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報道官会見要旨 (平成12年5月25日(木)17:00~ 於:会見室)(報道官)WTO上級委員会委員への谷口京都大学名誉教授の任命について発表させていただく。25日、たった先ほどであるが、ジュネーヴで今開催中のWTO(世界貿易機関)紛争解決機関(DSB)特別会合で、谷口安平京都大学名誉教授(現東京経済大学教授)が、コンセンサスにより正式に上級委員会の委員として任命されたが、わが国政府としてはこれを歓迎するものである。
谷口教授は、本年3月19日に逝去したニュージーランドのビービー委員の後任として、厳正中立な選考手続を経て、その優れた経歴・資質に基づき任命されることとなったものであり、わが国よりは本年3月に退任した松下委員に続き2人目である。
WTO上級委員会は個人の資格で選出された7名の委員により構成され、WTO紛争解決制度に持ち込まれた案件について、パネルで示された判断に不服がある国が上訴を行えば、これに対し最終的判断を示す重要な機関であり、今後の谷口教授の活躍に期待したい。
ご本人は、長年京都大学で教鞭をとられて、民事訴訟法学会、日本私法学会、日本国際法学会のメンバーでもある。アフリカ統一機構(OAU)設立37周年記念レセプション
(報道官)参考までに言及するが、本日6時から7時半まで、アフリカ統一機構(OAU)の設立37周年設立記念レセプションが、在京アフリカ外交団の主催で、憲政記念館で行われる。ここには、森総理、河野外務大臣も出席するので、一言背景を申し上げたい。OAUは、1963年に設立され、現在はアフリカから53カ国が加盟している。今年は、言うまでもなく日本がG8の議長国であり、先般南アフリカの外務大臣が訪日した際に、OAUの議長国であるアルジェリアからの「何らかの形でOAUとしてもG8に関心事項をインプットしたい」というメッセージをいただき、これについて日本としては「他のG8諸国とも相談してみたい」と返事している。日本としては、かねてからTICAD(アフリカ開発会議)Ⅰ、TICADⅡのプロセス等を通じて、アフリカには大変力を入れており、今回総理自らこのレセプションに出席するのは、まさにG8サミットを背景にアフリカの声を聞く姿勢を示す、ということである。
今申し上げたOAUはもちろんアフリカの国々で構成されているが、今年は国際的に重要なグループのうち、非同盟諸国(NAM)の議長が南アフリカであり、また経済問題等を扱う南側のグループであるG77の議長がナイジェリアである。ということで、アフリカ勢がいろいろな場で議長を務めている、ということもご紹介させていただいた。第4回カンボディア支援国会合
(報道官)最後に、パリで25-26日、第4回カンボディア支援国会合が開催される。これは、1996年、97年、99年に次いで、今回が4回目のCG(Consultative Group)会合である。本年1月に小渕総理(当時)がカンボディアを訪問された際にも、カンボディアの改革努力への支援を表明しており、わが国としても本会合を通じて貢献したい。世銀が議長を務め、日本、フランス、豪州、ドイツ、アメリカ、アジア開発銀行(ADB)、国際通貨基金(IMF)、UNDP等が参加し、当事国カンボディアはフン・セン首相自ら出席する。わが国の団長は、経済協力局の小島誠二審議官で、斎藤駐カンボディア大使も参加する。例年通り、一定の支援のプレッジの表明をすることになっている。主な議題として、マクロ経済と改革プログラム、グッド・ガヴァナンス、社会セクター(貧困層に対する社会サーヴィスの改善)と、今申し上げた支援表明が想定されている。
よど号ハイジャック事件田中義三容疑者
(問)バンコクで収監されている、よど号ハイジャック事件田中義三容疑者の日本への移送問題について、6月中に移送の見込みであるようだが、外務省の立場は如何か。
(報道官)本日25日、タイの法廷において、ご質問にあった田中容疑者の身柄の日本への引渡を認める旨の判決が出された、と承知している。この判決については、依然として控訴期間が残されており、確定しているわけではないので、現時点でのコメントは差し控えさせていただきたい。いずれにしても、わが国としては、引き続きタイ当局に対して、田中容疑者の身柄の速やかな引渡を求めていく考えである。
