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記者会見

外務大臣会見記録(平成14年4月)


INDEX


・外務大臣会見記録(4月26日付)
 ・閣議
 ・第2回タウンミーティングの開催
 ・副大臣の出張
 ・人事
 ・日朝赤十字会談
 ・大臣就任3カ月
 ・小泉内閣発足1年
 ・支援委員会専門家会合の報告
 ・小泉総理の靖国参拝に対する中国の反応  


・外務大臣会見記録(4月23日付)
 ・人事関係
 ・パレスチナ緊急人道支援
 ・緒方政府代表のジェニン国連調査団メンバーへの選出
 ・不審船
 ・総理の靖国神社参拝
 ・ピース・ボートの北方四島渡航計画  


・外務大臣会見記録(4月19日付)
 ・ ODA総合戦略会議
 ・ 人事関係
 ・ アメリカによるイラク攻撃の際の対米協力
 ・ イタリアにおける小型機の衝突事故
 ・ フロリダでの列車事故
 ・ 日朝赤十字会談
 ・ 自民党の外務省改革提言


・外務大臣会見記録(4月16日付)
 ・ 閣議
 ・ 有事法制
 ・ 中東情勢
 ・ 日朝赤十字会談


・外務大臣会見記録(4月12日付)
 ・ 閣議
 ・ 支援委員会人事
 ・ ODA
 ・ 幹部人事
 ・ 日朝赤十字会談の見通し


・外務大臣会見記録(4月9日付)
 ・ 『我が国の軍縮外交』の発刊
 ・ 幹部職員による電子メールの私的使用
 ・ 朝鮮半島情勢
 ・ 加藤議員の議員辞職の申し出
 ・ 大臣のアフガニスタン、イラン訪問


・外務大臣会見記録(4月5日付)
 ・ 不審船の引き上げ
 ・ カナダ大使館員の飲酒事故
 ・ タウンミーティング
 ・ 中東情勢
 ・ サハリンにおける国会議員に対する便宜供与
 ・ 内規の公表


・ 外務大臣会見記録(4月4日付)
 ・ 冒頭発言


・ 外務大臣臨時会見記録(4月2日付)
 ・ 冒頭発言
 ・ 質疑応答


・ 外務大臣会見記録(4月2日付)
 ・ 閣議
 ・ 前イスラエル大使の中東への派遣
 ・ 人事上の措置
 ・ プール金調査に関する内部文書




外務大臣会見記録 (平成14年4月26日(金) 8:55~ 於:院内控え室)

・閣議

(外務大臣)閣議では私から、平成13年度の草の根無償資金協力の実施状況、草の根文化無償協力の実施状況、およびアフガニスタンにおける緊急ロヤ・ジェルガの開催に対する資金供与、この3つについて発言を致しました。草の根文化無償が約1億(円)、(草の根)無償資金協力が100億(円)で、アフガニスタンが270万ドルです。
 人事の関係で、今日の閣議で国際情報局長に小島高明氏、コスタ・リカ共和国大統領就任式典に出席をしていただく特派大使として中川昭一議員、それから東郷、森両大使の本官を免ずる旨も決定しました。
 私の出張について閣議で報告され、臨時代理は森山法務大臣です。

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・第2回タウンミーティングの開催

(外務大臣)タウンミーティング、これは外務省の第2回のタウンミーティングを7月に大阪で開催をする予定です。少し前回の反省の上に立ってやり方を変えていこうと思っています。

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・副大臣の出張

両副大臣がそれぞれ御出張がありまして、既に今行っていらっしゃいますが、杉浦副大臣が中央アジア3カ国、ウズベキスタン、キルギス、カザフスタンに政府とこれらの国の対話ということで既に行ってます。それから植竹副大臣が5月2日と3日、G8のエネルギー大臣会合がありまして、これには平沼大臣が出席を致しますが、ご一緒に植竹副大臣が行きます。これは石油市場の安定の話、それから大阪で国際エネルギーフォーラムが9月にありますけれども、それまでの間にサミットですとか、WSSDですとか、一連のつながっていくことのエネルギー面での話があるということです。

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・人事

(問)東郷大使ですが、他の方と違って、「願により」というのがないが、そこはどういう理由か。最終的に本人は納得されているのか。

(外務大臣)退官願いというのがあるんですね。他の方は退官願いの提出があった。東郷大使については退官願いの提出がなかったということで、それが手続きの違いに出てくるということです。

(問)出さないというのは、抗議の意志の現れか。

(外務大臣)細かいお話は聞いていないが、お話は大分前からそういうことでお話をしてあったわけですので。

(問)退官願いは出さないが、納得はされていると理解して良いか。

(外務大臣)納得はされていると私は思っていますが。

(問)本人と直接話をする機会は今日まであったのでしょうか。

(外務大臣)この事件の関連でですか。

(問)退官にあたって。

(外務大臣)退官について。退官については特に私とは直接話をしていません。

(問)この事件に関してはどうですか。

(外務大臣)直接にはないですね。ただ、口頭での話はないですが、お書きになったものとか、そういうのは拝見を全部しております。もちろん、その間の話は全部聞いてますし、私が考えていることも伝わっています。

(問)これまで聞かれたり、目を通されたもの、それで今日、退官願いを出さないというのは何か相関関係があるのでしょうか。

(外務大臣)私はないと思います。

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・日朝赤十字会談

(問)週明けに赤十字会談がありますが、改めて聞きますが、これまでの外務省の非公式の折衝を踏まえて、見通しはいかがでしょうか。

(外務大臣)見通しについては私が今の時点で予断をするというのは適切ではないと思っていますが、私としては、やはり日本として拉致問題等の人道上の問題には非常に関心があり、国民の生命に関わる重要な問題であると言うことは、十分に向こうに伝わっているわけですので、双方、十分に話し合いがすすんで、いい結果がでることを希望しているだけです。

(問)2つの大きなテーマで行方不明者の調査と日本人妻の里帰りがあり、この2つを比べた場合、日本人妻の里帰りの方が進展があるのではないかという見方もあるが、どう考えていますか。

(外務大臣)どちらがどうという中身について、それぞれについて望ましい結果が出ると良いと思っています。

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・大臣就任3カ月

(問)大臣、間もなく就任3カ月を迎えることになりますが、この3カ月を振り返って、率直な御感想をお聞かせいただければ。

(外務大臣)フル操業してたという感じですが、やるべきことがたくさんあって、本当にもっと時間が欲しいというのは、就任してしばらくたった時に1日72時間欲しいと言ったのだが、今も同じことを思っています。昨日例えば、NGOの方と会ってお話ししましたよね。時間の制約があって、大勢来て頂いて、それぞれの方からもっと詳しいお話を聞きたいと思いますし、いくつか議論を、これどうですかといって私が提起をさせていただいて、議論を何人かの方からご意見を頂いたのですけどね、そういうことももっと深めていけば良いだろうと思いますし、全てのことについて、そういう時間に制約をされて動いていて、十分に議論ができないとか、自分で資料読む時間も十分にないとかね、時間内でどうやって集中してやっていくかという能力は少し出来たかも知れないです。

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・小泉内閣発足1年

(問)小泉内閣も発足して1年たつわけだが、小泉内閣1年を大臣なりに振り返っていか がでしょうか。

(外務大臣)何となく私は3カ月で切れちゃってるものですから、改めて考えてみると「ああ1年だったんだ」と今思ったのですが、小泉内閣が改革ということを掲げて発足をして、私は相当いろんな事が動いたと思います。それは考えてみると、今度の郵便の、郵政の公社になる、それからその民間が参入をするという話にしても、これは本当に考えられなかった話ですし、提出をさせていただいて、これから議論が始まる武力攻撃事態対処法についても、ずっとやらなければいけないことが、ようやく今になってとりかかれるということで、改革という意味では、それなりに実績をあげていったと私は思っています。そういう中で私も外務省の改革をきちんとやらなきゃ行けないと思っていますけれど。

