外務大臣会見記録 (平成16年3月30日(火)9:38~ 於:院内大臣室前(ぶら下がり))
閣議(ODA白書)
(外務大臣)今朝の閣議でODA白書についてご了承をいただきました。ODA白書では、ODA大綱が昨年8月に改定されまして、それについてかなり記述がされてます。また、外務省改革の一環として行ったシニア・ボランティア制度やいろいろな取り組みとか、そういったこともいろいろと書いてあります、ということを話しました。
目次へ戻る
閣僚懇
(問)閣僚懇の話はありましたか。
(外務大臣)閣僚懇では、タウン・ミーティングの話がありました。あとは、いずれにしても官房長官がおっしゃると思います。
目次へ戻る
FTA関係閣僚会議
(問)今日はFTA協議の関係では大臣からどんなことをお話されましたか。
(外務大臣)私の方からは現状の説明ということでメキシコが大筋合意になって、現在つめているということと、東南アジアについて、それぞれ1、2回会合を行って、今後、案文の交換などを行っていきます、という話。そして、今後東アジアの諸国との間で行っていくにあたりいくつか留意していくことを申し上げました。例えば、その質の高さとか、相手方に対して取り組みをする内容の重要性、今後の貿易発展あるいは経済発展といったことについて、きちんと認識してもらうことの重要性等について説明をすること。これは藤崎外務審議官が今、政府代表という形で各省庁から参加を頂いてやっておりますので、政府一体となって今後やっていくということ等、の問題も様々ありますから関係閣僚のご協力をお願いしたい、そのようなことを申し上げました。
目次へ戻る
中国円借款
(問)ODAの関係で、中国向けの円借款が1千億円とインドと逆転することになりますが、そのことについてはどうですか。
(外務大臣)中国向けについては、中期経済協力計画というのをつくりまして、それに基づいて行っています。主として内陸部の人材育成案件とか、環境案件等を中心に行っているということです。そういう形で案件を積み上げた結果として、そういう数字になったということです。我が国として中国は重要な二国間関係を持つ国の一つでありますし、引き続き、まだまだ経済発展段階としては厳しい状況にあります。2億人位の人間が1日1ドル以下位の絶対貧困のレベル以下で暮らしているということですので、その中国が開かれた形で発展していくということが、我が国の繁栄にも資するという観点を踏まえるということが必要であると思います。
目次へ戻る
日朝関係
(問)日朝なんですが、北京の会合から1ヶ月が経ちますが現状と今後の取り組みについて。
(外務大臣)現状について、日朝間でいつ会合を行うという日程について、今、具体的に話が決まっているということではありません。これは引き続き求めていくということです。
目次へ戻る
外務大臣会見記録 (平成16年3月26日(金)09:35~ 於:院内大臣室前)
閣議
(外務大臣)私の方からは、閣議で経済協力のイラク向けの案件につきまして発言しました。合計5件で、うち4案件が直接イラクに二国間で出すものでして、内容は13病院のリハビリ、浄水器の供与、変電用施設の供与、もう一つは消防車の供与、それに加えて国連開発計画(UNDP)の行う雇用事業に対して資金を供与しようというものでして、合計しまして235億円の決定しました。これは、無償(資金協力)です。
目次へ戻る
閣僚懇談
(問)閣僚懇談では、どのような話がでましたか。
(外務大臣)イラクです。
(問)イラクだけですか。
(外務大臣)これは官房長官がおっしゃると思いますけれども、尖閣(諸島)があります。私はとくに発言していません。
目次へ戻る
尖閣諸島への中国人の上陸
(問)いろいろと日本大使館前で日の丸が焼かれるとか、そういった行動が出ていますがそれについてどのようにお考えですか。
(外務大臣)日の丸が焼かれるというのは非常に遺憾だと思っています。その旨、中国政府には抗議をしているということです。
(問)中国政府のこれまでの一連の対応をどうご覧になっていますか。
