外務大臣会見記録 (平成16年4月27日(火)08:58~於:院内控室)
閣議
(外務大臣)今日の閣議ですが、平成15年度の草の根・人間の安全保障無償、日本NGO支援無償、そして草の根文化無償、この実施状況を取りまとめて御報告をいたしました。草の根・人間の安全保障無償として、112 カ国と1地域で1,425件、総額約115億円の協力を行いました。日本NGO支援無償については27カ国、56 件、総額約8億円。それに加えてジャパン・プラット・フォームに対し約10億円の協力を行いました。最後に草の根文化無償は、24カ国、28件、約1億4,500万円の協力を行いましたので、これを報告いたしました。草の根の支援というのは現地で大変高い評価を受けている訳です。そして、資金は税金を使うということについて全く変わりない訳ですから、適正に、効率的に、透明性をもって使われる、こういうことをきちんと確保しながら、今後引き続き支援の充実をはかっていきたいと思っております。これが一つ目です。
二つ目はイラクへの技術協力について。ヨルダンと共に第3国研修の一環として、電力分野でのイラク人への研修を行います。5月4日から7月の中旬にかけて、アンマンで行います。ヨルダンに対して過去に日本は電力分野で支援をしてきており、そう言った支援の成果を活かしてもらい、イラクの人達に技術移転をしていくということがこの狙いです。
目次へ戻る
北朝鮮での列車爆発事故
(問)北朝鮮の列車事故なんですが、今後必要に応じて追加支援も検討するとしておりますが、現段階でその検討状況というのはどんな感じですか。
(外務大臣)国連の調査団が入っていますので詳細な報告が出てきた時点で、今後について考えていくということです。写真の報道が出ていますが、相当にひどい被害であるようですね。
目次へ戻る
川口大臣の体調
(問)体調の方は如何ですか。
(外務大臣)ちょっとガソリンが欠乏しましたが、問題ありません。ありがとうございました。お花も頂戴し、ありがとうございました。
目次へ戻る
GWの外遊日程(G8外相会合)
(問)ゴールデンウィーク中の外遊は、今回見合わせたということですけれども、5月の中旬には、G8の外相会合という重要な日程があります。ここではおそらくですけれどもイラクの問題が相当大きくなるのではないかと思いますが、今の時点で大臣として、G8の外相会合にどのような立場・考えで臨まれる方針でしょうか。
(外務大臣)国際協調を作っていくということが重要であるということです。その頃に国連の新しい決議の議論がどうなっているかということも関係しますが、やはり、国際社会が全体として、総理が述べられているような、イラク人の行う新しい国造り、これをどうやって支援をしていくかということが大事だと思います。また、G8の外相会談というのはイラクだけではない訳で、幅広く世界の問題がたくさんあると思います。イラクと並んで中東という意味で非常に重要なのは、中東和平の問題です。これについては、対話を再開してロードマップに戻ることが大事だという話をしている訳ですが、そういったことを全体で後押しをしていくことが大事であるということです。更に、北朝鮮についても非常に大きな問題があると思います。その他、国際社会で問題になっていることと言えば、基本的には、大量破壊兵器やテロの拡散という問題がある訳で、その一連の流れの中で、例えばイランの話も可能性がありますし、また、例えばアフガニスタンですとか、他にも平和な国造りということを支援をしていかなければいけない国がたくさんある訳です。その手段、麻薬といった一連の問題もあると思います。
幅広く何でも議論をしようということであり、それから勿論中東の中で、全体の議論の中で、或いは世界全体としてと申し上げても良いかも知れませんが、改革をどうやってやっていくか、ということも大きな問題だと思います。今までもいろいろな状況で会って親しく話をしている8人の外務大臣ということで、今回はロシアとフランスから新しい外務大臣がお見えになると思いますが、常に忌憚なく率直に話し合うという仲ですから、そういうことでやっていきたいと思います。日本としてはこの他に関心事項として、国連改革があり、それも話をしたいと思います。北朝鮮はさっき言ったと思いますが、勿論、拉致の問題も含まれると思います。
目次へ戻る
年金支払い
(問)大臣、年金については。
(外務大臣)年金について、これは払ったかという話ですね。私はいろいろなところで書いてますから。改めてお話をするまでもないと思います。
(問)それはつまり、ずっと払っていると言うことですね。
(外務大臣)払いました。
(問)じゃあ、きっちり支払っているということですね。
(外務大臣)(頷く)
目次へ戻る
大中東構想
(問)先程の中東の関係で、大中東構想ですね。今度の首脳会合でも議論になると思うんですけど、これについての日本政府としての見解というのは、どういう風に表明されていくのでしょうか。
(外務大臣)この構想自体がはっきりと形ができているということではなく、今いろいろな意見が出て議論をしている最中の事柄であるということがまず一つあります。日本の考え方の基本は、オーナーシップと言いますか、中東の人達がどのような改革をしたいか、ということが一番のベースにある話であると思います。それを、パートナーとしては出来るだけ支援をしていくとうこと、慫慂していくということであると思います。いろいろなその辺のための支援が必要になるかと思いますが、日本としては勿論、出来るだけ支援をしたいということです。今までも、例えばパレスチナでも柱の一つは改革支援で、パレスチナが一つの国家として、きちんと存在するようになった時には、改革をしたパレスチナというのが国造りをやっていけるということで改革支援もやっている訳です。我が国として支援をしていくという立場から改革支援は今までもやってきましたし、今後もやっていくということに変わりはありません。今いろいろな議論をしている最中ですので、まずアラブの国々の人達がこれについてどういうことを考えていくかということがまず基本にあります。その意見がまとまった形で表に出てきていませんし、アラブの主要国の首脳会談が延期になりましたから、今後行われるということなので、そういった場での議論というのもきちんと見ていかないといけないと思います。