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・支援委員会専門家会合の報告

(問)今日、支援委員会の専門家会合の報告があるが、基本的にこの提言の内容に沿って、省内のコンセンサスをはかり、ロシアと折衝するということになるのかと思うが、改革の実現の目途、時期についてはどのくらいに考えていらっしゃいますか。

(外務大臣)本当に時間を使って議論していただいて、委員の方には、たびたび夜中にもなったという話を聞いてまして、それだけ熱心にやっていただいたことについて、私としては非常に有り難いと思っていて、それをきちんと受け止めて、これは、おっしゃったように相手との交渉がいろいろありますので、それをやっていって、出来るだけ早くと思っています。事業としては進めることは非常に大事ですので。組織に関わる話ですから、ロシアとの関係もありますし、政府内での調整も必要になると思いますし、これを出来るだけ早くと思ってやっていこうということです。

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・小泉総理の靖国参拝に対する中国の反応

(問)小泉総理の靖国神社参拝に対する中国の反応ですが、中谷防衛庁長官の訪中は拒否し、曽慶紅組織部長は来日されたが、この対応をどう評価されますか。

(外務大臣)わが国の反応ではなくて、別な国の反応を、それぞれここで1つ1つ申し上げるのはどうかと思っています。安全保障関係のところについて、やはり厳しい反応があったと言うことだと思う。外務省、私は一貫として、中国との間では引き続き未来志向、国民交流年でもあるわけですから、広いベースの交流を広げていくということが非常に大事だと思います。

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外務大臣会見記録 (平成14年4月23日(火) 9:30~ 於:院内控え室)

・人事関係

(外務大臣)人事関係であるが、今日の閣議で今井駐イスラエル大使と駒野駐アフガニスタン大使の人事案件が了解された。駒野氏は臨時代理大使であったものが、大使になるというものである。

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・パレスチナ緊急人道支援

(外務大臣)パレスチナ緊急人道支援で330万ドルの緊急人道支援をUNDPを通じて行う。

(問)パレスチナへの支援であるが、パレスチナ側から要請が事前にあったのか。

(外務大臣)確か自分が電話で話をした時にもそういう話があったと思うが、(話が)あったからやるということではなく、それはそれで日本としてはずっと必要(と考えており)、今までも(支援を)やっていたし、特に現在の情勢を考えれば、医療の関係であるとか水だとかライフラインが非常に影響を受けている。そういうことに対して支援をするということが必要であったとの判断があったので、(支援することに)したということである。

(問)電話というのはどなたと話をされたのか。

(外務大臣)それは、シャアス(パレスチナ暫定自治政府計画・国際協力庁)長官とで、先週のいつであったか、電話で話をしたのであるが、その時にもそういう話はあったと記憶している。

(問)この支援にあたって、改めて特にパレスチナ側に何かを求めるということはあるのか。

(外務大臣)(そういうことは)特に考えていない。

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・緒方政府代表のジェニン国連調査団メンバーへの選出

(外務大臣)ご存じかもしれないが、国連のジェニン難民キャンプの事実調査団のメンバーに、緒方氏が(同メンバーは全部で)3人いるのであるが、選ばれたというこである。緒方氏は国際的に非常に信頼が厚いということがここで改めて証明されたということで、非常に結構なことだと思っている。

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・不審船

(問)一部報道で、不審船であるが、4月の中旬に、既に海上保安庁と外務省のチームが中国側に引き上げの手順について説明したということが出ているが、不審船の状況について、現在の進捗状況、特に中国側の・・・。

(外務大臣)仰ったようなことも含め、今まで中国側に対して色々説明はしている。これは発生以来、中国側とは情報の提供をしている訳であり、今回も二人、外務省と海上保安庁から行ったということも含め、どういうことをやることが必要かとか、色んなことの説明は丁寧にやっている。

(問)どういうことが必要か丁寧に説明したとの御発言であるが。

(外務大臣)様々な手順とか、今はどういう状況であるとか(についてである)。引き揚げる段階までは行っていなくて、外からこれから船体調査をするという段階である。それについて説明するということであり、今必要なことを説明している(ということである。)

(問)ということは、引き揚げることを前提としたものではないのか。

(外務大臣)(引き上げを前提)ということでは今の段階ではない。

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・総理の靖国神社参拝

(問)今回の小泉総理の靖国神社参拝は我々には唐突感があったが、大臣には何時どういった形で話があったのか。

(外務大臣)自分も当日の朝知った。

(問)その場合に、今年特に今のタイミングで総理が靖国参拝するということを踏まえて、そうした場合にどうしようというような対アジア外交の検討というのは練られていなかったということになるのか。

(外務大臣)自分自身が考えていたかということであれば、考えていなかった。それは勿論事務的には色々なことは、(総理は)当然頭の整理はしていただろうと思うが、自分との間で議論をしたということはない。

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・ピース・ボートの北方四島渡航計画

(問)NGO団体であるピース・ボートが国後島をこの夏に訪問するという企画を発表し、それに対してロシア課は、自粛を求める、遺憾である、というようなコメントを出しているが、大臣のお考えとしては如何か。

(外務大臣)これはずっと日本政府の方針で、閣議了解が確かあったと思うが、北方四島をあたかもロシア側の領土であるということが前提になるというような行動をすることは、具体的な文言はちょっと覚えていないがしないということである訳である。そういうことについて注意を喚起して、それを理解をして欲しいということをロシア課として考えていて、どういう計画であるかということを何回か聞いたということがある。それに対してお返事は頂かなかったということであり、それで対外的な発表があったということである。ですから、そういう話を聞かせて欲しいという、どういうことを考えているのか計画を聞かせて欲しいということを言っていたことに、一方でこちら側が言っていたことに対してそれについての応答がなくて発表したということについて遺憾であるというだったと思う。

(問)ピース・ボート側は、NGOによる民間外交への圧力であるというような表現の文書を公表していたりしているが、大臣からは反論というか、圧力という主張に対して如何であるか。

(外務大臣)それは問題の性格が全然違う話であり、正にこれは北方四島について日本の考え方の話であり、これは入域を行わないように、例えばロシア連邦の出入国手続きに従うということになると、北方領土四島がロシア側の領土であるということを前提にした行動になる。そういう意味でこの問題が解決するまでの間、入域を行わないというように自粛をするということが閣議了解であり、そこを言っている訳であり、それが不当な圧力とかどうとかという話しではなく、全然問題の質が異なる話だと思う。

(問)それに関連して、仮に何らかの形で、ピース・ボートで北方領土に行った人達がロシアの警備隊に捕まったりするようなことがあって、日本政府に助けてくれとの要請があった場合の対応というのは(どうなるのか)。

(外務大臣)それはそういう事態があり得る事も含めて、心配して色々政府としては話をしているので、そういう事態はあっていけない訳で、あるいは向こうで怪我をしたとか、色んなことがあり得ると思うが、ですから自粛をするということである。あまりそういうことがあるとかないとか前提にして今の段階でコメントは申し上げられない。

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外務大臣会見記録 (平成14年4月19日(金) 8:50~ 於:院内控室)

・ODA総合戦略会議の立ち上げ

(外務大臣)自分から申し上げることが二つある。一つは先般の第二次ODA改革懇談会の中にODA総合戦略会議というご提言を頂いて、これはODAの具体的な方針を決めていこうという場であるが、これを早速立ち上げるということにして、第一回の会合を5月にも開催をしたいと考えている。この会議の議長は自分がする。議長代理には渡辺利夫拓殖大学国際開発学部長である。この方は第二次ODA改革懇談会の座長をお願いした方であり、この分野では非常に知見、経験、学問的な業績が豊富な方である。メンバーはこれから出来るだけ早く決定をして発表をしたいと思う。

