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記者会見

外務大臣会見記録(平成14年2月)


INDEX


・ 外務大臣会見記録(2月26日付)
 ・ 「変える会」メンバーの確定
 ・ 野上前事務次官の処遇について
 ・ 北方四島支援事業の調査について


・ 外務省改革に関する外務大臣会見記録(2月22日付)
 ・ 冒頭発言
 ・ 質疑応答


・ 外務大臣会見記録(2月22日付)
 ・ 閣議
 ・ 対ロシア支援に関する調査
 ・ 不審船問題
 ・ ブッシュ大統領歓迎レセプション招待状問題
 ・ 米の東アジア外交


・ 外務大臣会見記録(2月19日付)
 ・ 閣議等
 ・ 日米首脳会談、外相会談
 ・ 次官人事
 ・ アフガニスタン支援


・ 外務大臣会見記録(2月15日付)
 ・ 次官人事
 ・ 政治家との関係
 ・ 地球温暖化問題


・ 外務省改革に関する外務大臣会見記録(2月12日付)
 ・ 質疑応答(10の改革に関する会見)


・ 外務大臣会見記録(2月12日付)
 ・ 閣議(東ティモールの独立に際しての準備、天皇皇后両陛下の外国ご訪問)
 ・ 田中元大臣との引き継ぎについて
 ・ 外務省改革


・ 外務大臣会見記録(2月8日付)
 ・ 閣議
 ・ 就任後の感想
 ・ 外務省改革
 ・ 大臣の外国訪問について
 ・ 田中元大臣との引き継ぎについて
 ・ 京都議定書


・ 外務大臣会見記録(2月5日付)
 ・ 閣議(東ティモール真実和解委員会に対する緊急援助等)
 ・ 外務省改革
 ・ 日韓安保対話
 ・ 環境問題
 ・ 日韓歴史共同研究
 ・ 日露外相会談


・ 外務大臣会見記録(2月1日付)
 ・ 冒頭発言
 ・ 質疑応答




外務大臣会見記録 (平成14年2月26日(火)8:45~ 於:院内外務省控え室)

・ 「変える会」メンバーの確定

(外務大臣)「変える会」のメンバーを決めさせて頂いた。メンバーはお手元(事前に資料を配付)にある通りであるが、宮内オリックス会長が座長であり、あとはここ(資料)にあるメンバーの方にお願いをしている。
 最初の会合は3月6日(水)であり、多分朝の時間に行われると思う。そして、3ヶ月以内に中間報告を出して頂いて、遅くとも夏までに最終報告を出して頂く。
 その間も報告を待つことなく、出来ることはどんどんやらせて頂くということである。

(問)「変える会」のメンバーの人選はどういう観点から行ったのか。また、確認であるが、外務省OBは今川関東学園大学教授と岡本行夫氏の2名だけか。

(外務大臣)OBという意味ではそうである。人選の観点についてであるが、この改革について、基本的に自分のお仕事の中で、改革ということに実際に携わられたか、或いは改革について何らかの識見を持っていらっしゃるか、そういう観点が一つである。識見というのは、専門的な識見を持っていらっしゃるという意味である。それからもう一つ、それとは全く別な考え方で、外務省はお客様志向と自分は言っているが、お客様の立場に立って外務省の改革がどうあるべきかということを考える、考えてそれを発言することが必要であると思っている。そういう二つの、二つというか三つというか、最初の大きな一つと、それとお客様の立場で言ってくれる方、そういうことで選んでいる。
 また、外務省のOBについては、岡本氏はOBであるが、OBということよりは、むしろ外交という立場から、外務省が何をもって言うべきかということを発言して頂くことになる。今川教授もそういう立場であると同時に、この方は、外務省の中で、いわゆるⅠ種という立場で入ったのではなくて、違う立場で外務省に入られて、大使までなられた方である。そういう立場のご意見を反映させたいということである。

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・ 野上前事務次官の処遇について

(問)野上前次官は現在官房付ということであるが、これは国民にとっても非常に分かりにくいことであるが、そもそも官房付ということは、先ず第一点として、(野上前次官は)毎日役所に通勤しているのか、第二点は、官房付としてどんな仕事をしているのか、第三点として、大臣は官房付の仕事で野上前事務次官にどのような成果を期待しているのか、第四点目として、事務次官当時は指定職の何号俸だったかと思うが、その号俸は今も変わらないのかどうか、そして第五点目として、官房付ということで将来大使として出られるという可能性もあるという噂を伺っているが、野上前事務次官も大使になられる可能性があるのかどうか、について伺いたい。

(外務大臣)(質問が)たくさんあるので、覚えていることから申し上げれば、(野上前事務次官は)今官房付であるが、自分としては、近いに内に話をして、特命事項というか、自分が特にお願いしたいということがあり、それをお願いして、官房付でいらっしゃる間にやって頂こうかと思っている。
 あの方は中東についてかなり豊富な経験をお持ちであり、これから比較的ここ(中東)は色々なことが起こっているし、また重要な地域でもあるので、自分としても急速にここ(中東)を勉強しないといけない。それであの方に、近々、(今は色々なことに)追われているが、そういうお願いをしようと思っている。
 それから将来大使になられるかという質問であるが、これはもう先のことであり、また、人事のことについて予測をして申し上げることはすべきでないと思っているので、今は何も申し上げることは出来ない。

(問)号俸は変わったのか。

(外務大臣)変わっている。給与も下がっている。

(問)今何号俸か。

(外務大臣)これは、個人が何号俸かとかいうことは申し上げるべきことではないと自分は思うが、何れにしても下がっている。

(問)下げた理由如何。

(外務大臣)官房付であれば下がるということである。これは当然である。

(問)毎日役所に来ているのか。

(外務大臣)多分そうだろうと思う。自分は毎日顔を会わしている訳ではないから、分からないがその筈である。

(問)野上前事務次官は、今回更迭ということで事務次官の職を辞した訳であるが、そのためのケジメというのはどこでついているのか。

(外務大臣)事務次官を辞めて頂いたことである。

(問)その一点だけか。

(外務大臣)然り。それは非常に大きな一点だと思っている。

(問)(野上さんの)中東関係の仕事というのは、省内で中東関係の政策を練るということか、或いは中東を訪問するということか。

(外務大臣)(今の指摘は)ラインの仕事である。それは自分の特命事項ということで、色々調べて頂いたり、或いは動いて頂いたりということである。

(問)中東問題に関する特命ということか。

(外務大臣)自分はそう思っているが、またこれから色々やる中で変わっていくことがあるかも知れないが、今はそう思っている。

(問)特命事項とは、パレスチナ和平を想定されているのか。

(外務大臣)広く、特に、これ、といって限定をするということではなく、広く中東問題というのは非常に大きな話であるし、自分自身も、特にこれからどういう分野に焦点を当てるかということを色々考えており、そういうものを含めてということである。

(問)野上前事務次官は指定職からは外れているのか。

(外務大臣)指定職は外れていない。

(問)指定職の中で号俸が変わったということか。

(外務大臣)然り。

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・ 北方四島支援事業の調査について

(問)一部新聞報道の一面トップで、今朝大々的に報じられていることであるが、園部参与が行われている調査について、既に今まで行われているヒアリングを中心とした調査の中でも、共産党の文書の事実が大半確認されており、外務省としてはその事実関係について「ほぼ間違いない」という断定の方向に向かっているという報道があるが、右について大臣のお考え如何。

(外務大臣)自分は朝ちょっとバタバタしていたので、一体どういうルートでそういう情報が流れているのか確認したいと思っていたが、自分自身は何も聞いていない。それから、自分自身は、この調査がまさに園部参与にお願いしてやって頂いている訳であるので、途中でどうなっているのか、という質問を園部参与に発することはしないつもりである。従って何も知らない。

(問)大臣は進捗状況は何も聞いていないということであるが、最終的に目処として、園部参与から話を聞くタイミングはいつ頃になりそうか。

(外務大臣)それもまだ話をしていないが、10日以内ということでお願いをしているので、おそらくギリギリの時ではないかと思うが、まだそういう打ち合わせも何もしていない。

(問)ギリギリというと、週明けの3月4日が想定されるが。

(外務大臣)その点については、自分から「この日にこの時間に」と申し上げることではなくて、園部参与が「ここで自分が話が出来る用意がある」という時にお聞かせ頂くということになる。

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外務省改革に関する外務大臣会見記録 (平成14年2月22日(金)17:45~ 於:会見室)

・ 冒頭発言

(外務大臣)この前外務省改革のための骨太の方針を発表させていただいて、その中で「できることからどんどんやっていく」というふうに書いたが、まずここで人事の刷新を行って、職員の士気を高め、組織としての活力を最大限に引き出すことに努めたいと考え、まず第一弾を今日午後総理にご説明申し上げて、ご了承いただいたので、発表させていただく。まず1つが、近く官房長と中東アフリカ局長それぞれに交代してもらう。後任者については、近日中に所要の手続きを経て発表したいと思う。2番目に、来る4月1日付で新設される監察査察官に法務省から北田幹直検事を起用する。3番目に、このほか本省、在外の幹部ポストに民間および他省庁の優れた人材を積極的に起用するという方針を持って、今年の夏までに本省の局長、部長、審議官等、および在外の大使に10人を目標に外部の適材を充てることとしたい。早急に人選を進める。尚、適材適所というのが大事なので、必ずしも年次にとらわれない幹部人事を行う。4番目に、同一ポストに長期にわたり在任している職員の異動を早急に実施することとし、このうち佐藤主任分析官については、本日付で異動した。人事についてはそういうことであるが、北方四島の住民支援に関する調査については、園部参与の下で調査を開始していただいており、すでに関係者からの聞き取りも始めていただいている。総理からのご指示も踏まえ、遅くとも10日以内には報告書にまとめたいと考えている。

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・ 質疑応答

(問)佐藤主任分析官の異動先はどちらであるか。

(外務大臣)佐藤主任分析官の異動先は、総務課外交史料館に配置換えをし、課長補佐に指名している。外交史料館では、外交文書、外交資料の出版作業を担当してもらう予定である。