目次へ戻る
ドミニカ共和国への移住問題
(問)大臣。ドミニカの移住の問題なんですが、総理が3月に裁判を離れて何が出来るか考えてもらいたいと阿部副大臣に指示されて一ヶ月経ちましたが現段階で具体的にどういうことが出来るか考えてらっしゃるのでしょうか。
(外務大臣)今月の初めからでしたでしょうか、領事移住部の職員を一人ドミニカ共和国に送っています。現地の日系人の方がどのようなことをお考えかということが大切ですから、いろいろ話をするということを始めています。いろいろなご意見を伺いながらということだと思います。
目次へ戻る
外務大臣会見記録 (平成16年4月20日(火)9:14~ 於:院内控室)
閣議
(外務大臣)閣議においてイラクでの人質の件について報告を行いました。
目次へ戻る
イラク復興支援に関する日仏協力
(外務大臣)イラクの復興支援に関し、草の根・人間の安全保障無償資金協力を通じて日仏協力を行います。ムサンナー県で給水活動しているフランスのアクテッドというNGOに対し、レンタルしている給水車両のレンタル料35台分、総額約35万3000ドルを拠出いたします。これにより、6ヶ月間、サマーワ市の南部やムサンナー県郊外の約300の集落(コミュニティー)に対して、給水活動を行うことができ、延べ約6万人の人たちが衛生上安全な水を飲むことができるようになります。
目次へ戻る
イラクでの邦人人質事件
(問)閣議後のイラク対策本部では何かありましたでしょうか。
(外務大臣)私、現地対策本部長として逢沢副大臣、法務大臣、国家公安委員長、防衛庁長官から、それぞれの所掌についての報告がありました。最後に官房長官から、引き続き今回のオペレーションについて、検討すべきことは検討してもらいたいとの話がありました。
(問)大臣として、今回の事件の教訓、今後検討していかなくてはならない点についてどうお考えでしょうか。
(外務大臣)皆でみっちり議論をしなくてはいけないと思っています。退避勧告をどうするか、この出し方をどうするか、今までのやり方で十分かどうか、という点が一つあると思います。各省の連携及び現地対策本部を作っての実際のオペレーションという意味では、官邸を中心に非常に円滑な協力が行うことができたのではないかと思っています。実際の現場で徹夜をしていた人も含めて、改善すべき点をきちんと認識して、イラクに限りませんが、様々な折りに外務省は対策本部を設置しますから、実施できることは小さなことであっても、いろいろと反映させていくことを考えていきたいと思います。
(問)退避勧告をどうするか、この出し方をどうするか、今までのやり方で十分かどうかと大臣はおっしゃいましたが、大臣のお考えの中で、これをもう少し強制力について、法的にどうするかという問題もありますが、そういう方向でお考えなのか、あるいは、もう少し水際と言いますか、例えば、アンマン、クウェートなどで人を増やして入る人を制限するあるいはチェックするということなのか、あるいは、バグダッドの大使館で人を増やして邦人保護にもう少し割ける人を増やすとか、どんなイメージなのでしょうか。
(外務大臣)どのように改善するかというのは難しい問題と思いますが、私が、たぶん一番現実的だと思うのが、今の退避勧告を更に強い退避勧告にすることが可能かどうかということだと思います。今、外務省としては、退避勧告を発信するという意味では、できることを全部やってきたつもりですが、その上でもっとできることがあるかを検討してみるということです。「強制的」ということについては、渡航の自由があるという状況のもとで、むしろ皆さんの自覚をきちんとしていただくような方向ということを考えなくてはいけないと思います。自由というものは非常に貴重なものですから、これを国民としては自らを律して使っていくことが大事だと思っています。それができているかどうかを、それぞれの国民がきちんと考えてみる必要があると思います。強制力をもたせることが必要かどうかについては、政府としては慎重に検討する必要があると思っていますが、様々な意見があるので、いろいろな意見を出して頂いて、皆で考えていくことではないかと思います。
(問)今の退避勧告の上に、更に強い警告のようなものをイメージしているのでしょうか。
(外務大臣)それをすると言っているのではなく、例えば、退避勧告を強化することが考えられるかどうか、あとは、それを伝達する方法について何かできるかどうか、といったことです。
(問)何か強制的な措置を取ることについて、大臣自身の考えはどうでしょうか。
(外務大臣)私は、先ほど申し上げましたように、自分が手にした自由、渡航の自由を守っていくためには、国民の一人一人が自律することが大事だと思っています。それがどうしてもできないような状況があるならば、別途考えなくてはいけないかもしれませんが、そのあたりは自ら律するということをきちんとやれるかどうかを議論することだと思います。これはいろいろな意見の方がいらっしゃいますが、種々議論頂ければと思います。外務省は、いずれにせよ、邦人保護ということが仕事ですから、どういう状況であれ、これをきちんとやっていかなければいけないということです。
(問)そのことを、例えば、諮問会議や有識者会議など、外務省の中にも国連改革とか色々ありますが、そういうものを別個に立ち上げる予定はありますか。
