日本は、TICADプロセスを基軸としてアフリカの開発に積極的に取り組んできています。TICADはこれまで5年に1回開催されてきましたが、その間にもTICADに関連して、貿易・投資、平和の定着、環境・エネルギーなど個別の分野に着目して開催された閣僚級会議や様々な準備会合、実務者協議を開催しています。TICADは、アフリカ諸国と国際社会が一緒になって、アフリカ開発の指針を提示するプロセスとして機能しています。
日本は、TICADプロセスを通じて、アフリカの開発のためにはアフリカ諸国の自助努力(オーナーシップ)と、それを支える国際社会の協力(パートナーシップ)が重要であると訴え続けてきました。
「アフリカ開発のための新パートナーシップ(NEPAD)」は、アフリカ自身によるアフリカ開発のための主体的なイニシアティブとして、2001年7月のアフリカ統一機構(OAU、現在のアフリカ連合(AU)の前身)総会で採択されました。その直後の12月のTICAD閣僚レベル会合は、NEPADを国際社会に対して初めて紹介する機会となりました。以降、TICADプロセスは、アフリカ諸国による主体的な取組のためにNEPADとの連携を強化してきました。
また、日本はアフリカ開発には、日本のみならず多くのパートナーが必要であるとの考えから、TICADプロセスには、先進国、国連、国連開発計画(UNDP)、世界銀行をはじめとする多くの開発援助機関、NGOなどをはじめとする市民社会などの参加を求めてきました。特に、TICAD IVでは、パートナーシップをさらに拡大するとの観点から、アフリカ開発に積極的な民間企業や財団、世界的なロック・グループであるU2のボノ氏やノーベル平和賞受賞者のワンガリ・マータイさんなどが個人として参加してスピーチを行いました。
TICADプロセスでは、アジア・アフリカ協力を中心とした南南協力の重要性についても取り上げています。日本は戦後、アジア諸国と一緒になって、その経済発展を後押ししてきました。近年は、発展を遂げたアジア諸国とアフリカ諸国との経済関係も発展してきています。TICADは、アジアにおける開発経験をアフリカの発展に活かすことの重要性についても提唱しており、アジア諸国での研修プログラムの実施などの人材育成事業や、アフリカ・アジア・ビジネス・フォーラムの開催などを通じて両地域の貿易・投資を促進する取組を行っています。