報道官会見要旨 (平成12年5月23日(火)17:00~ 於:会見室)
国際連合アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)第56回総会の開催
(報道官)国際連合アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)第56回総会が、6月1日から7日までバンコクにおいて開催され、わが国からは有馬龍夫日本政府代表が出席する。この総会の下には、地域経済協力委員会、農村・都市の貧困緩和のための社会経済措置委員会、環境と天然資源開発委員会といったテーマ別委員会、また運輸・通信・観光・インフラ開発委員会、統計委員会といった分野別委員会、さらには特別な部会として、LDC・内陸開発途上国特別部会、太平洋島嶼国特別部会がある。いくつかは2年に1回行われる。それぞれから報告書が上がってきて、それをまとめて合意する。その作業は、高級事務レベルで行われ、並行して、閣僚レベルによるスピーチが行われる。やはり、東南アジア諸国からは、閣僚レベルの出席者が多い。
1点補足させていただくと、すでに発表したが、このESCAPのフォローアップとして、今年8月31日から9月5日にかけて、北九州市において第4回アジア太平洋地域環境大臣会議を日本がホストする。「リオ・プラス・テン」ということで、リオで行われた環境国際会議の10年後である2002年に、大きな会議が予定されているので、それに向けてアジア地域の現時点での意見を吸い上げるということが、ESCAPの延長線であるこの環境大臣会議で行われることになっている。小渕前総理葬儀への出席者
(問)一部報道に出ているが、小渕前総理の葬儀に出席される各国の代表について、例えばカンボジアなどはメンバーを発表したようであるが、外務省の方に入っている国、メンバーは如何か。
(報道官)これについては、皆様も関心が高いと思うが、いわゆる外交ルートを通じて、いくつかの国からは当然関心の表明や問い合わせは来ているが、現時点では正式に決まったという方はいないし、かつ今後正式に国やそれを代表する方々が決まれば、順次然るべきタイミングを見て正式に発表したいと思う。現時点では、この人が決まった、ということはない。
自民党の政調・外交関係合同会議におけるインド・パキスタン経済制裁解除の決定
(問)本日、自民党の政調・外交関係合同会議において、インドとパキスタンに抗議して2年前から続いている経済制裁について、もう解除したほうがよい、解除を政府に求めるという方針が決められたようであるが、これを受けての外務省の考え方をお聞きしたい。
(報道官)もちろん、自分もその重要な会議が行われるということは承知していたが、今のご質問にあったような経済制裁の解除の方針が決まったというような連絡にはまだ接していないし、仮に決まったとしても、どういう条件、枠内で解除が決まったのか、ということを、自分としても正確に承知した上でお答えしたい。
報道官会見要旨 (平成12年5月18日(木)17:00~ 於:会見室)(報道官)最初に、イエメン統一10周年記念式典への特派大使派遣について発表させていただく。日・イエメン友好議員連盟の会長である小沢辰男衆議院議員を特派大使として、10周年記念式典に派遣することとなった。この式典は招待ベースであり、1番近い中東アフリカ諸国からは元首あるいは皇太子クラスの方々が多数参加する。アジアからは、わが国、中国、インドの3カ国からの参加が予定されている。
南北イエメン両国がまさに10年前の1990年に統一した。北のイエメンは王政で、南のイエメンは英国から独立し、一時期社会主義政権であった。現在、統一以来大統領を務めているサーレハ現大統領は、83年に旧北イエメンの大統領に就任して以来、統一後も統一イエメンの大統領になっている。昨年3月にはわが国を訪問している。スリランカ情勢
(報道官)次に、スリランカ情勢について外務報道官談話を発表させていただく。「日本政府は、スリランカのジャフナ半島における最近の情勢に関し、深い憂慮の念を表明する。日本政府は、戦闘の継続により一般市民の被害が拡大しないよう、スリランカ政府及びタミル・イーラム解放の虎(LTTE)に対し、最大限の自制と理性ある対応を強く求める。 更に日本政府は、両当事者が今回の危機を乗り越え、ノルウェーの仲介による交渉を通じ、民族問題の平和的な解決に向けて具体的第一歩を踏み出すことを強く希望する。」