(問)ODAの総合戦略会議のメンバーはどのような分野から、(例えば)以前NGOという話もあったが、メンバーを決めるおつもりか。

(外務大臣)自分としては、いろいろな分野の方を入れて欲しいと思っている。まだ、今、案を作ってもらっているので、その案を見た上で意見を言いたいと思っている。

(問)2、3例示頂くことは出来ないか。

(外務大臣)今の段階で人の名前は言えない。

(問)どのような分野から(ということも例示いただけないか)

(外務大臣)考えられるいろいろな分野である。有識者もいるし、実務をしている方、これは企業の関係者も含むし、NGOの方ももちろん含めて欲しいと思っている。この分野で学問的な政策的な知見がおありの方、有識者、国民の視点を代表することが出来る方等、普通にお考えいただいて幅の広い分野でということである。

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・人事関係

(外務大臣)二つ目は人事案件である。駐イスラエル大使が空席になっていたが、今井正現国際情報局長をあてることにした。来週の火曜日に閣議決定を経て、発令を予定している。また、外部の人材を幹部ポストへということで話をしてきたが、渡邊頼純大妻女子大学比較文化学部教授に、本省の経済局の参事官をお願いすることにして、5月1日に発令の予定である。渡邊教授はWTO及びEU経済に精通しており、ご自身でGATT事務局に勤務をなさるといった実務の経験もあり、国際経済分野について大変な識見及び経験がおありの方である。この参事官のポストでWTOの新ラウンドの交渉とEUとの関係強化の仕事をしていただくということである。民間の方で本来の仕事に加えて、外務省の職員に対しても新風を刺激をして欲しいと思っている。

(問)民間人で大使と言うことはよく聞いたり、他省庁との交流はあるのだと思うが、現場のレベルに外から民間人をあてるという例はこれが初めてか。

(外務大臣)全てが現場だと思っているが、本省と言うことか。本省に民間の方が入るというのは、幹部級では、中途採用ということはあるが、そういったものを別にすれば初めてである。

(問)幹部級とはどのレベルを想定されているのか。

(外務大臣)局の中二階とお考えいただければよい。

(問)審議官、参事官以上ということか。

(外務大臣)然り。外務省は他の省庁よりは、自分の印象では外部の人材を途中で採用するということをしている。大使に出られた方もいるし、本省にいらっしゃる方でもそういった方がいる。幹部と言うことでは、こういう形では初めてである。

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・アメリカによるイラク攻撃の際の対米協力

(問)一部報道では、アメリカが想定している対イラク攻撃に関し、アメリカから日本に対して、一度は派遣を見送ったイージス艦の派遣を打診という報道があるが、そういったやりとりは行われているのか。大臣はそのあたりの事実関係をどう認識されているのか。また、対イラク攻撃を想定して現時点でアメリカとどのような協議が行われているのか。先日ミニSSCもあったが、そこでは対アフガン作戦についても、護衛艦の派遣の延長を求めているわけであるが、対アフガン作戦の絡みと関連して、想定されるイラク攻撃への対米協力をどうお考えか。

(外務大臣)テロ対策というか、国際的に協調してテロに対応しようという意味ではアメリカともいろいろな折に意見の交換をするということは、当然ずっとやってきているが、おっしゃった新聞の報道は自分も見たが、そういった形でのイージス艦の派遣という要請があったとは承知していない。要請はなかった。

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・イタリアにおける小型機の衝突事故

(問)イタリアでの小型機の衝突について、どのようなご報告を受けているのか。

(外務大臣)自分が聞いていることは、ほぼ報道されているようなことである。引き続き事実関係についてはフォローするようにと言ってある。

(問)日本人でこれに巻き込まれたという情報は。

(外務大臣)今の時点ではなかったと聞いている。

(問)テロとの関係については全くないと考えて良いか。

(外務大臣)今の時点ではそういうことではない事件であろうというのが、イタリアの判断であると聞いている。

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・フロリダでの列車事故

(問)邦人の安否に関連して、フロリダで列車事故が起こっているが、ここでの日本人の情報は入っているか。

(外務大臣)その列車事故であるが、現在事実関係を確認中で、日本時間の早朝で、少なくとも3人死亡、全体で430人程度の乗客が乗っていたと言うことである。

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・日朝赤十字会談

(問)日朝赤十字会談の日程が決まったが、直ちに拉致問題について北朝鮮からきちっとした回答があるとは考えにくいが、今回どの程度の成果を期待なさっておられるか。

(外務大臣)この問題、日本人配偶者の帰国問題というのも、ここで取り上げられると自分は考えていて、会談が成功して、自分達が考えている成果が上がると言うことは期待をしているが、どういう形でということは、これからまさに始めることであるので、自分から予断を申し上げることは避けたいが、日本としては当然、今まで拉致問題については国民の生命に関わる重大な問題であるということは言っているわけで、きちんと物事が明らかになるということが大事なことであると思っている。

(問)大臣がおっしゃった「自分たちが考えている成果」とは具体的にはどういったことか。

(外務大臣)具体的に何かということは、これから会談をしていく過程で相手があって進む話であるから、「ここまで」ということを限定的に申し上げるということは避けたいが、当然最大限の成果である。

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・自民党の外務省改革提言

(問)先日自民党で外務省改革に関する提言がまとまったが、特に条約局を廃止するとか、経済協力局を外に出すという組織的にかなり抜本的な提言がなされているが、大臣がおっしゃっている「変える会」の議論を踏まえた当面の改革のプロセスに、このような意見は考慮されるのか。

(外務大臣)一昨日発表されたことについては、自分は改革は「出来ることはどんどんやっていく」ということを言っていて、「変える会」の結論を待つことなく「出来ることはどんどん進めていく」ということで言っている。それ(自民党案)に盛り込まれたことについて出来ることは当然に知恵を頂いているわけであるから、やっていくということである。今直ちに実行に移せないものについては、「変える会」の場でご議論を頂いて全体として、こういう風にしたらいいのではないかと「変える会」から言っていただく中でそういうことが入ってくるのだと思う。組織の話は、自民党の小委員会の話は重く受け止めて、自分たちとしては考えてみるということが大切である。具体的に機構というのは組織のあり方の中で基本的な部分であるから、じっくり中でも議論をする必要があると思う。「変える会」でそれを取り上げられるかどうかは、「変える会」のご判断があるわけで、今まではその話は出てきていないのではないかと思うが、これからまだあるから、どういう風に「変える会」でお考えになるかだと思う。外務省としては、いずれにせよ、自民党でご提言いただいたことは重く受け止めてやれることはやるし、少し考える時間が必要なことは、中できちんと議論をするということである。

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外務大臣会見記録 (平成14年4月16日(火) 9:15~ 於:院内控え室)

・閣議

(外務大臣)本日の閣議では、自分から小泉総理のボアオ・アジア・フォーラム第1回年次総会出席について報告を行った。それから、日韓投資協定、日韓犯罪人引渡し条約及び文化財の不法輸入・輸出禁止条約の3つが国会提出の了承を得た。

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・有事法制

(問)本日の夕方の閣議で、有事関連の法案が閣議決定されるが、日本の安全保障政策にとっての意義についてどのようなお考えか。

(外務大臣)小泉総理がよく言われているように、「備えあれば憂い無し」全くその通りだと思っている。

(問)一部捕虜の扱いに関するジュネーブの追加議定書及び米軍関係に関する法制は今回見送られたわけであるが、その対応についてどのようにお考えになるか。

(外務大臣)まだ閣議決定していないことなので、いろいろなことを前提に中身について触れることは避けさせて頂きたいと思う。今回、議論をされないというか、また、その先もしに扱わないということであれば、実際は扱うことになるのだが、その先に行って検討をすることだ思う。中身については、未だ政府決定していないので、検討中ということである。

