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記者会見

外務大臣会見記録(平成15年5月)


INDEX


・ 外務大臣会見記録(5月30日付)
 ・ 閣議(メガワティ・インドネシア大統領の訪日、イラクに対する制裁措置の解除)
 ・ 沖縄のアメリカ海兵隊の移転について


・ 外務大臣会見記録(5月27日付)
 ・ 閣議
 ・ G8外相会合
 ・ 北朝鮮問題


・ 外務大臣臨時会見記録(5月21日付)
 ・ 我が国のイラク人道・復興支援策
 ・ 北朝鮮問題
 ・ 重症急性呼吸器症候群(SARS)


・ 外務大臣会見記録(5月20日付)
 ・ 閣議(WTO新ラウンド交渉)
 ・ イラクに関する国連安保理決議案
 ・ 重症急性呼吸器症候群(SARS)関連
 ・ 北朝鮮情勢


・ 外務大臣会見記録(5月16日付)
 ・ 中国における重症急性呼吸器症候群(SARS)感染拡大に対する緊急無償資金協力
 ・ 台湾におけるSARS感染拡大に対する支援
 ・ ケニア政府に対する緊急無償資金協力、ジャパン・プラットフォームに対する資金拠出
 ・ 日本・ASEAN特別首脳会議
 ・ イラク国内への医薬品・医療品の輸送・配布に対する支援


・ 外務大臣会見記録(5月13日付)
 ・ 閣議
 ・ イスラエル・パレスチナ間の信頼醸成のための会議
 ・ 台湾のWHOオブザーバー参加
 ・ 米韓首脳会談
 ・ 対北朝鮮政策
 ・ サウジアラビアにおける爆発事件


・ 外務大臣会見記録(5月9日付)
 ・ 閣議
 ・ 外務省タウンミーティング
 ・ 重症急性呼吸器症候群(SARS)問題
 ・ 北朝鮮の核開発問題


・ 外務大臣会見記録(5月6日付)
 ・ 閣議
 ・ 国際協力事業団(JICA)労働組合のアンケート
 ・ 在イラク日本国大使館の再開
 ・ アンマン空港での手荷物爆発事件






外務大臣会見記録 (平成15年5月30日(金)09:20~ 於:院内)

・閣議(メガワティ・インドネシア大統領の訪日、イラクに対する制裁措置の解除)

(外務大臣)閣議では、インドネシアのメガワティ大統領が、国賓として日本に6月22日から25日までいらっしゃることが決定をされたということと、それからこの間、1483決議が国連で通りましたので、それに基づいてイラクに対する経済制裁を解除するための日本としての措置があるわけでして、それについて了解がなされたというその2点です。私からはイラクについての発言を致しました。

(問)イラクへの経済制裁解除の関連で、大臣が今日閣議で発言されたなかで、日本として制裁解除の措置をとるとともに、その決議を誠実に履行するために必要な措置をとるとあるんですけれども、これは具体的にどういうことを指しているのでしょうか。

(外務大臣)例えば、サダム・フセイン等の資産の凍結をやっているわけですよね、そういうことを引き続きやっていくとかそういうことです。

(問)各省庁における具体的な解除の手順と言いますか、こういったものはどのようになるのでしょうか。

(外務大臣)これは関係省庁ですので、物とか役務とか資金ですとかありますから、財務省や経産省やそういったところで、政令や告示ですね、そのレベルでそれを直すということになります。

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・沖縄のアメリカ海兵隊の移転について

(問)アメリカのロサンゼルスタイムスという新聞が、沖縄の海兵隊の2万人の内の4分の3を国外に移転することをアメリカが検討していると報道しましたが、この件についてアメリカから何かお聞きになられたことはありますか。

(外務大臣)報道は確かにありましたけれども、日本国の政府としては何も聞いていませんし、アメリカはこれについて否定をしています。いずれにしても、そういう重要な問題について、日本政府と相談なく話が動くということは全くないわけです。

(問)沖縄からすれば歓迎すべき動きなんですが、日本政府としてそういうことを進めてほしいというような。

(外務大臣)要するに安全保障についての話で、安保体制がどのような形で効果的に運用できるかという話はいつもアメリカとは話をしていますので、そういった一環として沖縄の問題は考えていかなければいけないと思っています。

(問)アメリカが否定しているというのは、この報道を受けて、問い合わせをした結果、否定をしたということか。

(外務大臣)そうですね。

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外務大臣会見記録 (平成15年5月27日(火)09:30~ 於:院内控室)

・閣議

(外務大臣)閣議では、私から小泉総理の米国との首脳会談、サウジアラビア及びエジプトへのご出張について報告をしました。そして、私のG8外相会談への出席の報告をしました。更にアルジェリアの地震災害に対しまして、10万ドルの緊急無償を致しまして、それを閣議で決めて頂いたということです。その3つをお話ししました。
 日本とノルウェーの科学技術協力協定の署名が閣議で決定されまして、これについては、今日の昼にノルウェーのボンネビーク首相とお会いしますが、その前にガブリエルセン貿易産業大臣との間でこれについて、署名を行うことになっております。