(外務大臣)中国は中国の立場があるわけでして、日本と正反対の立場にあるわけですから、中国としてその考え方に従って抗議をしていると思う。わが国はわが国の立場があるわけですから、わが国としてきちんと抗議をしているということです。これは、両国の国民の感情を煽るというようなことはやってはいけないと思う。毅然として粛々と国内法に従って対応するということであります。
(問)来月、北京に訪問される予定かと思うのですが、こういった問題についてはどのように取り上げるお考えか。
(外務大臣)日中間、いろいろ話をすることはあるわけですけれども、そういった中でこれをどのように取り上げていくかについては、少し今後の推移を見て考えるということだと思います。今の時点でこうするということを決めているわけではありませんけれども、いずれにしても、わが国の立場はきちんと伝えていくということに変わりはないわけです。
(問)逮捕された7人の扱いなんですが、今後どうなるのでしょう。
(外務大臣)これはまさに警察当局の考えていることですから、外務省として何か申し上げるという段階ではないと思います。
(問)身柄を強制退去させるに当たっては、中国側の同意があることが必要ということはないのでしょうか。
(外務大臣)どういうような展開になるかについては、今我々が承知をしているわけでありませんから、それについてはコメントできないということです。もちろん、外務省として、何かするということがあれば当然それはしていくということです。
(問)国旗が焼かれた関係ですが、中国側の官憲は、そういった行為を制止していないということについては、大臣はどういうふうにお感じになっていますか。
(外務大臣)国旗を焼くということは本当にやってはいけない行為ですね。ですから、それは、毅然として抗議をしたというこであって、遺憾であるということを言っています。私自身は、官憲のそのときの状況については、きちんと把握していません。そういうことがもし本当にあったとしたら、それは問題であると思いますが、今この時点でそういう前提で申し上げるということは控えたいと思います。
(問)もしそういうことが確認されれば抗議を改めてすると、そういうことを含めて抗議をするということですね。
(外務大臣)もしそういうことが確認されれば、そういうことだと思います。
(問)現在、阿南在中国大使が日本に来られていますが、帰任次第、李肇星外相にそういった抗議を申し入れるということですか。
(外務大臣)いろいろな展開を毎日見ながら適切に毅然として対応していくということです。
目次へ戻る
チェイニー米副大統領の来日
(問)チェイニー副大統領の来日日程が11日からと、これはそう決まったのでしょうか。
(外務大臣)いろいろ調整をしています。
目次へ戻る
六者会合・日朝政府間協議
(問)六カ国協議から1カ月経ちますが、日朝の交渉再開の目途についてお聞かせ下さい。
(外務大臣)これは、今の段階でこのくらいにやりましょうと決まっているというわけではないということです。引き続き、わが国としては、然るべく回答をもらえるように、向こうはそうすると言っているわけですから、働きかけをいろいろな形で行っているということです。
目次へ戻る
外務大臣会見記録 (平成16年3月23日(火)8:46~ 於:院内(ぶら下がり))
閣議
(外務大臣)今日の閣議で、スペインの列車の爆破事件の国葬が24日に行われるのですけれども、その国葬に、森前総理を特派大使として派遣するということが決定されました。
目次へ戻る
イスラエル軍によるハマス創始者殺害
(問)イスラエル軍がハマスのヤシン師を殺害して以来、双方の間で全面衝突の懸念が高まっていて、国際社会の中でも、イスラエルの行動を非難するような国も出ていますけれども、この問題についての日本の立場と、どのような働きかけを行う考えがおありですか。
(外務大臣)昨日の段階で、この事件については、国としての懸念を表明する談話を出させて頂いています。これは、暴力ということは、許してはいけないということだと思います。双方に自制を強く求めるという形の談話を出させて頂きましたし、引き続きこれについては懸念をもって注視をしていきたいと思います。情況を見て、必要があれば、さらに申し入れるなり、いろいろなことを考えています。今日は、局長が在京イスラエル大使に申し入れをすると思います。
