外務大臣会見記録 (平成14年10月29日(火)9:20~ 於:院内控え室)
閣議
(外務大臣)私の方からは、閣議での発言が一点ありました。それは、アフガニスタンの支援に関することでして、移行政権に対してアフガニスタンにおける和平復興プロセスの促進を目的として、無償資金協力等を活用した総額約1億3600万ドル、これは約167億円になりますが、それを超える具体的な支援パッケージを決定しました。
これは、来日中のアブドラ外相と明日お会いしますが、その時にこの内の二つについて、ノンプロジェクトの無償とカブールのテレビ放送局の機材整備計画については、交換公文の署名を明日致します。今年1月に支援会議を東京で開いて、我が国は向こう2年半で5億ドル、最初の1年で2.5億ドルということをコミットしたわけですが、これについて、今までのものを全部足しますと2億8200万ドルということになりますので、最初の1年で2.5億ドルということは超えたということです。
そして、昨年9月の同時多発テロ以降に使用した支援額は、人道・復旧・復興支援を併せまして、約3億7500万ドルになりました。
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日朝国交正常化交渉
(問)本日からマレーシアで(日朝)国交正常化交渉が予定通り行われるとのことですが、大臣のところに入っている報告に基づいて、(会談の)見通しは如何でしょうか。
(外務大臣)本当にこれからということですから、今の時点で見通しあるわけではないですが、12回目の交渉ということで、これは、前々からお話しているように最優先的に取り上げるというものが、拉致の話と核の問題を含む安全保障の問題ということです。これについて国益を踏まえてきちんと交渉してくるということを期待しているということです。
(問)北朝鮮の代表である鄭泰和大使が昨日空港で記者団に対して、拉致の問題は解決されている、核の議論をする気はないという発言をされたようです。また、昨日の時点で北朝鮮から来日公演の予定があった平壌少年芸術団が来日公演を中止されるということがありました。こうしたことが、北朝鮮側が態度を硬化させているということを示唆しているとも取れますが、大臣はどの様にお考えですか。
(外務大臣)平壌学生少年芸術団の話は、これは日本として粛々と判断をしたということですから、これは別として、核について議論をするつもりはないというのは、これは(現在は)既に交渉の前哨戦にあるわけですので、それは色々なことを北朝鮮側としては、言いうると思いますし、それが交渉に影響を与えるということではなくて、折り込み済みというか、そういうことです。
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靖国参拝問題
(問)APECでの日中首脳会談で、中国側から総理の靖国参拝について言及があり、昨日の次官会見でもお話しを伺ったが、改めて大臣の考えをお聞かせ願いたい。
(外務大臣)両国の首脳が率直にこの問題を避けることなく、意見を交換し合うということは評価します。それはそれでとてもよいことであると思います。小泉総理もご自分の口からご自分の考えをきちんとご説明になられたわけですし、そういった相互の率直な意見交換というのはどこの国の首脳との間でもやっていることですから、それは意味があったと思います。
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大臣の訪韓
(問)一部報道で、来月下旬にパウエル米国務長官の訪韓に併せ大臣も訪韓されるという報道がありましたが、これは如何でしょうか。
(外務大臣)報道は見ておりませんが、来月の10日過ぎくらいのところで、韓国で民主主義閣僚級会合というのがあり、これは2回目で、前回はポーランドで行われたようですが、この会議に私も招待されておりまして、そこに民主主義国の閣僚が行くと言うことになっています。私自身はまだ国会開会中の事なので、まだ決めておりません。国会のお許しを頂けるのであれば行きたいと思いますが、これは、まだ全然決定をしていないということです。つまりそれは、パウエル国務長官に会いに行くのではなくて、第2回民主主義閣僚級会合に出席するために行くということです。これは、崔成泓外交通商部長から、随分前に自分が議長を務めるから来てほしいということは言われておりました。
(問)そこで日米韓外相会談を行うということはないのか。
(外務大臣)全ての国際会議は、そこで色々な国の閣僚が集まった時に、時間を利用して二国間会議をやるということはよくある話ですが、私自身がまだ出席をするかどうか最終的に決まっていないものですから、どうなるかよく分かりませんが、行くということになれば、時間があれば出来るだけそこでお話しをしたいと思っています。
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外務大臣会見記録 (平成14年10月25日(金)9:45~ 於:院内ぶら下がり)
閣議