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・G8外相会合

(外務大臣)G8外相会談について若干補足をさせて頂きますと、印象として、直前に国連での決議が採択されて、イラクの戦争、武力行使を巡って意見が分かれていた、米英と独仏露との間で関係が修復されたということが、特筆すべきことであったと思います。イラクの他にもテロですとか、大量破壊兵器ですとか、小型兵器ですとか、そして北朝鮮、スリランカ、コロンビア、様々な地域の情勢についての話し合いがなされたわけですけれど、北朝鮮については、私から口火をきって北朝鮮において、核の開発計画を撤廃する、事態をエスカレートしてはいけないということについて、国際社会が一致して北朝鮮に求めるべきであるということを言いまして、この点については、G8外相会合のなかで一致があったということです。また、私から拉致問題について、日朝の間で最大の懸案事項のひとつであるということを言いまして、G8各国の理解と協力を求めたということです。北朝鮮の問題は包括的な形で、平和的に解決することが重要で、この点について、理解と支持を求めたということです。拉致の問題と拉致以外の問題を分けると半々くらいの時間で話をしたかと思います。
 議題ではなかったのですが、SARSの問題について、私から話をしたいと申し上げて、これは、アジアの地域の問題ということだけではなく、世界全体の問題であるということと、空白地域のない、切れ目のない対応、協力体制を作ることがが重要だということを言いました。更に、世界経済に与える影響を縮小し、最小限にしていかなければいけない。そのために必要以上に規制をしてはいけないわけで、必要な規制はしなければいけませんが、必要以上にしてはいけない。その意味では、情報交換、連絡体制をきちんと作っていくことが大事だということを申し上げました。また、アチェの問題についても議題にはありませんでしたが、私から触れました。
 今後、エビアンでサミットがありますので、サミットの場では、外相会合よりもう少し広く、例えば、持続的可能な開発の問題や、世界経済の話もあると思いますし、外相会合で話した地域情勢の話であるとか、大量破壊兵器、テロについても話があると思います。
 私からは外相会合の際、時間は少なかったのですが4人の外務大臣、イタリア、イギリス、アメリカ、ロシアの4カ国の外務大臣とそれぞれ話をしたということです。

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・北朝鮮問題

(問)北朝鮮についてですが、日米首脳会談の際に総理がおっしゃっていた「対話と圧力」という表現については、政府、外務省部内でも様々な意見が出ているようですが、「対話と圧力」というのは政府の方針ということでよろしいのですか。

(外務大臣)それは、そういうことです。首脳の間でそういう話をしたということも発表したとおりです。ただ、「対話と圧力」というのが、新しく方針を変えたことかどうかというと、それはそうではないということで、そういう意味では今までずっと、対話を求め、対話をしていくために、いろいろな形の対話に向けるような働きかけをしていたわけで、そういった考え方をより明確に言ったという、それだけのことで、考え方として新しく変えたと言うことでは全くないということです。

(問)考え方を変えてはいないということは、少なくとも今までは「圧力」という言葉は出ていなかったのですが、首脳会談以後それが出ているということはどういうことですか。

(外務大臣)外交ということで言えば、よい成果をあげるということが一番大事なわけです。そういう意味で対話をずっと求めてきている。これは、首脳会談でもG8外相会合でもそういう話をしてきている。相手を対話の場で、様々な国際社会が持っている懸念に対して対応を求めていくということをやるときに、政府として、例えば今までIAEAで話をしたとか、そういうことを現実にやってきているわけです。それを両首脳の話し合いでより明確に言葉として表すという、それだけのことでして、考え方自体何ら新しいものではないということは申し上げたとおりです。

(問)その際の「圧力」というのは具体的にはどういうことでしょうか。

(外務大臣)今の時点で言えば、国会で再三再四言っていますが、北朝鮮側が平和裏に外交的に問題を解決しようということで、話し合いが行われているわけです。そういう場ですから、何か今、例えばよく言われているような経済制裁をするということでは全くない、そういうことは考えていない。総理と大統領の中の話でもあったように、やっている不法行為がございますね。そういうことについてわが国は取り締まりをしているわけです。そういった取り締まりについてきっちりやっていこうとか、例えばそういうことです。それは勿論従来からやっていることで、そこをもっと力を入れようというだけの話です。

(問)政府、外務省の中で必ずしもスタンスや認識が統一されていないように思いますが、大臣はどう思われますでしょうか。

(外務大臣)どういうところでスタンスが統一されていないとお思いかというところがわかりませんが、会談の結果を見て頂ければ、それが政府の考え方であって、別に統一されていないことではないです。

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外務大臣臨時会見記録 (平成15年5月21日(水)17:05~ 於:芝会見室)