目次へ戻る
中国外相の北朝鮮訪問
(問)北朝鮮の関連ですけれども、中国の外相が今日から北朝鮮に入りますけれども、この北朝鮮への訪問について何を期待し、また、今後作業部会等の見通しをどのように考えていますか。
(外務大臣)中朝の二国間の話ですから、いろいろなお話がおありになると思いますので、特に我が国として何か申し上げるということではないと思いますけれども、もちろん我が国としては、作業部会等について今、外交チャネルで話し合いが進んでいますので、そういった一環として、話が前に進むような動きにつながっていけばいいというふうに思っています。作業部会の日程その他については引き続き、外交チャネルで話をしています。
目次へ戻る
米国の大中東構想への支持要請
(問)アメリカの打ち出している大中東構想関係の一部報道で、日本に支持の要請がきている、それは資金面での支持を念頭においているとありますが、このあたり事実関係はどうですか。
(外務大臣)まだいろいろなことをお互いに議論していて、今、まさに調整をしているということだと思います。何か、具体的な形でかちっと決まっているということではないと思います。中東地域の平和・安定が大事だということは国際社会が皆思っているわけであり、そういう観点で、いろいろお考えがあるということだと思います。もちろん、我が国としても、中東地域の平和・安定や今後の復興は、皆大事なことだと思っています。
目次へ戻る
外務大臣会見記録 (平成16年3月19日(金)9:25~ 於:院内控室)
閣議
(外務大臣)今朝の閣議で総額43億6千万円の緊急無償援助を実施することを発言しました。これはいくつか分かれてまして、一つはアフガニスタンの復興支援で、選挙の応援ですとかいくつかあります。二つ目にアジアの鳥インフルエンザへの支援、これは防疫対策です。三つ目にイランのバムであった地震についての被災者の支援。四つ目にリベリアの児童兵のDDRR(武装解除、動員解除、リハビリ、社会復帰)に対する支援。四つ合わせまして43億6千万円ということです。
目次へ戻る
サマーワ総合病院に対する無償資金協力
(外務大臣)サマーワの総合病院に対して緊急医療品の供与をします。草の根・人間の安全保障無償によりまして、注射器ですとかエックス線のフィルムですとか、そういった医療関係の消耗品を支援をしまして、総額が77万8千ドルであります。これは4月上旬以降、順次、自衛隊のC130輸送機を使いましてクウェートから空輸する予定です。ご存知のようにサマーワの総合病院は、かつて日本が円借款で医療器材等を整備した病院です。
目次へ戻る
大臣の中国訪問
(外務大臣)4月3日、4日、国会の許可が得られれば訪中したいと考えています。李肇星(リチョウセイ)部長を始めとして何人かの方にお会いするということを考えています。
(問)李肇星(リチョウセイ)部長とは何日にお会いになって、どういったテーマを中心にされる予定ですか。
(外務大臣)まだ日程を確定中ですが、おそらく最初の日にお会いすることになると思います。テーマはたくさんありまして、日中二国間の問題もありますし、世界での、もっと広い舞台でのいろいろな課題について話をしたいと思います。北朝鮮もありますし、イラクの問題もありますし、様々です。前に会ってお話をした時に、共通の利益を拡大していきましょうということでお話をして、そういった基本的な考え方に則って会談をしたいと思っています。
目次へ戻る
ムーサ・アラブ連盟事務総長の来日
(外務大臣)ムーサ・アラブ連盟事務総長を外務省賓客としてご招待しておりまして、4月4日から7日に来日をされます。御滞在中、国連大学で4月6日に「日本・アラブ・フレンドシップ・デー」が、外務省、在京アラブ外交団、国連大学の共催で開かれますが、それにご出席になられるということです。
目次へ戻る
イラク戦争開戦一年
(問)明日でイラク戦争から一年なんですけれども、この間振り返られて、開戦を含めてアメリカのとった行動、それを支持した日本の行動、その後テロがまだやまないわけですけれども、その現状と今後日本が取っていくべきことはどういうことだとお考えですか。
