まだ具体的に何時の段階でこういったことになるか、自分(報道官)から話ができる状況には至っていない。(問)今日本側の確定作業が終了次第という発言が行われたが、本件については玉は日本側にあるということか。
(報道官)然り。
(問)全ての日本人に一時帰国をしていただきたいということであるが、戦前から北朝鮮に在住している日本人についても(希望すれば)帰国することが可能なのか。
(報道官)具体的な中身についての御指摘については、現段階では回答できない状況は理解いただけると思う。何れにせよ人道的な観点からこの問題に対処しているということである。
報道官会見要旨 (平成9年10月17日(金)17:00~ 於 会見室)(報道官)スリランカ情勢について、本日付で外務報道官談話を発出することになった。10月15日にスリランカのコロンボ市で発生した爆弾事件は、一般市民を巻き添えとする無差別テロ事件である。わが国としては、あらゆる形態のテロリズムを非難する。わが国として、犠牲者及びその親族の方々に対し、深い哀悼の意を表明するとともに、多数の負傷者の方々に心からお見舞い申し上げたい。このような不幸な事件が再発することのないよう強く希望するとともに、スリランカ政府及び国民が今回の不幸を乗り越え、国民の悲願である永続的平和の実現に向けて、引き続き努力されることを心より念願する。
(報道官)政府は、事故発生直後の16日に在シンガポール大使館を通じてシンガポール政府に対し、わが国の緊急援助体制について説明を行った。これに対し17日午前、シンガポール政府からわが国に対して、公式に援助要請が行われた。シンガポール側はこの事故の発生以来、37隻の船舶を投入して油の除去を行うとともに、シンガポール川の河口及びセントーサ島の海岸にはオイル・フェンスを張っている。しかし流出量が極めて多く、油回収のための機材が不足しているなどの理由によって、防除作業は困難を極めているとのことである。シンガポール側からの援助要請に基づき、わが国関係官庁とも連絡をとりつつ、至急いかなる援助が可能か検討を行っているところである。
(問)「どういうことができるかを検討している」と言ったが、例えばオイル・フェンスの敷設とか吸着剤での処理などが考えられるが、ある程度具体的に何をするかは(決定されて)ないのか。
(報道官)湾岸戦争の後にわが国は、オイル・フェンスを先方に持っていったり、専門家を派遣したりして油の除去活動に積極的に参加してきたことは皆さんもご記憶のとおりである。そういった経験を踏まえ、また今回の事故は「ナホトカ号」の事故の4、5倍に当たる大規模な事故なので、休日を返上し、いかなることが可能か、鋭意検討して、できることを至急やっていきたい。ただ、今の時点においていかなる協力ができるかについて、確定的なことは言えない。いずれにせよ大至急検討をし、迅速に措置をとっていきたい。
(問)事故発生後、援助の公式要請がくる前に、日本政府としてはシンガポール政府と何か話をしていなかったのか。政府部内で(シンガポール政府が)申し入れたらどうするかを検討しておくべきではなかったのか。
(報道官)わが国には国際緊急援助隊法というものがあり、それに基づき、先方の政府からの要請がないと援助ができない。冒頭に説明したが、15日夜に発生したこの事故を知って、われわれは発生直後の16日にわが方の大使館を通じて先方の政府に対して、この緊急援助隊法に基づいていろいろ協力ができるという話をし、先方がその説明に基づいてわが方に対して援助要請を行ってきた。既にその時から、わが方の部内でどういうことができるかということは、検討は進めていた。正式に公式の援助要請が行われ、ともかく早く措置をとるということで今、鋭意作業中である。
(問)先方に説明する時に、わが方としては援助隊法によってできることはこういうことです、といういくつかの選択肢を出して、向こうから公式の要請がきたらすぐにそれに応ずるような、そういう準備はしなかったのか。シンガポール側からどういうものが欲しいかということは、具体的に聞いていなかったのか。
(報道官)我々として湾岸の際の経験を踏まえ、ある程度できることを予め説明の上、同時に要請がくること仮定し、いろいろ部内で検討を始めていた。
(問)具体策の検討は今日、明日中にはできるのか。
