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経済


UNCTADXI(アンクタッド・イレブン)の概要と評価

平成16年6月18日

1.概要

 6月13日から18日までブラジル、サンパウロにおいてUNCTADXI(UNCTAD第11回総会)が開かれた。

(1) 会合

(イ) 中南米を中心に数カ国から首脳、多数の途上国及び一部先進国から閣僚が出席。14日午前のオープニング・セッションでは、前議長国タイのタクシン首相、コフィ・アナン国連事務総長、ブラジルのルーラ大統領、リクーペロUNCTAD事務局長、スパチャイWTO事務局長が演説を行った。

(ロ) その後、各国首席代表が演説を行う一般討論、及び、各種テーマ毎(貿易と貧困、資本蓄積、投資、新たな資金確保メカニズムなど)の双方向討議が平行して行われた。双方向討議では、貿易と開発を巡る国際的な議論の現状を網羅する形となった。

(ハ) ジュネーブにおける準備委員会を受けて期間中に断続的に調整が行われ、行動計画としての「サンパウロ・コンセンサス」、及び、議長声明としての「サンパウロ精神」が、最終日18日にそれぞれ発出された。

(2) 内容

 開発を進める上で国内・国際レベル、及び、貿易・投資・金融等の各分野を含めた「政策一貫性の強化」が今次総会のテーマ。注目された点は次のとおり。

(イ) 政策余地(policy space):準備委員会の段階から途上国が主張し、各国の事情に応じた開発政策を実施するための政策の柔軟性の重要性が、発出文書において言及された。

(ロ) 南南貿易:一部途上国に生じてきた活力を活かすため、南南貿易の重要性を多くの出席者が強調した。「途上国間の貿易特恵の枠組み協定(GSTP協定)」は1989年に発効(現在約40カ国が参加)しているが、参加国間で一層の貿易自由化を進めるために第3次GSTP交渉ラウンドが立ち上げられた。協定参加国会合において、同ラウンドを立ち上げ、全ての途上国にGSTPへの参加を呼びかける「サンパウロ宣言」が発出された。

(ハ) WTOドーハ開発ラウンドとの関係:アナン国連事務総長、スパチャイWTO事務局長を初め多くの出席者から、開発を中心テーマに据えたドーハ・ラウンド交渉を加速することが呼びかけられた。発出文書においても、同交渉加速の必要性が言及された。

(3) 日本の役割

 山崎隆一郎国際貿易・経済担当大使が首席代表として一般討論演説を行った。貿易・投資を原動力とする開発推進のための取り組みにつき、我が国の考え方を述べつつ、人材育成への貢献(ドーハ開発ラウンド基金への拠出)、アジアの成功例等の共有(TICADアジア・アフリカ貿易投資会議、投資円滑化ジャパン・イニシアティブ)など、具体的な協力策を表明した。また、WTO交渉の進展に向けた努力を呼びかけた。

2.評価

 全般的に先進国と途上国の間で激しい対立は見られず、発出文書(行動計画としての「サンパウロ・コンセンサス」及び議長声明としての「サンパウロ精神」)についても比較的順調に調整がなされた。

(1) ミレニアム開発目標など近年の主要国際会議の結果を踏まえつつ、貿易と開発を巡る取り組みの枠組みが確認された。これは今後4年間のUNCTADの活動の基礎となる。

(2) ブラジルのルーラ大統領が貧困と飢餓との闘いのための資金確保の検討を提唱し、途上国間特恵枠組み(GSTP)参加国が交渉を立ち上げるなど、途上国側のイニシアティブが見られた。

(3) WTO新ラウンド交渉進展に向けた努力の必要性が幅広く呼びかけられた。



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