第2節 日本のリーダーシップ

1 .「クールアース推進構想」の発表

気候変動に対して速やかな行動が求められている中で、日本はこの問題について積極的にリーダーシップを発揮しています。

2008年1月、福田総理大臣(当時)は、世界経済フォーラム年次総会(通称「ダボス会議」)に出席し特別講演を行い、「クールアース推進構想」を発表しました。その中で、日本としては主要排出国と共に、今後の温室効果ガスの排出削減について、国別総量目標を掲げて取り組む決意を示しました。その際には、各国間の削減負担の公平さを確保するため、科学的かつ透明性の高い尺度として、エネルギー効率などをセクター別に割り出し(セクター別アプローチ)、今後活用される技術を基礎として削減可能量を割り出して積み上げることを提案しました。

また、排出削減と経済成長を両立させ、気候の安定化に貢献しようとする途上国に対し、100億ドル規模の新たな資金を活用した「クールアース・パートナーシップ」の構築を提案し、省エネ努力などの開発途上国の排出削減への取組に積極的に協力するとともに、気候変動で深刻な被害を受ける開発途上国に対して支援の手を差し伸べることで、開発途上国とも連帯を強化して地球全体での温室効果ガス削減を目指す考えを示しています。