(報道官)今日というわけにもなかなかいかないと思うが、休日を返上してやるということである。
(問)例えば機材を運搬する際にチャーター便を検討中という段階なのか。
(報道官)具体的には海上保安庁がいろいろノウハウを持っている。いろいろなものを持っていくとすれば、そちらの方の対応状況も踏まえなければならない。今の段階で具体的に説明できるところには至っていない。
(問)繰り返しになるが、地震の時とか対応の遅れが出たり、慎重すぎて「そんなことより早く」ということからいうと、今度の場合は時間的にはロスはしていないのか。
(報道官)然り。ただ押しつけの援助というわけにもいかない。阪神・淡路大震災の時もそうだが、被害を受けた方々からの要望を踏まえて、なおかつ迅速にやっていきたいということである。今のところ政府の対応ぶりが遅かったというような感じは自分自身は持っていない。
(報道官)国際捕鯨委員会年次会議の開催について説明する。第49回国際捕鯨委 員会年次会議が10月20日から24日まで、モナコにおいて開催される。わが国としては、主要な問題について、以下の立場で対処する予定である。
第1に、従来から主張しているとおり、科学的根拠に基づく鯨類の保存及び持続的利用の原則に基づき対処する。
第2は、捕獲調査の科学的重要性に対し、引き続き理解を求める。
第3は、沿岸捕鯨再開の可能性を認めつつも、公海上での捕獲を禁止するといったような提案がアイルランドからなされるようであるが、わが国はこのアイルランド提案には反対する意向である。
第4にいろいろな決定に際しての無記名の投票の採用ということをわが方は、今回初めて、求めていく考えである。
なお、この国際捕鯨委員会においては、いまだ大勢は反捕鯨であり、依然としてわが国にとって厳しい情勢が続いている。他方、科学的根拠に基づいて、鯨類は海洋生物資源として持続的な利用が可能であるという、わが国の一貫した主張に理解を示す国も増えてきていると認識している。そういった中で、わが国としての基本的な立場を主張していく考えである。(問)アイルランドだけでなく、英国も日本が要求していた沿岸捕鯨を認める意向を示しているようだが、一方で捕鯨再開につながる調査捕鯨には反対するということか。
(報道官) 英は、公海上での捕獲は禁止するが、ごく一部沿岸捕鯨再開の可能性を認めるアイルランド案を支持していくということのようである。今までのように捕鯨にすべて反対をするという立場からすると、若干の進歩であるが、いずれにせよ、公海上の捕獲禁止といったようなことがアイルランド提案の中に含まれているし、またその点については英も同じような考え方のようであるので、わが方としては反対せざるを得ない、ただ先程申し上げた中で、できるだけ各国が本当の気持ちを出して決定をしていくという形で、無記名投票をしていくことがわれわれは重要だと思っている。なお、6月に開かれたワシントン条約第10回締約国会合につき、採択の運びにはならなかったが、いくつかの捕鯨関係の提案に際し、50前後の国が賛意を表明したことを見ると、若干なりといえども科学的な形でこの問題を見直していこうという動きが出てきたことには留意していきたいと思う。ただ、全体としてはわが国にとって依然として状況は厳しいものと認識している。
(報道官)10月22日から24日まで、プローディ・イタリア共和国首相が来日する 。サミット等、国際会議の参加に際して来日したことを除いて、イタリアの首相が日本を訪問するのは89年のデミータ首相以来のことである。
また、10月23、24日の2日間にわたり、キンケル・ドイツ副首相兼外務大臣が来 日する。これは同大臣にとって4回目の訪日になる。その際、日独外相定期協議を行うことになっている。(問)沖縄で吉元副知事の再任が県議会で否決されたが、これは今後の基地問題などにどんな影響を及ぼすと考えるか。
(報道官)外務省としての正式の立場を表明するだけの資料を手元に持っていないが、いずれにせよ、これまで沖縄で起こった事件の処理、基地の縮小等についてのいろいろな話し合い、普天間基地の移転の問題等の話し合いにおいて外務省は大臣以下、沖縄の関係者の吉元副知事を含めて、いろいろと話し合ってきた次第である。一方、外務省としては原島大使が現地において、沖縄県との間でも意思の疎通を図るように努力しているところである。今回のこと自体は、沖縄県で決められたということであり、われわれとしてそれに対してコメントするというのも如何なものかとも思うが、いずれにせよ、これまで同副知事が果たしてこられたいろいろな建設的な役割を評価するとともに、今後とも外務省としては、沖縄県との間の意思の疎通に従来以上に意を用いていきたいと考える、というのが基本的な考え方と私(報道官)は理解している。
