(注1) 例えば日本はエネルギー供給の80%を海外に依存しており、また食料自給率(カロリーベース)についても40%となっている。
(注2) 日本は危機発生直後より、経済構造改革支援、社会的弱者支援、人材育成・留学生支援を柱としつつアジア諸国を積極的に支援してきた。具体的には、98年10月に表明された「新宮澤構想」をはじめ、「経済構造改革支援のための特別円借款」(特別円借款)(囲み5.(注3)参照)など、現在その着実な実施に努めている。日本を中心とした国際社会からの支援もあり、東南アジア諸国の経済成長(GDP成長)率は98年に-8.5%だったが、99年は2.9%、2000年には4.8%、2001年は5.1%との予測(アジア開発銀行)がなされている。
(注3) 第3部「主要援助国としての日本の課題別取り組み」を参照。
(注4) 「21世紀に向けて:開発協力を通じた貢献(新開発戦略)」
96年5月、経済協力開発機構(OECD)の開発援助委員会(DAC)において、21世紀の援助の指針を定めるものとして採択された文書。その策定に当たっては日本が主導し、すべての人々の生活の向上を目指し、具体的な目標と達成すべき期限を設定している。
具体的には、2015年までの貧困人口割合の半減、
2015年までの初等教育の普及、
2005年までの初等・中等教育における男女格差の解消、
2015年までの乳幼児死亡率の1/3までの削減、
2015年までの妊産婦死亡率の1/4までの削減、
性と生殖に関する健康(リプロダクティブ・ヘルス)に係る保健・医療サービスの普及、
2005年までの環境保全のための国家戦略の策定、
2015年までの環境資源の減少傾向の増加傾向への逆転、が挙げられている。
新開発戦略では、これら目標の実現のために、開発への途上国の主体的取り組み(オーナーシップ)と、先進国及び開発途上国が責任を分担し、共同の取り組みを進めていくこと(「新たなグローバル・パートナーシップ」)の重要性を強調している。
(注5) LLDC向け援助に関わる物資や役務の調達先をすべての国に対して開放(「アンタイド化」)しようとの主張があるが、援助の中には、人と密接に結びついた技術協力などがあり、すべての援助がアンタイド化に馴染むものではないことに留意する必要がある。また各援助国の援助のアンタイド化率は様々であり、アンタイド化が遅れている援助国により大きな努力を求めるといった負担の衡平も確保されるべきである。
九州・沖縄サミット・コミュニケにおいては、「ODAの効果を高めるめるために、われわれは、現在までに経済協力開発機構(OECD)において実現した進展およびわれわれがOECDにおけるパートナーと合意する公正な負担分担メカニズムに基づいて後発開発途上国への援助をアンタイド化することを決意する。」とされた。因みに、日本は、相当程度アンタイド化を進めており、99年の日本のアンタイド率は96.4%でDACメンバー国中第4位である(DAC諸国のアンタイド率につき図表―6参照)。