(外務大臣)それは特に考えていません。広くいろいろな議論が出ていますから、そういった形で、皆さんに議論して頂くことが大事だと思います。
目次へ戻る
外務大臣会見記録 (平成16年4月16日(金)9:30~ 於:院内控室)
閣議
(外務大臣)今朝特に申し上げることありません。閣議では人質の解放について報告いたしました。
目次へ戻る
イラクでの邦人人質事件
(問)他の閣僚からは、何かお話は。
(外務大臣)官房長官がまとめて発表されると思いますが、総理から閣僚懇談会の時に、まだ所在のわからない邦人が2人、また各国の人質の方について他の国は解放のために努力しているわけですから、慎重に事に当たるようにということと、イラク人のための復興についてはしっかりやっていく、そういう話がありました。邦人2人については引き続き所在の確認に全力をあげて行うということです。
(問)まだわかっていないお2人についてなんですけれども、3人のケースと比べますと、犯行声明が出ていない、あるいはビデオのメッセージがきていないこともあって、性質が違うような気もするのですが、外務省としてはどのように受け止めているのでしょうか。
(外務大臣)何ともわからない、としか申し上げられません。まず、所在・状況の確認をするということです。何もわからない状況ではコメントを申し上げられません。
(問)解放された3人の現状と今後の帰国日程について教えてください。
(外務大臣)現状は、今(イラクは)夜中ですので、疲労で寝ておられるのではないかと思います。帰国の日程については、バグダッドからドバイに行ってメディカル・チェックをして頂く予定です。時間等については、3人は今まだイラクの外にでているわけではなく、安全の問題もあるのでまだ申し上げられません。
(問)本格的な事情聴取というのはどこでやるのでしょうか。
(外務大臣)いろいろな事を検討しているものと思います。
(問)これまで解放された3人のうち1、2名は今後もイラクで活動を継続したい、そう受け止められる発言をされているわけですが、そういう発言に対して外務大臣として、どのように受け止められるでしょうか。
(外務大臣)私はその発言を直接聞いたわけではないので、そうかどうかはわかりませんので、何とも申し上げにくいのですが、本当にもしそういう風にお考えであるとすれば、助かった命ですから、是非それを大事にして頂きたいと思います。イラクの人たちのために貢献したいというお気持ちは立派だとは思いますが、やはり退避勧告が出ている中で、そういう時期かどうか、大勢の人が支援をして3人の方の今日があるわけですから、是非それを大事にして頂きたいと思っています。
(問)3人の方が無事に保護されたわけですが、この無事に保護、という理想的な解決に至った最大のきっかけというか、要因というか、背景というか、それは大臣ご自身は何だったとお考えでしょうか。
(外務大臣)そうですね、これはイラク人の関係者の方が、それから各国の関係者の方が救出に向けて大変な努力を熱意を持ってやって頂いた、ということだと思います。私はその背後にイラクの人達の日本人に対する暖かい気持ちということがあったと思います。日本が今までイラクで行ってきたことに対する評価と、日本がイラクの復興支援を一生懸命にやっている、イラク人に対して日本人が暖かい気持ちを持っている、という今までの日本とイラクのずっと長い関係が背後にあったと思います。
(問)3人が帰ってきた時にはお会いになりたいと思っていらっしゃるでしょうか。
(外務大臣)今、特に何も考えていません。とにかくまだ日本に帰ってきてはいないのですから。
目次へ戻る
韓国総選挙
(問)韓国の総選挙で与党のウリ党が過半数を獲得しましたが、今後の北朝鮮情勢等を踏まえてどのように受け止められていらっしゃるでしょうか。
(外務大臣)隣の国の選挙は内政問題でから、日本として何かコメントをするということではないと思いますが、韓国と日本とは今まで行ってきたのと同様に日韓関係をより強固なものにし、そして様々な共通の課題に密接な連携をして取り組んでいくということが日本の考え方です。
目次へ戻る
日露賢人会議
(問)森前首相がロシアに行って戻ってきたんですが、プーチン大統領との会談で領土問題解決に意欲を示したことについて大臣がどう思っておられるのか、これが1点。年内の訪日には消極的だったという報道がされていますがそれについてどう考えるかということと、賢人会議全般を終わってその成果をどう考えておられるか、この3点をお伺いしたい。
(外務大臣)領土問題についてプーチン大統領が言われたことは、領土問題の解決に取り組みたい、これは単に取り組みたいということではなく、本格的にこの問題を解決したいという熱意を示されたということだと聞いています。そして、日露両国は様々な問題に共同して取り組む大事な二国間関係でありその障害になるようなことは取り除くべきである、と言われたと聞いています。選挙が終わり、プーチン大統領がこの問題について強いリーダーシップ、指導力を発揮して頂くことを日本として期待しているということです。また、年内の訪日、これは日本として是非来訪して頂きたいということで今日程を調整中です。プーチン大統領もいろいろお忙しいので今の時点で何時と決まっているわけではないのですが、総理とはAPECでお会いになりますし、またG8でお会いになられるということがありますので、プーチン大統領といろいろお話をして頂く機会はあると言うことです。賢人会議の成果については、昨日はバタバタしていてよく聞いていませんが非常に良い成果があったということだと思います。
目次へ戻る
外務大臣会見記録 (平成16年4月15日(木)22:15~ 於:会見室)
イラクでの邦人人質事件(3名解放)
