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記者会見

外務大臣会見記録(平成15年1月)


INDEX


・ 外務大臣会見記録(1月31日付)
 ・ 閣議
 ・ 内閣府タウンミーティング
 ・ 「川口賞」
 ・ 川口大臣就任一周年に関して
 ・ 脱北者
 ・ 米英首脳会談


・ 外務大臣会見記録(1月28日付)
 ・ イラク情勢
 ・ WTO非公式閣僚会議
 ・ 脱北日本人妻
 ・ 第一回代替施設建設協議会


・ 外務大臣会見記録(1月24日付)
 ・ 閣議
 ・ イラク情勢、北朝鮮問題


・ 外務大臣会見記録(1月21日付)
 ・ 閣議
 ・ 国会開会
 ・ 大臣の沖縄訪問
 ・ 在日米軍の日本研修
 ・ 北朝鮮(脱北者日本人妻、ロシアの特使)


・ 外務大臣会見記録(1月17日付)
 ・ 大臣のフランス訪問
 ・ 大臣の韓国訪問
 ・ 北朝鮮の核開発問題
 ・ 中国への特使派遣


・ 外務大臣会見記録(1月10日付)
 ・ 年頭所感
 ・ 南西アジア訪問
 ・ フランス訪問
 ・ 韓国訪問
 ・ イラク情勢
 ・ 北朝鮮問題
 ・ ロシアからの原油輸入






外務大臣会見記録 (平成15年1月31日(金)10:40~ 於:会見室)

・閣議

(外務大臣)私から申し上げることは、今日の閣議で四演説が決定されました。

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・内閣府タウンミーティング

(外務大臣)3月1日ですが内閣府でやっているタウンミーティングで、私と石破防衛庁長官と、これは場所は横須賀ですけれども、出席を致します。テーマは「世界の中の日本」ということで、内容は外交政策とか安全保障政策とかそういったことになっております。

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・「川口賞」

(外務大臣)今日の午後4時半から、「川口賞」ということは前から言ってまいりましたけれども、その表彰式をやりたいと思っております。在外の方が多いものですから、お出でになれない方が多く、そういった方に関しては、私はその後直接に電話で話をしたいと思っております。

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・川口大臣就任一周年に関して

(問)就任されて明日で一年になりますけれども、ご感想と今後の抱負をお伺いしたいと思います。

(外務大臣)そうですね。一年間で、外務省改革から始まりまして、そして外交課題、これは平和の定着という話もありますし、9月にWSSDに出ましたので、人間の安全保障といった観点からの仕事もありましたし、北朝鮮、イラクの問題も今は非常に重要な課題となっております。そういった事について、きちんとやれることをやれてきたと思います。外務省が改革をしなければいけないというところから、私はスタートしたわけですけれども、改革のスピード、透明性、実効性という話をしましたけれども、半年でだいたいそこの行動計画を作るというところまでこぎ着けて、今あと残っているのは機構の話ですが、それも3月ということですので、外交に専念をしていく体制ということができた。もちろん実行の段階での改革というのは、今まさにやっているところですので、終わったというつもりは全くないですけれども、それをやりながら、外交に焦点を絞っていくことができるようになったということが、この一年間できたことだと思います。外交について言うと、「強い外交」、「わかりやすい外交」、「温かい外交」ということで言ってきました。先程申し上げた、言うべきことは言い、やるべきことはやるという「強い外交」ですとか、人間の安全保障のような「温かい外交」ですとか、そして「わかりやすい外交」、タウンミーティング等やっていますけれども、それからホームページも随分、ODAも含めて、充実をすることになったと思いますが、そういったことで成果をあげていくことが出来たのかなと思います。考えてみますと、2月2日にイワノフ(・ロシア)外務大臣と初めての会談があって、その時から一年経って世界のほとんどのカウンターパートといいますか、外務省のトップ、或いは首脳ともお会いしましたけれども、少なくとも主要国の外務省のトップは電話で、ファーストネームでお互いにいつでも連絡できる、人柄もわかっているし、向こうからもわかってもらえるという関係を作れたということは、今後の外交をやっていく上で大きな資産だと思っています。今後については、「強く、温かく、わかりやすい外交」というのはもちろん続けていくわけですし、そういうスタイルを持ちながら、今までの外務省で創造的な外交をやっていくというベースを作れていると思いますので、どんどん、益々創造的な外交に外務省全体で取り組んでいきたいと思っています。

(問)大臣、自ら採点をするとしたら何点であるかということと、一年間、政治家、永田町サイドから、大臣が民間、ノーバッジというで、いろいろ政治的決断ができないのではないか、顔が見えないのではないかという指摘がありましたけれど、その辺はいかがでしょうか。