・我が国のイラク人道・復興支援策

(外務大臣)イラクですが、イラクについて復興支援が必要となり、そしてまた進む中で、我が国としては先般御案内のように茂木副大臣にバグダッドに行って頂き、時間的には前ですがイラクの大使館も再開を致しました。我が国としてイラクの復興の支援というのは、やはり国際的な協調の下で行われることが重要でございまして、その意味で今国連で決議が議論されていますが、その決議が早く採択をされるということを期待しています。おそらく現地時間で22日にもそういう動きがあるという情報にも接していますので、早くそうなればいいと思います。
 我が国としては広範な諸国、国際機関の参加を得たイラクの人道・復興支援に関する国際会議が早期に開催されるべきであると考えています。そしてこのために、国連等の関係国際機関がこの会議の開催に向けて積極的な役割を果たしていくことを求めております。これがお配りした資料の中央辺りに書いてあることです。
 我が国として具体的にどのような人道・復興支援をやっていくかということが1ページの後半以降に書いてございます。茂木副大臣が行かれて、その報告を受けましたが、今回の軍事行動自体、その物的損害は、それはそれで非常に大変ですが、政府機能の喪失、あるいはこれに伴って行政サービスが欠如をしている、生活基盤あるいは人道面での困っている状況、これに対しての緊急の支援が必要だという報告を受けております。今回の戦争ということだけではなくて、考えてみますとフセイン政権が20年間にわたって、イラン・イラク戦争、湾岸戦争という戦争が続き、その中で経済社会システムやインフラが疲弊した、そういうことに対しての支援のニーズが非常に大きいという報告も得ています。こういった報告を踏まえて、今まで既に我が国は3200万ドルに上る人道的な援助をしておりますが、それに加えて当面、保健、教育、電力等の生活基盤の再建を優先することで、イラク支援を進めることとしたいということでございます。我が国の支援が今後、3つのこと、つまり治安が確保される、援助を受け入れることが出来る暫定政権が成立する、そして債務問題の解決が図られる、これがあれば一層本格的な復興支援を行っていく、そういうふうに考えています。
 資料の2ページ以降、具体的な支援の中身が書いてありますが、まず一番上に書いてあるのが、国際機関とNGOを通じたイラクにおける人道・復興支援です。国際機関経由の支援ですが、6つございます。そのうちの2つが今はっきり決まっていることでして、一つが「イラク復興雇用計画」、IREPと呼んでいますが、約600万ドル。これはアフガニスタンでREAPというのをやりましたが、修復をイラクの人を雇用してやってもらいながら、雇用と修復を両方一挙に行うということで、バグダッドで行います。これが600万ドル、UNDPを通じます。次に、やはりアフガニスタンではバック・トゥ・スクール・キャンペーンというのをやりましたが、それをイメージして頂ければ結構ですが、イラクの「初等教育再生計画」、約1000万ドルということで、これは学校に対して文房具等の支援をし、それから併せて学校の修復も行うということで、全体として約100万人の児童が裨益をするということだと思います。それぞれUNDPあるいはUNICEFを通じますが、例えばIREPで言えば仕事をする人に着てもらうジャンパー、それから子どもたちとの関係で言えば持っていく、カバンもあげるわけですが、そのカバン、それにこれが日本のものであるという、その国際機関の名前と同時に日本の名前も付けておく、日の丸の旗も付けていくという形で行います。
 次の4つ、「中央配電所復旧計画」から下の「公共施設等復旧計画」までですが、「中央配電所復旧計画」というのは、むしろ配電センターが非常に重要であるというのが茂木副大臣のお話でもございまして、その修復、これはUNDP経由です。それから、日本がかつて過去に円借でイラクの国内に13の病院を作りましたが、そういった病院の復旧を行うプロジェクトも(4)に書いてあるところでして、UNDP、WHO経由です。当面、とりあえずバグダッドで行います。次が「水・衛生復旧計画」でして、UNICEF・UNDP経由で、水、下水といった分野です。6番目は公共施設等の復旧計画で、これがHABITATを通じまして、公共施設等を復旧、居住インフラの復旧ですが、それを住民の人と一緒にやって、その過程を通じて住民に技術移転をするという狙いがあります。合計6つなんですが、最初の2つで1600万ドル、後の4つで約3000万ドルぐらい。後の4つについてはこれからもっと詰めていく必要がありますが、合計4600万ドルということです。
 その下にNGOの経由の支援が書いてありまして、これが総額約270万ドルぐらいということで、ジャパン・プラットフォーム経由、ヨルダンのハシミテ慈善財団経由、そして国際NGOのケア・インターナショナル経由、3つございます。3つとも拠出は決まっています。ヨルダンについては私がヨルダンにいた時に発表しました。
 3ページ目に書いてあることですが、もう一つ大事なのが、これは官だけでやることではなくて、民の持っている知識、情報あるいは技術といったものを活用しているということでして、一つは官民連絡体制。会議をやったり情報交換をやったりということですが、それを整備をします。それから、現地にきちんと今後、支援を引き続きやっていくために、やはり現地に調査団を出す必要がありますので、ここに書いてある4つについて派遣するということについて調整を進めたいと考えています。
 今まで申し上げたのは国際機関とNGOを通ずるということですが、その次にアラブ諸国、周辺国を通じた、アラブの国と日本と一緒にやりましょうという延長でして、先程申し上げたハシミテ慈善財団経由というのがその一つでありますが、そういった形で、考え方としては、今後もっと進めていきたいと思っています。
 周辺国支援、これは前にも発表致しましたがヨルダン1億ドル、この前パレスチナに行きました時に2200万ドルの支援を発表しましたが、そういったことです。それから、これも別途発表致しましたが、文化遺産の修復ということで、ユネスコに200万ドルを拠出済みで、イラクに関しては調査団も出ましたので、その結果も踏まえて具体的に支援策を考えていきたいと思います。

(問)一層本格的な復興支援を行っていくという3つの前提条件ですが、これは3つが同時に揃うことが必要なのかということか、それぞれ段階を踏むべきシステム、援助が拡大出来るということと、債務問題の解決で、今イラクが返済出来なくなっているもの、返済出来ないという状況を見つめるという一時凍結をもって返済問題の解決が図られるという状態が整ったと見なすのか、パリ・クラブで最終的にスケジュールが決まるまでを待つのか、それは如何でしょうか。

(外務大臣)最初の3つのことと申し上げましたのは、好条件が整ったらこれをやりますという形で申し上げているわけではなくて、やはり我が国の援助、支援、これを有効に実効性を持たせてやっていくためには、こういう条件が必要だと。治安は非常に重要な要素であります。援助を受け入れることの出来る暫定政権の設立というのは、例えば相手の国と協定を結ぶということが必要なタイプの援助をしようと思えば、これは大事な要素であるわけです。それから債務問題の解決というのも同じような意味で非常に重要であると思います。それが今回、国際機関経由等の支援、あるいはNGO等の支援、2国間、アラブの国との支援というのを発表しましたが、それがなければ、そういう形での支援はあるわけですから、そういう意味で本格的な支援が出来ますと申し上げているわけです。債務ですが、これはパリ・クラブで議論がなされることに決定されていますから、4月にそういう話がありましたから、今後パリ・クラブで、どういうふうにしていくかという議論があるということになると思います。日本の考え方というのは、これはイラクというのは石油、原油がある国ですから、そういう意味で所得を自分で生み出す能力を持っているわけです。そういったことが一つ違う要素ではあると思います。イラクは中所得国というふうに今まで言われていますので、そういうカテゴリーに入っていますから、中所得国に対しては今まで、債務の放棄をしたことはないので、我が国の考え方としては、債務の削減については非常に慎重に検討していくということですが、これはいずれにしてもパリ・クラブの場で、どういう形になるかというのは今後検討されるということです。

(問)イラクの人道・復興支援に関する国際会議が早期に開催されることがいいということをおっしゃっていますが、日本の場合、アフガニスタンなどで、日本がイニシアティブをとる、国内で開催したという前例があるのですが、イラクの会議に関しても大臣は日本国内での開催、または日本がイニシアティブをとった開催というそういう希望、意向というのはお持ちでいらっしゃいますか。

