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(報道官)ジュネーブ軍縮会議における対人地雷全面禁止の検討状況について説明したい。26日の軍縮会議本会議で、対人地雷問題の交渉開始に向けて準備を行うための特別コーディネーターを任命するとの決定が全会一致で採択され、同日、オーストラリアのキャンベル軍縮大使がこのコーディネーターに就任することが同じく全会一致で採択された。この決定は、条約交渉そのものの開始の決定ではないが、中国やロシアも含めた満場一致で決定を見たということで、交渉開始に向けた大きな進展であり、わが国としては評価するものである。わが国としては、去る5月15日に日本が提案した対人地雷問題の特別委員会が早期に設置されるよう、キャンベル・コーディネーターをはじめ関係国と緊密に協力しつつ最大限の努力を行ってまいりたい。
(報道官)ロシア人、NIS諸国の人々に対する査証審査についてだが、本日、本邦のある新聞にこの点についての意見が載せられていたことの関連で、前にもこの点を説明した経緯があるかも知れないが、今どうなっているか、今後どうするかについて簡潔に説明する。政府の規制緩和の方針にも鑑み、平成7年よりロシア人、NIS諸国人に対しても本格的に査証審査の緩和、迅速化に努めてきている。平成6年まで、査証審査に1カ月半ほどかかっていたが、平成7年以降は短期滞在については商用等身元のはっきりしている人たちに対しては、申請翌日よりワーキングデー7日、その他の分野については一般的に3週間程度で査証審査を終了するというように、制度は改善されている。また、長期滞在についても従来1カ月半ほどかかっていた審査が、一般的には3週間程度に短縮されている。以上のような改善措置が図られたものの、アメリカや欧州に比較して一般的に審査により長い時間がかかっていることも事実である。政府としては、さらに改めるべき点は改めた上で、今後も引き続き緩和、迅速化に努力していく所存である。
(問)本日午前中の大臣会見の際、英米代表のブレア首相とオルブライト国務長官が出席拒否したといわれている臨時立法会議員の宣誓式典に、大臣は英米のしかるべき代表が出席する方向である趣旨のことを言われた。この英米の代表の出席について、外務省はどのような情報をつかんでいるのか。
(報道官)7月1日未明に行われる臨時立法会議員の宣誓式も含む中国側の式典に米国及び英国の総領事ほかが参列するというように承知している。
(問)それは、代表クラスを落として総領事クラスになったということか。
(報道官)特別に落としたということかどうかは承知していないが、今までは米国も英国も外務大臣、国務長官は6月30日の式典には出席するが、7月1日の中国側の式典には出席しないと言われていたが、今度は米国、英国双方とも総領事がこの式典に出席されることを決定したと承知している。
(問)月曜の会見で次官は、外務大臣が香港を訪れた際に中国の銭其シン外相等の要人と会談し、サミットで声明があった香港の一刻も早い自由な選挙の実現などを伝えることとなろうとの発言があったが、本日の大臣の会見では具体的な言及がなかった。これは次官会見の際示された方針が変わったと理解すべきか。
(報道官)サミットについては、三塚大蔵大臣が先般訪中された際にサミットの模様については既に中国側に説明している。従って、今度の香港における日中外相会談で、どのようなことが話題になるかは両大臣のお気持ち次第だが、既にサミットの模様については中国側に伝わっているということを踏まえた上で、適切な議題について意見交換されるものと理解している。
(問)ロシアの国境警備艇による日本漁船銃撃事件について質問する。最初はロシアの国境警備艇かどうか不明のまま問い合わせしていたようだが、昨日ロシア側から銃撃したという回答があり、向こうの言う領海内へ侵犯してきたので威嚇射撃したという。しかしそれにしても、本来、こうした警告射撃は、例えば銃撃するとしても船の前方に射撃するものであって、しかも当てないようにするものと承知しているが、今回は2人も負傷者を出すような銃の撃ち方をしており、どう考えても不自然に思う。今回のロシア側の回答で満足するのか、あるいは新たに何らかの働きかけを行うのか聞きたい。