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・中東情勢

(問)パウエル国務長官の調停工作が続いているが、今のところどのように分析されているか、また、シリア、レバノンに行かれているが、これはヒズボラの関連と思われるが、日本側の対応を伺いたい。

(外務大臣)パウエル国務長官は非常に困難なミッションを大変に、献身的にやっていらっしゃると思う。これは歴史的にも、それから現時点で両者の対立が非常に激しく、厳しくなっているので、なかなか難しいことが多いと思うが、今、わが国としてやるべきことと言うのは、全面的にパウエル国務長官の調停というか仲介の努力を支持をすることであると思う。これはEUの閣僚理事会もそういう同じようなスタンスでいる思っている。全面的に支持をするということである。これは、いろいろなそういう方向でのメッセージは送ってきているが、そいういうことである思う。
 それから、シリア、レバノン、イランであるが、ヒズボラの関係でいえばイランも非常に重要な国であるが、この国に対しては、わが国からシリア、レバノン、イランのわが国の大使館から政府の最高レベルに対して、ヒズボラをコントロールするが必要であるということは、今までも伝えて来ている。そういった努力を日本としては行っていくことである。イランについては、在京大使館でもやっている。

(問)大臣は国会でも現地訪問を検討したいと言われているが、この月末から訪問されるということは、現時点で考えられるオプションなのか。

(外務大臣)いろいろな提案はテーブルの上にあるわけで、パウエル国務長官が努力をなさっているのを、先程申し上げたとおり、とにかく支持をすることが今の段階では必要なことである思う。それで、今後動きについてはこれを注視していくことであると思う。
 今は国際情勢が非常に早く動くので、どういった展開になるかということについて、なかなか予断をして行動することで、間違ってもパウエル国務長官の仲裁の邪魔になるようなことをしてはならないということだと思う。日本としてどういうタイミングで何をすることが、一番建設的にこの停戦、和平と繋がるプロセスに貢献出来るのかということをきちんと考えることであると思う。

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・日朝赤十字会談

(問)日朝赤十字会談であるが、まだ日程は決まらないのか。

(外務大臣)今は、事務的に打ち合わせを進めているところであり、まだ日程は決まっていない。

(問)何か北朝鮮側に理由があるとかいうことか。

(外務大臣)何か特別に難しい理由があるとかは承知していない。

(問)大臣は今の段階で、今月中に行える見通しは立っているとお考えか。

(外務大臣)それを期待している。

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外務大臣会見記録 (平成14年4月12日(金) 8:40~ 於:院内控室)

・閣議

(外務大臣)特に(申し上げることは)ないが、一件だけ(申し上げると)人事案件で猪口大使他2名の大使が閣議にかかって、閣議で決定された。

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・支援委員会人事

(問)国会でも答弁されている支援委員会の件であるが、今の高野事務局長が就任される際に、当初外務省側が別の人を考えていて、それに鈴木議員が否定的なコメントをして、今は代わって高野局長になったという経緯があったが、そのことについて、以前園部リポートでも指摘されたように、鈴木議員との異常な関係から生まれた一つの事例として捉えているか、それともそうではないと考えているか。

(外務大臣)そうであるとも、ないともあまり(言えないが)、そうだとか、ないだとかいう、どの辺の色合いの問題かという話だと思うが、鈴木議員が「この人を」と言って高野さんが良いと言ったことではない。ただ、ある程度外務省としては、やはり鈴木議員の意向を忖度したというか、どの程度にはっきり「だめ」というトーンで言われたかというのは自分はわからないので、忖度をしたということだと思う。

(問)この件については、特に調査なり、或いは外務省側の人の処分なりというのは考えていないのか。

(外務大臣)調査という意味では、聞いてそこがわかったということなので、さらに(調査の)必要はないと思う。調べたが別に文書が残っているわけでもない。

(問)それに関して、忖度が過ぎたということで、関係者を何らかの形で処分をするとかいうことは考えていないか。

(外務大臣)それは特に今考えていない。そういうことがあったようだという位の話で、口頭で残っているだけであるので。

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・ODA

(問)カンボジアの最大野党の党首が今訪米中であるが、そこでODAについて触れていて、日本のODAは条件が付いてないので腐敗政治に使われやすいということを指摘しているが、カンボジアの党首が野党ということでそういうことも言いかねないが、日本も条件を厳しくしてODAを出すというお考えは(あるか)。

(外務大臣)その発言自体、全然聞いていなかった。そのカンボジアの何が具体的なケースでというのはよくわからないが、ODAについては、例えばこれから円借款であるが環境については、ガイドラインでやるということになっているし、従来も入札の基準はきちんとしているわけだし、評価もやっているので、まだまだ透明性を増すという意味では、或いはその国にとって相応しい援助であるということを現地のNGOの方にも意見を聞くとか、いろいろやろうとは思っているが、その党首の方が言われるような、何か全く条件がついていないとかそういうことではない。だからちょっとよく意味はわからないが、一般論としてはODAの透明性をもっと上げたいと思っている。

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・幹部人事

(問)東郷大使について、既に帰朝命令が出されているが、今後の免ずる処分のプロセスというのは、タイミングとしていつ頃になるのか。

(外務大臣)出来るだけやるべきことをやって早く帰るようにとは言っている。やはり日本とその国の外交関係があるので、一人の大使がきちんと挨拶をするとか、やることをやって、出来るだけ早くということは言っているので、帰国したら処分の通り、官を免ずるということになるということである。

(問)もう既に帰国しているのか。

(外務大臣)まだである。いろいろアポ取って挨拶をしたり、その後始末をきちんとやっているところだと思う。

(問)来週ぐらいに帰国で、それから手続きということになるのか。

(外務大臣)自分はやるべきことは出来るだけ早くやって、出来る限り早く帰国するべきだということは言っている。

(問)野上前次官について、大臣が先に中東問題の特命事項を担当してもらうと考えているとおっしゃっていたが、その後、野上前次官が中東問題で何かやっているとは感じられないが、その辺の処遇はどうするつもりか。

(外務大臣)今、中東問題はいろいろ動いていて、中東アフリカ局もかなり忙しくて、野上前次官はそれなりに人のネットワークもあったりするので、アドバイスをするというか、顧問役というか相談役というか、そういう意見を求められてアドバイスをするという仕事はやっている。

(問)実際にそういったアドバイスはしているのか。

(外務大臣)日常ベースで(している)。

(問)当面、官房付のままそういう形が続くということか。

(外務大臣)先のことは(わからないが)、今は官房付であるし、当面そうであると思う。

(問)それ(アドバイス)は政策決定のレベルであるのか。

(外務大臣)具体的にどういうことについてということは自分は聞いていないが、細かいことも含めてだと思う。政策決定は局長、課長ラインできちんとする わけである。

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・日朝赤十字会談の見通し

(問)日朝赤十字会談について、見通しはどうなっているのか。

(外務大臣)今、日程の調整をしているということである。それはきちんと調整が進んでいると思っている。

(問)月内に出来るということか。

(外務大臣)出来ればいいと思うが。

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外務大臣会見記録 (平成14年4月9日(火)8:55~ 於:院内控え室)

・『我が国の軍縮外交』の発刊

(外務大臣)『我が国の軍縮外交』を、5月の上旬を目途に初めての試みとして、軍縮・不拡散分野に於ける我が国の取り組みを一冊に纏めて発刊をしたいと考えている。この問題について、幅広くご理解を得るということは非常に大事だと思うので、それを行いたいと思う。
 閣議の関係では特に外務省関係の案件はない。