(問)佐藤分析官の異動であるが、大臣がおっしゃった異動させた理由というのは「同一ポストに長くいた」ということによるものであって、一般に言われている鈴木議員との関係も考慮されたのか。

(外務大臣)その点についての考慮ではなくて、昨年12月に「同一ポストに3年以上いる方については異動してもらう」ということで考えているので、その一環である。これは本省、在外を合わせて約400人ぐらいいる。そういう方のうち、健康上の理由で異動が困難な人、それからタイピスト等の専門的な、あるいは技術的な職員の方を除いて、約300人を遅くとも今年の夏の定期異動までに異動させることとしている。その一環ということである。

(問)鈴木議員とは関係ないとは言え、官房長が前大臣に継続性という意味で鈴木議員との関係を説明をしたことがあるという趣旨の発言をされている。この点についてはお調べになったのか。要するに、佐藤分析官が動かなかった理由として、官房長自らも鈴木議員の話を出している。その点についてはお調べになったのか。

(外務大臣)全体としては300人を夏までに異動させてもらうということで、それの一環として1番早く(異動させた)ということである。鈴木議員との関係について国会で官房長が発言したが、それと異動させるということとは関係がない。異動は今日付でお願いしたということである。佐藤補佐は非常に優れた能力を持った人だと自分は聞いており、7年近く今まで分析第一課に配置されていたということなので、「最長3年の任期」ということで考えるとかなり長いので、この機会に異動すると言うのが適当で、先程のお話の鈴木議員との関係ということではない。

(問)官房長と中東アフリカ局長は短いと思うが、いかがであるか。

(外務大臣)人心の刷新ということであって、これから交代するということである。

(問)何故官房長と中東アフリカ局長を代えるのか。理由を説明していただきたい。

(外務大臣)1つには大臣、次官が代わったということもあって、ここで人心を刷新してやるのがふさわしいのではないかという判断が本人にもあったのではないかと思うが、そういう希望もあったので、そういうことで考えた。

(問)2人とも希望されているということか。

(外務大臣)そうである。

(問)2人から辞意が表明があったと受け取ってよろしいか。

(外務大臣)この機会に人心を刷新する必要があるというふうに感じたということだと思う。

(問)NGO問題での重家局長に判断、一連の国会での小町官房長の答弁は、今回の交代の理由ではないのか。

(外務大臣)そういうことではない。

(問)全く関係のないのか。

(外務大臣)そうである。

(問)佐藤氏についても3年ルールの適用ということであるが、300人近い対象者の中で、佐藤氏1人が今日人事異動させることは、鈴木議員との関連がないとすると非常に不自然であると思うが、その点は如何であるか。

(外務大臣)とにかく300人を異動させるということは大変な仕事であるわけである。一遍に300人ということではなくて、これから、最終的には夏ぐらいまでということで考えているので、特に佐藤氏はどちらかと言えば長いので。

(問)大臣のお話だと人心の刷新ということであるが、例えば小町官房長は去年の8月に飯村前官房長から交代されている。中東アフリカ局長はそれより前だと思うが、「人心の刷新」という言葉でくくって、今回の一連の騒動の責任は全く加味されていないというのであれば、これはあまりにも説得力がないし、論理的によくわからないが、如何であるか。

(外務大臣)今回の件(には)、例えば1月24日の件とか、それから2月の何日であったか、資料提出に当たって接触をしたという件(があるが)、1月24日の件については自分はすでに文書で注意しているわけであるし、2月の何日であったか、接触の件についても官房長には内規に基づく処分の厳重注意はしているわけである。だから、そこは別途やっているということである。

(問)今回の鈴木議員の件で、外務省に対する批判が高まっている。この人事異動で国民は納得すると考えるか。

(外務大臣)不信を抱かれているということは、本当にそうだろうと自分も思っているし、外務省の職員みんなも思っていると思う。どうやって不信を我々が努力して払拭できるかということは、これからの我々の努力に全部かかっている。改革10項目を出させて頂いて、これをやっていくということで、その結果を御判断頂くしかないと思っていて、その第一弾が今日発表したものであったということである。したがって、これで全部だということは決してなく、これから「変える会」で御議論頂く、また「変える会」での3ヵ月後の取りあえずの中間的な報告あるいは夏までの最終報告を待たずにやれることはこれからもどんどんやっていくということで考えている。全体を含めて我々としては、不信感をなくして頂けるような努力をしていく。

(問)鈴木議員の北方四島支援やODA関係の疑惑の解明について、園部参与に調査を依頼したということであるが、外務省サイドとして調査チームを作るなどして何らかの動きをするということはないのか。

(外務大臣)ダブルトラックでやるという意味はあまりないと思う。大事なことは、参与とはいえ、外部の方の目で見て頂いて、調査をして頂くのが、最も国民に納得頂けるということだと思っている。自分は園部参与に「必要なことは何でも言って下さい。必要な資料が出ないようなことがあればそれも言って下さい。それは全部対応しますから。」ということを申し上げて、外務省の担当のところには、資料は全部出し、全面的に協力するようにということでやっている。それが言ってみれば園部参与のなさるお仕事に全面的にこちらがお応えをするという形でやらせて頂くということで、園部参与の調査は調査、我々はまた別に、ということは、必ずしも良いやり方だとは思っていない。

(問)官房長と中東アフリカ局長からはいつどのような表現で、大臣に申し入れがあったのか。

(外務大臣)あまり一人一人の事情に触れたくはないが、中東アフリカ局長の方が早かった。その後で官房長という順番だった。

(問)そのときの説明はどのようなものだったか。

(外務大臣)色々なことがあって、ここでやはり交代をして、新しく変わってもらうということがこの際良いと思うということであった。

(問)それについて大臣は、どういう理由でこの人達がそういうことを言ったと思っているか。

(外務大臣)それは様々である。そういう仰られるようなこともあるだろうと思ったし、厳密に言えば、お二人の仰った時期は同じ日ということではないが、そういうこともあるだろうし、あるいは仰らなかったことも色々あるかもしれないと思ったが、自分は新しく来て、次官も代わるということだったから、ここで外務省の改革を一歩先に進めるということでは、そういうことも自分の行動の中ではずっと入っていた。

(問)つまり改革を進めるためにはこの2人の申し出を聞く、つまり代えることが必要であると考えたのか。

(外務大臣)色々な要素があるから、お話を伺った時点で直ちにそうしようと思ったかと言われれば、そうではなかった。そこは視野に一つ入れたということであって、その後で色々な改革を進める中で、では何をできるだけ早くやるかということで考えたときに、それが必要だろうと思った。

(問)3人(の異動)については、いつ決められたのか。

(外務大臣)最終的に決めたのは割に最近である。今日ではない。タイミングの問題でもあるということはきちんと踏まえた。基本的にはそういう方向で考えていた。タイミングというのは、いつ代えるのが良いのかということである。現在国会の予算委員会の最中でもあったので、通常は予算委員会の最中ではなかなかやりにくいわけであって、そういうことも少し考慮した。最終的には、今日よりは前であるが、割と今日に近いときに決めた。

(問)今日を選ばれた理由は何か。

(外務大臣)今日を選んだのは、調査についても遅くとも10日以内にということでもあったし、やはりここで改革を少し具体的にきちんとやるという一歩を踏み出すことが大事であると考えた。

(問)官房長と中東アフリカ局長については、今のところ官房付であるのか。

(外務大臣)異動先がどこになるかということについては、後任の人選と併せて発表させていただきたいと思う。

(問)シリア大使館の件でお聞きしたいが、官房長と中東アフリカ局長が出席していた1月24日の会合に来ていたシリア側の日本人とは何者であるか。

(外務大臣)それは自分は承知していない。

(問)それはお二方から報告を受けていないということか。

(外務大臣)いずれにしても、官房長だったか重家局長だったか国会で言ったように、正確な言葉は忘れたが、シリア大使館からはどちらの方向についても確認をする必要はないという趣旨のお話があったと聞いている。

(問)官房長と重家局長、特に重家局長についてはNGOを排除した問題というのがあって、その後の国会対応で混乱したという問題がある。この責任を問わないで、ただ人身の刷新ということだけで今回交代ということで人事を行うということは、責任問題はどこに行ってしまったのかと思う。そこについては大臣はどのようにお考えか。

(外務大臣)これは自分が来る前に総理がご判断なさって、本来外務省で片付けるべきことについて国会を混乱させるとかいうことになったことについて、苦渋の選択をなさったわけである。NGOの問題についてはそういうコンテクストで考える話だと思うので、そういう意味で、1月24日については別途、先程申したように注意はしているわけである。だから、それは別個にやっているということである。

(問)そうすると、重家局長と官房長にはそうした責任はなくて、次官と田中前大臣の方に責任があるとのご判断か。

(外務大臣)これは組織の判断、組織でやっていることなので、そういう意味では事務方のトップとして次官は、NGOの問題を起因として国会の混乱があったということで、次官を辞任したということである。

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外務大臣会見記録 (平成14年2月22日(金)8:50~ 於:院内控え室)

・ 閣議

(外務大臣)日本・シンガポール新時代経済協定を初めとして、9つの条約について国会承認を求めるということで、閣議決定になった。それから、閣僚懇談会で、扇大臣から発言があって、例の不審船問題について、天候がよければ、今日一部の新聞に出ていたが、25日、26日にソナーを入れると、それから、27日、28日、3月1日と、もしそのソナーの結果が良ければ、船体確認を出来るかもしれないという話があった。これは、別途、扇大臣が記者会見で仰られると思う。

