G8サミットとは、日、米、英、仏、独、伊、加、露8か国の首脳及びEUの委員長が参加して毎年開催される首脳会議です。狭義のサミットは首脳会合を意味していますが、首脳会合の前に開催される外相会合及び財相会合を含めた全体をサミットと呼んでいます。

サミットでは、経済・社会問題を中心に国際社会が直面する様々な課題について、首脳は一つのテーブルを囲みながら、非公式かつ自由闊達な意見交換を通じてコンセンサスを形成し、トップダウンで物事を決定します。そして、その成果が宣言としてまとめられます。グローバル化が進むと世界各国の相互依存関係が進み、物事が起こりかつ展開する速度が速くなり、その影響するところも国境を越えて大きくなりますが、それらに有効に対処するためには、非常に柔軟で果断かつバランスのとれた決断、効果的な措置が必要となります。サミットには他の国際的なフォーラムと異なり事務局がありませんが、それぞれの国で総合的・横断的に様々な分野を総覧する立場にある首脳がトップダウンで物事を決めるため、適切な決断と措置を迅速に行うことが可能になります。

サミットを開催する国が、開催する年の1月~12月の1年間、サミット議長国となります。サミット議長国は、サミット開催に向けた事前の準備会合や、実際の首脳会合、外相会合、財相会合の開催のための諸準備及び議事進行を行います。更に、その時々の国際情勢を反映して、必要に応じて緊急会合の呼びかけを行うこともあります。

これまで日本は1979年、1986年、1993年、2000年の4回議長国となっています。そして今年北海道洞爺湖地域にて、5回目の議長国としてサミットを開催します。

サミット開催の経緯

1970年代に入り、ニクソン・ショック(ドルの切り下げ)や第1次石油危機などの諸問題に直面した先進国の間では、世界経済問題(マクロ経済、通貨、貿易、エネルギーなど)に対する政策協調について首脳レベルで総合的に議論する場が必要であるとの認識が生まれました。

このような背景の下、ジスカール・デスタン仏大統領(当時)の提案により、1975年11月、パリ郊外のランブイエ城において、日、米、英、仏、独、伊の6か国による第1回首脳会議が開催されました。

1975年のランブイエ首脳会議の結果、世界経済問題に対応するために先進国の首脳が集まって政策協調のための議論の場を持つことの重要性が認識され、各国が持ち回りで議長国を務めつつ毎年首脳が集まって会合をもつことになりました。

その後、世界経済の諸問題と並んで、冷戦を背景とした東西問題、更には冷戦崩壊後の国際問題、南北問題やその時々の世界情勢などの政治問題が議論の対象とされるようになり、さらには環境、麻薬、テロ、エイズ等感染症などの地球規模の社会問題についても議論されるようになっています。このようにして、主要国の政策協調の場であるサミットの重要性はますます高まっています。