(問)韓国が、北朝鮮の潜水艦の中に援助である食料とみられる缶詰があったと発表している。これは北朝鮮が民生用に送られた缶詰を軍用に転用している証拠なのか、またこれが明らかになったことで、わが国が決定している食糧援助に何らかの影響があるのか。
(報道官)そういった報道が行われていることは承知しており、果して軍への流用があったかどうかについては、今、事実関係を照会中である。従って、その事実関係が判明した段階で考えていくことになろう。
フィリピンの通貨危機対応
(問)先日、フィリピンが日本と香港と米を名指しでペソの防衛策について協力を求めていたようだが、そういう事実はあったのか。
(報道官)フィリピンについてのこの報道によると、フィリピン政府は日米、香港に個別にその支援要請をしたということになっているが、確認したところ、フィリピン政府からわが国政府に対して金融支援要請があったという事実は無い。従って、この報道は間違いと思う。
報道官会見要旨 (平成9年10月14日(火)17:00~ 於 会見室)(大臣)ソー・ケン・カンボディア副首相兼内務大臣は、10月16日高村政務次官と昼食をまじえつつ会談を行うと共に、小渕外務大臣、上杉自治大臣と会う予定である。また、17日には関口警察庁長官と会う予定になっている。 政府としては、こうした機会を通じ、来年5月に総選挙実施について、大略次の我が方のメッセージを伝えるとともにカンボディア政府の取り組み方を質していきたいと考えている。
第一は、来年5月の総選挙について国際社会がこれに協力するとのコンセンサスを作っていくよう、カンボディア政府が更に努力していく必要があるということである。このためには、カンボディア政府が人民等党反対するカンボディア政治家の安全な帰国と選挙活動への自由な参加を保証する必要がある。同時に現在国会で審議されている選挙法案の中に、それらが、実質的に反映される必要がある。例えば、政府としては、被選挙者として具体的に如何なる条件が課せられるのかについて大きな関心がある。
第二に実際に選挙が実施の運びとなる場合、国際社会が具体的に如何なる協力を行っていくか、またカンボディア政府として公正で自由な選挙実施について具体的に如何なる措置をとっていくかについて、今後話を詰めていく必要がある。政府としては所用の協力を行う予定ではあるが、国連が選挙実施にどこまで関与していくか、有権者登録をどのように実施していくか、全政党のメディアへのアクセスをどのように保証していくか等々に大きな関心がある。
政府は、海外に逃亡した政治家の安全な帰国及び関係当事者間の和解を目指して行っているASEANの努力を高く評価すると共に、今後ともASEAN、米、その他関係諸国と緊密な協力を維持していきたいと考えている。(問)ラナリット殿下及びフン・セン第二首相の来日については、まだ固まっていないと聞いているが、その後、新たな申し入れ等は届いているのでしょうか。
(報道官)先方からの訪日希望については承知している。フン・セン第二首相については、具体的な日程について調整中である。ラナリット殿下についても来日希望が寄せられている。まだ具体的な日程等について調整を行うまでには至っていない。
(問)確認だが、フン・セン第二首相については具体的な日程等について調整中、ラナリット殿下についてはまだそこまでに至っていない、ということか。
(報道官)然り。
(問)昨日の次官の会見の際に、次官は、韓国の国防白書の中に竹島の写真が取り上げられ、韓国領土である旨の記述がされている件につき、わが国の立場は変わらないが対応を検討したい旨述べたが、その後、何からの行動をとるといった決断をしたのか。
(報道官)昨13日夕刻、外務本省から在京韓国大使館に対して、竹島の問題についてのわが方の立場を説明するとともに、国防白書の件について遺憾の意を表明した。その際、韓国側は竹島についての先方の立場を繰り返すとともに、日本の申し入れについては本国に伝達する旨述べたという経緯がある。