(外務大臣)まず採点は、これはもう人様にやっていただくものだと思っていますので自分では採点しませんけれども、私自身としては、自分の時間を、本当に全てを仕事に使ったという感じで、これ以上一所懸命やれなかったんじゃないかなと思っています。それから永田町の話ですけれでも、私自身は永田町の政治家の方とは個人的にはコミュニケーションを持たせていただいているつもりですし、永田町と外務省が離れたところにあるというふうには思っていません。それから、民間人の閣僚だということがマイナスになるというふうには全く思っていませんで、これはまさに憲法が、(全閣僚の)半分までは民間人から登用していいということを、憲法に書いてあるわけですから、そういうことを日本国として想定をしているということだと思います。問題があるようなことであれば、そういう想定を憲法はしないと思います。それから、いろいろな仕事との関係で言えば、政治家であろうが政治家で無かろうが、その仕事をやるのにふさわしい人間かどうかということで判断されるべきものだと、私は思います。

(問)その1年の関係で、国会の答弁で何度もかなり議員の方から、それでは答えになっていないとか、説明責任を果たしていないという厳しい追及を受けられたことがありますけれども、その点に関してはどういうふうな感想を持っていらっしゃいますか。

(外務大臣)外交がテーマでなければ、もっともっと言えることというのはたくさんあるんだろうと思うんですね。それで、事を担当しているのが外交ですから、これは相手国との関係とか、それから日本も世界の中ではかなり大きな国ですから、日本の外務大臣が発信した事は世界に影響を与えるということも考えて発言をしなければいけない。従って、言えることは言えるけれども、これは大変に残念ですけれども、全てある時点で申し上げられるわけではないということなんですね。そこを御理解を頂きながらやっていっていると、そういうことだと思います。

(問)今大臣がおっしゃった、外交理念の中での強い外交ということで一つお伺いしたいのですが、言うべき事は言う、やるべき事はやるということで、直近のイラクとか北朝鮮で連携の欠かせないアメリカに対して今後どういうふうに実践をされていくかということをお聞きします。

(外務大臣)これは、言うべき事は既に申し上げています。例えば、日本は、イラクの問題について言いますと、大量破壊兵器の懸念を持たれているイラクと国際社会の問題であるという考え方なんですということはここ何カ月も言ってきているわけですね。例えばそういうことで、言うべき事は言ってきているということです。

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・脱北者

(問)脱北者問題についてお聞きしたいのですが、先般、女性の方が帰国されましたけれども、国会の中で脱北者に対しての支援の枠組みというものを検討すべきではないかというような問いもございましたけれども、外務省として脱北者に対する支援というのを考えていかなければいけないというふうにお考えか、あるいは政府全体として取り組まなければいけない問題なんでしょうか。

(外務大臣)これは、私は政府全体で取り組むべき問題だと思いますね。もちろんその中に外務省が担当するところというのはあるわけでして、ただ、日本に帰ってきた時にどうやって、40年ぐらい日本を離れていた方が上手く日本の社会に溶け込んでいけるのか。いろいろな問題があるわけですね、お一人お一人の方を考えた時に。溶け込んでいけるのかというのは政府全体の問題だと思います。ただ、外務省としてやはりきちんと根っこのところで考えておかなければいけないということは、その人個人の安全、家族を含めて関係者の安全ということなんですね。ですから、静かにやらなければいけないところもあるわけで、まず既存の枠組み、そういった方に対する日本国内の持っている支援、それの枠組みがどういうことなんだろうかという議論をきちんとする必要がありますし、その上で何か足りないことがあるということであれば新しい考え方があるでしょうし、何れにしても外務省は、やはりそこは安全を守れるような形ということであることが必要だと思っています。

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・米英首脳会談

(問)もうすぐブッシュ、ブレア、米英首脳会談がありますけれども、日本政府としてはこの会談をどう位置付けられ、見守るおつもりでいらっしゃいますか。

(外務大臣)イギリスとアメリカはこの点について、かなり長い間協議を続けてきているわけですね。ですからそういったことの一環として、今の状況を考えた時に更にどういうふうに考えるかということではかなり両首脳の間の重要な会談だという位置付けはしています。アメリカの考え方についてはこの間の一般教書で出ているわけですし、イラクが今後どのように積極的に査察に対応するか、大量破壊兵器を廃棄する意図を明確に出していくかということが鍵を持っているということですから、そこをどういうふうに両国の首脳が考えられるかということなのではないかと思います。そこの読み方だと思います。

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外務大臣会見記録 (平成15年1月28日(火)8:50~ 於:院内ぶら下がり)