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・幹部職員による電子メールの私的使用

(問)一部の報道であるが、ある国際機関の代表大使の非常にプライベートな内容のメールが、大使の情報管理のミスによって省内LANに載ってしまい回収されたとの報道があるが、その内容がプライベートといいながら、非常にインモラルというのか反倫理的なものな訳であるが、2つお伺いしたいのは、一つは、情報管理の面から見てこれをどうお考えかということと、もう一つは、大臣は、改革を進める上で一番難しいのは省員の意識改革だと常々仰っておられるが、その意識改革の部分だけはまだ具体的な中身が見えてこない部分があるが、この2点からこのことについてどうお考えか。

(外務大臣)仰った情報管理というのは、パソコンの(情報管理のことか)。

(問)そうである。つまり、本来私的なメールであるべきものが(私的に使われたということである。)。

(外務大臣)それは、使ってはいけないということである。
 それから、意識の改革というのは一番難しくて、あの件についてはパソコンを私用で使ったということも問題だし、それから、特にこの時期に外務省の信頼を失墜させるような行動を、しかも大幹部がやったということについては、自分は極めて遺憾だと思っている。
 意識の改革を全体としてやっていくということは、色々な改革全部が上手くいくということと表裏一体の話だと思う。意識改革については、それはそれで「変える会」で議論をしてもらうということで一つの項目にも挙がっていて、研修をするとかいくつか(あり)、評価についても「下」から評価をするとか、評価をする項目を少し変えるとか色々な案がでており、それは議論をしてもらうということである。「下」から評価をするというのはもう始めているので、それが十分かどうかという観点から更に「変える会」ではご議論頂くと思う。
 意識の改革というのは、全体として「上」から「下」まで全部変わるというのは時間がかかるということで、結果がでるのは明日「はい」ということではないと思うが、全ての改革の根本であると思うし、全ての改革が上手くいった時には意識は変わっているということでもあると思うので、その努力が大事だと思っている。

(問)今の件で、幹部の方に注意など何らかの形で対処は大臣からされたのか。

(外務大臣)した。

(問)具体的にはどういった(対処か)。

(外務大臣)訓戒処分にした。厳しい方から2番目(である)。

(問)それは内規によるものか。

(外務大臣)内規による。

(問)何時付けか。

(外務大臣)4月4日付けで出している。

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・朝鮮半島情勢

(問)北朝鮮の方だが、先日の韓国の大統領特使の北朝鮮訪問をどう評価するかということと、今日、日米韓の三国の局長級の北朝鮮問題の会議があるが、そこで日本としてどういうことを主張しどういう成果を期待するのか、ということをお願いしたい。

(外務大臣)韓国の林特使が行ってお話をしたということである。北朝鮮側に対して、今まで日米韓連携の下で働きかけるということはずっとやってきた訳であり、わが国政府もやってきたし、韓国政府もやってきている訳である。北朝鮮の大量破壊兵器の問題であるとかミサイル技術の問題であるとか、そういった問題に北朝鮮側が対応することは大事だということはずっと言ってきているし、韓国は韓国の離散家族の問題等があるし、我が方は拉致問題もあるし国交正常化問題もある訳である。そういったことで、北朝鮮に今まで日米韓連携をしてねばり強く働きかけてきたということの線上に、今の北朝鮮側の動きがあると思っている。そういう意味で、前向きの動きだという認識はしている。

(問)今日の会議については如何か。

(外務大臣)今日の成果については、これはずっと今まで北朝鮮側にいろいろな働きかけ等、日米韓で連携をしてずっとやってきているので、そういった様々な問題について議論をするということである。今後、どういうやり方で話を進めていくかということについて、各国が今まで考えてきている訳であるから、それについても議論をしていくということだと思う。長いスパンでである。

(問)そこで、いわゆる拉致問題についても動きが出てきているということで、強く主張するということもあるのか。

(外務大臣)拉致問題についての日本の考え方というのは、様々な折に韓国にも米国にも伝えてきている訳であり、今回、林特使が行かれる前にも、我が国の考え方については再度ご説明をしてきている訳である。その中で、北朝鮮側からも、それに触れた発言があったということである。

(問)会議でどのような感じかということだが。

(外務大臣)そういった問題を広く議論していくことだということだと思う。

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・加藤議員の辞職の申し出

(問)加藤議員が議員辞職を申し出たが、感想をお伺いしたい。

(外務大臣)政治家の方が様々なことをお考えになられてお決めになられたということで、総理になられるという人でもあった訳であり、非常に厳しいご判断を御自分でなさったのではないかと思う。

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・大臣のアフガニスタン、イラン訪問

(問)アフガニスタンへの外遊で、日程等お話できることはおありか。

(外務大臣)今まだ日程では流動的な部分が、何処経由で行くとかで色々あり、まだ次くらいの時に或いはその次ぐらいに、行く前にはちゃんとお話するが、今日の段階では未だちょっとお話できない。

(問)アフガニスタン、イランとプラス1ヶ国くらい行かれるのか。

(外務大臣)どういう風にはいっていくかということにかかる。そのルートで上手く日程が合えば、お話をさせて頂くかもしれないしということである。

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外務大臣会見記録 (平成14年4月5日(火)8:50~ 於:院内控室)

・不審船の引き上げ

(問)一部報道で、日本政府が中国政府に対して昨年12月に沈んだ不審船の引き上げ方針を伝えて、(中国側が)同意したという報道があるが、事実関係如何。

(外務大臣)事実ではない。日本政府として国会でご答弁しているように、今調査中である。手順としては次のステップは引き上げという事になるのであろうが、それは調査をしてその上での判断であるから、日本政府としてそういう判断をしているわけではない。従って、中国側に伝えるということはないわけである。

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・カナダ大使館員の飲酒事故

(問)昨日の報道で、在カナダ大使館員が事故を起こして、外交特権を行使して、刑事訴追を免れているという報道があったが、事実関係として正しいのか。また、外務省として氏名を公表して処分をするお考えがあるか。

(外務大臣)昨日自分(大臣)は事実関係がきちんと認識できていなかったが、今の現状は、カナダ外国貿易省には、「運転能力欠如状態での運転に関する指針」があるそうであり、これは外交官を対象としている。外交官はウィーン条約に基づく外交特権を持っているのでそういう指針があり、それに従って、在カナダ日本大使館とカナダ外国貿易省との間で話し合いを行って、この館員が今後少なくとも1年間は運転を行わない事を保証する内容の大使名の誓約書及び本人の運転免許証をカナダ外国貿易省に提出したという事である。併せて、全館員に対してカナダの法律に反する行為を行わないように改めて注意をしたということである。外交特権があるということは事実であるが、外交特権を理由に事件をもみ消したり、うやむやにしたという事ではない。きちんとカナダ政府とは話をしているし、外交官の特権免除は外交関係ウィーン条約で認められているので、それに則って外国貿易省で指針があるので、それに則った。そういう意味では外交特権を持っている外交官として、カナダ政府が考えている方針に基づいて(話し合いを)行ったという意味では、間違ったことはしていない。
 ただ、自分は、外交官が持っている外交特権に照らして間違いかと言われれば間違いではないが、本人がやったのは飲酒運転である。個人的行動している時に飲酒運転をしたということであるから、外交特権を使うということが適切かどうかということについて自分は疑念を持っている。先程きちんと話を聞いたばかであるので、今カナダ政府との間で出来た話し合いと、これからどういう措置がとりうるのかはこれから検討してもらいたいと思っている。いろいろな問題があって、どういう状況の時に外交特権を使って、どういうときには使わないというルールをきちんとする必要もあると思うし、その辺についても自分(大臣)も勉強したいと思うし、整理をして話を聞きたいと思っており、それを聞いた上で、今までの動きとその後について何が出来るかという事について整理して考えたいと思っている。