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・ 対ロシア支援に関する調査

(問)昨日園部参与に会われたいきさつ、事情をもう一度ご説明頂きたい。

(外務大臣)例の一連の調査について、調査をすると申し上げて、総理からもそういう指示を頂いて、ODAの方は直ちに経済協力局で膨大な資料のチェックを始めている。ODAの方は閣議決定があったりして、それなりにより透明度が高いが、ロシア支援の方は仕組みの在り方、透明度が低いと思うので、園部さんにお願いするようにということを事務方に言って、事務レベルで、ご出張にいかれていたのでご連絡だけはさせて頂いていた。ようやく両方の時間があったのでお会いした。お願い自体は大分前からしていた。それで資料は全部見て、調査して頂きたいとお願いした。もし、その過程で必要な資料が出てこないことがあったら直接、自分、副大臣、次官にお話し下さいと申し上げた。全体、資料をごらんにならないとどれぐらい時間がかかるか判らないと思うが、既に国会で問題になっている問題については優先度を高くして出来るだけ早くというお願いをしている。

(問)園部さんの下に調査チームを設けるか。

(外務大臣)園部さんがどう考えるか(と言うことである)。何なりとご注文があれば、対応させて頂こうと思っている。(ロシア)支援室には、全部全面的に協力するようにと、当然言ってある。

(問)共産党が委員会に提出した資料は、存在したのか。

(外務大臣)佐々木議員の資料については、調べてくださいと指示をして、その資料はあったと聞いている。

(問)その件で昨日木島議員も新しい資料を出しているが、あちらの方についてはどうか。支援委員会の方で、業者から聞き取りをしたという、鈴木宗男事務所であったという、今朝新聞にも載っている「メモその5」というものだが。

(外務大臣)これも調べてもらって、支援委員会の資料なものであるから、外務省の資料ではないが、外務省にコピーはあった、と聞いた。

(問)そういう資料の存在を確認して、事実認定を大臣としてどのように抱いているか。

(外務大臣)大事なことは、そこに書いてあることが事実かどうかということを、至急確認するということなので、これは、園部参与にお願いをした、優先度を高めてやって下さいということの筆頭の部分にも入っている訳で、これは出来るだけ早くお願いをするということで、お願いをしている。

(問)公文書に書かれている以上、それが事実でなければ偽造になるのではないか。

(外務大臣)片方は、支援委員会事務局の資料である。外務省がもっているのは、コピーである。もう一つの方は、メモである。メモと書いてあって、ある人が書いたということな訳である。その中身については、とにかくこれからきちんと、今までも既に始めてもらっているのではないかと思うが、その一環として優先度を高めてやる。

(問)佐々木議員の指摘するメモはあったけれども、中身については、佐々木議員が指摘したものかどうかということについては、現時点では分かっていないということか。

(外務大臣)そういうことである。これはとにかく園部参与にきちんとして頂くということしかない訳である。

(問)直ちに資料提出要求に答えて、国会に提出するということにはならないのか。

(外務大臣)資料提出は国会の理事会でどういう風にお決めになるか、ということだと思う。理事会の決定に従うと言うことである。

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・ 不審船問題

(問)北朝鮮の件であるが、ソナーの船体チェックを行った後、船体を引き揚げるのか。

(外務大臣)とにかく、船体が確認出来るとか、そういうことがまず第一であるので、その先のことについては予断を持ってはいない。

(問)中国側とのそれに関する協議はどうか。

(外務大臣)情報提供はしている。

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・ ブッシュ大統領歓迎レセプション招待状問題

(問)改めてであるが、ブッシュ大統領の例の歓迎レセプションの招待状問題であるが、それぞれ言い分が食い違うというようなことがあるようであるが、細かい内容はどうか。

(外務大臣)これは、もうお出ししているので、それ以外申し上げることは何もない。

(問)レセプションの時必ず歴代の外務大臣には招待状が渡るということであるが、田中元大臣が出ていなかったということは、何かおかしいなというか、そういう風なことはなかったか。

(外務大臣)とにかくお出ししているので、大勢人がいる場で、招待者リストがある訳だが、自分は、その中のどなたがお出でになって、どなたがお出でになっていないか、という認識は全然する余裕もなかったので、それについては、その時は何も思っていなかった。出来るだけ自分は、自分自身としては、その機会を使って、米の代表でいらした方、代表団でいらした方で、レセプションというのはお話をする機会なので、極力全ての方とお話をしようと思ってやってたので、他にどういう方がいらしたかというのは、全然もう見る余裕もなかった。どの元外務大臣がいらしてたか、全然一人もいらしていたのか、いらしていなかったのか、頭に入っていない。

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・ 米の東アジア外交

(問)ブッシュ大統領は、昨日までに日本、韓国、中国をまわって、安保面では「悪の枢軸」発言があった後の訪問であり、あとは、経済的に東アジアとの連携を深めていこうというような性格もあったかと思うが、安保、経済それぞれで、大臣はブッシュ大統領の東アジア訪問をどういう風に評価しているのか。

(外務大臣)非常に明確にアメリカの姿勢も打ち出して、それを確認して、何ら変わったことは基本的に何もないと思う。それをきちんとそれぞれのところで仰っていった、ということじゃないかと思う。非常に効果があったのではないではないだろうか。

(問)日本の今後の東アジア外交を考える上で、何か示唆に富む発言等があったか。

(外務大臣)日本の東アジア外交も、別に今までのところを淡々と粛々ときちんとやっていくことだと思う。それを、日米両首脳の間で、路線をきちんと確認頂いたということに、非常に意味があると思う。それによって、何か新しいことが起こるということではない。

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外務大臣会見記録 (平成14年2月19日(火)9:40~ 於:官邸ぶら下がり)

・ 閣議等

(外務大臣)竹内次官の人事について今日(の閣議に)かかり、決定をした。
それから、アフガニスタンの援助について、わが国として2年間で5億ドルと言ってい たが、これは早く進めることが大事であり、特にアフガニスタンは今、子ども達の感染症での死亡が非常に高いので、麻疹のワクチンを取り敢えず贈るということで話を進めている。

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・ 日米首脳会談、外相会談

(問)昨日の日米首脳会談についてのコメントをお願いする。

(外務大臣)自分はずっと総理とブッシュ大統領の個人的な信頼関係が非常に強いということを今まで聞いていたが、それを目の当たりにして本当に、お互いに非常に強い信頼関係を持っているということを肌身で感じた。とても良い雰囲気で、自分は全部ご一緒したわけではなく拡大会合からであるが、形を作って会談ということではなく、本当にそれぞれの首脳が何を考えているかということを非常に率直に議論されたと思う。そういう意味でとても良かったと思う。

(問)大臣自身、パウエル国務長官と会われたが、こちらについては如何か。

(外務大臣)とても話がしやすい方で、お会いする前に2回電話で話をしていて、非常にアメリカ人らしい率直で、オープンな雰囲気の方で、自分も初めてお会いしたが、とてもはじめからリラックスしてずっと存じ上げているような雰囲気で話ができたと思う。

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・ 次官人事

(問)今日、竹内新次官が閣議で決まったと思うが、大臣としてどのような指示というか、話をされるつもりか。

(外務大臣)まず、改革を進めるということが非常に大事で、それを省内で実行に移していく、外から何をすべきであるというところは、いろいろな案もあるが、実際にそれを円滑に中からやっていくということが大事だと思う。外務省の職員の意識の改革も 含め、そういうことをやってもらう要というのが竹内新次官であるので、先ずそれを話したいと思っている。それから、勿論外交課題が山積しているわけであるので、それを事務当局のトップとしてそこはきちんとやっていただく必要があると思うので、かなり多く注文を申し上げることになるのではないかと思う。

(問)野上次官の処遇については、今どのようにお考えか。

(外務大臣)官房付ということである。

(問)当面はそうであると思うが、その後例えば外務省顧問という慣例もあるわけだが。

(外務大臣)昨日国会でも質問いただいたが、今の時点で何も予断していない。官房付でということでしか。

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・ アフガニスタン支援

(問)麻疹のワクチンは、いつ頃までにどのような規模をと考えているか。

(外務大臣)麻疹とポリオで500万ドルである。

(問)時期は。

(外務大臣)調整中である。

(問)来年度中ということか。

(外務大臣)出来るだけ早くということである。

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外務大臣会見記録 (平成14年2月15日(金)8:50~ 於:院内ぶら下がり)

・ 次官人事

(外務大臣)次官の交代の時期について、19日付で発令したいと思っている。本人は17日に帰国する。

(問)野上次官の処遇はどうなるのか。

(外務大臣)官房付となる。

(問)顧問にはならないのか。

(外務大臣)否。官房付である。

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・ 政治家との関係

(問)今日自民党の部会に初めて出席されたが、その感想如何。政治家との付き合い方という意味で、あの場を今後どのように捉えていかれるか。

(外務大臣)環境大臣のときに環境関係の部会には出たが、基本的に自民党の部会に大臣が出ることは少ない。だから、今まであったような形で色々御協力、御支援、御指導頂く場だと思っている。

(問)部会について、大臣が冒頭で挨拶されたように、改革にも不当な圧力を排除していくということが上げられているが、その中で、国のため、外交のためを思って言っていて、それが言えなくなる風潮ができるのは良くないのではないかと批判する声が早速部会から出ているが、これについてどう考えられるか。

(外務大臣)「開かれた外務省のための10の方針」にも書いておいたが、全くそういうことはない。外務省は幅広く謙虚に意見を伺うということが基本である。どういう範囲の御意見を適切でないと考えるかということについて、外務省自らあるいは第三者委員会で考えていくし、今日お願いしたのは、党の方でもお考え頂くということである。これは内閣全体というか、あの「方針」にも書いたが、外務省と関係する議員の方だけの問題ではなくて、広く官と政の問題であるから、そういうことも申し上げた。皆さんで議論していくことが大事だと思っている。

(問)鈴木議員とODAや北方四島支援事業との関係で、総理が調査すると指示されたが、外務省としてはどのように対応されるか。

(外務大臣)とりあえずODAについては経済協力局から話を聞きつつあるし、同局の中で膨大な調査を始めている。非ODA、つまりロシア支援については、これも若干聞き始めている。この2つは分けて考えなければならないと思っている。