(外務大臣)これは国際的にいろいろな話し合いをしながら会議というのが行われるということになると思いますので、我が国としてはそういった国際的な動きを極力支援をしていきたいと思っています。今の時点で、例えば誰が開催をするかとか、どこでやるかとか、そういうことについては検討をしているということであって、具体的に今の時点では、それ以上のことを申し上げることは出来ないのですが、検討中です。ただこれは、我が国としてはそういうことになるような働きかけをしていくと、そういう会議が開かれるようにということで、是非日本でやりたいとか、ということを前提に考えているということではないということです。この資料に書いてありますように、基本的な考え方としては、これは国連等の関係機関が本会議の開催に向けて積極的に役割を果たすということが書いてあるわけですが、基本的な考え方としてはそういうことで、それを他の国が後押しをして、そういうふうになるようにしていくということです。

(問)今日発表された支援策の額が積み上がっていますが、この分と、先日、1億ドルを上限とされた支援策というのを言っていますが、その中に全部入っているものなんでしょうか。

(外務大臣)1億ドルの内数です。ですからこの前の3200万ドルに、今度は5000万ドルぐらいがありますから、それで8000万ドルくらいということです。

(問)そうしますと、この間は1億ドルを上限とする人道支援ということで発表されていますが、今日のメニューを見ていますと、人道・復興支援となっていて、復興支援の色彩が強いものが幾つか入っていますが、今後、日本政府が行う復興支援というのも、1億ドルを上限とする中で行うということですか、まだ若干余裕がありますが。それ以外にプラスアルファで、更に復興というのは別枠で考えていくのか、それとの関係はどうなんでしょうか。

(外務大臣)復興については、これはどういう事態の進展があって、その時々でどういうニーズがあるかということになるわけですね。それを見て、我が国として我が国の出来る貢献をしていくということだと思います。1億ドルの上限は、あれはこの前フラッシュ・アピールが出た時に、6カ月でもう一回それについての見直しが行われるという形だったと思います。ですから、それはその時点で、そういうことがあれば、またその時のニーズが何か、あるいはその他の状況がどうか、いろいろなことを踏まえて対応するということだと思います。

(茂木副大臣)前回の場合、国連の16機関の方からアピールが出たわけで、あそこの中には例えばUNDP始め、どちらかと言いますと復興という色彩が強い部分もあったのですが、あえて呼び方がそうであったと。そこの中で実際に、今国際機関と協調しながら我が国として進めていく今回の対策を見た時には、単に人道ということだけではなくて、前回から出ている部分でありますが、性格的には復興という側面も強いものも入っていますので、人道・復興支援、こういう形で呼ばさせて頂きたい。

(問)先程の債務の件でお伺いしたいのですが、日本が円借款を再開出来る前提として、パリ・クラブの最終的な結論を待つのか、今不履行になっている返済を認めて、デファーラルを認めるということで、現状を暫定的に正常化することで円借款を再開出来る条件と見なすのか、そこは如何でしょうか。

(外務大臣)今の時点でどうだということをはっきり申し上げることは出来ないと思います。これはいろいろな考え方があると思いますが、基本的な考え方としては、これはずっと、どの国に対してもそうですが、やはりパリ・クラブでの話し合いがまとまらないと難しいという考え方だと思います。今後、いろいろな進展がありますし、我が国として国際機関経由とか、いろいろ出来ることは他にあるわけですが、そういう意味で先程のお話は、「より本格的な」ということです。

(問)細かい話なんですが、官民連絡体制の整備ということですが、官民連絡体制というのはどういうものを想定しているのでしょうか。

(外務大臣)情報の交換をするとか、集まって会議をやるとか。考え方としては両方の持っている情報とか、専門的な知識とかそういうことを、お互いにイラクについて共有するということが大事だと思います。

(問)何とか会議みたいな形になるわけですか。

(外務大臣)あまりフォーマルにやるということは考えていないと思います。

(問)今回、人道・復興支援ということですが、自衛隊の派遣というのも取り沙汰されていますが、その点についてはいかがでしょうか。

(外務大臣)これについては、前々から国会でも言っておりますように、これは事態の進展、あるいはニーズ、いろいろなことを考えて検討をしているということでありますが、何らかの形で結論が出ているわけではないです。

(問)茂木副大臣がバグダッドに行かれていろいろニーズの調査というのをされたと思うのですが、この自衛隊の派遣という意味でもニーズ、それからいろいろな会談の中でそういった要望、あるいは自衛隊派遣に関する議論が出てきたのでしょうか。

(茂木副大臣)基本的には、例えばブレマー大使との会議につきましても、今後の復興プロセスの問題であったり、基本的な考え方に対する意見交換が中心になっておりましたので、個別具体的な問題、これにつきましては例えば私の方から病院の問題、電力の問題等は紹介させて頂きましたが、それ以上立ち入った議論というのはしておりません。ニーズにつきましては2日間の調査の中で、この分野についてはニーズがある、こういう把握は出来ておりますので、今日こういった形で発表させて頂きました。更にニーズがどういう分野についてあるか、これは政府の中で更に検討して、必要なことについては対応していきたいと思っています。

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・北朝鮮問題

(問)別の問題で恐縮なんですが、北朝鮮問題の経済制裁に関してなんですが、今アメリカの上院の公聴会で、弾道ミサイルの部品の90%が日本から来たとか、万景峰号で3カ月ごとに運ばれてきたとか、麻薬の主要な市場が日本であったという証言が出てるのですが、大臣それは既にお聞きであるかということと、それについて何か、アメリカ側への照会も含めて対応を考えられるお考えをお持ちですか。

(外務大臣)そのお話について、そういう証言があったという報道は聞いております。実際にどういうことを言われたかということについては、確認はまだ出来ていません。そういった内容が事実であるかどうかということについても、これは我が国として、確認をしていくのは今非常に難しいことであると思いますが、いずれにしても日本として、これはキャッチ・オール規制とか、いろいろな規制をやっていまして、我が国としては、日本からの輸出について言えば今まで最大限の規制をかけているということでやっています。

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・重症急性呼吸器症候群(SARS)

(問)台湾のSARSの担当の医者の日本への旅行問題の関連で、日本が多数のホテルを中国大陸と台湾からの宿泊を拒否するようになりましたが、日本の法律上で感染症であることを確認しないうちにホテルが旅客の宿泊を拒否するのは違法行為としているそうですが、川口大臣はこれについてどのように考えていらっしゃいますか。もうひとつ絡む問題なんですが、19日にWHOは、台湾がオブザーバーとして入会する議題を見送りましたが、日本政府としてどのようなコメントがございますか。