(問)申し入れのレベルはどのレベルか。
(報道官)これは課長レベルから書記官レベルに対して行われた。
(問)北朝鮮からの日本人配偶者の一時帰国について、新たな進展、情報等はあるか。
(報道官)ご案内のように、日本側は北朝鮮側からリストを受け取り、事実確認等の確認作業を鋭意行っている。現時点において、具体的にこの確認作業、訪日受け入れ準備の完成にどれほどの時間が必要か、答え得る状態になっていないが、何れにせよ故郷訪問が速やかに実現するよう、出来る限りの努力を行っている。
(問)今日、国会で、法務省入管局長は、帰ってくる人たちの国籍問題について、扱いが変わるような答弁をしていたが、外務省としても出国の時に外人登録も含めて本邦に置いて行ったことにつき、そこで国籍は離脱したという解釈をとっているのか。
(報道官)質問の件について答える材料を持っていない。
(問)近く青木大使がアフリカ問題処理担当としてアフリカ各国を歴訪すると承知しているが、コンゴ共和国では、なお混乱が続いており、アンゴラ軍がコンゴ共和国に介入する動きがあるようである。わが国としてこの事態をどうとらえているのか。また、青木大使が訪問した際に如何なる対応をするのか。
(報道官)コンゴ共和国とコンゴ民主共和国との間、またコンゴ共和国とアンゴラとの間で武力衝突が続いている模様である。事態については、我々も鋭意情報を収集するように努力しているが、情報自体が錯綜しており、なかなか真相がつかめない。他方、停戦合意が署名されたというようなステートメントも発表されているようであり、引き続きわれわれは情報収集に努めていく。同時に、政府は、これまでガボンの大統領、サハヌーンOAU国連共同大湖地域特別代表などによる調停活動を全面的に支持してきており、このような停戦合意が実現することを期待する。なお、青木特命事項担当大使については、10月20日から11月6日までルワンダ、タンザニア、ケニア、コンゴ民主共和国を訪問する。またその途中で米、仏、白を訪問する予定になっている。青木大使は主として大湖地域の紛争に関し、わが国の立場を説明して関係国指導者と協議を行う。なお、質問のコンゴ共和国のことについては、青木大使が今後民主共和国政府の指導者と会う機会に情報交換、意見交換をしていくことを考えている。
(問)日米港湾協議につき、課徴金の支払い期限は米側が一方的に定めた15日で、その額は1隻当たり10万ドルを支払うということであると承知している。米国時間でいえばあと2日ほど余裕があるのかも知れないが、現状はどうなっているのか。課徴金はこのままでは要求されることになると思うが。
(報道官)時間が迫ってきていることは事実である。我々の理解するところでは、ワシントン時間の15日のオフィス・アワーに9月分の支払いを行うことが要求されており、ぎりぎりまで妥結のための努力をしていく所存である。日本側としても、これまでいろいろな努力を重ねてきたが、依然として双方の立場の隔たりは大きく、協議の行方は予断を許さない状況にある。米側においても担当部局によって意見が異なっているようであり、果してこの迫った期限までにまとまるかどうか予断は許さない。米側はこれまで日本が果たしてきた努力をもう少し正当に評価して、この期限までに話し合いを通じて解決するという姿勢を示して欲しいと考える。
(問)最悪の場合、このまま15日を迎えた場合に、米側としては何らかの強制措置をとるような姿勢を示しているのか。
(報道官)今我々に求められているのは、9月分の支払いということで、日本の3社に対して4億円から5億円程度の額の課徴金がかかるということである。これはわれわれとしては納得できないことである。他方、米側の指摘している諸般の問題については、日本としてもできるだけ対応していこうということで、正に今運輸省から海上交通局長が行って話し合いに臨んでいるわけである。時間は限られてきており、何とかして米側も交渉妥結に向けて前向きの対応をしていってもらいたいものと考える。
(問)今言われた4億から5億円というのは、1社当たりの額か。
(報道官)3社で合計4億から5億円弱ということである。
報道官会見要旨 (平成9年10月7日(火)17:00~ 於 会見室)(報道官)アフリカ地域の紛争問題は、依然として深刻な状況にある。アフリカの開発を推進するためには、このような紛争を解決し政治的安定を実現することが必要である。そのためには、アフリカ諸国自身の努力に加えて、国際社会が適切な関与、支援を行っていくことが重要である。