(外務大臣)一年経って、イラクの政治プロセスが基本法ができて、今後先に向かって進んで行くという形になっている状況であることは、それなりの展望が開けてきているという感じがします。国際的に見ますとその間にリビアですとかイランですとか、大量破壊兵器の廃棄に向けての前向きな動きが国際社会で見られていて、こういったことを評価をしたいと思います。先ほど申しましたように、各国が協調して復興に携わっている、それから基本的な政治プロセスについての枠組みが、そのベースができたということですけれども、治安の維持はまだまだ課題であると思います。わが国はそういった中でやはり、国際社会が協調してイラクの復興を、車の両輪、人の支援と経済協力、これでしていくことが、今後引き続き果たさなければいけない役割だと思っています。大量破壊兵器の問題、それから先ほどおっしゃった、支持をしたということについては、今までの経緯に鑑みて正しい判断をしたと思っています。
(問)テロとの戦いということについてですが、一年経って、今の状況というのはどうお考えですか。
(外務大臣)先ほど申しましたように、大量破壊兵器の廃棄に向けて他の国の前向きな動きが今あるわけでして、長期的に考えた時に、今はその過程にある一つの時点であるということです。大量破壊兵器の拡散とかテロの問題とかそういうことについて前向きな動きの過程にあると思っています。まだまだテロについては国際社会が一致して取り組んでいくことが引き続き大事な課題であり、今、イラクに関与しないような状況というのはあり得ないわけで、今が非常に大事な時だと思っています。
目次へ戻る
アルカイダ幹部についての情報
(問)パキスタン軍がアルカイダの幹部を追いつめたという話が出回っていますが、この情報についてはいかがでしょうか。
(外務大臣)報道は知っていますけれども、事実関係については確認中です。
目次へ戻る
日朝政府間協議
(問)日朝政府間協議について新しい動きはありますか。
(外務大臣)いろいろ努力はしていますけれども、今の時点でいつやりましょうということが決まっているわけではないということです。引き続き努力をしていくということです。
目次へ戻る
外務大臣会見記録 (平成16年3月16日(火)9:05~ :於会見室)
閣議
(外務大臣)今日の閣議では特に私からの発言はありません。
閣議で決定したことで、20件の世界食糧計画(WFP)経由の食糧援助があります。その中にハイチに対する緊急食糧援助が含まれていますので、特に御紹介をしたいと思います。ハイチが御案内のような状況にありますので、国連のフラッシュ・アピールに応えて、3億円の食糧援助を人道支援として決定しました。
目次へ戻る
スペイン次期首相の発言
(問)スペインの次期首相が国際情勢に変化がない限り、現在イラクに展開している軍を6月末までに引き上げるという考えを提言しています。これについてはどういうふうに見ていらっしゃいますか。
(外務大臣)6月30日までに現状に変化がなければ、全ての関係国に連絡をした上で引き上げると述べられたということを報道で聞いています。実際にどのように考えているのかはこれからきちんと見ていかなければいけないと思っています。テロ対策が大事だとも述べており、テロ対策を行っていく必要があるという認識では我々も共通しているわけですから、具体的にそれがどういう政策になっていくかを見ていきたいと思います。我が国の立場は、主体的にイラクの人道復興支援が必要だということで言っているわけですから、これが変わるということでは何らありません。今朝、テレビを見ていましたら、世界的なマスメディアが実施したイラク人に対する世論調査の中で、復興支援に貢献して欲しい国ということで日本が米国と並んでトップに上がっていたそうですから、イラク人の期待も強いものがあると思っています。
目次へ戻る
日朝政府間交渉
(問)日朝政府間交渉ですが、昨日、北京の大使館を通じて早期開催を督促というか要請をしたという報道がありますが、この辺の事実関係はどうですか。
(外務大臣)督促をしています。
(問)昨日ですか。
(外務大臣)いろいろな状況で督促をしています。在北京大使館ルートというのはその通りです。