(報道官)ご質問の中に含まれていたように昨日、わが方からロシア側に対して遺憾の意を表明したわけである。その際のロシア側の説明によると、警告射撃を行ったが、日本漁船は応答しないまま逃走を開始したということであり、実際にどのような形で銃撃が行われたかについては必ずしも詳らかにしないところがある。いずれにせよ昨日、日本側からロシア側に申し入れたように、このような行為はわが国として認められないものであり、今後二度と行われることのないよう強く要望した次第である。今後いかなることが必要であるかについては、当面今申し入れたばかりなので少し様子を見ていく必要があるかと思う。
(問)ロシア側が国境警備艇の銃撃を行った関係者を表彰するという動きもまたあるようだが、その事実を把握しているかということと、もしそうであれば日本政府としてどういう対応をするか聞きたい。
(報道官)ご指摘の報道については承知している。同時に、この報道が今回の銃撃事件と関係があるかどうか現時点では不明である。もしこの報道が事実であるとするならば、人道的見地及び北方領土問題に関するわが国の基本的立場のみならず、わが国の国民感情をも逆なでするものであるということが言えるわけで、極めて遺憾である。ただ、事実関係がまだ不明であるということをとりあえず説明しておく。
(報道官)最近カンボジアの内政についての不安定化の報道が内外で多く見られるようになってきている。わが国はカンボジアの和平及びその後の復興に積極的に協力してきており国際社会が多大な犠牲を払ったカンボジア和平を後戻りさせてはならないと考えている。カンボジアの復興にとってはカンボジア指導者の一致協力による内政の安定及び自由公正な選挙の実施による民主化の強化が最も重要と考えている。こうした点については4月末に高村外務政務次官がカンボジアを訪問した際先方に考え方を伝えわが国の懸念を伝達した経緯がある。先のASEAN特別外相会議において7月のカンボジアのASEAN正式加盟が決定された。これがカンボジアの政治治安の安定及び経済開発に寄与することを強く期待するものである。
(問)ポル・ポト派による元副首相殺害の報道についての分析如何。
(報道官)ポル・ポト派の地下放送によってキュー・サンパン・ポル・ポト派首相の声明としてソンセン元副首相と妻のユンヤート元教育文化相をフン・センのスパイとして逮捕したというようなことを聞いている。ただ、ポル・ポト派の再分裂の具体的な状況についてはよく分からない。いずれにせよ98年の地方・国政両選挙を控えいわゆるラナリット派とフン・セン派との間で軋轢が高まっているようだ。双方からポル・ポト派への働きかけが行われていているようだが、政府側が対応を誤ると、場合によってはポル・ポト派が強行な措置を取ってくる可能性もある。懸念を持ちつつ事態を見守り、情報の収集に勤めているところである。
(問)北朝鮮への食糧支援に関し、与党で様々な動きがあるが、外務省の考え方如何。
(報道官)外務省の考え方は、従来から説明しているように、北朝鮮に対する人道支援は国連統一アピールの内容をも踏まえて種々の要素を考慮に入れて慎重に検討して総合的に判断するということだ。なお、与党の動きが報じられているが、与党が方針を固めたということについては承知していない。
(問)韓国からわが国に対し北朝鮮への食糧支援の公式な要請は来ているのか。
(報道官)日・米・韓でこの問題については頻繁に意見交換を行なっている。過去において何度も説明しているが、米・韓両国とも日本の立場はよく理解しており日本に正式に食糧支援を要請して来てはいない。
(問)ミャンマーに派遣した平林外政審議室長からはどのような報告が来ているか。
(報道官)御案内のように、わが国はこれまでミャンマーの民主化、人権等の問題について前向きの対応をミャンマー政府に働きかけてきた。平林外政審議室長は特使として、ミャンマーのASEAN加盟が決定した時期をとらえて、橋本総理からタンシュエ首相への親書を携行してミャンマーを訪問し、キンユン第一書記等々と幅広い意見交換を行った。日本政府としてはミャンマーのASEAN加盟を歓迎するとともに、民主化、人権等への前向きな対応を友人として引き続き働きかけていく所存。なお、キンユン第一書記は平林特使に対して「今回暖かい気持ちを持って、また、特にサミットのことも考えにおかれ特使の派遣を日本政府が決定したことを高く評価する。」旨を述べるとともに「また、西側と同じく複数政党制民主主義を目標としているがその実現の方法はその国の状況によって異なる」との趣旨の説明をしたと承知している。いずれにせよわが国としては、ミャンマーが国際的に孤立するのは適切でない。ミャンマーの内政についていろいろ意見がある国があるが、わが国としてはこれまでと同様ミャンマーに対して建設的な形で話し合いを継続し、ミャンマー政府が自ら民主化、人権等の問題について前向きな対応をしていくことを地道に働きかけていく考えである。