(外務大臣)私から申し上げることは、明石康元国連事務次長がスリランカの関連の平和構築とか今後の開発復興に関係する仕事をする日本政府代表として任命をされたということが一つ。閣議では外務省の関係はそれだけで、私から特に発言はしていません。
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外務省タウンミーティング
(外務大臣)外務省の第4回目のタウンミーティングを名古屋で、テーマはWTOでやりたいと考えています。11月の30日(開催で)で考えています。
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拉致被害者の帰国
(問)北朝鮮からその後何かありましたでしょうか。
(外務大臣)その後、昨日発表を官房長官からした方針に基づいて、北朝鮮と折衝を、調整をしているということですね。今のところ、あの線で合意ができていることではないということです。
(問)新しいテーマが昨日の官房長官の会見で出る形になって、5人の滞在を延期して子供達の早期帰国を求めるという方針が俎上に乗ることになったわけですけど、それをどう扱うかということについては北朝鮮側とは順調に調整はいっていますでしょうか。
(外務大臣)ご質問の意味を全部取ってないかも知れませんが、何れにしても29日までにそれを確定をすると、帰国の日程とかですね。それで、それが出来なければ、交渉の場でやっていくということですから、それは従来から拉致問題は最優先課題だということを言っているんで、そういう中でやっていくということです。
(問)北朝鮮側から否定的な反応がないかという趣旨の質問なんですが。
(外務大臣)ですから、今の段階で合意ができたわけではないということを申し上げたわけですね。
(問)29日までに合意できそうですか。
(外務大臣)それはまさにベストを尽くしているということです。
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明石元国連事務次長のスリランカ平和構築等に関する日本政府代表任命
(問)ちょっと(話題が)前後しますが、明石さんに期待する役割は何ですか。
(外務大臣)今スリランカでLTTEとの間で停戦ができて交渉を政府でしているわけですね。今交渉が続いていて、まだ1月ぐらいまで会議の日程がセットされていて、やっているわけですけれども、日本として平和定着ということをずっと言ってきているわけで、停戦の実施に伴って、色々な必要なことが出来るわけですね。例えば、これはアフガニスタンでやっていることと同じですけれども、地域の開発ですとか、それから、戦った人達が普通の生活に戻っていく手伝いとか、そういうことを日本政府としてどういうふうにやっていくかということの仕事がこれからあるわけで、それの日本政府代表と、そういう仕事になるわけです。
(問)スリランカには今ノルウェーとかが入っていると思うんですけれども、そういう意味では新しい試みとも言えるのではないですか。
(外務大臣)そうですね。平和の定着構想については日本はかなり一所懸命に前からやってきていて、スリランカからはどこかの時点で会議も日本でやってくれないかという話も来てますので、そうした一連の仕事を日本としても積極的に関わっていきたいということです。
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外務大臣会見記録 (平成14年10月23日(水)9:45~ 於:院内ぶら下がり)
拉致被害者の帰国
(問)拉致被害者の家族の方から、5人が北朝鮮に戻ることについて永住帰国を求めると、今日、中山参与に対して申し入れをするこということになっているんですけれども、この点についてどのように臨むお考えでしょうか。
(外務大臣)今帰ってきている生存者の方々が何時帰るかということについては、今まさに調整中です。私からは、それ以上は申し上げることがないです。これは、やっぱり御本人の御意向、そして家族の方の御意向、色々踏まえなければいけないことがありますから、それを今やっていると、そういうことです。
(問)27日、28日くらいに北朝鮮に戻るということだったと思うんですが、そこから延びるということがあり得るということでしょうか。
(外務大臣)27日、28日もそういうふうに言われてましたけれども、特にそういうことで決まっていたということではないと私は理解してますので、まさに調整中と、そういうことです。
(問)家族が日本に来ることを、北朝鮮に残っている家族のことですね、これ11月中については学校の都合等で無理だということで北朝鮮から日本側に伝えられているということなんですが、この点については。
(外務大臣)家族の方が日本に早く来られるようにという働きかけはずっとやっているということです。それは引き続き最善を尽くしてやっていくということです。出来るだけ早くと思っています。
(問)先日、アッシュクロフト(米国司法)長官が来られましたけれども、その時、曽我ひとみさんのアメリカ人の御主人の話は出なかったんでしょうか。
(外務大臣)私は特にしてません。