(問)先方からの返答は。
(外務大臣)まだありません。
(問)督促したのは先週ではないですか。
(外務大臣)いろいろな時にいろいろ行っているということです。
(問)その関連で、拉致被害者の行方不明、死亡と伝えられた方に対する合同調査委員会で、中山官房参与が日本記者クラブでの会見で慎重な意見を表明されたのですが、これについては政府部内で調整を行った上で先方に提案したものなのでしょうか。
(外務大臣)これはアイデアとして話をしたということです。いろいろな話をする中でアイデアとして申し上げたということですが、部内の調整ということで言えば、外務省、あるいは言及した人たちが個人のアイデアを振ろうとしたということではないと御理解頂いていいかと思います。
(問)正式な提案ではないということですか。
(外務大臣)そうです。いろいろなことを前に進めるために建設的に知恵を出し合うという過程が、交渉や話し合いの中では大事なわけですから、そういうことを行って前に動かす努力をしているということです。
目次へ戻る
台湾
(問)3月20日、間もなく台湾の選挙が行われますので、その時、住民投票も行われますが、日本政府はこれに対してどういう立場ですか。反対ですか、賛成ですか。
(外務大臣)我々の立場というのは、先般、台湾にも申し入れを行っていますが、台湾海峡及びこの地域の平和と安定は非常に重要であると考えていますので、台湾に対して緊張を高めるようなことではなく、慎重、冷静に対応して欲しいと言っているわけです。中国に対しても同じことを言っていまして、先般の日曜日に私は戴秉国副部長とお会いしましたが、その時にも平和的な話し合いによる解決、話し合いの早期の再開、日本として台湾の独立を支持しない、日中共同声明に則ってこの問題を考えていく、従って「2つの中国」とか、「1つの中国1つの台湾」という立場を日本はとっていないわけです。中国に対して武力行使をするべきではないということも言っています。
目次へ戻る
外務大臣会見記録 (平成16年3月12日(金)23:10~ 於:本省中央玄関(ぶら下がり))
日墨FTA閣僚級テレビ電話会議
(外務大臣)今テレビ会談を致しまして、カナレス経済大臣とウサビアナ農牧大臣との間で日墨の協定の大筋の合意ができたという確認を致しました。また、その時に小泉総理からフォックス大統領宛に、「出来てうれしい。新によい関係の強化をしていきたい。」というメッセージがありましたので、それもお伝え致しました。考えてみますと去年の秋に徹夜をして閣僚レベルで会合をやって、色々な努力を日本もメキシコも重ねて今日大筋について合意が出来たということでして大変にうれしく思ってます。これが日本とメキシコの関係で新しい局面に入るということを意味していると思いますし、今日本がアジアとの中で一緒にやっている経済連携協定の動きについて、さらに加速がついたという意味で、うれしく思っています。これから更に協定の文書について事務レベルで詰めを行って、その後に署名ということになります。色々とありがとうございました。
(問)あらためてこの1年4ヶ月を振り返りましてご感想をお聞かせ下さい。
(外務大臣)協定を結んでいくということについて、お互いの国の事情を十分に理解をするということが、長い1年以上の交渉の期間でしたので、その期間を通じてそういう関係ができたということが、今日につながったと思っています。そして、亀井大臣、中川大臣にそれぞれのご所感のことについて大変にご苦労頂いて、これが可能になったということを外務大臣として大変にありがたく思っております。ありがとうございます。
(問)これからアジアの各国との交渉が本格化するわけですが、メキシコとの交渉の経験を踏まえて課題というべきものは何でしょうか。
(外務大臣)メキシコとの交渉との期間を通じて、日本もかなり多くのことを学習することが出来たというふうに思います。それは今行っているアジアの国々との交渉において必ずや生きてくると思ってます。日本として学んだことということは、お互いの国にお互いの事情があるわけで、それを踏まえて、相手の立場にも立って、質の高い、レベルの高い、両方にとって利益がある、そういったことを一緒に作っていきましょうという意志を持つ、そういうことだろうと思います。