(外務大臣)本日、バクダッドの日本大使館から、イラクで人質とされていた、今井さん、郡山さん、高遠さんの日本人3名が、本日、現地時間15時30分(日本時間20時30分)、バクダッド市内アミリーア地区のクベイシー・モスクで解放され、日本大使館により無事保護された旨の報告を受けました。誠に喜ばしいことでございます。御家族の方々もご心配をしていらしたと思います。心からお喜びを申し上げます。3名が安全に解放されるために事件発生以降、政府といたしましても全力を挙げて取り組んでまいりました。イラクの関係者の御尽力、そして世界各国から頂いた御支援に対しまして、心から御礼を申し上げます。イラクの治安情勢は、余談を許さない状況にあります。政府としては、これまで退避勧告を発出をしたほか、累次にわたって注意喚起を行ってまいりましたけれども、そういった中で今回の事件が発生したということは誠に遺憾だと思っております。今後とも、イラクへの渡航はどのような目的であっても絶対に控えて頂きたいということを強く勧告申し上げます。また、海外に渡航する邦人の方におかれては、自らの安全については自ら責任を持つという自覚をもって、自らの行動を律して頂きますようにお願い申し上げます。なお、政府といたしましても、邦人の安全のために引き続き全力を尽くしていきたいと考えております。政府としては、人質をとる行為というのは許されざる行為であると思っております。今後とも、このような行為につきましては、これに屈せず、毅然として対応をいたします。また、イラクの秩序と治安の回復、政治プロセスの円滑な進展のためにも引き続きイラク人によるイラク人のための民主的な国家樹立に向けて、人道復興支援の実施に努めてまいりたいと思います。依然、様々な国の方が人質になっていると承知をいたしております。そのような方々が一刻も早く無事に解放されるということを強く願っております。そして、引き続き所在の判らない邦人2名の方につきましても、政府といたしまして、確認作業に全力を尽くす所存でございます。
(問)3人の健康状態はいかがでしょうか。
(外務大臣)メディカルチェックを行わないとよくわからないと思いますが、お見かけしたところでは健康そうであると承知しています。
(問)帰国に向けた段取りはどのようになっていますか。
(外務大臣)まず、本人の方々の健康を見た上で、早急に帰国をしてもらいたいと思っています。その段取りをどのようにするか、調整を急いでいるところです。
(問)可能ならばチャーター機を出すという予定はありますか。
(外務大臣)それも選択肢の中に入れてあります。
(問)最初の一報はどのような形で政府にもたらされたのでしょうか。
(外務大臣)イラクの(日本)大使館に、現地時間の3時(日本時間の8時)少し前に、あるモスクに日本人がいるので引き取りに来てもらいたいとの連絡がありました。
(問)その連絡は誰からあったのですか。
(外務大臣)誰からあったということはよくわかりません。イラクの人からあったということです。
(問)匿名ということですか。
(外務大臣)どなたから電話があったのか、名前については承知していません。
(問)3人が身柄を拘束されているところからモスクまで、どのような形で移動したのでしょうか。
(外務大臣)まだ伺っていません。
(問)二度にわたる声明文以外に、要求のようなものはあったのでしょうか。
(外務大臣)要求というものはありません。
(問)要求の形ではない、何らかのものはあったのですか。
(外務大臣)特に何かがあったということではありません。
(問)犯人側との接触、コミュニケーションは、この間、とる機会があったのでしょうか。
(外務大臣)そのようなことについては、いろいろ関係者の立場がありますので、また、まだ二人の邦人の所在がわからないという状況ですので、今、詳しいことは申し上げられないということをご理解願います。
(問)残る二人については、依然、安否不明ということですか。
(外務大臣)所在の確認はできていません。
目次へ戻る
外務大臣会見記録 (平成16年4月13日(火)8:50~ 於:院内控室)
閣議
(外務大臣)今日の閣議では平成16年度版の外交青書がとりまとめられたことを報告致しました。
目次へ戻る
イラクでの邦人人質事件
(問)イラクの人質事件の現状について何か進展があるのですか。
(外務大臣)一日も早く人質になっている3人の方を救出したいと思い、政府は全力で取り組んでいるところですが、今の時点で人質について確認できないという状況は変わりません。
(問)確認できていないと言うことは、所在、それから安否も含めてという意味でしょうか。
(外務大臣)細かいことは申し上げられませんけれども、いずれにしても確認できていない、安否確認できていないということです。
(問)一方で12人が解放されたとの情報があるが、全体の流れの中で希望の光が見えているのではないでしょうか。
(外務大臣)他国の方が人質になっている事件と日本の3人の方とが直接的に関係があるのかということを前提にはできません。色々な情報が錯綜していますので、12人を解放するという報道について、それが誰に該当するのか、そういうことは政府として確認していませんので、事実だったかどうかこちらとして確認できないということです。
(問)当初、24時間以内に解放というメッセージがあったにもかかわらず、24時間以内に解放されなかったわけですが、遅れている理由・根拠というのは、何か情報があるのでしょうか。
(外務大臣)遅れている理由について、私の口で色々推測を申し上げるのは今の時期ですから控えたいと思います。申し訳ないですが。
(問)人質が拘束された現場の近くのファルージャについてですが、米軍とイスラム武装勢力と停戦が成立しているが、散発的に戦闘が続いているという状況です。停戦の行方がかなり人質の運命とも関連していると思いますが、ファルージャで停戦が成立するために、働きかけを日本政府として行うのでしょうか。
