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UNCTAD XI――サンパウロ・コンセンサス(概要)

2004年6月18日採択

※原文(英文)は、UNCTADホームページに掲載。

[全体の構成]
 冒頭部分
 サブテーマ1 グローバル化する世界経済における開発戦略
 サブテーマ2 生産能力及び国際的競争力の構築
 サブテーマ3 国際貿易体制及び貿易交渉からの開発利益の確保
 サブテーマ4 開発のためのパートナーシップ




冒頭部分(UNCTADの役割)

【パラグラフ1~11】

(1) グローバル化は開発途上国を世界経済へ統合するために新たな展望を提供する一方で、特に後発開発途上国(LDC)は、世界経済の片隅に取り残され、その開発の上で新たな課題をもたらしている。

(2) 貿易と開発及び資金調達・技術・投資・持続可能な開発の分野における相互に関連する課題を統合して対処する国連の中心機関として、UNCTADは、近年の国際会議の成果の実施の上で、多大な貢献をすることが期待されている。UNCTADの活動の3本柱である合意形成、調査並びに政策分析及び技術支援について、継続・拡大していく。

(3) グローバル化する中で、各国の経済政策の余地は国際的なコミットメント等により制約されている。国際的なルールからの利益と政策余地を失うことの制約の間のトレードオフ関係について、各国はそれぞれ評価する必要がある。また、全ての国がその政策余地と国際的な規律との適切なバランスを考慮することが途上国にとり重要。

(4) UNCTADの活動として、結果重視の年次報告の作成、国連改革への参画及び他の国際機関や民間部門・市民社会との協調を引き続き重視。




サブテーマ1 グローバル化する世界経済における開発戦略

【パラグラフ12~35】

(1) 開発途上国の世界経済への円滑な統合と、グローバル化からの利益の享受のためには、UNCTADの知見が役立つ。また、分析と技術支援の相乗効果の最大化が求められる。

(2) 開発戦略は、それぞれの国固有の開発ニーズや環境に合わせて調整されるべきものである。そのために、国際経済における政策決定や規範設定に当たり、開発途上国等の参画を強化すべきである。

(3) 国際金融市場及び短期の民間資本フローにおける脆弱性が開発途上国経済に不安定な影響を与えており、この問題への国際的な取り組みが重要。また、債務解消のための国際的な努力を増すことも重要である。

(4) 政府開発援助(ODA)は、途上国にとり他の資金調達手段を補完するものとして根本的な役割を担っている。先進国は国際目標に従い援助を実施すると共に、途上国は援助が効果的に使われるよう努力する必要がある。

(5) 良い統治は各国および国際レベル双方から成長、開発にとり重要。

(6) UNCTADは、アフリカ諸国、内陸開発途上国及び小島嶼開発途上国への取り組みと共に、引き続き後発開発途上国(LDC)への配慮・支援を拡大する。




サブテーマ2 生産能力及び国際的競争力の構築

【パラグラフ36~62】

(1) 生産能力及び国際的競争力の構築のためには、投資が主要な役割を果たす。投資拡大のためにはホスト国、投資を行う国、及び企業の役割がそれぞれ重要。

(2) 生産能力の構築のための資金調達は開発戦略の中心であり、その点、海外直接投資(FDI)は技術移転を含め、様々なポテンシャルを提供しうる。UNCTADはFDIのインパクトや成功事例について、引き続き先導的に分析を行い、途上国の政策形成に貢献する。

(3) 情報通信技術(ICT)の重要性は日々増しているが、情報格差により、開発途上国はその利益を享受できていない。開発途上国にとって、ICT政策・戦略が必要であり、国家のICT戦略は、教育、貿易、投資及びジェンダーといった別の開発政策との連関が求められ、UNCTADはそれを支援する。

(4) 輸送及び貿易の促進を図り、そのコストを削減することは、国際競争力を高めるために必須であり、UNCTADはその能力増強に助力する。

(5) 国内の生産能力向上のため、中小企業(SME)のシステマティックな向上が求められ、多国籍企業(TNC)は技術移転等で重要な役割を果たす。UNCTADは企業の発展を促すため、成功事例のデータを分析し、配布する。




サブテーマ3 国際貿易体制及び貿易交渉からの開発利益の確保

【パラグラフ63~110】

(1) 貿易を途上国の開発と経済成長の手段とするには、全てのレベルにおける政策全体の一貫性が重要。特に、一次産品問題、LDCの世界経済の効果的な統合は重要な課題であり、これらが南北貿易だけでなく、南南貿易の伸展を通じて、途上国の開発に寄与せねばならない。

(2) 今次WTO交渉ラウンドにおいては、開発を中心においたラウンドとして、途上国の関心分野(農業、非農産品、サービス、貿易の技術的障壁、実施問題、S&D等)に配慮した進展が重要。

(3) 特に、多くの途上国が一次産品の輸出に依存する中、一次産品問題への包括的な取り組みが重要。UNCTADは、産品多様化や、市場価格の安定化等に向けた、調査研究、関連する機関とのパートナーシップ促進を通じ、この問題に貢献する。

(4) UNCTADは、貿易と開発に関する総合的フォーラムとして、特に、多国間貿易ルール(サービス、知的所有権、貿易と環境等)の開発の側面に関する調査・研究を行うと共に、途上国の能力開発に向けた必要な支援を行う。

(5) また、LDCの関心事である無税無枠措置やWTO加盟、特恵浸食の問題等への取り組みが重要。また、南南貿易の伸展、LDCの世界貿易への統合にむけた国際社会の支援が必要。UNCTADはこういった途上国の関心事項に関する研究を行う。

(6) UNCTADは他の機関と共同で実施されているプログラム(IF、JITAP)への貢献を含め、貿易関連技術支援を強化すべき。




サブテーマ4 開発のためのパートナーシップ

【パラグラフ111~119】

(1) 上述の様々課題に取り組むにあたり、政府、他の国際機関のみならず、民間セクター、学術界、市民社会との幅広い連携が重要。

(2) UNCTADは、ICT、一次産品、投資分野等において、パートナーシップを拡大する。



目次


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