・イラク情勢

(外務大臣)閣議では特に私から発言しませんでしたけれども、閣僚協議会の場で、昨日、安保理で報告が出されましたけれども、それについての概要と考え方について簡単にお話をさせて頂きました。基本的に、イラクが内容において能動的に協力をもっとしていくことが重要であるということでございます。それについて、我が国としては、今後引き続き安保理の議論を注視をしていくというお話を致しました。

(問)イラク問題ですけれども、報告の中でですね、イラクは査察への協力が不十分であるとの指摘がありますが、大臣どのように受け止められておられますか。

(外務大臣)それは、全くそういうことだと思います。(安保理決議)1441で、イラクに挙証責任がある訳ですね。イラクが、過去の疑惑とされていたことをどういうふうに今なっているかということを説明しなければいけない。それを、その1万2千ページの報告書でも説明をしていないし、その後、ブッシュ大統領は、「隠れん坊」といっていますけれども、その後、それについての説明を積極的にしていかない、していっていない。ですから、イラクがもっともっとそれは積極的に対応するということが必要だということです。12年間、国連の決議を守ってこなかったという実績がありますし、化学兵器なんかを使ったという実績もある訳ですから、そういった観点からイラクの協力が必要だと思っています。

(問)今後国連の場でですね、査察の継続が必要だというふうにお考えでしょうか。

(外務大臣)これは国連の安保理で御議論をなさる話なので、どういう議論をしていくかということを注視したいと思っていますけれども、一つその大事な視点というのは、今まで12年間、ずっとイラクに決議を守るようにいってきて、守ってこなくて、(安保理決議)1441は、そういう意味では最後の猶予を与えたということである訳ですね。ですから、あとどれぐらい伸ばすとどれぐらいイラクが積極的に出てくるだろうかと、そういうことの判断がカギかなと思っています。

(問)米は武力行使をまだ決意していませんけれども、米に対してどういった働きかけをされるとお考えですか。

(外務大臣)これは、総理にも週末にやって頂きましたけれども、国際的な協調、これを維持していくということが非常に重要だということでして、イラクが、今まで申し上げましたように、積極的に疑念を晴らしていく、そういう行動を取るための働きかけをもっとやっていかなければいけない、それを国際的に協調してやっていくことが大事だと、そういうことだと思います。

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・WTO非公式閣僚会議

(外務大臣)WTOのミニ閣僚会議を東京でやるというお話をしていまして、2週間後の週末に、金曜の夜から日曜にかけて東京で致したいと思います。私が議長をすることになりまして、25カ国呼んでいます。ここで出されるテーマというのが、一番大きいのは市場アクセスの問題で、これは、農業、非農業、それからサービスと三部門ありまして、それと発展途上国の問題、そしてシンガポール・イシューと言われておりますけれども、投資ですとか貿易円滑化ですとか政府調達ですとか、そういった分野ですね。それから、あと競争ですか。それとルールと言われる分野で、アンチ・ダンピングの話、そういったことを取り上げようと思ってまして、これは、基本的に自由に意見を交換をしていく場ということでして、3月末に市場アクセス、特に農業のモダリティー・ペーパーを出すということになっていますので、それに資するような議論が出来ればというふうに思っています。

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・脱北日本人妻

(問)中国に身柄を拘束されている日本人妻の方の帰国の問題ですれども、現地で、この2~3日に身柄が移されるじゃないかという観測が出されていますが。

(外務大臣)恐縮ですが、これについてはちょっとコメントを控えさせて頂きたいと思います。本人の安全ですとか関係者の安全ですとか、いろいろなことがございますので。

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・第一回代替施設建設協議会

(問)第一回代替施設協議会で、15年問題を改めてどういうふうに取り組まれるのでしょうか。

(外務大臣)これは、稲嶺知事やそれから名護市長からお話が御座いました。それで、私としては、基地の固定化を避けて基地の整理・縮小を願っているという沖縄の方々の気持ちを反映をしての御発言を重く受け止めていると言うことを申し上げましたし、つい最近の12月の2プラス2の場でも取り上げさせて頂きましたし、基本的には、平成11年末の閣議決定に従ってこれに対応していくと、そういうことです。

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外務大臣会見記録 (平成15年1月24日(金)9:03~ 於:院内控室)

・閣議

(外務大臣)私から申し上げるのはひとつだけで、閣議でこの間公式実務訪問賓客という形でチリのラゴス大統領ご夫妻を接遇するということで了解がありましたが、大統領はお出でになれますが、令夫人がご都合によって来日できなくなったという連絡がチリからありましたので、その報告を致しました。