(問)調査結果はどのような形でいつ頃知らせて頂けるか。

(外務大臣)自分としてはできるだけ早くと思っている。特にODAについては関係案件が非常にあるため、相当膨大な作業になるようである。今の時点ではいつまでにやるとは申し上げられないが、できるだけ早くと思っている。

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・ 地球温暖化問題

(問)地球温暖化でブッシュ米大統領が独自案を示したが、どう分析されるか。

(外務大臣)アメリカがずっと検討すると言っていて、今日未明発表したということについては評価している。やはり全ての国が取り組んでいくことが大事であり、これは取り組みの第一歩であるわけで、非常に結構なことだと思っている。

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外務省改革に関する外務大臣会見記録 (平成14年2月12日(火)18:20~ 於:会見室)

・ 質疑応答(10の改革に関する会見)

(外務大臣)1週間でお出ししますと申し上げていた骨太の方針をご説明させていただきたい。10の改革ということで、(配布資料の)上の方に書いてあるのは自分がよく申し上げていることであり、「国民の皆様の信頼を一刻も早く取り戻せるように、改めるべきは改めて、国民全体の奉仕者としての意識を徹底させ、それによって国益を守る強靱な外交ができるようにする」ということである。この前申し上げたように、キーワードは3つである。「透明性」、「実効性」、「スピード」である。非常に短期間であるが、自分なりにどういう分野で改革をすることが必要だろうかということを読んだり、外務省の職員の方や外部の方やいろいろな方のお話を伺って考えた。その柱が10である。
 まず、1番最初は、小泉総理から自分にお話があった「不当な圧力の排除」である。「不当な圧力の排除」というのは、外交演説でも申し上げたように、広くご意見は謙虚に拝聴するが、不適切なものは排除させていただくということである。特に政治と官僚、外務省と国会議員の方々の間には、新しい関係を築く必要があると自分は思う。それから、これは外務省のみの問題ではないので、外務省は外務省としてやれることをやりたいと思うが、広い枠組みで議論をしていただくことが適切なのではないだろうかと思っている。「例示」というのが挙げてあるが、自分として「こういうことをやったらいいのではないか」と思うことを書いてある。これは例示であるので、このほかにもたくさんあると思うし、自分がここに例示として挙げたものよりももっといいものもあり得ると思う。そういったことについてどうするか、どういう手続き、やり方でやっていくかということでご説明をさせていただきたいと思う。書面で、自分を含む副大臣、政務官の政治指導層に報告して、省として対応を決定する。この書面を情報公開の対象にすることを検討する。それから、以上の点を含めて国会議員との関係のガイドラインを作る。
 2番目は「誤ったエリート意識の排除とお客さま志向」である。誤ったエリート意識を取り除いて、国民全体の奉仕者としての意識を徹底する。また同時に、改革というのは不断にある話であり、世の中は常に変わっていくので、時代の流れに敏感な感覚を養うことが必要であろうと思う。例示として挙げてあるが、在外公館の領事業務サービスや大使館の日本企業への支援状況等の活動をアンケート調査し、その意見を反映させていただき、結果は公表したい。それから、外務省の若手職員の経験を多様にしていく。領事事務を経験する、あるいは地方自治体、民間企業、青年海外協力隊、NGO等で実務に携わる機会を設ける。また、海外での研修時に、様々な機関・団体の活動を体験させる。現在の規則・慣行の中には大分古いものもあると思うので、時代の要請や民間の基準に合うよう改善する。例えば、着任や帰国のための準備期間等も含む。
 3番目の柱は、「人事制度の再構築」である。これは、外務省の職員から意見をいただいた時に、1番意見が多かったところである。これは本当に例示であるが、主要国の大使を始め本省・在外幹部ポストに民間を含む各界の優れた人材を積極的に起用する。これは今までも大使になっていただいていたわけであるが、今までの数字ではなくて、もっと大幅に入れていくということである。また、課長・室長以上のポストに、Ⅰ種以外の職員を一層幅広く配置し、これを次回定例人事で実現したいと思う。また、全員ではないがⅠ種職員の大半が大使ポストに就いていたこれまでの人事のあり方を改め、適性、能力で配置する。それから、入省年次にとらわれない幹部人事を行う。さらに、ハイレベルを含む各界と人事交流を行う。
 4番目は、「秘密保持の徹底」である。外交は、信頼が基本である。そのために、秘密保持をさらに徹底して、これに反した場合には厳しく対応する。例えば、文書管理規則を見直しする。また、秘密を漏洩した場合の処分を厳格にし、人事に反映させる。
 5番目は、「ODAの効率化・透明化」である。ODAは、正に国民の血税を使って行っているわけであるので、まず外部の方の参加によって、ODAの透明性を高めるための仕組みを設ける。それから、在外公館では、現地で活動するNGOの方の意見を伺った上で判断する。本省では、選択肢の1つとして、第三者の参加を得た委員会で援助の分野やプロジェクトの優先順位を議論し、決定することを考える。また、経済協力局の幹部に外部の人材を起用する。さらに、ODAの実施に当たって、適切な監査手法の導入についても検討する。
 6番目は、「外務省予算の効率的使用・透明性の確保」である。これは、調達等の会計手続きの見直しや監察・査察制度の活用により、不正の再発防止をきちんとしなくてはならない。また、行政経費は、競争手続きに従って一層効率的に使用する。さらに、新年度に検事の方を監察査察官に任命する予定である。それから、全公館に公認会計士の参加を得て査察を実施する。また、調達全般にわたって一元化を実現する。
 7番目の柱は、「NGOとの新しい関係」であり、対話や連携を強めたいと思う。まず、NGOの方に、強い、いい仕事の出来るNGOになっていただくことが大事であり、外務省が助成するわけであるが、これを透明性が確保できる形で客観的な基準に基づいて実施していきたいと思う。それから、これはNGOの方だけではなく、広く国民の方々、市民社会との協力関係をどういう形で築いていくのが日本の外交にとっていいのかということも、懇談会を立ち上げて考えたいと思う。
 8番目が、「広報・広聴体制の再構築」である。これもいろいろな方からご意見があった分野であるが、広く皆様のご意見を伺い、それからやはり外交を理解してもらうための対話を深めるということが大事だと思う。例示としては、「外務省タウンミーティング」を開催する。積極的にご意見を伺うということで、当初のテーマを「外務省改革」としたい。これには、大臣、副大臣、政務官といった政治指導層と言われる人たちだけではなくて、職員の方にも大勢参加してもらって、そこで対話をするということを考えたいと思う。また、「外交広聴室」を新設する。これは、国民の方から寄せられる意見に耳を傾け、改善につながるようにする。
 9番目の柱は、「大使館などの業務・人員の見直し」である。様々な要望が海外の渡航者や在留邦人の方から寄せられるわけであるが、きめ細かく対応するために、領事業務サービスを拡充したいと思う。インターネット化、あるいはニーズが多い在外公館や、旅行者が多いところでは、週末や夜間でも素早く丁寧に対応できる体制を強化したいと思う。
 最後、10番目は、「政策立案過程などの透明化」である。これは、政策立案過程ができるだけ皆さんにご理解いただけるようにしたいということである。1つは、外交の言葉というのはなかなか難しくて、きちんと今まで説明ができていない部分もあるので、ご理解いただけるよう出来るだけ努めたい。それから、「外交政策評価パネル」を設置し、定期的に政策レビューをしてもらう。
 それから、これをどうやって進めるのかということについてご説明する。まず、第三者からなる「変える会」というものを設置し、今述べた10の分野について、自分が例示したものも含め、それからそれ以外にもっといいものもあるだろうと思うので、そういった具体的な措置を検討していただきたいと思っている。ちなみに、「変える会」というのは、いろいろ世の中の方は「本当に変えるかい?」「いつ変えるかい?」とお思いになると思う。そういった思いがあるということを常に意識しながら、「変える会」ということである。それから、その過程で公聴会を開きたいと思う。「変える会」では議論をしてもらうわけであるが、まず結論を早く出せるものに先に取り組んでいく。そして、発足後3カ月を目標に、「中間報告」を出すことをお願いしたいと思っている。その後、遅くとも夏頃までに「最終報告」を作って、自分に提言として提出していただきたいと思っている。大事なことは、それぞれの措置の中に「これをやる」ということを単に書くだけではなくて、具体的に「これをこれをいつまでにやる」ということと、出来る限り具体的な目標、例えば数字やメド等を書くということをお願いしたいと思っており、これは公表する。それから、出来ることは報告を待たないでどんどん外務省の中で議論をして、進めていきたいと思う。「変える会」には、報告書を出した後も、これがきちんと行われているかをチェックする体制というのが必要なので、この会には、報告をしたことがちゃんとなされているかどうかを定期的に見直してもらいたいと思う。また、そういうことをさらに公表したいと思っている。
 申し忘れたが、「変える会」の会長というか座長はオリックスの宮内さんにお願いした。
 駆け足であったが、自分が「骨太の方針」として考えたのは以上のようなことである。

(問)まず、「例示」の意味づけがわかりにくい。これは、大臣のご意向で是非これは実現したいというご意向で盛り込んであるのか。それとも、単なる例示なのか。

(外務大臣)これは、自分としては是非これをやって欲しいということで書いてある。ただ、先程言ったように、何分1週間でいろいろお話を聞いたり、いろいろ教わったり、ご意見を頂きながら書いたことなので、これよりももっといいことというのがあるかもしれない。それから、逆に、それはよくわかるが、例えば法律を変えないとできないというようなこともあり得ると思う。そういうことは自分は今の時点では全部わからないので、そういう意味で例示ということである。自分の思いは、ここに書いてあることは少なくともやっていただきたいということである。

(問)斬新なものとして、「政治家からの働きかけに関する書面を情報公開の対象に検討」というのがあるが、これも独自のご意向がかなり強いと承ってよろしいのか。

(外務大臣)自分はそう思っている。ただ、これは書いてあるように、外務省だけでできること、ほかの省にも影響があることというのは、より広い枠組みで議論をしていただくということが必要だと思っている。この分野でもっといいアイデアがあれば、是非皆さんからも頂きたいと思っている。