4月下旬以来、戦闘がエスカレートしており、4月下旬の時点では政府軍及び過激派に300名以上の死亡者が出たということで、わが国も事態を憂慮するという外務報道官談話をここに発表した次第である。EUも同様の声明を発表しており、国連事務総長も憂慮の念を表明している。
スリランカには、届出ベースで838名の在留邦人が現在いるが、戦闘が行われている北東部の地域には在留邦人はいない。
ノルウェーの仲介というのは、タミル過激派のいわば連絡役がロンドンにおり、ノルウェーの外務大臣がロンドンに行って、その連絡役とも協議しつつ仲介の労をとりながら、悪化した情勢を何とか沈静化すべく役割を果たしている。「アチェ人道的戦闘休止に関する共同了解書」への署名
(報道官)3番目は、インドネシアのアチェの情勢についてご紹介させていただく。「アチェ人道的戦闘休止に関する共同了解書」が12日署名され、それに対する評価を発表したい。スイスのダヴォスにて、インドネシア政府と独立アチェ運動(GAM)両者の代表による、人道救援活動を可能にするための休戦が成立し、了解書は3週間後の6月2日から発効し、第1段階として3ヶ月間効力を有する。その3ヶ月間の第1段階が終了する15日前に、更新のための見直しが行われるということである。
わが国の基本的態度というのは、インドネシア領土の一体性を支持するということであるとともに、このアチェ問題が、インドネシア政府とアチェの当事者の間で、平和的に解決することを希望している。このような観点から、わが国としては、今回の了解書への署名を歓迎しており、これによって問題の平和的解決が促進されることを期待する。領土の一体性維持に向けたインドネシア政府の取り組みを、わが国としては支持するものであり、かつこれを支援する。このアチェ問題についても、すでに昨年来、避難民への人道的支援のために、4件計4000万円相当の草の根無償資金協力を実施しており、わが国としても、引き続き支援を惜しまない考えてある。問題解決に向け、広く国際社会からも支援が行われることを期待する次第である。同様の声明は、米国、EU、豪州、カナダ政府からも発せられている。
尚、アチェ地域には、在留邦人が5名いる。学生が1名、コンサルタントが1名、そして残り3名は天然ガスの開発に携わっている方々である。「海外安全週間」
(報道官)次に、「海外安全週間」について発表させていただく。今年で8回目を迎え、昨年度から時期を6月の第4週(今年は19日から25日)に固定して実施させていただいている。今、海外渡航者数は年間1600万人を超えるが、夏休みを利用して海外に出ようという方々が、ちょうど今頃計画を立てて楽しみにしておられる時期であり、これに合わせてこの週間を設けた。本年度は、タレント・歌手で知名度の大変高い早見優さんにイメージキャラクターをお願いし、ポスターとチラシを作成した。パスポートセンターのある各都道府県や全国1300カ所の郵便局にも貼って、広報に努める。また6月19日の初日には恵比寿ガーデンプレイスでの行事に早見優さんご本人も出演するし、かつ海外安全セミナーを、名古屋市と宝塚市で、同週間中にそれぞれ開催する。広くPRをお願いすると同時に、国民の皆様におかれてもご承知いただきたい。
そもそも海外渡航をめぐるいろいろな統計(渡航者数、犯罪、事故等)は、6月19日からの週間に向けて、最新の数字を担当部局で今鋭意整理中である。できれば、この週間に間に合わせて発表したいと思う。ご参考までに、海外における旅券の再発給ないし帰国のための渡航書の発給の数であるが、ここ数年間、例年1万件を少し超えている。この大半が、旅券の盗難あるいは紛失によるものであり、わが方の在外公館による発給等の対象となったわけである。G8国際組織犯罪対策上級専門家会合の開催