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・イラク情勢、北朝鮮問題

(問)閣議後に総理、官房長官と残ってらっしゃいましたが、どういった話があったのでしょうか。

(外務大臣)最近のイラクとか、北朝鮮とかの色々な動きがありましたので、私から直接ご報告、ご説明をしたということです。

(問)双方とも安保理にかかるか、どうかという話にもなっておりますが、そういう事にについても意見を交わされましたか。

(外務大臣)時間が短かったので、中身について話をする時間はなかったんですが、今こういう風に物事が動いてますということですね。

(問)総理から指示なり、何かコメントはありましたか。

(外務大臣)きちんと各国と連携をとってやるようにというお話がありました。

(問)イラクに対する武力行使ということで、フランスとドイツがかなり鮮明に行使反対又は慎重な姿勢をとっており、イギリスは国内で国民の批判、与党内で反発は強いですが、首相に関してはアメリカを支持しておりますが、日本の外務大臣の姿勢はどの様なものでしょうか。国際的なメッセージという意味も込めてお願いします。

(外務大臣)アメリカ自体が武力行使をするということを決めているわけではないわけですね。日本としては今外国的な努力を引き続き尽くすべきだという立場であります。万が一、そういうことが実らなくて、ということはイラクが国連決議の履行を無条件、無制限にするということをやっていかないということがあった場合ですが、そういうことが不幸にしてあったという時に日本がどのように対応するかということについては、昨日総理も仮定の話については答えられないとおっしゃっいましたが、考える論点というのはやはり大量破壊兵器の問題が、これは世界の問題であり、アメリカの問題ではなく、我々の問題であるということだと思いますね。そして日本が国際社会の中で責任ある国であるということと、日本はアメリカの同盟国であるというその三点を踏まえて、どういうような状況でマテリアル・ブリーチ(重大な違反)があるかということ、その他の色々な事の考慮があると思います。日本としては国際社会が協調して物事に対応していくということが望ましいと考えております。イラクの今の査察に対しての対応は、一見妨害はない、但し、国際社会が望んでいるイラクが積極的に情報を出して、能動的に、昨日ブリックス(国連監視検証委員会委員長)だか、エルバラダイ(国際原子力機関事務局長)だか、どこかの報道に流れていましたが、対応していくとが必要だということです。それをイラクがやっていくということを望んで、平和的に問題が解決されることを望んでおります。ボールはイラクのコートにあるのではないでしょうか。

(問)今協調して対応していくことが大切だというお話でしたが、アメリカが単独で攻撃に踏み切った場合については、日本政府としては対応が難しくなると思いますが、その点は如何でしょうか。

(外務大臣)先程も言いましたように、アメリカはまず武力行使すると決めているわけではないので、国際社会が今外交努力をやると、そういう努力をするべき話であると思いますね。どういう状況でイラクがマテリアル・ブリーチ(重大な違反)を行って、どういう状況でそういうことになるか、これは色々な状況がありますから今何か一つを想定して、こうだ、ああだということは難しいと思います。

(問)北朝鮮の関係ですが、一部報道では、北朝鮮がNPT脱退を宣言する前に日本政府の外務省高官に対して連絡があったという報道がありますが、事実関係は如何でしょうか。

(外務大臣)日本は北朝鮮の問題については、日頃から色々な国とも、北朝鮮自身とも密接に連携をしながらやっているということでありますが、このことについてはコメントは致しません。

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外務大臣会見記録 (平成15年1月21日(火)10:40~ 於:会見室)

・閣議

(外務大臣)今日の閣議については私から何も発言を致しませんでしたし、特に申し上げることはございません。

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・国会開会

(外務大臣)国会が昨日から開会をしましたので、外務省は今度の国会で法律案が1本と条約が9本ということでございます。ですから、かなりこれを気を入れて、外務省一丸となってやりたいと思っております。

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・大臣の沖縄訪問

(外務大臣)2月1日に福岡でタウンミーティングを行います。これは去年お話をしたかと思いますけれども、その後で、次の日、2月2日ですけれども、福岡から沖縄に行こうと思っております。沖縄はもちろん日本の外交にとって重要なもの、重要な、意味を持っているわけでございまして、私の前回、外務大臣になって初めて国内で出張したのも沖縄でございました。改めて沖縄を訪れて、沖縄の方々と直接にお話をさせて頂きたいと思っています。それから沖縄の大使が交代を致しますので、そのお披露目という意味もございます。日程は別途発表させて頂きますけれども、2日に沖縄に入りまして、稲嶺知事をはじめとする地元の関係の方、グレグソン(在沖米軍)四軍調整官等の米軍の関係の方とお話をするということでございまして、国会の関係もありますので日帰りで東京に戻って参ります。

(問)沖縄訪問の件ですが、この時期に行かれること、沖縄大使のお披露目以外の意味合いとして、沖縄の米軍の関係者とか稲嶺知事と具体的にどういったことを話し合いたいとお考えでしょうか。