(問)外務省には文書管理規定というものがあり、その中に「当省の意思決定に当たっては、文書を作成して行うことを原則とする」というのがすでにある。今の例示を見ると、書面でこれを作るというのがご意向のようであるが、すでに今までの規則に従えば作らなくてはいけないはずである。どこが新しいのか。

(外務大臣)自分は1週間で文書規定を全部読んでいないが、おっしゃるので(そのような規定が)あるのだろうと思う。現実問題として、今までそういうふうに全部されてきたかということと、それからその文書を単に作るだけではなくて、それを大臣、副大臣、政務官に報告して、そこで判断するということである。この部分は新しいことである。

(問)また、「その書面を情報公開の対象とする」とあるが、情報公開法に基づくと、外務省が作成している全ての行政文書は情報公開の対象であるので、これも意味がわからない。

(外務大臣)はっきり覚えていないが、例えばプライバシーに関すること等、情報公開法のメカニズムがあり、開示しない、あるいは開示できないというものがある。そして、それを審査する組織がある。そういうプロセスを経ていくということでは、今までの話と変わりないかもしれない。ただ、実際に今までは、そういう書面が必ずしもあったかどうか。毎日いろいろな電話があったりで忙しい中で、そういうこともあるであろう。それをきちんと書いたということの意味である。それは、皆さんにきちんと認識していただいて、あるいは「変える会」で、「こういう分野についてはちゃんとメモを作って、政治指導層に出す」とか、そういうことを議論していただく必要があると思っている。

(問)「対象にする」ということは、つまり開示するということか。情報公開法とは別の枠組みで開示するのか。

(外務大臣)開示することについて、その基準をきちんと考えていただく必要がある。これは、外務省の判断と、それからこういうことをやることについてはほかの省も関係があるので、そういう意味でいろいろと広い枠組みということであるが、とりあえず外務省はメモでも出してもらって、政治指導層でそれを見て、それについてどう対応するかということについては判断して、そこで決めるということである。

(問)その書面について、大臣のイメージをお伺いしたい。これは「かなりひどい」と官僚が判断したらそれを自主的にメモしろということか。それとも、ありとあらゆることについて、政治家が役人に言ってきた場合は、原則としてちゃんとメモして報告しなければならないということか。

(外務大臣)どれぐらいの範囲で、例えば「外交政策はこうあるべきだ」というものもあるであろうし、「どこかに出張に行くからどこで便宜供与して欲しい」とかいろいろな種類があると思う。これは1週間でまとめた骨太の方針なので、実際に「変える会」でどういうような要請が今まであるのかということも少し見ていただいて、それからわれわれも外務大臣も、副大臣も、政務官も、どなたも、どういうことがあるのか少し考えてこれから見る必要がある。これは骨太の方針なので、そういう方針を出したが、具体的により細かい話というのはこれから議論をしたいと思う。全てそうであるが、あまり機能しないようにぎちぎちにしてしまっても機能しないし、それからあまり穴がいっぱいあいているようなものでも意味がないので、そこをどの辺でやるのかというのは、少し実態を見て考えるということが1番いいだろうと思う。

(問)「変える会」には外務官僚は入らないのか。

(外務大臣)外務官僚自体はこのメンバーには入らない。

(問)事務局にも入らないのか。

(外務大臣)自分はまだ今走りながら考えているので、これはこれから考えなければいけないが、自分は実際に機能する改革、実効性のある改革のためには、その組織の仕事の内容なり、現在あるルール、例えば文書規定等がどうなっているのか、あるいは関係する法律がどうなっているのか、そういうことを全く知らないでやってもアクション・プログラムは作れないと思っている。そういう意味では、今外務省で仕事をしている人たちも、具体的に「これはこういうことになっています」という情報がなければ「何々をして欲しい」とか「何々をするべきである」というレベルの報告書にしかならないと思っている。自分はそれでは意味がないと思っているので、具体的にやるということを前提にする。そういう意味では、今実際に外務省の業務をやっている人たちが「これはこういうことです」と言うことをちゃんと聞きながらやらないと出来ないと思う。

(問)いわゆるこういった改革を前に、一連のNGO問題についての真相究明がまず改革の第一歩であるという声が野党、国民の間では出ているが、それについて大臣はどのようにお考えか。

(外務大臣)具体的なNGO問題については、官邸でちゃんと関わりを持った人たちを呼んで、話を聞いて、その結果こうであるという報告が出ているわけである。それで自分も例えば立ちあった中の省内の人間に「そういう記憶である」という話は聞いている。であるから、それはそれで政府見解として出たとおりだと思っていて、むしろ自分が力を入れたいのは、外務省の改革の一環として、NGOの方々と今後そういうことが二度と起こらないように出来るだけ早く、このような関係をNGOの人たちと持つことがいいということがあって、それが外務省の職員全部に共有されるということである。

(問)人事制度の再構築のところで、田中元大臣は昨年以来次官経験者の大使への転出は認めない方が改革には役立つと言っていたが、提言には入っていないが、その点については大臣はどのようにお考えになったのか。

(外務大臣)自分は次官経験者であれ、未経験者であれ、外部の方であれ、一国の大使は日本の顔であるから、優秀な適材適所の方が行くのが一番いいと思っている。次官を経験したからといって、駄目だというわけではないし、次官を経験したから必ず行けるというわけではないし、それはむしろその一人一人の方の大使としての適材適所が一番のベースだと思っている。

(問)大臣個人の考え方でも結構であるが、今日自民党の方で政策の企画・立案段階での国会議員の働きかけまでは公開するのはどうかという意見も出ているが、大臣自身としては、どれくらいのレベルの段階で政治家の考え方を今後文書化することを検討しているのか。また、ガイドラインがあるが、これはガイドライン自体も公表する気があるのか。それと秘密保持の徹底とあるが、透明性との両立というのはどのように考えているか。

(外務大臣)どういう範囲のものを働きかけとして公表するか、これは非常に難しい問題で、自分が1週間考えて直ちに答えを言えるということではないと思っている。総理も仰っているように、政治家と官僚の間の厳しい関係は必要であり、何かあって、いろいろな選挙民と接している政治家の方の発想なり、あるいは海外に出張にいかれてそこで政治家として考えられたことなり、ということの情報が役所に伝わらなければ外交にならない。そこが先程の質問でお答えしたように、どういうケースがあるか、何が一番良い外交をやり、不適切な案件を外務省として排除するかということで少し考えてみる必要があると思っている。
 ガイドラインであるが、自分は公表すべきだと思っている。それを公表することによって、それが外の人に知ってもらって、どういう働きかけをするかということをお考え頂くわけであるから、それは公表する形をとる。
 秘密保持の徹底は、秘密を漏洩した場合に厳しく処分するということが一番大事なところであり、政策を作るに当たって、特に外交であるから、秘密は非常に守らないと、相手国もたくさんあるから日本の外交はできなくなる。 仰るのは秘密が多すぎるのではないかということであろうが、そこは実際にケースを見て考える必要があるかもしれないし、外務省の職員からもらった意見にもそういうものがあった。

(問)8番目の「広報・公聴体制の再構築」に関連するが、外務省改革に対して、国民の関心が非常に高く、様々な意見が届いているが、こういった国民の関心が高い実態をどのように受け止め、今後幅広く取り入れていくのかどうか、その辺の決意の程を改めて伺いたい。

(外務大臣)自分も存じ上げない方々からも手紙を頂いたりしており、広報公聴体制をもっとやる必要があり、外務省の職員からの提言の中にも、例えば「出前外務省」や「里帰り講演会」というような色々な話が出てきたが、こういうことが国民の方々に必要であると思っていただいているということが、今まで外務省がやってきたことに加え、更にもっとこの面での努力をしなければならないし、それから、そういうことをやる過程で、国民の皆様が何を考えているのかということを、外務省職員が肌で感じると言うことが、良い外交をしていくのに有益なことであると思う。

(問)特に、国会議員との新しい関係ということであるが、例えば、労働組合の首脳や宗教団体の首脳など特定の政治勢力をもった団体があると思うが、そういうところとの関係についての大臣の考え如何。

(外務大臣)これも、「変える会」で議論していただき、どういうことがいいのか考えていただこうと思っている。

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外務大臣会見記録 (平成14年2月12日(火)8:55~ 於:院内ぶら下がり)

・ 閣議(東ティモールの独立に際しての準備、天皇皇后両陛下の外国ご訪問)

(外務大臣)報告としては東ティモールの独立の準備を始めるということを自分から発言をした。また、官房長官から別途(発表が)あると思うが、天皇陛下、皇后陛下が7月6日からハンガリーとポーランドに一週間位のご予定でご訪問になられて、併せてその時にチェッコとオーストリアにもお立ち寄りになられるという2点である。

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・ 田中元大臣との引き継ぎについて

(問)田中元大臣とは結局会われる予定は入ったか。

(外務大臣)引き継ぎをさせて頂きたいということで、話を申し入れているが、まだお返事は頂いていない。

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・ 外務省改革

(問)「骨太の方針」については、いつ頃発表になるのか。

(外務大臣)実は今総理とお話をさせて頂いて、うまく時間の調整がつけば今日の夕方にでもと思っている。

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外務大臣会見記録 (平成14年2月8日(金)9:25~ 於:院内ぶら下がり)

・ 閣議

(外務大臣)今日は閣議の案件は、これは環境省、外務省両方関係あるが、沖縄の振興特別法が法律でかかったということと、環境省の関係では、温泉法の政令が2件あった。それからトルコに無償の供与をするということである。それから塩川財務大臣がご出張になるということである。

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・ 就任後の感想

(問)今日で就任して一週間になるが、振り返られてどうか。

(外務大臣)空中をふわふわ飛んでいるような感じである。都会の御大家であるからそれなりにいろいろ覚えなくてはいけないことがある。でも良いペースで始まっていると自分は思っている。