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外務大臣会見記録 (平成14年10月18日(金)9:45~ 於:院内控え室)
閣議等
(外務大臣)第一回の省内の日朝交渉のためのタスクフォースの会議を開くということが一つです。それから今日の閣議でパレスチナの旅券を有効と認める政令改正が決定されたということです。
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日朝国交正常化交渉
(問)タスクフォースはいつ、どのような形で(開くのでしょうか)。
(外務大臣)今日の午後4時ですね。中身としては幹事会を昨日やってますので、その報告を受けて、今後の会議、交渉の基本的な方針について議論をするということですね。基本的な方針、この間閣僚会議で決まりましたけれどもそれを議論をし、もう少し具体的にしていくということです。
(問)まだはっきりとした対処方針を決めるには少し早いですか。
(外務大臣)対処方針というのは本当に細かいんですよね。会議の。ですからそれはもっとギリギリにならないと決まらないですよね。だいたいいつも会議が始まる直前ぐらいに決まるとかそういうことが多いですから。
(問)29日の交渉まで何回くらいやる予定ですか。
(外務大臣)今から何回開くとかそういうことを決めることはできないと思います。今日の議論の結果を見て、もう一回必要だということになればやりますし、それでいいじゃないということになればやらないし、ということです。それから事態が今後展開があればまたということでしょうし、柔軟に、そこは省内の会議ですから事前にはっきり決めてということではないと思いますね。
(問)北朝鮮の核開発疑惑の関連で、一部報道で日朝首脳会談の際に総理がそれを取り上げたところ、金正日総書記が「核戦争やってもいいんだぞ」というような発言があったということが報道されていますが、この点はそういう事実があったんでしょうか。
(外務大臣)会談の中身については会議が終わった後、プレスに発表してますですよね。それ以上のことについては、これはまさに外交的な交渉、話の一部ですから申し上げることはできないです。
(問)北朝鮮の開発でですね、今度の日朝交渉についてもアメリカなどからも注目が集まると思うんですけれども、改めてどういう気持ちで、核開発の話を受けて、日朝交渉にのぞまれるかお話し下さい。
(外務大臣)優先的な課題ということを中心に他のこともいろいろありますけれども、きちんと取り上げて、優先的な課題はきちっと取り上げていくということですよね。それは拉致問題、この真相解明に向けてやっていかなくてはいけない。それからもう一つは安全保障問題、特に今回出てきた核開発問題、それに関連して北朝鮮側は包括的な解決のために国際的な合意を遵守すると言っているわけですから、そういうことがそうでないと、アメリカ側が提起しているのはそういうことですね。北朝鮮側もやっていると言っているわけでからそれも重く受け止めないといけないと思います。ですからその問題も取り上げていくということですね。平壌宣言を守ってもらうというのが日本の基本的な立場です。
(問)週末にアメリカからケリーさんがいらっしゃいますけれども、その時日本として伝えたいことはどういうことがございますか。
(外務大臣)まずお話を聞くということですよね。それで日本としてはこれはもう伝えてあることの繰り返しになると思いますけれども、29日に交渉を再開するということとさっき申し上げたようなことを、二つ申し上げましたけれども、優先課題として取り上げていくということですね。それからアメリカは昨日国務省の紙で平和的に解決をしたいということを言っているわけで、これは国際社会が共有する問題ですから我が国は我が国として取り上げますけれども米国も平和的に解決をするということで取り組んでいただくということだと思います。
(問)ケリー特使とは直接お会いになられるんですか。
(外務大臣)今調整中です。
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外務大臣会見記録 (平成14年10月16日(水)10:18~ 於:外務省会見室)
閣議
(外務大臣)私の方から申し上げることは特にござませんが、今日の閣議で私のロシア出張についてご報告を致しました。それから(閣議が)終わった後、テロ対策閣僚会議がございましてインドネシアの事件について私から報告致しましたけれど、この詳細については官房長官が記者会見でおっしゃられることになっておりますので、多分もうお話しになられたかと思います。
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日朝国交正常化交渉
(問)閣議の後、残られて総理と話されておりましたが、これはどの様なテーマですか。
(外務大臣)北朝鮮の(日朝国交正常化交渉が)29日、30日と始めますので、その基本的な考え方についてお話しをさせて頂いて、何か承ることがあればということでお話しを伺わせていただきました。
(問)総理からはどの様な話がありましたか。