(外務大臣)このことについて話し合いたくて伺うということよりは、むしろ私は、去年2月1日に外務大臣になった後で最初に行きましたのは3月だったんですね。ほぼ、それから1年ございますし、先程申し上げた沖縄大使のお披露目ということも、実はあるタイミングとしてはございますのでこの時期にと、そういうことでございます。

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・在日米軍の日本研修

(問)在日米軍の若手の士官が今日から研修をやっていますが、去年も大相撲観戦が事実上観光旅行ではないかと言われているという批判がありますが、今回は歌舞伎鑑賞が入っていますが、それについてはどの様にお考えでしょうか。

(外務大臣)この前も申し上げたと思いますけれども、日本を理解して頂くということは非常に大事だと思うんですね。このプログラムは常に、不断に見直していくということで、毎年毎年見直していっているわけでして、やはり日本の文化の一端を、特に歌舞伎はそれが凝集されているものだと私は思いますので、そういった歌舞伎を観て理解をしてもらうということは重要なことだと思います。それから今回新しい試みとしては、沖縄についての座学だと思いますけれども、そういう講座も入っていて、毎年毎年、よりいいものになるようにやっていっているつもりです。

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・北朝鮮(脱北者日本人妻、ロシアの特使)

(問)北朝鮮から中国に脱出した64歳の女性の件なんですけれども、日本に帰国する見通しというか目途というのはいかがでしょうか。

(外務大臣)ずっと申し上げてますように、個人個人、お一人のことについて、これは本人御自身や関係の方々の安全の問題がございますので、個人的なその方について申し上げるのは御遠慮したいと思ってますけれども、日本政府としては当然に邦人の保護ということは、これは全力を尽くしてやるということで、その様に行動しているということです。

(問)今後、同様のケースがたぶん続々とあると思うのですが、その日本人保護のルール作りとか、そういったものを検討されているかどうか、それはどういったお考えをお持ちでしょうか。

(外務大臣)一件一件状況が違いますし、今まで全ての場合に、外務省は最善を尽くしてそれをやってきているつもりでございますので、引き続きベストを尽くして邦人の保護に当たると、そういうことだと思います。

(問)今、北朝鮮の問題でロシアの次官が入っていますが、この成果について何か聞いていらっしゃるかということと、ロシアと北朝鮮との間の問題の解決への動きについて日本政府はどういうふうに評価をされているのでしょうか。

(外務大臣)ロシアのロシュコフ次官が北朝鮮で今話をしていらっしゃることの結果についてはまだ聞いていません。この前、イワノフ外務大臣と、あれは何時だったでしょうか電話でお話をした時に、特使が帰ってきたら中身については御連絡をするというお話になっていますので、また御連絡、電話でもお話頂けると思いますし、事務的にも連絡があると思います。ロシアも、それからみんな各国が今北朝鮮の問題については努力をしていて、同じメッセージを発しているということなんですね。昨日オーストラリアのダウナー外務大臣からお電話頂きましたけれども、豪州もそういうメッセージを伝えるミッションを出していると、それで、その結果についてはお電話を頂きましたし、また人を日本にも派遣をしたいと、事務方レベルで話を伝えたいということもおっしゃって頂いていますから、みんなそういう努力をしていくことが非常に大事で、平和的な解決をすることと、それから国際的な合意に反して北朝鮮がやっている様々な大量破壊兵器関係のことについては、それを元に戻すべきだとか、いろいろなそれぞれの国のやり方でメッセージを発しているということです。大変に重要なことを各国がやっていると思っています。もちろん我が国もそういうことをやっているということです。

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外務大臣会見記録 (平成15年1月17日(金)10:40~ 於:会見室)