我が国としても、このような観点より、従来から、関係国・機関とも協力して、アフリカの安定と発展の実現のために貢献するよう努力してきている。
我が国政府が先般、青木前ペルー大使をアフリカ紛争担当大使に任命したことはご案内の通りである。今月下旬から同大使は、アフリカ紛争問題関係各国を歴訪し、関係者との接触・意見交換等を行う予定である。具体的日程、訪問国などの詳細については調整中であるが、検討しているアフリカ諸国は、エティオピア、タンザニア、ケニア、コンゴー民主共和国(旧ザイール)であり、大湖地域情勢を中心にOAUや関係当事国と意見交換を行う予定である。またその前後に欧米のいくつかの主要国及び国連の関係者とも意見交換を行うことを検討している。(問)青木大使は、どこかの国の日本大使館を拠点とするのか。
(報道官)青木大使は、本省をベースに必要に応じて関係各国を歴訪するという形 で仕事をすることとなっている。
(報道官)わが国としては、カビラ政権が民主化に真剣に取り組むこと、国家運営の改善、人権の尊重及び残留難民に対する人道上の適切な対応をとることが重要との立場である。これを新政府に累次連絡してきており、9月20日高野大使も着任し、更に我々として働きかけを強めていく所存である。
民主化されたコンゴーの復興は中部アフリカ地域の安定のために極めて重要である。国際社会と協調しつつ我が国としても新政権の政策の実施振りを見極めながら適切な支援を行っていく考えである。このような観点から我が国はカビラ政権の国連事務総長人権調査団への対応振りとキサンガニからキガリへの難民強制送還に重大な懸念を有している。同政権が適切な対応をとるよう強く働きかけていくことが重要と考えている。なお、今般この調査団の中心メンバーが呼び戻される事態に至ったことを政府として強く憂慮しており、コンゴー民主共和国政府がこの国連事務総長人権調査団に完全な協力を行うよう国際社会が強く働きかけを行うことが重要と考えている。(報道官)本邦のある報道機関は、日本の対ケニアODAはモイ政権のみに与えられ、民間の非政府組織(NGO)には届かない、経済インフラ整備を主体とする援助が本来の目的である経済発展につながっておらず、ケニアの経済が後退しているといったことを報じているが、この点について説明申し上げる。
我が国は、政府間で直接に実施している経済協力以外にNGOや地方公共団体が実施するプロジェクトに対し、草の根無償援助協力を実施している。ケニアについては、96年度、ケニアNGOや我が国NGO、国際NGOを通じて、教育、保健・医療、給水計画などに対し、10団体、約4,400万円の支援を実施しており、今後ともこのようなNGOを通じた支援を積極的に実施していく方針である。従って、民間のNGOを全く相手にしていないといった指摘は誤りである。
次に、我が国の対ケニアODAは、人材育成、保健・医療、農業開発、環境保全、経済インフラを重点分野としている。経済インフラ整備のための援助は主として円借款によるので額は大きくなるが、これは毎年供与しているわけではない。無償資金協力とか技術協力をとってみれば、社会開発分野の援助が圧倒的に多くなる。具体的には、ポリオ撲滅計画、人口教育促進計画等の保健・医療分野の援助、理科教育大学機材整備計画や青年海外協力隊派遣による中等教育分野に対する援助、食糧増産援助等多岐にわたって社会開発分野の援助を実施している。毎年円借款を供与しているわけではないが、96年度円借款を行った数字を入れてみた場合、我が国のケニアに対する2国間ODAの総額からみても社会開発分野が3割程度を占めている。
ここ数年のケニア経済というものはそれほど悪くはなく、「逆に悪化した」という報道については、事実において誤りがある。即ち経済成長率をとってみると、ケニアは94年以前の数年間GDP成長率3%以下であり、またその間の人口増加率が3%強ということで、実質マイナス成長を記録してきた。ところが、95年に入りGDPの成長率が4.8%、96年4.6%とこの2、3年良好となっていることがその裏付けである。(問)ケニアのモイ政権に対する政府の見方如何。