(報道官)最後に、産業界も含めたハイテク犯罪についての会議が先日パリで行われたことはご承知の通りであるが、本日はG8自身の枠組みの中で、G8国際組織犯罪対策上級専門家会合(リヨングループ)が、5月22日から24日まで開催される。これは、95年のハリファックス・サミットで合意され、96年から議長国が通常年3回、この会議を開催している。この会合の下には6つの分科会があり、対象分野は、ハイテク犯罪、銃器、国連条約(ウイーンで交渉中の国連国際組織犯罪対策条約及びその関連議定書に向けた取り組み)、司法協力、人の密輸、法執行プロジェクトの6つである。これらの分科会は随時会合を行い、リヨングループ自体は、年3回のうち、当該G8サミットの前に2回会合する。日本では2月に続いて、今回5月に行う。議長は、警察庁国際部長であり、今年の10月まで国際刑事機構(ICPO:インターポール)の第15代総裁も兼ねている、兼元俊徳氏が務める。外務省からは、国際社会協力部の天野審議官が出席する。国際組織犯罪対策自体については、G8各国間では緊密に協力していこうという共同姿勢が見られ、今回も活発な意見交換が行われ、究極的にはG8九州・沖縄サミットに、何らかの形で反映されることを期待する。
報道官会見要旨 (平成12年5月16日(火)17:00~ 於:会見室)(報道官)最初に、紛争と小型武器についてご説明する。これは、これまで「小火器」と呼んでいたものを、この度まず「小型武器」と日本語の名称をこの機会に変えさせていただいた。もともと英語では「small arms」ということで、小火器というと本来「small fire arms」ということになる。現に火器が中心ではあるが、理論的には刀等のほかの小型武器も入りうることでもあり、かつ「小火器」というと、同音異語で「消化器」「消火器」等あることもあり、より正確な言葉として「小型武器」というふうに統一した。本件については、1995年から国連の中で議論が始り、来年2001年夏には「国連小型武器国際会議」が国連の枠内で開催される予定であり、それに向けての準備会合が予定されている。第1回会合が2月に終わったばかりであるが、これらの準備会合を経て国連小型武器国際会議へと展開しようとしている大きな流れの中で、小型武器に関するパンフレットを作らせていただいた。席上配布したこのパンフレットについて今詳細に申し上げるつもりはないが、日本の3つの目標としては、「国際的な規範の強化」、「国際的な支援」、さらに今申し上げた「2001年の会議の成功に向けて」を指摘できる。
(問)小型武器の定義は何か。
(報道官)厳密な定義はなくて、むしろこれから先程申し上げたような国際会議を通じて、よりきちんとした定義を出さなくてはならないが、概念としては、人間ひとりが手に持って発射できる火器類およびその他の武器、とご承知おきいただきたい。
アジア地域小型武器東京ワークショップの開催
(報道官)これに関連して、アジア地域小型武器東京ワークショップについて発表させていただく。6月8日から9日まで東京で行われる。これは、特にアジア地域における小型武器問題への取り組みについて焦点を絞って、アジア諸国はもとよりほかの地域からも計29ヶ国の代表、あるいは国際機関、さらにはNGOの関係者と一緒に意見交換を行う。日程であるが、6月8日の午後には国際NGO関係者からのプレゼンテーションがあり、例えばアムネスティー・インターナショナル、ヒューマン・ライツ・ウォッチ、OXFAM、国際赤十字等、20近いNGOの関係者が参加する予定であり、ここの討論は公開セッションなので、広く参加していただければ、と思う。29カ国から、主にニューヨークの国連大使クラスを中心に、各国の関係者が参加する。
アジア・アフリカ・フォーラムの開催
(報道官)第3回アジア・アフリカ・フォーラムの開催について発表させていただく。これは、マレーシアのクアラルンプールで5月23日から25日まで行われる。98年に東京で行われた第2回アフリカ開発会議(TICADⅡ)のいわばフォローアップということで、特に情報コミュニケーションの技術をアフリカの途上国に注入しようということで、アフリカ52カ国はもとより、ASEANの主要国、韓国などのアジア6カ国、日本のような援助国、さらには関係国際機関が参加し、マハティール首相も大変力を入れており、冒頭挨拶を行っていただく。日本側からの出席者は、堀内伸介外務省参与、野川保晶中近東アフリカ局外務参事官、粗信仁経済協力局政策課長ほかである。
第1回アフリカ開発会議(TICAD)のフォローアップとしては94年にインドネシアのバンドンで、第2回目は97年のタイのバンコクでそれぞれ別のテーマについて同様のフォロー・アップの会合を行っている。