(外務大臣)ファルージャの状況については、停戦が延びたということです。日本としては、この地域で治安が確保されて、落ち着きが戻る、安定が戻るということが早く来ることが望ましいと考えています。イラクが安定していないと、NGOや国連や復興支援をする人たちが十分に仕事ができる環境ができたといえないわけですから。
(問)人質のご家族が記者会見など通じ、人質の救出方法を巡って繰り返し生命にリスク・負荷をかけるような救出方法を何とか避けて欲しい、このようなメッセージを繰り返し出しております。生命にリスクをかけないような救出作戦を政府として取り組むのか現状は如何でしょうか。
(外務大臣)繰り返し申し上げているように、政府としては人質の救出が最重要課題と思っています。総理の指示もそれに全力をあげる、政府一体となって人質の救出をするということですから、その指示に従って、今全力を尽くしているという段階です。
(問)具体的にどのような方法で救出するのかについては。
(外務大臣)どういう方法ををとるのか、何を今行っているのかについては申しあげられません。今何より重要視しているのは人質の安全ですから、そういったことについては申し上げないということです。
(問)昨日、アルジャジーラが日本時間午後3時に人質解放に向けた放送をするという情報がでて、川口大臣も外務省としてそういう情報があったということは、他の委員会で仰ったと思いますが、その後何か情報はございます。
(外務大臣)それも申し上げないということです。
目次へ戻る
北朝鮮
(問)北朝鮮の問題で、六カ国協議の作業部会について、先日、日米韓の局長級協議が行われましたが、これを受けて、現段階の見通しとして作業部会が近く開催できるという方向になったのでしょうか。
(外務大臣)関係国は作業部会をできるだけ早く開きたい思っているという状況には変わりがないと思います。具体的にそこで何を議論するのかについて、関係国の間で議論がなされているという状況です。
(問)その関連で作業部会と平行して、ないし前後して、日朝協議をやりたいというのがかねてからの日本政府の方針であると理解していますが、日朝協議の開催の見通しは如何でしょうか。
(外務大臣)日本政府は、そもそも作業部会の前後に開きたいというふうには申し上げていません。日朝協議は前から次の会合を開催しようと言っているわけで、できるだけ早く開ければと思います。今、具体的にいつ頃とか見通しとか、何か具体的に決まっているわけではありません。
目次へ戻る
日米地位協定
(問)稲嶺知事から日米地位協定の見直しに関する要請があったと思いますが、先日の刑事裁判手続きの合意が、日本と沖縄にとって大臣として前進したとお考えでしょうか。
(外務大臣)それは前進したと考えています。拘禁前の引き渡しを容易にする要素が含まれているということだと思います。二つの犯罪以外についても全て含むということを明確にしたわけであり、それも前進と評価できると思います。
目次へ戻る
外務大臣会見記録 (平成16年4月9日(金)9:58~ 於:衆議院分館)
閣議
(外務大臣)閣議では私から発言はしておりません。特に申し上げることはございません。閣議の後で、イラク人質事件緊急対策本部が閣議において設置されましたので、その第一回の会合がございました。これは官房長官をヘッドとし外務大臣が副本部長ということでございます。
目次へ戻る
イラクでの邦人人質事件
(問)昨日から外務省のオペレーションルームに対策本部が設置されてるかと思うんですが、今日まで得られている、新たな情報はどんなことでしょうか。
(外務大臣)昨日の記者会見で申し上げて以降のこととしては、お二人、今井さんと高遠さんが6日の夜の現地時間23時頃にアンマンを出て、バグダットに向かわれてイラクに入国をした模様ということで、郡山さんもご一緒にお二人と行動をしているように思われるということが新しい情報です。
(問)移動手段というのは何か入っているでしょうか。
(外務大臣)車だろうと思います。陸路ということですね。
(問)犯人側からの接触はあるのでしょうか。
(外務大臣)今の時点ではございません。今ないと申し上げましたけれども、今後は人質の安全の問題がありますので、この点についてはコメントを差し控えさせていただきたいと思います。
(問)昨日、各国と連携を取りたいと話されていましたが、実際に今どのような状況なのでしょうか。
(外務大臣)関係国と、かなり周辺の国も含めまして、連携のお願いをしていまして情報収集等々のご依頼をしています。連絡を取り合っていくということです。それからもちろん、CPAが一義的にはイラク国内の犯罪事件に対しては、捜査の責任を持っているところですので、CPAにもお願いをしているということです。
(問)今後、外務省の方針なり動きというのはどういう形になるのでしょうか。
(外務大臣)逢沢副大臣が(午後)1時に成田を発たれて、アンマンに行きます。外務省としてといいますか、政府全体として連携をして協力をし合って、一丸となって取り組んでいくということで、人質の救出に全力を尽くすということでございます。
(問)現時点で、情報収集とおっしゃいましたけれども、そうした米軍等関係国には救出の支援というのも要請しているのでしょうか。
(外務大臣)基本的に、まだ居場所等々について情報を得る必要がありますので、そういったことも含めてお願いをしているということです。
(問)米国と情報交換のようなことはされてますか。
(外務大臣)米国も含めて関係国とはいろいろ連絡をしています。多くの国と連携をしています。
(問)犯人グループの像と言いますか、どんなグループかというのは何となく見えてきたのでしょうか。
(外務大臣)情報はございません。今の時点では持っていません。
(問)ご家族が外務大臣に会いたいということで、こちらへ向かっておられるようですけれども、ご家族に対しては会って何かお声をかけるとかそういった予定はございますか。