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・ 外務省改革

(問)来週早々にも「骨太の方針」を打ち出すとされているが、具体的な、イメージみたいなものは見えてきているか。

(外務大臣)それは自分で書き始めているのでもちろん(見えてきている)。

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・ 大臣の外国訪問について

(問)アフガニスタン訪問を検討しているか。

(外務大臣)時間的に国会もあるので、いつどういうところに行くのが良いかということは少し整理して考えたいと思っている。アフガニスタンはいつか行きたいと思っているが、全体を考えたいと思っている。

(問)アフガニスタン外交のフォローの必要性についてはどのようにお考えか。

(外務大臣)これはこの(アフガニスタン復興支援国際)会議をやって、きちんと今後進めていかないとこの間の一回目の会議の意味がないので、それはどんどんきちんとやっていくべきだと思っている。

(問)(アフガニスタンは)初の外遊先としてはふさわしい場所だと思われるか。

(外務大臣)この一週間、改革のことで頭がいっぱいなので、「初の」ということでどこを考えるかということは、これから落ち着いて考えたいと思うが、どこかで行くべき場所(であり)、行きたいとは思っている。

(問)現状では、アフガニスタン(訪問)については調整に入っているとか、そういう状況ではないのか。

(外務大臣)自分はこれからいろいろ全体を見て考えて、決めようと思っている。

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・ 田中元大臣との引き継ぎについて

(問)田中元大臣は事務の引き継ぎを川口大臣に対して求めているが、これに対して、川口大臣の今のお考え如何。

(外務大臣)自分は就任をした日の夜から、田中元大臣にはお会いしてお話を伺いたいということは電話で最初は伝言に残したということでやっているので、お話をしたいという気持ちは自分は非常に持っている。

(問)形にとらわれず何らかの形で接触を持つ機会というのは得られそうか。

(外務大臣)いろいろな方にお会いしたいと思っているし、なかでも特に田中元大臣はこの改革を一所懸命された方なので、改革の話だけではなくて他にもいろいろあると思うので、お話は是非伺いたいと思っている。

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・ 京都議定書

(問)来週に京都議定書の米国筋からの対案が出るということだが、今のところ議定書からの離脱姿勢は変わらないという見通しのようであるが、大臣の今のお考え如何。

(外務大臣)議定書についてというか、温暖化対応が重要だということを米国はずっと言っているわけで、それで閣僚レベルの会議を12月から再度再開して、かなり頻繁に真剣に議論しているということはずっと聞いている。いろんな話があり、年頭教書の時に発表するのではないかとかいろいろあったので、そろそろそういう案がまとまっているかと思っているが、米国がそういう形で案を出すということは非常に良いことだと思う。

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外務大臣会見記録 (平成14年2月5日(火)11:00~ 於:本省会見室)

・ 閣議(東ティモール真実和解委員会に対する緊急援助等)

(外務大臣)今日の閣議で外務省関係では、東ティモール難民に対する緊急援助について私から発言をした。99年の争乱によって西ティモールに避難をした東ティモールの難民の帰還と再定住の問題に関して、インドネシア政府に対して支援のために538万ドルを拠出することとしたということである。
 また、帰還難民と東ティモール住民との間の和解を促進するために国連東ティモール暫定行政機構が設置した「真実和解委員会」の活動を支援するために国連東ティモール暫定行政機構に対して53万ドルを拠出することとしたということを発言した。
 また、これは閣議での発言ではなく、私が発言したということではないが、緊急援助に関連して他に申し上げると、3日トルコで地震が発生したが、これまでに44名の死亡者及び318名の負傷者、これは5日今朝の時点であるが、確認されていて、昨日の時点で私からトルコのジェム外務大臣に対して、お見舞いのメッセージを出している。また、現地視察のために在トルコ大使館館員4名を被災地に派遣をした。災害緊急援助の供与を実施すべく今作業をしているところである。

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・ 外務省改革

(問)事務次官の後任人事について、大臣の強調される外務省改革という観点からいっても重要な人事だと思われるし、官邸との相談も必要になると思うが、大臣ご自身としてどういう観点での人事を考えているのかということと、それはいつ頃までにどういう運びでというお考えか。

(外務大臣)事務次官の人事というのは、これからの外務省改革を進めていく上で、それから様々な外交課題があるわけであるから、それを進めていく上で、キーパーソン、文字通り扇の要のところの方だと思う。私がここ(外務省)へ来て、金曜日の夕方に発令だったが、今までの間にこれが一番大事であると思ってじっくり今考えている。私が考えるその方(事務次官)にお願いをしたい資質というのは、改革がその人の下で進むことということであり、それは具体的には、改革マインドを本人が持っているということ、それからその改革を進めるに当たってそれを実際に進められる方、要するに実行力がある方、また将来省内外に様々な意見があると思うが、そういう方々と議論をして、実際に改革を進めることが出来る人をイメージしている。今じっくり考えているところであり、出来るだけ早くする。

(問)その人事の際に年功序列というものは無視されるのか。

(外務大臣)私は広く考えたいと思っている。結果として、まだどのようになるかわからないが、いわゆる普通の省庁で考えるときに「今次官が何年入省だったら、次は?」といったことは前提におかないで考えるということである。今考えているところなので、結論的にどういう形になるかというのは、今は何とも申し上げられない。

(問)閣議後に小泉総理と少しお話しされたようであるが、外務省改革について何か具体案を提示するとか、そういったことは考えているのか。

(外務大臣)今日閣議の後、総理のお時間を少し頂いて、外務省改革に関して私が今どういうことを考えているのかということについて、若干お話をさせて頂いた。私自身も今走りながら考えているというのか、考えながら走っているというのか、そういうところがまだあって、とりあえず今はやりの言葉で言うと「外務省改革の骨太の方針」というのを一週間ぐらいで出したいと思う。それでここ2日ほど考えているが、キーワードが3つあると思っている。一つ目が透明性、改革を考え、改革を実行するプロセスを極力透明なものにしていくということである。二つ目はスピード、これは私は民間企業に7年いて、改革をするときにスピードがなければ改革ではないと思う。時間を切って、今一週間ぐらいで骨太の方針と申し上げたが、その後の中身を作っていく段階での期間を切って、それまでに決める。それから、その後実行していく段階にいつまでに何をやるということをオープンにしてやるべきだと思っており、スピードが2番目のキーワードである。3つ目に実効性、効果があるという意味であり、そこで考えるいろいろな改革案というのは、それを実施したときに外務省の改革が行われたという意味で効果のあるものでないといけないと私は思っている。そういう意味で実効性、この3つをキーワードに改革をみんなで進めていきたいと思っている。それで誤解があってはいけないが、今まで外務省は改革を一生懸命にやってきていると思う。やってきているが、私も2日間、ロシアとの会談があったり、国会があったりして本当に時間がないんで、ざっと話を聞いて、これからじっくり話を聞きたいと思っているが、いくつかのことは考えられていて、ただ今まで外から見てきた立場から言うと、それが外に見えていない、或いは実行するプログラムがない。聞いているといくつか本当に実行しているものもあって、例えば監察をするときに外部の方を弁護士の方と公認会計士の方一人を入れるということを決めている。そういうことは私は非常にいいことだと思う。また人事について公募するということも決めている。これは公募を決めただけでまだ実際やっていない、出来るだけ早くやってほしいと思う。いくつか実行しているものはあるが、それがやはり見える形で、やった成果について出来るだけオープンにすることが大事だと思う。
 それから意識改革、これはとても難しくて、私は環境省にいたときに温暖化について、国民が温暖化へ対応するときの意識をどうやって変えていくことが必要かということを大分考えたが、意識改革は非常に難しいと思う。それは、一番基本の部分で一番大事なことだと思っていて、それを本当にどうやってやったらいいかということを考えて、それについての対応策が今まで考えられていた部分では十分ではないだろうと。外務省は今まで一生懸命にどうやって改革をするかということを考えてはきたと思うが、私はそれでは十分ではないと思うし、もっとやらなければいけないと思っている。そういうことを一応総理に、そういうスケジュールでこれから考えますというお話を申し上げて、総理から「それでいいんじゃないか」というお話を頂いている。今私は何人か外務省の外部の方にいろいろご意見を伺うということを始めていて、過去外務大臣を務められた方や、今後民間企業で実際に改革をなさった方とか、その他有識者の方々に私自身でご意見を伺いたいと思っているし、いろんな方にご意見を伺いたい。、私は環境省にいたときに「現場主義」ということを言っていて、やはり自分の目でいろいろな方にお話を伺って、その上でまた当然外務省の中の人の意見も聞いて、そこで考えるということが、これが今の時点における「現場主義」だと思うので、そういうことも既に始めている。

(問)外部の方から意見を聞くというのは、大臣の骨太の方針を作る過程で、この一週間以内に聞かれるのか、それとも、懇談会のようなものを設けて、継続的にやっていかれるのかというのがひとつ。もう一点は、意識改革を進める上で、一番分かり易いのは人事で表れると思うが、先程の質問にも絡むが、その意識改革を人事で反映するという考えはあるのかどうか。もしくは、意識改革を進める上で何が一番効果的とお考えか。

(外務大臣)外部の方のご意見をお伺いすることをいつやるかについては、両方である。骨太の方針を作る前にいろいろな方のご意見を伺いながら全部行いたいと思うが、時間的に国会もあり、先程も申したが体が3つ、頭が3つあれば如何に良いかと実は思っている。24時間でとても回らないというのが現状である。できれば、その前に伺いたいと思っているが、全部できないというのも目に見えている。そのようなわけで、両方、前後それぞれの段階に伺おうと思っている。改革のやり方だが、今の時点で作るものは、これは完全だということではないと思う。頻繁にレビューをしながら、必要であれば、あるいは情勢が変われば付け加えていくということでやっていくというのが、今の世の中、変わり方は早いので、時間の許す範囲でできるだけ伺って、それを反映し、その後もまた伺っていく。骨太なので、仔細な中身をつけるのは今後の話である。今私はそういうことを考えている。
 また、人事に反映するかどうかについては、私はするべきだと思っている。