(問)平林外政審議室長の派遣で、わが国がサミットの場でミャンマー問題に積極的に取り組んでいく材料が得られたということか。
(報道官)デンバー・サミットにおいては地域情勢が取り上げられると思うが、果たしてミャンマー問題が現実に首脳間で議論されるかどうかは判らない。いずれにせよ、もしこの問題が取り上げられるようになった場合には、橋本総理は特使の訪問を踏まえた上で発言されるものと心得ている。
(問)ミャンマーの第一書記が「わが国の特使がサミット前に来られたことを評価する」との発言があったようだが、日本側から本件に触れたのか。
(報道官)ミャンマーもASEAN加盟ということになってきて従来以上に世界の動きについて関心を持つようになっていくと思う。わが国の対ミャンマー政策は他のG7諸国とは異なるが、最も重要なのはミャンマー自身が自発的にいろいろ措置を取ってもらうことである。いずれにせよわが国としては地道に努力していく。
(問)アイルランドで先日総選挙が行われたが、その結果、日本との関係、EUにおける立場如何。
(報道官)アイルランドと日本との関係は非常に良好である。過去においてアイルランドは与野党間で政権の交代が頻繁に行われている。今度野党共和党が多数の議席を占めたが、まだ過半数には至らなかったということで連立工作が行われると思われる。どのような連立政権が出来たとしてもわが国との関係は引き続き発展していくと考える。また、アイルランドにおいては与党、野党双方においてEUの問題については前向きであって双方の間に意見の差もない。したがってこの総選挙の結果EUに対する基本的な政策に変化は出ないものと考えている。
(問)香港返還前に中国、台湾は各々軍事演習を行うとの報道があるが、これを米も憂慮している。わが国としてどう考えているか。
(報道官)当方で承知しているのは台湾が今月下旬に高雄や台南などの内陸において軍事演習を実施するが、これは例年行われているものであるということだ。また、中国の軍事演習については時期を同じくして福建省沿岸で行われるようだが、その詳細については中国側から発表されていない。いずれにせよわが国としては台湾を巡る問題が両岸の当事者の直接の話し合いを通じて平和的に解決されることを強く希望している。
(問)香港返還の際の特別行政区成立式典の中の臨時立法会委員の宣誓式への大臣出欠如何。
(報道官)事実関係について説明すると、招待状については本省に接到した。中国代表部からわが方在香港日本総領事館に6月6日付の口上書が送付されているが、外務本省に接到したのは6月11日である。この式典へ大臣は出席する方向で検討中である。香港特別行政府成立式典で臨時立法会議の宣誓が行われる場合には、一部の国の代表がこれに出席しないと述べているということは、報道を通じて承知している。わが国は香港の安定、平和は中国のみならず、日本を含むアジア太平洋地域の発展にも重要な役割を果たしていると認識している。また、香港の将来は香港と極めて密接な経済関係を有しているわが国にとっても大きな関心事である。御質問の香港における式典の関連だが、冒頭に申し上げたとおり現在外務大臣が出席する方向で検討中という範囲内で説明すると、香港返還の際の一連の式典についてわが方としては、香港返還、香港特別行政区政府の出発を祝福するとの観点から香港滞在中の大臣の日程を検討している。まだ、結論は出ていない。
(問)「祝福する観点」ということは出席するということか。
(報道官)まだ具体的にどのような日程にしていくかということについては決定していない。ただ、この式典そのものについて99年ぶりに香港が中国に返ってくるということ、また、また香港特別行政区政府が出発するということについては、我々として祝福するとの観点からこれを見ている。もちろん香港の将来ということについては、従来から御説明しているとおり、政治的にも経済的にも自由で開かれた制度が維持されることによって香港が引き続き繁栄していくことを希望している。
(問)大臣の出欠は、まだ、検討中ということか。
(報道官)まだ正式に出席するということで決定し、発表するところまで至っていない。したがってそういった前提の下での一連の式典への参加について説明したということである。