・大臣のフランス訪問

(外務大臣)今日は、閣議では私の12日から昨日までの出張の報告を致しました。
 まずフランスに12日から14日までいましたけれども、このフランスという国は1月の安保理の議長国でもありますし、それから今年のG8の議長国ということで、国際的な多国間の話、そしてフランスとの間の二国間の話、両方について話をしました。
 まず、北朝鮮問題ですが、これについては日本の基本的な考え方を説明をして、フランスの理解を求めたということです。これは、国連の安保理の議長であるとか、G8の議長であるとかいうことから考えますと、非常に重要なことであったと思います。今後、日仏間で緊密に協力をしていきましょうということで合意を致しました。
 イラクについてですが、査察に対してのイラクの協力が、十分に協力があるということが重要であるということをお話をしまして、国際社会が結束して行動することが大事だということで一致を致しました。
 二国間問題ですが、今年はまず3月に日本で水フォーラムがあります。そして、エビアンでG8のサミットがあるわけでして、また秋にはTICADの話も10月に東京で行うことになっていまして、水あるいはアフリカということが日仏共同しての大事なテーマであるという認識を持っています。こういったテーマについて日仏でリーダーシップを発揮していきましょうという話を致しました。テロ等の国際的な対応を必要とする問題があるわけでして、そういったことについても協力をしていきましょうということで、日仏の協力の20の措置というものがございますけれども、これは1996年に合意をされたものですけれども、そういったテロ問題ですとか環境の問題ですとか平和の定着ですとか、新しい日仏の20の措置では、その時は余り視野に入っていなかった問題が出てきていますので、そういうことを入れるべく、今度シラク大統領が3月にいらっしゃいますので、そうした時に改定をしていきましょうというお話を致しまして、そういう意味ではシラク大統領が訪日をする時の地ならしという役割が果たせたのではないかと思います。
 それから同時に北朝鮮の問題、イラクの問題については、フランスにエルバラダイIAEA事務局長が来ていらっしゃいましたので、お話を致しましたし、ストロー(英)外務大臣とも電話でお話をしました。

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・大臣の韓国訪問

(外務大臣)15日、16日と韓国に行きまして、韓国ではまさに北朝鮮の話で、日韓、連携を強固にして対応をしていなければいけないということで、盧武鉉次期大統領とお会いをして、時間がほぼ倍になるぐらいの長い時間、30分の予定が1時間弱だったと思いますけれどもお話をし、それから崔成泓外交通商部長官とも時間をかなり延長して、実質的に非常に密度の濃いお話が出来たと思います。大変にそれぞれの会談が有意義だったと思っています。北朝鮮の核の開発の問題では、今後、日本も韓国も外交活動、外交努力を重ねていくわけですけれども、情報の交換を密に引き続きやっていきましょうというお話を致しまして、それから平和的にこの問題を解決することが重要であるということを確認をしまして、そしてそのために日米韓、この3国はもとより、中国、ロシア、そしてEUといった国々とも連携をしていくことが大事だということを再確認を致しました。
 日韓関係について、総理の靖国参拝につきましては盧武鉉次期大統領と崔成泓外交通商部長官からそれぞれ遺憾の意が表されました。しかし同時にこの地域の平和と安定の問題が非常に大事でございます。金大中政権下で1998年の日韓の共同宣言や、また昨年、ワールドカップの共催という今まで試みられなかったことを一緒にやって成功してきたという実績が日韓の関係にはあるわけで、そういった日韓の関係を、更に、新しい盧武鉉次期大統領の下でも一層発展をさせていきたいということで確認が出来たということは有意義であったと思います。

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・北朝鮮の核開発問題

(問)今日、一部報道で、北朝鮮の核問題について日米間で、北朝鮮の核開発計画の放棄を前提に、KEDOに替わる新しい枠組みの検討に入ったというものがありますが、日米間で既にそのような協議を始めていらっしゃるのでしょうか。

(外務大臣)日米間で協議を始めているということはありません。ただ、これは前からも申し上げていると思いますが、我が国としてはどういうような対応をしていくかということについては常に真剣に検討をしていると、そういうことです。

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・中国への特使派遣

(問)北朝鮮のNPT脱退宣言に関して、中国に特使を派遣されるという話が出ていたように聞いておりますけれども、これは現在、中国との調整の状況はどうなっているのでしょうか。

(外務大臣)今、調整中です。唐家セン外務大臣も、今どこか外国に行っていらっしゃるというようなこともありまして、今、調整中です。

(問)その特使を中国に派遣する日程的な問題に関して、今回の総理大臣の靖国参拝が何か影響したかしていないか、どういうお考えですか。

(外務大臣)靖国神社に小泉総理大臣が参拝なさったということについては、こちら側の考え方は常にきちんと説明をしていくということだと思います。北朝鮮の核の問題については、これは関係のこの近辺の国々が密接に連携をして対応していかなければいけない問題、これも非常にまじめにきちんとやっていくべき問題であると、そういうことだと思います。

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外務大臣会見記録 (平成15年1月10日(金)9:35~ 於:会見室)

・年頭所感

(外務大臣)おめでとうございますと言ってはいけないのかもしれませんけれども、初めてですからおめでとうございます。今年もよろしくお願いを致します。まず、今年初めてですので新年の抱負という意味では、私は今年も引き続き外務省にとっては正念場だと思っております。それで昨年、中を固めてということを、特に昨年の前半一生懸命やったわけですけれども、今年も引き続き機構の改革もありますし、そこの部分がありますし、それから外に向かっては創造的な外交ということで、やはり日本が魅力のある存在で、他の国から一目置かれる存在、そういう存在であるように外交をしていきたいと思います。当面、イラク、北朝鮮にどう対応するかということがありますし、それからスリランカ、インドに行きましたけれども、平和定着の外交ということでスリランカ、アチェ、東チモール等々は引き続き、それからアフガニスタンもあるわけですので、そういうことを一所懸命やりたいと思っています。それから地球規模の問題、いろいろ様々あります。3月には水のフォーラムも日本で行われることになっておりますので、そういった面での努力を重ねたいと思います。