(問)外務省では昨年外務省改革要綱が出ている。先程大臣がおっしゃったことは、お題目として掲げられて進んでいるが、大臣のおっしゃっている改革の方針とは、内容としては改革要綱を踏まえつつ、やり方は、透明性、スピード、公金のチェックということをおっしゃっているということでよいか。

(外務大臣)それだけではないと思っている。おっしゃったようなこと、今まで外務省が杉浦副大臣のもとで書いたことの実効性あるいは透明性ということはもちろん含むが、それだけで十分かどうかということがある。更に全然違う項目で言うべきことがあるのではないかと思う。それは、骨太の方針というか、超骨太の方針と申し上げた方が良いと思うが、出来た段階で見て貰えればと思う。

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・ 日韓安保対話

(問)昨日、日韓安保対話があり、先日の就任会見の際にお聞きできなかったので敢えて伺うが、北朝鮮政策について、最近のブッシュ大統領の一般教書演説を読んでいても、米韓に乖離がでてきているのではないかとの懸念もあるが、日本としてはどのように進めるつもりか。

(外務大臣)全てこれから勉強しなくてはならないが、米韓に乖離が出てきているかどうかについては、よく分からない。韓国のハン・スンス外務大臣がパウエル米国務長官と会ったというのは報道で読んだが、意見は一致しているというふうに私は読んでいる。基本的に、この地域が安定していることは非常に大事なことで、アメリカが具体的に北朝鮮にそういうふうに言ったことについては、アメリカが言ったことなので、具体的な点については、コメントは差し控えさせていただくが、東アジア地域の平和と安定は日本にとって非常に大事である。

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・ 環境問題

(問)昨日の外交演説の中で、環境問題について引き続き積極的に取り組まれるということで、温暖化問題で米国に対して、外相の立場で今後建設的な対応を求めるということで、何か話し合いの場を作っていくお考えがあるのかということと、ヨハネスブルグの地球サミットの場を通じて、環境と開発の両立を訴えていかれるということであるが、このサミットに出席されるということで良いのか。

(外務大臣)前者については、これは私が環境大臣の時に一生懸命にやった日米のハイレベルの会合があり、それでその下に3つのグループに分けて、これはもう外務省を含み、各省連携して事務レベルで市場メカニズムと途上国問題と技術のところをやっており、そこをそのチャネルで、その上にハイレベル、閣僚級というのがあるわけであるので、それで新しい環境大臣にずっとやっていただくということと、私自身も機会があれば温暖化の問題については、米国とお話をしたいと思っている。それからヨハネスブルグについては、これはとても大事な会議だと思っているし、日本から然るべき方がお出になるということは必須だと思っている。ただそのときにどなたがお出になるのが良いのかということは、何しろ8月の終わりから始まる会議であり、私は今体が3つ、頭が3つあればいいと思いながらここ2、3日いるので、そこまで私自身がどうしたいのかということは今申し上げられるところまでにはなっていない。どなたか然るべき方がお出になるということは必要だと思う。

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・ 日韓歴史共同研究

(問)日韓歴史共同研究について、研究の結果を教科書に反映させないということで日韓が一致したとの報道があるが、事実か。

(外務大臣)承知していない。そのことについては勉強しておく。日本の教科書は検定制度なので、ある枠組みを作ってそれで判断するわけである。ある一つの解釈を全部の教科書が使うという作り方をそもそもしていないので、いまおっしゃったようなことが日本の検定制度とうまくはまるかどうかということは、直感的に思う。今おっしゃったことが事実かどうかについては、承知していない。

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・ 日露外相会談

(問)先週の日露外相会談では、外務省の説明では平行協議で一致したとのことだったが、その後タス通信で、イワノフ外相はそれは作り話であったという風に言ったとの記事が流れている。念を押すが、平行協議で一致したのか。

(外務大臣)同時且つ並行的にということを私ははっきり申し上げた。

(問)イワノフ外相も同意されたのか。

(外務大臣)然り。

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外務大臣会見記録 (平成14年2月1日(金)20:45~ 於:本省会見室)

・ 冒頭発言

(外務大臣)突然の話だったので、本当にこれからいろいろ自分(大臣)なりに外務大臣として、どういうことをしていけばよいか、きちんと考えたいと思っているが、とりあえず今思っているのは、やはり何と言っても、外務省の改革が非常に重要であるということであり、田中元大臣が考えられたことをベースに自分(大臣)なりに国民の皆さまの期待にこたえられるように、特に取り組みたいと思っている。
 それから、もちろん外交というのは非常に一国にとって重要なことであり、さまざまな課題がある。諸先輩がずっと培ってきた外交の路線を踏まえ、しっかりそれをベースにして、なおかつ、これからの時代にふさわしい新しい外交を展開していければいいと願っている。
 総理からは、今日うかがった時に、ご指示をいただいた。
 一つは、今日、総理が予算委員会でおっしゃられたことだが、外交を行っていくにあたり、特定の政治家の不当な圧力は排除すべきだと、自分も全く総理のおっしゃる通りと考えるので、そのような方向で努力をしたいと思う。良い方の意見であっても、これは十分に拝聴させていただき、その方向を取らせてもらう。不当な意見と言うか、適切でない意見であれば、それは受け入れられないと総理が力説をなさっておられたが、自分(大臣)もそう考えるので、実行していきたいと考える。
 もう一つは、やはり国民の目から見て、外務省の体質、あるいは外務省の仕事ぶりが、十分国民の期待に応えるものであったかどうかということは、きちんと反省をし、正すべき点があれば、それは正していくべきであると自分(大臣)は考えるし、総理からもそういう指示があった。
 それから、今後の外交の体制については、総理のご指導をいただきながら、官邸と一緒になって推進をしていく、ということである。その三点を総理からのご指示をいただき、自分(大臣)も全くその通りだと思うので、そういったことをやらせていただきたいと思っている。
 さしあたって、自分から申し上げたいことは以上であり、改革についてはできるだけ早く、どういうことをしていったらいいかについて検討し、総理にご報告したいと考えている。

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・ 質疑応答

(問)冒頭に大臣自身が「総理からも強い指示があった」とおっしゃっていたが、外務省の改革を進める上で、大臣の起用に当たっては改革を進めることを考慮したということを総理もおっしゃっているが、これだけ去年の初めから不祥事が相次いで、今おっしゃったように国民の強い不信がある中で、どういった点から具体的に改革に手を着けていかれるのか。「これから」とおっしゃったが、多少なりとも考えておられることがあろう。また、今後大きなものでなくて、在外公館等で小さい不祥事が次々出てきているが、こうしたものが判った場合、積極的に隠さず公表していくという姿勢で臨まれるのか。

(外務大臣)今の時点でいくつか思っていることがあるが、自分は環境相時代から合計1年程いて仕事をしたが、昨年の1月に環境庁が環境省になった時点で、いくつかのことを環境省の皆様にはお話しさせていただいた。1つは、「共に歩む環境省」ということである。その時は環境省だったので、「共に歩む」ということである。それは、仕事をしていく上で国民の皆様、あるいは市民グループの皆様、産業界、様々な関係する方がいらっしゃるわけであるが、そういう方が本当に何をお考えかということをきちんと聞いて、それを自分なりに考えて適切なものをそれを実行に移していくということである。その観点で、具体的にいくつかのことを行った。1つは、タウンミーティングである。これは、小泉内閣のタウンミーティングに先がけること半年、実は昨年の1月からやっており、そこで様々なご意見があって、議論をさせていただいた。それから、ホームページでご意見をいただいて、大事なことは省員、省の人間皆でシェアをするということである。自分は民間企業に7年おり、その時にお客さま関係の仕事していたが、企業の場合は皆顧客志向ということを考えている。顧客満足は非常に大事なことで、役所にとって、外務省にとって顧客というのは誰かというと、それは国民にほかならないわけである。国民の声を聞いて、聞くだけでは十分ではなくて、それを皆で共有するということが大事である。それはシステム、その他いろいろあると思うが、そういうこともやることができればいいと思う。
 実はたくさんあるが、人事交流というのは非常に大事である。様々な発想に触れるという意味で、非常に意味がある。例えば、自分は今日外務省の方とお話を聞いて、初めて聞いたことがある。それは「実問」という言葉である。それは何かと聞いたら、想定した質問ではなくて、実際の質問だということである。環境省にいた時には環境省の言葉がある。例えばそういうことから始まって、発想、企業で言えば顧客満足とか、コスト意識とか、時間がコストであるという意識があるが、そういうことについて様々な違う意見というのを交流させるということから、人事交流というのは非常に大事だと思う。例えばそういうことを考えている。
 ご質問の公館で何かあった場合ということであるが、集中的に公館の査察を実施して、もちろんその過程で何か不祥事が明らかになれば、調査結果を公表して透明性を持たせていくということが大事だと思う。自分は前に外で見ていて、そういうことを外務省は取り組み始めていると認識している。

(問)今回のアフガン復興支援会議へのNGOの参加問題の経緯、とりわけ田中元大臣と野上次官が共に更迭されたことにつき、どう思われるか。また、特定の議員が外務省に突出した影響力を持っていると言われているが、政治家、特に自民党の部会の有力者との関係を今後どのようにしていくべきだとお考えか。