(問)一連の行事出席について検討中ということか。
(報道官)この前説明したように6月30日の中国と英国の共催の式典についてはすでに招待状を受けている。しかし、7月1日についてはこの前の記者会見の際は招待状が本省に届いていなかったので、招待状を受けていないと答えた。今や両方について招待を受けたが、まだ外務大臣の式典出席そのものについて発表する段階に至っておらず、出席する場合にも、どこの部分について出席するかについて検討していかなければならない。いずれにせよ、現在先ほど申し上げたような観点から全体を検討している。
(問)臨時立法会の性格の観点から検討しているということか。
(報道官)本件については今までわが国は第三国の内政問題ということでコメントはしないできた。もちろん返還後の香港の議会のあり方については英・中間で意見の相違が生じていることは承知している。その正当性についてわが国がコメントすることは引き続き差し控えたい。ただ、先ほども申し上げたようにわが国は香港の将来に対しても多大な関心を有している、そういったことからすると返還後においても香港が政治的にも経済的にも自由で開かれた制度が維持されることによって、香港が引き続き繁栄することを希望しているという一般的、基本的な態度を有している。
(問)昨日在京ベルギー大使館で5カ国の大使・公使がブラッセルでの対人地雷国際会議を前に記者会見した。その中で日本もブラッセルの会議にオブザーバーでなく正式メンバーで参加して欲しい旨述べているがこれについてどう考えているか。
(報道官)5カ国大使の方々は、わが国政府に対して申し入れをしたというよりも、今までの考え方を対外的に明らかにしたと理解している。この問題については先般来説明しているが、オタワ・プロセスとジュネーヴ軍縮会議における今後の話し合いの進展の双方が補完し合うことが重要と考えている。ただ、実際の効果を考えると、やはり実際に地雷を生産し使用している国が多く入っている軍縮会議においてこの問題が正面から取り組まれ、条約案の審議が進み、条約が締結されていくことが望まれる。もちろんわが方はオタワ・プロセスについて否定的ということではないが、軍縮会議における話し合いが中心となっていくべきと考えている。
(問)ブラッセル会議に日本としてどのような形で参加するのか。
(報道官)本件については承知していない。
地雷等に関する議定書及び失明をもたらすレーザー兵器に関する議定書の締結について
(報道官)地雷等に関する議定書及び失明をもたらすレーザー兵器に関する議定書の締結については、5月16日に国会の承認を得、本日、閣議決定されたところである。現地時間6月10日、ニューヨークの国連本部において、わが国はこれらの議定書に拘束されることに同意する旨を国連事務総長に通告する予定である。地雷等に関する議定書の締結の意義について説明する。
今、国際社会では対人地雷全面禁止条約締結の動きが見られる中で、今回のいわゆる部分禁止の議定書を締結することにどれほどの意義があるかという質問があるかと思う。この全面禁止条約締結については、国際社会はこれをいかなる場で交渉することが適当かについて依然議論を行っている段階である。そしてこの全面禁止条約というものが普遍性、実行性を有するものとなるかについて必ずしも明らかとは言えない状況にある。
そうした状況において現在取り得る最も重要な措置の1つが、この度の改正議定書の締結であると考えている。これはわが国のみならず、他の国々も同様の認識を有しているものと理解している。
なお、対人地雷全面禁止に向けたわが国の基本的な立場については、過去において何回か説明した経緯があるが、わが国としては地雷の使用、移転などを行っている国を含む形で、対人地雷全面禁止条約を作成することが重要であると考えており、そうした観点から多数国間軍縮条約について多くの実績と経験を有するジュネーブ軍縮会議において、条約交渉の早期開始の可能性を追求することが重要であると考えている。こうした軍縮会議における取り組みとカナダ政府の主導するいわゆるオタワ・プロセスの動きとが、相互補完的な動きとなって対人地雷全面禁止に向けた動きが進展することが重要であると考えており、今後とも最大限の努力を行っていく所存である。
因みに、5月15日、ハンガリーと共に対人地雷についてアドホック委員会のマンデート提案をした経緯がある。同委員会においては、この問題について今いろいろな提案が出ている。それを調整していく過程に今あるところである。
