2.「低炭素社会・日本」をめざして―日本の目標提示

G8北海道洞爺湖サミットを1か月後に控えた2008年6月、福田総理大臣(当時)は、『「低炭素社会・日本」をめざして』と題するスピーチを行いました。その中で、長期目標につき、2050年までに世界全体で温室効果ガス排出量を半減するという目標をG8および主要排出国と共有し、先進国として開発途上国以上の貢献をすべく、日本としては2050年までに温室効果ガス排出量を現状から60〜80%削減するという目標を提示しました。日本として大幅な排出削減に不可欠な革新的技術開発を加速し、低炭素社会づくりに向けた先導役を果たしていく決意を示しました。また、中期目標については、セクター別アプローチにより、排出削減可能量の分析作業を行い、その成果をCOP14に報告するよう各国に働きかけるとともに、セクター別積み上げ方式に対する各国の評価などを踏まえ、共通の方法論を確立すべく各国の理解を得ることとしました。なお、日本の国別総量目標については、2009年のしかるべき時期に発表することとしています。そして、具体的な政策として、革新技術の開発と既存先進技術の普及、国全体を低炭素化へ動かす仕組み、地方の活躍、国民主役の低炭素化という4つの柱を示しました。翌7月には同スピーチや地球温暖化問題に関する懇談会提言(2008年6月)で示された政策項目ごとに具体的施策を明らかにした「低炭素社会づくり行動計画」が策定されました。

図表I-4 クールアース・パートナーシップの全体像(イメージ)