(問)農業分野と鉱工業分野のバランスというのはどのように評価なさいますか。
(外務大臣)それぞれ得たいもの、守りたいこと、利害、関心事が錯綜するということですけれども、ここで出来た交渉の成果というのは、そういう意味で両方に利益になるという形になったと思います。
(問)これからの調印と発効の見通しについてはどうですか。
(外務大臣)協定の文書を事務的にきちんと詰めて確定するということに暫く時間がかかると思っています。その後署名ですが、署名をいつ頃どこでやるかということについては、今後相談をメキシコ側と一緒にしていきますので、今決まっているわけではありませんけれども、出来るだけ文書を早く確定させた上で、出来るだけ早く署名をしたいと考えております。発効はいつ署名が出来るか、そしていつ国会で批准することが出来、メキシコがいつ批准することが出来るかといったことによってくるかと思います。
目次へ戻る
外務大臣会見記録 (平成16年3月12日(金)08:40~於:院内大臣室前)
日・メキシコ電話会談
(問)メキシコとの電話会談はセットされたでしょうか。
(外務大臣)今日ということで時間の調整中です。
目次へ戻る
サマワでの日本人大学生一時拘束について
(問)昨日日本の大学生2人がサマワで一時身柄を拘束されて、真夜中に貼り出しなども出て我々も混乱したのですが、あらためてサマワへの旅行に対する外務省の立場をお願いします。
(外務大臣)これは退避勧告が出ているところなので、旅行をするような目的で行くところではないと考えています。今、サマワ市民の方は見慣れない人を見たら警察に通報するというような体制で、警察の指導も行われているようですので、旅行という目的でサマワを訪れるということはやめていただきたいというのが外務省としての考え方、お願いであります。
目次へ戻る
ロシア大統領選挙
(問)14日にロシアの大統領選挙があるわけですけれども、今のところプーチン大統領の圧倒的な優位での再選が確実視されていますが、平和条約交渉を前に進めたい日本にとって、プーチン大統領の再選と二期目のプーチン政権というのは、どういう意味を持ちますか。
(外務大臣)よその国の選挙ですので、誰が勝つというようなことについてのコメントは控えたいと思いますが、いずれにしても日本の領土問題については、四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結をするという基本的な立場はずっと堅持してきているわけです。それにのっとって、そして日露行動計画もありますので、日露行動計画を進めながら日露間に肯定的な雰囲気、環境を作りながらやっていきたいと思っています。これから数年間、日本が領土問題について日露間で話し合いを前に進めていく非常に重要な時期だと思っています。
目次へ戻る
マドリッドでのテロ事件
(問)昨日マドリッドで大規模な地下鉄のテロがあったわけですけれども、これに対するコメントと、犯行グループに対する見方を教えてください。
(外務大臣)190人くらいの方が亡くなられたということで、まず心からお悔やみを申し上げたいと思います。こういった無辜の人たちに対してのテロ行為というのは断固として許されるべきではない、非常に問題がある、遺憾な、残念なことだと思っております。国際社会が一致して、こういうことはやめさせなければいけないと思っています。事実関係について、今スペイン政府で調査をしていると聞いてますので、これを注視していきたいと考えていますけれども、バスクの民族解放戦線という説とアラブ系のテロリストグループという説と両方あるようで、これについての調査を注視していきたいと思っています。
目次へ戻る
外務大臣会見記録 (平成16年3月5日(金)8:45~ 於:院内(ぶら下がり))
閣議