(外務大臣)まず最初のSARSの話ですが、私は、日本のホテルが台湾からいらした方に対して宿泊を拒否しているという情報については聞いていません。確認をしておりません。

(茂木副大臣)そういう情報が流れているようなんですが、あくまでこれは国土交通省の所管でありますから、外務省としてホテルの対応についてコメントする立場にはないということです。

(外務大臣)いずれにしても、ホテルは企業ですから、やはりお客さま、宿泊の方に最大限のサービスをしようという考え方でやっていると思っておりますが、これについては外務省の立場からはきちんと把握もしていませんし、指導するということも出来ないので、ということです。
 オブザーバーの参加の件については、ずっと日本としては、これは関係者の満足する形で、台湾がオブザーバー参加をするということが望ましいということはずっと言っています。非常に近い地域でもあり、やはりこういう問題がある状況で、人の交流は非常に密接になっているというふうに思っています。

(問)先日、大臣が台湾へ医療援助を検討するとおっしゃったのですが、これは、具体的にはそういう作業はもう始まっているのでしょうか。

(外務大臣)今、関係省庁の間で議論をしていると思います。

(問)医療団はいつ派遣されるのでしょうか。

(外務大臣)これは今、人選その他について検討を、これは外務省が決めるわけにいきませんので、関係のところと御相談をしているところです。

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外務大臣会見記録 (平成15年5月20日(金)09:30~ 於:院内控室)

・閣議(WTO新ラウンド交渉)

(外務大臣)私からは、閣議ではWTOの非農産品市場のアクセスについて議長のモダリティーペーパーが出ましたので、今後の交渉、方針についての発言をしました。
 これについて日本としては、2つの点で非常に問題があると考えていまして、一つは関税削減方式で日本は品目ごとの柔軟性ということを言っていたのですが、これが無いということです。それからもう一つは、分野別の関税全廃、これについて水産物、皮革、履き物といった日本が受け入れられない分野が含まれているということです。
 この2点で日本の主張が反映をされていないということです。日本が言っているのは、全関税の水準の平準化ということでして、平均関税率の削減と非農産品分野で世界貿易の3分の2を占めているセクターの関税の撤廃とそれから調和を組み合わせた提案をしているわけですけれども、そういう形にはなっていないということで、日本としてはその日本の主張を改めてしながら、粘り強く交渉をしていきたいと考えております。

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・イラクに関する国連安保理決議案

(問)先週末、米国のパウエル国務長官とドイツのフッシャー外相が会談をして、そこでいわゆる国連に提出される決議案について、一定の妥協というか、歩み寄りが見られたが、これは日本としてはどういう風に評価すべきなのですか。

(外務大臣)昨日、新しい修正案が出されましたが、そういう形で、今度の修正案はドイツとか他の国が関心を持っていたことがかなり取り込まれているわけですね。パウエル長官は、そういう意味でいろいろ事前に話をなさったんだと思いますが、国際的な協調がそういう形で作られていく過程にあるということは非常に歓迎を日本としてはしています。この修正案については、やはり国連の決議が出来るということは大事だということは日本はずっと言ってきましたから、合意がある形で出来るだけ早く決議案が出来ることを期待をしていますし、可能性もあるのではないかと思っています。可能性が高いと言った方が良いと思います。

(問)それに関連してもう一つですが、与党の山崎幹事長などは頻繁に国連の決議案があれば、自衛隊を派遣する新法の成立を目指すという趣旨のことを言っていますが、これが実際にこういう形で今国連の決議案が出来るような形になっていますので、大臣としてはこの自衛隊派遣の新法についてはどうお考えですか。

(外務大臣)これは政府の中で日本としてどういうイラクの復興について貢献が出来るかということはいろいろ考えていて検討をしているわけで、またそれをその国会にご相談をすることになれば、そういうことをしますということ、今検討中ですということですね。ただ日本もずっと今まで言ってきたように、日本がそのイラクの復興の過程で出来るだけこれに貢献をしていくことが私は大事だと思っています。どういう形でということは今検討中であるということです。

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・重症急性呼吸器症候群(SARS)関連

(問)WHOの会議の方で、台湾のオブザーバー参加が否決されました。大臣はかねがね関係国の満足する形であれば、なおかつWHOの議決を見守っていきたいということをおっしゃっていました。今そういった一定の議決が出たわけですけれども、今台湾のオブザーバー参加についてはどういう風にお考えでしょうか。

(外務大臣)日本の台湾のオブザーバー参加について(の立場)はずっと今まで申し上げているとおりでして、これだけ台湾と日本の間で人の交流もあるわけですし、物の交流もあるわけで経済的に近い地域ですから、そういう地域がオブザーバー参加ということを関係者が満足する形でなされるということは日本にとっても望ましいと考えているということについては全く変わらないです。今回(WHOの)総務委員会で議題とならなかったということです。総会においてもそういう採決をする状況にはならなかったということですけれども。

(問)日本にSARSの感染者が滞在していたことが明らかになったわけですけれども、これは厚生労働省が担当でやっているわけですが、外務省としては現状の対応で万全と考えているのかということと、それから外務省で省員全員にわざわざ大量に発注してうがい薬を配るということを今日やるそうですけれども、これは何のつもりでこういうことをやっていらっしゃるのか。

(外務大臣)うがい薬の話は私は聞いていません。それから今日本政府として、この方はたまたまお医者さんで、お医者さまであれば当然日頃接していて、いろいろな可能性ということを考えていて然るべきであっただろうと思いますけれども、日本に来てそういうことになった。この結果として、今のところ調べた範囲で国内感染の可能性が少ないということですので、今後引き続きそういうことで推移してくれることを私としては祈っています。政府全体としてあとは何をやらなければいけないかということについては、これはいつもみんなそういう目で考えていますので、必要があれば必要なことを出来るだけタイムリーに早くやっていくということだと思っています。外務省としては支援をやっていますし、交流協会については台湾からもそういう支援をしてほしいという話は来ておりますので、関係省庁とご相談をして対応していきたいと思っています。