もう1つの議定書である失明をもたらすレーザー兵器については、この兵器自体の実用化は必ずしも明確に確認されていないものの、このような兵器の実用化が十分に懸念される状況になってきていることを踏まえて、これを未然に防止する目的でこのような兵器の使用及び移譲を禁止しようとする趣旨である。
なお、この地雷等に関する議定書については、わが国はこれからだが、既にカンボディア、デンマーク、ドイツ、アイルランドの4カ国が議定書を締結しており、またレーザー兵器に関する議定書についてはカンボディア、デンマーク、フィンランド、アイルランド、パナマ、スウェーデンの6カ国が既に締約をしている。
(問)コンゴ共和国の内戦状態がフランスの調停提案を受け入れたとの情報があるが、この情報についてと、ブラザビルにいる邦人23人についてどういう態勢で臨むのか聞きたい。
(報道官)シラク大統領の調停というものはいまだに実っていないようで、戦闘は継続されている。現在、ブラザビルに滞在していることが確認されている邦人は23名である。わが国はパリ、ガボンの首都のリーブルビル、コンゴ民主共和国のキンシャサにおけるわが方大使館を通じて、フランス政府に対してこれら邦人の退避について協力を要請しているところである。ブラザビルには旧ザイールの大使館員2名が滞在しており、その2名が中心となって、邦人との間の連絡を密にしようとしている。また別途キンシャサの方からも直接、こうした方々に連絡を取り、退避を希望している方々が無事に退避できるようにわれわれとして最大限の努力をしているところである。
(問)現在のところ危険が迫っているとか、戦闘に巻き込まれそうな状況にはないか。
(報道官)ある程度の数の邦人が宿泊しているホテルの近辺でも戦闘が行われており、状況はそれほど良いものではないと思う。従って、わが方としては邦人の方々が不測の事態に巻き込まれないよう、一方において連絡を密にするとともに、フランス政府にも協力を求めて、こうした方々が幸便で退避できるように最大限の努力をしている。
(問)メドというか、手段はできつつあるのか。
(報道官)退避についての具体的なメドはついていない。
(問)残留している邦人23人は、大使館の方も含めて全員が退避を希望しているのか。
(報道官)若干の方は現地に残ることを希望しているようである。霊長類を研究している方々がそうであり、その家族1名は既に国内でポントノアールという所に避難済みである。その他のNGO関係者、旅行者、外交団と結婚している方々は、全て退避することを希望しているということである。その霊長類関係者の方も全員が残るということではなくて、残る方はポントノアールに避難済みのようである。その他の人々は基本的に退避することを希望していると承知している。
(問)北朝鮮当局が邦人拉致事件について声明を発表しているようだが、わが国としてその内容を把握しているか、またそれをどう見ているか。
(報道官)北朝鮮当局と言われたが、これは中央通信社のスポークスマンの談話ということのようであり、また、その談話の対象というものがこの報道から理解する限り、日本政府のことでは必ずしもないように見受けられる。従って、政府としてこうしたことにコメントすることはいかがなものかと思うが、この中で取り上げられている、いわゆる拉致事件については既に何度も説明しているように、当省としては関係省庁とより一層緊密に連携しつつ、関連情報の収集に努めるとともに、この問題に真剣に対処していきたいということである。また、4者会合についてはご案内のように、わが国は従来からこの提案を支持しており、今後ともその早期実現を希望している。
(問)アメリカ国務省のバーンズ報道官の発表によると、オルブライト国務長官が香港を訪れた際に、「臨時立法会」の宣誓式には招待されても出席しないという意向を表明したということである。香港返還式典には外務大臣も出席されると思うが、この「臨時立法会」宣誓式への出席についてはわが国はどういう立場を取るのか。