(問)処分をするお考えはないのか。

(外務大臣)当然に必要であると思っている。

(問)外交特権を行使しないようにカナダ側から申し入れがあったが日本側が拒否したという事実関係如何。

(外務大臣)初めて聞いた話であり、確認をしていないので、そういうことがあったかどうか聞いてみる。

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・タウンミーティング

(問)日曜日にタウンミーティングが開催されて、テーマは外務省改革であるが、そこで一般の市民の方から出た意見を今後どう改革に生かしていこうというお考えか。

(外務大臣)いずれにせよ、具体的にどういうご意見を頂くかということになる。タウンミーティングの目的は二つあって、一つは外務省が改革で何を考えているかという事を国民のみなさんに理解をしていただく、もう一つは外務省が国民のみなさんが何を考えているかということを伺って、改革に生かすと言うことである。具体的にいろいろ意見をうかがうかということで、もちろん姿勢としては(頂いた意見を)出来るだけ生かしたいと思っている。自分が環境省でタウンミーティングをして思ったのは、誤解をされているという事もあるから、そこはきちんとこちらからご説明をする。いいご提案はそれを使わせていただくと言うことである。

(問)具体的に誤解とはどのような点があるのか。

(外務大臣)例えば、既にやったことをやっていないと思われていると言うことはある。それは、今、日本は情報が過多で埋もれてしまっているという原因もあるのだと思うが。

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・中東情勢

(問)イスラエル・パレスチナ自治区に派遣されている茂田大使であるが、現時点ではアラファト議長にもお会いできず、現地での活動状況についてお伺いしたいのと、パウエル米国務長官が自ら調停に乗り出すという意向を示唆されているが、茂田大使の役割が今後どうなっていくのかを教えていただきたい。

(外務大臣)茂田大使は、アブ・アラ立法評議会議長にはお会いをし、ペレス外務大臣にはお会いをすることになっている。ジニー特使と会うというスケジュールについてはきちんと決まっていない。そういう意味では着々と日本の意向を伝えて、先方のお話を聞くということで仕事は進んでいる。パウエル長官は来週現地に行かれるということであり、いろいろな展開があると思うので、現地に人がいると言うことが大事でそういった状況に応じてさらに日本の姿勢を伝えるということをやっていくということである。念のため、自分も「特使」という言葉をついつい使ってしまうが、茂田大使は特使ではなく、前イスラエル大使として行っていただいているということである。自分の手紙は持っていってもらっているが。身分は待命中の大使である。

(問)事態はますます悪くなっているが、どう新しい施策を講じるかという事をお考えか。

(外務大臣)先日パウエル長官とはお話をしたが、米国とは密接に連携をとっていくということである。ベーカー駐日大使との連絡も密にとっている。事態の進展を見ながら自分(大臣)がパレスチナ、イスラエルに行くことも含めて日本としてどういう事が出来るかという事は検討中である。

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・サハリンにおける国会議員に対する便宜供与

(問)一部報道で、2000年に自民党の国会議員がサハリンを訪れた際に、現地の外務省職員がいわゆる売春を行うことで知られているバーに国会議員を引率されたという報道があるが、国会議員に対する便宜供与の基準との関係も含めて、ご感想及び事実関係の調査を行うお考えがあるのか。

(外務大臣)初めて聞いたので、どういうことであったのか自分は話を聞いてみる。

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・内規の公表

(問)質問というかお願いであるが、先日東郷大使の処分を発表された際に、法的な根拠もきちんと示していただき、国家公務員法・外務公務員法等の法律については我々も見ることが出来るのであるが、けん責に関して内規を人事課に(見せて欲しいと)お願いしているのだが、見せてもらえないという状況になっている。内規は公開されないものなのか。

(外務大臣)内規はどこも公開をしていないのではないかと思う。検討はするが、内規を公開するかどうかは相当慎重に考えなければならない。自分は見たが、自分が保証してもあまり意味がないかも知れないが、非常にまともなものである。

(問)大臣がせっかく詳しく根拠を説明されているので、国民が持っている関心、事態の重要性を考えると通常の内規であるからということではなく、より根拠を明確にするためには出していただきたいとお願いをしたい。

(外務大臣)東郷大使は一般職ではなく特別職の国家公務員であるというのが一つあり、今後望むわけではないが、他のことでいろいろな事が起こりうるわけであるから、内規の公開をすることがいいことであるのかという事も考えなくてはいけない。ちょっと考えたい。

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外務大臣会見記録 (平成14年4月4日(木) 於:芝公園庁舎)

・冒頭発言

(外務大臣)外務省の改革の一環として、夏くらいまでに10人の方に、外部から登用して大使、本省の局長、審議官、課長等になっていただくということをだいぶ前に申し上げていたが、この度、軍縮代表部の大使に上智大学法学部の教授でいらっしゃる猪口邦子さんにお願いをしてお引き受けいただいた。猪口さんは自分の口から説明する必要がないくらい有名な国際政治学者でいらっしゃって、この分野でも様々な業績を残してらっしゃるので、日本の大事な外交の柱である軍縮外交・軍備管理外交をやっていただくのに非常にふさわしい方だと思っている。ちなみに猪口さんは学者の大使としては40年振りということである。それから現時点で大使をやってらっしゃる方の中で最年少、49歳でいらっしゃる。自分も猪口さんはずっと前から個人的にも存じ上げており、お引き受けいただいてとても良かったと思っているし、猪口さんは上智大学にとっても大事な方なので、その猪口さんに大使を務めていただくことを許していただいた上智大学にも熱く御礼を申し上げたいと思っている。それから、お子さんもいらっしゃって、ご主人もいらっしゃるがご家族の方にも御礼を申し上げたいと思っている。

(問)今回猪口さんの件については、大臣のご意向がかなり強かったのかということと、今後民間大使については第2弾、第3弾ということについては如何か。

(外務大臣)今後についてはいろいろ考えている。猪口さんの人選については、みんなで相談をして決めたということである。

(問)大臣の一本釣り、ということではないのか。

(外務大臣)皆さんの反対を押し切って、自分が「この人でなきゃ」と叫んだかというとそういうことではなくて、外務省で非常にいいと思っていて、自分もこの人は非常にいいと思ったと、みんなで相談をして決めたということである。

(問)軍縮大使のポストは外務省側からの提案か、それとも猪口さんの方からの提案であるのか。

(外務大臣)それはこちらから「このポストで」とお願いをした。

(問)カナダで日本の大使館員が交通事故を起こして、外交特権で、いわゆる訴追を免れていたという報道もあるのだが、この件については何かお聞きになっているか。

(外務大臣)外交特権でということは全くないと思っている。本人はそれについて飲酒であるということを認めて、大使とも相談をして現地の警察に話をして、それで免許証の停止でしょうか、1年間と聞いている。その報道自体を自分は見ていないが、外交特権を使ってもみ消したというのはまったくないと承知している。

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外務大臣臨時会見記録 (平成14年4月2日(火)16:45~ 於:本省会見室)