ごく簡単に、主なテーマ、現時点で考えている日本としての成果を申し上げると、1つの柱は、やはり広くアジアの人材をアフリカに派遣するということで、これは国連とも協力しながら実施する。今考えられる姿としては、国連ボランティア(UNV)に参加している個人に、2年間ぐらいの期間で何人かをアジアの国々から派遣して、現地でいろいろなプロジェクトに携わっていただくとか、アジアとアフリカの間でインターネットのネットワーク作りとか、データーベースを作るとか、そして3番目の大きな目玉はアフリカのIT化である。アフリカのIT化をどう具体化するかと言うと、今申し上げたUNVの方も含めて、関係者をアフリカに派遣して、技術移転、技術指導をやる、ということである。それらを通じて、アフリカにおける人材の育成を広げて行く。さらには、アフリカにおけるインターネットへの人口比での接続率(コネクティビリティー)の強化、拡大をしようということである。また、IT面で、アジアの企業が、現地の民間部門との連携を通じて、アフリカ諸国の経済の活性化をする。例えば、現に、東芝が、タンザニアと思うが、PHSの基地局を作るのに貢献をしている。その辺を含めて、各国と活発な議論をして、TICADⅡの有益なフォローアップとして、アフリカのIT化を側面から支援するということに役立てたいと思っている。森総理の「神の国」発言
(問)森総理のいわゆる「神の国」発言について、韓国等では相当批判的な報道が出ているようであるが、現在まで外務省に対して、韓国あるいは中国あるいはその他の国々から、問い合わせや申し入れ等の外交的な動きはあるか。
(報道官)自分は、特にそういう報告には接していない。
(問)政府からでなくても、外国のメディア等からの反響は集めているのか。
(報道官)メディアについては、自分のところに届いているのは、韓国の通信社の連合ニュース1社が発言について報じているが、今のご質問にあったように、ほかの韓国の新聞等がどの程度報じているのか、今情報を入手中である。
よど号ハイジャック事件容疑者
(問)バンコクからの報道で、よど号の田中義三容疑者が日本に帰るということを言っていて、6月中旬にも送り返されるということであるが、外務省はそういった報告をタイ政府なり大使館なりから聞いているのか。また、日本政府としてはどういう働きかけをしているのか。
(報道官)今日16日、タイ法廷の公判において、田中義三容疑者が日本への早期帰国の意思を表明したことについては、われわれも承知している。しかし、タイの国内法令に基づいて、引渡裁判は現在も継続中で、25日は判決が言い渡される予定であると聞いている。同裁判の結果を予断するような発言は差し控えたい。いずれにしても、わが国としては、タイ政府に対して、田中容疑者の身柄の速やかな引渡を求めていく考えである。
(問)北朝鮮にいるよど号犯に関して、1ヶ月程前に北朝鮮側が「引き渡す」というふうな報道が出たことがあったが、そういった事実について何か聞いているか。
(報道官)正確な報道を承知していないが、おっしゃるような報道が出ていたかもしれない。ただ、その件については、回答する資料を持ち合わせていない。
小渕前総理の葬儀
(問)小渕前総理の葬儀について、相当世界各国から要人の方々が来られることが想定されるが、外務省として現在どのような準備をしているのか。また、今後どの程度の準備をするのか。
(報道官)言うまでもなく、準備については遺漏なきを期したいと思う。故小渕前総理の葬儀は、ご案内の通り、内閣と自民党の合同葬儀ということで、6月8日午後2時から武道館にて行われる。今後、閣議決定等、所要の手続きを行うことになる。合同葬儀についての基本方針であるが、そのような閣議決定を踏まえて今後検討するということになる。従って、外国からの参列については、招待という形式を取るわけではないと思うが、参列を希望される方については基本的に有り難く受け入れることとなると考えている。諸外国政府等から多数の弔電とともに、一般的な形で葬儀についての照会を受けているわけであるが、今後葬儀についての閣議決定を踏まえた上で、諸外国政府から正式な参列希望があれば、随時先方と調整しながら発表して参りたい。
(問)今のところ、うちの国から誰が行くとか、自分が行きたい、といった話が日本政府に出ている国はあるのか。