(問)大臣はオブザーバー参加が日本としては望ましいという立場は変わらないとおっしゃいましたが、私の記憶ではそうおっしゃっていなかったと記憶しているのですが、オブザーバー参加は望ましいということを前からおっしゃっていたということでよろしいのでしょうか。

(外務大臣)言っておりました。それは国会でもそのようにずっとおっしゃってきています。

(問)今回日本は関係国が満足する形であれば、オブザーバー参加を認めていたと思うのですが、今回WHOの総務委員会で総会での議題としないという決定をしたこと自体についてはどのようにお考えですか。

(外務大臣)これはWHOという組織で決まったルールで物事が進展をそのような形でしたということですから、総務委員会でも総会でも投票には全然至らなかったということです。これはそれぞれの国の考え方、いろいろあるだろうとは思っています。総務委員会、全部がそのメンバーだっていうことではないんですね。

(問)日本として非常に近い地域でSARSが流行っていて、しかも日本への渡航した患者も確認されたという状況にある中で、その地域がWHOの正式なメンバーでなくてもオブザーバー参加ということであっても、WHOの支援というか、枠外にいるということについてはどのようなお考えでしょうか。

(外務大臣)WHOの人も言っていますので、全くWHOがタッチできないということではないですね。これは近隣の、日本とか近隣の国にとっては、非常に影響のあることですし、それからこれは感染症ですから、世界全体にも影響が潜在的に有り得るということですから、その世界全体としてどういう感染症対策をするという観点から、WHOが組織であることが良いかということのコンセンサスがまだ十分に出来ていないということだと思いますね。

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・北朝鮮情勢

(問)週末に北朝鮮の金正日総書記の側近と言いますか、資金管理者とされる人の亡命という報道がありましたが、これについては何か情報の確認はされていますか。

(外務大臣)政府としては確認をしておりません。

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外務大臣会見記録 (平成15年5月16日(金)09:05~ 於:院内控室)

・中国における重症急性呼吸器症候群(SARS)感染拡大に対する緊急無償資金協力

(外務大臣)私から閣議の発言がいくつかあります。一つはSARSにつきまして中国政府に対して緊急無償資金協力15億円、これを(発言)いたしました。それで中国の支援については先般2700万円の草の根、人間の安全保障の無償(資金協力)をしましたので、それから特別機材供与、専門家4名の派遣というのもいたしましたので、全部合わせますと17億6千万円になります。

(問)確認ですけどもSARSの関係は、この間坂口厚生労働大臣が会見でおっしゃった15億円のことでしょうか。

(外務大臣)坂口厚生労働大臣が検討中だとおっしゃったことを、決めましたということです。

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・台湾におけるSARS感染拡大に対する支援

(外務大臣)それからもう一つ、これとの関係で台湾、これは事前に用意をしていなかったので閣議発言の資料に入っていませんけども、台湾について支援を検討しているということについてやはり発言をさせていただきました。これの中身ですけれども、台湾から支援要請がありまして、地理的にも台湾は非常に日本と近いわけですし、人の往来も非常にありまして、わが国にも台湾でSARSの感染が拡大をすると大きな問題でありますので迅速かつ可能な対応をしなければいけないと思っています。ただ、台湾はODAの対象国ではないわけでして、ODAの予算で実施をするということについては制約があります。ということで当面の対応としては、交流協会を通じて医療専門家を派遣するという方向で今調整をしています。この人選については厚生労働省とも相談をしています。更に今後のことについては各省から知恵とご協力をいただきたいと、そういうことをしながら検討をしていきたいということを閣議で言いました。

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・ケニア政府に対する緊急無償資金協力、ジャパン・プラットフォームに対する資金拠出

(外務大臣)それから他に経済協力関係ではケニア政府に対して10万ドルの緊急無償資金協力を決定をしました。それからジャパン・プラットフォームに対しまして、7億円の資金拠出を決定をいたしました。これはイラクが主たる使い道です。

(問)ジャパン・プラットフォームの医薬関連とおっしゃいましたけれども、今回は最初から使用目的をつけて出すのでしょうか。

(外務大臣)ということではないと思います。だいたい向こうもそういうことを考えてやっているということだと思います。いずれにしても7億円ということです。

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・日本・ASEAN特別首脳会議

(外務大臣)それから閣議ですけれども、別の話で日本・ASEAN特別首脳会議を12月11日から12日まで東京の迎賓館で開催をするということが、閣議で了解をされました。これは今年が日本・ASEAN交流年ということで、21世紀における日本とASEANの関係についての今後の指針を出す会議にしたいと思っています。「日本・ASEAN交流年2003」につきまして、コンピューターグラフィックスで親善大使のポスターを制作をいたしまして、現在名前を募集中ですので、是非、書くことについてのセンスで皆さんからもいただければと思います。

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・イラク国内への医薬品・医療品の輸送・配布に対する支援

(外務大臣)それからイラク国内への医薬品、医薬品の輸送配布についての支援ですけれども、2件、総額約2800万円の草の根人間の安全保障無償の資金協力を実施するということにしました。一つはこの間ヨルダンへ私が行きました時に、二国で、日本とヨルダンとでイラクに対する協力をしましょうと言う話をしたわけですが、それがハシミテ慈善財団というのがありまして、そこに1800万円を出しましてイラク国内への抗生物質、ガーゼ、縫合糸の輸送配布活動をやっている、ハシミテ財団を支援するというのが一つです。もう一つはケア・インターナショナルという国際NGOですが、ここに対して約1000万円の供与でして、これはイラク国内で乳児用の点滴セットを輸送配布しているNGO、相当に大きなNGOですが、そこに対して1000万円ということです。

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外務大臣会見記録 (平成15年5月13日(火)8:59~ 於:院内控室)