(報道官)モイ政権は選挙によって選ばれた大統領ではあるが、大統領の権限があまりにも強く、野党との間で対立が起きている。我が国は2国間ODAという意味では最大の援助国であり、ODA大綱に則って経済協力を同国に対し実施している。その観点からも民主化の促進ということについては、堀内大使を通じて機会ある毎に働きかけてきた次第である。我が国の努力、その他の2国間及び国際機関の努力と相まって最近では与野党間の話し合いというものも持たれるようになり、大統領の権限を縮小するという方向で今後話し合っていくということにもなってきている。このように事態の進展が見られる。我が国としては、ケニアの民主化ということにつき引き続き働きかけを行っていく所存である。
(問)カンボディアに対する我が国援助が同国政府によって軍事的に使われていると外国にいるカンボディアの関係者が言っている由だか、そう思うか。
(報道官)我が国の対カンボディア経済協力がカンボディア政府によって、軍事的目的のために使われるということはない。これは、全くの誤解である。
我が国の対カンボディア援助の姿勢については、何度となく説明している。いずれにせよ来年5月の自由で公正な選挙の実施ということが重要であり、そのためにも国際社会において広く受け入れられる体制というものが今後出来ていくことが必要である。徐々にではあるが、フンセン第2首相もそういった方向で努力しいる。ASEAN側が深く関与し、カンボディアと一緒になってこうした目的のために、良かれということで色々イニシアティブをとって動いている。我が国としては、引き続きASEANのイニシアティブを支持していくと共にカンボディア政府との間でも意志の疎通、意見交換というものを行っていく考えである。(問)EUはミャンマーに対し、ミャンマー高官に対するビザ発給の禁止期間を半年間とするなどの措置を執っているが、このEUの決定をどう考えるか。
(報道官)EUも我が国もミャンマーの民主化促進を求める、特にNLD側とSLORC側と直接対話を求めるという意味では、同じ目標、同じ政策をとっている。ただそれに至るプロセスにおいては、EUにおけるやり方と日本におけるやり方とは違うところがある。EUとしては、EUのやり方があると思うが、我々としては、先般NLD党大会というものが無事に開かれたということ、これはSLORC側が従来に増して寛容の精神を発揮している一つの具体的現れとして一定の評価をしている。NLD側とSLORC側の直接対話のあり方については、それぞれの側において異なった解釈があるが、そのような違いを乗り越えて両者の間の直接対話が進んでいくよう、また双方ともに忍耐と寛容の精神を持ってあたってもらうよう、我々としては引き続き努力を積み重ねていく所存である。
報道官会見要旨 (平成9年10月3日(金)16:30~ 於 会見室)(報道官))10月1日、米国の下院国際関係委員会アフリカ小委員会において、ケニア情勢に関する合同決議案が採択された。日本の一部報道機関で、この内容と若干異なることを記事にした報道が出ているので、それについて説明する。
その報道は、「下院国際関係委員会は1日、ケニア情勢に関する決議案を可決し、本会議に送った」と報じているが、これは事実に反している。
これはあくまでも国際関係委員会アフリカ小委員会の決議であり、今後は同委員会において審議されることになる。
また、その報道の中で、「米国はじめ各国にケニアのモイ政権への民主化促進のため、援助停止等の圧力をかけることを求める決議案を可決した」とあるが、下院国際関係委員会、小委員会の採択した合同決議案の中にはそのような援助停止の文言は見られない。わが国をはじめ対ケニア援助国は、ケニアが民主化努力を継続するよう、援助に関する政策協議等の機会をとらえ、再三にわたり働きかけを行ってきている。こうした働きかけを通じ、今年の7月に入り与野党間の対話の再開の動きが見られるようになり、また、9月11日には与野党間で大統領の権限縮小を含めた憲法の見直しなどについて合意が達成するなど、現在では一時先鋭化していた与野党間の対立も沈静化の方向に向かいつつある。
日本は、ケニアに対する最大の援助国であり、政府としては、ODA大綱を踏まえ今後ともケニア側に対し、さらなる民主化を促していく考えである。(問)コンゴのカビラ議長が、国連の虐殺問題調査委員会を排除する動きをみせていることに米国が神経をとがらせているようだが、右事実関係及び我が国の立場如何。