・冒頭発言

(外務大臣)3月4日に発表した北方四島の住民支援に関する調査結果報告書及び在京コンゴ民主共和国臨時代理大使等を巡る諸問題に関する調査結果報告書を踏まえてヒアリングを含めた調査を行い、これに関する人事上の責任について検討をしてきた。
 今般、そうした調査の結果、次のような処分を行うこととしたので発表する。詳細については、別途配付の資料を御覧頂きたいと思うが、自分としては、深い反省の上に立って、厳正な処分を行ったと考えている。
 第一に、北方四島住民支援を含む対ロシア関係に携わってきた職員に対する措置について申し上げる。まず、東郷駐オランダ大使については、対露外交を推進する省内体制に混乱をもたらした結果、外務公務員の信用を著しく失墜させたと言わざるを得ない。従って、特命全権大使には国家公務員法の適用がないので、東郷大使については外務省職員の譴責に関する規則に基づく処分のうち最も重い厳重訓戒処分とすると共に、その職を辞して頂くことが適当と思うので、本日付けで帰朝命令を出し職を免じるための所要の手続きを進めることとした。
 森駐カザフスタン大使についても、東郷局長の下で、No.2たる審議官を務めていた責任を問うこととし、厳重訓戒処分とすると共に、給与の20%の1ヶ月分を自主返納してもらうこととした。これに対して、森大使より、審議官当時の責任を痛感しているとして辞職の申し出があったことから、本日付けで帰朝を命じた。
 西村OECD代表部大使については、欧亜局長時代、北方四島住民支援事業にかかる入札参加資格の決定に際し、結果として適正な職務の遂行を行わなかったことから、厳重訓戒処分とした。これを受けて西村大使から、給与の20%の3ヶ月分を自主返納したいと申し出があり、これを受け入れることとした。
 また、当時のロシア支援室長として、問題となった入札案件を担当していた安部元室長及び渡邉元室長について、職務の遂行において適正を欠いたことから、国家公務員法に基づく懲戒戒告処分とした。同時に、当時の篠田元ロシア課長については、ロシア支援室長に対し十分な指導を行わなかったことから、厳重訓戒処分とした。
 佐藤前主任分析官については、省内において幹部の立場にはなかったものの、東郷大使と同様、省内体制に混乱をもたらした責任は重いと考えるので、国家公務員法に基づく懲戒減給処分(給与20%分を1ヶ月)とした。また、同人の所属部局の責任者及び直属の上司の監督責任を問い、佐藤補佐が主任分析官を務めていた間の国際情報局長及び分析第一課長を注意処分とした。
 入札にかかる「秘」指定の内部文書が、2月20日の衆議院予算委員会で取り上げられたことを受け、厳正なる調査を鋭意行ってきている。これまでのところ、その漏洩のルートは解明出来ていないが、かかる漏洩は極めて遺憾なことである。今回この「秘」文書の漏洩が発覚した時点での文書管理者及び文書管理責任者である齋藤欧州局長及び杉山ロシア支援室長を、それぞれ厳重注意処分にすることとした。
 次に、アフリカに関連する一連の問題について申し上げる。
 これまでの国会審議の中で、在京コンゴ民主共和国臨時代理大使へのIDカード発給問題や、タンザニアのキマンドル中学校に対する送金の問題等が取り上げられてきた。こうした一連の問題の責任の所在を明らかにするため、処分の事由はそれぞれ若干異なるが、天江元中近東アフリカ局長、榎元中東アフリカ局長、野川前中東アフリカ局審議官及び石兼前アフリカ第一課長をそれぞれ厳重訓戒処分に、また、重家前中東アフリカ局長、小田野現アフリカ審議官、戸谷現アフリカ第二課長、丸山現アフリカ第一課長、内藤前儀典長、小林現儀典長、田良原前儀典官及び川村現儀典総括官をそれぞれ注意処分とすることとした。
 自分自身についても、こうした一連の問題が生じたことの外務省を所管する外務大臣としての責任の所在を明らかにするため、給与の20%の1ヶ月分を自主返納することとした。加えて、本日総理から、外務省改革の推進について改めて指示を受けた。 植竹、杉浦両副大臣についても、外務大臣を補佐する立場からの責任という観点から、給与の20%の1ヶ月分を自主返納したいとの申し出があり、これを受けることとした。
 また、今回のような事態に至るまでの事務当局の最高責任者たる当時の事務次官、即ち、柳井元次官、川島元次官及び野上前次官の監督責任は重いと考える。そのうち、現職の野上前次官、そして現在の竹内次官について厳重訓戒処分とし、給与20%の1ヶ月分を自主返納してもらうこととした。更に、大臣官房の責任者として監督責任を問うとの観点から、歴代の官房長を厳重訓戒処分として、また、給与の10%の1ヶ月分を自主返納してもらうこととなった。
 以上が、今回の人事上の措置であるが、今後新たな問題が判明する場合には検討を行い、必要に応じて人事上の措置を取っていくつもりであることを申し添える。
 いずれにしても、外務省として、こうした一連の問題で国民の皆様の信頼を裏切ったこと、また、国会における御審議を混乱させたことは極めて遺憾であり、自分もその責任を痛感している。こうした反省の念に立って、自分としては外務省改革の実現に向け全力を尽くし、もって外交課題への対応に邁進できるような体制づくりを更に進めて参りたいと思う。自分から申し上げたいことは以上である。

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・質疑応答

(問)今、歴代次官の経験者についての発言があったが、発言の中で柳井氏と川島氏の責任については触れられてはいるものの処分はされていない。この辺の理由について伺いたい。

(外務大臣)(二人は)既に外務省を辞めており、外務省の人間ではないので、外務大臣として、今の時点で処分はできないということである。従って、それについて触れさせていただいたということである。

(問)東郷大使については、内閣の任命であるので、すでに内閣に対して大臣から大使の職を解くようにという申し入れをしたという理解でよいのかというのが一点と、また、森大使については、辞職の申し出があったということは、カザフスタン大使を辞めるということなのか、大使としての職を全て辞すということなのか。

(外務大臣)東郷大使については、おっしゃるように内閣での手続きがこれから必要になるということである。帰朝命令は東郷大使、森大使、二人とも今日付けで発令した。今後、帰国をした上で大使を免ずるための手続きをとっていくということになる。

(問)東郷大使は今まだオランダにいるということでよろしいか。

(外務大臣)今日の時点ではそうである(オランダにいる)。

(問)歴代大臣の監督責任についてはどの様にお考えか。

(外務大臣)ここで特に何も申し上げていない。皆さん政治家であるので、今の時点で外務省として言及するということは差し控えたい。

(問)先程伺ったが、東郷大使の処分理由について、対露外交で省内に混乱を生じさせたということであるが、非常に抽象的でわかりにくいと思うが、具体的にどういった点が処分の理由になったのかという点と、過去にあまり例がない厳しい処分であるが、その点についてはどの様にお考えか。

(外務大臣)(具体的には)三つほどある。はじめに、特定の外務省職員の役割を過度に重視し、省内のロシア関係の専門家を事実上分断し、その結果として志気を低下させたということ。そして、その過程で外務省の幹部としてはふさわしくない言動があったということ。最後に、対露外交の推進についての政策決定のラインに混乱をもたらしたということである。全体として、先程申し上げたように信用の失墜があったということである。対露外交を推進する省内体制に混乱をもたらした結果、外務公務員の信用を著しく失墜させたということであり、その理由というのは今申し上げた通りである。

(問)ふさわしくない言動というのは具体的にはどの様なものか。

(外務大臣)様々あるが、個人の言ったことでもあり、それぞれが人間関係にも係わるので、自分の方からそれをこういった場所で繰り返すことは差し控えたいと思う。

(問)3つの問題点ということだとすると、鈴木宗男代議士との関係は問題ではないということか。

(外務大臣)一連のそういうことの背景にそういうことがあったと、そういうことを申し上げることは出来る。ただ、それは背景であって、その結果として、外交面として外務省の信用を失墜させるようなことがあったということである。

(問)あまりに3点の理由が抽象的である。特定の職員の役割を重視して専門家を分断して士気を低下させる。この説明では普通の国民はわからないと思うが。

(外務大臣)いろいろこれは申し上げるとかなり事実関係としてはある。ある特定の人物が非常に大事である、若干抽象的であるがいろいろなことをその人を通じて話を進めていたとか、それはそのライン上のことを分断してということである。一例をあげればそういうことである。

(問)佐藤主任分析官の関与を重視したということか。

(外務大臣)個人名については差し控えさせていただく。

(問)今回の人事には、鈴木宗男代議士との関係の深い職員の排除ということで、影響力を絶つということがあると思うのだが、今度の処分によって鈴木宗男代議士と外務省の関係がこれで絶たれたというか、一区切りついたとお考えか。