・閣議

(外務大臣)私の方からは、閣議では何も発言はしておりません。

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・イスラエル・パレスチナ間の信頼醸成のための会議

(外務大臣)この前中東に行ったときに、信頼醸成についての会議を行うことをイスラエルにもパレスチナにも言いましたけれども、19日、20日に東京で信頼醸成会議を行います。この前も申し上げましたとおり、信頼醸成を作っていくことが非常に大事ですので、そういった事で日本として1つの貢献をできる分野であると思っていますので、それをやっていくということです。

(問)中東和平の信頼醸成会議には、どういった方がいらっしゃるとか見通しはたっているのか。

(外務大臣)勿論決まっていると思います。これは後程、事務的にお話をさせて頂きます。

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・台湾のWHOオブザーバー参加

(問)昨日、中国の外務次官と大臣との会談の中で、SARSにつき台湾のWHOオブザーバー加盟問題ですけれども、大臣から「関係のあるメンバーが満足する形で」という発言があったとの説明がありましたけれども、大臣としては、基本的に台湾の(WHOへの)オブザーバー加盟は有り得べしというお立場でしょうか。

(外務大臣)日本政府の立場というのは、前からずっと言っている事でして、オブザーバー参加ということが、関係者の満足する形であれば、日本としてそれは良いのではないでしょうかと、そういう立場です。

(問)でも、関係者が満足する形というのは、もう少し具体的に考えますと、その中には中国が含まれるわけで、中国は非常に、昨日のお話の中にもありましたが強硬な態度は崩しておりませんし、そうすると議論がずっと平行線になってしまうが(如何でしょうか)。

(外務大臣)関係者がということですけれども、これは関係者は大勢いるんですね。まず、WHOでたとえばこれは議題になるかどうかという段階から、色々な過程がありますよね。ただ、日本として近隣にある国などの保健、公衆衛生と言いますかね、こういう事については、非常に重要な関心を持っているということですし、また、WHOのオブザーバーとして、NGOも含め色々な人が係わって、WHOの活動に係わるということは、非常に大事であると思っています。今日本として、先程申し上げた基本的立場を踏まえて、もしそういったことが議題にあがってきた場合には、どういう投票になるのかということは、検討をするということで、今の段階では何も決まったわけではない。

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・米韓首脳会談

(問)明日、米韓首脳会談が行われ、一週間後には日米首脳会談が行われますが、いずれも「北朝鮮問題」が課題となっていると思いますが、明日の米韓首脳会談には、どんなことを望まれますか。

(外務大臣)これは、米韓二国間での色々な問題があると思いますので、そこについては、日本として何かコメントをするという立場ではないですけれども、北朝鮮ということで言えば、やはり「米・韓・日」この連携ということが、非常に重要な、これはずっと重要であるということですから、その連携についての十分な必要性を認識して頂いて、「それが大事だ」ということを認識し、それについての良いお話合いをして頂ければと思います。それから、日本として、先程米韓について、これは基本的に二国間の問題で日本が何か言うお話でありませんけれども、日本にとって、米韓関係というものが前進をしていくということが、非常に意味のある、重要であることと思っていますから、ブッシュ大統領と盧武鉉大統領との会談が良い形になることを当然希望しているわけですし、その結束あるいは同盟関係の強さということを確認するということで、非常に広がりのある未来志向型の良い会談になることを希望し、また、そうなるだろうと思っています。

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・対北朝鮮政策

(問)対北朝鮮に対しての政策ですけれども、日本の政策が最近のキーワードで言えば、「対話と圧力」というようなことを言われていますが、これはどういったものなのかということと、従来は「抑止と対話」であったが、これとの違いは何でしょうか。

(外務大臣)別に新しい考え方として、「対話と圧力」ということを言ったということはないです。この考え方は、外交関係をやっていく基本として常にある話であって、そういう意味では、何ら新しい話ではない。今までも北朝鮮との関係で言えば、これは、そういう意味で北朝鮮だけなく、どこの国にもこれはあるわけで、働きかけを強く行っていくということは今までもやってきているわけですね。ですからそれはそういった意味で何ら新しいものではなく、外交の考え方、基本的な考え方がそういうことだと思う。

(問)「圧力」と言われたとき、今の時点でどういったものを想定されますか。

(外務大臣)今の時点で、例えば、今までの法律に従って色々なことを行ってきているわけですね。わが国としては。それは、北朝鮮でも、どこでもやっているわけでして、それをきちんと運用するとか、そいうこともやってますよね。ですから、ご質問が例えば、「経済制裁」を考えているかということであれば、それは、そういうことは、日本も含めどの国も考えていないわけであって、今の時点ではそういうことではないということです。国連の場でもそういうことが、今、議論になっているわけは全然ないですね。基本的な考え方というものはそういうものだ。外交とはそういうものです。

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・サウジアラビアにおける爆発事件

(問)サウジアラビアについて何か情報はありまか。

(外務大臣)サウジアラビアについては、今情報をとっておりますが、日本人が3人ほど怪我をしていると情報で、詳しいことは分かっていません。今の時点では。

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外務大臣会見記録 (平成15年5月9日(金)8:55~ 於:院内)

・閣議

(外務大臣)私の方からは、三つ申し上げたいことがありまして、ひとつはテロ特措法の延長(について閣議で)発言しました。これは配布した資料を見て下さい。(閣議ではテロ特措法について)発言しました。

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・外務省タウンミーティング

(外務大臣)もうひとつは、外務省のタウンミーティングを今年度の第1回ということで、6月7日に仙台で行います。テーマは年度の初めなので、日本の外交政策一般です。

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・重症急性呼吸器症候群(SARS)問題

(外務大臣)3番目にSARSの関係で中国に対して4人、国際緊急援助隊を派遣しまして、北京の日中友好病院等で感染対策とか、治療法とかの指導、助言をします。この時に李肇星外交部部長にも、私のメッセージを託しまして、日本として今後更に支援することがあれば、何かしますよということをメッセージとして託します。

(問)緊急援助隊はいつ派遣するのでしょうか。

(外務大臣)11日から16日までです。

(問)SARSに関しまして、台湾のWHOの加盟に関しまして、野党の一部からは台湾のオブザーバー加盟も認めるべきだという話もあり、日本はもっとイニシアティブをとった方がよいのではないかという話がありますけど、これについてはいかがですか。