(外務大臣)ご家族の方々は本当にご心痛であると思います。お察しを申し上げております。外務省としては、どういう段取りになるかはわかりませんけれども、しかるべく対応をさせていただきたいと思います。ご家族のお気持ちは本当に辛いものがおありになると思っております。
(問)しかるべくというのは、大臣ご本人がお会いになってということでしょうか。
(外務大臣)いろいろとその時の状況状況がございますので、今の時点では誰がどうするかということは申し上げられません。
(問)ご家族が現地に行かれるということも考えられるのでしょうか。
(外務大臣)いろいろとご相談をするということだろうと思います。
目次へ戻る
外務大臣会見記録 (平成16年4月8日(木)23:18~ 於:会見室)
(外務大臣)官房長官が記者会見で申し上げましたとおり、本日夕刻、イラクにおいて3人の邦人の方が人質となったことを示す映像が存在するとの情報が外務省に入りました。アルジャジーラが入手した映像に映る日本人は、イマイ・ノリアキさん、コオリヤマ・ソウイチロウさん、タカトウ・ナホコさんの3人である模様です。また3人を拘束したグループは、サラヤ・アル・ムジャハディンと名乗っている模様です。外務省といたしましても、第一報を受けて、18時30分に対策本部を立ち上げました。関係在外公館と連絡を取り情報収集に努めると共に、ご家族と連絡を取りました。民間人が人質に取られているということが事実であるとすれば、許し難いことであり、直ちに解放されるように、全力を挙げて取り組む所存です。このため、ヨルダンにおいて指揮をとるために、逢沢副大臣が明日、成田空港をたって、現地に向かう予定でございます。今回の事件発生を受けて、再発防止のために、イラクに滞在をしているプレス関係者を含む邦人に対しては、イラクに退避勧告が出されていることにつき再度注意を促させて頂きます。可能な限り早急にイラク国外に退避するよう改めて強く勧告申し上げます。 我が国は、イラク人への統治権限の移譲を円滑に推進させるためにも、今こそ国際社会がイラクに対する支援を強化することが重要であるとの認識に立ちまして、国際社会の責任ある一員として、イラクの復興支援を進めてまいりました。このような我が国の努力にもかかわらず、今回の事件が発生をしたことは、極めて遺憾であります。
(問)総理に一報を伝えたのは何時ですか。
(外務大臣)6時45分くらいだと思います。
(問)拘束された3人の居所は把握されているのですか。
(外務大臣)わかりません。
(問)犯人グループと連絡はつきそうですか。
(外務大臣)ついていません。
(問)どのように連絡をとる考えですか。
(外務大臣)先方からは連絡は全くございませんし、今の段階ではわかりません。
(問)在外公館との連絡では何か新しい情報は。
(外務大臣)ございません。
(問)日本のご家族とは連絡はついて身元は確認されたのですか。
(外務大臣)この拘束された人たちが本当にそうであるか、まだ最終的に確認をしている最中でして、その3人が全くその方達であるかどうか、そういう風には見えますけれども最終的に断定をするということは難しい。
(問)逢沢副大臣のイラク入り後の予定を教えて下さい。
(外務大臣)飛行機が今ウェイティングになっていまして変更の可能性はありますけれども今のところ午後1時発です。それよりも早い便が可能であれば早く発って頂くということになります。
(問)現地入り後の具体的な予定はありますか。
(外務大臣)今のところ何か具体的に決まっているということではございません。
(問)サラヤ・アル・ムジャハデヒンというのはどういう勢力か把握されてますでしょうか。
(外務大臣)これは、こういう団体であるというような情報はございません。
(問)3人の家族は今どこにおられて現地に行かれるという予定はあるんでしょうか。
(外務大臣)いろいろなことはご家族とこれから連絡をしていきたいと思います。
(問)3人はどこに拘束されたかというそういう情報は。
(外務大臣)全く情報がありません。いろいろな情報はありますけれどもどうであるという確定はできないということです。
(問)第一報が入ったのはいつ。
(外務大臣)6時20分だったと思います。
(問)外務省に。
(外務大臣)そうです。
(問)犯人グループは自衛隊の3日以内の撤退を要求していますけれども、その辺についてはどのように受け止められているか、また、不測の事態が起きたときの対応については大臣どうお考えですか。
(外務大臣)それは先程官房長官が記者会見でおっしゃたそのままです。
(問)逢沢副大臣のミッションとして犯人グループとの交渉は選択肢としてあるんでしょうか。
(外務大臣)いろいろな、どのような事態の展開があるかわかりませんので、現地でできるだけのことをやって頂く。
(問)第一報はアルジャジーラ経由の電話ということでよろしいですか。
(外務大臣)そうです。
(問)アルジャジーラテレビには、どういうルートでこの映像が入ってきたということも確認されてる訳ですか。
(外務大臣)それはよくわかりません。
(問)アルジャジーラからの電話はどこにあったんですか。
(外務大臣)外務省にございました。
(問)日本の外務省に。
(外務大臣)そうです。
(問)逢沢副大臣はヨルダンからイラクに入られるんですか。
(外務大臣)いえ、ヨルダンに行きます。ヨルダンのアンマンの大使館に行きます。
(問)外務省としては例のビデオテープ入手されているんですか。
(外務大臣)まだ入手しておりません。
(問)してないということですか。
(外務大臣)恐らくしていないと思います。
(問)アメリカ政府とは電話で連絡をされるとか、話し合いは。
(外務大臣)関係国とはいろいろとご連絡をさせて頂いております。