(報道官)香港返還式典への出席という質問については、まず現在、外務大臣が出席する方向で検討中である。質問のように、7月1日に行われる「香港特別行政区政府成立式典」で、臨時立法会議員の宣誓が行われる場合、一部の国の代表がこの式典に出席しないと述べているとの報道についてはわれわれも承知している。我々はこの式典が香港特別行政区政府の出発を祝福するとの雰囲気の下で執り行われることを希望する。なお、返還後の香港議会のあり方については、英中間でいまだなお意見の相違が存在していることはわれわれとしても承知している。この点については、国際社会も注目しているところであり、何らかの解決策が見出されることを希望するものである。
(問)現在のところ、オルブライト国務長官が出席拒否を明らかにしたこの「臨時立法会」の宣誓式について、わが国に対する招待はきているのか。
(報道官)6月30日の香港返還式典、即ち英中共催による返還式典については、外務大臣あて招待状が接到しているが、7月1日の香港特別行政区政府成立式典については、いまだ招待状は頂いていない。
(問)アメリカは招待状がきても出席しないと早々に言っているが、わが国としてはどうなのか。
(報道官)先程も申し上げたように、これは長い間の経緯を踏まえて、全ての式典が祝福されるとの雰囲気で執り行われることを希望するものである。まだ時間があるので、何とかそのような方法で物事が進んでいって頂ければという気持ちである。
(問)外務大臣は招待がきた場合にどうするかはまだ決めていないということか。
(報道官)池田大臣の香港滞在中の日程については、全体として検討中ということである。
(報道官)ジンバブエのハラレで5月28日から30日まで開催されたOAU閣僚会議において、第2回アフリカ開発会議に関し、わが国のイニシアチブを歓迎し、この会合で行動指向的な具体的成果を達成するアフリカ諸国の決意が表明された。わが国はアフリカ開発を一層促進するため、来年、この第2回開発会議を開く予定であり、またその準備のため本年中に準備会合を開催する予定である。今回のOAU閣僚会議での第2回アフリカ開発会議に関する言及ぶりは、アフリカ開発におけるわが国のイニシアチブを評価したものであり、同時にアフリカ諸国のわが国への期待を表明したものと受け取っている。わが国としては、こうした期待に応えて、来年のこの会合の開催を含め、今後ともアフリカ開発への支援を続けていく考えである。
(報道官)デンバー・サミットについて当省はホームページを利用した広報活動をする予定である。デンバー・サミット開催の約1週間前をメドに、外務省ホームページ上に英文、和文双方の特集コーナーを設ける予定である。その中で、サミットで行われる予定のいくつかの行事、例えば総理内外記者会見、サミット文書、各会合後に行われる外務報道官のブリーフィング等及びその他日本の主要外交政策に関する情報の発信を行う。
なお、昨年のリヨン・サミットにおいても、英語版、日本語版それぞれ特設ページを開設し、1日平均英語版については約4千件、日本語版については約2千件のアクセスがあった。現在のところ、通常、英語版の外務省ホームページに対するアクセス件数は1日約1万2千件、日本語版は2万6千件となっているが、昨年並であれば、この特設ページを開設することによって全体としてのホームページに対するアクセスに英語版については約4千件、日本語版について約2千件の増加が見込まれる。
なお、現在外務省の特設ホームページとしては、本年が環境問題について議論されるということから、地球温暖化特集ホームページ及び社会福祉ホームページを(それぞれ英文のみ)開設した。こうしたことによって、日本の行っている政策につき対外的に理解を得るよう努力していく方針である。
(問)このホームページのアクセスコードは如何。
(報道官)コードについては、後で調べて説明したい(会見終了後回答)。
(問)アクセスの数え方にはホームページを開いた結果カウントする方法と、項目ごとのアクセスをカウントする方法と2つあると思うが、これはどちらか。
(報道官)項目事にカウントしている。
(問)そうすると、1人が3つ、4つ見たら、それは3件、4件と勘定されるという意味での1万2千件、2万6千件ということか。
(報道官)然り。いずれにせよ当初、このホームページを開設した際に、英語版の方がアクセス件数が多く、日本語版は少なかったが、日本において外務省の日本語によるホームページについても徐々に知られてきているようで、英語版の倍になってきたというのが最近の傾向である。
(問)韓国軍の高速艇に北朝鮮の警備艇が発砲し、韓国側も応射したという。特に北朝鮮の警備艇は漁船9隻を伴って韓国の領海に侵入していたと韓国側は言っているが、この食糧援助が問題になっている時期に事件が起きた背景をどう見るか。また今回の銃撃戦が尾を引くような可能性の有無如何。