(外務大臣)まず、アフガニスタンの復興支援会議が緒方さんも共同議長として非常に見事な議長ぶりをなさっていたのを外で拝見して、大変に日本の存在が示され、しかも非常にいい成果が出たいい会議だと思っている。その会議の成果をこれから実施していくということが今非常に大事である時に、NGOの問題に焦点が移った観があるのは、自分としては本当に残念だと思っている。NGOの方々は、自分は非常に大事だと思っている。先程、「共に歩む」と申したが、その中に入ってくる重要なグループはNGOのグループである。また前の仕事の話になるが、自分は例えば大臣室に環境関係のNGOの方々をお呼びして意見交換をしたり、それから実は明日も千葉でタウンミーティングをやることになっていたが、地方に行ったらその地域のNGOの方々とお話をして、どういう仕事をしていて、どういうことを希望するか、どういう問題があるかということを伺ってきた。だから、NGOの方々は非常に大事だと思っている。その参加問題についていろいろあって、こういう大事な存在のNGOであるわけであるから、そこで参加をさせないという判断がある時点であったということについて、忙しかったりといろいろな要素はあったのであろうと外から見ていて推察するが、やはりその判断は不適切だったのではないだろうかと思うが、それはその後、田中外務大臣のご指示があってそれは直したということで、その判断は正しいものになったのだというふうに自分は認識している。そういう意味では、問題が一時期あったにせよ、その問題は適切なことに戻っているし、自分はこれからNGOの方々と、ずっと外務省が仕事をしていく上で関係をもっともっと深め、お互いに学び合い、議論をし合うということは非常に大事だと思う。それから、政治と役所の関係であるが、これは外務省だけの話ではなくて、各官庁皆にある話で、共通の課題としてどういうふうになっていくのが適切かということは考えていかなければいけないわけであるが、政治家は選挙によって選ばれた方々であるので、先程お客さま志向ということを申し上げたが、政治家の方々というのは選挙区でいつも選挙民の方々に接していて、国民が何を考えているかということは敏感に感じていらっしゃると思う。そういう観点から、様々な意見を言うということは非常にいいことだと思う。適切に役所と政治家の方々の間に緊張関係があり、協力関係があり、お互いに情報を分かち合い、共有するということは、坙{の国益のために非常に重要だと自分は思っている。問題は、どういうやり方が緊張関係を持ったいい関係であるかということの整理であり、それは具体的にはケース・バイ・ケースであると思うが、やはりそのベースというのは国益が何かということであると思っている。抽象的で申し訳ない。

(問)質問の仕方が悪かったかもしれないが、田中元大臣と野上次官が更迭されたことについてどう思われるか。

(外務大臣)それは、小泉総理が今日も国会で答弁をなさった通りであると思うが、これは外務省が外務省の中で本来解決すべき問題であって、それが外に、(すなわち)国会ですべきことは、今日第2次補正予算を通していただいたわけであるが、来年度の予算や、経済が今これだけ問題になっており、失業率が5.6%という段階になっているわけなので、そういうことを一刻も早くきちんと議論をしていくということが大事な時に、そういった問題で国全体でやるべきことが遅れるような状況になってきたということを問題だとお感じになられて、小泉総理が非常に苦渋のご選択をなさったのだと自分は思っている。

(問)日露関係について伺う。明日、日露外相会談が行われるが、田中元大臣が北方領土交渉をめぐって四島の分離協議に疑問を呈したと受け取られるような発言をするなど、発言が揺れていた。四島の帰属問題を解決してから平和条約を締結するという政府の原則はわれわれも承知しているが、四島の分離協議をこれから具体的にどのように進めていくのか。また、与党内の一部には、二島先行返還論があるが、この考え方についてはどのように受け止められるか。

(外務大臣)明日初めてロシアの外務大臣にお目にかからせていただき、お話をさせていただくが、自分が理解をして勉強している範囲では、いわゆる二島先行返還論というのは日本としてロシアに提案したことはないと理解している。四島の帰属問題も含めて、四島とは言っても二島の帰属ははっきりしているが、そういった問題も含めて、ロシアとの間では幅広くお話をさせていただきたいと思っている。

(問)日米関係について伺う。田中元大臣の発言で、日米安保体制や米国のミサイル防衛構想をめぐって波紋を広げたこともあり、一時期日米関係がぎくしゃくする局面もあった。今月下旬のブッシュ大統領の初来日に、川口大臣としてはどんな方針で臨まれるか。また、大臣自らの早期の訪米も含めて、ご自身でどのようなリーダーシップを発揮して、対米関係の強化に努めるお考えか。

(外務大臣)今から10年以上前になってしまうが、自分はワシントンの大使館に公使として2年程赴任していたことがあるし、そもそも1番最初は、自分は16歳の時に米国の高等学校に留学生として1年行っていたことがある。国際機関勤務も入れて、合計8年半ぐらい米国に住んでいたことがある。当時、自分が公使をしていた頃に、この間亡くなられたマンスフィールド大使がいらっしゃって、お話をさせていただいた。言葉は正確でないかもしれないが、「日米関係というのは、二国間関係の中で、もっとも重要な二国間関係である」ということをよくおっしゃっていた。自分は、本当にその通りだということは肌身に感じて思っている。日米関係というのは同盟関係で、それを一層強化していくということが何よりも大事で、ブッシュ大統領が昨年秋にお出でになられるということになっていて、直前に大変残念なテロ事件があってお出でになれなくなってしまったわけであるが、今回初めて訪日していただけるということで、この訪日を成功させるように努力をしたいと思っている。それから、(米国を)訪問する予定があるかどうかということであるが、今日(外務大臣に)なったばかりで、今のところ予定としては考えていない。ただ、一般論として申し上げれば、自分は今までいろいろな仕事をしている中で、やはり直接にお目に掛かって、直接にお話をするということが、相互理解の上で非常に大事だと思うし、やはり相互理解というのをベースに外交政策というのも考えられるだろうと思う。京都議定書の交渉をずっと環境庁に来てからやって、その過程で何が一番重要だったかと言うと、各国の環境大臣同士のコミュニケーションである。自分は締約国会議に3回出たが、回を追うごとに、お互いの考えていることがよくわかるようになった。これは非常に大事なことだと考えている。ただ、今訪米の予定はない。

(問)今の国際問題には省庁間にわたるテーマもあって、いろいろと調整があると思うが、大臣ご自身のお考え、スタイルとして、総理とか他の省庁の閣僚とご自身のスタイルでこういう風に意見交換をしていきたいというようなお考えはあるか。

(外務大臣)これは特に官邸とは、私は環境省にいて非常に密接に重要な場面場面では連絡をとらせて頂いて、仕事をずっとやってきた。議定書交渉なんかはその例である。それから各省の連携も益々大事になってきていると思う。これも温暖化の交渉の例であるが、各省の連携は非常にうまくいっていると私は思っている。私は前に霞ヶ関にいて、民間企業にいて、また戻ってきたときに感じたのは、連携という言葉がキーワードになっている。各省とも連携をしないとうまくいかないということがわかっていて、それを仕事のスタイルとしてみんなそうしていると思っている。私がこの前環境庁長官に任命して頂いた後、いろいろな仕事をやった中で、各省との連携のない仕事というのはないと思う。

(問)閣僚との連携の一つの中で小泉総理とのことに関してであるが、昨年小泉総理が靖国神社を参拝されて、対アジア外交ということでいろいろ波紋を広げたが、今年はワールドカップが日韓で共催されたり、日中国交正常化30周年ということがある中で、今年の参拝については態度をまだ明らかにされていないが、この点について昨年の経緯をご覧になった上で、どのように意見交換をされていこうとお考えか。

(外務大臣)それは小泉総理がご自分でお決めになることだと私は思う。

(問)その判断を尊重されるということか。

(外務大臣)当然だと思う。

(問)その前に意見交換をされたりということは特に考えていないのか。

(外務大臣)それは私からは考えていない。

(問)今年は日中国交正常化30周年なので、大臣はどのように日中関係を進めていきたいか。

(外務大臣)中国は、たまたま先週だったか、私は環境大臣として行っていた。そのときにこういうことになるとはつゆ知らずということであるが、中国の環境大臣のカウンターパートの大臣の方々、或いは(劉江)国家発展計画委員会副主任、それから(王光亜)外交部副部長等とお目にかかってお話をして、隣国、日本の隣の国であって、日本にとっては非常に大事な国であると思う。それからこれは環境大臣であるから当然そういうことに関心があるわけだが、私が強く印象づけられたのは、環境保全にかける意思の強さということである。第十次五カ年計画は2001年から始めているが、それの2つの国家の基本的な目標の一つが人口抑制で、もう一つが環境保全である。一所懸命に中国は地球環境の問題、あるいはもう少し広くWTOの参加もあるし、新しい課題に取り組んでいる。そのリーダーシップに私は感心した。それから隣の国として、中国と日本との国民レベルで連携、或いは交流を強めていくことが非常に重要なことだと思っていて、これは正にその国交30周年というわけであるから、今年そういうことが強まっていくということになるだろうと思う。

(問)李登輝さんが訪日するビザの問題について、大臣はどのように考えているか。

(外務大臣)私はきちんと話を聞いていないが、私が今理解しているのは、日本を訪問したいというビザの申請は頂いていないと聞いている。これは具体的にそういうことがもしあれば、その時点で様々な要素を考慮して考えていく話かと思っている。

(問)先程の靖国の関係で少し整理しておきたいが、意見交換を総理としないということであるが、外交のトップとして外交に対するインプリケーションとか色々あると思うが、それについて何らアドバイスもされないという意味であるのか。

(外務大臣)それはまず総理がどういうふうにお考えになるかということであって、総理は今年もおっしゃられたと記憶しているが、過去、平和が大事であるという気持ちで行かれたというのが、私は当時環境大臣をしていてそういう言葉は正確ではないかもしれないが、そういう風に私は理解して総理の気持ちを尊ぶということである。

(問)外交の話ではないが、内閣の支持率がかなり急激に落ちているようなのだが、閣僚としての感想と、それからこのどのように対処していくのか。

(外務大臣)国民の皆さんが改革ということを一所懸命に考えていらっしゃるということであるから、それに具体的にできるだけ早く応えていくことが大事だと思う。私としては外務大臣を拝命したので、外務省の改革を一生懸命にやって、できるだけ早く具体的に透明性を持ったかたちでそれをしていくということが大事だと思う。

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