(問)イラク国内で外務省が把握している邦人数は今何人くらいでしょうか。
(外務大臣)それは後からご連絡させて頂きたいと思います。
目次へ戻る
外務大臣会見記録 (平成16年4月6日(火)09:35~ 於:院内控室)
閣議
(外務大臣)閣議では中国出張の御報告をいたしました。
目次へ戻る
イラク情勢
(問)イラク情勢が相当荒れていますがどのようにご覧になっていますか。
(外務大臣)また一段と激しさが増してきたという気がしますけども、シーア派全部が反対をしている、あのような動きに同調しているということでは無いと思います。シスタニ師は冷静にするようにと言っており、それがシーア派全部を巻き込んだ動きになるのかは未だ分りません。あのグループは中でも一番過激と言ってもいいと思うのですが、そういうグループですから、そういう人達が現在騒いでいる状況にあるということだと思います。これからの情勢については、今6月30日に向けて各派が自分の意見を主張している中で、そういう一環として表れているということですから十分に注意をしていく必要があると思います。
(問)イラクの話で、サドル師に対するに逮捕状が出ていますが、大臣はこれはやむを得ないとお考えですか。
(外務大臣)やむを得ないかどうか、サドル師が逮捕状を受けている嫌疑についての実態を私共は把握できないものですから、それについてコメントをするということではないと思います。
目次へ戻る
北朝鮮
(問)北朝鮮について、昨日平沢勝栄議員が安倍幹事長と会った際に日朝の実務者協議が近く開かれるのではないかとおっしゃっていますが、実務者協議という言葉を我々が使う場合局長級より事務的なレベル、つまり審議官のレベルということが浮かぶんですが政府としてもそのような協議があり得るとお考えでしょうか。
(外務大臣)あり得ると思います。いろいろ詰めていくということは必要ですから、そういったレベルで話し合うというのは十分あり得ると思います。
(問)平沢議員は実務者協議の実施メドについて、政府側の方から申し入れをすればすぐに実施されるのではないかと言っていますが、政府としてそれを受けて改めて申し入れる予定はあるのでしょうか。
(外務大臣)改めて申し入れるまでもなく、何回も督促をしているわけですから、然るべき筋で回答があって然るべきだろうと考えます。もちろん引続き督促はしていきます。
(問)
【問】中国で李肇星外相の方から金正日さんとお会いした時のことについて説明を受けたかと思いますが、大臣が受けた印象をお聞かせください。
(外務大臣)六者会合或いは作業部会を動かしていくことについては基本的に六者間での合意があると思っています。それはこの前の紙にはなりませんでしたが議長も、そうおっしゃったわけですので、基本的な合意はあるということです。但し、時期をいつにするかとか、作業部会をどのように進めるかということについて、はっきり今確定的なことが言えるわけでは無いということです。
(問)日朝の実務者の協議というのは六者協議でも作業部会というのがありますが、これと別のものとしてやるということですか。
(外務大臣)オプションの一つとしてあるでしょうと申し上げているだけであって、今度やるのはそれだと申し上げているわけではありません。解決に資する事であれば、我が国としてはそれはもちろんやる用意があるということです。
(問)北朝鮮の万景峰号を想定した、船舶入港禁止法案が今日提出される予定ですが、改めてその効果についてどのようにお考えになりますか。
(外務大臣)以前から申し上げておりますように、政府の方針というのは対話と圧力ということです。それで、現在対話をしている過程にあるということでして、平和的に問題を解決しましょうと動いていることは大事にしていこうということだと思います。対話と圧力ですから、状況を見ながら、北朝鮮が例えば事態を悪化させるようなことがあれば、その状況を見ながら政府として適切に対応していくということです。この入港禁止法案というのはそういう意味ではツールであるということです。但し、通ったわけではありません、通す議論をしていただいていますので、政府としてはそれにコメントを申し上げる段階ではないと思います。
(問)北朝鮮側は経済制裁法案だと反発しています。先日の山崎さんの訪朝の際にも入港禁止法案に反発していたようですが、その中での法案提出ということですが。
(外務大臣)これは、国会の方で御判断なされる話ですから、政府として申し上げる話ではないと思います。北朝鮮はこれをかなり重視をしているという印象は私共も持っております。
目次へ戻る
福田官房長官の在任期間歴代1位について
(問)福田官房長官が本日で在任期間が歴代一位になったということですが、大臣としてはどのようにお考えですか。
(外務大臣)本当に素晴らしい仕事をしてこられたと思います。官房長官というのはいろんな事をなさらなければいけないわけでして、全体の流れが官邸、内閣強化という動きもあり、そういう事をきちんとやってらっしゃる、とても立派な官房長官だということに尽きると思います。
目次へ戻る
外務大臣会見記録 (平成16年4月2日(金)9:15~ 於:会見室)
チェイニー米副大統領の訪日
(外務大臣)チェイニー副大統領及び令夫人が公式実務訪問客として今月の10日から13日まで来日されます。滞在中に両陛下の御引見、小泉総理との会談等が予定されています。150周年の機会ということでもあり、これにより更に両国の親善が深まること、友好関係が強化されることになると思います。
目次へ戻る
日中関係(川口大臣の訪中、尖閣諸島、大陸棚、円借款供与式典)
(外務大臣)私はこの週末の土曜と日曜に中国に参ります。中国で温家宝総理、李肇星外交部長、唐家セン国務委員と会談致します。李肇星外交部長との間では会談の後、夕食会も予定されています。この訪問については、日中間の問題についてきちんと日本の立場、考え方を伝えていくと同時に、日中、それぞれ重要な二国間関係と考えているわけですから、そういった観点からの話をします。非常に重要な時期でもありますので、中国の指導部との間できちんと意見交換していきたい、緊密に意見交換したいと考えています。