(外務大臣)特に新しいことはありませんが、拉致の問題について最優先課題でやるとおっしゃっておりまして、しっかりやるようにとのことでした。併せて、安全保障関連の問題についても優先課題としてきちんとやるようにとのことでございました。
(問)国交正常化のためのタスクフォース会合はいつ開くご予定ですか。
(外務大臣)できるだけ早くと思っています。国会が始まる前にと思っていますが、国会が始まる当日になってしまうかもしれません。
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外務大臣会見記録 (平成14年10月11日(金)10:18~ 於:官邸ぶら下がり)
日朝国交正常化交渉の省内体制
(外務大臣)私の方から申し上げることは、閣議関係は何もありません。もう一つ申し上げたいのは、これから日朝国交正常化交渉が再開していくわけで、外務省は外交の交渉のところについて、この問題を担当していくわけですけれども、それについて省内全省をあげて体制をきちんとしていく必要があり、これについては前から指示していました。
組織については、政務ベースの会議、これは私が議長をやって副大臣、政務官で大きな方針を決めるということで、その下に事務次官が議長をする幹事会というものを作って、そこでいろいろ細かいことを詰めてもらい、その報告を政務レベルの会議に上げてもらうという体制でやりたいと思っています。第一回の会議は、私は今日からロシアに行ってしまうものですから、帰ってきてからということになるかもしれませんが、そういうことで進めたいと思っています。
(問)タスクフォースの立ち上げは大臣が帰られてからということか。
(外務大臣)そうですね。幹事会ベースは先に議論できると思いますが、(立ち上げについては)私が帰ってからです。火曜日に帰りますから、もう明日から3日間連休になりますので、そんなに問題はないと思います。
(問)具体的なテーマみたいなものは想定されているのか。
(外務大臣)交渉をやっていくときの方針を議論していくということです。情報を幹事会で分析してもらって、それでそれぞれのところの方針を決めていくということをやっていくわけです。これは全省が関わってということですが、交渉事ですからある程度メンバーを限りながら進めていく必要があるわけで、そういう意味で今まで外務省が対策本部でやっていたのとは違って、特定の個人を幹事会のメンバーにする。そして政務のレベルでもそうですが、そういう形でやっていく。その中では情報をきちんとシェアをしていって方針を決めていくということで考えています。
(問)幹事会で決まったことを政務レベルに上げて、それをさらに官邸に上げるということですか。官邸との関係はどうなっているのか。
(外務大臣)それは常に外務省と官邸はこの問題については連携をとって今までも来ていますから、細かい話は別として、必要であれば大きな話については当然官邸と相談をしながらということです。
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北朝鮮の拉致問題
(問)現在来日中の寺越さんの従兄弟が北朝鮮に渡った経緯について、拉致問題ではないかということで真相解明の要望書を外務省に持っていくようですが、これについてはどのように対応されるおつもりか。
(外務大臣)これは全ての拉致の可能性のある日本の方についていえることですが、まず警察、捜査当局できちんと調べていただいて、それで拉致の疑いが濃厚であるというご判断であれば、それは外務省は当然国交正常化交渉の中で北朝鮮ときちんと話をしていくということです。
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大臣ロシア訪問
(外務大臣)ロシアについては、先程閣議の前に総理と官房長官にこういうことで(ロシアへ)行きますというお話をして、総理からはプーチン大統領への伝言をお預かりしました。
(問)プーチン大統領への総理からの伝言について差し支えなければ・・・。
(外務大臣)これはやはりご本人にお伝えするということだと思います。
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イラク問題
(問)米国の下院でブッシュ大統領がイラクへの武力行使について可決されたが、これについてどうお考えですか。
(外務大臣)米国を始め、我が国も全くそういう意味では同じ立場ですけれども、イラクが無差別の即時、無条件で国連の査察官を入れる、そして大量破壊兵器を廃棄するということが何よりも大事である。それをどうやって行っていくかと考えたときに国連の決議も大事ですし、今最大限にイラクに圧力をかけるということが大事であると私は思います。
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外務大臣会見記録 (平成14年10月8日(火)9:50~ 於:院内控え室)
閣議
(外務大臣)今日は特に閣議で私から発言はありませんので、特に申し上げることはないです。
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日朝国交正常化交渉