(外務大臣)先程、背景にあったと申し上げたがこれは今度の処分についていえば、まさに最初に申し上げたように、2つの、北方四島の住民支援とコンゴー大使館の臨時代理大使の2つの調査報告書に基づいた処分であり、そこで社会通念上、異例だと言われるようなことがあったということに基づいての、その関連で外務公務員として信頼を失墜したとか、人によってそれはそれぞれ違うが、いずれにしても報告書が問題とした点について処分をしているわけであり、それは鈴木代議士との関係を切るためとかそういう意図では全くない。それがこの処分の理由ではない。処分の理由というのは先程申し上げたように、報告書に基づいて報告書が問題としたということについてそれぞれ人事上の措置をしたということである。
 今後について、政治家と官の関係というのは今、「変える会」でも議論して頂いているわけであり、ここでも申し上げたように政府全体と政治、官と政の関係、広く一般的な話で、今後議論がこの点については様々な議論をして頂いているので、どういうところに収束していくかということ、その結果に従って、外務省としては適正に政との関係では今後行動をしていくということに尽きると思う。

(問)この3点について、東郷大使は自分で外務公務員としての信用を失墜させたという理由について、「その通りである、私自身反省しております」というような形できちんと了承したのか。

(外務大臣)自分の立場で東郷大使がどう思っているのかということを、代弁して申し上げる立場にはないと思う。申し上げたいのは、先程発表させて頂いた措置を行うのが適切であると、自分が判断したということである。

(問)本人のヒアリングをされている中で、こういう点をきちんと相手に話されているのか。

(外務大臣)本人にはその趣旨というか、議論というか、何を考えているかということは充分伝わっていると思う。

(問)今の点に関して、国家公務員法の第90条の不服申し立ての恐れというのはあるか。

(外務大臣)東郷大使がどのような判断をなさるのかということについては、ご自身の判断の問題であり、特別職の国家公務員として、法律の範囲内で何をなさるお考えなのかは、ご自身の判断である。

(問)結局、該当するのは78条の第3項ということで良いのか。

(外務大臣)これは特別職の国家公務員であるので、外務公務員法の第4条によって準用された国家公務員法第99条違反にあたるということと、外務省職員の譴責に関する規則という内規があり、それに該当するということで厳重訓戒処分をしたということである。

(問)今回の処分にあたって、ヒアリングは何人ぐらい行って、ヒアリング以外にどのような調査を行ったのか。

(外務大臣)ヒアリングの対象となったのは、30名程度である。それから文書を頂いたというのもある。

(問)東郷大使の免官手続きであるが、それは大体いつ頃を予定しているのか。東郷大使はこれで外務省を退職されるということで良いのか。

(外務大臣)東郷大使についての帰国の手続きについては、外務公務員法8条に基づいて、所要の手続きをするということで、この8条というのは、「大使及び公使の任免は外務大臣の申し出により内閣が行い、天皇がこれを認証する」ということである。
 二つ目の質問については、退職するということである。

(問)今回の結果が、国民から十分に理解を得られるとお考えか。

(外務大臣)今回の人事上の措置を執ることが必要であったということについては、国民の理解は頂けると思うが、それについて理解を頂くための努力を私共はしないといけないと思っているし、それに留まることなく、先程申し上げたとおり、外務省としてこれから改革をきちんと進め、それを実行し、そしてその外交の課題に取り組んで行くという一連のことをして、国民の皆様の外務省に対する信頼を回復する。そして外交に対する信頼をもって頂くことが必要だと自分は思っている。

(問)東郷大使の件であるが、ロシア外交の混乱というのは、いわゆる二島先行返還とか、二元外交などを指しているのか。その後に人事異動の方で処分というか、そういう措置をされるお考え、決意があるのか。

(外務大臣)最初の質問については、国会でも何度か申し上げているが、二島先行返還論ということについて、外務省から、或いは政府としてそれを提案をしたという事実はないということは申し上げている。次に人事異動については、どこの部分かよくはっきりしないが、いずれにしても今回の後、人事異動はしなくてはならないと考えている。

(問)今回の調査で国会等でも総理がおっしゃっていた、鈴木議員の意見が外務省が突出したかたちで斟酌するようになったのか、外務省の体質に絡む問題に関することが今の話を伺っているとどういう視点で調査をされたのかがわからないが、大臣自身どのようにお感じになっているか。

(外務大臣)外務省が特定の政治家の影響をどうしてこれだけ強く受けることになったのかということについては、調査をするということではなく、外務省の幹部、若い人たちに至るまで、外務省の職員がきちんと総括をし、反省をするということが大事なことだと自分は思っているので、それはやってくださいという話はしてある。それはその調査をして、それに基づいて誰かを処分するということではなく、この人事上の措置というのは、先程も申し上げたが、北方四島の住民支援の問題とコンゴー民主共和国の臨時代理大使のID発給等についての調査の結果を踏まえての措置である。

(問)今回の調査を踏まえて、大臣がどのような示唆を受けたかという点でお伺いしたが。

(外務大臣)とても難しい質問であるが、組織の中の一人一人が流されることなく、常に何が大事かということをきちんと踏まえて行動するという当たり前のことであるが、そこが非常に大事だということを改めて思った。それが自分が昨日入省式で「国益を踏まえて」と申し上げたが、具体的なケースについて何が国益かということをきちんと考えて行動していくということがやはり大事だということを強く感じている。

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外務大臣会見記録 (平成14年4月2日(火)9:15~ 於:院内ぶら下がり)

・閣議

(外務大臣)自分から申し上げることは、今日閣議でアフガニスタンの地震に伴う緊急支援について、以前40万ドルの話をしたが、その他に緊急物資の支援を約2,600万円出すという話と政府とJICAのミッションが今アフガニスタンにいるという発言をした。
 それから、2005年の日本国際博覧会の政府代表に渡辺泰造外務省顧問が決まったと いうことである。

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・前イスラエル大使の中東への派遣

(外務大臣)昨日(夜の米国務長官との会談)の中で若干申し上げたが、茂田前イスラエル大使をパレスチナ及びイスラエルに派遣して、自分の親書を持って行っていただく。停戦への努力、或いは現地にジニ米特使もいるので、そういった方と協力をしながら、わが国としても中東の平和、停戦に向けての努力に貢献をさせていただこうということで10日間位行っていると思う。

(問)中東への派遣の件であるが、外務大臣の特使というかたちか。

(外務大臣)特使というのではなく、大使を派遣するということである。

(問)双方の関係者には書簡で何か具体的な提案をするのか。

(外務大臣)停戦を働きかける。イスラエルに対しては即時撤退を含む、最大限の自制を働きかけるということであるし、パレスチナについても過激派の取り締まり等、この状況の改善に努力が必要だということを申し上げるということである。

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・人事上の措置

(問)今日、人事上の措置は発表するのか。

(外務大臣)今日発表しようと思っている。夕方になると思う。

(問)人事の処分の対象となる方が特に異議を唱えているという報道もあるが、大臣は直接対象となっている方と話をしたり、そういった機会はこれまで持たれているのか。

(外務大臣)そういう報道されているようなことについては、自分は聞いていない。それから、今度の対象になった方で自分が直接話をしたということは、多分考えているような方とはしていないと思うが、実際にそういう方々が言ったこと、それから書面で提出したものについては目を通している。

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・プール金調査に関する内部文書

(問)プール金調査の関係の内部文書が一部で報道されたが、あの報道の真偽と公表するお考えがあるのか。

(外務大臣)これは前の話であるので、自分はよく聞いてみたいと思っているが、それについては、いろいろ外務省の中でこの間のプール金の関係で、省内のコンセンサスを作る、省員の理解を得るという過程でいろいろな努力があったということは聞いている。あまり細かいことについては聞いていない。

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