(外務大臣)SARSのこと等でわかるように日本の立場というのは、オブザーバー参加を、関係国の理解を得てということで、前にそういうことを言っているわけですが、その日本の考え方についての説明を今やっています。

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・北朝鮮の核開発問題

(問)北朝鮮の核開発問題についてふたつのことを伺いたいのですが、いずれも報道で3国協議の際に、北朝鮮が核兵器を2個保有していると米側に通告したという報道があります。これについてと、もうひとつは再処理についてプルトニウムの抽出が終わったとの報道もありますが、これについての認識をお聞きしたい。

(外務大臣)米国は前から北朝鮮が核の保有をしているという可能性について、そういう評価をしていると言っているわけです。北朝鮮が実際に会合の場で何を言ったかということについては、我々は当事者ではありませんし、実際に出席をしていた国がそれについて述べているわけではないので、日本の立場から、いろいろ話は聞きましたが、申し上げることは差し控えたいということです。
 そして、核については、そういう報道がありましたが、日本として、今米国が評価をしている最中だということを聞いていますし、米国の報道官もそういう発言をしていると思います。

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外務大臣会見記録 (平成15年5月6日(火)9:28~ 於:院内控室)

・閣議

(外務大臣)私の方からは、今日の閣議での発言ですけれども、まず総理の欧州訪問と私の中東訪問について報告を致しました。あと2つありまして、平成14年度の日本NGO支援無償資金協力の実施状況、最後がウンム・カスル港浚渫のプロジェクトへの緊急無償資金協力の実施について報告を致しました。4件報告をしたということです。私の発言について総括を致しますと、何と言っても非常にいい、新しいアブ・マーゼン(アッバース)内閣がスタートをするという日にイスラエル、パレスチナに行くことが出来まして、日本の中東問題についての、中東和平への重要性について話をすることが出来た、アブ・マーゼン(アッバース)首相に対しては日本の改革と和平に向けた取り組みの支援策を伝えることが出来た、ということでございました。イスラエルに対してもアブ・マーゼン(アッバース)内閣を支援していくことの重要性、環境を作ることが重要であるということを伝えること、日本の考え方を伝えることが出来たということです。ヨルダン、シリアに行きまして、それぞれ日本の中東和平への関与について話をし、日本についての信頼、是非日本に役割を果たしてほしいということが先方からありまして、日本に対する信頼の厚さを感じることが出来ました。パレスチナも新内閣、アッバース首相もそうですが、イスラエルの新しい外務大臣、シャローム外務大臣ですね。それからシリアのシャラ外務大臣、初めてお目にかかりましたけれども、今後のいい関係のベースを作ることが出来たと思っております。日本が中東外交をやっていく、日本がグローバルな外交をやっていこうとしている国であるということを中東諸国に理解してもらうことが出来たということに意味があったと思っています。

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・国際協力事業団(JICA)労働組合のアンケート

(問)少し前の話ですが、JICAの関係なんですが、10月の独法化を前に労働組合がアンケートをしたところ、新しい組織については外務省からトップが天下るのに反対という方が9割以上で、現在の川上総裁の続投を支持していなかったということでありますが、今度、任命される大臣としてはどういう考え方に基づいて、どういう方を新しい理事長にしたいと思われるのでしょうか。

(外務大臣)あれは労働組合でアンケートということではなくて、JICAの有志の方々のアンケートであるというふうに聞いていますけれども。

(問)あれは大臣に提出したアピールは有志という形だと思うのですが、アンケート自体、組合員の方が実施したものだと思いますが。

(外務大臣)有志ではないでしょうか。私が見たのは有志と書いてありましたけれども。これは、人事権は外務大臣にあるわけでして、適材適所でじっくり考えたいと思っています。JICAについて言いますと、JICAについての非常に高い評価が、中近東で話をした時にありました。やはり人が行って、目に見える形で技術協力をやって、いかに一所懸命やっているかという話がありましたですね。私もその話を聞いて大変に嬉しく思いました。重要な仕事だと思います。

(問)有志の方のアピールと言いますか、大臣のおっしゃった内容について、アンケートによりますとこういう新組織にしてほしいという、こういう新組織になりたいと、ついては、大臣に人事については、改革意欲のある人を任命してほしいということで、そのアピールの内容については、読まれてどういうふうに受けとめられましたか。

(外務大臣)いろいろな方が、JICAの将来を考えているということは、それはそれで評価をしています。内容については、これは当然に、独立行政法人になるわけですから改革が重要であるということもありますし、改革だけではなくて、やはり今までそれだけの実績があるわけですから、そういった技術協力をきちんとやっていける、これは実施する組織ですから、それがやっていけるということも重要ですし、総裁の人事については、これは先程言ったように適材適所でじっくり考えて選びます。

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・在イラク日本国大使館の再開

(問)中東第二課長がバグダッドを視察されたと思うのですが、大使館再開の目途というか、状況はいかがでしたでしょうか。

(外務大臣)私ちょっと、連休で帰ってきて、相星課長からじっくりお話は、直接には聞いていないのですが、きちんと調査をしたというふうに聞いています。それは私は、今週出来るだけ早い時点で報告を聞きたいと思っていますが、出来るだけ早く、出来たら今週の末ぐらいまでには再開をしたいと考えております。最終的な判断は話を聞いた上でと思っています。

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・アンマン空港での手荷物爆発事件

(問)毎日新聞の記者の手荷物の中にあった、イラクで拾ったと本人が主張している爆発物が爆発する事件がありましたが、イラク国内で、他には報道機関組織とかNGO関係者とか、日本人が一般の市民を含めて何人か在留していますが、日本の外務省としてそういった方々にイラク国内に残留している危険物に対して、例えば注意喚起するような予定はありますか。

(外務大臣)そういうことをする必要があるような状況であれば、それはもちろんしますが、ただ、そういうことは常識じゃないかと思いますね。日本人でイラクにいて、戦争の状況を十分に知っているとしたら、何が危険であるか、何が危険ではないか、それを当然見極めることが出来るというのは、イラクで仕事をする上での前提じゃないかと思います。

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