(報道官)今申し上げたように、閣議決定等の所要の手続きをまずこちらサイドで取った上で、それが然るべき形で当地の外交団に知れるところになり、それを受けて相手国政府が今ご質問のような対応を取るのではないかと思う。今申し上げた通り、一般的な形で問い合わせが来ているわけであるが、閣議決定等を踏まえた上でないと、先程申し上げた以上のことは申し上げられない。そのような段取りになっている。
(問)一般論で、葬儀に係る準備室であるとか、プロジェクトチームなりオペレーションチームなりといった特別な体制を外務省として取られるのか、あるいは各原課から人を集めて対応するのか、どちらか。
(報道官)自分の承知した範囲であるが、何らかのきちんとした形で遺漏なきを期すということになるかと思う。これは、閣議決定等と連動しているところがあるかと思うが、そういう体制を敷いた場合には、もちろん皆さんにもお知らせすることになると思う。
(問)大平元総理の葬儀の際には、どのように準備されたのか。
(報道官)これは会見の域を離れるが、自分も本省にいて、加藤紘一副長官(当時)が日本語の司会をやって、たまたま自分が当時北米局にいて手伝いに借り出されて英語の司会をやったわけであるが、準備段階としては、確か準備室のようなものが設けられて、きちんとした対応をしたのを覚えている。いずれにしても、遺漏なきを期すつもりであるし、その時々適切な段階で皆さんになるべく、どういう方々の出席が決まったとかを公にしていきたいと考えている。
(問)閣議はいつか。
(報道官)どの閣議で決定するかは承知していない。
報道官会見要旨 (平成12年5月9日(火)17:00~ 於:会見室)(報道官)最初にシエラレオネ情勢について外務報道官談話を発表させていただき、引き続いて若干背景等を説明したい。
「シエラレオネにおいて、今月2日以降、同国の反政府勢力(革命統一戦線(RUF))が、国連PKO要員のうち少なくとも4名を殺害し、現在も数百名を拘束しており、また、同勢力による首都方面への侵攻等、情勢が緊迫しつつあるとの情報に接している。今回の反政府勢力(RUF)による行為は和平合意に反するものであり、国連、周辺国等のイニシアティヴで進んでいた同国における和平の動きに逆行するものとして、わが国としてもこれを深く懸念している。わが国としては、今後同勢力が、和平合意を誠実に遵守すること、国連PKOに対する敵対行為を中止し、拘束中の要員を直ちに解放することを呼びかけるとともに、関係者の協力により和平の動きが再び前進することを強く期待する。」
若干背景を敷衍させていただく。自分は今朝もCNNを見ていたが、正にCNN現象ではないが、本件について相当CNNが報道しているわけである。シエラレオネという国は、非常に資源が乏しい最貧国のひとつであり、ダイアモンドという宝、財源があり、それで国を支えているということである。内戦がずっと90年代続いた中、昨年7月、近隣国等も協力して、その外交努力、地域的な平和維持活動の結果、カバ大統領とサンコーRUF代表との間で、和平合意(ロメ合意)が成立し、一応内戦に終止符を打ち、引き続き昨年の11月から武装・動員解除計画が開始された。ちょうどそれと前後し、昨年10月に国連の方でPKO(正式名称:国連シエラレオネ・ミッション)が設立され、当初は軍事要員5000名から成るPKOであったが、それではとても足りないということで、今年2月にさらに安保理決議が通り、1万1000名に拡大するということが承認され、現在約8000名が各地に展開している。8000名強の主力は、軍事要員であるが、約260名の軍事監視員も入っており、また、この8000名強とは別に文民警察が約24名、国際要員すなわち人道要員で世界食糧計画(WFP)とか国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の方々が234名程いると言われている。
RUFの方は、ロメ合意に同意したにも拘わらず、武装・動員解除に必ずしも協力的でなかったわけで、しかもダイアモンドの産出地域というのが首都から南東の方に離れていたこともあって、そちらの方にPKO要員が展開しようとした中で、衝突が起きているということである。先程少なくとも4名が殺害されたと申し上げたが、国連側の情報では、場合によっては7名が亡くなられたということと、約14カ国、計500名以上がRUF側に拘束されている。