(報道官))現在、質問に答える材料を持っていない。
(問)北朝鮮在住の日本人配偶者の故郷訪問について、訪問者リストは届いていないとの政府側の話であるが、他方、既に届いているとの一部報道があるが、事実関係如何。
(報道官))我が方が北朝鮮側から名簿の提示を受けたということはなく、この名簿を基に日本の親族、知人等に面会の意向調査を進めているという事実もない。
これまで、第1回故郷訪問の日本人配偶者の名簿については、公表される前の段階で作業の状況について答えることにより、関係者のプライバシーに影響があり得ることを考慮して、我が方としてこうした質問に関しては、明確な答を差し控えてきた。しかし、このところ憶測、誤解による報道が行われており、今後とも本件についてノー・コメントといった答を続けると、逆に関係者に心配をかけることにもなりかねない。そういったことは本意ではない。従って、この場で北朝鮮側から名簿の提示を受けていないことを明確に答える次第である。(問)当初は9月中にも第1回の訪問が行われるとの話が、まだ見通しがつかない状況にあるが、北朝鮮側に催促する等の動きはないのか。
(報道官))先方赤十字とは随時接触していると思うが、政府としてまだ北朝鮮側から名簿の提示を受けていない状態が続いている。従っていつ提示されるかについての具体的見通しは不明である。
但し、これまでの接触などを通じ、北朝鮮側において引き続き必要な調査等が行われているために、名簿の提示が遅れていると理解している。(問)北朝鮮への帰還の際の名簿等から日本側で予備調査も行えると思う。関係省庁会議を行ったが、予備調査は実施してないのか。
(報道官))関係省庁会議は名簿の提示・確認がなされる際の受け入れにあたっての体制を作る機関である。関係省庁は昔の名簿は持っている。北朝鮮側から名簿の提示を受けて我が方のリストと照合し確定していくということになると思う。
(問)現時点では日本側独自での予備調査はしていないということか。
(報道官))承知していない。
(問)リストに係わらず訪問者氏名に関する情報は来ていないということか。
(報道官))名称の如何に拘わらず第1回故郷訪問参加者に関する情報を得ているということはない。
(問)日朝国交正常化交渉担当となった高橋大使の任務如何。
(報道官))日朝の審議官協議が行われた際に、出来るだけ早く国交正常化交渉を再開するという方向で今後話しあっていくことになった。まだ、具体的な見通しを説明できる状況になっていないが、再開された場合、以前に日朝国交正常化交渉の行われた際に担当大使が行っていたのと同様の形で高橋大使が働くことになる。
(問)米国のダマト法の関連での米仏が、またヘルムズ・バートン法の関係でEUと米が対立しているが、日本の立場如何。
(報道官))米仏、米・EUの間で問題になっている個々の事項については、日本は第3国であり介入する立場にない。但し、ダマト法については、国際法上許容されない国内法の域外適用になり得るだけでなく、WTO協定との整合性の問題も生じる可能性がある。そういった点については、今までも米国側に伝えている。ただ日本の場合は、調べたところ具体的にダマト法の適当となるような日本からイランへの投資はなく、ヘルムズ・バートン法に適用になるような事例もないと理解している。
(問)国務省報道官も同様の趣旨のことを述べているが、実際に適用されなくとも日本企業が投資をためらうようなことがあれば、威嚇効果があり、問題であるとの見方もあると思うが如何。
(報道官))原則的立場は、先ほどの説明の通りであり、我が国としてその立場を変えるつもりはない。他方、現実の問題として我が方の民間会社による対キューバ、対イランの投資がないので、具体的案件として米側に申し入れるというところに至っていない。関連の法律についての原則的立場は立場としてあるが、他方、キューバについては民主化の努力をしてもらわなくてはならないし、イランについても現実的かつ穏健な政策をとるようにしてもらわなくてはいけない。我が国としては、そうした点については、引き続きキューバ、イラン側に働きかけを行っていく考えである。
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