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・南西アジア訪問

(外務大臣)私の出張ですけれども、今日の閣議では出張について報告を致しまして、それから12日から15日までフランスに行きまして、15日、16日と韓国に行くということで了解を頂きました。スリランカ、インドについてですけれども、スリランカについては、これは日本が平和定着の外交として、スリランカについては3月と6月に日本でそれぞれ会議をやることになっていますけれども、そういったお話、あるいは日本の支援についてお話をして、スリランカの政府からは大変に熱い期待が述べられました。スリランカでは大統領と首相と、そして外務大臣とお会いをしております。それからジャフナというスリランカのタミールの北部にある地域ですけれども、ここに行きまして地雷の除去をNGOがやっていますけれども、その現場を見まして、地雷の爆破も一回やらせてもらいましたけれども、この地域を訪れる主要国の外務大臣というのは私が初めてということでございまして、戦乱の後、本当に生々しい弾痕が壁にたくさんあるようなそういう地域、もっとひどい地域もあるようでした。
 インドですけれども、これは日本とインドのグローバルパートナーシップということを、バジパイ首相が1年前にいらしたときに小泉総理との間で共同宣言を作っていらっしゃいますけれども、それについて実際に、それを強化していくということで様々な場をこれから作っていくというお話を致しました。防衛、安全保障、政治関係の協議をし、経済協力については1,100億円の円借のお話をしまして、経済面で投資や貿易をますますこれから増やしていくということが必要だということでもお話を、相互に合意を致しました。商工会議所というのがありますけれども、そこで政策のお話を致しまして、いろいろな質問も頂いて、1時間強お話をしました。

(問)インドを訪問されて、円借款も新規供与を表明された直後に核弾頭を搭載可能なアグニのミサイルの試射があったのですが、昨日の外務報道官談話で南アジアの地域安定に影響があると、重大だということはおっしゃっていますが、日本との関係についてはどういうふうに思っておられるのでしょうか。

(外務大臣)そういうことがあったというのは非常に残念だと、遺憾だと思っています。これは南アジアのというのはミサイルの開発競争が進んでいくということになりますと、この地域のバランスという意味からは非常に問題があると思っています。日本との関係で言えば、この点についてはまさに遺憾だと思いますけれども、日本とインドがそれぞれアジアにおける重要な国家、民主的な国としてアジアの安定、あるいは日印共同して、まさにグローバルなパートナーシップを持って物事に取り組んでいくということが大事だということは変わらないと思います。

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・大臣のフランス訪問

(外務大臣)フランスに行きまして、フランスではシラク大統領に表敬をしてドビルパン外務大臣と会談をし、それから経済担当のメール経済財政産業大臣、産業・財政・経済の担当ですけれども、そのメール大臣とお会いして、WTOのお話をすることになると思います。フランスはG8の議長国でもありますし、また、1月の安保理の議長国でもあります。そういったことで来週も外交をやりたいというふうに思います。

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・韓国訪問

(外務大臣)韓国では崔成泓外交通商部長官とお話をして、あと、金大中大統領、大統領になられる盧武鉉さんに表敬をさせて頂くということになっております。韓国についても、当然のことながら北朝鮮を巡る様々な問題について話をすることになると思います。

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・イラク情勢

(問)イラクの査察に関してなんですけれども、中間報告が出たようで、大量の破壊兵器を開発したとする決定的な証拠はないものの、イラク政府の協力が不十分ですとか、あるいは軍事関連物質を輸入して国連の制裁に違反する不法行為を行ったとかいうような中間報告が出ていますが、これについてはどのようにお考えになりますか。

(外務大臣)イラクについては基本的に平和的に解決をしていきたいという国際社会の意思は引き続き変わらないわけでして、イラクが査察に全面的に協力をしていって、国際社会の疑念を十分に晴らしてくれるということが大事だと思います。そして今までの、たくさんある安保理の決議にきちんと従っていくということが大事だと思います。

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・北朝鮮問題

(問)北朝鮮の関係ですが、日米韓のTCOGがあり、またその前にはIAEAの決定的緊急理事会決議があったと、そういう情勢を受けて北朝鮮の方でも日本で行われるアジア冬季大会に参加の意向の表明があったり、21日からは南北閣僚級会議に応じるという動きがありますが、こうした北朝鮮の動きについてはどのように受け取っていらっしゃいますでしょうか。