そういう状況の中で、国際社会は如何に対応してきたかと言うと、もともとイギリスの植民地であるのでイギリスが非常に関心が高く、在留英国人は約500名いると言われている。その安全の確保のために、セネガルに700~800名から成る1個空挺連隊が既に駐機している。それから、5隻の艦艇を目下派遣中で、10日にはシエラレオネ沖合に着くということでである。さらに、アメリカやイギリスは、7日、シエラレオネからの出国勧告・警告(わが国では危険度5に当たるもの)を発出した。飛行場は今のところ開いているようである。国連の方では、安保理が議長声明で、「事態を非常に憂慮し、かつ身柄を拘束されているPKO要員等を早く釈放すべし」ということを唱っている。イギリス、アメリカ、フランス、ロシア、EU等々こぞって「事態を憂慮する」という声明を、ここ数日間にわたって発表している。先程申し上げたように、今8000名強が展開されており、いわば必要とされているのは1万1000名で、約3000名が不足しているということで、イギリス等は早くその3000名を補充して、何とか現地の事態の沈静化をしたいということである。ちなみに、PKOである国連シエラレオネ・ミッションには、「アフリカの紛争はアフリカで」ということで、アフリカの国々からの軍事要員が多く、軍事監視員でイギリス人が15名とか、ロシア人が15名、中国人が6名、フランス人が3名で、アメリカ人は今のところ一人もこれには参加していない。
最後に、これをご紹介するもうひとつの背景というのは、今度総理もG8各国を回ってこられ、G8サミットをめぐる3つのキーワードの3本目の「世界の安定」の中で紛争予防というのが重要な項目としてある。もちろん今度の外遊の時にはシエラレオネとか個別の紛争については何ら話しは出ていないが、そういう紛争予防というのが、やはりG8が直面している大きな課題であり、G8外相会合でも話題になろう。シエラレオネはいわばアフリカにおけるひとつの紛争予防のテストケースということであるので、これからサミットが近付く間、如何に事態が展開していくか、というのが非常に注目される。(問)シエラレオネについて、いわゆる国連のPKOとは別に、事務総長が、国内の国連文民要員が外に出るために各国に支援を要請しているわけであるが、日本として具体的に財政的あるいは人的な支援は検討されているのか。
(報道官)まだその最新の情報は自分も承知していない。もともとシエラレオネが内戦状態にある中で、UNHCRとかWFPを通じた支援というのは日本は過去5年間やってきており、最初は95年にまで遡るわけである。それは、ほかの国にいるシエラレオネの難民に対する支援も含む。実を言うと、国連にはシエラレオネ信託基金というものがあり、これはいずれ和平が達成されて武装・動員解除等のための支出ということで、98年12月の時点で日本から96万ドル拠出している。まだそれが残っており、これから使われていくであろうというふうに思っている。今言及のあった事務総長の呼びかけは非常にホットな動きなので、もしわが国として何かできることがあれば、それを踏まえて何かしようとは思うが、現時点では今申し上げたような状況である。
(問)シエラレオネそのものには在留邦人はいないということであるが、周辺国には在留邦人は概ねどのぐらいの規模でいるのか。
(報道官)これも、自分は正確を期すために領事移住部に確認しないとわからないが、海に面した両側にはリベリアとギニアがあり、さらに外側にコードジボワール、ギニアの外側にはギニアビサウ、さらにその隣りにはセネガルがある。セネガルにはもちろん大使館もあり、在留邦人もいるが、シエラレオネからセネガルの間にはギニアとギニアビサウという国が2つあるので、この両国およびシエラレオネの東側にあるリベリア、この辺には非常に在留邦人が少ないと思うが、念のために確認した上、お知らせしたい。
シエラレオネ及び周辺国在留邦人数 平成11年10月1日現在
総数 長期滞在者 永住者数 ギニア 28 28 0 ギニア・ビサオ 1 1 0 象牙海岸共和国 201 201 0 シエラレオネ 0 0 0 セネガル 158 158 0 マリ 14 14 0 リベリア 1 1 0
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