(報道官)われわれとしては、こうした事件が起きたことで、注視しているところである。しかし、双方ともに被害は出ておらず、冷静な対応をしていると考えている。今まで非武装地帯等で衝突等も起こったこともあり、今度のことに何か特別に理由があるとは承知していない。これまでの政治問題と特定の関連があるといったような報告も特に受けていない。
(問)コンゴ民主共和国内で展開されている疑いがあるとされる虐殺に対して、ドイツがEUの調査団を派遣しようと提唱しているようだが、これに対するわが国の立場如何。
(報道官)コンゴ民主共和国内部のことについて、いろいろ報道がされていることは承知している。わが国としては、前回の記者会見で説明したとおり、キンシャサにおける日本大使館を通じての情報収集、またはUNHCR等の国際機関からの情報収集、友好国からの情報収集等によって事態を把握していくつもりであるが、今の虐殺云々についても、実態の詳細は承知していない。
(問)ドイツがEUに調査団の派遣を提唱していることは把握しているか。
(報道官)そういう動きがあるということは承知しているが、詳しいことは存じていない。
(報道官)5月31日、ジンバブエの首都ハラレで、大湖地域情勢検討大使会議が開催された。この会議には、大湖地域問題に関連している在ケニア、在タンザニア、在ジンバブエ、在南ア、在エジプト、国連代表部のそれぞれの我が方大使、ジュネーブの我が方代表部幹部及び日向中近東アフリカ局審議官等幹部が参加した。この会議の結果、「大使の提言」が提出された。当省としては、本件大使会議が時宜を得たものであり、ここで出された提言を今後、次のような方向で検討していきたい。
第1に、「大湖地域を中心とした問題を扱う特命事項大使の早期任命」だが、これは重要な提案であり、今後、真剣に検討していきたい。
第2に、「コンゴ民主共和国への調査団派遣」については、本省としてはまず難民・人権状況、首都・地方の行政・民政等の実情を把握することが必要と考える。
第3に、「当該国、周辺国との政治対話強化」だが、これは当然のことである。
第4に、「地域レベルから草の根レベルに到る協力の具体化支援」については、「草の根無償資金協力」で既に今までも旧ザイールに協力を実施してきており、今後、より重点的に実施していきたい。
(問)特命事項大使任命や調査団派遣を真剣に考えるとのことだが、この2点はかなり急ぐのか。
(報道官)真剣に検討すると申し上げたのは特命事項大使の件である。これは人事に関する事で、具体的に申し上げられることではないが、いずれにせよ重要な提案であり、真剣に検討していきたい。
調査団の派遣についてだが、現段階で、我々としてしなければいけないのは、まず大使館の通常業務を通じて先程申し上げたような実情を把握することである。先程言葉が足りなかったが、調査団派遣をすぐに検討するというより、まずその前に我が方大使館を通じて実情を把握していく必要があるということだ。
(問)我が国はコンゴ民主共和国を黙示の承認を行ったが、正式な国交関係を持つには、大使館を通じ実情を把握する必要があると言うが、現在の臨時代理大使等2名の態勢で十分か。
(報道官)黙示の承認により、既に日本政府はコンゴ民主共和国政府と正式の関係を結んでいる。我が方の態勢は、以前のままの態勢である。調査団派遣となると、受け入れ体制等の問題も調べなければならない。現態勢でとりあえず実状を調べる。他方、UNHCRは、難民についての現地状況の把握に努めており、そうした国際機関とも意見交換をしつつ、実情を把握することがまず第一ではないかとのことである。
(報道官)在中国日本商工会等の認可問題に対する我が方の対応は5月20日の記者会見で説明したが、この度、我が方在中国大使館を通じ中国外交部に対し、在中国本邦企業の活動を円滑にする上で商工会が果たす役割は極めて大きい旨説明するとともに、これらに対する認可につき、前向きの検討を求めた。
これに対し中国側は、中国では法整備が遅れており、このため問題の解決にも時間がかかると思われるが、関係部門に報告する旨回答してきた。
その場で我が方より、重ねて中国側に対して本件につき弾力的な措置をとるよう要請した。
(問)現在はまだ北京以外の商工会の活動は停止されたままの状態か。
(報道官)以前に報告した以降、新たな動きがあったとの報告は受けていない。