(問)1978年、中国のトウ小平さんが来日した際に、尖閣諸島の問題について、我々の世代は知恵が足りないので子孫世代に委ねましょうと言いましたが、川口外相はトウ小平さんの発言に賛成するかどうか教えて頂きたいのですが。また、日本政府は2009年に大陸棚を国連に申請するために、今、周辺の海域の大陸棚を調査しています。この調査の範囲は尖閣諸島の海域を含めていますか。
(外務大臣)我が国の基本的な立場は、御存じのように、尖閣諸島は歴史的にも国際法上も我が国の固有の領土であるということです。そういった立場に基づいて、そういうことをきちんと伝えていくということです。大陸棚の調査については、今、我が国の権利に基づいて調査をしていますが、私は調査の具体的なことについて細かく知っているわけではありません。いずれにしても我が国の立場は、尖閣諸島は我が国の領土であるという考え方です。
(問)大陸棚の調査船の協議が中国側の都合で打ち切られ、行われないということと、ODAの書簡交換ですが、中国側の都合で中止になっているということに対してどのように受け止めているのか、遺憾であるとかということなのか、お聞かせください。
(外務大臣)海洋調査船の話ですが、東シナ海では最近の違反はゼロという状況で、枠組が守られてきていると思います。その他の海域で問題があり、これについては再三、中国に申し入れをしてきています。私自身も行いましたし、きちんとした形で事務ベースで話をすることが重要だと思っています。日本としては出来るだけ早く行いたいと考えています。円借款の署名式ですが、署名式の日取りについて、先方の時間の都合が悪いという話があり、年度末までにということもありましたので、署名式という形を取らないで交換したと聞いています。いずれにしても中国との間でいろいろと二国間の問題があることについては、日中間の関係というのは重要な関係ですから、そういった問題は率直に話し合っていくことが大事だと思っていますし、それを今回訪問した時に行いたいと思います。中国に対する円借款の供与について中国は非常に感謝をしているといろいろな場で言ってきています。日本としても中国への円借款は対中国経済協力計画に則って案件、案件を審査し、双方に利益があるようなもの、今回の場合には6割弱が環境案件で、残りが人材育成案件とうことで、日本の地方公共団体が中国との間で行っているそういう取り組みも含むような形になって行っています。中国が開かれた社会になることが大事ですので、中国への支援は日本としても大事な支援であると思います。問題はとにかく率直に話し合うことだが大事だと思っています。
目次へ戻る
日米韓局長級会合
(外務大臣)日米韓局長級会合が7日から8日、サンフランシスコで行われます。第3回六者会合に向けた段取り、意見交換を行います。メンバーはいつものメンバーで、ケリー国務次官補、李秀赫外交通商部次官補が出席します。こちらからは藪中局長が出席します。
目次へ戻る
北朝鮮問題(山崎前副総裁と平沢議員の訪中)
(問)自民党の山崎前副総裁と平沢議員が中国を訪問して、北朝鮮政府関係者と接触したということですが、事実関係について外務省はどういうことを把握していらっしゃいますか。
(外務大臣)報道は承知していますが、事実関係については外務省に連絡があったわけではありません。
(問)今、政府として日朝のこの問題について政府間で話しを進めていくとなっていると思いますが、こういった政党の関係者の方がそういう行動、話し合いをするということについてはどういう評価をしていますか。
(外務大臣)政府間の協議、拉致の問題、家族の帰国等、事実関係の解明を日本政府はずっと求めているわけですが、その協議の場というのは政府間でしかあり得ないと思います。政府間で行っていかなければ話は前に進んでいきません。
(問)確認ですが、平沢さんは総務省の政務官なのですが、政府の立場に立っていらっしゃるのですが、今回の訪問に当たって、外務省に対して何らかの連絡は一切なかったということでしょうか。
(外務大臣)連絡はないです。
(問)政府レベルでの政府間協議への影響というのはどう見ていらっしゃいますか。
(外務大臣)政府間協議をこの前行いました時、先方も引き続き話し合っていきましょうということでしたので、今まだ、次いつ行うかということについて、日程は督促しているということです。先方としても政府間の協議をやらないという立場をとっているわけではないので、影響はないと思います。日程を決めることが次のステップの話です。
目次へ戻る
日米刑事裁判手続き
(問)日米地位協定の関係の刑事手続きの協議ですが、今日、合同委員会を終える見通しという報道がありますが、この辺はどうですか。
(外務大臣)先週も話をしたわけで、だいぶ実り豊かな会議であったと申し上げていますが、だいぶ話し合いは深まって、煮詰まってきています。近い将来、この会合は行われることになっていますが、今まで合同委員会をいつ行うということを事前に申し上げないということであるようで、従って今回も申し上げませんが、近い将来、話し合いは早期に行われると思います。
(問)今の日米合同委員会の件については良い方向にあり、決着するという見方でよろしいですか。
(外務大臣)地位協定については、日本も米国も出来るだけ早く解決したいという考えできたわけです。だいぶ話し合いも煮詰まってきているわけで、良い結果が早期に生まれることを当然期待しています。話し合いの内容自体についてはまだ合意に達したということではありませんので、出来るだけ早期にと思っています。
目次へ戻る
|