(問)一部報道の世論調査で、日朝交渉の10月再開についてですね、賛成が44(%)、反対が43(%)ということで、まあ各社とも大体同じく賛否が分かれる結果が出てますが、どのように受け止めておられますか。
(外務大臣)これは色々なご意見があるだろうと思います。多分、その数字については、政府の側で10月に再開することの意味をもっと国民の皆様にご理解をして頂く努力をしなければいけないということを表しているのかなと思いました。10月に再開をしますということは、日朝の平壌宣言にきちんと書いてあることですね。この平壌宣言というのは非常に大事な宣言で、10月に再開をしますということも書いてありますし、それから、いくつかの例えば請求権を相互に放棄をしますというようなことも書いてありますし、両方の国がこれを守ることというのは非常に大事なことであるわけですね。ですからこれを守ることが必要。それから、拉致の問題も他の問題も、交渉を再開をしてその中で話していくということが非常に大事であるわけですね。ですから、再開をしないでこのまま置いておいても、物事が真相解明或いは解決の方向に向かって動くわけではない。大事なことは真相を解明することですし、それから、物事を国民の皆さんから見て透明性のある形でやっていくことですから、そのためにはやはり交渉を再開をするということが基本だと思いますね。両首脳が合意なさったことですから、これは10月に再開するということが大事です。
(問)その日程なんですが、30日と31日にマレイシアでという方向で調整中というところまでは言えるわけですか。
(外務大臣)日程について、それから場所について、調整中です、というところまでですね。もちろん今からですから上旬ということはないでしょうし、今調整をして決めることですから、当然後ろの方になっていかざるを得ないということだと思いますけれども、調整中です。
(問)ケリー米国務次官補が訪問したことに対する北朝鮮側の反応が出まして、アメリカは傲慢で高圧的だというリアクションを取っていましたが、そういう北朝鮮の反応について大臣はどのように思われましたか。
(外務大臣)これはアメリカと北朝鮮の関係ですから、どういうような形で話し合いがあって、どういう風に北朝鮮側が思ったかということは、日本として直接に居合わせたわけではないので、コメントをするのは難しいのですが、私が知っているところでは、アメリカ側はアメリカの持っている懸念、これはアメリカだけではなくて国際社会が共有している懸念ですけれども、ミサイルの話ですとか、通常兵器の話ですとか、核の話ですとか、大量破壊兵器の話ですね。そういった懸念を北朝鮮側に話しをしたということでして、それで、北朝鮮側が協力をしてくるということであれば、アメリカとの間で話をする、対話をするということで、米朝関係が進展をするという話をしたということですよね。それから、日本の拉致問題についても話をしたということです。米側の発表だとその話し合いは非常に率直な話し合いであったということですから、かなり率直であったんだろうと思います。それからそれぞれが、北朝鮮側はそういう反応をしたということでしょうし、我々としては、アメリカと北朝鮮側がこの問題について話しあって、そして北朝鮮側が国際社会の懸念を無くす方向で動いていくということがとても大事だと思っています。当然日本は、もちろん北朝鮮との間で誠実に話しをしていくということです。
(問)再開交渉の場所は「第三国で調整中」ということなんですか。
(外務大臣)第三国を含めます。「第三国を中心として」と申し上げていいでしょうね。
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外務大臣会見記録 (平成14年10月4日(金)10:13~ 於:官邸ぶら下がり)
閣議
(外務大臣)今日の閣議で、石弘之東大大学院教授が特命全権大使におなりになるということを始め、合計4人の方の特命全権大使というのがかかりましてそうなりました。石さんはこの後ザンビアに赴任をするということでして、昔、東大教授になられる前に、具体的には朝日新聞でずっと環境のことをやっていらっしゃいまして、その段階でかなりアフリカには何回も行っているということと、ケニアのナイロビに朝日新聞の編集委員時代に駐在で2年間ほどいらっしゃいまして、その時にUNEPの上級顧問他をなさってらっしゃる。それから、昨年、アフリカのやはりケニアの大学で4カ月ほど教鞭を執っている他、相当回数アフリカに足を運んでいらっしゃるようです。
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工作船
(問)今日、不審船の報告でしたでしょうか。
(外務大臣)扇大臣が会見で何か仰るということを仰ってらっしゃいました。
(問)不審船の船籍が特定された場合に、外務省として改めて抗議等はお考えになるんでしょうか。
(外務大臣)不審船については、この間の首脳会談で金正日総書記から、これは軍の一部の人たちがやったということであると、それで、再発させるようなことはしないというお話があった訳ですね。それで、今後、その不審船の更なる事実関係ですとかそういうことについては、正常化交渉の中でやっていくということです。