(外務大臣)閣議において、イラク復興信託基金について4.5億ドルの拠出をしますということを決定して頂きました。4.5億ドルの内、3.6億ドルが国連部分、残りの0.9億ドルが世銀部分ということでございます。併せて、ジャパン・プラットフォームのNGOユニットに対しまして、20億円の支出をします。その内訳は、17億円がこのあいだ補正予算で通して頂きました部分からで、イラクに対して、残りの3億円はイラク以外の部分、いろいろな紛争、被災民等の問題が今後でますので、それに対して3億円ということで、合計20億円という事です。
目次へ戻る
竹島切手問題
(問)竹島の写真付き切手について、いろいろな動きがあるようですが、改めて外交当局として日本がそのような切手を発行することについてどのようにお考えになるか。
(外務大臣)新しい部分については、郵政公社の方で何か内部で間違いがあったということだったようであります。外交当局として、この件についてご相談を頂いたということではないので、ご相談を頂くようなことがあればそこで意見を申し上げていくということだろうと思います。基本的な考え方として、やはり両国の国民感情を大事にする、両国の国民感情が煽られるような形になると言うことは好ましくないというふうに思っています。
目次へ戻る
北朝鮮関連
(問)パウエル米国務長官が、米韓外相会談が終わったあとの会見で、北朝鮮が否定している濃縮ウランの開発経過について、必要があれば証拠を示す用意があるということですが、これについて日本政府はどのようにお考えですか。
(外務大臣)濃縮ウランについては、北朝鮮がこの間の(六者)会合でも言いましたけども、「完全な、非可逆的な、検証可能な」という中に、日本は、濃縮ウランが入るべきである、北朝鮮はこれについて情報をちゃんと開示することが必要だというふうに考えています。米国がその情報を開示をすることをお決めになったのかどうか私どもは聞いていません。
(問)米国がそれだけの情報を持っているというふうには理解していらっしゃいますか。
(外務大臣)いろいろな情報を米国は持っていると思います。それから、パキスタンでカーン博士の活動について、我々としては今調査中だと聞いておりますので、判ったら我々に教えてほしいということも言っています。
(問)作業部会というのは、その後の見通しはどのようになっていますか。
(外務大臣)今関係国が、これからどういう形でやっていくか、何を議論するか、いろいろなことを相談してかなければいけないと思っていまして、日本としてもこの立ち上げに積極的な役割を果たして行くことが重要だと思っています。まだ、今の時点でいつやるということが決まっているということではないです。
(問)1回目の部会で、これだけは是非やらなければならないということは何かありますか。
(外務大臣)やはり、取り上げるべき課題というのは「完全、非可逆的、検証可能」ということを、きちんとどのようにやっていくかということの議論だと思っています。
目次へ戻る
外務大臣会見記録 (平成16年3月2日(火)8:45~ 於:院内(ぶら下がり))
閣議
(外務大臣)特に私の方から今日は申し上げることはありません。発言も特にしていません。
目次へ戻る
ワシントン州米軍司令部の座間基地への移転
(問)一部の報道で、ワシントン州の米軍の司令部を座間に移転することを米側が日本に打診してきているとありますが、事実関係をご説明頂けますか。
(外務大臣)報道は見ましたけれども、そういう事実はありません。
目次へ戻る
六者会合
(問)若干旧聞に属してしまいますが、六ヶ国協議の議長総括の中に、核兵器のない朝鮮半島という表現がありまして、これは各国が合意をしているという説明がありましたが、読みようによっては、平和利用の核については日本政府として黙認するというふうにも受け止められるわけですけれども、その辺の日本政府の考え方はどうでしょうか。
(外務大臣)平和利用のところはもういいということでは全くありません。日本政府の考え方は、完全、検証可能、不可逆的な核廃棄という原則に立って考えていくということです。北朝鮮は今まで、IAEA、NPTの関連では、国際社会の合意をそのとおりやっていないということがあるわけですから、まずそういうことをきちんとやって、国際社会の信頼を回復をすることが重要で、我々としては平和的利用も含めて、いわゆるCVIDの原則に立って考えています。
目次へ戻る
|