(外務大臣)大事なことは北朝鮮が濃縮ウランの開発をやめる等、それから国際社会の、今までに議論をしてきた国際的な合意に戻るということが大事なことだと思っています。IAEAにしても、この間のTCOGのステートメントにしても、国際社会として北朝鮮がそういった点に、前向きに対応してくれるということを期待をして、その表明をして、対話についてもTCOGの場合は触れているわけですけれども、そういった国際社会のメッセージを北朝鮮としてきちんと受け止めて対応をしてくれるということが大事だと思っています。

(問)アジア大会への参加表明や、南北閣僚級協議会の参加についてはどういう意図があるというふうにお考えでしょうか。

(外務大臣)これはよくわかりません。北朝鮮としてそれを、私が先程言ったような濃縮ウランの開発をやめるとか、それから国際的な合意に戻るとか、そういうことに繋がる動きであるということでしたら、それは非常にいいと思いますけれども、大事なことは国際合意に戻るとか、核の問題について、開発プログラムをやめるとか、そういうことでして、それをやるようにという国際社会がメッセージを出し、平和的に問題を解決したい、対話をするということを言っているわけですから、その期待に応えてほしい、そういうことです。

(問)関連で、共同ステートメントで、アメリカが対話の用意があるというふうに、そういう立場を表明したことについて、政府としてはどうお考えですか。

(外務大臣)これは紙に書かれたという意味では初めてですけれども、このメッセージはずっと、アメリカは言ってきているわけですね。平和的に解決をしたい、ドアを開けてあるということはずっと言っているわけですから、そういう意味ではアメリカが基本的に同じことを、ずっと言っていることを紙にしたと、そういうことだと思っております。メッセージを北朝鮮がきちんと受け止めてくれることが大事だと思います。

(問)脱北者の日本人妻が、中国に潜伏している日本人妻がいると思いますが、大臣としてはこの問題について、今後どの様に対応していくおつもりでしょうか。

(外務大臣)脱北者の日本人の方の個々のケースについては、これは御本人の安全ですとか、様々な問題、プライバシーの問題とか様々ございますので、私として特定のケースについては、コメントをすることは控えさせて頂きたいと思います。
 ただ一般論として言えば、日本人であるということが確認をされるということであれば、政府としては邦人保護という役目は当然あると思います。

(問)今度、韓国に行かれるわけですけれども、核問題に関して韓国は独自に、例えば調停案なり、修正案みたいな、北を軟化させるための独自のアイデアをいろいろ持っているのではないかと言われていますが、その辺に関してはどういうふうに評価をされていて、それから盧武鉉次期大統領とはどういうふうな話をしたいかということについてお聞きします。

(外務大臣)私は昨日、イワノフ外務大臣と話をしましたけれども、いろいろな関係をしている国が北朝鮮の問題については心配をしていて、国際的な社会の期待に北朝鮮が応えるようにいろいろなことを考えているということはあると思います。韓国が具体的に何を考えているかということは、韓国がそれなりにいろいろと考えていることもあるんだろうと思いますけれども、それはそういったことの、みんながしているということの一環であると思います。それから盧武鉉次期大統領とお会いをしたときに、これは金大中大統領とも、この前お会いしたときにお話をしましたけれども、日本と韓国の関係が、ここ金大中大統領になって以降特に、非常に進展をして、この間の日本の世論調査の数字でも出るように、日韓関係はこの地域のいろいろな価値観を共有する国、2つの間で、あるいは2つの国として非常に良くなってきているわけですね。そういったことが我が国としても高く評価し、大事だと考えているということをお話をしたいと思いますし、それから北朝鮮が核の問題について、国際社会の懸念に応えて前向きにきちんと対応するということが大事である、平和的に解決をすることが必要だと、そういうことをお話をしたいと思っております。

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・ロシアからの原油輸入

(問)一部報道で、ロシアに対して1日当たり100万バレルの原油の輸入を約束するような親書を、川口大臣と平沼大臣がロシア側に出されていたという報道がありますけれども、それの事実関係をお願いします。

(外務大臣)知りません。原油の輸入を保証してくれるということですか。

(問)日本が保証するということをロシアに伝えたというような話ですが。

(外務大臣)いいえ、ありません。ロシアの石油、石油と言いますかエネルギーの開発について、これは非常に資源は、特に極東に持っているということはありますね。エネルギーについての協力ということについては、今度の行動計画においても、これはそういうことでやりましょうということは、今はまだ発表されていませんのであれですが、入ることになると思いますから、そういうことはありますけれども、具体的にそういうことを、少なくとも私は存じません、100万バレルなんて話は。

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