(報道官)6月12日、外務省で日米間の規制緩和の対話の強化に関する第2回会合が開催されるが、本会合につき説明したい。
本会合には、我が方より外務省北米第二課長を議長として、17の関係省庁の代表が米側と会合を行う。前回5月14日の会合では、主として米側の提案につき説明を受けつつ意見交換を行った。来週の第2回会合では、本件対話の今後のあり方につき更に協議を進めたいと考える。本会合は、4月25日のワシントンでの日米首脳会談の合意のフォローであると同時に、規制緩和の推進は我が国の主要課題であり、政府として非常に重視している。
本協議の1つの大きな目標は、既存の専門家諸会合の話し合いをより効果的なものにしていくことである。
なお、本日の一部報道にあった、米側が電気通信、住宅、医療機器・医療薬品、金融・サービスの4分野を本協議で取り上げるとのことについは、既にこうした問題及びいわゆる構造問題は、従来より日米規制緩和・競争政策作業部会で協議してきている。いくつか専門家諸会合があり、それらの中で取り上げられてきた。他方、米側がこれら個別4分野を重視していることは事実であり、我々はそれら問題を含め、広く先方との間で意見交換をしていくつもりである。
なお、本件対話の今後のあり方については、デンバー・サミットを1つの目標として合意に向け努力していきたい。
(問)6月中旬をメドにとりまとめるとされているペルー事件調査委員会報告書もある程度方向性が出てきていると思う。大使公邸にボーイとしてMRTAメンバーが入っていたとの一部報道があるが、事実関係如何。
(報道官)まず調査委員会の活動につき説明する。
4月23日以来、これまで7回の調査委員会会合を開催し、現在報告書のとりまとめを行いつつある。その間、人質であった大使館員全員より事情を聴取したほか、民間の方々からもお話を伺っている。また、外務省調査団がペルーに出張し現地で情報収集を行った。そうした作業を通じ、いろいろな事実関係についても報告書に入れていくことを考えているが、現在報告書はとりまとめ中であり、報告書そのものについての具体的コメントについては差し控えたい。いずれにせよ、報告書は6月中旬をメドに、鋭意とりまとめに取り組んでいるところである。
他方、指摘の報道についてのみ申し上げると、そのような事実は確認されていない。特に公邸におけるボーイについて承知している館員は、ボーイの中にMRTAメンバーを見たような覚えはないと述べている。
(問)先日の報道官会見でタリバーンは北部地域を制圧し、ほぼ全国制覇の模様と説明されたが、その後、必ずしもタリバーンが近日中に全土制覇とも言い切れない情勢となっている。現状はどうか。
(報道官)5月24日にタリバーンの部隊がアフガニスタンの北部地域を概ね制圧したとの事実があり、全土制覇の可能性が出た旨説明した経緯がある。その後5月下旬になり、反タリバーン派勢力が盛り返し、現在、タリバーン派と反タリバーン派間で戦闘が継続中である。一般的にいって概ね5月中旬までの状況に戻ったということである。我々としては引き続き事態を注視しているところだが、特に反タリバーン勢力のラバニ派マスード司令官、ハリリ派の動向、これら各派への近隣諸国の支援を受けたゲリラ戦継続の可能性、及びタリバーン陣営内部の結束といったことを今後とも見ていかなければならない。
(問)政府・与党の財政構造改革会議がODAの予算10%削減を打ち出す見通しだが、どう考えるか。
(報道官)削減幅については、財政構造改革会議を踏まえ今夕発表されると承知している。
既に外務大臣より何度も説明しているが、ODAは極めて重要な国際貢献の柱であり、我が国としては、一般会計予算を節減するのであれば、「我が国の顔」が見える2国間援助を重視し、また他の手段で代替可能な分野の削減を行う等の工夫をすることが重要と考えている。
いずれにせよ、外務省としては、ODAにつき改革を進めるとともに、限られた財源の中で、ODAを通じ国際社会に対する責任を出来るだけ果たしていくよう努力していきたい。
(問)ODAの削減幅は他の分野の削減幅より厳しいという見方があるが、どうか。
(報道官)削減幅については、まだ発表されていないので、現時点で話をするのは控えさせて頂きたい。
いずれにせよ、厳しい一般会計予算の中で、最大限の努力により引き続き国際貢献の大きな柱としてODA事業を進めてまいりたい。
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