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日朝関係
(問)拉致問題ですけれども、御家族の方の中からは、やはり追加的な情報が欲しいと言うことで、第二次の調査団を要望する声が高まっている訳なんですけれども、一方で、今月中の国交正常化交渉再開という問題がありまして、この二つの日程的な問題についてはどちらが先ということは余りこだわらないというお考えですか。
(外務大臣)どちらが先というふうに順番を決めなきゃいけないとは考えないですね。国交正常化交渉の再開というのは、平壌宣言で10月中というふうに書いてありますので、10月中に再開をするということになると思います。それで、御家族のご要望は出来る限り踏まえるということで進んでおりますけれども、今は、持ち帰ってきた色々な資料の分析をやっていますから、まずそれをやるのが先で、それをやった後で、また色々お話を伺って、その上で必要であればご要望に沿うようにするということですね。
(問)調査団の資料の分析とか、それを基に今後北朝鮮と交渉していくには、警察当局との連携も非常に重要になってくると思うんですが、今後、具体的にどういう形で進めていかれるのでしょうか。
(外務大臣)警察当局との連携は、今、既にこちらで非常によくやっていまして、連携を取ってやっています。ですから、それをずっと続けていくということですね。
(問)何か、具体的に定期的な意見交換の場を設けたりするということはありますか。
(外務大臣)別に、具体的に定期的にということじゃなくて、もう随時必要な時にやっている訳ですから、枠組みを作るということにそれ程意味があるということではないと思います。
(問)北朝鮮が拉致問題で処分したとされている二人の関連なんですが、この処分されたとされる98年当時から、私腹を肥やしたという汚職の罪だということで処分されたという情報が当時からありましたけれども、それと今回の拉致事件に出てきたという関連についてはどういうふうに受け止めていらっしゃいますか。
(外務大臣)名前が挙がった二人の方について、北朝鮮の中のどういう部署のどういう人だということについての情報は色々聞いていますけれども、政府として、これについて具体的な内容については更に正常化交渉の中で先方と話をしていくということですね。
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北朝鮮対日工作部門の解散
(問)北朝鮮が対日工作部門を解散させたという一部報道がありましたが、あれについては御報告というか何か。
(外務大臣)私は聞いておりません。
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外務大臣会見記録 (平成14年10月1日(火)10:25~ 於:外務省会見室)
冒頭発言
(外務大臣)今日の閣議は短くて私の方から報告をすることはございません。私の発言もありません。それからもう一つお話しをしたいのは、タウンミーティングですけれども、第4回を11月中に名古屋で開きたいと思っています。テーマはWTOということでして、なかなかWTOというのは身近なところから少し離れたところにあるように感じられるテーマですので、我々の生活にどういう関係があるかということをきちんとお話しをして、ご意見を皆さんからいただこうと思っています。以上です。
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質疑応答
(問)拉致問題調査団が今日帰国することになっていますが、現段階で調査団の成果なり動向なり、どういう報告が大臣のところに入っているでしょうか。
(外務大臣)成果については昨日お話しをしたこと以外にはありません。それから、動向については予定通りであれば今飛行機に乗っているはずですけれども、特に飛行機に乗らなかったという連絡も、乗ったという連絡も入ってませんので、北京に10時前に飛行機が着くことになりますから、そこでわかるのだと思います。
(問)WTOのタウンミーティングですが、外務省だけではなく、農林水産省なり経産省なり、それぞれの個々の業界を持っているところが参加しなければ、具体的な議論は難しいと思うのですが、他省庁との連携というのは考えられているのでしょうか。
(外務大臣)おもしろいご提案だと思いますので、検討してみたいと思いますけれども、外務省が調整をする官庁ですから全部について把握しておりますので、よその省の方がいないとできないということはないと思います。ただ、議論はおもしろくなるかもしれないので考えてみたいと思います。
(問)拉致問題調査団の報告について、大臣はどのような形でお聞きになるのですか。
(外務大臣)まだ決まってませんけれども、できるだけ早く聞きたいと思っております。そういうところは調整をしてもらっております。
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